JP2002064303A - 積層型誘電体フィルタ及び積層型誘電体フィルタアレイ - Google Patents

積層型誘電体フィルタ及び積層型誘電体フィルタアレイ

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JP2002064303A
JP2002064303A JP2000250976A JP2000250976A JP2002064303A JP 2002064303 A JP2002064303 A JP 2002064303A JP 2000250976 A JP2000250976 A JP 2000250976A JP 2000250976 A JP2000250976 A JP 2000250976A JP 2002064303 A JP2002064303 A JP 2002064303A
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dielectric
ground electrode
dielectric layer
laminated
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JP2000250976A
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Toshihiro Yasuda
寿博 安田
Tatsuya Imaizumi
達也 今泉
Naoto Kobayashi
尚都 小林
Takashi Amano
崇 天野
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Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型化を容易に図ることができる積層型誘電
体フィルタ及び積層型誘電体フィルタアレイを提供す
る。 【解決手段】 第1のグランド電極121と第2のグラ
ンド電極136間に配置された第1の共振素子片126
〜128と、第2のグランド電極146と第3のグラン
ド電極145間に配置され前記第1の共振素子片126
〜128とビアホールを介して接続した第2の共振素子
片140〜142とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波回路に好適
な積層型誘電体フィルタ及び積層型誘電体フィルタアレ
イに関し、特にその共振素子の構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来この種の積層型誘電体フィルタとし
ては、例えば特許第2806710号公報に記載されて
いるものが知られている。従来の積層型誘電体フィルタ
について図26及び図27を参照して説明する。図26
は従来の積層型誘電体フィルタの外観斜視図、図27は
従来の積層型誘電体フィルタの積層構造を説明する図で
ある。
【0003】図26に示すように、この積層型誘電体フ
ィルタ10は、誘電体と導体を積層してなる積層体11
と、積層体11の両端部に付設した一対の入出力端子1
2と、積層体11の外面に形成したグランド端子13と
を備えている。
【0004】図27に示すように、積層体11は、所定
パターンの電極を形成した複数の誘電体層21〜27を
積層した構成になっている。
【0005】図中最上層の誘電体層21の上面には、全
面に亘ってグランド電極31が形成されている。
【0006】誘電体層22には、端部が前記グランド端
子13と接続する内層グランド電極32が形成されてい
る。
【0007】誘電体層23には、後述する一対の共振素
子34及び35の長手方向と直交し且つ端部がそれぞれ
誘電体層23を挟んで共振素子34及び35の中間部に
重なるように配置された結合調整電極33が形成されて
いる。結合調整電極33は、端部に形成された結合部3
3aと、両結合部33aを結び該結合部33aよりも幅
が狭い接続線部33bとからなる。
【0008】誘電体層24には、一端側が前記グランド
端子13に短絡されたストリップライン型の共振素子3
4及び35が互いに間隔をおいて形成されている。共振
素子34及び35は入出力端子12を結ぶ方向と直交す
