JP2002065163A - フライ用油脂組成物及びこれを用いてなるフライ食品 - Google Patents

フライ用油脂組成物及びこれを用いてなるフライ食品

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frying
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Keiji Sakaguchi
坂口啓二
Masaki Fujimura
藤村昌樹
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 揚げた直後だけでなく、長時間保管保存した
り、電子レンジで再加熱しても揚げ調理直後の食感が維
持されるだけでなく、特殊な衣液等を使用しなくても具
材と衣の結着不良やパンクの発生しないフライ用油脂組
成物及びフライ食品を提供すること。 【解決手段】 ラウリン系油脂10〜70重量%を含ん
でなる油脂を化学的エステル交換した油脂組成物で、好
ましくはHLB5以下のショ糖脂肪酸エステルを0.0
5〜3重量%含有したフライ用油脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フライ、天ぷら等
の揚げ調理に適した油脂組成物及びこれを用いてなるフ
ライ食品に関する。
【0002】
【従来の技術】フライ食品とは、具材(野菜類、肉類、
魚介類等)を小麦粉、卵白、卵黄、全卵、水等からなる
衣液(バッター)で被覆し、または餃子皮などの小麦粉
練りシートで包みこみ、場合によってはパン粉を付着さ
せ、食用油脂で揚げ調理(フライ)をした食品である。
【0003】近年では、フライや天ぷらなどのフライ食
品を家庭内で揚げ調理をする回数が減ってきている。代
わって、電子レンジ等で再加熱するだけで喫食できるフ
ライ済冷凍食品の利用やスーパー等で揚げ調理したフラ
イ食品を購入することが増加している。また、コンビニ
エンスストアや弁当屋などで販売されているテイクアウ
ト型弁当類の消費も増加しており、これら弁当類にもフ
ライ食品が多数使用されている。これらのフライ食品に
共通するのは、揚げ調理されてから喫食までの時間が長
く、また、パック包装されている為、長い時間湿度の高
い状態で保存される点である。
【0004】一方、フライ食品の食味としては、具材が
各素材特有の風味とジューシー感やソフト感を備え、且
つ、パン粉も含めた衣がサクサクした食感が望まれてい
る。ところが、フライ食品は揚げ調理されてから自然に
放置しておくだけでも時間の経過と共に具材から衣に水
分が移行し、パン粉も含めた衣の食感がふやけた外観に
なると共にサクサクとした食感が維持できなくなり、大
幅に食味が低下する。ましてや、パック包装などの湿度
が高い状態に置かれると食味の低下現象は、更に加速さ
れる。また、コンビニエンスストアの弁当類などは、温
かいほうが食欲が増進されるので喫食前に電子レンジで
再加熱される事が多いが、この場合もフライ食品は具材
から衣への水分移行が促進され、食味の低下が発生す
る。
【0005】また、カラッとした衣とジューシーな具材
のフライや天ぷらを揚げるには熟練を要する為、冷凍食
品のような大量生産品やスーパーのバックヤードのよう
に未熟練者が調理する場合には、このようなフライ食品
を揚げることが難しい、という問題点がある。さらに、
トンカツやイカフライなどの具材が揚げ調理時に熱収縮
する場合に発生することの多い、具材と衣の間に隙間が
できる現象(結着不良)を起こさない、或いは、クリー
ムコロッケ等の具材の水分が多い場合に多発する、揚げ
調理中にフライ食品が破裂する現象(パンク)を起こさ
せずに揚げ調理するというような高度なテクニックを要
するフライ食品は、大量生産に不向きであるという問題
点がある。
【0006】かかる問題を解決する試みとして、衣液の
改良、フライ装置の改良、フライ用油脂の改良、衣液用
油脂の改良などが数多く提案されている。結着不良に関
しては、具材の前処理法(特開平9−9885、特開平
9−9886、特開平10−225273)が提案され
