JP2002068185A - 開口縁部が安全なイージーオープン缶蓋 - Google Patents

開口縁部が安全なイージーオープン缶蓋

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JP2002068185A
JP2002068185A JP2000263276A JP2000263276A JP2002068185A JP 2002068185 A JP2002068185 A JP 2002068185A JP 2000263276 A JP2000263276 A JP 2000263276A JP 2000263276 A JP2000263276 A JP 2000263276A JP 2002068185 A JP2002068185 A JP 2002068185A
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Eisuke Hotta
英輔 堀田
Katsumi Kojima
克己 小島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 開缶後の缶本体側缶蓋および開口片側缶蓋双
方の開口縁部の安全性を確保できる。 【解決手段】 缶本体側缶蓋10と、開口片側缶蓋11
と、缶本体側缶蓋10と開口片側缶蓋11との間に形成
された、缶蓋の一部を全周に亘って断面形状S字状に折
り重ねることによって形成されたS字部8と、スコア1
とを備え、開口片側缶蓋11の上面には、一端に当接部
16を有し他端に指かけ部17を有する開缶用タブ15
の中間部が取り付け部14を介して取り付けられたイー
ジーオープン缶蓋おいて、S字部8の上層8Aは、開口
片側缶蓋11と連なり、S字部8の下層8Cは、缶本体
側缶蓋10と連なり、スコア1は、S字部8の中間層8
Cに形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、イージーオープ
ン缶蓋、特に、開缶後の缶本体側缶蓋および開口片側缶
蓋双方の開口縁部の安全性を確保できるイージーオープ
ン缶蓋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】食品や飲料等の容器として、金属製の缶
が多用されているが、開缶時に缶切りを使用せず、タブ
を引くことにより開缶できるイージーオープン缶が普及
している。このタイプの缶の缶蓋は、図13の断面図で
示されるように、巻締部13を介して缶胴12に連結さ
れていて、缶蓋を裂開させるためのスコア1(scor
e:開口用溝)と、一端に当接部16を有し他端に指か
け部17を有するタブ15と、タブ15の中間部を開口
片側缶蓋11上に取り付けるカシメによる取り付け部1
4等とを備えている。
【0003】この缶蓋において、タブ15の指かけ部1
7を引き上げると、てこの原理により、当接部16は、
取り付け部14を支点として下方に押し下げられる。当
接部16は、スコア1よりもわずか(図中t1)に内側
(缶蓋中心部側)に位置しているため、当接部16と共
にスコア1の内側の開口片側缶蓋11も押し下げられ
る。これにより、缶本体側缶蓋10と開口片側缶蓋11
とは、スコア1を境にして引きちぎられて初期開口がな
される。更に、指かけ部17を引き上げると、取り付け
部14を介して開口片側缶蓋11を引き上げる力が働く
ため、開口が進展するいう仕組になっている。
【0004】しかし、引きちぎられて開缶するという機
構のために、開缶後の缶本体側缶蓋10および開口片側
缶蓋11の開口縁部が鋭利な形状となり、この鋭利な開
口縁部が露出するために、ユーザーが開口後に内容物を
取り出したり、開缶後の缶体を持ち運んだりする際に、
手指を傷付ける恐れがあった。
【0005】そこで、開缶後の缶本体側缶蓋の開口縁部
の安全性を確保できるイージーオープン缶蓋が特開昭6
0-204452号公報に開示されている。以下、この
イージーオープン缶蓋を従来技術1という。
【0006】従来技術1は、図14の断面図で示される
ように、缶本体側缶蓋10を断面形状S字型に折り重ね
てS字部2を形成したものである。S字部2の上層2A
