JP2002069072A - スピロピロリドン誘導体およびその製法 - Google Patents

スピロピロリドン誘導体およびその製法

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JP2002069072A
JP2002069072A JP2000254982A JP2000254982A JP2002069072A JP 2002069072 A JP2002069072 A JP 2002069072A JP 2000254982 A JP2000254982 A JP 2000254982A JP 2000254982 A JP2000254982 A JP 2000254982A JP 2002069072 A JP2002069072 A JP 2002069072A
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JP2000254982A
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Makoto Muto
真 武藤
Yuichiro Tani
雄一郎 谷
Naoki Ota
直樹 太田
Toshifumi Akiba
敏文 秋葉
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Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 抗菌化合物の合成原料として有用な化合物の
製造法を提供する。 【構成】 下記式で示される化合物(VI)の製造法。
また、その製造中間体である化合物(I)から化合物
(V)。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌化合物の合成原料
として有用な化合物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】式(VII)で表される7−アミノ−5
−アザスピロ[2.4]ヘプタン誘導体は抗菌性化合物
の製造原料として有用である。
【化32】 (式中、nは、2から5の整数を表す。) この化合物(アミノ置換アザスピロアルカン)は、従
来、アセト酢酸エチルを出発原料とする多段階の製造工
程を経て合成されていた(特開平2−231475号、
特開平5−221947号公報)。また、この化合物の
対掌体化合物は、当該化合物のラセミ体を光学活性な保
護基を持ったジアステレオマー混合物に変換し、これか
ら分取用高速液体クロマトグラフィーによって必要な異
性体を分離した後に脱保護して得ていた(特開平3−9
5176号)。しかしこの方法は操作が煩雑であり、工
業的製法としては改良の余地があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、スピ
ロ環状構造を有するアミノ置換含窒素複素環化合物、と
りわけ光学活性なアミノ置換アザスピロ[2.4]ヘプ
タン誘導体を、簡便かつ短工程で、工業的に有利に製造
する方法を提供することにある。すなわち、従来の方法
で使用されていた高価格でかつ危険度も高い還元試剤の
使用を回避でき、さらに不斉合成が適用可能な中間体が
得られることによって、光学活性なスピロ環状構造を有
するアミノ置換含窒素複素環化合物が工業的有利に製造
できる方法を提供することが本願発明の目的である。こ
のために、接触水素添加反応によってアミノメチル基へ
変換できるシアノ基を持った中間体が有用であると考
え、式(II)で表される化合物を経由する製造法を考
案し、この化合物を経由することによってこの目的が達
成できることを見出した。本願発明はこの知見によって
完成したものである。
【0004】
【発明の実施の形態】すなわち本願発明は、以下の各製
法に関するものである。 式(VIII)
【化33】 (式中、nは2から5までの整数を表す。)で表される
化合物に、塩基存在下で式(IX)
【化34】R1−SO2−Cl IX で表される化合物を反応させて式(I)
【化35】 で表される化合物を得、この化合物を酸触媒の存在下、
エチレングリコールと共に処理して式(II)
【化36】 で表される化合物を得、次いでこの化合物を金属触媒の
存在下に水素添加して式(III)
【化37】 で表される化合物を得、この化合物と式(X)
【化38】R−X0 X で表される化合物とを塩基存在下に反応させて式(I
V)
【化39】 で表されるとし、次いでこの化合物とハロゲン化剤とを
反応させて式(V)
【化40】 で表される化合物を得、そしてこの化合物を塩基存在下
で処理して閉環させることを特徴とする式(VI)
【化41】 で表される化合物の製法 (上記の各式中、nは、2から5までの整数を表し、R
は、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル
基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボ
ニル基、置換基を有していてもよいアシル基、または置
換基を有していてもよいアラルキル基を表し、R1は、
炭素数1から6までのアルキル基または置換基を有して
いてもよいベンジル基を表し、X0は、求核置換反応に
おける脱離基を表し、Xは、ハロゲン原子を表す。);
1がメチル基である上記の製法;酸触媒が、置換基を
有していてもよい芳香族スルホン酸である上記の各製
法;酸触媒が、パラトルエンスルホン酸である上記の各
製法;シアノ基の還元において、金属触媒がラネー系触
媒から選ばれる触媒である上記の各製法;シアノ基の還
元において、金属触媒がラネーニッケルである上記の各
製法;Rのアルコキシカルボニル基が、t−ブトキシカ
ルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニ
ル基、または2,2,2−トリクロロエトキシカルボニ
ル基;アラルキルオキシカルボニル基が、ベンジルオキ
シカルボニル基、パラメトキシベンジルオキシカルボニ
ル基、またはパラニトロベンジルオキシカルボニル基;
アシル基が、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル
基、t−ブチロイル基、メトキシアセチル基、フルオロ
アセチル基、ジフルオロアセチル基、トリフルオロアセ
チル基、クロロアセチル基、ピバロイル基、またはベン
ゾイル基;アラルキル基が、ベンジル基、α−メチルベ
ンジル基、トリチル基、ベンズヒドリル基、パラニトロ
ベンジル基、またはパラメトキシベンジル基;である上
記の各製法;Rが置換基を有していてもよいアラルキル
オキシカルボニル基である上記の各製法;Rがベンジル
オキシカルボニル基である上記の各製法;Rが置換基を
有していてもよいアラルキル基である上記の各製法;R
がベンジル基である上記の各製法;ハロゲン化剤が塩化
スルフリルである上記の各製法;ハロゲン化剤が臭素で
ある上記の各製法;
【0005】式(VIII)
【化42】 (式中、nは2から5までの整数を表す。)で表される
化合物に、塩基存在下で式(IX)
【化43】R1−SO2−Cl IX (式中、R1は、炭素数1から6までのアルキル基また
は置換基を有していてもよいベンジル基を表す。)で表
される化合物を反応させることを特徴とする式(I)
【化44】 (式中、nは、2から5までの整数を表す。)で表され
る化合物の製法;R1がメチル基である式(I)で表さ
れる化合物の上記の製法;式(I)
【化45】 (式中、nは、2から5までの整数を表す。)で表され
る化合物を、酸触媒の存在下、エチレングリコールと共
に処理することを特徴とする式(II)
【化46】 (式中、n、は2から5までの整数を表す。)で表され
る化合物の製法;酸触媒が、置換基を有していてもよい
芳香族スルホン酸である式(II)で表される化合物の
上記の製法;酸触媒が、パラトルエンスルホン酸である
式(II)で表される化合物の上記の製法;式(II)
【化47】 (式中、nは、2から5までの整数を表す。)で表され
る化合物を、金属触媒の存在下に水素添加することを特
徴とする式(III)
【化48】 (式中、nは、2から5までの整数を表す。)で表され
る化合物の製法;金属触媒がラネー系触媒から選ばれる
触媒である式(III)で表される化合物の上記の製
法;触媒がラネーニッケルである式(III)で表され
