JP2002067620A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP2002067620A
JP2002067620A JP2000258709A JP2000258709A JP2002067620A JP 2002067620 A JP2002067620 A JP 2002067620A JP 2000258709 A JP2000258709 A JP 2000258709A JP 2000258709 A JP2000258709 A JP 2000258709A JP 2002067620 A JP2002067620 A JP 2002067620A
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cavity
tire
pneumatic tire
rubber
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JP2000258709A
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Takayuki Fukunaga
高之 福永
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来は二律背反の関係にあったウェット性能
および操縦安定性を両立すること、とりわけトレッドの
摩耗が進行した場合にあってもウェット性能および操縦
安定性の両立を維持し得る、新規な空気入りタイヤにつ
いて提供する。 【解決手段】 1対のビード部間に跨がってトロイダル
状に延びるカーカスを骨格とし、該カーカスのクラウン
部の径方向外側にトレッドを配置した空気入りタイヤに
おいて、該トレッドに複数の溝で区画された複数の陸部
を有し、少なくとも1つの陸部の内部に空洞を配置し、
該空洞のタイヤ半径方向外側端を、この空洞が配置され
た陸部を区画する溝の底部より、タイヤ半径方向外側に
位置させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ウェット性能お
よび操縦安定性に優れた空気入りタイヤ、特に新品時か
らトレッドの摩耗末期まで安定したウェット性能を発揮
する空気入りタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】空気入りタイヤのウェット性能、特にト
レッドにおける排水性能を向上するには、トレッドの中
央部分の溝面積を増加することが有効であるが、溝面積
の増加は溝で区画される陸部の面積を減少することにな
るから、トレッド接地域における陸部面積が減少する結
果、タイヤの操縦安定性が阻害される。一方、操縦安定
性を向上するために陸部の面積を増加すると、当然、溝
面積が減少してウェット性能は低下することになり、ウ
ェット性能と操縦安定性とを両立することは極めて難し
い。
【0003】また、溝面積の減少を回避しつつ操縦安定
性を向上する手法として、陸部の側壁を傾斜させて陸部
の幅をタイヤ半径方向内方に向かって拡げることが有効
であるが、トレッドの摩耗が進行するに連れて、陸部の
幅が拡がり、逆に溝幅が急激に狭くなるために、排水性
能が低下することは回避できない。さらに、トレッド摩
耗の進行に連れて陸部幅が拡がると、必要以上に陸部剛
性が高くなり、乗り心地性の悪化やパターンノイズの増
大をまねくことになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明は、
従来は二律背反の関係にあったウェット性能および操縦
安定性を両立すること、とりわけトレッドの摩耗が進行
した場合にあってもウェット性能および操縦安定性の両
立を維持し得る、新規な空気入りタイヤについて提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明の要
旨構成は、次のとおりである。 (1) 1対のビード部間に跨がってトロイダル状に延びる
カーカスを骨格とし、該カーカスのクラウン部の径方向
外側にトレッドを配置した空気入りタイヤにおいて、該
トレッドに複数の溝で区画された複数の陸部を有し、少
なくとも1つの陸部の内部に空洞を配置し、該空洞のタ
イヤ半径方向外側端が、この空洞が配置された陸部を区
