JP2002069378A - 防汚性塗料硬化物を表面に有する水回り部材 - Google Patents

防汚性塗料硬化物を表面に有する水回り部材

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JP2002069378A
JP2002069378A JP2000253960A JP2000253960A JP2002069378A JP 2002069378 A JP2002069378 A JP 2002069378A JP 2000253960 A JP2000253960 A JP 2000253960A JP 2000253960 A JP2000253960 A JP 2000253960A JP 2002069378 A JP2002069378 A JP 2002069378A
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coating material
compound
resin
free energy
surface free
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JP2000253960A
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Mitsutoshi Noguchi
光敏 野口
Masahiro Yano
正裕 矢野
Toshio Kobayashi
敏男 小林
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 部材に意匠性を付与すると同時に、付着汚れ
が容易に除去できる塗料硬化物を表面に有する水回り部
材を低コストで提供する。 【解決手段】 シリコーン樹脂化合物とフッ素樹脂化合
物の一方又は両方を含有する低表面自由エネルギー化合
物を含有した塗料硬化物を表面に有する水回り部材。ま
た、塗料硬化物がアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂又はポリエステル樹脂の1種類以上であり、
低表面自由エネルギー化合物が塗料硬化物との相溶性基
若しくは相溶性セグメントの一方又は両方を有し、塗料
硬化物との反応性基を有する水回り部材。さらに塗料硬
化物100重量部に対し低表面自由エネルギー化合物
0.01〜10重量部を含む水回り部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部材に意匠性およ
び防汚性を付与することを可能とした防汚性塗料硬化物
を表面に有する浴槽、天井パネル、壁パネル、床パン、
ドア、水栓、排水ユニット、配管、石鹸受け、洗面器、
シャワーグリップ、シャワーホース、換気扇、鏡、カウ
ンター、シンク、棚、収納扉、収納キャビネット、便
器、便座、便ふた、ロータンク、手洗器等の、浴室、洗
面所、台所、トイレ等の水回り空間で使用されている水
回り部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】浴室、洗面所、台所、トイレ等の水回り
空間は、さまざまな汚れが非常に多い場所である。一般
に水回り部材に付着する汚れは、油脂、タンパク質等を
中心に、水道水中に含まれるミネラル分による水垢、石
鹸と水道水中のミネラル分の反応による金属石鹸、使用
される化学薬品等による汚れ等により構成されている。
また上記汚れを栄養源として菌、カビ汚れ等が発生す
る。そこで使用されている水回り部材としては、プラス
チック材料や木材料等さまざまな材料が使用されている
が、上記の汚れに対する対策が施されていなかったた
め、従来、水回り空間では、汚れが部材に付着すると、
除去するのが困難であった。これに対して、表面エネル
ギーを低くすることによって、汚れの付着力を低減させ
る試みが行われてきた。特開平4-93363等には、変性オ
ルガノポリシロキサンを添加した樹脂組成物について記
載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の方法で
はオルガノポリシロキサンが成形品表面に滲み出し、成
形時の型汚れや成形品の表面のべたつきが問題だった。
さらに、添加する化合物の量が多くなるためコスト高と
なる問題があった。また、一般に塗料硬化物の塗装は、