る化合物の上記の製法;式(III)
【化49】 (式中、nは、2から5までの整数を表す。)で表され
る化合物と式(X)
【化50】R−X0 X (式中、Rは、置換基を有していてもよいアルコキシカ
ルボニル基、置換基を有していてもよいアラルキルオキ
シカルボニル基、置換基を有していてもよいアシル基、
または置換基を有していてもよいアラルキル基を表し、
0は、求核置換反応における脱離基を表す。)で表さ
れる化合物を塩基存在下に反応させることを特徴とする
式(IV)
【化51】 (式中、nは、2から5までの整数を表し、Rは、置換
基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基
を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基、置
換基を有していてもよいアシル基、または置換基を有し
ていてもよいアラルキル基を表す。)で表される化合物
の製法;式(III)
【化52】 (式中、nは、2から5までの整数を表す。)で表され
る化合物と式(XI)
【化53】R20−CHO XI (式中、R20は、置換基を有していてもよいアリール基
を表す。)で表される化合物とを反応させ、生じるイミ
ン化合物を金属触媒存在下に水素添加することを特徴と
する式(IVa)
【化54】 (式中、nは、2から5までの整数を表し、R2は、置
換基を有していてもよいアリールメチル基を表す。)で
表される化合物の製法;R20がフェニル基である式(I
Va)で表される化合物の上記の製法;金属触媒がラネ
ー系触媒から選ばれる触媒である式(IV)または(I
Va)で表される化合物の上記の各製法;触媒がラネー
ニッケルである式(IV)または(IVa)で表される
化合物の上記の各製法;式(IV)
【化55】 (式中、nは、2から5までの整数を表し、Rは、置換
基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基
を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基、置
換基を有していてもよいアシル基、または置換基を有し
ていてもよいアラルキル基を表す。)で表される化合物
とハロゲン化剤とを反応させることを特徴とする式
(V)
【化56】 (式中、nは、2から5までの整数を表し、Rは、置換
基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基
を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基、置
換基を有していてもよいアシル基、または置換基を有し
ていてもよいアラルキル基を表し、Xは、ハロゲン原子
を表す。)で表される化合物の製法;ハロゲン化剤が塩
化スルフリルである式(V)で表される化合物の上記の
製法;ハロゲン化剤が臭素である式(V)で表される化
合物の上記の製法;式(V)
【化57】 (式中、nは、2から5までの整数を表し、Rは、置換
基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基
を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基、置
換基を有していてもよいアシル基、または置換基を有し
ていてもよいアラルキル基を表し、Xは、ハロゲン原子
を表す。)で表される化合物を、塩基存在下に処理して
閉環させることを特徴とする式(VI)
【化58】 (式中、nは、2から5までの整数を表し、Rは、置換
基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基
を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基、置
換基を有していてもよいアシル基、または置換基を有し
ていてもよいアラルキル基を表す。)で表される化合物
の製法;Rのアルコキシカルボニル基が、t−ブトキシ
カルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基、または2,2,2−トリクロロエトキシカルボ
ニル基;アラルキルオキシカルボニル基が、ベンジルオ
キシカルボニル基、パラメトキシベンジルオキシカルボ
ニル基、またはパラニトロベンジルオキシカルボニル
基;アシル基が、ホルミル基、アセチル基、プロパノイ
ル基、t−ブチロイル基、メトキシアセチル基、フルオ
ロアセチル基、ジフルオロアセチル基、トリフルオロア
セチル基、クロロアセチル基、ピバロイル基、またはベ
ンゾイル基;アラルキル基が、ベンジル基、α−メチル
ベンジル基、トリチル基、ベンズヒドリル基、パラニト
ロベンジル基、またはパラメトキシベンジル基;である
式(IV)、(V)、または(VI)で表される化合物
の上記の各製法;Rが置換基を有していてもよいアラル
キルオキシカルボニル基である式(IV)、(V)、ま
たは(VI)で表される化合物の上記の各製法;Rがベ
ンジルオキシカルボニル基である式(IV)、(V)、
または(VI)で表される化合物の上記の各製法;Rが
置換基を有していてもよいアラルキル基である式(I
V)、(V)、または(VI)で表される化合物の上記
の各製法;Rがベンジル基である式(IV)、(V)、
または(VI)で表される化合物の上記の各製法;nが
2である上記の各製法;等である。
【0006】さらに本願発明は、以下の各化合物に関す
るものでもある。 式(I)
【化59】 で表される化合物; 式(II)
【化60】 で表される化合物; 式(III)
【化61】 で表される化合物; 式(IV)
【化62】 で表される化合物; 式(V)
【化63】 (上記の各式中、nは、2から5までの整数を表し、R
は、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル
基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボ
ニル基、置換基を有していてもよいアシル基、または置
換基を有していてもよいアラルキル基を表し、Xは、求
核置換反応における脱離基を表す。)で表される化合
物;Xが臭素原子である式(V)で表される上記の化合
物;Xが塩素原子である式(V)で表される上記の化合
物;アルコキシカルボニル基が、t−ブトキシカルボニ
ル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、
または2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基;
アラルキルオキシカルボニル基が、ベンジルオキシカル
ボニル基、パラメトキシベンジルオキシカルボニル基、
またはパラニトロベンジルオキシカルボニル基;アシル
基が、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、t−
ブチロイル基、メトキシアセチル基、フルオロアセチル
基、ジフルオロアセチル基、トリフルオロアセチル基、
クロロアセチル基、ピバロイル基、またはベンゾイル
基;アラルキル基が、ベンジル基、α−メチルベンジル
基、トリチル基、ベンズヒドリル基、パラニトロベンジ
ル基、またはパラメトキシベンジル基;である式(I
V)または(V)で表される上記の各化合物;Rが置換
基を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基で
ある式(IV)または(V)で表される上記の各化合
物;Rがベンジルオキシカルボニル基である式(IV)
または(V)で表される上記の各化合物;Rが置換基を
有していてもよいアラルキル基である式(IV)または
(V)で表される上記の各化合物;Rがベンジル基であ
る式(IV)または(V)で表される上記の各化合物;
nが2である上記の各化合物;等である。
【0007】本発明の製造工程は次の図に示した通りで
あるが、以下にこれらの各工程について説明する。
【化64】
【0008】化合物(I)の製造工程 本工程は、式(I)の化合物(以下、化合物(I)と略
す。他の番号の化合物についても同様に略す。)を得る
工程である。化合物(I)は、アセトアセトアミドから
合成される化合物(VIII)を塩基存在下、式(I
X)で表される置換塩化スルホニル化合物
