JP2002069645A - 薄膜および薄膜製造方法 - Google Patents

薄膜および薄膜製造方法

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JP2002069645A
JP2002069645A JP2000265238A JP2000265238A JP2002069645A JP 2002069645 A JP2002069645 A JP 2002069645A JP 2000265238 A JP2000265238 A JP 2000265238A JP 2000265238 A JP2000265238 A JP 2000265238A JP 2002069645 A JP2002069645 A JP 2002069645A
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film
substrate
refractive index
thin film
catalyst
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JP2000265238A
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English (en)
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Naoji Nada
直司 名田
Yuji Uchiyama
雄司 内山
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Fujitsu Ltd
Sony Corp
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Sony Corp
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  • Formation Of Insulating Films (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマを発生させる成膜方法で、成膜条件
を変化させて膜厚方向に屈折率が変化する屈折率傾斜膜
を形成すると、プラズマが不安定になって成膜の再現性
が低くなるので、成膜条件の変更は非常に狭い範囲でし
かできなかった。 【解決手段】 触媒CVD法により基板51上に薄膜を
形成する薄膜製造方法であって、成膜時に、成膜条件の
うちの1種もしくは複数種の成膜条件を変化させて、膜
厚方向に屈折率が変化する屈折率傾斜膜を成膜するとい
う薄膜製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜および薄膜製
造方法に関し、詳しくは膜厚方向に屈折率が変化する薄
膜および屈折率傾斜膜を形成する薄膜製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光学的な反射防止膜や波長選択フィルタ
は、一般的に複数の種類の薄膜を積層することによって
製造されている。そして近年では、積層膜より特性の優
れたルゲート(うねり)フィルタ〔rugate filter〕が
注目されている。これは、ガラスなどの基板上に膜厚方
向に屈折率を変化させた屈折率傾斜膜を形成することに
より製造される。屈折率傾斜膜の製造方法としては、プ
ラズマCVD(以下PECVDという)法やスパッタリ
ング法、電子サイクロトロン共鳴(以下ECRという、
ECRはElectron Cyclotron Resonance の略)により
プラズマを生成するECR−PECVD法が採用されて
おり、成膜中にガス組成を変化させる方法が主流であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記製
造方法ではプラズマを発生させるために、成膜中に成膜
条件を変化させることは、プラズマが不安定になり、再
現性の高い製造方法とは言いがたい。また、プラズマが
不安定になる理由からガス組成以外の条件、例えば、ガ
ス圧力や基板の位置などを成膜中に変化させることは困
難であるため、非常に狭い範囲でしか成膜条件を変化さ