部材に色、光沢等の外観意匠性を付与する目的で行われ
ていたため、防汚性についての対策は施されていなかっ
た。本発明では、部材に意匠性を付与すると同時に、付
着した汚れが容易に除去できることを可能とした塗料硬
化物を表面に有する水回り部材を低コストで提供するこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明
は、水回り部材において、低表面自由エネルギー化合物
を含有した塗料硬化物を表面に有することを特徴とす
る。本発明においては、低表面自由エネルギー化合物を
含有した塗料硬化物を表面に有することにより、部材に
意匠性を付与し、汚れの付着力が小さい表面を有する水
回り部材を提供できる。
【0005】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の
水回り部材において、塗料硬化物が、アクリル樹脂、ポ
リウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂から
選ばれる少なくとも1種類以上の樹脂であることを特徴
とする。本発明においては、アクリル樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂から選ばれる
少なくとも1種類以上の樹脂と、請求項1に記載の低表面
自由エネルギー化合物とを混合すると、低表面自由エネ
ルギー表面を作製できる。汎用の樹脂において上記の塗
料硬化物の作製が可能となり、作製が容易で低コスト
に、部材に意匠性を付与し、汚れの付着力が小さい塗料
硬化物を表面に有する水回り部材を提供できる。
【0006】請求項3に記載の発明は、請求項1または2
に記載の水回り部材において、低表面自由エネルギー化
合物が、シリコーン樹脂化合物若しくはフッ素樹脂化合
物のうち少なくとも一方を含有することを特徴とする。
本発明においては、工業的に容易に入手できるシリコー
ン樹脂化合物若しくはフッ素樹脂化合物を用いることに
より、部材に意匠性を付与し、汚れの付着力が小さい塗
料硬化物を表面に有する水回り部材を低コストで提供で
きる。
【0007】請求項4に記載の発明は、上記の水回り部
材において、請求項3に記載の低表面自由エネルギー化
合物が、塗料硬化物との相溶性基若しくは相溶性セグメ
ントのうち少なくとも一方を有することを特徴とする。
本発明においては、低表面自由エネルギー化合物中の相
溶性基若しくは相溶性セグメントは、塗料硬化物に相溶
してアンカーされることにより、改質効果が持続し、ま
た、脱離、移行による汚染を低減させることができる。
【0008】請求項5に記載の発明は、上記の水回り部
材において、請求項3または4に記載の低表面自由エネル
ギー化合物が、塗料硬化物との反応性基を有することを
特徴とする。本発明においては、低表面自由エネルギー
化合物中の反応性基は、塗料硬化物と反応結合すること
により、改質効果が持続し、また、脱離、移行による汚
染を低減させることができる。
【0009】請求項6に記載の発明は、請求項1から5に
記載の水回り部材において、低表面自由エネルギー化合
物が塗料硬化物100重量部に対して0.01重量部から10重
量部含まれることを特徴とする。本発明においては、塗
料硬化物中の低表面自由エネルギー化合物の使用量が、
塗料硬化物100重量部に対して0.01重量部から10重量部
という少量で、低表面自由エネルギー化合物を塗料硬化
物表面に効率良く配置することができる。そのため、塗
料硬化物の外観、物理的強度等を損なわずに高い改質効
果が得られる。その結果、低コストで、部材に意匠性を
付与し、汚れの付着力が小さい表面を有する水回り部材
を提供できる。
【0010】
【発明の実施の形態】一般に水回り部材に付着する汚れ
は、油脂、タンパク質等を中心に、水道水中に含まれる
ミネラル分による水垢、石鹸と水道水中のミネラル分の
反応による金属石鹸、使用される化学薬品等による汚れ
等により構成されている。また上記汚れを栄養源として
菌、カビ汚れ等が発生する。これらの汚れは、発生初期
の付着力はいずれも大きくなく、除去は比較的容易であ
る。しかし、連続的な使用と、乾燥を繰り返すにしたが
い、汚れ自体の凝集力の増加、汚れ成分の変性等によ
り、複合化の進んだ強固な汚れとなり、基材への密着力
が高まり、除去の困難な汚れとなっている。