る方向に延びている。各共振素子34及び35の開放端
側には、端部がグランド端子13に接続する波長短縮用
電極36及び37が形成されている。
【0009】誘電体層25には、一端側が入出力端子1
2と接続し、他端側が誘電体層24を介して共振素子3
4又は35と重なるように配置された入出力電極38及
び39が形成されている。
【0010】誘電体層26には、前記誘電体層22と同
様に、端部が前記グランド端子13と接続する内層グラ
ンド電極40が形成されている。
【0011】誘電体層27の底面には、前記誘電体層2
1と同様に、図示しないグランド電極が全面に亘って形
成されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の積
層型誘電体フィルタに対する市場からの要望としては、
小型化、特に高周波帯域における高い品質係数(Q)、
広帯域化などが挙げられる。しかしながら、従来の積層
型誘電体フィルタ10では、共振素子34及び35の長
さが波長を基準に決定されるため、小型化には限界があ
った。すなわち、上記の積層型誘電体フィルタ10で
は、共振素子34及び35の開放端側と波長短縮用電極
36及び37との間が容量性結合される。つまり、共振
素子34及び35の開放端側をキャパシタを介してグラ
ンドに接続させている。これにより、共振素子34及び
35の小型化を図っている。このような構成では、共振
素子34及び35と波長短縮用電極36及び37との間
の静電容量を大きく設定することにより共振素子34及
び35を更に小型化することができる。しかしながら、
この静電容量を大きくすると品質係数が悪化するため小
型化には限界があった。
【0013】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、小型化を容易に図る
ことができる積層型誘電体フィルタ及び積層型誘電体フ
ィルタアレイを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1では、誘電体と導体とを積層してなり共振
素子が埋設された積層体と、該積層体の外面に形成され
た入出力端子及びグランド端子とを備えた積層型誘電体
フィルタにおいて、それぞれ前記グランド端子と接続し
且つ互いに誘電体層を介して配置された第1,第2及び
第3のグランド電極を備え、前記共振素子は、前記第1
のグランド電極と前記第2のグランド電極との間に誘電
体層を介して配置され、且つ、一端側が開放端となって
いる第1の共振素子片と、前記第2のグランド電極と前
記第3のグランド電極との間に誘電体層を介して配置さ
れ、一端側が前記第1の共振素子片の他端側と接続さ
れ、且つ、他端側が前記グランド端子に短絡された第2
の共振素子片とを有することを特徴とするものを提案す
る。
【0015】本発明によれば、共振素子は第1の共振素
子片と第2の共振素子片を有し、且つ、第1の共振素子
片と第2の共振素子片とは第2のグランド電極を挟んで
異なる層に形成されているので、共振素子全体の共振周
波数を下げることができる。これにより、共振周波数が
同一であれば従来の積層型誘電体フィルタよりも部品サ
イズの小型化を図ることができる。
【0016】また、請求項2では、請求項1記載の積層
型誘電体フィルタにおいて、前記第1の共振素子片と前
記第2の共振素子片はビアホールを介して接続されてい
ることを特徴とするものを提案する。
【0017】本発明によれば、異なる層に形成された第
1の共振素子と第2の共振素子をビアホールにより確実
に接続することができる。
【0018】さらに、請求項3では、請求項2記載の積
層型誘電体フィルタにおいて、前記第2のグランド電極
が形成された誘電体層にはビアホール用のランドが形成
され、前記第2のグランド電極は該ランドと非導通とな
るよう該ランドと間隔をおいて囲むように形成されてい
ることを特徴とするものを提案する。
【0019】本発明によれば、第2のグランド電極を挟
んで第1の共振素子と第2の共振素子を確実に接続する
ことができる。また、ランド形状や第2のグランド電極
と前記ランドとの距離などを調整することにより、両者
の間に生じる静電容量を制御することができる。したが
って、この調整によりフィルタ回路の特性を制御するこ
