JP2002067636A - 車両・タイヤ性能のシミュレーション方法 - Google Patents

車両・タイヤ性能のシミュレーション方法

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JP2002067636A JP2001177588A JP2001177588A JP2002067636A JP 2002067636 A JP2002067636 A JP 2002067636A JP 2001177588 A JP2001177588 A JP 2001177588A JP 2001177588 A JP2001177588 A JP 2001177588A JP 2002067636 A JP2002067636 A JP 2002067636A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両に適したタイヤを効率良く開発する。 【解決手段】 プライを含めてタイヤを有限個の要素に
モデル化したタイヤモデルを作成するタイヤモデルステ
ップS1と、サスペンション部材を含めて車体を有限個
の要素にモデル化した車体モデルを作成する車体モデル
作成ステップS2と、前記車体モデルの前記サスペンシ
ョン部材がモデル化されたサスペンションモデルに前記
タイヤモデルを装着して車両モデルを作成する車両モデ
ルステップS3と、所定の境界条件を与えて前記車両モ
デルを仮想走行させ車両走行特性、又はタイヤ特性をシ
ミュレーションするステップS4、S5とからなる車両
・タイヤ性能のシミュレーション方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に適したタイ
ヤを効率良く開発するのに役立つ車両・タイヤ性能シミ
ュレーション方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
特定の車両に適したタイヤを開発する場合、実際にタイ
ヤを試作し、これを前記車両に装着するとともに、実際
に車両を走行させて官能あるいは計測等の種々の評価が
なされている。また試作されたタイヤは、例えば実験室
などにおいてドラム試験機を用いてコーナリング特性な
どが調べられ、その結果からさらに試作モデルに改良を
加えて、再び車両モデルに装着して実車評価を繰り返す
ことが行われていた。
【0003】しかしながら、従来の開発手法では、先ず
実車評価を行うため実際にタイヤの試作が必要となる
他、実車試験に用いる車両、該車両の走行場所や必要な
計測機器、計測者、テストドライバーなどを必要とする
など、多くの手間と労力さらには時間が必要となる。
【0004】本発明は、このような問題点に鑑み案出な
されたもので、タイヤ、車両の車体本体、サスペンショ
ン部材などを有限要素法にて取扱可能な要素でモデル化
した車両モデルを作成し、これをコンピュータ等を用い
て仮想走行させて車両走行特性、又はタイヤ特性をシミ
ュレーションすることにより、前記車両に適したタイヤ
を短期間でかつ効率よく開発しうる車両・タイヤ性能の
シミュレーション方法を提供することを目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、プライを含め
てタイヤを有限個の要素にモデル化したタイヤモデルを
作成するタイヤモデル作成ステップと、サスペンション
部材を含めて車体を有限個の要素にモデル化した車体モ
デルを作成する車体モデル作成ステップと、前記車体モ
デルの前記サスペンション部材がモデル化されたサスペ
ンションモデルに前記タイヤモデルを装着して車両モデ
ルを作成する車両モデル作成ステップと、設定された境
界条件に基づいて前記車両モデルの走行シミュレーショ
ンを行ない車両走行特性又はタイヤ特性を取得するシミ
ュレーションステップとを含むことを特徴とする車両・
タイヤ性能のシミュレーション方法である。
【0006】また前記車両走行特性は、アンダーステア
ー又はオーバーステアの程度、ステアリング時の車両応
答早さ、ロールの程度の少なくとも1つを含むことがで
きる。また前記サスペンション部材は、アーム、スプリ
ング、ショックアブソーバ、トーションビーム、スタビ
ライザー、リンクロッド、及びゴムブッシュを含んでな
り、前記アーム及び前記リンクロッドは剛体ビーム要素
に、前記スプリング、前記ジョックアブソーバ及び前記
ゴムブッシュは線形若しくは非線形のバネ要素に、前記
トーションビーム及び前記スタビライザーはねじれのビ
ーム要素にそれぞれモデル化することができる。
【0007】また他の前記車両走行特性としては、例え
ば10Hz以下の車体振動特性が挙げられる。この場合、
前記車体モデルを変形しない剛体モデルで設定すること
が望ましい。また、さらに他の車両走行特性としては、
10Hzよりも大かつ100Hz以下の車体振動特性を含む
ことができる。この場合、前記サスペンションモデルを
除く車体モデルの振動モードを、評価しようとする車体
の振動モードと実質的に一致させることが好適である。
【0008】前記走行シミュレーションは、前記車両モ
デルを、路面を要素でモデル化した路面モデル上で転動
させることによって行うことができる。路面モデルとし
てはは、例えば剛体要素と、その上に設定されかつ水を
要素でモデル化した水要素とからなる。この場合、前記
車両走行特性としてウエット走行特性を好適にシミュレ
ーションすることができる。また路面モデルは、剛体要
素と、その上に設定されかつ雪を要素でモデル化した雪
要素とを用いることができる。この場合、車両走行特性
として雪上走行特性を好適にシミュレーションすること
ができる。
【0009】また路面モデルは、剛体要素と、その上に
設定されかつ泥を要素でモデル化した泥要素とで設定す
ることができる。この場合、車両走行特性として泥濘地
走行特性を好適にシミュレーションすることができる。
さらに路面モデルは、剛体要素と、その上に設定されか
つ砂を要素でモデル化した砂要素とで設定することがで
きる。この場合、車両走行特性として砂地走行特性を好
適にシミュレーションすることができる。なお路面モデ
ルは、平坦であっても良いが、凹凸部を含むこともでき
る。この場合、前記車両走行特性として乗り心地特性を
好適にシミュレーションすることができる。
【0010】また前記車両モデル作成ステップは、0G
の重力条件においてタイヤモデルに内圧条件を設定する
ステップと、前記タイヤモデルに内圧条件を設定した後
に1Gの重力条件に設定しタイヤモデルに車体モデルの
荷重を負荷するステップとを含むことが望ましい。
【0011】また前記シミュレーションステップは、初
期速度v(≠0)を有する車両モデルを用いることがで
きる。この場合、前記車体モデルには、前記初期速度v
の並進成分の速度が定義されるとともに、前記タイヤモ
デルには、前記初期速度vの並進成分の速度と回転成分
の速度とが定義される。
【0012】また前記走行シミュレーションとしては、
タイヤモデルの舵角を一定として定常円旋回させる定常
円旋回シミュレーションを含むことができる。この場
合、車両走行特性として、この定常円旋回シミュレーシ
ョンから得られる車両モデルの旋回半径の大きさ又は車