【化65】R1−SO2−Cl IX を反応させることによって得ることができる。ここでR
1は、炭素数1から6までのアルキル基または置換基を
有していてもよいベンジル基を表す。炭素数1から6の
アルキル基は、直鎖状でも分枝鎖状でもいずれでもよ
く、さらにハロゲン原子で置換されていてもよい。置換
基を有していてもよいベンジル基は、炭素数1からの6
アルキル基、あるいはハロゲン原子をフェニル基上に有
していてもよいベンジル基である。またアルキル基の場
合はメチレン炭素上に置換していてもよい。この他にR
1はアリール基であってもよい。例えばフェニル基、ナ
フチル基等である。塩化スルホニル化合物としては、例
えば、メタンスルホニルクロライド、エタンスルホニル
クロライド、1−プロパンスルホニルクロライド、2−
プロパンスルホニルクロライド、ベンゼンスルホニルク
ロライド、o−トルエンスルホニルクロライド、m−ト
ルエンスルホニルクロライド、p−トルエンスルホニル
クロライド等を挙げることができる。これらのうちでは
メタンスルホニルクロライドが好ましい。塩化スルホニ
ル化合物の使用量は通常、化合物(VIII)のモル数
に対し1から3倍(モル)の範囲でよい。
【0009】使用する塩基は、トリエチルアミン、N,
N−ジイソプロピルエチルアミン等の三級アミン類;ピ
リジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ
セ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ
[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)、N−メチル
モルフォリン等の、飽和、部分飽和、または芳香族の含
窒素複素環化合物;ジメチルアニリン、ジエチルアニリ
ン等のN,N−ジアルキルアニリン類を用いることがで
きる。塩基としてはピリジンを使用するのが簡便であ
り、特に好ましい。塩基の使用量は通常、化合物(VI
II)のモル数に対して対し1から5倍(モル)の範囲
でよい。
【0010】この反応には溶媒を用いるのが好ましく、
溶媒としては反応に不活性なものであれば特に制限はな
いが、芳香族炭化水素系(ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、クロルベンゼン等)、エーテル系(ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタ
ン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、ア
ミド系(N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン)、そ
の他、酢酸エチル等を用いることができる。これらのう
ちでは、アミド系溶媒が好ましく、N,N−ジメチルホ
ルムアミド(DMF)が好ましい。反応温度は室温から
100℃の範囲で行えばよい。
【0011】化合物(I)から化合物(II)への工程 化合物(II)は、化合物(I)とエチレングリコール
を酸触媒の存在下に処理することによって得ることがで
きる。エチレングリコールの使用量は化合物(I)のモ
ル数に対して1から20倍(モル)の範囲でよく、10
倍(モル)程度が好ましい。また、酸触媒としては、有
機酸または無機酸のいずれでもよいが、無機酸としては
塩酸、硫酸等、また、四塩化チタニウム、ボロントリフ
ルオライド等のルイス酸も使用できる。有機酸として
は、酢酸、トリフルオロ酢酸などのカルボン酸類、メタ
ンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸
類を用いることができる。これらのうちでは、パラトル
エンスルホン酸が好ましい。酸の使用量は触媒量でよ
く、化合物(I)のモル数に対して対して1/10から
1/100(モル)の範囲でよい。この反応は溶媒を用
いてもよく、反応に不活性なものであれば特に制限はな
いが、芳香族炭化水素系、エーテル系、アミド系、その
他、酢酸エチル等を用いることができる。また、反応温
度は室温から100℃の範囲で行えばよい。またこの反
応は、オルトギ酸トリエチルを加えることによって収率
が向上する場合がある。
【0012】化合物(II)から化合物(III)への
工程 化合物(III)は、化合物(II)を水素、金属触媒
存在下で還元することによって得ることができる。金属
触媒としてはラネーニッケル、ラネーコバルト等のラネ
ー触媒が適当であり、ラネーニッケルを使用するのが好
適である。水素圧は1から300気圧の範囲でよいが、
1から50気圧が好ましい。また、反応温度は室温から
200℃の範囲で行えばよい。この反応には溶媒を用い
るのが好ましく、反応に不活性なものであれば特に制限
はないが、アルコール系(メタノール、エタノール、プ
ロパノール、イソプロパノール等)、芳香族炭化水素
系、エーテル系、アミド系、その他、酢酸エチル等を用
いることができ、好ましいものを選択すればよい。また
この反応は、アンモニアや酢酸アンモニウム、炭酸アン
モニウム、硫酸アンモニウム等のアンモニウム塩類を加
えることによって収率が向上する場合がある。
【0013】化合物(III)から化合物(IV)への
工程 本工程は、化合物(III)から化合物(IV)を得る
工程であるが、2通りの方法がある。
【0014】第一の方法は、化合物(III)と化合物
(X)
【化66】R−X0 X とを塩基存在下に反応させる方法である。
【0015】Rは、アミノ基の保護基であり、置換基を
有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有
していてもよいアラルキルオキシカルボニル基、置換基
を有していてもよいアシル基、または置換基を有してい
てもよいアラルキル基である。置換基を有していてもよ
いという場合の置換基は、炭素数1から6のアルキル
基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基等であり、これ
らの1または2種以上が、1または2個以上が置換して
いてよい。Rの具体例としては、アルコキシカルボニル
基が、t−ブトキシカルボニル基、メトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基および2,2,2−トリクロ
ロエトキシカルボニル基;アラルキルオキシカルボニル
基が、ベンジルオキシカルボニル基、パラメトキシベン
ジルオキシカルボニル基およびパラニトロベンジルオキ
シカルボニル基;アシル基が、ホルミル基、アセチル
基、プロパノイル基、t−ブチロイル基、メトキシアセ
チル基、フルオロアセチル基、ジフルオロアセチル基、
トリフルオロアセチル基、クロロアセチル基、ピバロイ
ル基およびベンゾイル基;アラルキル基が、ベンジル
基、α−メチルベンジル基、トリチル基、ベンズヒドリ
ル基、パラニトロベンジル基およびパラメトキシベンジ
ル基;を挙げることができる。Rとしては、置換基を有
していてもよいアラルキルオキシカルボニル基または置
換基を有していてもよいアラルキル基がよく、ベンジル
オキシカルボニル基またはベンジル基が好ましい。な
お、X0は、求核置換反応における脱離基(leaving gro
up)であり、この分野において通常使用されるものを選
択すればよいが、ハロゲン原子を採用するのが最も一般
的である。
【0016】塩基としては、有機または無機のいずれで
あっても良く、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、
例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウ
ム、カルシウム等の水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩
等、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウ
ム等の金属水素化物、トリエチルアミン、N,N−ジイ
ソプロピルエチルアミン等の三級アミン類、その他、
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−
エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.
