JP2002067341A - インクジェットプリンタヘッド及びその検査方法 - Google Patents
インクジェットプリンタヘッド及びその検査方法Info
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Abstract
板5とフロントヘッドユニット6の裏面との封止固定部
のシール性を検査できるようにする。 【解決手段】 底板5の支持部8に、フロントヘッドユ
ニット6との間の隙間空間9cに連通する検査用通気路
55を備えた検査用突起55aを設けておく。支持部8
内にて、インク供給用の開口部50を囲む嵌合溝46に
軟質ゴム製のリング状のパッキン47を嵌合し、その外
周にシール剤48を充填し、フロントヘッドユニット6
の裏面の供給孔の周囲にパッキン47を押し当てて封止
する一方、フロントヘッドユニット6の前面に沿わせて
接着したカバープレート44の外周と本体フレーム1と
の間をシール剤45にて封止するとともに、フレキシブ
ルフラットケーブル40の中途部、カバープレート44
及び本体フレーム1の間をシール剤45にて封止する。
Description
ジェットプリンタヘッドの構成に係り、より詳しくは、
ノズル及びアクチュエータを備えたフロントヘッドユニ
ットと、インク供給通路を備えた本体フレームとの間の
インクの漏れのないようにした構造及びその検査方法に
関するものである。
インクジェットプリンタヘッドにおいては、例えば、特
公平4−36861号公報に記載されているように、積
層型のフロントヘッドユニットは、共通のインク室より
複数の共通のインク供給路を介して、複数の圧力室へ供
給されたインクを該圧力室に設けられた圧電アクチュエ
ータを上位装置からの情報信号によって任意選択して駆
動することにより、インク導通路を介して複数のノズル
からインクを噴射させて記録を行うフロントヘッドユニ
ットにおいて、前記複数のインク供給路及び圧力室は、
多数枚の板を積層されて溶接されて構成されていると共
に、共通インク室とインク供給路とを接続する接続路
を、フロントヘッドユニットの裏面等の最外壁に取付け
られる部材(蓋部材等)で構成したものが開示されてい
る。
閉性を検査する方法としては、ノズル前面をゴム状の物
質等を圧着して、当該ノズルの口部を密閉する。次い
で、各インク供給路の開口部(インク供給路がフロント
ヘッドユニットの裏面に開口する開口部)毎に、例えば
蒸留水を圧入し、他のインク供給路の開口部から、特に
隣接する開口部から蒸留水の漏れがないか否かを調べ
る。または、ノズルの前面を塞いだ状態てフロントヘッ
ドユニットを水中に没し、前記インク供給路に圧縮空気
を入れて、他のインク供給路の開口部から漏れる気泡の
有無を調べる検査方法も開示されている。
トは、その裏面側の圧電アクチュエータに対するフレキ
シブルフラットケーブルを接続した状態にてインクカー
トリッジ等のインク供給源を搭載した本体フレームに固
着しなければならず、その場合、特開平8−27658
6号公報に開示されているように、合成樹脂製の本体フ
レームの凹部内の底部には、インクカートリッジからの
インクが前記フロントヘッドユニットの裏面に開口した
複数のインク供給口に流入させる接続口が形成されてお
り、該接続口の先端は、前記複数のインク供給口を囲
み、且つそれより外側の底部の面より若干突出した縁部
が形成されている。
フレームの下面の凹所内に接着剤にて固定する。その場
合、前記縁部より外側の底部の面に接着剤を塗布してか
ら前記凹部内にフロントヘッドユニットを挿入して固定
した構成であったから、フロントヘッドユニットの裏面
に設けた圧電アクチュエータや、フレキシブルフラット
ケーブルとの接続の箇所が、前記インク供給口と接続口
との間からのインク漏れや、本体フレームにおける凹所
とフロントヘッドユニットとの接着箇所からのインクや
埃等の侵入にて電気的短絡が発生することを無くする構
造が必要であると共に、そのインク漏れや侵入等の検査
を容易に実行できるようにする必要があった。
公平4−36861号公報に記載の構成は、ヘッドユニ
ット単体での各インク供給路間の漏れを検査するもので
あって、上記のように、圧電アクチュエータやその圧電
アクチュエータとフレキシブルフラットケーブルとの接
続箇所へのインク漏れを検査するものではない。仮にヘ
ッドユニットを本体フレームに組み込んだ状態で、上記
検査方法を適用しようとしても、本体フレームの接続口
とヘッドユニットのインク供給口との間の漏れを検査す
ることができるが、ヘッドユニット外周と本体フレーム
との間の漏れは検査することができない。
は、ここからインクが直接漏れることはないが、インク