とができる。
【0020】さらに、請求項4では、請求項2又は3何
れか1項記載の積層型誘電体フィルタにおいて、前記ビ
アホールは、ビアホール用のランドを形成した誘電体層
とビアホール用のランドを形成していない誘電体層とを
混在させて積層して形成されていることを特徴とするも
のを提案する。
【0021】本発明によれば、ランドを形成した誘電体
層とランドを形成しない誘電体層とが混在して積層され
ているので、ビアホール長が大きくなっても多数のラン
ドによる積層体の歪みを防止できる。
【0022】さらに、請求項5では、請求項1記載の積
層型誘電体フィルタにおいて、前記第1の共振素子片と
前記第2の共振素子片は、積層体の外面に付設された接
続電極を介して接続されていることを特徴とするものを
提案する。
【0023】本発明によれば、異なる層に形成された第
1の共振素子と第2の共振素子を接続電極により確実に
接続することができる。
【0024】さらに、請求項6では、誘電体と導体とを
積層してなり複数のフィルタ回路分の共振素子が埋設さ
れた積層体と、該積層体の外面に形成されたグランド端
子及び前記複数のフィルタ回路分の入出力端子とを備え
た積層型誘電体フィルタアレイにおいて、それぞれ前記
グランド端子と接続し且つ互いに誘電体層を介して配置
され各フィルタ回路で共通な第1,第2及び第3のグラ
ンド電極を備え、前記共振素子は、前記第1のグランド
電極と前記第2のグランド電極との間に誘電体層を介し
て配置され、且つ、一端側が開放端となっている第1の
共振素子片と、前記第2のグランド電極と前記第3のグ
ランド電極との間に誘電体層を介して配置され、一端側
が前記第1の共振素子片の他端側と接続され、且つ、他
端側が前記グランド端子に短絡された第1の共振素子片
とを有することを特徴とするものを提案する。
【0025】本発明によれば、各共振素子はそれぞれ第
1の共振素子片と第2の共振素子片を有し、且つ、第1
の共振素子片と第2の共振素子片とは第2のグランド電
極を挟んで異なる層に形成されているので、共振素子全
体の共振周波数を下げることができる。これにより、共
振周波数が同一であれば従来の積層型誘電体フィルタよ
りも部品サイズの小型化を図ることができる。
【0026】さらに、請求項7では、請求項6記載の積
層型誘電体フィルタにおいて、前記第1の共振素子片と
前記第2の共振素子片はビアホールを介して接続されて
いることを特徴とするものを提案する。
【0027】本発明によれば、異なる層に形成された第
1の共振素子と第2の共振素子をビアホールにより確実
に接続することができる。
【0028】さらに、請求項8では、請求項1乃至5何
れか1項記載の複数の積層型誘電体フィルタを接着して
なることを特徴とする積層型誘電体フィルタアレイを提
案する。
【0029】本発明によれば、種々の特性を有する複数
の積層型誘電体フィルタを用いて任意の特性を有する積
層型誘電体フィルタアレイを容易に得ることができる。
また、複数の積層型誘電体フィルタを個々に実装する場
合と比較して、高密度で実装することができる。
【0030】本発明の好適な態様の一例として、請求項
9では、請求項8記載の積層型誘電体フィルタアレイに
おいて、各積層型誘電体フィルタのグランド端子が対向
するように接着されていることを特徴とするものを提案
する。また、請求項8記載の積層型誘電体フィルタアレ
イにおいて、請求項10では、各積層型誘電体フィルタ
の入出力端子が対向するように接着されていることを特
徴とするものを提案する。
【0031】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)本発明の第
1の実施形態に係る積層型誘電体フィルタについて図1
〜図4を参照して説明する。図1は第1の実施形態に係
る積層型誘電体フィルタの外観斜視図、図2は第1の実
施形態に係る積層型誘電体フィルタの積層構造を説明す
る図、図3は第1の実施形態に係る積層型誘電体フィル
タのビアホールの構造を説明する図、図4は第1の実施
形態に係る積層型誘電体フィルタの等価回路である。
【0032】図1に示すように、この積層型誘電体フィ
ルタ100は、誘電体と導体を積層してなる積層体10