は、巻締部13を介して缶胴12に連結され、S字部2
の下層2Cは、開口片側缶蓋11と連なっている。スコ
ア1は、S字部2の上ループの頂5よりもわずか(図中
t2)に外側(缶蓋縁部側)に形成されている。タブ1
5の当接部16は、スコア1より内側(缶蓋中心部側)
に位置している。従って、開缶後の缶本体側缶蓋10の
開口縁部の安全性は、上ループの頂5によって確保され
る。
【0007】また、別のタイプのイージーオープン缶蓋
が特公平4−55941に開示されている。以下、この
イージーオープン缶蓋を従来技術2という。
【0008】従来技術2は、図15の断面図で示される
ように、缶本体側缶蓋10に缶本体側S字部3が形成さ
れ、開口片側缶蓋11に開口片側S字部4が形成され、
スコア1は、缶本体側S字部3と開口片側S字部4との
中間部、即ち、缶本体側S字部3および開口片側S字部
4の上ループの頂6および7よりわずか(図中t3、t
4)に外側(缶蓋縁部側)に形成されている。タブ15
の当接部16は、スコア1より内側(缶蓋中心部側)、
即ち、開口片側S字部4の上ループ上に位置している。
従って、開缶後の缶本体側缶蓋10の開口縁部の安全性
は、缶本体側缶蓋10の上ループの頂6よって確保さ
れ、また、開口片側缶蓋11の開口縁部の安全性は、開
口片側S字部4の上ループの頂7によって確保される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来技術1および2は、以下のような問題を有してい
た。
【0010】従来技術1は、開缶容易性および安全性の
両立のために、S字部2の上ループの頂5とスコア1と
の位置関係に精密さが必要とされる。即ち、上ループの
頂5が適正位置よりも内側(缶蓋中心側)にあると、当
接部16を押し込む初期開口の段階では問題がないが、
更にタブ15の指かけ部17を引き、開口片側缶蓋11
を持ち上げる際に、開口片側缶蓋11の開口縁が上ルー
プの頂5に当たって、開缶容易性が損なわれる。一方、
上ループの頂5が適正位置よりも外側(缶蓋縁部側)に
あると、開口片側缶蓋11の開口縁が露出するので、上
ループの頂5による缶本体側缶蓋10の開口縁部の保護
が十分に図れず、安全性が損なわれる。
【0011】このように上ループの頂5とスコア1との
位置関係に精密さが必要とされ、結果として製造コスト
の増大を招く恐れがある。また、従来技術1においては
保護される開口縁部は、缶本体側缶蓋10のみであり、
開口片側缶蓋11の開口縁部は露出しており安全性は確
保されていない。
【0012】従来技術2は、缶本体側缶蓋10の開口縁
部だけでなく開口片側缶蓋11の開口縁部の安全性も確
保されるが、従来技術1と同様に、各部位の位置関係に
精密さが求められ、製造コストの増大につながる可能性
がある。また、2つのS字部3と4との間にスコア1が
存在するという複雑な形状になっていることも、製造工
程数の増加、しいては製造コストの増大につながる恐れ
がある。
【0013】従って、この発明は、断面構造が単純であ
り、各部位の位置関係の精密さが不要でありながら、缶
本体側缶蓋および開口片側間蓋双方の開口縁部の安全性
を確保することができるイージーオープン缶蓋を提供す
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記問
題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、前述したよう
に、従来のイージーオープン缶蓋においては、初期開口
の際に、一旦下方に押し込んだ開口片側缶蓋の初期開口
を、開口進展の際には上方に引き上げるという仕組にな
っているため、簡単な構造で缶本体側缶蓋および開口片
側缶蓋双方の開口縁部の安全性を確保することができな
いのであるから、初期開口の際に、開口片側缶蓋の初期
開口部を下方に押し込まないような構造にすれば、上記
問題点を解決することができるといった知見を得た。
【0015】この発明は、上記知見に基ずきなされたも
のであって、下記を特徴とするものである。
【0016】請求項1記載の発明は、缶本体側缶蓋と、
開口片側缶蓋と、前記缶本体側缶蓋と前記開口片側缶蓋