両モデルのロール角度により評価されるステアリング特
性を好適にシミュレーションすることができる。
【0013】また走行シミュレーションとしては、レー
ンチェンジ状態をシミュレーションするレーンチェンジ
シミュレーションを含むことができる。この場合、車両
走行特性として、このレーンチェンジシミュレーション
から得られる車両モデルの挙動又は車両モデルの舵角を
戻したときの収れん性により評価されるレーンチェンジ
特性を好適にシミュレーションすることができる。
【0014】また走行シミュレーションとしては、タイ
ヤモデルに一定のトルクを与えて車両モデルの速度変化
を観察する駆動シミュレーションを含むことができる。
この場合、前記車両走行特性として駆動力特性を好適に
シミュレーションすることができる。
【0015】また走行シミュレーションとしては、タイ
ヤモデルに一定の制動力を与えて車両モデルの速度変化
を観察する制動シミュレーションを含むことができる。
この場合、前記車両走行特性として制動力特性を好適に
シミュレーションすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の一形態を図面
に基づき説明する。図1には本実施形態の車両・タイヤ
性能のシミュレーション方法の処理手順のフローチャー
トを例示している。図の如く本シミュレーション方法で
は、プライを含めてタイヤを有限個の要素にモデル化し
たタイヤモデルを作成するタイヤモデル作成ステップS
1と、サスペンション部材を含めて車体を有限個の要素
にモデル化した車体モデルを作成する車体モデル作成ス
テップS2と、前記車体モデルの前記サスペンション部
材がモデル化されたサスペンションモデルに前記タイヤ
モデルを装着して車両モデルを作成する車両モデル作成
ステップS3と、設定された境界条件に基づいて前記車
両モデルの走行シミュレーションを行ない車両走行特性
又はタイヤ特性に関する情報を取得するシミュレーショ
ンステップS4、S5とを含んでいる。以下、順に説明
する。
【0017】先ずタイヤモデル作成ステップS1を説明
する。本実施形態では、例えば図2に示すような構造を
有する乗用車用ラジアルタイヤ(以下、単に「タイヤ」
ということがある。)Tをモデル化するものを例示す
る。タイヤTは、トレッド部12からサイドウォール部
13を経てビード部14のビードコア15の回りで折り
返されかつコードをタイヤ周方向に対して略90度で傾
けたカーカスプライ16aからなるカーカス16と、こ
のカーカス16のタイヤ半径方向外側かつトレッド部1
2の内方に配されるベルト層17とを具える。
【0018】前記ベルト層17は、本例ではタイヤ周方
向に対して小角度で並列された内、外2枚のベルトプラ
イ17A、17Bが前記コードを交差する向きに積層し
て構成されている。前記カーカスプライ16aは、例え
ばポリエステルなどの有機繊維コードを、またベルトプ
ライ17A、17Bはスチールコードを、それぞれシー
ト状のトッピングゴムにより被覆されて構成されてい
る。なお前記ベルト層17の外側には、有機繊維コード
をタイヤ周方向に実質的に平行に配列したバンド層19
が配されている。
【0019】またタイヤTは、トレッドゴム12G、サ
イドウォールゴム13G、ビードゴム14Gなどで覆わ
れる。前記トレッドゴム12Gは、本例では前記バンド
層19の外側に配されている。また、トレッド部12の
外表面には、例えばタイヤ周方向にのびる縦溝G1と、
この縦溝G1に交わる向きにのびる横溝G2などにより
所定のトレッドパターンが形成されている。
【0020】タイヤモデル2は、図3に示すように、前
記カーカスプライ16A、ベルトプライ17A、17
B、バンド層19を含むプライFを含めてタイヤTを有
限個の要素にモデル化したものである。即ち、コンピュ
ータによって数値解析が可能な解析モデルとして定義さ
れる。タイヤモデル2を構成する前記要素2a、2b…
には、いずれもコンピュータで処理可能な要素が用いら
れる。具体的には、2次元要素では四辺形要素、3次元
要素としては、4面体ソリッド要素、5面体ソリッド要
素、6面体ソリッド要素などが挙げられる。
【0021】また「プライを含めて有限個の要素にモデ
ル化する」とは、プライのコード材、トッピングゴム
を、それぞれに対応した要素にモデル化することであ
る。例えばベルト層17については、図4に示すような
ベルト層モデル5にモデル化することを言う。すなわち
ベルトコードcについては四辺形膜要素5a、5bにモ
デル化し、またベルトコードcを被覆しているトッピン
グゴムtについては前記四辺形膜要素を覆う六面体ソリ
ッド要素5c、5d、5eでモデル化し、これらを厚さ
方向に順番に積層した複合シェル要素とする。また前記
ベルトコードcをモデル化した前記四辺形膜要素5a、
5bの材料定義は、その厚さを例えばコードcの直径に
設定し、ベルトコードcの配列方向とこれと直交する方
向とにおいて剛性の異なる直交異方性材料とする。また
各方向の剛性は均質化しているものとして取り扱うこと
が望ましい。なおカーカスプライ16aについも同様に
モデル化される。
【0022】またプライFのトッピングゴムtを表す六
面体ソリッド要素5c、5d、5eは、他のゴム部材と
同様に超粘弾性材料として定義して取り扱うことができ
る。このように、プライFについては、コード材、トッ
ピングゴムそれぞれについて材質の特性に応じてモデル
化しているため、実際の製品に非常に近い状態をシミュ
レーションでき精度の高い開発に役立つ。なお各ゴム部
材、プライF、ビードコア5を有限要素にモデル化する
際には、各ゴム部、コードの複素弾性率、ビードコアの
弾性率などに基づき材料特性、剛性が定義される。
【0023】また本例のタイヤモデル2は、例えば多数
の四面体、五面体又は六面体要素、さらにはこれらの組
み合わせを用いることにより、前記縦溝G1、横溝G2
を含むトレッドパターンを忠実にモデル化している。し
かし、開発の主眼がゴム材料やカーカス16のプロファ
イルといった内部構造に関する場合、タイヤモデル2の
トレッドパターンを省略したプレーンなトレッド面とす
ることができる。この場合、タイヤモデル2の要素総数
を減じてコンピュータでの計算時間を短縮するのに役立
つ。このようにタイヤモデル2は、評価したいタイヤの
設計因子を表現できる有限要素モデルであれば種々、態
様を変形しうる。また、このようなタイヤモデル2の作
成は、予め基本となる数パターンをタイヤモデルデータ
ベース(図1参照)に蓄えておくこともでき、そこから
選択することでも良い。
【0024】次に前記車体モデル作成ステップS2を説
明する。車体モデル作成ステップS2は、サスペンショ
ン部材を含めて評価しようとする車体を有限個の要素に
モデル化した車体モデルを作成する。即ち、解析対象の
車体が、コンピュータによって数値解析可能な解析モデ
ルとして定義される。図5に示すように、本例の車体モ
デル6は、車体本体モデル6Aと、サスペンションモデ
ル6Bとを含む。
【0025】前記車体本体モデル6Aは、車両から車輪
とサスペンション部材とを除いた部分を有限個の要素で
モデル化して構成される。また車体本体モデル6Aは、
本例では、下部フレーム6A1や外装部材6A2といっ
た基本的な骨格部分を含むが、車両の運動性能に実質的