0]ノン−5−エン(DBN)、ジメチルアニリン、N
−メチルモルフォリン等の複素環化合物を用いることが
できる。塩基の使用量は通常、化合物(III)のモル
数に対し1から10倍(モル)の範囲でよい。
【0017】溶媒としては、反応に不活性なものであれ
ば特に制限はないが、芳香族炭化水素系、エーテル系、
ハロゲン化炭化水素系、アミド系、アルコール系、その
他、水、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル等を用
いることができ、塩基に応じて、好ましいものを選択す
ればよい。また以上の溶媒2種以上を組み合わせた混合
溶媒であってもよい。反応温度は、塩基の種類や使用す
る溶媒により異なるが、−78℃から溶媒の沸点の範囲
で行えばよく、好ましくは室温から溶媒の沸点の範囲で
ある。
【0018】一方、カルボニル基がRの結合部位となる
基であるときには式
【化67】R−O−R で表される酸無水物を化合物(X)の代わりに反応させて
もよい。この場合の反応条件は化合物(IX)を反応さ
せる上記の反応条件を適用すればよい。
【0019】化合物(IV)を得る第二の方法であるが、
化合物(IV)のうちの置換基Rが置換基を有していて
もよいアラルキル基(アリールメチル基)である場合に
は、化合物(III)とアリールアルデヒド(XI)
【化68】R20−CHO XI (式中、R20は、置換基を有していてもよいアリール基
を表す。)とを反応させてイミノ化合物
【化69】 を生成させた後、水素ガスおよび金属触媒の存在下で接
触水素添加して還元する、還元的アミノ化反応によって
得ることができる(なお、上記のイミノ化合物は幾何異
性体の一方のみを記載した)。
【0020】金属触媒としてはラネーニッケル、ラネー
コバルト等のラネー触媒が適当であり、水素圧は1から
300気圧の加圧下で行うことができるが、1から50
気圧程度が好ましい。また、反応温度は室温から200
℃の範囲で行えばよい。この反応には溶媒を用いるのが
好ましく、反応に不活性なものであれば特に制限はない
が、芳香族炭化水素系、エーテル系、アミド系、アルコ
ール系、その他、酢酸エチル等を用いることができ、好
ましいものを選択すればよい。
【0021】化合物(IV)から化合物(V)への工程 化合物(IV)にハロゲン化剤を反応させることによっ
て化合物(V)を得ることができる。
【0022】Xが塩素原子である化合物は、化合物(I
V)にハロゲン化剤として塩化スルフリルを反応させれ
ばよい。塩化スルフリルの使用量は通常、化合物(I
V)のモル数に対し1から5倍(モル)の範囲でよい。
溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に制限は
ないが、芳香族炭化水素系、エーテル系、ハロゲン化炭
化水素系(ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭
素、ジクロロエタン、トリクロロエタン等)、アミド
系、アルコール系、その他、アセトン、アセトニトリ
ル、酢酸エチル等を用いることができる。反応温度は、
使用する溶媒により異なるが、−78℃から溶媒の沸点
の範囲で行えばよく、好ましくは0℃から溶媒の沸点の
範囲である。
【0023】化合物(V)のうちのXが臭素原子である
化合物は、化合物(IV)にハロゲン化剤として臭素を
反応させることによって得ることができる。臭素の使用
量は通常、化合物(IV)のモル数に対し1から5倍
(モル)の範囲でよい。溶媒としては、芳香族炭化水素
系、エーテル系、ハロゲン化炭化水素系、アミド系、ア
ルコール系等を用いることができる。反応温度は、使用
する溶媒により異なるが、−78℃から溶媒の沸点の範
囲で行えばよく、好ましくは0℃から溶媒の沸点の範囲
である。
【0024】化合物(V)から化合物(VI)への工程 化合物(VI)は、化合物(V)を塩基と処理すること
によって得ることができる。塩基としては、有機または
無機のいずれであっても良く、アルカリ金属またはアル
カリ土類金属、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウ
ム、マグネシウム、カルシウム等の水酸化物、炭酸塩お
よび炭酸水素塩等;水素化ナトリウム、水素化カリウ
ム、水素化リチウム等の金属水素化物;等の無機塩基の
他、有機塩基として、トリエチルアミン、N,N−ジイ
ソプロピルエチルアミン等の三級アミン類;ピリジン、
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−
エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.