ているが、具材毎に処理方法が異なり汎用性がない。ま
た、パンクに関しては、衣液を工夫して具材内部から外
部への急激な水分蒸発を抑えパンクを防止する方法が数
多く提案されている(特開昭61−31985、特開平
4−38387、特開昭63−63356)が、いずれ
の方法でも単独では防止できず、衣液を厚くするなどの
補助手段との併用が必要であり、具材毎に衣液配合が異
なるなど汎用性がない。
【0007】一方、これらのフライや天ぷらを揚げるフ
ライ用油脂に着目すると、通常、フライ用油脂として
は、主として、大豆油、ナタネ油、コーン油、綿実油、
サフラワー油、ゴマ油などの常温で液状の油脂が利用さ
れている。これらの油脂が使用されるのは、具材との風
味面での相性、取り扱い作業の容易さ、価格が安価であ
る、などの理由によるものである。しかしながら、これ
らの油脂では、揚げたてのサクサクした衣の食感を長時
間維持できない、油切れが悪い、油っぽい、という問題
点がある。
【0008】フライ用油脂の改良に関する提案として
は、大別すると食用油脂に乳化剤を添加する方法と特定
食用油脂を使用する方法がある。乳化剤を添加する方法
としては、エステルの重合物比率を特定したショ糖脂肪
酸エステル(特開平8−298928)、有機酸モノグ
リとポリグリセリン脂肪酸エステルの併用(特開平9−
74999)、特定モノグリセリド(特開平11−19
6766)などが提案されている。また、特定油脂を使
用する方法としては、パーム系油脂と液状油の酵素エス
テル交換油脂(特開平10−165112)が提案され
ている。しかし、これらの方法では、フライ食品を長時
間保存するとサクサクした食感が維持できず、且つ、人
工的な硬い食感であり改善効果は不十分である。さら
に、特定のショ糖脂肪酸エステル、モノグリセリドや酵
素エステル交換油脂を使用することは、コストアップを
招きかねない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、揚げた直後
だけではなく、長時間保存したり、電子レンジで再加熱
しても、具材は各素材特有の風味とジューシー感やソフ
ト感を備え、パン粉を含めた衣はサクサクした食感を持
つと言った揚げ調理直後の食感が維持されると共に、特
殊な衣液使用する等の格別な技術を用いることなく、結
着不良やパンクの発生しないフライ用油脂組成物及びこ
れを用いてなるフライ食品を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
達成するために鋭意研究を行った結果、構成脂肪酸の鎖
長が中程度であるラウリン系油脂を含んでなる油脂を化
学的エステル交換した油脂組成物を用いて揚げ調理する
と、該油脂組成物が速やかに衣内部に侵入し具材を被覆
することにより具材から衣への水分移行を防止し、上記
課題を解決できることを見出した。さらに、該油脂組成
物にHLB5以下のショ糖脂肪酸エステルを添加する
と、揚げ調理中に衣周辺部に発生する気泡が速やかに消
滅し、衣の水分が蒸発するのを早めて上記課題解決を補
助する作用があることを見出し、本発明を完成させるに
至った。
【0011】すなわち、本発明は、ラウリン系油脂10
〜70重量%を含んでなる油脂を化学的エステル交換す
ることを特徴とするフライ用油脂組成物に関する。好ま
しい実施態様としては、HLB5以下のショ糖脂肪酸エ
ステルを0.05〜3重量%含有してなる上記記載のフ
ライ用油脂組成物に関する。
【0012】本発明の第2は、上記記載のフライ用油脂
組成物を用いてなるフライ食品に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明のフライ調理用油脂
組成物について詳述する。
【0014】本発明に使用する食用油脂は、ラウリン系
油脂10〜70重量%を含んでなる油脂を化学的エステ
ル交換して使用することが必要である。望ましくは、油
脂中のラウリン系油脂の含量が15〜50重量%であ
る。ラウリン系油脂の配合割合が10重量%より少ない
とフライ食品の食感改良効果が弱くなる。逆に、70重