1と、積層体101の両端部に付設した一対の入出力端
子102と、積層体101の外面に形成したグランド端
子103とを備えている。
【0033】入出力端子102は、積層体101の両端
面の中央部において上面及び下面の端部に亘り線状に形
成されている。グランド端子103は、積層体101の
側面の全面から端面,上面及び下面の端部に亘り形成さ
れている。
【0034】図2に示すように、積層体101は、導体
が形成されていない誘電体層110と所定パターンの導
体を形成した複数の誘電体層111〜117を積層した
一体構造となっている。各誘電体層110〜117は、
例えばBaTiO3系の誘電性を有するセラミック焼結
体からなる。
【0035】誘電体層111には、第1のグランド電極
121が形成されている。第1のグランド電極121
は、誘電体層111の長辺側に露出しており、グランド
端子103と接続している。また、第1のグランド電極
121は、誘電体層111の短辺側の端部には形成され
ていない。誘電体層111の全面に第1のグランド電極
121を形成すると、誘電体層111と誘電体層110
との接着強度が低下するためである。
【0036】また、第1のグランド電極121は、誘電
体層111の短辺と対向する片の中央部が誘電体層11
1の中心方向に向かって引き込んだ形状となっている。
これは、第1のグランド電極121と後述する入出力電
極143及び144との間に浮遊容量が生じることを防
ぐためである。
【0037】誘電体層112には、矩形の波長短縮用電
極122,123,124と、結合用電極125が形成
されている。各波長短縮用電極122〜124は、それ
ぞれ後述する第1の共振素子片126〜128に対応す
る。各波長短縮用電極122〜124は、前記グランド
端子103の一方に接続するよう誘電体層112の一方
の長辺側に配置されている。各波長短縮用電極122〜
124は、対応する第1の共振素子片126〜128の
開放端と誘電体層112を挟んで重なる位置に配置され
ている。
【0038】結合用電極125は、誘電体層112のほ
ぼ中央付近において誘電体層112の長手方向に延びて
形成されている。結合用電極125は、両端部に形成さ
れた矩形の結合部125aと、両結合部125aを結び
該結合部125aよりも幅の狭い接続線部125bから
なる。結合用電極125の一方の結合部125aは、第
1の共振素子片126の中央部付近と誘電体層112を
挟んで重なる位置に配置されている。結合用電極125
の他方の結合部125aは、第1の共振素子片127の
中央部付近と誘電体層112を挟んで重なる位置に配置
されている。
【0039】誘電体層113には、ストリップライン型
の第1の共振素子片126,127,128が互いに平
行となるように形成されている。各第1の共振素子片1
26〜128は、誘電体層113の短手方向に延びてい
る。すなわち、各第1の共振素子片126〜128は、
前記一対の入出力端子102を結ぶ方向と直交する方向
に延びている。誘電体層113には、各第1の共振素子
片126〜128の開放端側と反対側の端部にビアホー
ル(図示省略)が形成されている。各第1の共振素子片
126〜128は、このビアホールを介して、後述する
誘電体層114に形成されたランド133〜135に接
続している。
【0040】誘電体層114には、前記誘電体層112
と同様に、矩形の波長短縮用電極129,130,13
1と、結合用電極132と、ランド133,134,1
35が形成されている。各波長短縮用電極129〜13
1は、それぞれ前記第1の共振素子片126〜128に
対応する。各波長短縮用電極129〜131は、前記グ
ランド端子103の一方に接続するよう誘電体層114
の一方の長辺側に配置されている。各波長短縮用電極1
29〜131は、対応する第1の共振素子片126〜1
28の開放端と誘電体層113を挟んで重なる位置に配
置されている。
【0041】結合用電極132は、誘電体層114のほ
ぼ中央付近において長手方向に形成されている。結合用
電極132は、両端部に結合された矩形の結合部132
aと、両結合部132aを結び該結合部132aよりも
幅の狭い接続線部132bからなる。結合用電極132
の一方の結合部132aは、第1の共振素子片127の