との間に形成された、缶蓋の一部を全周に亘って断面形
状S字状に折り重ねることによって形成されたS字部
と、スコアとを備え、前記開口片側缶蓋の上面には、一
端に当接部を有し他端に指かけ部を有する開缶用タブの
中間部が取り付け部を介して取り付けられたイージーオ
ープン缶蓋おいて、前記S字部の上層は、前記開口片側
缶蓋と連なり、前記S字部の下層は、前記缶本体側缶蓋
と連なり、前記スコアは、前記S字部の中間層に形成さ
れていることに特徴を有するものである。
【0017】請求項2記載の発明は、前記当接部は、前
記スコアの外側に位置し、前記指かけ部を引き上げた時
に、前記当接部が前記取り付け部を支点として前記缶本
体側缶蓋を下方に押し込むことによって初期開口がなさ
れることに特徴を有するものである。
【0018】請求項3記載の発明は、前記当接部は、下
方に鉤状に屈曲していることに特徴を有するものであ
る。
【0019】請求項4記載の発明は、少なくとも前記当
接部が当接する前記缶本体側缶蓋部分は、前記S字部の
下層よりも上に位置していることに特徴を有するもので
ある。
【0020】請求項5記載の発明は、少なくとも前記当
接部が当接する前記缶本体側缶蓋部分の前記取り付け部
と前記S字部とは、所定距離離れていることに特徴を有
するものである。
【0021】請求項6記載の発明は、前記指かけ部を引
き上げた時に、前記当接部によって下方に押し込まれる
前記缶本体側缶蓋部分の幅は、他の部分の幅よりも広が
っていることに特徴を有するものである。
【0022】請求項7記載の発明は、前記幅は、0.3
から10mmの範囲内であることに特徴を有するもので
ある。
【0023】請求項8記載の発明は、前記当接部の当接
位置より外側の前記缶本体側缶蓋には、凹状のくぼみが
形成されていることに特徴を有するものである。
【0024】請求項9記載の発明は、前記くぼみの深さ
は、0.2から5mmの範囲内であることに特徴を有す
るものである。
【0025】請求項10記載の発明は、前記タブは、前
記取り付け部を介して水平旋回自在に前記缶本体側缶蓋
に取り付けられ、前記タブを旋回させて、前記当接部を
前記取り付け部より内側に位置させ、前記指かけ部を引
き上げると同時に、前記缶本体側缶蓋を上方に引き上げ
ることによって初期開口されることに特徴を有するもの
である。
【0026】請求項11記載の発明は、前記取り付け部
は、前記開口片側缶蓋の中心部側に傾斜していることに
特徴を有するものである。
【0027】請求項12記載の発明は、前記タブが位置
している前記缶本体側缶蓋部分における、前記巻締部と
前記スコアとの高低差は、他の部分の高低差よりも小さ
くなっていることに特徴を有するものである。
【0028】請求項13記載の発明は、前記タブが位置
している前記缶本体側缶蓋部分の幅は、他の部分の幅よ
りも狭くなっていることに特徴を有するものである。
【0029】
【発明の実施の形態】次に、この発明のイージーオープ
ン缶蓋の一実施態様について、図面を参照しながら説明
する。
【0030】図1は、この発明のイージーオープン缶蓋
を示す部分断面図、図2は、タブの当接部が下方に鉤状
に屈曲している、この発明のイージーオープン缶蓋を示
す部分断面図、図3は、タブの当接部が下方に鉤状に屈
曲している、この発明の別のイージーオープン缶蓋を示
す部分断面図、図4は、タブの当接部が当接する缶本体
側缶蓋部分がS字部の下層よりも上に位置している、こ
の発明のイージーオープン缶蓋を示す部分断面図、図5
は、タブの当接部が当接する缶本体側缶蓋部分の取り付
け部とS字部とが所定距離離れている、この発明のイー
ジーオープン缶蓋を示す部分断面図、図6は、タブの指
かけ部を引き上げた時に、当接部によって下方に押し込
まれる缶本体側缶蓋部分の幅が他の部分の幅よりも広が
っている、この発明のイージーオープン缶蓋を示す概略
平面図、図7は、タブの当接部の当接位置より外側の缶
本体側缶蓋に凹状のくぼみが形成されている、この発明
のイージーオープン缶蓋を示す部分断面図である。
【0031】図8は、タブが水平旋回自在に缶本体側缶
蓋に取り付けられている、この発明のイージーオープン
缶蓋を示す部分断面図、図9は、タブの取り付け部が開