量%より多いと揚げ調理中に衣周辺に発生する気泡が小
さくなりすぎると共に泡が消えにくくなり、フライ食品
からの水分蒸発が抑制され食感が悪化する。
【0015】本発明でいうラウリン系油脂とは、主とし
てラウリン酸より構成よりされている油脂のことであ
り、ヤシ油、パーム核油、バター等およびこれらの硬化
油、分別油脂、硬化分別油脂を例示でき、これらを単独
或いは混合して用いることが出来る。ラウリン系油脂以
外の油脂としては、特に限定はなく、例えば、大豆油、
ナタネ油、コーン油、ヒマワリ油、ゴマ油、コメ油、綿
実油、オリーブ油、サフラワー油、ハイオレイックヒマ
ワリ油、ハイオレイックサフラワー油、パーム油、ラー
ド等およびこれらの分別油脂、硬化油、エステル交換油
脂の単独あるいは任意の混合物を例示できる。
【0016】また、ラウリン系油脂と他油脂を単純に配
合しただけの油脂組成物を揚げ調理に使用すると、発煙
し作業環境を悪化させるだけでなく、具材を投入すると
泡立ちが著しく激しくなるという問題が発生する。とこ
ろが、本発明のフライ用油脂組成物のように上記油脂を
化学的エステル交換すると上記問題が発生しない。
【0017】一般に、油脂のエステル交換反応には、リ
パーゼ製剤等を用いて行う酵素法とナトリウムメチラー
ト等の触媒を用いて行う化学法がある。いずれの方法で
反応を行っても同様の効果が得られるが、酵素法は処理
コストが化学法に較べて高いため、本発明においては化
学的エステル交換法を用いる。
【0018】化学的エステル交換反応は、公知の方法に
より行うことができる。例えば、原料油脂を加熱脱水
し、ナトリウムメチラート、金属ナトリウムなどの触媒
を加え、窒素気流下、60〜120℃で反応させる。酸
性水溶液や水などを加えて反応を停止し、常法により脱
色、脱臭を行って本発明に係るフライ用油脂組成物を製
造することができる。
【0019】本発明に係るフライ用油脂組成物は、その
まま揚げ油に使用することはもとより、他の油脂と混合
して用いても本発明の目的を達成できる。混合する油脂
の種類・比率には特に限定はないが、該フライ用油脂組
成物を少なくとも10重量%以上用いることが好まし
い。
【0020】本発明に係るショ糖脂肪酸エステルとして
は、HLBが5以下、望ましくは3以下で、60℃に於
いて化学的エステル交換油脂に溶解するものであれば何
でもよい。構成脂肪酸の種類としては特に制限はない
が、C16〜C18の飽和脂肪酸、またはC18〜C22の不飽
和脂肪酸がより望ましい。ショ糖脂肪酸エステルの添加
量は、油脂組成物全体に対して0.05〜3.0重量%
が望ましい。更に望ましくは0.1重量%〜2.0重量
%である。ショ糖脂肪酸エステルの添加量が0.05%
より少ない場合は本発明で所望するフライ食品の食味が
得られず、3.0%を超えると、ショ糖脂肪酸エステル
と具材から溶出するアミノ酸が反応してメイラード反応
を起こしフライ油の着色が著しくなるので好ましくな
い。なお、上記フライ用油脂組成物には、必要に応じて
グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エス
テル等の公知の食用乳化剤を適宜併用してもよい。
【0021】本発明に係るフライ用油脂組成物は、ラウ
リン系油脂を10〜70重量%を含んでなる油脂を化学
的エステル交換反応した後、該油脂を単独または他油脂
と混合して60〜70℃に加熱し、ショ糖脂肪酸エステ
ルを加え該油脂が透明になるまでゆっくり攪拌を継続す
ることにより得ることができる。
【0022】次に、上記の本発明に係るフライ用油脂組
成物を用いてなるフライ食品について詳細に説明する。
【0023】本発明のフライ食品は、野菜類、果物類、
肉類、魚介類、乳製品、パン類、菓子類等およびこれら
の加工調理品、冷凍品などの通常のフライ食品の材料と
して用いられる具材を120〜200℃に加熱した本発
明のフライ用油脂組成物で揚げ調理することにより得る
ことが出来る。具体的には、(A)具材の表面に衣液を
付着させて、加熱したフライ用油脂組成物で揚げ調理し