画する溝の底部より、タイヤ半径方向外側に位置するこ
とを特徴とする空気入りタイヤ。
【0006】(2) 上記(1) において、空洞が配置された
陸部は、トレッドの周方向に連続するリブであることを
特徴とする空気入りタイヤ。
【0007】(3) 上記(2) において、リブはトレッド幅
方向断面が山形であり、該リブの側壁が、タイヤ回転軸
のタイヤ幅方向中心点からリブ表面の側縁に引いた仮想
線に対して15〜80°で傾斜することを特徴とする空気入
りタイヤ。
【0008】(4) 上記(2) または(3) において、空洞は
トレッドの周方向に連続していることを特徴とする空気
入りタイヤ。
【0009】(5) 上記(1) ないし(4) のいずれかにおい
て、空洞はトレッド表面または溝に開口する連通孔を有
することを特徴とする空気入りタイヤ。
【0010】(6) 上記(1) ないし(5) のいずれかにおい
て、空洞はトレッド幅方向断面が円形状であり、トレッ
ド幅方向断面における径が1〜7mmであることを特徴と
する空気入りタイヤ。
【0011】(7) 上記(6) において、空洞のトレッド幅
方向断面における径が2〜5mmであることを特徴とする
空気入りタイヤ。
【0012】(8) 上記(1) ないし(7) のいずれかにおい
て、空洞は袋を介してトレッドゴム中に区画されている
ことを特徴とする空気入りタイヤ。
【0013】(9) 上記(1) ないし(9) のいずれかにおい
て、トレッドはベースゴムおよびキャップゴムをタイヤ
半径方向外側に順に積層した2層構造に成り、該2層の
境界に空洞を配置したことを特徴とする空気入りタイ
ヤ。
【0014】(10)上記(9) に記載の空気入りタイヤを製
造するに当り、生タイヤの成形工程において、トレッド
のベースゴムとなる未加硫ゴムシートを貼り合わせ、次
いで室温をこえかつ加硫時のゴム内部温度以下の温度域
にて気化する気体発生物質が封入された袋を、上記未加
硫ゴムシート上に載置してから、キャップゴムとなる未
加硫ゴムシートを貼り合わせたのち、加硫成型を施し
て、該加硫中に膨張する袋を介してベースゴムおよびキ
ャップゴムの境界に空洞を形成することを特徴とする空
気入りタイヤの製造方法。
【0015】(11)上記(10)において、気体発生物質は1
70℃の飽和蒸気圧が0.7MPa 以上であることを特徴
とする空気入りタイヤの製造方法。
【0016】
【発明の実施の形態】図1(a)に、この発明に従う乗
用車用空気入りラジアルタイヤのトレッドを図解する。
このタイヤは、1対のビード部間に跨がってトロイダル
状に延びるカーカスを骨格とし、該カーカスのクラウン
部の径方向外側にトレッド1を配置して成り、該トレッ
ド1の表面には、複数の溝、具体的にはトレッド周方向
に延びる相互に離間した4本の周溝2a,2bおよび3
a,3bと、これら周溝2aおよび3a間並びに同2b
および3b間をタイヤ赤道面Oに対して斜めの向きにつ
なぐ傾斜横溝4a,4bと、トレッド側端部にて傾斜横
溝4a,4bとほぼ同様の向きに延びるラグ溝5a,5
bと、によって、複数の陸部、具体的にはタイヤ赤道面
Oにトレッド周方向に延びる中央リブ6と、その両側に
設けられるブロック7a,7bと、これらブロック7
a,7bの両側に設けられる側部リブ8a,8bと、が
区画されている。
【0017】ここで、このトレッド1に区画された複数
の陸部のうち、少なくとも1つの陸部、図示例では中央
リブ6および側部リブ8a,8bの内部に、図1(b)
および(c)に示すように、空洞9を、該空洞9のタイ
ヤ半径方向外側端が、中央リブ6および側部リブ8a,
8bを区画する溝の底部よりタイヤ半径方向外側となる
位置に設けることが肝要である。
【0018】すなわち、中央リブ6の内部に設ける空洞
9は、周溝2a,2bの底部よりタイヤ半径方向外側と
なる位置に配置し、同様に側部リブ8a,8bの内部に
設ける空洞9は、周溝3a,3b並びにラグ溝5a,5
bの底部よりタイヤ半径方向外側となる位置に配置す
る。かように所定の陸部の内部に所定の深さで空洞9を
配置すると、トレッドの摩耗が進行して中央リブ6およ
び側部リブ8a,8bの表面が空洞9に達した際、図2
(b)および(c)に示すように、空洞9のタイヤ半径
方向外側端に開口が形成され、この開口が摩耗の進行に