中央部付近と誘電体層113を挟んで重なる位置に配置
されている。結合用電極132の他方の結合部132a
は、第1の共振素子片128の中央部付近と誘電体層1
13を挟んで重なる位置に配置されている。
【0042】各ランド133〜135は、誘電体層11
3のビアホールと接続するためのものである。各ランド
133〜135は、それぞれ誘電体層113の各ビアホ
ールに重なる位置に形成されている。各ランド133〜
135の形成位置にはビアホール(図示省略)が形成さ
れている。
【0043】誘電体層115には、第2のグランド電極
136及びランド137,138,139が形成されて
いる。第2のグランド電極136は、前記第1のグラン
ド電極121と同様の外形を有しており、且つ、各ラン
ド137〜139を内側に配置するための孔136a,
136b,136cを有している。各ランド137〜1
39は、対応する孔136a〜136cの内側に第2の
グランド電極136と非導通となるように形成されてい
る。各ランド137〜139は、誘電体層114のビア
ホールと接続するためのものである。各ランド137〜
139は、それぞれ誘電体層114の各ビアホールに重
なる位置に形成されている。各ランド137〜139の
形成位置にはビアホール(図示省略)が形成されてい
る。
【0044】誘電体層116には、ストリップライン型
の第2の共振素子片140,141,142が形成され
ている。各第2の共振素子片140〜142は、前記第
1の共振素子片140〜142と誘電体層113〜11
5を挟んで対向するように配置されている。第2の共振
素子片140〜142の一端側は、それぞれ誘電体層1
15の各ビアホールに接続している。したがって、第2
の共振素子片140〜142の一端側は、各誘電体層1
13〜115に形成されたビアホールを介してそれぞれ
対応する第1の共振素子片126〜128の一端側と接
続している。これにより、第1の共振素子片126と第
2の共振素子片140が組となって1つの共振素子を構
成している。同様に、第1の共振素子片127と第2の
共振素子片141、第1の共振素子片128と第2の共
振素子片142が組となって、それぞれ1つの共振素子
を構成している。また、各第2の共振素子片140〜1
42の他端側は、前記グランド端子103の一方に接続
するよう誘電体層116の一方の長辺に露出している。
【0045】3つの第2の共振素子片140〜142の
うち入出力側の第2の共振素子片140及び142に
は、前記入出力端子102と接続する入出力電極143
及び144が接続されている。入出力電極143及び1
44は、それぞれ誘電体層116の端部に配置された入
出力部143a,144aと、該入出力部143a,1
44aと第2の共振素子片140,142を接続する接
続線部143b,144bとからなる。接続線部143
b,144bは、蛇行した線状に形成されており、中央
部よりやや短絡側とは反対側の位置で第2の共振素子片
140,142と接続している。なお、接続線部143
b,144bと第2の共振素子片140,142との接
続位置は、設計目標となるフィルタ特性に応じて、適
宜、開放端側又は短絡端側に移動させてもよい。
【0046】誘電体層117には、第3のグランド電極
145が形成されている。第3のグランド電極145
は、前記第1のグランド電極121と同一の形状を有す
る。
【0047】上記誘電体層110〜117は、それぞれ
複数の誘電体シートを積層した構造となっている。前述
したように誘電体層113〜115にはビアホールが形
成されている。このビアホールの構造について図3を参
照して説明する。図3は誘電体層113の構造を説明す
る図である。他の誘電体層114及び115の構造は誘
電体層113と同様なので説明を省略する。
【0048】図3に示すように、誘電体層113は、複
数の誘電体シート151を積層した構造となっている。
最上層の誘電体シート151aの上面には、前述したよ
うに第1の共振素子片126〜128がスクリーン印刷
法などで形成されている。また、この誘電体シート15
1aにはビアホールの位置にパンチやレーザで加工され
た孔(図示省略)が形成されており、この孔には第1の
共振素子片126〜128と同一の導体が第1の共振素