【0011】このように強固な汚れの付着力には、汚れ
成分と基材との濡れ性が深く関与しており、濡れ性が悪
いほど、汚れの付着力は小さくなる。汚れの付着力を低
減させるには、基材の表面自由エネルギーを低くし、汚
れ、若しくは汚れを含む液体の濡れ性を低下させること
が効果的である。
【0012】一般に個体表面での液体による濡れにはYo
ungの式が成立する。 γS=γSL+γLcosθ γS:個体の表面自由エネルギー γSL:液体固体間の表面自由エネルギー γL:液体の表面自由エネルギー θ:液体の固体に対する接触角 濡れ性はこのθの大きさによって定義され、θが大きい
ほど濡れ性は悪く、θが小さいほど濡れ性は良い。
【0013】さらに、基材への液体の付着仕事Waは次式
で表される。 Wa=γS+γL-γSL Wa=γL(1+cosθ) この付着仕事は汚れを基材から引き離す仕事に相当し、
θが大きく濡れ性が悪いほど付着仕事は小さな値(付着
力小)となる。従って、基材の表面自由エネルギーを低
くし、汚れまたは汚れを含む液体の接触角を増大させる
ことにより、汚れの基材への付着力を低減させることが
できる。
【0014】一般に用いられる樹脂の表面自由エネルギ
ーは40×10-3N/m以上の値をとるが、この基材表面に表
面自由エネルギー25×10-3N/mより小さい表面層を形成
することにより、汚れの濡れ性を低下させ、汚れの付着
力を低減させることができる。このような表面では、従
来除去が困難であった汚れを容易に除去する事ができ
る。
【0015】本発明では、水回り部材の表面に防汚性の
塗料硬化物を塗装するため、部材に色、光沢等の意匠性
を付与すると同時に防汚性を付与できる。また、意匠
性、防汚性を付与したい部材の部分的な意匠性、防汚性
の改善が可能となることが特徴である。さらに、金型等
の大規模な設備の必要が無く、大気中においての作業が
可能となる。
【0016】本発明で用いる塗料硬化物としては、各種
塗料硬化物に広く用いられている樹脂をはじめとしてい
ろいろな樹脂を用いることができる。例えば、アクリル
樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル
樹脂等を用いることができる。また、さまざまな顔料、
一般の塗料用添加剤を使用することができるため、塗料
硬化物とその意匠性、また、塗装する水回り部材の材質
を自由に選択することができ、さまざまな水回り部材に
意匠性と防汚性を同時に付与できる。
【0017】本発明で用いるアクリル樹脂としては、ア
クリルポリウレタン樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、紫外
線硬化型アクリル樹脂、電子線硬化型アクリル樹脂、常
乾型アクリル樹脂等を用いることができる。アクリル樹
脂としては、特にアクリルポリウレタン樹脂が好まし
い。アクリルポリウレタン樹脂を用いる場合のアクリル
ポリオールに特に制限はない。
【0018】アクリルポリウレタン樹脂を用いる場合の
架橋剤としては、ポリイソシアネート化合物を用いる。
ポリイソシアネート化合物としては、非黄変型のヘキサ
メチレンジイソシアネート(HMDI)等の脂肪族イソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂環族イ
ソシアネート、およびジフェニルメタン4,4'-ジイソシ
アネート(MDI)や水添MDI等のポリイソシアネート化合物
を用いることができる。
【0019】アクリルポリウレタン樹脂のアクリルポリ
オールとポリイソシアネート化合物の配合比率は、NCO/
OH比で0.8から1.5の間で、特に1.0から1.2であることが
好ましい。アクリルポリウレタン樹脂を用いたときは、
架橋時に触媒を用いることができる。触媒としては、ジ
ブチル錫ジラウレートを添加量50ppm程度で用いること
が好ましいが、これに限定されるものではない。アクリ
ルポリウレタン樹脂を用いたときは、硬化を進めるため
に製膜後に加熱処理することが好ましい。50℃で0.5時
間から7日間加熱処理することが好ましい。
【0020】アクリルポリオール以外のポリオールを用
いたポリウレタン樹脂を用いることができる。
【0021】ポリエステル樹脂としては、ポリオールと
多塩基酸との重縮合反応により合成されたものを用いる
ことができる。また、不飽和結合を有するポリオールと
