JP2002065760A

JP2002065760A - 介護用ベッド装置

Info

Publication number: JP2002065760A
Application number: JP2000262957A
Authority: JP
Inventors: Yoshiaki Tsunoda; 義明角田
Original assignee: TSUNODA JIERAWAN
Current assignee: TSUNODA JIERAWAN
Priority date: 2000-08-31
Filing date: 2000-08-31
Publication date: 2002-03-05

Abstract

(57)【要約】【目的】寝たきりの患者であっても自動的かつ安全に
寝返りができるようにする。【構成】ベッド本体１０を左右２部分１１、１２に分
割し、分割された左右２部分１１、１２が水平に並んで
１面の床部分を形成した状態から分割にて折り曲げられ
て１８０度以下の角度を取り、傾斜し得るように、分割
線と略平行な軸回りに回転可能に形成するとともに、左
右２部分１１、１２を回転駆動するための駆動手段２
１、２２を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ベッド本体に横た
わっている状態において患者の姿勢を変えるための介護
用ベッド装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】介護用ベッド装置には様々な工夫が凝ら
されており、例えば高低調節の可能なものであるとか、
床部の上半分が立ち上がって椅子状になるもの、或いは
全体が傾斜可能なものなどが開発され、実際に使用され
ている。また、寝たきりの患者の用便のために便器の設
置が可能なものや用便装置を備えたものなどにも普及し
ている。

【０００３】しかしながら、身体の不自由な患者の利益
となるほどの工夫、改良を加えた介護用ベッドというも
のは普及するに至っていないようである。例えば、寝返
りができない患者にしばしば見られる床ずれの問題は非
常に深刻であるにも拘らず、寝返りを可能にする或る提
案はベッド上にクレーンを設置して患者の姿勢を変えよ
うとする程度である。故に介護者の負担は殆ど軽減され
ず、患者にとっても快適とは言い難い。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の点に着
目してなされたものであって、その課題は、例えば寝た
きりの患者であっても自動的かつ安全に横向きの姿勢と
し、寝返りや床ずれの防止ができるようにすることであ
る。また本発明の他の課題は、ベッドを離れなくても、
立ち上がったのと同様に体重を足に感じさせ、筋肉に負
荷を加えることができるようにすることである。また本
発明の他の課題は、患者が常に清潔なシーツに接し得る
ようにして快適に療養生活が送れるようすることであ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明は、ベッド本体の床部分を左右２部分に分割
し、分割された左右２部分が水平に並んで１面の床部分
を形成した状態から分割部にて折り曲げられて１８０度
以下の角度を取り、傾斜し得るように、分割線と略平行
な軸回りに回転可能に形成するとともに、左右２部分を
回転駆動するための駆動手段を設けるという手段を講じ
たものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明に係る介護用ベッド装置
は、ベッド本体に横たわっている状態において患者の姿
勢を変えるための装置である。患者の姿勢の変換には、
まず患者が仰向けに寝た姿勢から横向きに変換すること
が必要である。

【０００７】このため本発明では、ベッド本体の床部分
を左右２部分に分割し、分割された左右２部分が水平に
並んでいるときには１面の床部分を形成する状態となる
ようにする。また分割された左右２部分が分割端にて離
れることなく折り曲げられて任意の角度を取り得るよう
にする。この角度は１８０度以下で任意の角度というこ
とである。

【０００８】左右２部分が分割端で折り曲げられて、次
第に折り曲げ角度を深めると、略Ｖ字状に変化して行く
ことになる。実際にはＶ字形まで変化させる必要性は少
ないと考えられるが、浅いＶ字状を為す左右２部分の中
で患者を支え、左右に揺動させるような動作を加えるこ
とによって、患者の支え位置を左部分、右部分、左部分
…と変化させることができるものである。

【０００９】このために、ベッド本体の分割された左右
２部分を、分割線と平行な略軸回りに回転可能に形成す
るとともに、左右２部分を回転駆動するための駆動手段
を設ける。左右２部分の回転軸は、分割線と略平行な位
置関係を取るが、固定軸とは限らず、上下或は左右等に
動き得る可動軸であっても良い。