せることができない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされた薄膜および薄膜製造方法である。
【0005】本発明の薄膜製造方法は、触媒CVD法に
より基板上に薄膜を形成する薄膜製造方法であって、前
記薄膜の成膜中に、1種もしくは複数種の成膜条件を変
化させることを特徴としている。
【0006】上記薄膜製造方法では、触媒CVD法によ
る成膜時に、1種もしくは複数種の成膜条件を変化させ
ることから、成膜される膜の密度が成膜条件の変化に対
応して変化する。そのため、基板側から膜表面方向に向
かって密度が変化する膜となるので、屈折率も基板側か
ら膜表面方向に向かって変化する。よって、成膜された
膜は膜厚方向に屈折率が変化する屈折率傾斜膜となる。
また、この屈折率傾斜膜は、上記成膜条件の変化を連続
的に行うことによって、膜厚方向に屈折率が連続的に変
化する膜となる。
【0007】本発明の薄膜は、基板上に被着形成される
薄膜であって、1種もしくは複数種の成膜条件を変化さ
せつつ、触媒CVD法によって被着形成され、厚さ方向
に屈折率が連続的に変化しているものである。
【0008】上記薄膜は、1種もしくは複数種の成膜条
件を変化させつつ、触媒CVD法によって被着形成され
たものであるから、成膜条件の変化に対応して薄膜の密
度が変化したものとなる。すなわち、基板側から膜表面
方向に向かって密度が変化したものとなり、その密度変
化に対応して屈折率が連続的に変化した膜となる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、膜厚方向に屈折率が変
化する屈折率傾斜膜を製造する薄膜製造方法であって、
触媒CVD法によって成膜されるものである。触媒CV
D法は、プラズマを発生させることがない成膜方法であ
るため、非常に安定した状態で薄膜を形成することがで
き、膜堆積時の圧力範囲が10-2Pa台から100Pa
台と極めて広いという特徴を有している。
【0010】本発明の薄膜製造方法を実施する触媒CV
D装置一例を、図1の主要部概略構成断面図によって説
明する。
【0011】図1の(1)に示すように、触媒CVD装
置1は、処理室11が備えられていて、その処理室11
の内部には、基板51が載置される基板ホルダー12が
設置されている。この基板ホルダー12には、高さ調整
機構(図示せず)が設けられており、図面矢印方向に昇
降自在に構成されている。したがって、基板ホルダー1
2によって、後に説明する触媒体15と基板51との距
離(以下触媒体15−基板51間距離と記す)を変える
ことができるようになっている。
【0012】上記基板ホルダー12の内部には、基板加
熱ヒーター13が設置されている。この基板加熱ヒータ
ー13は、例えば電気的な発熱体(例えば、電熱線、電
熱板等の抵抗加熱体)で構成されていて、処理室11の
例えば外部に設置した基板加熱ヒーター電源14が接続
されている。したがって、基板51は上記基板加熱ヒー
ター13を基板加熱ヒーター電源14で通電加熱するこ
とにより基板ホルダー12を加熱し、熱伝導により加熱
される。
【0013】上記処理室11内で基板ホルダー12の上
方には基板ホルダーに載置される基板51とほぼ平行に
触媒体15が設置されている。この触媒体15は、例え
ば、基板51よりも大きい面積を有するように、かつ折
れ線状に整形したタングステン線で形成されていている
(図1の(2)に参照)。上記触媒体15には、処理室
11の例えば外部に設置した触媒体加熱電源16が接続
されている。この触媒体15の温度は、触媒体加熱電源
16により通電過熱され触媒体15の電気抵抗をモニタ
ーして一定に保たれる。また、触媒体15と基板ホルダ
ー12との間にはシャッター17が設置されている。
【0014】さらに処理室11の例えば上部にはガス導
入部18が設置されている。このガス導入部18は、例
えばシャワーノズルを備えている。
【0015】さらに触媒CVD装置1には、ガス供給部
21が設置されている。このガス供給部21は、例えば
モノシランが貯蔵されているボンベ22aとアンモニア
が貯蔵されているボンベ22bとが設置されている。各
ボンベ22a、22bには、配管23a、23bが接続
されている。各配管23a、23bにはマスフローコン
トローラー24a、24bが設置され、各マスフローコ