口片側缶蓋の中心部側に傾斜している、この発明のイー
ジーオープン缶蓋を示す部分断面図、図10は、タブが
取り付けられている缶本体側缶蓋部分の幅が他の部分の
幅よりも狭くなっている、この発明のイージーオープン
缶蓋を示す概略平面図である。
【0032】図11は、凸状カップが形成されたS字部
成形前の缶蓋用ブランクを示す断面図、図12は、S字
部が成形された缶蓋用ブランクを示す断面図である。
【0033】図1から図7において、10は、缶本体側
缶蓋、11は、開口片側缶蓋、15は、一端に当接部1
6を有し他端に指かけ部17を有するタブ、14は、タ
ブ15の中間部を開口片側缶蓋11上に固定するカシメ
による取り付け部である。タブ15の当接部16は、取
り付け部14および後述するスコア1の外側(缶蓋縁部
側)に位置し、指かけ部17は、取り付け部14の内側
(缶蓋中心部側)に位置している。8は、缶本体側缶蓋
10と開口片側缶蓋11との間に形成されたS字部であ
る。S字部8は、缶蓋の一部を全周に亘って断面形状S
字状に折り重ねることによって形成されている。S字部
8は、上層8A、中間層8Bおよび下層8Cからなり、
上層8Aは、開口片側間蓋11と連なり、下層8Cは、
缶本体側缶蓋10と連なっている。スコア1は、中間層
8Bに形成されている。
【0034】なお、缶本体側缶蓋10と缶胴12とは巻
締部13により連結されているが、連結方法は、接着、
溶接等他の手段でも良い。また、スコア1は、中間層8
Bの上面側に形成されているが、中間層8Bの下面、ま
たは、中間層8Bの上下両面に形成しても良い。スコア
1の形状は、V字型ノッチ以外に、U字型等、他の形状
でも良い。スコア1の形成方法は、ノッチ加工に限ら
ず、その部分において裂開するという機能を果たす限
り、押し出し加工等他の加工方法を用いても良い。
【0035】この発明のイージーオープン缶蓋の開口方
法について説明する。
【0036】上述したように、タブ15の当接部16
は、スコア1の外側の缶本体側缶蓋10上に位置してい
るので、指かけ部17を引き上げると、缶本体側缶蓋1
0は、取り付け部14を支点として下降する当接部16
により、てこの原理によって下方に押し込まれる。これ
により、スコア1の一部が裂開して初期開口が行われ
る。更に、指かけ部17を引き上げると、タブ15は、
取り付け部14を介して開口片側缶蓋11に固定されて
いるので、開口片側缶蓋11が引き上げられて、開口が
進展する。
【0037】このイージーオープン缶蓋は、上述したよ
うに開缶されるが、開缶後の缶本体側缶蓋10の開口縁
部は、スコア1がこれを境に分断されたS字部8の下ル
ープの頂18より外側(缶蓋縁部側)に位置するので、
安全性が確保される。また、開口片側缶蓋11の開口縁
部も、スコア1がこれを境に分断されたS字部8の上ル
ープの頂19より外側(缶蓋縁部側)に位置するので、
安全性が確保される。
【0038】ここで、缶蓋材の板厚、S字部の寸法、取
り付け部14の位置等によっては、指かけ部17を引き
上げた時に、当接部16によって缶本体側缶蓋10が下
方に押し込まれる前に、当接部16より手前のタブ部分
がS字部8の上層8Aに当たって、缶本体側缶蓋10を
十分に押し込めない場合がある。
【0039】上述した問題を回避するには、図2に示す
ように、当接部16を下方にL字状に屈曲させるか、ま
たは、図3に示すように、当接部16を下方にヘの字状
に屈曲させれば良い。別の回避方法として、図4に示す
ように、当接部16が当接する缶本体側缶蓋10部分の
みS字部8の下層8Cより上に位置させても良い。な
お、缶本体側缶蓋10全体をS字部8の下層8Cより上
に位置させても良い。
【0040】また、S字部8の寸法、取り付け部14の
位置等によっては、図5に示すように、当接部16が当
接する缶本体側缶蓋10部分のみの取り付け部14とS
字部8との間を所定距離(図中L)離しても同様の効果
が得られる。なお、開口片側缶蓋11全体を所定距離
(図中L)離しても良い。
【0041】更に、初期開口に要する力を軽減するに
は、図6に示すように、指かけ部17を引き上げた時
に、当接部16によって下方に押し込まれる缶本体側缶