の噴射動作にともない空気中に浮遊するインクミストが
侵入したり、ワイパブレードによりヘッドを払拭した際
にインクを押し込んだり、あるいは記録用紙の紙粉や、
埃などが侵入し、電気的短絡事故をおこすことがある。
クジェットプリンタヘッド及びその検査方法を提供する
ことを技術的課題とするものである。
るため、請求項1に記載の発明のインクジェットプリン
タヘッドは、前面に列状の複数個のノズル、この各ノズ
ル毎の圧力室及び、前記各圧力室ごとにインクに噴射エ
ネルギーを付与するアクチュエータとからなるフロント
ヘッドユニットを、インク供給源から前記フロントヘッ
ドユニットにインクを供給するインク供給通路を備えた
本体フレームに固着してなるインクジェットプリンタヘ
ッドにおいて、前記本体フレームの底板には、前記フロ
ントヘッドユニットの裏面を支持する支持部を設け、該
支持部内の一部には、前記インク供給通路の開口部と前
記フロントヘッドユニットの裏面に設けたインクの供給
孔との接合部を設け、前記フロントヘッドユニットの外
周と前記支持部の間をシール剤にて封止する一方、前記
支持部には、前記フロントヘッドユニットの裏面側の隙
間空間に連通する検査用通気路を設けたものである。
1に記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前
記支持部には本体フレームの裏面側に突出する検査用突
起部を設け、該検査用突起部の内径部には前記隙間空間
に連通する前記検査用通気路を形成したものである。
または請求項2に記載のインクジェットプリンタヘッド
において、前記接合部は、前記開口部の外周の嵌合溝に
嵌合したパッキンと、該パッキンの外周側の嵌合溝に充
填したシール剤とにより、前記開口部と供給孔との隙間
を封止したものである。
1乃至請求項3のいずれかに記載のインクジェットプリ
ンタヘッドにおいて、前記フロントヘッドユニットの裏
面にはアクチュエータに電気的に接続するためのフレキ
シブルフラットケーブルを固定し、前記フロントヘッド
ユニットの前面にはカバープレートを配置し、前記フレ
キシブルフラットケーブルの中途部とフロントヘッドユ
ニットの外周とカバープレートの内面との間をシール剤
にて封止したものである。
リンタヘッドの検査方法は、請求項1乃至請求項4に記
載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記検査
用通気路から圧縮空気を入れて、その空気圧の低下によ
りエア漏れを検知することを特徴とするものである。
について説明する。図1、図2及び図3は、本発明の実
施の形態による圧電式インクジェットプリンタヘッドの
斜視図を示し、図4は本体フレーム1の下面図、図6は
インク流通路のシール部の封止作業を示す図、図10は
フロントヘッドユニットとそのフレキシブルフラットケ
ーブルとカバープレートとを本体の前面に封止固定した
状態の拡大断面図である。
行する公知のキャリッジ(図示しない)に搭載される本
体フレーム1は、ポリプロエチレン、ポリプロピレン等
の合成樹脂材の射出形成品から上面開放の略箱状に形成
されており、その上方からインク供給源としての4つの
インクカートリッジ2を着脱自在に装着できる搭載部3
を有し、該搭載部3の一側部位3aには、前記各インク
カートリッジ2のインク放出部(図示せず)に接続でき
るインク供給通路4a,4b,4c,4dが本体フレー
ム1の底板5の下面まで連通している。
突出するようにして水平状に形成され、該底板5の下面
側には、後に詳述するフロントヘッドユニット6を2つ
並列させて配置するための2つの支持部8、8を段付き
状に形成する。該各支持部8の一側部位には、図2、図
4及び図5に示すように、前記各インク供給通路4a,
4b,4c,4dに連通する開口部50,50,50,
50が設けられ、その各開口部50毎の外周を囲繞する
ように環状の嵌合溝46が凹み形成されている。但し、
隣接する開口部の配置間隔の短い箇所では、図5に示す
ように隣接する嵌合溝46、46との間が連通して平面
視8字状に形成しても良い。
製等のシール性の良好なリング状のパッキン47を嵌合
する(図5参照)。その場合、パッキン47の内周面4
7aが前記各嵌合溝46の内周壁46aに密接するよう
に(いわゆるしまり嵌めとなるように)、パッキン47
の内径寸法D1が予め設定されている。
速硬化性の接着剤としてのUV接着剤7にてフロントヘ
ッドユニット6を固定するための複数の空所9a,9b
が上下に貫通するように形成されている。前記段付き状
の各支持部8、8にフロントヘッドユニット6を固定し
たときには、その裏面のフレキシブルフラットケーブル
40との間に適当な隙間空間9cが形成される。そし