に関与しない例えば内装部材やその他細部についてはモ
デル化せずに省略している。
【0026】前記車体本体モデル6Aは、本例では外力
が加えられても変形しない剛体要素でモデル化したもの
を示す。但し、車体本体モデル6Aは、実際の車体に使
用される材料に近い変形特性、振動特性等を定義しても
良い。この場合、より精度の高い解析が可能である。さ
らに車体本体モデル6Aは、例えばエンジンを剛体要素
でモデル化したエンジンモデル(図示省略)を可撓要素
(例えばゴムブッシュ)を介して支持させることもでき
る。この場合、エンジンモデルは支持された可撓要素の
変形によって動くため、車両の走行中の乗り心地などを
さらに精度良くシミュレーションすることも可能にな
る。
【0027】前記サスペンションモデル6Bは、前輪用
のサスペンションモデル6Bfと、後輪用のサスペンシ
ョンモデル6Brとを含む。前輪用のサスペンションモ
デル6Bfは、詳細は図示しないがステアリング可能に
モデル化される。これにより、車体本体モデル6Aに取
り付けられたタイヤモデル2は、所定の舵角(スリップ
角)に舵取りされる。
【0028】図6には、一例として後輪用のサスペンシ
ョン部材Aをモデル化する略図を示している。後輪用の
サスペンション部材Aは、概略、一端部が車体本体に枢
着されかつ他端部に車輪を装着する可回転のハブ25を
具える一対のトレーリングアーム26と、前記一対のト
レーリングアーム26、26間を継ぐトーションビーム
27と、ショックアブソーバー30にコイルスプリング
31を装着した緩衝器32とを含むものを例示する。ま
た緩衝器32の上下は、それぞれダンパマウントアッパ
ーブュシュb1、ダンパマウントロアブュシュb2を介
して車体本体もしくはトレーリングアームに取り付けら
れる。また車体本体に固着されるトレーリングアームに
もトレーリングアームブュシュb3が設けられる。
【0029】そして、このサスペンション部材Aは、前
記ハブ25をモデル化したハブモデル35と、前記トレ
ーリングアームをモデル化したトレーリングアームモデ
ル36と、前記トーションビームをモデル化したトーシ
ョンビームモデル37と、前記緩衝器32をモデル化し
た緩衝器モデル42と、前記ブッシュb1〜b3をモデ
ル化したブッシュモデル44とを含んで後輪用のサスペ
ンションモデル6Brとしてモデル化される。
【0030】サスペンションモデル6Bについては、そ
の機械的な運動を表現できるようにモデル化される。す
なわち、前記緩衝器モデル42及びブッシュモデル44
は、線形若しくは非線形のバネ要素が用いられ、その軸
方向に伸縮可能に定義される。またハブモデル35、ト
レーリングアームモデル36は、それぞれ外力が加えら
れても形状が変化しない剛体要素として定義される。前
記トーションビームモデル37は、ねじれが作用した際
に微小のねじれ角を生じるとともに、そのねじれ角に応
じた反力が生じ得るようねじれのビーム要素にモデル化
される。なお、力が加わり部材が弾性変形することによ
って、サスペンションの性能が変化する場合があるた
め、例えば前記ハブモデル35やトレーリングアームモ
デル36についても、変形を考慮した要素(大きさ、断
面特性(面積、断面2次モーメントなど)、弾性率が定
義される要素)として取り扱うことにより、操縦安定性
や乗り心地性能などのシミュレーション精度が向上す
る。なおブッシュについては、軸方向と半径方向とのぞ
れぞれのバネ定数、減衰特性を定義したバネダンバーモ
デルを用いるのが望ましい。これにより、ブッシュの変
形を考慮したシミュレーションができ、操縦安定性や乗
り心地性能などの予測精度が向上する。
【0031】またサスペンションモデル6Bの各構成要
素ないしその結合(節点)については、その動作状態に
基づいて図7に示すようにモデル化される。即ち、移動
不能に固定されたものとして取り扱う剛結合(図7
(A))、軸方向に移動可能なスライド結合(同図
(B))、回転できかつ多軸に周りに揺動可能なジョイ
ント結合(同図(C))、1軸に関して揺動可能な回転
ジョイント結合(同図(D))などが定義される。なお
詳細は図示していないが、リンクロッド、スタビライザ
ーなども必要により、適宜要素としてモデル化される。
【0032】さらに車体モデル6は、その重量、重心位
置の座標、慣性モーメントが定義される。またサスペン
ションモデル6Bには、車体本体モデル6Aへの取り付
け位置の座標、各バネ要素のスプリングバネ定数、ダン
パー減衰定数、各ビーム要素についての曲げ剛性、ねじ
れ剛性、リンク重量、重心位置の座標、慣性モーメント
などが夫々定義される。車体の各部での変形や応力をよ
り詳細に検討するためには、車体全部または検討したい
一部をビーム、シェル、ソリッドなどの有限要素でモデ
ル化することもできる。これらの要素は、弾性率とその
形状から、変形(歪)と応力が計算できる。例えば、ビ
ーム要素の場合は、長さ、断面特性(面積、断面2次モ
ーメントなど)、弾性率が定義され、引張りや曲げの変
形や応力が計算できる。
【0033】なお本例ではタイヤモデル作成ステップS
1を車体モデル作成ステップS2よりも先に行っている
が、逆に車体モデル作成ステップをタイヤモデル作成ス
テップよりも先に行うことでも良く、さらにはこれらを
並列して行うこともできる。
【0034】次に車両モデル作成ステップを説明する。
車両モデル作成ステップS3は、前記車体モデル6の前
記サスペンションモデル6Bに前記タイヤモデル2を装
着して車両モデルを作成する車両モデル作成する。タイ
ヤモデル2は、リムを例えば剛体要素にてモデル化した
リムモデル(図示省略)を介して前記サスペンションモ
デル6Bに装着される。これにより、図8に示す如く、
車両モデル9を作成できる。
【0035】ところで、車両の走行性能は、タイヤの接
地形状や接地圧の分布などによって大きく左右されるこ
とは良く知られている。従って、精度の良い車両・タイ
ヤ性能のシミュレーションを行うためには、前記タイヤ
モデル2の正確な接地形状、接地圧分布、たわみ形状な
どを得ることが前提となる。そこで、本実施形態では、
前記車両モデル作成ステップS3では、図9に示すよう
に、0G(Gは標準重力加速度と等しく9.80665
m/s2 を示す。)の重力条件の車両モデル9aを準備
するステップS31と、そのタイヤモデル2に内圧条件
を設定するステップS32と、前記タイヤモデル2に内
圧条件を設定した後に実質的に1Gの重力条件に設定し
タイヤモデル2に車体モデル6の荷重を負荷するステッ
プS33とを含むものが示される。
【0036】タイヤモデル2に内圧条件を設定すると
は、タイヤモデル2に内圧条件を設定して膨張変形シミ
ュレーションを行うことを意味する。具体的には、例え
ばタイヤモデル2のビード部分をリム巾に等しく強制的
に変位させかつ拘束しリム組み状態をシミュレーション
するとともに、その後、タイヤモデル2の内腔面に内圧
に応じた等分布荷重を負荷することにより行うことがで
きる。そしてタイヤモデル2は、前記等分布荷重に基づ
き所定の膨張変形が計算されシミュレーションが行われ
る。
【0037】このように車体モデル6の自重が作用しな
い無重力状態でのタイヤモデル2に内圧条件を設定する