たもの、(B)具材の表面に衣粉を付着させて、加熱し
たフライ用油脂組成物で揚げ調理したもの、(C)具材
を小麦粉等の穀物粉と水などよりなる穀物生地で具材を
包み、加熱したフライ用油脂組成物で揚げ調理したも
の、(D)具材の表面に衣液を付着させた状態で冷蔵ま
たは冷凍し、任意の期間同温度で保管されたものを本発
明に係るフライ用油脂組成物で揚げ調理したものなどが
挙げられる。この際、必要に応じて具材に打ち粉をまぶ
した後に衣液を付着させる、あるいは衣液を付着させた
後にパン粉をまぶすことも可能である。更に、具体的な
フライ食品の例としては、フライではポテトコロッケ、
クリームコロッケ等のコロッケ類、トンカツ等のカツ
類、エビフライ等のいわゆるフライと称されるもの、パ
ン生地或いはパイ生地を揚げ調理したドーナツ類、フラ
イパイ類、鶏唐揚げ等の唐揚げ類、揚げぎょうざや春巻
き等の包み揚げ類、いか天ぷら等の天ぷら類およびこれ
らの冷蔵品または冷凍品が挙げられる。
【0024】
【実施例】以下本発明を実施例を挙げてさらに説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定される物ではない。
尚、本文中、「部」はすべて「重量部」を意味する。
【0025】(1)トンカツによるフライ用油脂組成物
の評価 (実施例1〜3及び比較例1〜4) (フライ用油脂組成物の調製)ヤシ油とナタネ油を表1
のように配合し、減圧下、105℃で30分間加熱脱水
した。窒素ガスを導入して常圧に戻し、化学的エステル
交換触媒としてナトリウムメチラートを油脂100部に
対して0.5部加え、窒素気流下、105℃で30分間
化学的エステル交換反応を行った。反応停止剤として水
を加え、次いで、脱色、脱臭をおこないエステル交換油
脂を得た。更に、エステル交換油脂を60℃に加熱し、
所定量のショ糖脂肪酸エステル(商品名:リョートーシ
ュガーエステルS270(HLB2、三菱化学フーズ
(株)製))を加え、緩やかに撹拌しながら完全に溶解
させた。
【0026】
【表1】 (トンカツフライ試験)得られた各種フライ用油脂組成
物をフライヤーに1000g取り、180℃まで加熱し
た。冷凍トンカツ(商品名:エコノミーローストンカ
ツ、日本ハム(株)製)を油脂組成物中に入れ、6分間
揚げ調理した後に取り出し、10分間放冷し評価サンプ
ルを得た。揚げ調理テスト時の評価項目は、泡立ち(衣
の周囲に発生する泡の出方)、発煙(煙の有無)を肉眼
観察により3段階(○:少ない、△:普通、×:多い)
で評価した。 (フライ食品の評価方法) 揚げ調理直後、前記を室温で16時間保持、前
記を電子レンジ再加熱(高周波出力500Wにて、3
分加熱)の時点で評価を行った。評価項目は、衣のサク
サク感、肉と衣との結着性(肉と衣が結合している強
さ)、バッター層の状態(バッター層とは肉と衣の間に
あるヌルヌルした状態の層)とした。評価基準は、5段
階評価(−2:不良、−1:やや不良、0:普通、+
1:やや良好、+2:良好)で実施した。この評価結果
を表2に示す。
【0027】
【表2】 表2から明らかなように、化学的エステル交換油脂(実
施例1)により調理したトンカツと化学的エステル交換
処理を施していない混合油脂(比較例1)により調理し
たトンカツを比較すると、比較例1では揚げ調理時の泡
立ちと発煙が大きく、衣のサクサク感が劣ることがわか
った。また、エステル交換油脂原料油中のヤシ油(ラウ
リン系油脂)配合比率が10重量%より少ないと(比較
例2)、衣のサクサク感改良効果が小さく、また、70
重量%より多いと(比較例3)、揚げ調理時の泡立ちが
激しく衣のサクサク感が劣っており、10〜70重量%
が最適なことがわかった。
【0028】さらに、HLB2のショ糖脂肪酸エステル
(リョートーシュガーエステルS270)をナタネ油に
添加すると(比較例4)、衣のサクサク感改良効果は多
少見られたが十分ではなく、上記エステル交換油脂と併
用した場合(実施例2)に顕著な改善効果が認められ
た。一方、エステル交換油脂と他油脂を混合しても(実
施例3)、衣のサクサク感や結着性が大きく減ずること