【００１０】また床部分の分割された左右２部分は、夫
々の左右両側部に各一対のローラーと各ローラーに掛け
回したシーツとからなるシーツ移動機構を有するものと
することができる。このシーツはローラーの駆動によ
り、分割された左右２部分の傾斜に合わせて移動可能と
し、患者の寝返りを助けるものである。しかも使用中常
時床部分を微動可能とし、常に清潔な面に患者が横たわ
れるようにすることもできる。シーツの移動速度は緩、
速の制御を制御装置によって行なうが、微動の場合には
例えば一日で数十センチメートル程度とすると、毎日シ
ーツを交換するのと同様となる。またローラー間を周回
させて、患者に接しない範囲に或る間に消毒や乾燥、柔
軟性付与等の処理を行うことも可能であるし、使い捨て
方式を取っても良い。

【００１１】さらに、ベッド本体の床部分は、左右２部
部分一体として、床部分全部がその一端を中心に回転
し、他端が上になるように起立可能とする起立機構を具
備することが望ましい。この場合、患者の姿勢は立つ姿
勢に近付けられ、実際に立つ状態とすることもできる
が、立った姿勢に近づいたときに、患者の体重を支える
ために足を載せる踏板を床部分の一端部の側に有するも
のとする。

【００１２】ベッド本体の床部分の内、患者の胴部から
下肢主部を支える中間部以外の上下の部分は別構造とす
ることができる。この場合、上下の部分の表面層は移動
可能でなくても良い。なお、上の部分には移動枕を設け
ることができる。

【００１３】

【実施例】以下図示の実施例を参照して本発明を詳細に
説明する。図１に示す実施例の介護用ベッド装置は、ベ
ッド本体１０は、患者の頭部と側部以外の中間部を支え
るための床部分が左右２部分１１、１２に分割されると
同時に、頭部と足部を支える上下２部分１３、１４も別
構造として備わっている。

【００１４】左右２部分１１、１２は、各台枠１５、１
６の内方端部に設置されている可動軸１７、１８を中心
に外方端部が上方へ回転する構成であり、左右２部分１
１、１２を回転させる駆動手段２１、２２としてピスト
ンシリンダー装置をベッド本体１０に有し、各ピストン
を台枠１５、１６のアームに作用させている。また可動
軸１７、１８は図示しないガイド部分によって上方へ移
動可能に設けられている。図２参照。

【００１５】分割された左右各部分１１、１２は各々の
台枠１５、１６上に設置した各一対のローラー２３、２
４と、これらに掛回されたシーツ２５を有する自動シー
ツ移動機構を有している。図３参照。同機構はシーツ清
浄部２６を有し、同部２６を通過するシーツ２５を紫外
線照射或いは消毒剤噴射によって消毒し、熱照射によっ
て膨らませて十分に空気を取り入れるように構成されて
いる。

【００１６】上部分１３には枕１９を左右へ移動可能に
設けている。枕は横長とし、寝返りの際に患者の頭部が
充分に移動できるようにされる。枕１９の移動機構とし
て、例示のものはレールとそこを動く転輪とを使用して
いる。

【００１７】シーツ類の材質は任意に決められるが、実
施例では３層構造の紙シーツ２５を使用した。シーツ２
５はローラー２３の駆動によって微速で移動する。速度
は例えば１日当たり数十センチメートルが一つの基準と
なるが、患者２０の状況等によってそれより早くも遅く
も調整可能である。

【００１８】ベッド本体１０は、床部分が左右２部分１
１、１２を一体として、台板２７の一端の軸部分２８を
中心に回転可能とされている。図４以下参照。このため
ベッド本体１０には台板２７に作用して床部分を一体に
起立させる起立機構３０が設けられている。例示の起立
機構３０はピストンシリンダー装置であり、台板２７の
軸部分２８の側を下に傾斜させる構成である。このため
患者２０が体重を支えるための踏板３１も同じ側の台板
端部に設けられている。

【００１９】さらに図６には、安全のための手すり兼用
の運動補助装置が頭部側の端部２９まで移動可能に設け
られている例を示す。同装置は、台板両側にスライド可
能に取り付けられた左右移動枠３２、３２と、それらに
架設されたロッド３３とを有し、患者が足を踏板３１に
当てた姿勢で腰付近に位置し、身体を支えることになる
下位置、起立時に患者２０の転落を防止する中位置、鉄
棒のようにつかまることができる上位置などの各位置で
止められる。３４はそのためのストッパーピンであり、
台枠側の掛け止め部に掛け止められる。なお、ロッド３
３の位置も移動枠３２上で付け変えられるようになって
いる。図６の例の踏板３１は軸３５を中心に回転可能で
あり、爪先を上げる運動を可能にしている。