ことにより、タイヤモデル2をより実物に近い均一な自
然膨張変形状態をシミュレーションしうる。これによ
り、タイヤに内圧が負荷されたときの形状や内部張力な
どを正確に表現(シミュレーション)することができ
る。
【0038】そして、タイヤモデル2に内圧条件が設定
された後に車両モデル9を1Gの重力状態とすること
で、車体モデル6の自重がサスペンションモデル6Bを
介してタイヤモデル2に負荷される。内圧条件が既に設
定されているタイヤモデル2は、車体モデル6の自重と
内圧との関係によって撓み変形し、1Gの初期状態が設
定される。これにより、タイヤモデル2の正確な接地形
状、接地圧分布、たわみ形状などを得ることができる。
またこれにより車体モデル6も1Gの初期状態へと設定
される(図10(A)参照)。
【0039】タイヤモデル2、車体モデル6をともに1
Gの重力条件で別々に設定し、これらを結合することも
考えられる。しかし、この方法では、結合に際して、タ
イヤモデル2と車体モデル6との力の釣り合いが正確に
とれないことがあり、その場合には車両モデル9に振動
が生じる不具合が考えられる。この方法では、結合初期
状態においてタイヤたわみ荷重、サスペンション変形荷
重、車両重量が釣り合っている保証がない。なぜなら、
各々の1Gの重力状態は設定された荷重で求められたも
のであり、真の荷重ではないからである(例えば設定時
に前輪右荷重は550kgfだとしても、実際にはタイヤ
変形、サスペンション変形で車体に傾きが生じて555
kgfになる様な場合がある。)。この様な場合、結合初
期のアンバランスにより振動が発生するので、この振動
を収めて荷重が釣り合った状態で、評価シミュレーショ
ンを行う必要がある。
【0040】また、先にタイヤモデル2に荷重を負荷
し、その後にタイヤモデル2に内圧を設定した場合に
は、内圧が0のタイヤに荷重を負荷することとなり、タ
イヤモデル2が大きく変形してしまい、そのサイドウォ
ール部の折れ曲がり変形を考慮した計算が必要になるた
め好ましくない。またサイドウォール部の大きな折れ曲
がり変形を表現できる要素が必要となり、実用性に欠け
るものとなる。
【0041】0Gの車両モデル9を作成する方法は特に
限定されない。従って、設定初期の段階から、0Gの車
両モデル9を一からモデル化する方法や、例えば図10
(A)に示すように、先に1Gの重力条件で車両モデル
9を設定し、そこから1Gの重力分の荷重を除荷するこ
とにより図10(B)のように、擬似的に0Gの重力条
件での車両モデル9を作成する方法が可能である。即
ち、後者の場合、1Gの重力条件での各部の初期応力を
計算し、1Gの重力条件の車両モデル9からこの初期応
力が0となるよう荷重を除荷するシミュレーションを行
う。これより、図10(A)、(B)の対比から明らか
なように、例えばサスペンションモデル6Bは、その機
械的な拘束が許す範囲で伸び、0G(無重力状態)のサ
スペンションジオメトリーも設定できる。
【0042】また1Gの重力条件では、例えばサスペン
ションには1Gに基づく車体モデル6Aの重量が負荷さ
れ、前記コイルスプリング31、ブッシュなどには初期
状態で応力と歪が既に生じている。本実施形態では、上
記のステップS31、S32を行うことにより、1Gの
初期状態で生じているサスペンションの応力、歪を車両
モデル9に取り入れ再現できる。有限要素法を用いた数
値解析は、車体モデル6、タイヤモデル2に荷重を負荷
し、各部に生じる応力、歪に基づいて計算が行われる。
従って、1G状態を基準とした車体モデル6では、サス
ペンションに生じている1Gの重力分の歪、応力が計算
上無視されてしまうためシミュレーション精度を低下さ
せるおそれがある。本実施形態では、モデル化作業をそ
れほど複雑化することなくとりわけサスペンションモデ
ル6Bでの計算誤差を防止し、より精度の高い車両・タ
イヤ性能のシミュレーション結果を得ることも可能とな
る。
【0043】サスペンションモデルの荷重負荷状態は、
例えば緩衝器モデル42の変位だけに依存させること
も、またブッシュ等の変形まで考慮に入れることもでき
る。後者の場合、1G状態車両モデルの車軸センターに
各輪の荷重を抜く方向に荷重負荷して、0G状態のサス
ペンションジオメトリーを計算できる。このように計算
された0Gの重力条件のジオメトリーでの車両モデルに
ついて、内部応力を0として、自重負荷を行う。
【0044】本シミュレーション方法を行う装置として
は、例えば図11に示すようなコンピュータ10が使用
される。コンピュータ10は、演算処理装置であるCP
Uと、このCPUの処理手順などが予め記憶されるRO
Mと、CPUの作業用メモリであるRAMと、入出力ポ
ートと、これらを結ぶデータバスとを含んで構成されて
いる。前記入出力ポートには、本例では所定の情報を入
力、設定するためのキーボード、マウス等の入力手段I
と、入力結果やシミュレーション結果を表示しうるディ
スプレイ、プリンタなどの出力手段Oと、磁気ディス
ク、光磁気ディスクなどの外部記憶装置Dとが接続され
る。また前記外部記憶装置Dには、シミュレーションの
処理手順、その他、所定のプログラム、データを記憶し
うる。
【0045】本実施形態では、上記コンピュータ10を
用い設定された境界条件に基づいて前記車両モデル9の
走行シミュレーションを行う。そして、解析しようとす
る車両の大凡の走行特性、タイヤ性能に関する情報を取
得することができる(ステップS5、S6)。一般にタ
イヤモデル2を使用したシミュレーション手法は従来か
ら存在する(例えば特開平11−153520号公報な
ど)。このようなシミュレーション方法は、タイヤ単体
が主となるタイヤ性能は評価できるが、具体的な車両が
持つ特性、すなわち車体剛性、サスペンションの特性な
どとの適合性については未だ十分な評価ができない。そ
こで、本発明のように、有限要素法を用いて、車体とタ
イヤとをそれぞれモデル化して組み合わせて車両モデル
を作成し、かつコンピュータ上で走行シミュレーション
を行うことで、車両によりきめ細かく適合しうるタイヤ
の開発、評価を可能としている。同様に車体モデル側に
おいては、車体剛性やサスペンション部材などについ
て、タイヤの特性を生かした開発を行うのに役立つ。
【0046】本実施形態の走行シミュレーションでは、
設定された所定の境界条件に基づき車両モデル9を路面
モデル11上で走行させる。入力される境界条件として
は、タイヤモデル2についてのリムサイズ、内圧、速
度、舵角などが挙げられる。速度を与えるには、車体モ
デル6を動かすことや駆動輪を回転させることにより行
いうる。また。舵角は、タイヤモデル2をキングピン
(図示せず)回りに所定角度回転させることにより再現
できる。
【0047】また車両モデル6を仮想走行させる路面モ
デル11は、例えば図12(A)に示すように、4角形
の剛表面を有する剛体要素Eaからなる平坦な路面モデ
ルや、図12(B)〜(E)に示すように、凹凸部jを
含む路面モデルが定義できる。凹凸部jは、車両モデル
9の進行方向Xに対して直角にのびる凸部j1、凹部j
2又は段差j3(同図(B)、(C))を含む他、車両
モデル9の進行方向に沿ってのびるわだち状の凹部j4
(同図(D))、さらには図示していないがこれらを組