連れて拡がる結果、図2(a)に示すように、中央リブ
6および側部リブ8a,8bの中央部分に新たな溝60
および80が形成される。従って、摩耗に伴う溝面積の
減少は、摩耗が空洞9の埋設位置に達した段階で停止ま
たは抑制される結果、摩耗に伴う排水性能の低下は回避
される。
【0019】とりわけ、この空洞9がトレッドの周方向
に連続している場合は、排水性能の向上に寄与するとこ
ろは極めて大きい。同様に、空洞9はトレッド幅方向断
面が円形状であり、トレッド幅方向断面における径が1
〜7mm、さらには2〜5mmであることが好ましい。なぜ
なら、径が1mm未満の場合、トレッド摩耗後に空洞9に
おいて形成される開口による、ウェット性能の極めて小
さくなってしまう、おそれがある。一方、径が7mmをこ
えると、空洞を配置したリブの剛性低下が大きくなっ
て、特にドライ路面での操縦安定性を阻害する、おそれ
がある。
【0020】また、空洞9は例えば合成樹脂製の袋を介
してトレッドゴム中に区画されていることが好ましい。
すなわち、空洞の形成を、後述する気体発生物質の気化
を利用して行う場合に、合成樹脂製の袋内で気体発生物
質を気化させると、この袋に規制されて均等な膨張の下
に空洞が形成される結果、均一径の空洞がゴム中に区画
される。
【0021】なお、空洞9の埋設位置は、対応する溝の
底部よりタイヤ半径方向外側にあればよいが、好ましく
は図1(b)に示す、陸部表面から空洞9のタイヤ半径
方向外側端までの距離hと、対応する溝の深さHとが、
h:0. 3〜0.8 Hの関係にあり、かつ空洞の直径がH−
hの関係を満足するように、空洞9を配置することが、
トレッドの陸部剛性を損なうことなしにトレッド摩耗後
のウェット性能を向上するのに有利である。
【0022】ここで、空洞9の埋設位置を対応する溝の
底部を基準としているが、この基準となる溝は陸部を区
画しているものに限り、具体的にはトレッドに設けた全
ての溝のうち、最大深さを有する溝の深さの50%未満
の深さの溝は対象外とする。例えば、図1に示したトレ
ッドパターンの変形例を図3に示すように、この図3の
例で追加された中央リブ6の表層に設けた浅溝6aなど
は、陸部を区画する溝として扱わない。なお、図3に示
した事例においても、図1に示した場合と同様、同図
(b)および(c)に示すように、空洞9を中央リブ6
および側部リブ8a,8bの内部の所定の位置に設ける
ことによって、上記と同様の効果が得られるのは勿論で
ある。
【0023】また、中央リブ6および側部リブ8a,8
bは、図1(b)および(c)に示すように、トレッド
幅方向断面が山形であり、その側壁の、タイヤ回転軸の
タイヤ幅方向中心点からリブ表面の側縁に引いた仮想線
Lに対する傾斜角αを、15〜80°に設定することが好ま
しい。すなわち、リブの側壁を傾斜させてリブの幅をタ
イヤ半径方向内方に向かって拡げることによって、新品
当初はリブの接地面積が比較的に小さくてもリブに剛性
を付与することができ、溝面積を大きく減少することな
しに操縦安定性を確保することができる。
【0024】特に、リブ側壁の傾斜角αを15〜80°に設
定することは、リブのタイヤ幅方向の剛性を高めるのに
有効であり、従来の傾斜角αを15°未満のリブに比較し
て、リブの接地面幅を狭くすることができる。かような
リブ形状によれば、リブ剛性を低下させることなくウェ
ット性能、特に排水性能を向上することができる。
【0025】一方、トレッドは、図1(b)および
(c)に示すように、ベースゴム1aおよびキャップゴ
ム1bをタイヤ半径方向外側に順に積層した2層構造に
成ることが好ましい。なぜなら、この2層構造におい
て、ベースゴム1aとキャップゴム1bとの厚さの比を
変化することによって、空洞のタイヤ半径方向外側端ま
での距離hをトレッドゴムの全体厚を変化することな
く、自由に設定することが可能になるからである。
【0026】同様に理由から、トレッドを上記2層構造
とした場合は、ベースゴム1aおよびキャップゴム1b
の境界に空洞9を配置することが望ましい。
【0027】なお、空洞9にはトレッド表面または溝に
開口する連通孔を有することが好ましい。ここに、連通
孔とは、空洞9からトレッド表面またはリブを区画する
溝に開口するものであり、この連通孔を介して空洞9が
タイヤ外部と繋がる結果、空洞内の気圧を外気圧に近づ
