JP2002069226A - ウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

ウレタンフォームの製造方法

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JP2002069226A
JP2002069226A JP2000259594A JP2000259594A JP2002069226A JP 2002069226 A JP2002069226 A JP 2002069226A JP 2000259594 A JP2000259594 A JP 2000259594A JP 2000259594 A JP2000259594 A JP 2000259594A JP 2002069226 A JP2002069226 A JP 2002069226A
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urethane foam
foam
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urethane
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Masanori Okumura
正則 奥村
Kazunari Ebe
一成 江部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウレタンフォームの配合組成をほとんど変化
させることなく、適切な振動伝達特性性を有するウレタ
ンフォームを製造する。 【解決手段】 車両用シートを作製する際に、ウレタン
フォーム発泡成形材料を発泡・成形した後、上記脱型後
のウレタンフォームに対して、ローラ間隔の異なる複数
段のクラッシュローラ間を通過させるなどの、セル膜の
残存率を制御する破泡処理を行い、上記ウレタンフォー
ムの振動伝達特性を制御するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車両用シ
ート等のクッション材などに用いられるウレタンフォー
ムの振動伝達特性を改善する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用シート等のクッション材や
自動車用内装品などには、例えば軟質ポリウレタンフォ
ーム発泡成形材料を成形金型に流し込んで発泡・成形し
た合成樹脂成形品としての発泡品が多く用いられてい
る。中でも、車両用シートは、その振動伝達特性が自動
車の乗り心地性に大きな影響を与えるので、適正な振動
伝達特性を有する材料の設計が必要とされている。図6
は、一般に車両用シートに用いられる、標準配合組成の
HRと呼ばれる独立気泡を有するウレタンフォームの共
振特性を示す図で、車両用シートにおいては、一般に、
内臓の共振点といわれる6Hz近辺(4〜8Hz)の振
動吸収性が高いほど乗り心地性がよいとされている。そ
のため、ウレタンフォームの反発弾性を大きくして尚か
つ共振周波数が低下させ、人体に敏感である周波数帯域
である上記6Hz近辺の振動吸収性を高める方法が考え
られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単に反
発弾性を上げて共振周波数が低下させただけでは、図6
の破線に示すように、6Hz近辺の振動吸収性は上記標
準配合品よりも高くはなるが、逆に低周波領域の共振倍
率が上がってしまう。このため、特に1〜3Hzの周波
数帯域において入力振動が増幅され、かえって乗り心地
性が悪化してしまうといった問題点があった。そこで、
ウレタンフォーム材料の配合組成を変えて減衰特性を高
め、上記振動伝達特性を改善することが考えられるが、
配合組成の変更は、実際の生産設備において膨大な工数
を伴うだけでなく、伸びや耐久性などの他の樹脂特性が
大きく変化してしまう恐れがあった。また、一般に、ウ
レタンフォームとして低反発材料を用いた場合には、共
振周波数が上がってしまう傾向があり、図6の一点鎖線
に示すように、1〜3Hzの周波数帯域での振動吸収特
性は改善されるが、反面、上記6Hz近辺の振動吸収性
が悪化してしまう。加えて、一般に低反発のフォーム材
料は耐久性が悪いといった問題点があった。
【0004】本発明は、従来の問題点に鑑みてなされた
もので、ウレタンフォームの配合組成をほとんど変化さ
せることなく、適切な振動伝達特性性を有するウレタン
フォームを製造する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
のウレタンフォームの製造方法は、ウレタンフォーム発
泡成形材料を発泡・成形して脱型した後に、上記ウレタ