み合わせたものなど種々の態様で定義できる。また凹凸
部jは、例えば、路面形状に合わせて剛体要素Eaを連
ねて定義できる。
【0048】車両走行特性として、操縦安定性などを評
価する場合には、路面モデル11は平坦なものが望まし
く、幾何学的な無限または有限平面としてモデル化す
る。他方、乗り心地、わだち乗り越し、突起乗り越え特
性等を評価する場合には、路面モデル11を凹凸部jを
含んでモデル化するのが良い。
【0049】タイヤモデル2と路面モデル11とは互い
に接触の可能性が定義される。時間を追うシミュレーシ
ョンの中では、両者が互いに接触しているかどうかが常
に判定される。また、タイヤモデル2の表面と路面モデ
ル11との間には摩擦係数が定義される。前記接触が生
じている場合、この摩擦係数に基づき発生する摩擦力が
計算されかつこれをタイヤモデル2に作用させる。なお
この摩擦係数の設定により、例えば凍結路といった氷路
面を容易に設定することができる
【0050】また水が溜まった路面を車両で走行する場
合のウエット走行性能(ないしハイドロプレーニング性
能)、雪が積もった路面を車両で走行する場合の雪上走
行性能、泥濘地を車両で走行する場合の泥濘地走行性
能、又は砂地を車両で走行する場合の砂地走行性能を検
討する場合は、タイヤと接する水、雪、泥、砂などが流
動もしくは変形し、これが走行性能に影響を与えること
を考慮する必要がある。このような車両走行特性をシミ
ュレーションする場合、水、雪、泥又は砂を、これらに
働く力と、流動もしくは変形とを表現しうる要素でモデ
ル化し、これを前記剛体要素Eaの上に定義する。ウエ
ット走行性能を評価する場合には水要素を、雪上走行特
性を評価する場合には雪要素を、泥濘地走行特性を評価
する場合には泥要素を、砂地走行性能を評価する場合に
は砂要素をそれぞれ剛体要素Eaとの上に設定する。
【0051】水のように流動性が強い対象物質をモデル
化する場合、剛体要素Eaの上の空間上に3次元状に格
子を設定し、その各格子点で対象物質に働く圧力や速
度、密度を計算するオイラー要素を用いる。これにより
水要素が定義できる。また、例えば雪、泥のように変形
性が強い対象物質をモデル化する場合は、これらを有限
の要素に分割し、各々の要素に働く応力や変形、密度変
化を計算するラグランジュ要素が用いられる。即ちラグ
ランジュ要素を用いて雪要素、泥要素を定義できる。さ
らに、砂のように流動性、変形性のどちらが強いとも言
えない場合、オイラー要素とラグランジュ要素の両者を
混合した要素を用いて砂要素を定義するのが良い。この
場合は、まず図13(A)、(B)に示すように、砂が
変形したと仮定して先にラグランジュ要素での計算を行
い、その後、図13(C)の如く変形した要素をもとの
形状にもどす操作(リメッシュ)を行ってオイラー要素
の計算を行うことができる。
【0052】次に車両モデル9の走行シミュレーション
は、下記の運動方程式を時間積分する事により行われ
る。
【0053】
【数1】
【0054】本シミュレーションを構成する剛体やバ
ネ、タイヤの各要素に対して上記の式が作成され、微小
時間ステップを追って積分する事で時々刻々の車両モデ
ル9の状態がシミュレーションされていく。この時の時
間ステップは使用されている個々の有限要素を応力波が
伝わる時間で最小の時間より小さくなければならず、従
って要素の大きさに依存するが、概ね10-5〜10-6se
c 程度とするのが好ましい。また例えば路面モデルとタ
イヤモデル2との間の様に接触現象が起こる部分では、
接触を考慮する様に定義されている。すなわち、前記微
小時間ステップの中で、路面モデル11とタイヤモデル
2との接触が検知されると、接触がないものとして路面
モデル内に食い込んだタイヤモデル2に該部分を押し戻
す反力を与えることにより前記接触を表現しうる。他
方、路面モデル11に水要素などの剛体要素以外の要素
が存在する場合、タイヤモデルの表面がその境界面とし
て与えられ、その部分の要素が排除される(流体との連
成)。このような過程で行われるシミュレーションによ
り、各部の変形形状、速度、加速度、力(圧力)などが
逐次計算され、かつ出力される。このような具体的には
計算には、米国リバモア・ソフトウエア・テクノロジー
(LSTC)社製のアプリケーションソフト「LS−D
YNA」などを用いて行うことができる。
【0055】また本実施形態では、このシミュレーショ
ンステップにおいて、初期速度v(≠0)を有する車両
モデルを用いるものが例示される。車両・タイヤ走行シ
ミュレーションで走行状態を計算する場合、速度が0か
ら評価速度まで速度を上昇させていく方法が考えられ
る。しかしながら、この方法では、加速に要する時間
と、その間に車両モデルが移動する距離がいずれも大と
なり、モデルの規模が大きくなりかつ計算時間も非常に
大となる。また、例えば車両モデル9に大きな加速度を
与えて計算時間を小とすることも一応考えられるが、大
きな加速度を受けて、車両モデル9の要素が潰れてしま
い計算が不可能になることもある。
【0056】本実施形態では、このような不具合を克服
するために、車両モデル9全体に対して初期速度v(≠
0)を定義している。車体本体モデル6A、サスペンシ
ョンモデル6Bについては、速度並進成分、即ち車両が
進行する方向と平行な速度成分を与える。車両の前後方
向をX、幅方向をY、上下方向をZとすると、X方向に
初期速度を与えるする。一方、タイヤモデル2(リムモ
デルを含む)については、速度並進成分と回転成分との
合計の速度を定義しかつ与える。
【0057】この初期速度は、例えば評価速度と同一に
設定することが望ましい。評価速度が数段階存在する場
合、同じ操作を数段階について行うか、或いは速度を変
更して行うことができる。速度が0から設定された初速
までの加速度の影響は、例えば車両モデル9に荷物等が
積載されており、この荷物等が加速度で移動し車両モデ
ル9の重心位置が変化するといった場合に影響がある
が、このような想定は非常に希であり実質的な走行シミ
ュレーションに影響するものではない。このように車両
モデル9において、予め初速vを定義することにより、
加速中の計算をすることなく、タイヤ車両走行シミュレ
ーションが初期速度の走行状態となり、計算時間の大幅
な短縮化が可能となる。
【0058】図14には、このような車両走行シミュレ
ーションを行った車両モデル9の走行軌跡図を示し、図
15には、車両モデル9の重心位置Gが描く軌跡曲線L
1、L2を示している。軌跡曲線L1では旋回中に車両
モデルが旋回外側に張り出すいわゆるアンダーステアー
傾向が大きく、目標とするニュートラルステアーでない
ことが分かった。このようにシミュレーションの結果、
目標を達成できていないと判断される場合(ステップS
7でN)、ステップS11のようにタイヤの設計因子を
変更し、再度、シミュレーションを行う(ステップS
5)。タイヤの設計因子については、例えば前輪のタイ
ヤモデル2のトレッドゴム要素を高いグリップ力を有す
る要素に定義変更したり、トレッドパターンを改良した
り、タイヤの内部構造に改良を加えることなどが挙げら
れる。そして、再度走行シミュレーションを行うことに
より、車両モデル9の重心位置は例えば図11の軌跡曲
線L2のように改良され、目標とするニュートラルステ