0]ノン−5−エン(DBN)、N−メチルモルフォリ
ン等の、飽和、部分飽和、または芳香族の含窒素複素環
化合物;ジメチルアニリン、ジエチルアニリン等のN,
N−ジアルキルアニリン類を用いることができる。塩基
の使用量は通常、化合物(III)のモル数に対し1か
ら10倍(モル)の範囲でよい。
【0025】溶媒としては、反応に不活性なものであれ
ば特に制限はないが、芳香族炭化水素系、エーテル系、
ハロゲン化炭化水素系、アミド系、アルコール系、その
他、水、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル等を用
いることができ、塩基に応じて、好ましいものを選択す
ればよい。また以上の溶媒2種以上を組み合わせた混合
溶媒であってもよい。反応温度は、塩基の種類や使用す
る溶媒により異なるが、−78℃から溶媒の沸点の範囲
で行えばよく、好ましくは室温から溶媒の沸点の範囲で
ある。
【0026】本願発明の化合物について述べるが、化合
物(I)から化合物(V)において、nは、1から5の整
数であるが、nが2である化合物が重要な化合物であ
る。これらの具体例を次に示す。
【化70】 また、化合物(IV)および(V)においては、窒素原
子上にアミノ基の保護基である基Rを有している。この
Rは、具体的には置換基を有していてもよいアルコキシ
カルボニル基、置換基を有していてもよいアラルキルオ
キシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシル
基、または置換基を有していてもよいアラルキル基であ
る。さらにRの各保護基の具体例を挙げると、アルコキ
シカルボニル基が、t−ブトキシカルボニル基、メトキ
シカルボニル基、エトキシカルボニル基、または2,
2,2−トリクロロエトキシカルボニル基;アラルキル
オキシカルボニル基が、ベンジルオキシカルボニル基、
パラメトキシベンジルオキシカルボニル基、またはパラ
ニトロベンジルオキシカルボニル基;アシル基が、ホル
ミル基、アセチル基、プロパノイル基、t−ブチロイル
基、メトキシアセチル基、フルオロアセチル基、ジフル
オロアセチル基、トリフルオロアセチル基、クロロアセ
チル基、ピバロイル基、またはベンゾイル基;アラルキ
ル基が、ベンジル基、α−メチルベンジル基、トリチル
基、ベンズヒドリル基、パラニトロベンジル基、または
パラメトキシベンジル基;等を挙げることができる。R
としては、置換基を有していてもよいアラルキルオキシ
カルボニル基であるか置換基を有していてもよいベンジ
ルオキシカルボニル基が好ましく、さらにはベンジルオ
キシカルボニル基またはベンジル基が好ましい。
【0027】以上のようにして得られた化合物(VI)
は特開平5−221947号、特開平4−342564
号および現在出願中の「スピロアミノピロリジン誘導体
およびその製造法」に記載の方法によりアミンへ変換可
能である。得られるアミンは特開平4−149174、
特開平7−224033および特開平9−208561
号記載のジアステレオマー塩分割法により光学活性体
(VII)へ変換可能である。また、望まない光学異性
体に関しては、特開平4−342565および特開平7
−233146号記載の方法でラセミ化可能である。さ
らに、特開平2−231475および特開平3−951
76号記載の方法で優れた抗菌剤に導くことができる。
【0028】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。
【0029】[参考例1] 1−アセチルシクロプロパ
ンカルボキサミド アセトアセトアミド(300g)、炭酸カリウム(10
76g)のアセトニトリル(1200mL)懸濁液に
1,2−ジブロモエタン(976g)を加え、内温75
℃で7時間加熱攪拌した。不溶物を濾過で除去し、アセ
トニトリル(1200mL×4)で洗浄した。濾液を減
圧濃縮して析出した結晶にイソプロピルアルコール(4
50mL)を加え、1時間攪拌した後に結晶を濾取し標
題化合物を淡黄色結晶(266g)として得た。1 H−NMR(CDCl3):δ=8.66(1H,br
−s),6.02(1H,br−s),1.98(3
H,s),1.89−1.84(2H,m),1.57
−1.52(2H,m)
【0030】[実施例1] 1−アセチルシクロプロパ
ンカルボニトリル 1−アセチルシクロプロパンカルボキサミド(5g)の
ジメチルホルムアミド(10mL)溶液にピリジン
(7.78mL)を加えて0℃に冷却した。これにメタ
ンスルホニルクロリド(3.65mL)を加えて1時間
攪拌した。水(20Ml)を加えて反応を停止した後に
酢酸エチルで抽出し、有機層を1.2規定塩酸および水
で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去
し、標題化合物を黄色油状物質(3.94g)として得
た。1 H−NMR(CDCl3):δ=2.55(3H,
s),1.69−1.66(2H,m),1.63−
1.60(2H,m)
【0031】[実施例2] 1−(2−メチル−1,3
−ジオキソラン−2−イル)シクロプロパンカルボニト
リル 1−アセチルシクロプロパンカルボニトリル(50.0
g)のエチレングリコール(255mL)溶液にオルト
ギ酸トリエチル(82.5mL)およびp−トルエンス
ルホン酸1水和物(870mg)を加え、内温70℃で
1時間30分攪拌した。室温に冷却してトルエンで抽出
し、有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を減圧留去し、標題化合物を淡黄色油状物質(6
2.2g)として得た。1 H−NMR(CDCl3):δ=3.98(4H,
s),1.54(3H,s),1.18−1.14(2
H,m),1.10−1.05(2H,m)
【0032】[実施例3] [1−(2−メチル−1,
3−ジオキソラン−2−イル)シクロプロピル]メタン
アミン 1−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)
シクロプロパンカルボニトリル(52.3g)のエタノ
ール(250mL)溶液にラネーニッケル(50mL)
および28%アンモニア水(50mL)を加え、水素雰
囲気下室温で6日間攪拌した。不溶物を濾過で除去し濾
液を減圧濃縮した後に水を加え、クロロホルムで抽出
し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、
標題化合物を黄色油状物質(52.4g)として得た。1 H−NMR(CDCl3):δ=3.92(4H,
s),2.70(2H,s),2.00(2H,br−
s),1.40(3H,s),0.69−0.65(2
H,m),0.36−0.33(2H,m)
【0033】[実施例4] ベンジル[1−(2−メチ
ル−1,3−ジオキソラン−2−イル)シクロプロピ
ル]メタンカルバメート [1−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イ
ル)シクロプロピル]メタンアミン(8.1g)のトル
エン(40mL)溶液に水(16mL)および水酸化ナ
トリウム(6.18g)を加えて0℃に冷却し、これに
ベンジルオキシカルボニルクロリド(8.79g)を加
えて2時間攪拌した。水を加えて反応を停止してトルエ
ンで抽出し、有機層を3規定水酸化ナトリウム水溶液で
洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去
し、標題化合物を無色油状物質(13.5g)として得
た。1 H−NMR(CDCl3):δ=7.38−7.31
(5H,m),5.66(1H,br−s),5.09
(2H,s),3.91(4H,s),3.22(2
H,d,J=5.1Hz),1.34(3H,s),
0.72−0.68(2H,m),0.46−0.42
(2H,m)
【0034】[実施例5] ベンジル{1−[2−(ク
ロロメチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]シク
ロプロピル}メタンカルバメート ベンジル[1−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−
2−イル)シクロプロピル]メタンカルバメート(1.