ンフォームに振動伝達特性を制御するための破泡処理を
施すようにしたことを特徴とするもので、これにより、
配合変更という煩雑な作業を省略して、共振周波数をほ
とんど変化させることなく、共振倍率のみを低下させ、
6Hz近辺の振動吸収性を確保するとともに、低周波数
帯域における振動吸収性を改善することが可能となる。
【0006】請求項2に記載のウレタンフォームの製造
方法は、ウレタンフォーム発泡成形材料の配合変更を行
うことなく、破泡処理のみでウレタンフォームの振動伝
達特性を操作するようにしたことを特徴とする。
【0007】請求項3に記載のウレタンフォームの製造
方法は、脱型したウレタンフォームに、クラッシュロー
ラ間を通過させる破泡処理を施し、ウレタンフォームの
セル膜の残存率を制御するようにしたことを特徴とす
る。
【0008】請求項4に記載のウレタンフォームの製造
方法は、複数段のクラッシュローラ間を通過させて破泡
処理を行うようにしたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面に基づき説明する。図1は、本実施の形態に係
わる車両用シートの製造方法の概要を示す図で、まず、
イソシアネート成分とポリオール成分を主な原料とした
液状のポリウレタンを金型のキャビティ内に注入して発
泡・成形した後脱型し、軟質のウレタンフォームを得
る。次に、上記脱型したウレタンフォームを、間隔がそ
れぞれ50mm,40mm,20mmのクラッシュロー
ラ1,2,3の各ローラ4〜9間に順次通して破泡処理
を行い、セル膜の残存率を制御してウレタンフォームの
空気の流出入抵抗(通気性)を制御することにより、共
振周波数をほとんど変化させることなく、共振倍率のみ
を低下させる。なお、上記破泡処理は、脱型後のフォー
ムの収縮を防ぐために通常行われるものであるが、本実
施の形態では、クラッシュ条件を変更することによりセ
ル膜の残存率を制御しているので、通気性は上記標準配
合品よりも低くかつ反発弾性率が小さいウレタンフォー
ムを得ることができる。また逆に、通気性を高め反発弾
性率を上げることも可能である。
【0010】ここで、ウレタンフォームの振動伝達特性
について説明する。図2はウレタンフォームの振動状モ
デルを示す図で、ウレタンフォームは、質量mが、バネ
(バネ定数k)とダッシュポット(減衰係数c)とにそ
れぞれ並列につながれている数学モデルで近似すること
ができる。ウレタンフォームの減衰特性を変化させるた
めには、上記モデルにおけるダッシュポットの減衰係数
cの値を変化させる必要がある。しかしながら、従来の
配合組成を変える操作では、減衰係数cのみを変えるこ
とは困難であり、バネ定数kも同時に変わってしまう。
その結果、例えば、上記低反発材料を用いた場合のよう
に、共振のピーク(共振倍率)を下げようとすると共振
周波数が高くなってしまうなど、共振倍率と共振周波数
とを独立に変化させることができなかった。
【0011】発明者らは、脱型後のウレタンフォーム
を、ローラ間隔がそれぞれ10,20,30,40mm
のクラッシュローラを通過させ、圧縮の度合いの異なる
破泡処理を行うことにより、図3に示すように、共振周
波数はほとんど変化せずに共振倍率のみを変化させるこ
とができることを見出した。これは、セル膜の残存率を
制御してウレタンフォームの空気の流出入抵抗(通気
性)を変化させるようにすれば、ウレタンフォームの配
合組成をほとんど変えることなく、上記数学モデルにお
けるダッシュポットの減衰係数cのみを操作して共振倍
率のみを小さくすることができることを示している。本
実施の形態では、クラッシュ条件を変更することによ
り、クラッシュ処理後の通気性を小さくして上記減衰係
数cを増加させるようにしているので、上述した低反発
材料を用いた場合のように、成形品の物性に悪影響を及
ぼす可能性のある配合変更を行うことなく、従来の標準
配合品と伸びや耐久性及び共振周波数がほぼ同じで、共
振倍率のみが低いウレタンフォームを得ることができ
る。
【0012】図4は、上記方法で作製したウレタンフォ
ーム(本発明品)の共振特性を示す図で、これは、図5
に示すように、400×400×70tの矩形状のサン
プル10を加振台11上に搭載し、その上に50kgの
鉄研盤(加圧板)12を乗せて、振幅±2.5mm,掃
引周波数1〜10Hzの正弦波振動を5分間加え、その
振動伝達特性を変位計13,14を用いて測定したもの
である。また、比較例として、標準配合品(比較例A;
細い実線),高反発配合品(比較例B;一点鎖線),低
反発配合品比較例C;破線)の共振特性も合わせて示し
た。なお、本発明品の反弾性率は61%で、標準配合品
は68%,高反発配合品は78%,低反発配合品は58
%である。同図から明らかなように、本発明品は、標準
配合品とほぼ同じ共振周波数を有するが、共振倍率が