ントローラー24a、24bの上流側にはバルブ25a、
25b、26a、26bが設置され、各マスフローコン
トローラー24a、24bの下流側にはバルブ27a、2
7bが設置されている。
【0016】上記各配管23a、13bは、一つの配管
28に接続されている。この配管28には、圧力調整バ
ルブ29が設置されている。また上記配管28の下流側
は、上記ガス導入部18に接続されている。したがっ
て、ガス供給部21から触媒CVD薄膜形成装置1へ導
入されるガス流量はそれぞれマスフローコントローラー
24a、24bによって制御され、成膜時のガス圧力は
圧力調整バルブ29で調整される。
【0017】また上記処理室2には、その下部に排気装
置(図示せず)に接続された排気管31が接続されてい
る。この排気管31の内部には排気量を調整するバルブ
32が設置されている。したがって、排気装置を稼動す
ることによって、処理室11内のガスは排気管31を通
して処理室11の外部に排気でき、バルブ32を調整す
ることによって、排気量を制御することができる。
【0018】次に、上記触媒CVD装置1を用いた成膜
方法を以下に説明する.まず、触媒CVD装置1の基板
ホルダー12上に基板51を載置して、処理室11内を
十分に真空排気した後、上記基板加熱ヒーター13を基
板加熱ヒーター電源14で通電加熱することにより基板
ホルダー12を加熱し、熱伝導により基板51を所望の
温度まで加熱する。次に、触媒体15を所定の温度まで
通電加熱し、ガス供給部21より所定の流量で原料ガス
を処理室21内へ導入する。圧力調整バルブ29で所望
のガス圧力に設定した後、シャッター17を開放して基
板51上に膜形成を開始させる。所定の時間、成膜した
後、シャッター17を閉じて膜形成を終了させる。膜形
成を終了させた後、触媒体15の加熱、基板51の加熱
およびガスの導入を停止し、基板51を取り出す。
【0019】次に、本発明の薄膜製造方法(触媒CVD
法)による具体的な第1の成膜方法を、前記図1を用い
て説明する。ここでは、原料ガスにモノシラン(SiH
4 )とアンモニア(NH3 )を用い、触媒体15にタン
グステン線を用いて基板51上に窒化ケイ素膜を製造す
る方法の一例を説明する。
【0020】まず、窒化ケイ素膜の屈折率がガス組成、
すなわちモノシラン(SiH4 )とアンモニア(N
3 )の流量比で変化することを図2によって説明す
る。
【0021】図2は、触媒体15の温度を1800℃、
アンモニア流量を500cm3 /min、ガス圧力を5
Pa、触媒体15−基板51間距離を40mmに設定し
て成膜を行った場合の膜の屈折率とモノシラン流量との
関係を示している。屈折率はモノシラン流量の増加とと
もに増大し、モノシラン流量が2cm3 /minから8
cm3 /minに変化すると、屈折率は1.82から
2.11に大きく変化した。この結果から、触媒CVD
法により成膜中にモノシラン流量を変化させることによ
り容易にかつ安定に屈折率傾斜膜を成膜することができ
る。なお、モノシラン流量を固定して、アンモニア流量
を変化させても、同様に屈折率傾斜膜を製造することが
できる。
【0022】次に、具体的な成膜例として第1の実施の
形態を説明する。
【0023】基板51に石英基板を用い、その基板51
を基板ホルダー12に載置して、触媒体15−基板51
間距離を40mmに設定した。次いで、処理室11内を
真空状態にした。そして基板温度が300℃になるよう
に、基板加熱ヒーター電源14により基板加熱ヒーター
13に通電した。
【0024】次に、アンモニアガスをマスフローコント
ローラー24bで流量を500cm 3 /minに制御
し、ガス導入部18より処理室11内に導入した。さら
に圧力調整バルブ29によりガス圧力を5Paに制御し
た。
【0025】次いで、触媒体加熱電源16により触媒体
15に通電して、触媒体15が1800℃になるように
加熱した。
【0026】次に、モノシランガスをマスフローコント
ローラー24aで流量を2cm3 /minに制御し、ガ
ス導入部18より処理室11内に導入した。
【0027】次いで、シャッター17を開ける。それと
同時にマスフローコントローラー22aを制御してモノ
シランガス流量を毎分0.24cm3 /minで2cm
3 /minから8cm3 /minまで連続的に増加させ