【００２０】また、シーツの微動機構はコンベア機構に
類似した構成を有しているので、患者の移動にも利用す
ることができ、そのためにシーツの移動速度の運転モー
ドを選択可能としてあるものとする。患者移動の運転モ
ードを選択することにより、例えば寝返りのために、左
右２部分１１、１２の傾斜と連動したシーツ移動を行な
ったり、或いは反対側にいる患者を介護者の前まで移動
させたり、端にいる患者をベッド中央へ移動させたりす
ることが可能となる。図中、３６は床部分の昇降機構で
あり、台枠ごと床部分を上げ下げするために設けられて
いる。また図示しないが各部の動作は図外の制御装置に
よって操作される。

【００２１】故に本発明の装置によれば、左半分又は右
半分の各部分１１、１２を駆動手段２１、２２によって
任意の角度に回転させることによって、患者の主要な身
体部分の向きを変えるとともに、シーツ移動機構によっ
てシーツ２５を移動させ、患者に寝返りを促すので、身
体の動きが自由にならない患者であっても平らな床上に
横たわっている姿勢から無理なく横向き姿勢に変えるこ
とができる。またその向きも左向きから右向き、或いは
さらに左向きへと、自由に変えられる。またこの際に患
者の頭部は枕１９とともに移動する。また各部分１１、
１２の傾斜を変えることによって患者の身体の当たる位
置が始終変化するので床ずれの防止を図ることができ
る。

【００２２】さらに起立機構３０の作動により、患者は
自動的に立った姿勢を取ることができるので、脚部が刺
激され筋肉に負荷をかけることができ、うっ血の防止や
歩行機能の回復に寄与する。踏板３１が回転可能な図６
の例では、爪先を上げる操作により、アキレス腱等の筋
の伸縮運動が可能となる。上記起立機構３０の作動時や
機能回復訓練時には移動枠３２に取り付けたロッド３３
が身体を支えるので、多方面の筋肉を安全に強化するこ
とができる。これらの各部の作動については、介護者が
図外の制御装置によって制御することができるが、ま
た、所定の作動パターンを繰り返し行うような設定も取
ることができる。

【００２３】

【発明の効果】本発明は以上の如く構成されかつ作用す
るものであるから、例えば寝たきりの患者であっても自
動的に横向きの姿勢をとることが可能となり、寝返りも
行えるため床ずれの防止を図ることができる。また起立
機構を併設することにより患者が自発的に起き上がるこ
とができなくても、立ち上がった姿勢を与えて体重を足
に感じさせ、筋肉に負荷を加えることができ、さらにシ
ーツの微動装置を併設することにより、患者は常に清潔
なシーツに接し得るので快適に療養生活を送ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る介護用ベッド装置の実施例１を示
す平面説明図。

【図２】同じく足側の端面図。

【図３】自動シーツ供給機構の原理図。

【図４】図１の装置の側面図。

【図５】同じく起立時の側面図。

【図６】運動補助装置を有する変形例の側面説明図。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ベッド本体に横たわっている状態におい
て患者の姿勢を変えるための装置であって、ベッド本体
の床部分を左右２部分に分割し、分割された左右２部分
が水平に並んで１面の床部分を形成した状態から分割部
にて折り曲げられて１８０度以下の角度を取り、傾斜し
得るように、分割線と略平行な軸回りに回転可能に形成
するとともに、左右２部分を回転駆動するための駆動手
段を設けたことを特徴とする介護用ベッド装置。
【請求項２】床部分の分割された左右２部分は、夫々
の左右両側部に各一対のローラーと、各ローラーに掛け
回したシーツとからなるシーツ移動機構を有しており、
ローラーの駆動により、分割された左右２部分の傾斜に
合わせてシーツを移動可能とするとともに、使用中にシ
ーツを微動させ、常時清潔な面に患者が横たわれるよう
にした請求項１記載の介護用ベッド装置。
【請求項３】ベッド本体の床部分は左右２部分を一体
として、床部分がその一端を中心に回転し、他端を上に
起立可能とする起立機構を具備しており、起立時に患者
の体重を支えるために足を載せる踏板を床部分の一端部
の側に有している請求項１記載の介護用ベッド装置。