アーがほぼ得られることを突き止めることができる。
【0059】車両走行特性の他の例としては、10Hz以
下の車体振動特性が挙げられる。10Hz以下の車体振動
特性とは、車両が走行している際に生じる振動数が10
Hz以下の比較的大きな揺れに関する性能である。このよ
うな大きな周期の揺れは、主としてサスペンションの特
性とタイヤ性能とに由来し、車体本体やシャシーに生じ
る小さな変形等の影響はきわめて少ないことが判明し
た。従って、このような特性をシミュレーションする場
合、前記車体本体モデル6Aを、外力が作用しても変形
しない剛体モデルで構成(定義)することが望ましい。
剛体モデルは、運動計算が可能な最小限の変数、例えば
その質量、重心座標、慣性モーメント等が定義される。
このように、車体本体モデル6Aを定義することによっ
て、走行シミュレーションにおいて車体本体モデルの変
形計算が無くなるため計算時間を大幅に短縮しうる。
【0060】車両走行特性のさらに他の例としては、1
0Hzよりも大かつ100Hz以下の車体振動特性が挙げら
れる。この振動特性は、車両が走行している際に生じる
振動数が10Hzよりも大かつ100Hz以下の微細な車両
の揺れに関する性能であり、主に車体が持つ振動モード
とタイヤ性能との組み合わせに大きく影響を受ける。こ
のような特性をシミュレーションする場合、車体モデル
9の振動モードを、評価しようとする車体の振動モード
と実質的に一致させることが望ましい。
【0061】このように、車体モデル6を評価車両の車
体の振動モードをもった振動モデルとして定義する。振
動モードは、系に固有の振動形態であり、一連の離散的
な振動数と各振動数ごとの特徴ある運動様式をもつ。評
価車両の車体の振動モードは、加振実験または有限要素
モデルのモード解析により得ることができる。簡易な例
では、図16に示すように1本の棒の1次の振動モード
がfHzであるとき、この振動は図17に示す1自由度の
質量mとバネsとの連結体からなる振動モデルとして定
義でき、振動数fを所定の関数で表すことができる。車
体モデル6についてもこの例の様に、車体がもつ振動モ
ードと等価な振動モデルに置き換えることによりシミュ
レーションでの取り扱いを簡易にできる。なお減衰につ
いては、実車について加振実験から得られた減衰特性が
定義される。この例では、車体モデルの振動特性が加わ
り、剛体モデルとした場合に比べ、計算時間は大となる
が車体の振動変形を考慮した計算ができ、上記振動数の
車体の揺れをより精度良くシミュレーションすることが
できる。
【0062】また車両走行特性の他の形態として、ステ
アリング特性を含むことができる。ステアリング特性
は、例えば図18に示すように、定常円旋回シミュレー
ションを行い、このシミュレーションから得られる車両
モデル9の旋回半径Rの大きさ、又は車両モデル9のロ
ール角度により評価することができる。定常円旋回シミ
ュレーションは、車両モデル9において、タイヤモデル
2の舵角を一定としかつ一定の速度で路面モデル11を
走行させることにより行う。
【0063】このシミュレーションから、車両モデル9
の重心点が描く軌跡(円)に関する情報を取得し、車両
モデル9の旋回半径Rを調べることができる。ステアリ
ング特性は、この旋回半径Rの大きさによって、アンダ
ーステア傾向、あるいはオーバーステア傾向なといった
ステアリング特性が評価される。また種々のタイヤモデ
ル2を準備し、同一の速度で定常円旋回シミュレーショ
ンでの旋回半径を調べることにより、タイヤ性能の比較
等を容易に行うことができる。このように、試作前の段
階でステアリング特性を予測することにより、タイヤモ
デル2、サスペンションモデル6Bの開発期間を大幅に
短縮するのに役立つ。さらにステアリング特性は、前記
旋回半径の他、旋回走行中の車両モデル9のロール角度
によっても評価することができる。なおロール角度は、
旋回外側への車両モデルの傾き角度をもって表す。
【0064】また車両走行特性の他の形態として、レー
ンチェンジ特性を含むことができる。レーンチェンジ
は、図18に示すように、走行中の車両モデル9に舵角
を与え走行車線をF1からF2へ横方向に移動させると
ともに、舵角を元に戻す動作をいう。そして、前記走行
シミュレーションステップでは、このレーンチェーンジ
を、車両モデル9、路面モデル11を用いてシミュレー
ションするレーンチェンジシミュレーションを行う。そ
して、このレーンチェンジシミュレーションから、車両
モデル9の挙動(例えばロール角度の変化、横加速度の
変化等)又は車両モデルの舵角を戻したときの収れん性
(車両モデルの重心点の軌跡のふらつき等)の情報を取
得し、その性能を評価することができる。
【0065】図20〜図24には、レーンチェンジシミ
ュレーションにおける車両モデルを視覚化して示す。図
20では、舵角0の初期走行時の車両モデルを示してい
る。また図21では、舵角を入力した直後の車両モデル
9を示す。車両モデルには小さなロールが生じているこ
とが判る。図22には、レーンチェンジ中の車両モデル
9を示し、車体モデルが比較的大きくロールしているこ
とが判る。図23には、舵角を0に戻したときの車両モ
デルの状態を示す。さらに図24にはレーンチェンジを
終えて車両モデル9が収束した状態を示す。
【0066】また図25(A)〜(D)には、このレー
ンチェンジシミュレーションから取得した種々の情報を
示し、(A)は車両モデル9の速度と時間との関係、
(B)は車両モデル9の舵角と時間との関係、(C)は
車両モデル9のヨー角と時間との関係、(D)はロール
角と時間との関係をそれぞれ示している。このような情
報をシミュレーションステップから取得することによ
り、解析対象となる車体、サスペンション及びタイヤを
組み合わせた車両の大凡のレーンチェンジ挙動を推察す
ることができる。
【0067】また車両走行特性の他の形態として、駆動
力特性を含むことができる。この場合、走行シミュレー
ションとして、例えば静止している車両モデル9のタイ
ヤモデルに一定のトルクを与えて路面モデル11上を走
行させる駆動力シミュレーションを行う。駆動力は、例
えば解析対象となる車両が前輪駆動の場合、2つの前輪
の車軸にトルクを与えることで再現できる。このトルク
の大きさは、定義したアクセルスロット開度に応じたエ
ンジン回転数とギアレシオから決定できる。また車両に
は、通常、ディファレンシャルギヤが装着されているた
め、直進時には、エンジントルクから算出されるトルク
の半分を左右の前輪にそれぞれ配分する。例えば、エン
ジントルクをT、ギアレシオをrとするとき、左右の前
輪それぞれには、T・r/2のトルクが与えられる。そ
して、駆動力シミュレーションから、図26に示すよう
に、種々の車両モデルについて、時間−速度の変化につ
いての情報を取得しこれを用いて各種評価をなしうる。
【0068】また車両走行特性の他の形態として、制動
力特性を含むことができる。この場合、走行シミュレー
ションとして、例えば走行している車両モデル9のタイ
ヤモデルに一定の制動力を与えて路面モデル11上を制
動させる制動力シミュレーションを行う。制動力は、車
輪4輪にトルクとして与えられる。このトルクの大きさ
は、想定したブレーキ力により設定される。そして、こ