03g)のジクロロメタン(6mL)溶液を0℃に冷却
し、これにスルフリルクロリド(0.3mL)を加えて
室温下2時間攪拌した。再び0℃に冷却して25%水酸
化ナトリウム水溶液(3mL)を加えて反応を停止し、
クロロホルムで抽出して有機層を水で洗浄し、硫酸ナト
リウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、標題化合物を無
色油状物質(1.08g)として得た。1 H−NMR(CDCl3):δ=7.38−7.31
(5H,m),5.53(1H,br−s),5.10
(2H,s),4.11−4.02(2H,m),3.
99−3.94(2H,m),3.73(2H,s),
3.22(2H,d,J=5.3Hz),0.79−
0.74(2H,m),0.50−0.46(2H,
m)
【0035】[実施例6] ベンジル{1−[2−(ブ
ロモメチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]シク
ロプロピル}メタンカルバメート ジオキサン(2.00mL)にブロミン(0.20m
L)を加え、これにベンジル[1−(2−メチル−1,
3−ジオキソラン−2−イル)シクロプロピル]メタン
カルバメート(1.00g)のジクロロメタン(2.7
5mL)溶液を加えた。1時間攪拌した後に水を加え、
クロロホルムで抽出して有機層を水で洗浄し、硫酸ナト
リウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、標題化合物を無
色油状物質(1.11g)として得た。1 H−NMR(CDCl3):δ=7.37−7.31
(5H,m),5.53(1H,br−s),5.10
(2H,s),4.13−4.08(2H,m),4.
02−3.93(2H,m),3.64(2H,s),
3.22(2H,d,J=5.3Hz),0.79−
0.74(2H,m),0.52−0.48(2H,
m)
【0036】[実施例7] ベンジル− 5,8−ジオ
キサ−10−アザスピロ[2.0.4.3]ウンデカン
−10−カルボキシレート ベンジル{1−[2−(クロロメチル)−1,3−ジオ
キソラン−2−イル]シクロプロピル}メタンカルバメ
ート(507mg)のN,N−ジメチルホルムアミド
(2.5mL)溶液を0℃に冷却し、これに60%水素
化ナトリウム(100mg)を加えて室温下で5時間攪
拌した。水を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出し
て有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶
媒を減圧留去し、標題化合物を橙色油状物質(303m
g)として得た。1 H−NMR(CDCl3):δ=7.37−7.28
(5H,m),5.13(2H,s),3.91−3.
90(4H,m),3.55−3.50(4H,m),
0.90−0.80(2H,m),0.60−0.52
(2H,m)
【0037】[実施例8] ベンジル− 5,8−ジオ
キサ−10−アザスピロ[2.0.4.3]ウンデカン
−10−カルボキシレート ベンジル{1−[2−(ブロモメチル)−1,3−ジオ
キソラン−2−イル]シクロプロピル}メタンカルバメ
ート(512mg)のジクロロメタン(2mL)溶液
に、25%水酸化ナトリウム水溶液(2.5mL)およ
びテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(250m
g)を加えて50℃で8時間攪拌した。水を加えてクロ
ロホルムで抽出して有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、標題化合物を橙色油
状物質(245mg)として得た。
【0038】[実施例9] N−ベンジル[1−(2−
メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)シクロプロ
ピル]メタンアミン [1−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イ
ル)シクロプロピル]メタンアミン(1.05g)のエ
タノール(5mL)溶液にラネーニッケル(1mL)お
よびベンズアルデヒド(0.68mL)を加え、水素雰
囲気下室温で2日間攪拌した。不溶物を濾過で除去し濾
液を減圧濃縮した後に水を加え、クロロホルムで抽出
し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、
標題化合物を無色油状物質(1.14g)として得た。1 H−NMR(CDCl3):δ=7.38−7.29
(5H,m),3.90(4H,s),3.81(2
H,s),2.64(2H,s),1.35(3H,
s),0.71−0.67(2H,m),0.44−
0.41(2H,m)
【0039】[実施例10] N−ベンジル{1−[2
−(クロロメチル)−1,3−ジオキソラン−2−イ
ル]シクロプロピル}メタンアミン [1−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イ
ル)シクロプロピル]メタンアミン(3.00g)のジ
クロロメタン(15mL)溶液を0℃に冷却し、これに
スルフリルクロリド(1.96mL)を加えて室温下3
時間攪拌した。析出した結晶を濾過で除去し、濾液に2
5%水酸化ナトリウム水溶液を加えて反応を停止した。
クロロホルムで抽出して有機層を水で洗浄し、硫酸ナト
リウムで乾燥した。溶媒を減圧留去してカラムクロマト
グラフィーによる精製を行い、標題化合物を橙色油状物
質(1.17g)として得た。1 H−NMR(CDCl3):δ=7.44−7.35
(5H,m),4.65(2H,s),4.14−4.