多塩基酸、さらにポリオールの不飽和基と共重合可能な
モノマーによる重縮合反応とラジカル反応により得られ
るものを用いることができる。
【0022】エポキシ樹脂としては、ビスフェノール型
に代表されるポリエポキシ化合物とポリオールやポリア
ミン、ポリチオール等の重合反応により得られるものを
用いることができる。
【0023】上記のように、塗料硬化物にいろいろな樹
脂を用いることができるため、塗料硬化物と塗装する水
回り部材の材質を自由に選択することができることが本
発明の特徴である。
【0024】本発明で用いる低表面自由エネルギー化合
物としては、シリコーン樹脂化合物若しくはフッ素樹脂
化合物があげられる。
【0025】シリコーン樹脂化合物としては、ジメチル
ポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等があ
げられるが、これらに限定されるものではない。
【0026】フッ素樹脂化合物としては、ポリテトラフ
ルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエ
チレン等があげられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0027】本発明で用いる低表面自由エネルギー化合
物が有する相溶性基若しくは反応性基としては、上記シ
リコーン樹脂化合物若しくはフッ素樹脂化合物に有機基
を反応させた、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシ
ル変性、カルビノール変性、ビニル変性、(メタ)アクリ
ロイル変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノ
ール変性、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、ア
ルキル変性、脂肪酸エステル変性等の変性樹脂化合物等
があげられるが、これらに限定されるものではない。
【0028】本発明で用いる低表面自由エネルギー化合
物が有する相溶性セグメントとして、アクリル酸とメタ
クリル酸の共重合体、ビニルモノマー等からなる塗料硬
化物に対する相溶性セグメント等があげられるが、これ
らに限定されるものではない。
【0029】相溶性セグメントにシリコーン樹脂化合物
若しくはフッ素樹脂化合物がグラフト共重合したグラフ
トポリマー、ブロック共重合したブロックコポリマーを
用いることができる。
【0030】低表面自由エネルギー化合物中の相溶性基
若しくは相溶性セグメントは、塗料硬化物と相溶してア
ンカーされることにより、反応性基は、塗料硬化物と反
応結合することにより、改質効果が持続し、また、脱
離、移行による汚染を低減させることができる。
【0031】低表面自由エネルギー化合物は、塗料硬化
物100重量部に対して0.01重量部から10重量部含まれて
いることが好ましい。0.01重量部以下では、含有量0の
場合と汚れの除去のし易さにほとんど違いがない。一
方、10重量部以上含まれる場合には、塗料硬化物の外
観、物理的強度が低下する。しかし、0.01重量部から10
重量部の使用で、樹脂成形体への低表面自由エネルギー
化合物の内部添加、ゲルコート樹脂への低表面自由エネ
ルギー化合物の内部添加による方法等と比較して、極め
て少ない使用量で同等の防汚性を付与できる。本発明の
特徴は、塗料硬化物に対して低い含有量によって高い防
汚性が実現できることである。
【0032】
【実施例】以下に、本発明の好ましい実施様態を実施例
に基づいて説明する。尚、本発明は、これらの実施例に
よって限定されるものではない。表1に示した配合に従
い、主剤樹脂アクリルポリオール、硬化剤ポリイソシア
ネート、硬化触媒、低表面自由エネルギー化合物、顔料
を、トルエンと酢酸エチルの混合溶媒に溶解し、塗料と
した。実施例1から16は低表面エネルギー化合物を含有
したアクリルウレタン塗料硬化物を示している。実施例
5は顔料を添加して意匠性を付与している。比較例1は一
般に使用されているアクリルウレタン塗料硬化物、比較
例2は顔料を添加して意匠性を付与した一般に使用され
ているアクリルウレタン塗料硬化物を示している。
【0033】
【表1】
【0034】アクリルポリオールとして、三井化学(株)
製オレスターQ182を用いた。ポリウレタン系樹脂用のア
クリルポリオールである。