の制動力シミュレーションから、図27に示すように、
時間−速度の変化についての情報を取得しこれを用いて
評価を行う。制動力を一定とした場合でも、車体、サス
ペンション、タイヤの仕様によって、減速度が種々異な
るため、このような制動力シミュレーションを行うこと
により、解析対象に適した車体、サスペンション、さら
にはタイヤを推測することができる。また前記駆動力シ
ミュレーション、制動力シミュレーションなどにおい
て、車両モデルの重心位置の変化なども調べることがで
き、制動、駆動時の挙動なども容易に評価することがで
きる。
【0069】このように種々の走行シミュレーションの
結果によって目標が達成された場合(ステップS7で
Y)、評価されたタイヤモデル2に従って実際のタイヤ
を試作し(ステップS8)、これを実車にて評価するこ
とが望ましい(ステップS9)。実車評価によっても、
シミュレーションと同様に目標を達成することができた
場合(ステップS10でY)、車両に適したタイヤの開
発を終了できる。このように、本実施形態の車両・タイ
ヤの走行シミュレーション方法にあっては、シミュレー
ションにより、目標に達するまでタイヤの設計因子を種
々変更し、車両に最適なタイヤを検討することができる
ため、従来の試作を繰り返していた開発手法に比して大
幅に効率化でき、開発期間の短縮に役立ちタイヤの低コ
スト化なども可能とする。本発明によるシミュレーショ
ン方法を用いた場合、新規の車両に適合したタイヤを開
発する期間を、従来の標準的な期間に対して約3ケ月短
縮することができた。
【0070】なお実車評価において、タイヤの性能がシ
ミュレーションの結果とは異なり目標に到達し得ていな
いことが判明した場合(ステップS10でN)、シミュ
レーションの補正を行う。この補正処理では、モデルと
実物とが精度良く対応できていない事が考えられるの
で、まず.実タイヤ単体の性能(例えばコーナリング性
能)と、シミュレーションで得られたタイヤモデル単体
の性能とを比較し、両者の相関付けを行う。この際、補
正する項目としては、実際のタイヤの仕上がりに応じた
設計因子の変更や摩擦係数の設定などであり、これをタ
イヤモデル側に反映させる。また実タイヤ単体の性能
と、シミュレーションで得られたタイヤモデル単体の性
能とが整合している場合には、車体モデル6側に不一致
があることになる。この場合は、車体モデル6の重量、
重心位置、サスペンションバネ定数などを適宜補正し、
実測との相関付けを行う。
【0071】このように、実車評価をシミュレーション
の結果にフィードバックさせることにより、次回以降の
シミュレーション結果の精度をより高めることができ、
ひいてはシミュレーションの信頼性を向上しうる。
【0072】
【発明の効果】上述したように、本発明の車両・タイヤ
性能のシミュレーション方法では、車両とタイヤとを組
み合わせたときの適合性をタイヤを実際に試作すること
なくある程度まで評価することができるため、開発効率
を大幅に向上し開発期間の短縮化に役立つ。またタイヤ
はプライを含めてモデル化しうるため、信頼性の高いシ
ミュレーション結果が得られ高度な解析も可能となる。
特にタイヤモデルはプライを含めてモデル化されている
ため、また車体モデルはサスペンションモデルを含むこ
とにより、より精度の高い解析結果を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すフローチャートであ
る。
【図2】評価対象のタイヤの一例を示す断面図である。
【図3】タイヤモデルを例示する斜視図である。
【図4】タイヤのプライのモデル化を説明する概念図で
ある。
【図5】車体モデルを例示する斜視図である。
【図6】サスペンション部材のモデル化を説明する概念
図である。
【図7】(A)〜(D)は、要素の接続部を例示する略
図である。
【図8】車両モデルを例示する斜視図である。
【図9】車両モデル作成ステップの一例を示すフローチ
ャートである。
【図10】(A)は1Gの重力条件での車両モデルを視
覚化した側面図、(B)は0Gの重力条件での車両モデ
ルを視覚化した側面図である。
【図11】本発明を実施するコンピュータの概略図であ
る。
【図12】(A)〜(E)は、路面モデルの一例を示す
斜視図である。
【図13】(A)〜(C)はオイラー要素、ラグランジ
ュ要素を説明する線図である。
【図14】車両モデルの走行軌跡図である。
【図15】その略図である。
【図16】1本の棒の振動の略図である。
【図17】質量、バネ系のモデル図である。
【図18】定常円旋回シミュレーションを説明する概念
図である。
【図19】レーンチェンジシミュレーションを説明する
概念図である。
【図20】レーンチェンジシミュレーション中の車両モ
デルを視覚化した線図である。
【図21】レーンチェンジシミュレーション中の車両モ
デルを視覚化した線図である。
【図22】レーンチェンジシミュレーション中の車両モ
デルを視覚化した線図である。
【図23】レーンチェンジシミュレーション中の車両モ
デルを視覚化した線図である。
【図24】レーンチェンジシミュレーション中の車両モ
デルを視覚化した線図である。
【図25】(A)〜(D)は、レーンチェンジシミュレ
ーションから取得した車両モデル速度、舵角、ヨー角、
ロール角を示すグラフである。
【図26】駆動力シミュレーションにおける時間、速度
の関係を示すグラフである。
【図27】制動力シミュレーションにおける時間、速度
の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
2 タイヤモデル 6 車体モデル 6A 車体本体モデル 6B サスペンションモデル 9 車両モデル
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年7月23日(2001.7.2
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正内容】
【0072】
【発明の効果】上述したように、本発明の車両・タイヤ
性能のシミュレーション方法では、車両とタイヤとを組
み合わせたときの適合性をタイヤを実際に試作すること
なくある程度まで評価することができるため、開発効率
を大幅に向上し開発期間の短縮化に役立つ。またタイヤ
はプライを含めてモデル化しうるため、信頼性の高いシ
ミュレーション結果が得られ高度な解析も可能となる。
特にタイヤモデルはプライを含めてモデル化されている
ため、また車体モデルはサスペンションモデルを含むこ
とにより、より精度の高い解析結果を得ることができ
る。また請求項1の発明では、レーンチェンジシミュレ
ーションから、例えば車両モデルの速度と時間との関
係、車両モデルの舵角と時間との関係、車両モデルのヨ
ー角と時間との関係、ロール角と時間との関係を取得す
ることにより、解析対象となる車体、サスペンション及
びタイヤを組み合わせた車両の大凡のレーンチェンジ挙
動を推察することができる。同様に請求項2記載の発明
のように、車両走行特性として10Hz以下の車体振動特
性を評価できる。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年10月12日(2001.10.