蓋10部分の幅を、他の部分の幅よりも広げれば良い。
これは、当接部16が当たる缶本体側缶蓋10部分は、
巻締部13によって缶胴12に連結しているため、上下
方向の自由度は小さいが、上述のようにして、水平幅を
広くすることによって、当接部16が当たる缶本体側缶
蓋10部分の上下方向の自由度が増すからである。な
お、前記幅は、0.3から10mmの範囲内であること
が好ましい。
【0042】また、図7に示すように、当接部16の当
接位置より外側の缶本体側缶蓋10に、凹状のくぼみ9
を形成することによっても同様の効果が得られる。な
お、くぼみ9の深さは、0.2から5mmの範囲内であ
ることが好ましい。
【0043】以上は、タブ15が取り付け部14によっ
て開口片側缶蓋11に固定されているイージーオープン
缶蓋の説明であるが、図8に示すように、タブ15を取
り付け部14を介して水平旋回自在に缶本体側缶蓋10
に取り付けても良い。
【0044】このイージーオープン缶蓋を開口するに
は、図8に示すように、タブ15を180度、水平旋回
させて、当接部16を取り付け部14より内側(缶蓋中
心部側)に位置させ、指かけ部17を上に引き上げる。
なお、タブ14は、旋回後、指かけ部17が缶胴12の
外方に突出する長さを有していることが好ましい。タブ
15は、取り付け部14によって缶本体側缶蓋10に取
り付けられているので、缶本体側缶蓋10は、当接部1
6を支点にして上方に引き上げられる。これにより、ス
コア1の一部が裂開して初期開口が行われる。更に、指
かけ部17を引き上げることによって、開口が進展す
る。
【0045】このイージーオープン缶蓋は、上述したよ
うに開缶されるが、開缶後の缶本体側缶蓋10の開口縁
部は、スコア1がこれを境に分断されたS字部8の下ル
ープの頂18より外側(缶蓋縁部側)に位置するので、
安全性が確保される。また、開口片側缶蓋11の開口縁
部も、スコア1がこれを境に分断されたS字部8の上ル
ープの頂19より外側(缶蓋縁部側)に位置するので、
安全性が確保される。なお、図8に示すように、指かけ
部17を上方に屈曲させておけば、指かけ部17が開口
片側缶蓋11に密着して指をかけづらくなるのを防ぐこ
とができる。
【0046】ここで、巻締部13の高さ、取り付け部1
4の位置等によっては、タブ15を水平旋回させる際
に、指かけ部17が巻締部13の内側の側壁にぶつかる
関係で、指かけ部17を持ち上げながらでないと、タブ
15を水平旋回できない場合がある。その場合には、図
9に示すように、取り付け部14を開口片側缶蓋11の
中心部側に角度(θ)だけ傾斜させれば良い。
【0047】また、タブ15が位置している缶本体側缶
蓋10部分における、巻締部13とスコア1との高低差
を、他の部分の高低差よりも小さくしても、同様の効果
が得られる。
【0048】更に、初期開口に要する力を軽減するに
は、図10に示すように、タブ15が位置している缶本
体側缶蓋11部分の幅を、他の部分の幅よりも狭くすれ
ば良い。
【0049】なお、この発明においては、缶蓋材料は、
アルミニウム、スチール等であっても良く、また、表面
にめっき、塗装、フィルムラミネート等の処理をしたも
のであっても良い。
【0050】次に、この発明のイージーオープン缶蓋
を、実施例により更に詳細に説明する。
【0051】
【実施例】缶蓋用ブランクに対し、スコア1を形成した
後に、深絞り加工により、断面が図11に示すような形
状を有する、上に凸のカップを成形した。次に、このカ
ップを上下の型で挟み込み、図12に示すように、スコ
ア1部分の断面構造がS字型8になるように塑性変形さ
せた。その後、タブカシメ部の打ち出し、および、巻締
部の成形を行い、更に、先端が屈曲したタイプのタブを
取付けることにより、図2に示すような、この発明の開
口縁の安全なイージーオープン缶蓋を製造した。
【0052】この実施例においては、以上の方法により
缶蓋の成形を行っているが、この方法に限定されるもの
ではない。例えば、カシメの最外端が下ループの頂より
も外側に位置するように成形する場合は、上下の型で挟
み込みS字型構造を形成する前に、カシメの打ち出しを
行う必要がある。次に、得られた缶蓋を巻締部13によ