06(2H,m),3.92−3.84(2H,m),
3.71(2H,s),3.53(2H,s),0.8
0−0.76(2H,m),0.52−0.48(2
H,m)
【0040】[実施例11] 10−ベンジル−5,8
−ジオキサ−10−アザスピロ[2.0.4.3]ウン
デカン N−ベンジル{1−[2−(クロロメチル)−1,3−
ジオキソラン−2−イル]シクロプロピル}メタンアミ
ン(310mg)のトルエン(1.5mL)溶液にトリ
エチルアミン(1.0mL)を加え、130℃で7時間
攪拌した。水を加えて酢酸エチルで抽出して有機層を水
で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去
し、標題化合物を橙色油状物質(144mg)として得
た。1 H−NMR(CDCl3):δ=7.37−7.23
(5H,m),3.79(4H,s),3.63(2
H,s),2.79(2H,s),2.66(2H,
s),0.90−0.86(2H,m),0.55−
0.51(2H,m)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋葉 敏文 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第 一製薬株式会社東京研究開発センター内 Fターム(参考) 4H039 CA42 CA71 CB30 CG10

Claims (49)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(VIII) 【化1】 (式中、nは2から5までの整数を表す。)で表される
    化合物に、塩基存在下で式(IX) 【化2】R1−SO2−Cl IX で表される化合物を反応させて式(I) 【化3】 で表される化合物を得、この化合物を酸触媒の存在下、
    エチレングリコールと共に処理して式(II) 【化4】 で表される化合物を得、次いでこの化合物を金属触媒の
    存在下に水素添加して式(III) 【化5】 で表される化合物を得、この化合物と式(X) 【化6】R−X0 X で表される化合物とを塩基存在下に反応させて式(I
    V) 【化7】 で表されるとし、次いでこの化合物とハロゲン化剤とを
    反応させて式(V) 【化8】 で表される化合物を得、そしてこの化合物を塩基存在下
    で処理して閉環させることを特徴とする式(VI) 【化9】 で表される化合物の製法 (上記の各式中、nは、2から5までの整数を表し、R
    は、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル
    基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボ
    ニル基、置換基を有していてもよいアシル基、または置
    換基を有していてもよいアラルキル基を表し、R1は、
    炭素数1から6までのアルキル基または置換基を有して
    いてもよいベンジル基を表し、X0は、求核置換反応に
    おける脱離基を表し、Xは、ハロゲン原子を表す。)
  2. 【請求項2】 R1がメチル基である請求項1に記載の
    製法
  3. 【請求項3】 酸触媒が、置換基を有していてもよい芳
    香族スルホン酸である請求項1または2に記載の製法
  4. 【請求項4】 酸触媒が、パラトルエンスルホン酸であ
    る請求項3に記載の製法
  5. 【請求項5】 シアノ基の還元において、金属触媒がラ
    ネー系触媒から選ばれる触媒である請求項1から4のい
    ずれか一項に記載の製法
  6. 【請求項6】 シアノ基の還元において、金属触媒がラ
    ネーニッケルである請求項1から4のいずれか一項に記
    載の製法
  7. 【請求項7】 Rのアルコキシカルボニル基が、t−ブ
    トキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシ
    カルボニル基、または2,2,2−トリクロロエトキシ
    カルボニル基;アラルキルオキシカルボニル基が、ベン
    ジルオキシカルボニル基、パラメトキシベンジルオキシ
    カルボニル基、またはパラニトロベンジルオキシカルボ
    ニル基;アシル基が、ホルミル基、アセチル基、プロパ
    ノイル基、t−ブチロイル基、メトキシアセチル基、フ
    ルオロアセチル基、ジフルオロアセチル基、トリフルオ
    ロアセチル基、クロロアセチル基、ピバロイル基、また
    はベンゾイル基;アラルキル基が、ベンジル基、α−メ
    チルベンジル基、トリチル基、ベンズヒドリル基、パラ
    ニトロベンジル基、またはパラメトキシベンジル基;で
    ある請求項1から6のいずれか一項に記載の製法
  8. 【請求項8】 Rが置換基を有していてもよいアラルキ
    ルオキシカルボニル基である請求項1から6のいずれか
    一項に記載の製法
  9. 【請求項9】 Rがベンジルオキシカルボニル基である
    請求項1から6のいずれか一項に記載の製法
  10. 【請求項10】 Rが置換基を有していてもよいアラル
    キル基である請求項1から6のいずれか一項に記載の製
  11. 【請求項11】 Rがベンジル基である請求項1から6
    のいずれか一項に記載の製法
  12. 【請求項12】 ハロゲン化剤が塩化スルフリルである
    請求項1から11のいずれか一項に記載の製法
  13. 【請求項13】 ハロゲン化剤が臭素である請求項1か
    ら11のいずれか一項に記載の製法
  14. 【請求項14】 式(VIII) 【化10】 (式中、nは2から5までの整数を表す。)で表される
    化合物に、塩基存在下で式(IX) 【化11】R1−SO2−Cl IX (式中、R1は、炭素数1から6までのアルキル基また
    は置換基を有していてもよいベンジル基を表す。)で表
    される化合物を反応させることを特徴とする式(I) 【化12】 (式中、nは、2から5までの整数を表す。)で表され
    る化合物の製法
  15. 【請求項15】 R1がメチル基である請求項14に記
    載の製法
  16. 【請求項16】 式(I) 【化13】 (式中、nは、2から5までの整数を表す。)で表され
    る化合物を、酸触媒の存在下、エチレングリコールと共
    に処理することを特徴とする式(II) 【化14】 (式中、nは、2から5までの整数を表す。)で表され
    る化合物の製法
  17. 【請求項17】 酸触媒が、置換基を有していてもよい
    芳香族スルホン酸である請求項16に記載の製法
  18. 【請求項18】 酸触媒が、パラトルエンスルホン酸で
    ある請求項16に記載の製法
  19. 【請求項19】 式(II) 【化15】 (式中、nは、2から5までの整数を表す。)で表され
    る化合物を、金属触媒の存在下に水素添加することを特
    徴とする式(III) 【化16】 (式中、nは、2から5までの整数を表す。)で表され
    る化合物の製法
  20. 【請求項20】 金属触媒がラネー系触媒から選ばれる
    触媒である請求項19に記載の製法
  21. 【請求項21】 触媒がラネーニッケルである請求項1
    9に記載の製法
  22. 【請求項22】 式(III) 【化17】 (式中、nは、2から5までの整数を表す。)で表され
    る化合物と式(X) 【化18】R−X0 X (式中、Rは、置換基を有していてもよいアルコキシカ
    ルボニル基、置換基を有していてもよいアラルキルオキ
    シカルボニル基、置換基を有していてもよいアシル基、
    または置換基を有していてもよいアラルキル基を表し、
    0は、求核置換反応における脱離基を表す。)で表さ
    れる化合物を塩基存在下に反応させることを特徴とする
    式(IV) 【化19】 (式中、nは、2から5までの整数を表し、Rは、置換
    基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基
    を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基、置
    換基を有していてもよいアシル基、または置換基を有し
    ていてもよいアラルキル基を表す。)で表される化合物
    の製法
  23. 【請求項23】 式(III) 【化20】 (式中、nは、2から5までの整数を表す。)で表され