て、底板5の裏面(上面)には上向きの検査用突起53
が一体的に突出形成されており、該検査用突起53の内
径部には、前記2つの支持部8、8の前記隙間空間9c
に連通する検査用通気路55が形成されている(図3、
図8、図9及び図10参照)。
に、複数の空所9a,9bは、一つのフロントヘッドユ
ニット6に対してその四隅近傍を固定する箇所に形成さ
れているものであり、実施形態では、前記2つの支持部
8、8のうち一辺(実施形態では長辺)が隣接する箇所
においては、並設する2つのフロントヘッドユニット
6、6の裏面に跨がるように、空所9a,9aを広幅に
形成する。
には、前記インク放出部と密接できるようにしたゴム製
等のパッキング53(図3参照)が配置されている。
すように、複数枚の金属板製の積層型のキャビティープ
レート10と、該キャビティプレート10に対して接着
剤または接着シート41(図17参照)を介して接着・
積層されるプレート型の圧電アクチュエータ20と、そ
の上面に外部機器との電気的接続のために、フレキシブ
ルフラットケーブル40重ね接合されて構成されてお
り、最下層のキャビティープレート10の下面(前面)
側に開口されたノズル54から下向きにインクが吐出す
るものとする。
(下面)に沿って、弾性のある薄金属板製のカバープレ
ート44が固着されている。カバープレート44は、中
央部分においてノズル54に対応する孔44aを有し、
両端において底板5の下面側から本体フレーム1の側面
に沿って折曲部分44b,44cが形成され、一方の折
曲部分44bで、フレキシブルフラットケーブル40の
中途部の下面側を覆うようにしている。
ム1に対してシリコーン接着剤等のシール剤45で封止
固定されている。すなわち、カバープレート44の左右
両側縁と底板5の左右両側に立ち上がったリブ5aとの
間、およびカバープレート44の他方の折曲部分44c
の先端と本体フレーム1の側面との間に沿って、ほぼU
字状にシール剤45が充填され(図10、図11)、ま
た一方の折曲部分44bの内面とフレキシブルフラット
ケーブル40との間およびそのケーブル40と本体フレ
ーム1の側面との間にそれぞれシール剤45が充填され
ている(図10)。カバープレート44の孔44aの内
周とフロントヘッドユニット6とを接着剤によって封止
される。これにより、2個のフロントヘッドユニット6
の間は、カバープレート44によって塞がれ、かつ本体
フレーム1とフロントヘッドユニット6の外周との間
は、カバープレート44およびシール剤45を介して封
止されて、本体フレーム1とフロントヘッドユニット6
との隙間9cにインクや、紙粉、埃等が侵入することを
防止でき、圧電アクチュエータ20とフレキシブルフラ
ットケーブル40との電気的接続箇所の電気的短絡事故
が防止できるのである。また、一方の折曲部分44bに
より、フレキシブルフラットケーブル40の引き出し方
向を案内できるとともに、そのケーブル40の保護もで
きる。
ニット6の裏面側であって、最上層のベースプレート1
4の一端部に穿設された供給孔19aの上面には、その
上方のインクカートリッジ3から供給されるインク中の
塵除去のためのフィルタ29が予め接着剤にて固定され
ている(図6(a)参照)。
体フレーム1の底板5の支持部8に接着・固定する方法
について説明すると、まず、図示しない治具にカバープ
レート44をその前面を下向きにして置き、前記2つの
フロントヘッドユニット6、6を、そのノズル54をカ
バープレート44の孔44aに対応させ、かつノズル5
4の開放面(キャビティプレート10の下面(前面))
を下向きにして、当該両ノズル54の列が平行状で所定
間隔に配置されるように、ヘッドユニット6をカバープ
レート44上に接着剤を介在して載せる。これにより、
2つのフロントヘッドユニット6、6の下面(前面)が
ほぼ正確に同一平面上に配置できる。このとき、接着剤
は、フロントヘッドユニット6をすぐにカバープレート
44に固定するものである必要はなく、以下の工程中に
徐々に硬化するものであってもよい。図6(a)に示す
ように、本体フレーム1を支持部8が上向きとなるよう
に配置し、前記各嵌合溝46にゴム製等のパッキン47
を押し込み、当該パッキン47の高さの略半分乃至三分
の一が底板5の下面より下に突出するようにしておき、
次いで、シリコーン樹脂等の接着剤(シール剤)48を
各嵌合溝46内に充填する。その後、ヘッドユニット
6、6の上方から本体フレーム1を被せる。そのとき、
各支持部8の段付きの凹部内に前記各フロントヘッドユ
ニット6が嵌まるようにセットすると、底板5のリブ5
aの下縁は治具に当接した状態に保持される(位置決め
部分は図示せず)。またそのとき、前記各パッキン47