けるためのものである。この連通孔の存在により、例え
ば高温の路面を走行する際に、空洞9内の気圧が上昇し
て空洞が破裂する危険を回避することができる。
【0028】さらに、タイヤのゴム部分に空洞を設ける
ことは、空洞部分のゴムの削減に繋がるため、タイヤの
重量軽減並びに低発熱化が達成される結果、自動車の低
燃費化に寄与する耐久性に優れたタイヤの提供が可能に
なる。
【0029】次に、トレッドの陸部中に空洞を形成する
方法について、詳しく説明する。すなわち、成形ドラム
上でカーカス、ビードリング、各種補強材およびベルト
材を貼り合わせたのち、最後にトレッドゴムを貼り付け
るに先立ち、該トレッドゴム中に上記気体発生物質が封
入された袋を埋め込み、その後トレッドゴムを貼り付け
てグリーンタイヤを製造し、このグリーンタイヤを加硫
成形する。この加硫初期は、ゴムが室温から徐々に上昇
する段階であるから、袋内の蒸気圧は加硫圧より小さい
ため、袋の容積は小さくなっていて、加硫が進むと、ゴ
ムの温度が上昇する結果、気体発生物質の気化によって
袋内の蒸気圧が加硫圧より大きくなって袋が膨張し、こ
の袋を介して加硫ゴム中に空洞が形成される。その際、
袋内の気体が加硫圧力によって袋外に漏出しないよう
に、袋を確実に密閉しておく必要がある。
【0030】特に、トレッドをベースゴム1aおよびキ
ャップゴム1bの2層構造とした場合は、トレッドゴム
の貼り付けにおいて、まずベースゴムとなる未加硫ゴム
シートを貼り合わせ、次いで室温をこえかつ加硫時のゴ
ム内部温度以下の温度域にて気化する気体発生物質が封
入された袋を、上記未加硫ゴムシート上に載置してか
ら、キャップゴムとなる未加硫ゴムシートを貼り合わせ
たのち、加硫成型を施せばよい。この製造方法によれ
ば、ベースゴムまたはキャップゴムとなる未加硫ゴムシ
ートの厚みを適宜変更することによって、袋の位置つま
りトレッドゴム中の空洞を所望の位置に設定することが
容易でなる利点がある。
【0031】なお、気体発生物質には、170℃の飽和
蒸気圧が0.7MPa 以上であるものを用いることが好ま
しい。すなわち、気体発生物質からの気体で満たされた
袋は、ゴムの加硫時にゴムへ加わる圧力に抗してゴム中
で膨張状態を維持する必要があるために、封入する気体
発生物質には、加硫時のゴム内部温度における飽和蒸気
圧が加硫時にゴムへ加わる圧力以上であることが要求さ
れる。そして、この要求は、気体発生物質の170℃の
飽和蒸気圧が0.7MPa 以上であることによって満足さ
れる。
【0032】具体的には、気体発生物質として、水、ア
ルコール、含水無機塩、シランカップリング剤+シリカ
混合物および発泡剤などを用いることができる。中で
も、含水無機塩、シランカップリング剤+シリカ混合物
および発泡剤は、粉体であるから液体に比較して取り扱
いが容易であるため推奨される。すなわち、含水無機塩
としては、NiSO4 ・7H2O、CoSO4 ・7H2O、NaSO4 ・10H2
O 、CaSO4 ・2H2O、CuSO4 ・5H2O、Al2(SO4)3 ・18H2O
、FeSO4 ・7H2O、ZnSO4・7H2O、MgSO4 ・7H2O、Na2S・
9H2O、Na3PO4・12H2O 、Ni3(PO4)2 ・8H2O、Mg3(PO4)2
・8H2O、Li3PO4・5H2O、Na4P2O7 ・6H2O、Mn4(P2O7)3
14H2O 、CoCO3 ・6H2O、NiCO3 ・6H2O、Na2CO3・10H2O
、Nd2(CO3)3 ・8H2O、Na2SO3・7H2O、CaCl 2 ・6H2O、N
iCl2 ・6H2O、Na2B4O7 ・10H2O 、FeCl3 ・6H2O、Na2Si
O4 ・9H2O、等を挙げることができる。
【0033】また、発泡剤としては、ジニトロソペンタ
メチレンテトラアミン(DPT)、アゾジカルボンアミ
ド(ADCA)、ジニトロソペンタスチレンテトラミン
や、ベンゼンスフォニルヒドラジド誘導体、オキシビス
ベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)等があり、
中でもADCAが製造加工性の点で有利である。
【0034】ここで、ゴムの内部に空洞を設ける手法と
して、特開平5−96654 号および同5−155202号各公報