た。
【0028】モノシランガス流量が8cm3 /minに
なったところで直ちにシャッター17を閉じて成膜を終
了させた。
【0029】さらに、各バルブ25a、25b等を閉め
ることによって、モノシランガスおよびアンモニアガス
の導入を停止し、触媒体加熱電源16により触媒体15
への通電を停止することによって触媒体15の加熱を停
止した後、基板51を取り出した。
【0030】以上の方法によって、図3に示すように、
厚さが1μmの屈折率が膜厚方向に、基板51側から膜
表面方向に向かって1.8から2.1まで連続的に変化
する屈折率傾斜膜からなる本発明の薄膜52を基板(石
英基板)51上に作製することができた。すなわち、本
発明の薄膜52は、基板51上に被着形成されたもので
あって、成膜条件の一つであるモノシランガス流量を変
化させつつ、触媒CVD法によって被着形成され、厚さ
方向に屈折率が連続的に変化しているものである。
【0031】上記第1の実施の形態では、成膜時に、成
膜条件のうちのモノシランガス流量を毎分0.24cm
3 /minで2cm3 /minから8cm3 /minま
で連続的に増加させたことから、成膜される薄膜52の
密度が成膜条件の変化に対応して変化する。そのため、
基板51側から膜表面方向に向かって密度が変化する膜
となるので、屈折率も変化する。よって、成膜された薄
膜52は、基板51側から膜表面方向に向かって屈折率
が1.82から2.11まで連続的に変化する屈折率傾
斜膜となる。このように、成膜条件のうちのモノシラン
ガス流量を変化させつつ、触媒CVD法によって基板5
1上に被着形成された本発明の薄膜52は、基板側から
膜表面方向に向かって密度が変化したものとなり、その
密度変化に対応して屈折率が連続的に変化した膜とな
る。
【0032】次に、触媒CVD法による具体的な第2の
成膜方法を、前記図1を用いて説明する。ここでは、原
料ガスにモノシラン(SiH4 )とアンモニア(N
3 )を用い、触媒体15にタングステン線を用いて基
板51上に窒化ケイ素膜を製造する方法の一例を説明す
る。
【0033】まず、窒化ケイ素膜の屈折率が成膜時のガ
ス圧力によって変化することを図4によって説明する。
【0034】図4は、触媒体15の温度を1800℃、
モノシラン流量を8cm3 /min、アンモニア流量を
500cm3 /min、触媒体15−基板51間距離を
40mmに設定して、成膜を行った場合の膜の屈折率と
ガス圧力との関係を示している。屈折率はガス圧力の増
加にともない減少する傾向を示している。すなわち、触
媒CVD法により成膜中にガス圧力を変化させることに
より容易にかつ安定に屈折率傾斜膜を成膜することがで
きる。
【0035】次に、具体的な成膜例として第2の実施の
形態を説明する。
【0036】基板51に石英基板を用い、その基板51
を基板ホルダー12に載置して、触媒体15−基板51
間距離を40mmに設定した。次いで、処理室11内を
真空状態にした。そして基板温度が300℃になるよう
に、基板加熱ヒーター電源14により基板加熱ヒーター
13に通電した。
【0037】次に、アンモニアガスをマスフローコント
ローラー24bで流量を500cm 3 /minに制御
し、ガス導入部18より処理室11内に導入した。さら
に圧力調整バルブ29によりガス圧力を20Paに制御
した。
【0038】次いで、触媒体加熱電源16により触媒体
15に通電して、触媒体15が1800℃になるように
加熱した。
【0039】モノシランガスをマスフローコントローラ
ー24aで流量を8cm3 /minに制御し、ガス導入
部18より触媒室11内に導入した。
【0040】次いで、シャッター17を開ける。それと
同時に圧力調整バルブ29を連続的に制御することによ
って、ガス圧力を毎分1Paの割り合いで20Paから
5Paまで連続的に減少させた。
【0041】ガス圧力が5Paになったところで直ちに
シャッター17を閉じて、成膜を終了させた。
【0042】さらに、各バルブ25a、25b等を閉め
ることによって、モノシランガスおよびアンモニアガス
の導入を停止し、触媒体加熱電源16により触媒体15
への通電を停止することによって触媒体15の加熱を停
止した後、基板51を取り出した。
【0043】以上の方法によって、前記図3に示したの