の先端が、前述のフロントヘッドユニット6の裏面のう
ち、前記フィルタ29のうちの濾過部29a(インク供
給孔19aに相当)よりも外周箇所に当接するようにセ
ットする。なお、本体フレーム1をヘッドユニット6、
6に被せつけるとき、シール剤48は自身の粘性により
嵌合溝46内に保持され、落ちてくることはない。ま
た、ヘッドユニット6、6を図示しない治具に保持した
まま、本体フレーム1上に被せ付けるようにして組み付
けることもできる。次いで、フロントヘッドユニット6
と本体フレーム1との一方または双方を相互に押さえ込
むと、各パッキン47の内周面47aが前記各嵌合溝4
6の内周壁46aに密接した状態で、且つパッキン47
の先端がインク供給孔19aより外周を囲むようにフィ
ルタ29の外周部に密接しながら、当該各パッキン47
は嵌合溝46内に沈み込む。そうすると、嵌合溝46内
のシール剤48が当該嵌合溝46のうちパッキン47よ
り外側へ溢れ出るが、前記パッキン47の先端は前以っ
てフィルタ29の表面に密接しているので、シール剤4
8は、パッキン47の内径部には浸入し得ず、パッキン
47の外周部位においてフロントヘッドユニット6の裏
面に接着して確実にシールすることができる。従って、
パッキン47とその外周のシール剤48との二重のシー
ル部が構成される結果、各フロントヘッドユニット6に
おける供給孔19aより外周の裏面とパッキン47との
当接部(接合部)からインクが確実に外に漏れ出さない
ようにすると共に、インクが前記開口部50から供給孔
19aに流通する間において、シール剤48との接触が
パッキン47の箇所で確実に遮断され、インクの成分と
シール剤48の成分との化学反応等にてインク中にノズ
ル54に詰まる粒子が発生したり、逆にシール剤48が
侵されてシール性が劣化するという問題も無くなるので
ある。
外周毎に設けても良い。また、隣接する複数の供給孔1
9aを同じ色のインクとして使用する場合には、これら
の隣接する供給孔19a、19a(開口部50、50)
をまとめて囲むような例えば平面視楕円状の嵌合溝を形
成し、この嵌合溝に嵌まる楕円状のパッキン(図示せ
ず)にて前記複数の供給孔19a、19a(開口部5
0、50)をまとめてシールするようにしても良い。さ
らに、嵌合溝46の内周壁46aを、先端側から嵌合溝
の底に向かって抜き勾配を形成しても良い。
各空所9a,9bに速硬化性の接着剤としての変性アク
リル樹脂系接着剤の粘性のあるUV接着剤7を落とし込
み充填し、次いで、本体フレーム1上から前記各空所9
a,9bに向かって紫外線を照射する。すると、UV接
着剤7は短時間(数十秒以内)で固化するのである。
さ寸法H1aを、前記キャビティプレート10の前面か
らフレキシブルフラットケーブル40の裏面までの厚さ
とし、カバープレート44の厚さ寸法をH1bとすると
きには、前記段付き状の各支持部8の深さ寸法H2は、
H1a+H1bより若干深く設定すると(図7参照)、
各支持部8とフレキシブルフラットケーブル40や圧電
アクチュエータ20、さらにはキャビティプレート10
の上面(裏面)との間に若干の隙間9cができ、この隙
間9cの一部に前記UV接着剤7が浸入した状態で秒単
位で固化するから、本体フレーム1でフロントヘッドユ
ニット6のいずれの箇所も押さえ付ける余分な外力が作
用しない状態の元で両者を固定するすることができる。
なお、カバープレート44は、2つのフロントヘッドユ
ニット6、6を不動に保持するほどの剛性はない。した
がって、キャビティプレート10の前面が治具の面と平
行状を保ち、換言すると、ノズル54の軸線(インクの
噴射方向に対応する)を治具の表面に対して直交する方
向に正確に設定でき、かつ2つのヘッドユニットのノズ
ル列の相互の関係も正確に維持できる。
視矩形状のフロントヘッドユニット6の四隅近傍に配置
することにより、UV接着剤7の固化時に、当該接着剤
の収縮歪みに伴うフロントヘッドユニット6の位置ずれ
を極力少なくすることができる。
化することで、後にインクジェットヘッドをプリンタに
搭載した状態での不使用時に、ノズル部分の乾燥を防止
すべくゴム製等のキャップでキャビティプレート10の
前面を密接すべく押圧したときに当該キャビティプレー
ト10の平面が歪むような変形が起こり難くなるという
利点を有する。
に、並列させたフロントヘッドユニット6、6の隣接す
る辺に跨がって空所9aが広幅で形成されていると、1
箇所の空所9aにUV接着剤7を充填し、紫外線照射
で、2つのユニット6、6を一度に固化でき、作業速度
の短縮及び製造効率の大幅向上に寄与できる。
V接着剤7と成分が類似する湿気硬化型接着剤等も使用
できる。