12)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】また車両モデル作成ステップは、0Gの重
力条件で車両モデルを作成するステップと、そのタイヤ
モデルに内圧条件を設定するステップと、前記タイヤモ
デルに内圧条件を設定した後に車両モデルを1Gの重力
条件に設定しタイヤモデルに車体モデルの荷重を負荷す
るステップとを含むことが望ましい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】次に車両モデル作成ステップを説明する。
車両モデル作成ステップS3は、前記車体モデル6の前
記サスペンションモデル6Bに前記タイヤモデル2を装
着して車両モデルを作成する。タイヤモデル2は、リム
を例えば剛体要素にてモデル化したリムモデル(図示省
略)を介して前記サスペンションモデル6Bに装着され
る。これにより、図8に示す如く、車両モデル9を作成
できる。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プライを含めてタイヤを有限個の要素にモ
    デル化したタイヤモデルを作成するタイヤモデル作成ス
    テップと、 サスペンション部材を含めて車体を有限個の要素にモデ
    ル化した車体モデルを作成する車体モデル作成ステップ
    と、 前記車体モデルの前記サスペンション部材がモデル化さ
    れたサスペンションモデルに前記タイヤモデルを装着し
    て車両モデルを作成する車両モデル作成ステップと、 設定された境界条件に基づいて前記車両モデルの走行シ
    ミュレーションを行ない車両走行特性又はタイヤ特性を
    取得するシミュレーションステップとを含むことを特徴
    とする車両・タイヤ性能のシミュレーション方法。
  2. 【請求項2】前記車両走行特性は、アンダーステアー又
    はオーバーステアの程度、ステアリング時の車両応答早
    さ、ロールの程度の少なくとも1つを含むことを特徴と
    する請求項1記載の車両・タイヤ性能シミュレーション
    方法。
  3. 【請求項3】前記サスペンション部材は、アーム、スプ
    リング、ショックアブソーバ、トーションビーム、スタ
    ビライザー、リンクロッド及びゴムブッシュを含んでな
    り、 前記アーム及び前記リンクロッドは剛体ビーム要素に、
    前記スプリング、前記ショックアブソーバ及び前記ゴム
    ブッシュは線形若しくは非線形のバネ要素に、前記トー
    ションビーム及び前記スタビライザーはねじれのビーム
    要素にそれぞれモデル化されることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の車両・タイヤ性能シミュレーション方
    法。
  4. 【請求項4】前記車両走行特性が、10Hz以下の車体振
    動特性であり、前記サスペンションモデルを除く車体モ
    デルが変形しない剛体モデルからなることを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれかに記載の車両・タイヤ性能シ
    ミュレーション方法。
  5. 【請求項5】前記車両走行特性は、10Hzよりも大かつ
    100Hz以下の車体振動特性を含むとともに、前記車体
    モデルの振動モードを、評価しようとする車体の振動モ
    ードと実質的に一致させることを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれかに記載の車両・タイヤ性能シミュレーシ
    ョン方法。
  6. 【請求項6】前記走行シミュレーションは、前記車両モ
    デルを、路面を要素でモデル化した路面モデル上で転動
    させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記
    載の車両・タイヤ性能シミュレーション方法。
  7. 【請求項7】前記路面モデルは、剛体要素と、その上に
    設定されかつ水を要素でモデル化した水要素とからな
    り、前記車両走行特性がウエット走行特性を含むことを
    特徴とする請求項6記載の車両・タイヤ性能シミュレー
    ション方法。
  8. 【請求項8】前記路面モデルは、剛体要素と、その上に
    設定されかつ雪を要素でモデル化した雪要素とからな
    り、前記車両走行特性が雪上走行特性を含むことを特徴
    とする請求項6記載の車両・タイヤ性能シミュレーショ
    ン方法。
  9. 【請求項9】前記路面モデルは、剛体要素と、その上に
    設定されかつ泥を要素でモデル化した泥要素とからな
    り、前記車両走行特性が泥濘地走行特性を含むことを特
    徴とする請求項6記載の車両・タイヤ性能シミュレーシ
    ョン方法。
  10. 【請求項10】前記路面モデルは、剛体要素と、その上
    に設定されかつ砂を要素でモデル化した砂要素とからな
    り、前記車両走行特性が砂地走行特性を含むことを特徴
    とする請求項6記載の車両・タイヤ性能シミュレーショ
    ン方法。
  11. 【請求項11】前記路面モデルは、凹凸部を含み、前記
    車両走行特性が乗り心地特性を含むことを特徴とする請
    求項6乃至10のいずれかに記載の車両・タイヤ性能シ
    ミュレーション方法。
  12. 【請求項12】前記車両モデル作成ステップは、0Gの
    重力条件においてタイヤモデルに内圧条件を設定するス
    テップと、前記タイヤモデルに内圧条件を設定した後に
    1Gの重力条件に設定しタイヤモデルに車体モデルの荷
    重を負荷するステップとを含むことを特徴とする請求項
    1乃至11のいずれかに記載の車両・タイヤ性能シミュ
    レーション方法。
  13. 【請求項13】前記シミュレーションステップは、初期
    速度v(≠0)を有する車両モデルを用いることを特徴
    とする請求項1乃至12のいずれかに記載の車両・タイ
    ヤ性能シミュレーション方法。
  14. 【請求項14】前記車体モデルには、前記初期速度vの
    並進成分の速度が定義されるとともに、前記タイヤモデ
    ルには、前記初期速度vの並進成分の速度と回転成分の
    速度とが定義されることを特徴とする請求項13に記載
    の車両・タイヤ性能シミュレーション方法。
  15. 【請求項15】前記走行シミュレーションは、タイヤモ
    デルの舵角を一定として定常円旋回させる定常円旋回シ
    ミュレーションを含むとともに、前記車両走行特性が、
    この定常円旋回シミュレーションから得られる車両モデ
    ルの旋回半径の大きさ又は車両モデルのロール角度によ
    り評価されるステアリング特性を含むことを特徴とする
    請求項1乃至14のいずれかに記載の車両・タイヤ性能
    シミュレーション方法。
  16. 【請求項16】前記走行シミュレーションは、レーンチ
    ェンジ状態をシミュレーションするレーンチェンジシミ
    ュレーションを含むとともに、前記車両走行特性が、こ
    のレーンチェンジシミュレーションから得られる車両モ
    デルの挙動又は車両モデルの舵角を戻したときの収れん
    性により評価されるレーンチェンジ特性を含むことを特
    徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の車両・タ
    イヤ性能シミュレーション方法。
  17. 【請求項17】前記走行シミュレーションは、タイヤモ
    デルに一定のトルクを与えて車両モデルの速度変化を観
    察する駆動シミュレーションを含むとともに、前記車両
    走行特性が駆動力特性を含むことを特徴とする請求項1
    ないし14のいずれかに記載の車両・タイヤ性能シミュ
    レーション方法。
  18. 【請求項18】前記走行シミュレーションは、タイヤモ
    デルに一定の制動力を与えて車両モデルの速度変化を観
    察する制動シミュレーションを含むとともに、前記車両
    走行特性が制動力特性を含むことを特徴とする請求項1
    ないし14のいずれかに記載の車両・タイヤ性能シミュ
    レーション方法。
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