と同様に、厚さが900nmの屈折率が膜厚方向に、基
板51側から膜表面方向に向かって1.94から2.1
1まで連続的に変化する屈折率傾斜膜からなる本発明の
薄膜52を基板(石英基板)51上に作製することがで
きた。すなわち、本発明の薄膜52は、基板51上に被
着形成されたものであって、成膜条件の一つであるガス
圧力を変化させつつ、触媒CVD法によって被着形成さ
れ、厚さ方向に屈折率が連続的に変化しているものであ
る。
【0044】上記第2の実施の形態では、成膜時に、成
膜条件のうちのガス圧力を毎分1Paの割り合いで20
Paから5Paまで連続的に減少させたことから、成膜
される薄膜52の密度が成膜条件の変化に対応して変化
する。そのため、基板51側から膜表面方向に向かって
密度が変化する膜となるので、屈折率も変化する。よっ
て、成膜された薄膜52は、基板51側から膜表面方向
に向かって屈折率が1.94から2.11まで連続的に
変化する屈折率傾斜膜となる。このように、成膜条件の
うちのガス圧力を変化させつつ、触媒CVD法によって
基板51上に被着形成された本発明の薄膜52は、基板
側から膜表面方向に向かって密度が変化したものとな
り、その密度変化に対応して屈折率が連続的に変化した
膜となる。
【0045】次に、触媒CVD法による具体的な第3の
成膜方法を、前記図1を用いて説明する。ここでは、原
料ガスにモノシラン(SiH4 )とアンモニア(N
3 )を用い、触媒体15にタングステン線を用いて基
板51上に窒化ケイ素膜を製造する方法の一例を説明す
る。
【0046】まず、窒化ケイ素膜の屈折率が、触媒体1
5−基板51間距離によって変化することを、図5によ
って説明する。
【0047】図5は、触媒体15の温度を1800℃、
モノシラン流量を8cm3 /min、アンモニア流量を
500cm3 /min、ガス圧力を8Paに設定して、
成膜を行った場合の膜の屈折率と触媒体15−基板51
間距離との関係を示している。屈折率は触媒体15−基
板51間距離の増加にともない減少する傾向を示してい
る。すなわち、触媒CVD法により成膜中に触媒体15
−基板51間距離を変化させることにより容易にかつ安
定に屈折率傾斜膜を成膜することができる。
【0048】次に、具体的な成膜例として第3の実施の
形態を説明する。
【0049】基板51に石英基板を用い、その基板51
を基板ホルダー12に載置して、触媒体15−基板51
間距離を160mmに設定した。次いで、処理室11内
を真空状態にした。そして基板温度が300℃になるよ
うに、基板加熱ヒーター電源14により基板加熱ヒータ
ー13に通電した。
【0050】次に、アンモニアガスをマスフローコント
ローラー24bで流量を500cm 3 /minに制御
し、ガス導入部18より処理室11内に導入した。さら
に圧力調整バルブ29によりガス圧力を5Paに制御し
た。
【0051】次いで、触媒体加熱電源16により触媒体
15に通電して、触媒体15が1800℃になるように
加熱した。
【0052】モノシランガスをマスフローコントローラ
ー24aで流量を8cm3 /minに制御し、ガス導入
部18より触媒室11内に導入した。
【0053】次いで、シャッター17を開ける。それと
同時に基板ホルダー12を毎分8mmの上昇速度で連続
的に上昇ささせるように制御することによって、基板5
1−触媒体15間距離を160mmから40mmまで変
化させた。
【0054】基板51−触媒体15間距離が40mmに
なったところで直ちにシャッター17を閉じて、成膜を
終了させた。
【0055】さらに、各バルブ25a、25b等を閉め
ることによって、モノシランガスおよびアンモニアガス
の導入を停止し、触媒体加熱電源16により触媒体15
への通電を停止することによって触媒体15の加熱を停
止した後、基板51を取り出した。
【0056】以上の方法によって、前記図3に示したの
と同様に、厚さが700nmの屈折率が膜厚方向に、基
板51側から膜表面方向に向かって1.95から2.1
1まで連続的に変化する屈折率傾斜膜からなる本発明の
薄膜52を基板(石英基板)51上に作製することがで
きた。すなわち、本発明の薄膜52は、基板51上に被
着形成されたものであって、成膜条件の一つである基板
51−触媒体15間距離を変化させつつ、触媒CVD法
によって被着形成され、厚さ方向に屈折率が連続的に変