には、タイヤの更生をプレキュアトレッドを用いて行う
際に、予め裏面に溝を成形したプレキュアトレッドを台
タイヤに接着することによって、ベルトとトレッドとの
間に空洞を形成する手法が開示されている。この技術
は、タイヤの更生方法、それも加硫成形済のプレキュア
トレッドを用いた更生方法に特有の工程において、始め
て実現するものであり、通常のグリーンタイヤを加硫し
て製品タイヤとする工程においての適用は勿論不可能で
ある。
【0035】この点、この発明に従う製造方法は、上述
のように、通常のグリーンタイヤを加硫して製品タイヤ
とする工程において、トレッドゴム中での空洞の形成を
可能にするものであり、また得られる空洞は、上記公報
における背面溝(空洞)と異なる機能を有するものとな
る。
【0036】
【実施例】図1および図3に示したトレッド構造に従
う、サイズ:225 /45ZR17の乗用車用ラジアルタイヤを
試作するに当り、まず成形ドラム上でカーカス、ビード
リング、各種補強材およびベルト材を貼り合わせたの
ち、最後にトレッドゴムを貼り付けるに先立ち、該トレ
ッドゴム中に、気体発生物質としてピロリン酸ナトリウ
ム10水和物が封入されたポリエチレンチューブの両開口
部をトレッドゴムと同じ未加硫ゴムで塞いだ、袋(長さ
15cm,直径5mm)を、トレッドのリブに対応するトレッ
ドの幅方向に3列でかつトレッドの周方向に延びる配置
にてそれぞれ埋め込み、当該トレッドゴムを貼り付けて
グリーンタイヤを製造し、このグリーンタイヤを加硫成
形した。なお、袋は、トレッドゴムの押し出し成形時
に、周方向溝を形成する側とは逆の面に凹部を形成し、
この凹部内に配置した。
【0037】次いで、加硫後のタイヤのトレッドに、各
リブに対応して幅方向に並ぶ3列の空洞が周方向に連続
して配置されていることを、X線を用いた断面写真にて
確認した。なお、各タイヤのトレッド構造に関する仕様
は、表1に示すとおりである。
【0038】また、比較として、図1に示したトレッド
パターンを有し、リブ内部に空洞を持たないタイヤにつ
いて、リブ側壁の傾斜角を8°として、同様のサイズに
て試作した。
【0039】かくして得られた各タイヤについて、標準
リムに組み付けて220kPaの空気圧に調整し実車に装着し
てから、2名乗車相当の荷重下に、テストコースにて種
々の走行試験を行った。すなわち、直線走行時のウェッ
ト性能は、水深10mmのウェット路を通過時にハイドロプ
レーニングが発生するまでの限界をフィーリングで判断
し、その限界速度にて評価した。その結果は、比較タイ
ヤの新品時での限界速度を100 としたときの指数にて表
示し、この指数が大きいほど良好であることを示してい
る。
【0040】同様に、曲率半径が80mで水深6mmのウェ
ット路を通過時にハイドロプレーニングが発生するまで
の限界時の横力を計測して評価した。その結果は、比較
タイヤの新品時での横力を100 としたときの指数にて表
示し、この指数が大きいほど良好であることを示してい
る。
【0041】また、操縦安定性は、ドライ状態のサーキ
ットコースを各種走行モードにて高速走行した際の、ド
ライバーによるフィーリング評価によるものである。そ
の結果は、比較タイヤの新品時での評価を100 としたと
きの指数にて表示し、この指数が大きいほど良好である
ことを示している。
【0042】さらに、パターンノイズは、ドライ状態の
直線平滑路を100km から惰行させたときの車内音をフィ
ーリング評価したものである。その結果は、比較タイヤ
の新品時での評価を100 としたときの指数にて表示し、
この指数が大きいほど良好であることを示している。こ
れらの評価結果を、表2に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】この発明によれば、特にトレッドの摩耗
が進行した場合にあってもウェット性能および操縦安定
性を高い次元で両立することができるから、新品時は勿
論、摩耗の進んだ段階においても性能の低下を回避で
き、タイヤ寿命の末期まで安定した性能を保証すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に従うタイヤのトレッド構造を示す
図である。
【図2】 図1に示したタイヤの摩耗が進行した段階の
状態を示す図である。
【図3】 この発明に従う別のタイヤのトレッド構造を