り缶胴12と連結し、試験サンブルとした。このサンプ
ルに対して、以下の方法で開缶試験を行った。
【0053】先ず、指かけ部17に指をかけ上方に引き
起こし初期開口を行い、更に、上方に引き上げて開口を
進展させた。その結果、手の力のみで最後まで開缶する
ことができ、途中でタブの折損等のトラブルは発生しな
かった。
【0054】また、長方形の角を丸めた形状の缶蓋用ブ
ランクに対し、上記製法と同様の方法でイージーオープ
ン缶蓋を成形した。なお、カシメは角の位置に形成し、
先端が屈曲していないタイプのタブを装着した。得られ
た缶蓋を巻締部により缶本体と連結し、試験サンブルに
用意した。このサンプルに対して、開缶試験を以下の方
法で実施した。
【0055】先ず、タブを水平方向に旋回し、しかる後
に指かけ部を引き上げた。その結果、手の力のみで初期
開口することができ、その後の開口の進展も問題はな
く、最後まで開缶することができた。
【0056】この実施例においては、開缶に要する力が
小さくて済むように長方形の角を丸めた形状の缶を用い
ているが、この発明においては缶の形状は、円、楕円
等、他の形状であっても良い。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように、この発明のS字部を
備えたイージーオープン缶蓋によれば、S字部の上層を
開口片側缶蓋と連ね、S字部の下層を缶本体側缶蓋と連
ね、スコアをS字部の中間層に形成することによって、
缶本体側缶蓋と開口片側缶蓋双方のスコアが開缶後も完
全に安全な状態に保護される。また、スコア周辺の断面
構造がS字型という単純な構造であるので、スコアとS
字部との位置関係の精密さが不要であることから、製造
コストの面でも有利であるといった有用な効果がもたら
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のイージーオープン缶蓋を示す部分断
面図である。
【図2】タブの当接部が下方に鉤状に屈曲している、こ
の発明のイージーオープン缶蓋を示す部分断面図であ
る。
【図3】タブの当接部が下方に鉤状に屈曲している、こ
の発明の別のイージーオープン缶蓋を示す部分断面図で
ある。
【図4】タブの当接部が当接する缶本体側缶蓋部分がS
字部の下層よりも上に位置している、この発明のイージ
ーオープン缶蓋を示す部分断面図である。
【図5】タブの当接部が当接する缶本体側缶蓋部分の取
り付け部とS字部とが所定距離離れている、この発明の
イージーオープン缶蓋を示す部分断面図である。
【図6】タブの指かけ部を引き上げた時に、当接部によ
って下方に押し込まれる缶本体側缶蓋部分の幅が他の部
分の幅よりも広がっている、この発明のイージーオープ
ン缶蓋を示す概略平面図である。
【図7】タブの当接部の当接位置より外側の缶本体側缶
蓋に凹状のくぼみが形成されている、この発明のイージ
ーオープン缶蓋を示す部分断面図である。
【図8】タブが水平旋回自在に缶本体側缶蓋に取り付け
られている、この発明のイージーオープン缶蓋を示す部
分断面である。
【図9】タブの取り付け部が開口片側缶蓋の中心部側に
傾斜している、この発明のイージーオープン缶蓋を示す
部分断面図である。
【図10】タブが取り付けられている缶本体側缶蓋部分
の幅が他の部分の幅よりも狭くなっている、この発明の
イージーオープン缶蓋を示す概略平面図である。
【図11】凸状カップが形成されたS字部成形前の缶蓋
用ブランクを示す断面図である。
【図12】S字部が成形された缶蓋用ブランクを示す断
面図である。
【図13】イージーオープン缶蓋を示す部分断面図であ
る。
【図14】従来技術1のイージーオープン缶蓋を示す部
分断面図である。
【図15】従来技術2のイージーオープン缶蓋を示す部
分断面図である。
【符号の説明】
1:スコア 2:S字部 2A:上層 2C:下層 3:缶本体側缶蓋 4:開口片側缶蓋 8:S字部 8A:上層 8B:中間層 8C:下層 9:くぼみ 10:缶本体側缶蓋 11:開口片側缶蓋 12:缶胴 13:巻締部 14:取り付け部 15:タブ 16:当接部 17:指かけ部 5、6、7、18、19:S字部のループの頂