バープレート44の左右両側縁とリブ5aとの間、及び
カバープレート44の折曲部分44cの先端と本体フレ
ーム1の側面との間にシール剤45を塗布する。なお、
フレキシブルフラットケーブル40と本体フレーム1と
の間、フレキシブルフラットケーブル40とカバープレ
ート44との間、およびカバープレート44における折
曲部分44cのコーナ部と本体フレーム1との間には、
フロントヘッドユニット6に本体フレーム1を被せ付け
る前に、シール剤45をあらかじめ塗布しておく。これ
により、前記隙間9cの外周を完全に封止することがで
き、外部からインクや、紙粉、埃等が侵入することを防
止できるのである。
供給孔19aと開口部50との接合部であるパッキン4
7の箇所のシール剤48による封止箇所、前記シール剤
45によるカバープレート44と本体フレーム1及びフ
レキシブルフラットケーブル40の中途部の封止固定箇
所の封止不良のための検査方法としては、前記検査用突
起55aの先端にゴムチューブ(図示せず)を繋ぎ、図
示ないエア源から圧縮空気の所定量を、検査用通気路5
5を介して、前記支持部8、8の下面の隙間空間9cに
入れてから、その初期の圧縮空気の空気圧と所定時間経
過後の前記充填した圧縮空気の空気圧と各々測定して、
減少していれば、前記の封止固定箇所のいずれかからエ
ア漏れがあるとし、その箇所からインク漏れあるいは埃
等の侵入のおそれがあるので不良品と判定するのであ
る。
ニット6の裏面とそれを支持固定する本体フレーム1と
の隙間にエアを注入するので、使用時にインクが通過す
る本体フレーム1からフロントヘッドユニット6への接
合部のインク漏れ、及び本体フレーム1の外面でのシー
ル剤45による封止箇所から電気的接続箇所へのインク
や埃等の侵入を同時に検査できる。
部品の詳細について説明する。前記キャビティープレー
ト10は、図12〜図15、図17に示すように構成さ
れている。すなわち、ノズルプレート43、下層プレー
ト11、二枚のマニホールドプレート12、スペーサプ
レート13及びベースプレート14の五枚の薄い金属板
をそれぞれ接着剤にて重ね接合して積層した構造であ
り、実施形態では、ノズルプレート43を除く各プレー
トは、42%ニッケル合金鋼板製で、50μm〜150
μm程度の厚さを有する。前記ノズルプレート43に
は、微小径(実施形態では25μm程度)の多数個のイ
ンク噴出用のノズル54が、当該ノズルプレート43に
おける第1の方向(長辺方向)に沿って2列の千鳥配列
状に設けられている。これに対応して、連通孔15が、
下層プレート11の前記第1の方向に延びる2つの平行
状の基準線11a、11bに沿って、微小ピッチPの間
隔で千鳥状配列に穿設されている。前記二枚のマニホー
ルドプレート12には、インク通路12a、12bが、
前記連通孔15の列の両側に沿って延びるように穿設さ
れている。但し、下層プレート11に対面する下側のマ
ニホールドプレート12におけるインク通路12bは、
当該マニホールドプレート12の上側にのみ開放するよ
うに凹み形成されている(図15参照)。このインク通
路12a、12bは、上側のマニホールドプレート12
に対する前記スペーサプレート13の積層により密閉さ
れる構造になっている。
長辺(前記第1の方向)に沿う中心線に対して直交する
第2の方向(短辺方向)に延びる細幅の圧力室16の多
数個が穿設されている。そして、前記中心線を挟んで左
右両側にて平行状の長手基準線14a、14bを設定す
ると、前記中心線より左側の圧力室16の先端16aは
前記左側の長手基準線14a上に位置し、逆に前記長手
中心線より右側の圧力室16の先端16aは前記右側の
長手基準線14b上に位置し、且つこの左右の圧力室1
6の先端16aが交互に配置されているので、左右両側
の圧力室16は一つおきに互いに逆方向に延びるように
交互に配置されていることになる。
ズルプレート43における前記千鳥状配列のノズル54
に、前記スペーサプレート13及び両マニホールドプレ
ート12に同じく千鳥状配列にて穿設されている微小径
の貫通路17、17、17及び連通孔15を介して連通
している。一方、前記各圧力室16の他端16bは、前
記スペーサプレート13における左右両側部位に穿設さ
れた貫通孔18を介して、前記両マニホールドプレート
12におけるインク通路12a、12bに連通してい
る。
に示すように、ベースプレート14の下面側にのみ開口
するように凹み形成されているものである。また、最上
層のベースプレート14の一端部に穿設された供給孔1
9aの上面には、その上方のインクカートリッジ3から
供給されるインク中の塵除去のためのフィルタ29が張
設されている。
スペーサプレート13の一端部に穿設の供給孔19a,