【0035】ポリイソシアネートとして、日本ポリウレ
タン工業(株)製コロネートHXを用いた。ヘキサメチレン
ジイソシアネート(HDI)を原料としたイソシアヌレート
結合を有する無黄変型ポリイソシアネートである。
【0036】硬化触媒として、ジブチル錫ジラウレート
を用いた。添加は、ジブチル錫ジラウレートの0.1%酢酸
n-ブチル溶液を添加する方法で行い、添加量はアクリル
ポリオールに対してジブチル錫ジラウレートが50ppmと
した。
【0037】低表面自由エネルギー化合物として、東亞
合成(株)製レゼダGS-1015、日本油脂(株)製モディパーF
S710、F200を使用した。GS-1015は、反応基を持ったシ
リコーン樹脂と相溶性セグメントのグラフトポリマーで
ある。FS710は、反応基を持ったシリコーン樹脂と相溶
性セグメントのブロックコポリマーである。F200は、反
応基を持ったフッ素樹脂と相溶性セグメントのブロック
コポリマーである。
【0038】顔料として、メルク・ジャパン(株)製Irio
din100を用いた。塗料用のパール顔料である。
【0039】塗膜の形成の基板には、三菱レイヨン(株)
製の透明または白色のアクリル板(大きさ100mm角、厚さ
2mm)を用いた。塗料硬化物の塗布はスプレー若しくは刷
毛を用いて行った。
【0040】後処理は、1日放置とその後に50℃で1週間
加熱処理を行った。
【0041】本実施例では基材樹脂にアクリルポリウレ
タン樹脂を用いたが、他に熱硬化型アクリル樹脂(例え
ば、三菱レイヨン(株)製アクリルシラップXS-4040と硬
化剤日本油脂(株)製有機過酸化物パーヘキサ3M)、エポ
キシ樹脂(例えば、油化シェルエポキシ(株)製エピコー
ト828と硬化剤同社製エピキュア114)、ポリエステル樹
脂(例えば、日本ユピカ(株)製人工大理石BMC用樹脂ユピ
カ7685と硬化剤日本油脂(株)製有機過酸化物パーヘキサ
3M)等を使用しても同様の効果が得られる。
【0042】表2に上記製法にて製造した塗料硬化物等
の表面特性について示した。撥水、撥油性の効果を水お
よびオレイン酸の接触角値で示した。接触角は協和界面
化学(株)製接触角計CA-X150型で測定を行った。ただ
し、比較例3は塗装を施していない市販アクリル板、比
較例4は塗装を施していない市販エポキシ板である。本
発明の塗料硬化物においては、撥水、撥油性が高く、汚
染水による汚れ、油汚れ、洗剤等の汚れ等の付着を低減
することができることを示している。また、顔料を使用
して意匠性を同時に付与することができることを示して
いる。
【0043】
【表2】
【0044】実施例1から16の中から代表例として実施
例4および5を選び、比較例1から4と、耐汚染性と耐久性
について比較試験を行った。
【0045】まず、粘着性、固着性の汚れの除去のし易
さを調べるため、試料表面のテープ引き剥がし力の測定
を行った。住友スリーエム(株)製メンディングテープ
(幅12mm)を試験片に貼り、30cm/分の速度で90°引き剥
がしを行った際の引き剥がし力を測定した。表3に結果
を示した。本発明の塗料硬化物においては、粘着性、固
着性の汚れが除去し易いことを示している。また、顔料
を使用して意匠性を同時に付与することができることを
示している。
【0046】耐汚染性の試験として、乾燥固着した汚れ
を想定し、油性マジックの拭き取り試験、水垢の拭き取
り試験を行った。油性マジックの拭き取り試験におい
て、油性マジックは市販の油性マジックを用い、試料表
面に塗布乾燥後、拭き取り試験を行った。水垢の拭き取
り試験において、水道水の滴下、乾燥を繰り返し行い試
料表面に付着した水垢の拭き取りを行った。拭き取りは
市販ペーパータオルによる乾拭きである。表3に結果を
示した。評価は目視で行い、乾拭きで除去可能な場合は
○、乾拭きで除去不可能な場合は×を記した。本発明の
塗料硬化物においては、乾燥固着した汚れが容易に除去
できることを示している。また、顔料を使用して意匠性
を同時に付与することができることを示している。
【0047】浴室部材として、浴槽、床パンに実施例
4、比較例1の塗料硬化物を塗布、または、比較例2およ
び3の試料板を貼り付けて、実使用における汚れの付着
性について耐汚染性試験を行い、試料表面に、油脂、タ
ンパク質、水垢、金属石鹸、洗剤、菌、カビ汚れ等を付
着させた。乾燥後、汚れの拭き取りを行った。拭き取り