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 缶本体側缶蓋と、開口片側缶蓋と、前記
    缶本体側缶蓋と前記開口片側缶蓋との間に形成された、
    缶蓋の一部を全周に亘って断面形状S字状に折り重ねる
    ことによって形成されたS字部と、スコアとを備え、前
    記開口片側缶蓋の上面には、一端に当接部を有し他端に
    指かけ部を有する開缶用タブの中間部が取り付け部を介
    して取り付けられたイージーオープン缶蓋おいて、 前記S字部の上層は、前記開口片側缶蓋と連なり、前記
    S字部の下層は、前記缶本体側缶蓋と連なり、前記スコ
    アは、前記S字部の中間層に形成されていることを特徴
    とするイージーオープン缶蓋。
  2. 【請求項2】 前記当接部は、前記スコアの外側に位置
    し、前記指かけ部を引き上げた時に、前記当接部が前記
    取り付け部を支点として前記缶本体側缶蓋を下方に押し
    込むことによって初期開口がなされることを特徴とす
    る、請求項1記載のイージーオープン缶蓋。
  3. 【請求項3】 前記当接部は、下方に鉤状に屈曲してい
    ることを特徴とする、請求項2記載のイージーオープン
    缶蓋。
  4. 【請求項4】 少なくとも前記当接部が当接する前記缶
    本体側缶蓋部分は、前記S字部の下層よりも上に位置し
    ていることを特徴とする、請求項2または3記載のイー
    ジーオープン缶蓋。
  5. 【請求項5】 少なくとも前記当接部が当接する前記缶
    本体側缶蓋部分の前記取り付け部と前記S字部とは、所
    定距離離れていることを特徴とする、請求項2から4の
    内の何れか1つに記載のイージーオープン缶蓋。
  6. 【請求項6】 前記指かけ部を引き上げた時に、前記当
    接部によって下方に押し込まれる前記缶本体側缶蓋部分
    の幅は、他の部分の幅よりも広がっていることを特徴と
    する、請求項2から5の内の何れか1つに記載のイージ
    ーオープン缶蓋。
  7. 【請求項7】 前記幅は、0.3から10mmの範囲内
    であることを特徴とする、請求項6記載のイージーオー
    プン缶蓋。
  8. 【請求項8】 前記当接部の当接位置より外側の前記缶
    本体側缶蓋には、凹状のくぼみが形成されていることを
    特徴とする、請求項2から7の内の何れか1つに記載の
    イージーオープン缶蓋。
  9. 【請求項9】 前記くぼみの深さは、0.2から5mm
    の範囲内であることを特徴とする、請求項2から8の内
    の何れか1つに記載のイージーオープン缶蓋。
  10. 【請求項10】 前記タブは、前記取り付け部を介して
    前記缶本体側缶蓋に水平旋回自在に取り付けられ、前記
    タブを旋回させて、前記当接部を前記取り付け部より内
    側に位置させ、前記指かけ部を引き上げると同時に、前
    記缶本体側缶蓋を上方に引き上げることによって初期開
    口されることを特徴とする、請求項1記載のイージーオ
    ープン缶蓋。
  11. 【請求項11】 前記取り付け部は、前記開口片側缶蓋
    の中心部側に傾斜していることを特徴とする、請求項1
    0に記載のイージーオープン缶蓋。
  12. 【請求項12】 前記タブが位置している前記缶本体側
    缶蓋部分における、前記巻締部と前記スコアとの高低差
    は、他の部分の高低差よりも小さくなっていることを特
    徴とする、請求項10または11記載のイージーオープ
    ン缶蓋。
  13. 【請求項13】 前記タブが位置している前記缶本体側
    缶蓋部分の幅は、他の部分の幅よりも狭くなっているこ
    とを特徴とする、請求項10から12の内の何れか1つ
    に記載のイージーオープン缶蓋。
JP2000263276A 2000-08-31 2000-08-31 開口縁部が安全なイージーオープン缶蓋 Pending JP2002068185A (ja)

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