19bから前記インク通路12a、12b内に流入した
インクは、このインク通路12aから前記各貫通孔18
を通って前記各圧力室16内に分配されたのち、この各
圧力室16内から前記貫通路17、17、17及び連通
孔15を通って、当該圧力室16に対応するノズル54
に至るという構成になっている(図17参照)。
12、図13及び図16に示すように、9枚の圧電シー
ト21a,21b,21c,21d,21e,21f,
21g,22,23を積層した構造で、前記各圧電シー
トのうち最下段の圧電シート22とそれから上方へ数え
て奇数番目の圧電シート21b,21d,21fの上面
(広幅面)には、前記キャビティープレート10におけ
る各圧力室16の箇所ごとに細幅の個別電極24が、第
1の方向(長辺方向)に沿って列状に形成され、各個別
電極24は前記第1の方向と直交する第2の方向に沿っ
て各圧電シートの長辺の端縁部近傍まで延びている。下
から偶数段目の圧電シート21a,21c,21e,2
1gの上面(広幅面)には、複数個の圧力室16に対し
て共通のコモン電極25が形成されている。
の幅寸法は対応する圧力室16における平面視での広幅
部より少し狭く設定されている。
14の短辺の中央部側で、前記第1の方向(長辺)に沿
って2列状に配列されているので、前記コモン電極25
は、その2列の圧力室16、16を一体的に覆うよう
に、偶数段目の圧電シート21a,21c,21e,2
1gの短辺方向の中央において長辺に沿って延びる平面
視略矩形状に形成されると共に、該偶数段目の圧電シー
ト21a,21c,21e,21gの対の短辺の端縁部
近傍では当該端縁部のほぼ全長にわたって延びる引出部
25a,25aが一体的に形成されている。
a,21c,21e,21gの対の長辺の端縁部近傍の
表面であって、前記コモン電極25が形成されていない
箇所には、前記各個別電極24と同じ上下位置(対応す
る位置)に、当該個別電極24と略同じ幅寸法で長さの
短いダミー個別電極26を形成する。
上方へ数えて奇数番目の圧電シート21b,21d,2
1fの上面(広幅面)のうち、前記引出部25a,25
aに対応する位置(同じ上下位置、圧電シートの対の短
辺の端縁部近傍)には、ダミーコモン電極27を形成す
るのである。
は、その長辺の端縁部に沿って、前記各個別電極24の
各々に対する表面電極30と、前記コモン電極25に対
する表面電極31とが、設けられている。
いて、他の全ての圧電シート21a,21b,21c,
21d,21e,21f,21gとトップシート23と
には、前記各表面電極30と、それに対応する位置(同
じ上下位置)の個別電極24並びにダミー個別電極26
とが互いに連通するように、スルーホール32を穿設す
る。同様に、前記少なくとも1つの表面電極31(実施
形態では、トップシート23の4隅の位置の表面電極3
1)と、それに対応する位置(同じ上下位置)のコモン
電極25乃至はその引出部25aが互いに連通するよう
に、スルーホール33を穿設し、スルーホール32、3
3内に充填された導電性材料を介して、各層の個別電極
24同士及びそれと対応する位置の表面電極30とが電
気的に接続されているように構成し、同じく、各層のコ
モン電極25同士及びそれと対応する位置の表面電極3
1とが電気的に接続されているように構成するものであ
る。
は、以下に述べるような方法で製造される。即ち、前記
一つの圧電アクチュエータ20における圧電シート21
b,21d,21fの複数個をマトリックス状に並べて
一体化してなる第1素材シート(セラミックグリーンシ
ート)の表面のうち各圧電シートの箇所に、複数個の個
別電極24と、捨てパターンの電極としてのダミーコモ
ン電極27を設ける位置に対応して予めスルーホール3
2を穿設する。同様に、圧電シート21a,21c,2
1e,21gの複数個をマトリックス状に並べて一体化
してなる第2素材シート(セラミックグリーンシート)
の表面のうち各圧電シートの箇所に、複数個のコモン電
極25と、捨てパターンの電極としてのダミー個別電極
26を設ける位置に対応して予めスルーホール33を穿
設する。さらに、前記と同様に、トップシート23の複
数個をマトリックス状に並べて一体化してなる第3素材
シート(セラミックグリーンシート)の表面のうちトッ
プシート23の箇所に、複数個の表面電極30、31を
設ける位置に対してスルーホール32、33を穿設す
る。
1f、22の表面に個別電極24及びダミーコモン電極
27を、圧電シート21a,21c,21e,21gの
表面にコモン電極25及びダミー個別電極26を、トッ
プシート23の表面に表面電極30、31の箇所を、そ
れぞれ、導電ペーストのスクリーン印刷にて形成する