は市販ペーパータオルによる乾拭きである。表3に結果
を示した。評価は目視で行い、乾拭きで除去可能な場合
は○、乾拭きで除去不可能な場合は×を記した。実施例
4では、固着した汚れを乾拭きで除去することができ
た。また、菌汚れ等が乾燥してフィルム状となり容易に
除去することができた。本発明の塗料硬化物において
は、水回りにおける実使用条件において付着する汚れが
容易に除去できることを示している。また、顔料を使用
して意匠性を同時に付与することができることを示して
いる。
【0048】
【表3】
【0049】次に、本発明の塗料硬化物の耐久性を確認
するため、試験片に硬質スポンジを当接し、水を滴下
し、12.5g/cm2の荷重をかけ往復10000回のラビング試験
を行い、接触角の測定を行った。表4に結果を示した。
本発明の塗料硬化物は、実使用環境における摩擦に対
し、十分な耐久性を有していることを示している。ま
た、顔料を使用して意匠性を同時に付与することができ
ることを示している。
【0050】本発明の塗料硬化物の耐水性、耐熱水性を
確認するために、試験片を90℃の水中に500時間浸漬
し、接触角の測定を行った。表4に結果を示した。本発
明の塗料硬化物は、水回りにおける実使用環境におい
て、十分な耐水性、耐熱水を有していることを示してい
る。また、顔料を使用して意匠性を同時に付与すること
ができることを示している。
【0051】
【表4】
【発明の効果】以上にように、本発明では、部材に意匠
性を付与すると同時に、付着した汚れが容易に除去でき
ることを可能とした塗料硬化物を表面に有する水回り部
材を低コストで提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E03C 1/02 E03C 1/02 1/122 1/122 Z E04F 13/08 E04F 13/08 U A Fターム(参考) 2D032 AB03 GA00 2D060 AC01 AC03 2D061 AA01 AA02 AA03 AC10 2E110 AA65 AB03 AB04 AB05 AB23 AB42 AB43 BB04 GA32W GA33W GB44W GB52W GB54W 4J038 CD092 CG141 DB061 DD041 DD201 DG191 DG271 DG281 DL032 FA111 JA20 JA21 JB01 JC02 KA03 MA16 NA05 PB05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低表面自由エネルギー化合物を含有した
    塗料硬化物を表面に有することを特徴とする水回り部
    材。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の水回り部材において、
    塗料硬化物が、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポ
    キシ樹脂、ポリエステル樹脂から選ばれる少なくとも1
    種類以上の樹脂であることを特徴とする水回り部材。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の水回り部材にお
    いて、低表面自由エネルギー化合物が、シリコーン樹脂
    化合物若しくはフッ素樹脂化合物のうち少なくとも一方
    を含有することを特徴とする水回り部材。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の低表面自由エネルギー
    化合物が、塗料硬化物との相溶性基若しくは相溶性セグ
    メントのうち少なくとも一方を有することを特徴とする
    水回り部材。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載の低表面自由エネ
    ルギー化合物が、塗料硬化物との反応性基を有すること
    を特徴とする水回り部材。
  6. 【請求項6】 請求項1から5に記載の水回り部材におい
    て、低表面自由エネルギー化合物が塗料硬化物100重量
    部に対して0.01重量部から10重量部含まれることを特徴
    とする水回り部材。
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