示す図である。
【符号の説明】
1 トレッド 2a,2b,3a,3b 周溝 4a,4b 傾斜横溝 5a,5b ラグ溝 6 中央リブ 7a,7b ブロック 8a,8b リブ 9 空洞
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60C 11/13 B60C 11/06 A

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1対のビード部間に跨がってトロイダル
    状に延びるカーカスを骨格とし、該カーカスのクラウン
    部の径方向外側にトレッドを配置した空気入りタイヤに
    おいて、該トレッドに複数の溝で区画された複数の陸部
    を有し、少なくとも1つの陸部の内部に空洞を配置し、
    該空洞のタイヤ半径方向外側端が、この空洞が配置され
    た陸部を区画する溝の底部より、タイヤ半径方向外側に
    位置することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、空洞が配置された陸
    部は、トレッドの周方向に連続するリブであることを特
    徴とする空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 請求項2において、リブはトレッド幅方
    向断面が山形であり、該リブの側壁が、タイヤ回転軸の
    タイヤ幅方向中心点からリブ表面の側縁に引いた仮想線
    に対して15〜80°で傾斜することを特徴とする空気入り
    タイヤ。
  4. 【請求項4】 請求項2または3において、空洞はトレ
    ッドの周方向に連続していることを特徴とする空気入り
    タイヤ。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    空洞はトレッド表面または溝に開口する連通孔を有する
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    空洞はトレッド幅方向断面が円形状であり、トレッド幅
    方向断面における径が1〜7mmであることを特徴とする
    空気入りタイヤ。
  7. 【請求項7】 請求項6において、空洞のトレッド幅方
    向断面における径が2〜5mmであることを特徴とする空
    気入りタイヤ。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかにおいて、
    空洞は袋を介してトレッドゴム中に区画されていること
    を特徴とする空気入りタイヤ。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし9のいずれかにおいて、
    トレッドはベースゴムおよびキャップゴムをタイヤ半径
    方向外側に順に積層した2層構造に成り、該2層の境界
    に空洞を配置したことを特徴とする空気入りタイヤ。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の空気入りタイヤを製
    造するに当り、生タイヤの成形工程において、トレッド
    のベースゴムとなる未加硫ゴムシートを貼り合わせ、次
    いで室温をこえかつ加硫時のゴム内部温度以下の温度域
    にて気化する気体発生物質が封入された袋を、上記未加
    硫ゴムシート上に載置してから、キャップゴムとなる未
    加硫ゴムシートを貼り合わせたのち、加硫成型を施し
    て、該加硫中に膨張する袋を介してベースゴムおよびキ
    ャップゴムの境界に空洞を形成することを特徴とする空
    気入りタイヤの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10において、気体発生物質は
    170℃の飽和蒸気圧が0.7MPa 以上であることを特
    徴とする空気入りタイヤの製造方法。
JP2000258709A 2000-08-29 2000-08-29 空気入りタイヤ Pending JP2002067620A (ja)

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