    る化合物と式(XI) 【化21】R20−CHO XI (式中、R20は、置換基を有していてもよいアリール基
    を表す。)で表される化合物とを反応させ、生じるイミ
    ン化合物を金属触媒存在下に水素添加することを特徴と
    する式(IVa) 【化22】 (式中、nは、2から5までの整数を表し、R2は、置
    換基を有していてもよいアリールメチル基を表す。)で
    表される化合物の製法
  24. 【請求項24】 R20がフェニル基である請求項23に
    記載の製法
  25. 【請求項25】 金属触媒がラネー系触媒から選ばれる
    触媒である請求項23または24に記載の製法
  26. 【請求項26】 触媒がラネーニッケルである請求項2
    3または24に記載の製法
  27. 【請求項27】 式(IV) 【化23】 (式中、nは、2から5までの整数を表し、Rは、置換
    基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基
    を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基、置
    換基を有していてもよいアシル基、または置換基を有し
    ていてもよいアラルキル基を表す。)で表される化合物
    とハロゲン化剤とを反応させることを特徴とする式
    (V) 【化24】 (式中、nは、2から5までの整数を表し、Rは、置換
    基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基
    を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基、置
    換基を有していてもよいアシル基、または置換基を有し
    ていてもよいアラルキル基を表し、Xは、ハロゲン原子
    を表す。)で表される化合物の製法
  28. 【請求項28】 ハロゲン化剤が塩化スルフリルである
    請求項27に記載の製法
  29. 【請求項29】 ハロゲン化剤が臭素である請求項27
    に記載の製法
  30. 【請求項30】 式(V) 【化25】 (式中、nは、2から5までの整数を表し、Rは、置換
    基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基
    を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基、置
    換基を有していてもよいアシル基、または置換基を有し
    ていてもよいアラルキル基を表し、Xは、ハロゲン原子
    を表す。)で表される化合物を塩基存在下に処理して閉
    環させることを特徴とする式(VI) 【化26】 (式中、nは、2から5までの整数を表し、Rは、置換
    基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基
    を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基、置
    換基を有していてもよいアシル基、または置換基を有し
    ていてもよいアラルキル基を表す。)で表される化合物
    の製法
  31. 【請求項31】 Rのアルコキシカルボニル基が、t−
    ブトキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキ
    シカルボニル基、または2,2,2−トリクロロエトキ
    シカルボニル基;アラルキルオキシカルボニル基が、ベ
    ンジルオキシカルボニル基、パラメトキシベンジルオキ
    シカルボニル基、またはパラニトロベンジルオキシカル
    ボニル基;アシル基が、ホルミル基、アセチル基、プロ
    パノイル基、t−ブチロイル基、メトキシアセチル基、
    フルオロアセチル基、ジフルオロアセチル基、トリフル
    オロアセチル基、クロロアセチル基、ピバロイル基、ま
    たはベンゾイル基;アラルキル基が、ベンジル基、α−
    メチルベンジル基、トリチル基、ベンズヒドリル基、パ
    ラニトロベンジル基、またはパラメトキシベンジル基;
    である請求項22および27から30のいずれか一項に
    記載の製法
  32. 【請求項32】 Rが置換基を有していてもよいアラル
    キルオキシカルボニル基である請求項22、および27
    から30のいずれか一項に記載の製法
  33. 【請求項33】 Rがベンジルオキシカルボニル基であ
    る請求項22、および27から30のいずれか一項に記
    載の製法
  34. 【請求項34】 Rが置換基を有していてもよいアラル
    キル基である請求項22、および27から30のいずれ
    か一項に記載の製法
  35. 【請求項35】 Rがベンジル基である請求項22、お
    よび27から30のいずれか一項に記載の製法
  36. 【請求項36】 nが2である請求項1から35のいず
    れか一項に記載の製法
  37. 【請求項37】 式(I) 【化27】 (式中、nは2から5までの整数を表す。)で表される
    化合物
  38. 【請求項38】 式(II) 【化28】 (式中、nは2から5までの整数を表す。)で表される
    化合物
  39. 【請求項39】 式(III) 【化29】 (式中、nは2から5までの整数を表す。)で表される
    化合物
  40. 【請求項40】 式(IV) 【化30】 (式中、nは2から5までの整数を表し、Rは、置換基
    を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を
    有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基、置換
    基を有していてもよいアシル基、または置換基を有して
    いてもよいアラルキル基を表す。)で表される化合物
  41. 【請求項41】 式(V) 【化31】 (式中、nは、2から5までの整数を表し、Rは、置換
    基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基
    を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基、置
    換基を有していてもよいアシル基、または置換基を有し
    ていてもよいアラルキル基を表し、Xは、ハロゲン原子
    を表す。)で表される化合物
  42. 【請求項42】 Xが臭素原子である請求項41に記載
    の化合物
  43. 【請求項43】 Xが塩素原子である請求項41に記載
    の化合物
  44. 【請求項44】 アルコキシカルボニル基が、t−ブト
    キシカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカ
    ルボニル基、または2,2,2−トリクロロエトキシカ
    ルボニル基;アラルキルオキシカルボニル基が、ベンジ
    ルオキシカルボニル基、パラメトキシベンジルオキシカ
    ルボニル基、またはパラニトロベンジルオキシカルボニ
    ル基;アシル基が、ホルミル基、アセチル基、プロパノ
    イル基、t−ブチロイル基、メトキシアセチル基、フル
    オロアセチル基、ジフルオロアセチル基、トリフルオロ
    アセチル基、クロロアセチル基、ピバロイル基、または
    ベンゾイル基;アラルキル基が、ベンジル基、α−メチ
    ルベンジル基、トリチル基、ベンズヒドリル基、パラニ
    トロベンジル基、またはパラメトキシベンジル基;であ
    る請求項44に記載の化合物
  45. 【請求項45】 Rが置換基を有していてもよいアラル
    キルオキシカルボニル基である請求項40から43のい
    ずれか一項に記載の化合物
  46. 【請求項46】 Rがベンジルオキシカルボニル基であ
    る請求項40から43のいずれか一項に記載の化合物
  47. 【請求項47】 Rが置換基を有していてもよいアラル
    キル基である請求項40から43のいずれか一項に記載
    の化合物
  48. 【請求項48】 Rがベンジル基である請求項40から
    43のいずれか一項に記載の化合物
  49. 【請求項49】 nが2である請求項37から49のい
    ずれか一項に記載の化合物
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