化しているものである。
【0057】上記第3の実施の形態では、成膜時に、成
膜条件の内、基板51−触媒体15間距離を160mm
から40mmまで変化させたことから、成膜される薄膜
52の密度が成膜条件の変化に対応して変化する。その
ため、基板51側から膜表面方向に向かって密度が変化
する膜となるので、屈折率も変化する。よって、成膜さ
れた薄膜52は、基板51側から膜表面方向に向かって
屈折率が1.95から2.11まで連続的に変化する屈
折率傾斜膜となる。このように、成膜条件のうちの基板
51−触媒体15間距離を変化させつつ、触媒CVD法
によって基板51上に被着形成された本発明の薄膜52
は、基板側から膜表面方向に向かって密度が変化したも
のとなり、その密度変化に対応して屈折率が連続的に変
化した膜となる。
【0058】次に、本発明の触媒CVD法による成膜に
係る第4の実施の形態を説明する。この成膜方法では、
原料ガスにモノシラン(SiH4 )とアンモニア(NH
3 )を用い、触媒体15にタングステン線を用いて基板
51上に窒化ケイ素膜を製造する。その成膜中には、基
板表面温度を変化させている。
【0059】上記成膜では、触媒体15の温度を180
0℃、モノシラン流量を8cm3 /min、アンモニア
流量を500cm3 /min、ガス圧力を8Pa、触媒
体15−基板51間距離を40mmに設定し、基板表面
温度を例えば300℃まで上昇させて成膜を行った。こ
の結果、成膜された膜の屈折率は基板表面温度の上昇と
ともに増加する傾向を示した。したがって、触媒CVD
法により成膜中に基板表面温度を変化させることにより
容易にかつ安定に屈折率傾斜膜を成膜することができ
る。
【0060】次に、本発明の触媒CVD法による成膜に
係る第5の実施の形態を説明する。この成膜方法では、
原料ガスにモノシラン(SiH4 )とアンモニア(NH
3 )を用い、触媒体15にタングステン線を用いて基板
51上に窒化ケイ素膜を製造する。その成膜中には、触
媒体温度を変化させている。
【0061】上記成膜では、基板表面温度を300℃、
モノシラン流量を8cm3 /min、アンモニア流量を
500cm3 /min、ガス圧力を8Pa、触媒体15
−基板51間距離を40mmに設定し、触媒体温度を例
えば1800℃まで上昇させて成膜を行った。この結
果、前記図3に示すように、基板51上に成膜された薄
膜52の屈折率は触媒体温度の上昇とともに増加する傾
向を示した。したがって、触媒CVD法により成膜中に
触媒体温度を変化させることにより容易にかつ安定に屈
折率傾斜膜を成膜することができる。
【0062】上記各実施の形態では、一つの成膜条件を
変化させたが、本発明では成膜中に複数の成膜条件を同
時に変化させることも可能である。したがって、本発明
の薄膜52は、基板51上に被着形成される薄膜であっ
て、複数の成膜条件を同時に変化させつつ、触媒CVD
法によって被着形成され、厚さ方向に屈折率が連続的に
変化している膜であってもよい。
【0063】上記各実施の形態では、窒化ケイ素膜の屈
折率傾斜膜を作製した例を示したが、本発明では、窒化
ケイ素膜に限定されることは無く、導入ガスや触媒体の
種類を変えて、窒化酸化ケイ素(SiOx y )膜、窒
化アルミニウム(AlNx )膜、窒化酸化アルミニウム
(AlOx y )膜、窒化酸化ケイ素アルミニウム(A
a Sib x y )膜の屈折率傾斜膜からなる本発明
の薄膜を成膜することも可能である。
【0064】また、上記各実施の形態では、窒化ケイ素
膜の屈折率傾斜膜を作製したが、本発明では、窒化ケイ
素膜に限定されることは無く、導入ガスや触媒体の種類
を変えて、金属酸化物膜、金属窒化物膜、もしくは半導
体膜の屈折率傾斜膜からなる本発明の薄膜を成膜するこ
とも可能である。
【0065】上記各実施の形態では、触媒CVD法によ
って成膜を行うので、プラズマを発生させることなく屈
折率傾斜膜の成膜を行うことができる。そのため、成膜
条件を変化させても安定的に屈折率傾斜膜を形成するこ
とができる成膜条件が多くなり、その成膜条件の組み合
わせによって、屈折率を膜厚方向に大きく変化させるこ
とができる。さらに、薄膜製造装置にプラズマ発生源を
搭載する必要がないため、装置構造が単純になるため、
大面積基板への成膜が容易にできるようになる。さら