がないことも明らかになった。 (2)ポテトコロッケによるフライ用油脂組成物の評価
(実施例4〜6および比較例5〜7)
【0029】
【表3】 実施例1の化学的エステル交換油脂に対し、表3記載の
各種HLBのショ糖脂肪酸エステルを添加し、60℃に
加熱し、緩やかに撹拌しながら完全に溶解させた。この
ようにしてフライ用油脂組成物を調製し、コロッケの揚
げ調理試験を行った。各種フライ用油脂組成物1000
gをフライヤーに取り、175℃に加熱した。冷凍コロ
ッケ(商品名:390牛肉コロッケ、加ト吉(株)製)
を投入し、4分間揚げ調理しコロッケを作成した。これ
らコロッケについて、トンカツと同様に評価を行った。
ただし、結着性と衣液層の状態の評価は省略した。
【0030】
【表4】 表4から明らかなように、ショ糖脂肪酸エステルのHL
Bが低いほど(実施例4、5)、コロッケのサクサク感
が強く、HLB5を越えると(比較例5)、コロッケの
サクサク感が劣ることがわかった。また、ショ糖脂肪酸
エステルの添加量が0.05%より少ないと(比較例
6)、サクサク感改良効果がほとんどなかった。逆に添
加量が3%を越えると(比較例7)、ショ糖脂肪酸エス
テルと揚げ種から溶出したアミノ酸のメイラード反応に
よりフライ油の着色が大きくなり、フライ食品の揚げ色
が濃くなりすぎた。 (3)クリームコロッケによるフライ用油脂組成物の評
価 (実施例7〜8および比較例8) (クリームコロッケの調製)バター10gを鍋で加熱
し、小麦粉12gを加えて焦がさないようにかき混ぜ
た。牛乳85gを徐々に加えた後、少量の食塩を加え具
材を調製した。この具材20gを俵型に成形し、常法に
より小麦粉と卵によるバッタリング、パン粉付けを行
い、クリームコロッケを調製した。 (フライ用油脂組成物の調製およびクリームコロッケの
評価)実施例1および4と同様の方法により、表5のフ
ライ用油脂組成物を調製した。次に、表5記載のフライ
用油脂組成物1000gをフライヤーに取り、170℃
に加熱した。上述のクリームコロッケを揚げ調理し、パ
ンクするまでの揚げ調理時間を5回測定した。
【0031】
【表5】 表5から明らかなように、本発明品(実施例7、8)で
揚げ調理すると、ナタネ油(比較例8)に較べてクリー
ムコロッケ投入からパンクまでの時間が約3〜4倍長く
なった。
【0032】
【発明の効果】本発明のフライ用油脂組成物は衣の水分
を低くかつ具材の水分低下を抑制することができるの
で、該フライ用油脂組成物を用いて揚げたフライ食品
は、揚げ調理後長時間経過してもサクサクした衣の食感
を維持することが出来、電子レンジで再加熱しても衣の
食感低下を少なく出来る。また、トンカツなどの揚げ調
理中に収縮する度合いが大きい具材の場合には、具材と
衣の結着性が良好であり、衣層のぬめりを少なく出来、
クリームコロッケ等のように水分の多い具材の場合に
は、揚げ調理中にパンクすることを防止できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラウリン系油脂10〜70重量%を含ん
    でなる油脂を化学的エステル交換することを特徴とする
    フライ用油脂組成物。
  2. 【請求項2】 HLB5以下のショ糖脂肪酸エステルを
    0.05〜3重量%含有してなる請求項1記載のフライ
    用油脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1〜2何れかに記載のフライ用油
    脂組成物を用いてなるフライ食品。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014014317A (ja) * 2012-07-09 2014-01-30 Tsukishima Foods Industry Co Ltd フライ用油脂組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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