と、前記各スルーホール32、33は、第1、第2素材
シートの上下広幅面に貫通しているので、各スルーホー
ル32、33内にも前記導電ペーストが浸入し、該各ス
ルーホール32、33を介して各電極部分でシートの上
下面で導電通可能となる。次いで、各グリーンシートを
乾燥した後、積層し、次いで積層方向にプレスすること
で一体化して、一枚の積層体にする。その後焼成する。
電シート21とトップシートとは上下同じ位置の前記個
別電極24及びダミー個別電極26が表面電極30の箇
所と電気的に接続されるし、同じく上下複数枚のコモン
電極25及びダミーコモン電極27が表面電極31の箇
所と電気的に接続されることになる。
の外周側面にて個別電極24同士やコモン電極25同士
を電気的に接続するように、側面電極(図示せず)を形
成しても良い。
電アクチュエータ20は、前記キャビティープレート1
0に対して、当該圧電アクチュエータ20における各個
別電極24が前記キャビティープレート10における各
圧力室16の各々に対応するように積層固定される(図
17参照)。また、この圧電アクチュエータ20におけ
る上側の表面には、前記フレキシブルフラットケーブル
40が重ね半田付けされることにより、このフレキシブ
ルフラットケーブル40における各種の配線パターン
(図示せず)が、前記各表面電極30、31に電気的に
接合される。
タ20における各個別電極24のうち任意の個別電極2
4と、コモン電極25との間に電圧を印加することによ
り、圧電シート21のうち前記電圧を印加した個別電極
24の部分に圧電による積層方向の歪みが発生し、この
歪みにて前記各個別電極24に対応する圧力室16の内
容積が縮小されることにより、この圧力室16内のイン
クが、ノズル54から液滴状に噴出して(図17参
照)、所定の印字が行われる。
の個数は2〜4と任意に構成することができ、フロント
ヘッドユニットにおけるキャビティプレートは金属材料
の他、セラミックス材であっても良い。さらに、本発明
のインクジェットプリンタの駆動手段は、上記のプレー
ト状の圧電アクチュエータ20の他の形式であっても良
いし、静電気により、圧力室の背面を覆う振動板を振動
させてインクをノズル54から吐出させる構成であって
も良い。また、本体フレーム1にインクカートリッジを
搭載することなく、キャリッジ以外のインクタンクから
チューブを介してインク供給路4a〜4dにインクを供
給するものであっても良い。さらにシール剤48,45
は接着作用を有するものであっても良い。
に記載の発明のインクジェットプリンタヘッドは、前面
に列状の複数個のノズル、この各ノズル毎の圧力室及
び、前記各圧力室ごとにインクに噴射エネルギーを付与
するアクチュエータとからなるフロントヘッドユニット
を、インク供給源から前記フロントヘッドユニットにイ
ンクを供給するインク供給通路を備えた本体フレームに
固着してなるインクジェットプリンタヘッドにおいて、
前記本体フレームの底板には、前記フロントヘッドユニ
ットの裏面を支持する支持部を設け、該支持部内の一部
には、前記インク供給通路の開口部と前記フロントヘッ
ドユニットの裏面に設けたインクの供給孔との接合部を
設け、前記フロントヘッドユニットの外周と前記支持部
との間をシール剤にて封止する一方、前記支持部には、
前記フロントヘッドユニットの裏面側の隙間空間に連通
する検査用通気路を設けたものである。これにより、検
査時には、検査用通気路を介して圧縮空気を圧入するこ
とができ、また、これにより、インク供給通路の開口部
とフロントヘッドユニットの裏面に設けたインクの供給
孔との接合部のエア漏れ、及びフロントヘッドユニット
の外周と前記支持部の間の封止箇所でのエア漏れを同時
に検出でき、その結果からインク漏れやインク、埃等の
侵入を検査できるという効果を奏する。
1に記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前
記支持部には本体フレームの裏面側に突出する検査用突
起部を設け、該検査用突起部の内径部には前記隙間空間
に連通する前記検査用通気路を形成したものであるか
ら、この検査用突起部に圧縮空気を圧入するための管を
繋ぐことができ、請求項1に記載の発明による効果に加
えて、検査を容易に実行することができるという効果を
奏する。
または請求項2に記載のインクジェットプリンタヘッド
において、前記接合部は、前記開口部の外周の嵌合溝に
嵌合したパッキンと、該パッキンの外周側の嵌合溝に充
填したシール剤とにより、前記開口部と供給孔との隙間
を封止したものであるから、パッキンの先端が、フロン
トヘッドユニットの裏面のインクの供給孔の周囲を囲む
ように密接して、前記開口部とインクの供給孔との隙間