に、成膜中に膜厚や屈折率をモニターする装置を薄膜形
成装置内に導入しても、成膜状態を乱すことなく安定し
て膜形成することができる。
【0066】そして、上記説明した本発明の薄膜製造方
法は、光学フィルタ素子の製造、表示装置の表示画面の
反射防止膜、太陽電池の反射防止膜等の製造に有効であ
る。
【0067】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の薄膜製造
方法によれば、触媒CVD法による成膜時に、成膜条件
のうちの1種もしくは複数種の成膜条件を変化させるの
で、成膜される膜の密度を成膜条件の変化に対応して膜
厚方向に変化させることができる。よって、膜厚方向に
屈折率を変化させた屈折率傾斜膜を形成することができ
る。また、上記成膜条件の変化を連続的に行うことによ
って、膜厚方向に屈折率が連続的に変化する屈折率傾斜
膜を形成することができる。
【0068】本発明の薄膜によれば、1種もしくは複数
種の成膜条件を変化させつつ、触媒CVD法によって被
着形成された膜なので、成膜条件の変化に対応して薄膜
の密度は、基板側から膜表面方向に向かって変化したも
のとなっている。よって、膜厚方向に屈折率が連続的に
変化した屈折率傾斜膜を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜製造方法を実施する触媒CVD装
置を示す主要部概略構成図である。
【図2】屈折率とモノシラン流量との関係図である。
【図3】本発明の薄膜を示す概略構成断面図である。
【図4】屈折率とガス圧力との関係図である。
【図5】屈折率と触媒体−基板間距離との関係図であ
る。
【符号の説明】
51…基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内山 雄司 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 2K009 AA02 BB01 CC02 CC42 DD03 DD09 4K030 AA06 AA13 BA29 BA38 BA40 CA06 CA17 EA04 FA17 GA02 JA03 JA06 JA09 JA12 KA23 5F045 AB33 AC01 AC12 DA64 EE12 EK07 EM10 5F058 BC08 BF02 BF23 BF30 BF36 BF37

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒CVD法により基板上に薄膜を形成
    する薄膜製造方法であって、 前記薄膜の成膜中に、1種もしくは複数種の成膜条件を
    変化させることを特徴とする薄膜製造方法。
  2. 【請求項2】 前記成膜条件は、 ガス組成、ガス圧力、触媒体と基板との距離、基板表面
    温度および触媒体の温度のいずれか少なくとも1条件か
    らなることを特徴とする請求項1記載の薄膜製造方法。
  3. 【請求項3】 前記成膜条件の変化は漸次変化させるこ
    とを特徴とする請求項1記載の薄膜製造方法。
  4. 【請求項4】 基板上に被着形成される薄膜であって、 1種もしくは複数種の成膜条件を変化させつつ、触媒C
    VD法によって被着形成され、厚さ方向に屈折率が連続
    的に変化していることを特徴とする薄膜。
  5. 【請求項5】 前記成膜条件は、 ガス組成、ガス圧力、触媒体と基板との距離、基板表面
    温度および触媒体の温度のいずれか少なくとも1条件か
    らなることを特徴とする請求項4記載の薄膜。
  6. 【請求項6】 前記成膜条件の変化は漸次変化させるこ
    とを特徴とする請求項4記載の薄膜。
  7. 【請求項7】 前記薄膜は窒化ケイ素からなることを特
    徴とする請求項4記載の薄膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007528940A (ja) * 2004-03-12 2007-10-18 ウニフェルジテイト・ユトレヒト・ホールディング・ベスローテン・フェンノートシャップ 薄膜及び薄膜デバイスを製造するための装置及び方法
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