子片126〜128と一体となって充填されている。他
の誘電体シート151bには、ビアホールの形成位置に
ランド152がスクリーン印刷法などで形成されてい
る。また、この誘電体シート151bにはビアホールの
位置に該ランド152と同一の導体がランド152と一
体となって充填されている。なお、第1の共振素子片1
26〜128と第2の共振素子片140〜142を接続
するビアホールは、径が大きいほど該ビアホールによる
直流抵抗成分が減少するので、品質係数(Q)の観点か
らは大きく形成するのが好ましい。
【0049】図4に積層型誘電体フィルタ100の等価
回路を示す。図において、インダクタ161及び162
は、それぞれ入出力電極143,144の接続線部14
3b,144bによるインダクタ成分である。
【0050】共振素子163は、第1の共振素子片12
6及び第2の共振素子片140により構成されている。
同様に、共振素子164は第1の共振素子片127及び
第2の共振素子片141により構成され、共振素子16
5は第1の共振素子片128及び第2の共振素子片14
2により構成されている。
【0051】キャパシタ166は、第1の共振素子片1
26の開放端側と波長短縮用電極122との間に生じる
キャパシタ成分である。キャパシタ167は、第1の共
振素子片126の開放端側と波長短縮用電極129との
間に生じるキャパシタ成分である。キャパシタ168
は、第1の共振素子片127の開放端側と波長短縮用電
極123との間に生じるキャパシタ成分である。キャパ
シタ169は、第1の共振素子片127の開放端側と波
長短縮用電極130との間に生じるキャパシタ成分であ
る。キャパシタ170は、第1の共振素子片128の開
放端側と波長短縮用電極124との間に生じるキャパシ
タ成分である。キャパシタ171は、第1の共振素子片
128の開放端側と波長短縮用電極131との間に生じ
るキャパシタ成分である。
【0052】キャパシタ172は、第1の共振素子片1
26と結合用電極125の一方の結合部125aとの間
に生じるキャパシタ成分である。インダクタ173は、
結合用電極125の接続線部125bにより生じるイン
ダクタ成分である。キャパシタ174は、第1の共振素
子片127と結合用電極125の他方の結合部125a
との間に生じるキャパシタ成分である。
【0053】キャパシタ175は、第1の共振素子片1
27と結合用電極132の一方の結合部132aとの間
に生じるキャパシタ成分である。インダクタ176は、
結合用電極132の接続線部132bにより生じるイン
ダクタ成分である。キャパシタ177は、第1の共振素
子片128と結合用電極132の他方の結合部132a
との間に生じるキャパシタ成分である。
【0054】キャパシタ178は、第2のグランド電極
136と、該第2のグランド電極136の孔136aの
内側に形成されたランド137との間に生じるキャパシ
タ成分である。キャパシタ179は、第2のグランド電
極136と、該第2のグランド電極136の孔136b
の内側に形成されたランド138との間に生じるキャパ
シタ成分である。キャパシタ180は、第2のグランド
電極136と、該第2のグランド電極136の孔136
cの内側に形成されたランド139との間に生じるキャ
パシタ成分である。
【0055】次に、この積層型誘電体フィルタ100の
製造方法について説明する。ここでは、多数の積層型誘
電体フィルタを同時に製造する場合について説明する。
【0056】まず、例えばBaTiO3などを主原料と
し添加物としてSiO2などを混合した誘電体セラミッ
ク材料に、有機バインダ、有機溶剤又は水を所定量混合
・撹拌してセラミックスラリーを得る。次に、このセラ
ミックスラリーをドクターブレード法等のテープ成型法
によりセラミックグリーンシートを形成する。
【0057】次に、このセラミックグリーンシートに、
必要に応じてパンチやレーザなどで穿孔した後に、スク
リーン印刷法、凹版印刷法、凸版印刷法などにより所定
形状で導電性ペーストを印刷する。ここで、導電性ペー
ストの塗布パターンは、前述した各種電極及びランドに
対応する。
【0058】次いで、セラミックグリーンシートをプレ
ス装置を用いて積層及び圧着してシート積層体を得る。