を塞いだ状態で、該パッキンの外周側にシール剤が充填
されるから、このシール剤がパッキンを越えてその内周
側に浸入することがなく、請求項1または請求項2に記
載の発明による効果に加えて、接合部のシール性を向上
させることができるという効果を奏する。
1乃至請求項3のいずれかに記載のインクジェットプリ
ンタヘッドにおいて、前記フロントヘッドユニットの裏
面にはアクチュエータに電気的に接続するためのフレキ
シブルフラットケーブルを固定し、前記フロントヘッド
ユニットの前面にはカバープレートを配置し、前記フレ
キシブルフラットケーブルの中途部とカバープレートの
内面との間をシール剤にて封止したものであるから、請
求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明よる効果に
加えて、フレキシブルフラットケーブルの保護と本体フ
レームに対する封止とを同時に達成することができると
いう効果を奏する。
リンタヘッドの検査方法は、請求項1乃至請求項4に記
載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記検査
用通気路から圧縮空気を入れて、その空気圧の低下によ
りエア漏れを検知することを特徴とするものである。し
たがって、使用時にインクが通過する本体フレームから
フロントヘッドユニットへの接合部のインク漏れ、及び
本体フレームの外面でのシール剤による封止箇所から電
気的接続箇所へのインクや埃等の侵入を同時に検査でき
る。また、圧縮空気のエア漏れだけの検査であるから、
従来の本体フレームを水中に付ける等の検査方法と異な
り、後の電気的短絡に繋がるおそれがないという優れた
効果を奏する。
ンタヘッドのノズル側を上にした斜視図である。
視図である。
リンタヘッドの部品の分解斜視図である。
る。
の拡大断面図である。
ンを嵌合し接着剤を充填するシールの工程の図、(b)
はパッキンにフロントヘッドユニットを押しつけてシー
ルする状態の工程の図である。
面図である。
断面図である。
フロントヘッドユニットとの接着部を示す拡大断面図で
ある。
封止固定部を示す拡大断面図である。
ル部を示す拡大断面図である。
ある。
との一端部を示す拡大斜視図である。
ある。
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 前面に列状の複数個のノズル、この各ノ
ズル毎の圧力室及び、前記各圧力室ごとにインクに噴射
エネルギーを付与するアクチュエータとからなるフロン
トヘッドユニットを、インク供給源から前記フロントヘ
ッドユニットにインクを供給するインク供給通路を備え
た本体フレームに固着してなるインクジェットプリンタ
ヘッドにおいて、 前記本体フレームの底板には、前記フロントヘッドユニ
ットの裏面を支持する支持部を設け、 該支持部内の一部には、前記インク供給通路の開口部と
前記フロントヘッドユニットの裏面に設けたインクの供
給孔との接合部を設け、 前記フロントヘッドユニットの外周と前記支持部との間
をシール剤にて封止する一方、 前記支持部には、前記フロントヘッドユニットの裏面側
の隙間空間に連通する検査用通気路を設けたことを特徴
とするインクジェットプリンタヘッド。 - 【請求項2】 前記支持部には本体フレームの裏面側に
突出する検査用突起部を設け、該検査用突起部の内径部
には前記隙間空間に連通する前記検査用通気路を形成し
たことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプ
リンタヘッド。 - 【請求項3】 前記接合部は、前記開口部の外周の嵌合
溝に嵌合したパッキンと、該パッキンの外周側の嵌合溝
に充填したシール剤とにより、前記開口部と供給孔との
隙間を封止したことを特徴とする請求項1または請求項
2に記載のインクジェットプリンタヘッド。 - 【請求項4】 前記フロントヘッドユニットの裏面には
アクチュエータに電気的に接続するためのフレキシブル
フラットケーブルを固定し、前記フロントヘッドユニッ
トの前面にはカバープレートを配置し、前記フレキシブ
ルフラットケーブルの中途部とカバープレートの内面と
の間をシール剤にて封止したことを特徴とする請求項1
乃至請求項3のいずれかに記載のインクジェットプリン
タヘッド。 - 【請求項5】 請求項1乃至請求項4に記載のインクジ
ェットプリンタヘッドにおいて、 前記検査用通気路から圧縮空気を入れて、その空気圧の
低下によりエア漏れを検知することを特徴とするインク
ジェットプリンタヘッドの検査方法。
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