2,2と上記標準配合品の約半分以下の値となってお
り、1〜3Hzの低周波域と6Hz近辺の振動吸収特性
をともに高めることができることが確認された。また、
ウレタンフォームの共振周波数はその形状によるため、
実際の車両用シートの共振周波数と上記サンプルの周波
数とは若干異なるが、上記結果を実際の車両用シートに
適用し、共振周波数はそのままで、共振倍率のみを低く
するようにすることは容易であり、これにより、6Hz
近辺の振動吸収性がよく、かつ1〜3Hzの周波数帯域
での振動吸収特性が改善された、乗り心地性のよい車両
用シートを作製することが可能となる。なお、車両用シ
ートでは、上記共振倍率を3以下にすることが乗り心地
上望ましい。
【0013】なお、上記実施の形態では、三段ローラに
よるクラッシュ処理を行ったがこれに限るものではな
く、ウレタンフォームを抱き合わせてローラ間を通すよ
うにしてもよく、ローラ間隔,ローラ数あるいはローラ
を通す回数、スペーサーなどのクラッシュ条件は、ウレ
タンフォームの形状や配合組成等により適宜決定される
ものである。また、配合組成は同一であっても、クラッ
シュ条件を変えることにより、セル膜の残存率を制御し
てウレタンフォームの空気の流出入抵抗(通気性)を変
化さて減衰係数cを制御し、振動伝達特性の異なるウレ
タンフォームを作製することも可能である。また、上記
ローラ・クラッシュに代えて、真空クラッシュによる破
泡処理を行っても、同様の効果が得られる。この場合に
は、真空度,常圧に戻す時の速さあるいはクラッシュ回
数等を変化させてセル膜の残存率を制御する。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ウレタンフォーム発泡成形材料を発泡・成形して脱型し
た後に、上記ウレタンフォームに、セル膜の残存率を制
御して振動伝達特性を制御するための破泡処理を施すよ
うにしたので、配合組成を変えることなく、ウレタンフ
ォームの振動伝達特性を向上させることができる。すな
わち、配合組成は同一でも、後工程の破泡処理条件を変
えることによって、任意の振動伝達特性を操作すること
ができるので、膨大な工数がかかり、尚かつ成形品の物
性に悪影響を及ぼす可能性のある配合変更を行うことな
く、ウレタンフォームの振動伝達特性を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態に係わるウレタンフォームの製
造方法を示す模式図である。
【図2】 ウレタンフォームの振動状態を近似した数学
モデルである。
【図3】 ローラ間隔による共振倍率の変化を示す図で
ある。
【図4】 本発明のウレタンフォームの共振特性を示す
図である。
【図5】 ウレタンフォームの共振特性の測定方法を示
す図である。
【図6】 従来のウレタンフォームの共振特性を示す図
である。
【符号の説明】
1,2,3 クラッシュローラ、4〜9 ローラ、10
ウレタンフォームのサンプル、11 加振台、12
加圧板、13,14 変位計。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウレタンフォーム発泡成形材料を発泡・
    成形して脱型した後に、上記ウレタンフォームに振動伝
    達特性を制御するための破泡処理を施すようにしたこと
    を特徴とするウレタンフォームの製造方法。
  2. 【請求項2】 ウレタンフォーム発泡成形材料の配合変
    更を行うことなく、破泡処理のみでウレタンフォームの
    振動伝達特性を操作するようにしたことを特徴とする請
    求項1に記載のウレタンフォームの製造方法。
  3. 【請求項3】 脱型したウレタンフォームに、クラッシ
    ュローラ間を通過させる破泡処理を施したことを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載のウレタンフォーム
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 複数段のクラッシュローラ間を通過させ
    て破泡処理を行うようにしたことを特徴とする請求項3
    に記載のウレタンフォームの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2005077998A1 (ja) * 2004-02-17 2007-10-18 株式会社ブリヂストン 低反発性高通気性ポリウレタンフォーム及びその利用
JP2021094098A (ja) * 2019-12-13 2021-06-24 株式会社ブリヂストン シートパッドおよびシートパッドの製造方法

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