ここで、セラミックグリーンシートの積層順序は、図2
及び図3を参照して説明した構成となるように実施す
る。
【0059】次に、シート積層体を部品単位あたりの大
きさに裁断して積層チップを得る。次に、この積層チッ
プを、所定の温度条件及び雰囲気条件で焼成して積層体
101を得る。最後に、積層体の外面に入出力端子10
2及びグランド端子103を形成して積層型誘電体フィ
ルタ100を得る。
【0060】このような積層型誘電体フィルタ100で
は、共振素子163〜165がそれぞれ互いに異なる層
に形成された1組の第1の共振素子片126〜128と
第2の共振素子片140〜142で構成されるので、各
共振素子の電気長を大きく取ることができる。これによ
り、各共振素子の共振周波数を下げることができるの
で、高い品質係数(Q)を維持しつつ小型化が容易とな
る。
【0061】また、この積層型誘電体フィルタ100で
は、第2のグランド電極136と、該第2のグランド電
極136の孔136a〜136cの内側に形成されたラ
ンド137〜139との間にキャパシタ178〜180
が生じている。このキャパシタ178〜180の静電容
量を調整することによりフィルタ回路の特性を調整可能
である。具体的には、ランド137〜139の形状や、
第2のグランド電極136の孔136a〜136cの形
状や、第2のグランド電極136と各ランド137〜1
39との距離などを調整すればキャパシタ178〜18
0の静電容量を制御することができる。例えば、図5に
示すように、ランド137〜139の全てが内側に配置
されるように、第2のグランド電極136に長孔136
dを形成してもよい。
【0062】なお、本実施の形態では、第1の共振素子
片126〜128と第2の共振素子片140〜143を
接続する手段として、誘電体層113〜115に形成し
たビアホールを用いた。各誘電体層113〜115は、
図3を参照して説明したように、それぞれランドが形成
された誘電体シートを積層した構成となっている。この
ような構成においては、ビアホールの長さなどによって
は、以下のような問題が生じる場合がある。すなわち、
ビアホールが長くなると、当該ビアホールの形成位置に
多数のランドが積み重なるので、積層体101に歪みが
生じる場合がある。このような問題を解決する手段につ
いて図6及び図7を参照して説明する。図6は第1の実
施形態に係る積層型誘電体フィルタの他の例に係るビア
ホールの構造を説明する図、図7は第1の実施形態に係
る積層型誘電体フィルタの他の例に係るビアホールの形
成過程を説明する図である。また、図6では前記誘電体
層113に対応する誘電体層113aについて説明し、
他の誘電体層114及び115については説明を省略す
る。
【0063】図6に示すように、この誘電体層113a
が前記誘電体層113と相違する点は、ランドが形成さ
れていない誘電体シート151cを混在して積層してい
る点にある。この誘電体シート151cにはビアホール
形成位置に孔が形成されており、該孔には第1の共振素
子片やランドと同一の導体が充填されている。
【0064】この誘電体層113aは、図7に示すよう
に、ランドに対応する導電性ペースト153が塗布され
た誘電体シート151bと、導電性ペーストが塗布され
ず孔のみが形成された誘電体シート151cを積層して
構成される(図7(a)参照)。そして、後の誘電体シー
トの圧着工程により、導電性ペーストが誘電体シート1
51cの孔に充填される。これにより、全ての誘電体シ
ートにランドを形成することなく、誘電体層にビアホー
ルを形成することができる。したがって、ビアホール長
が大きくなっても、積層体に歪みが生じ難いものとな
る。
【0065】また、本実施の形態では、結合用電極12
5,132は、それぞれ誘電体層112,114の短手
方向中央付近に形成したが、設計目標であるフィルタ特
性に応じて、適宜、波長短縮用電極122〜124,1
29〜131側又はその反対側へずらした位置に形成し
てもよい。
【0066】さらに、本実施の形態では、第1の共振素
子片126〜128と第2の共振素子片140〜142
を接続する手段として1経路のビアホールを用いたが、
図8に示すように、複数(図8では2つ)経路のビアホ
ールにより第1の共振素子片126〜128と第2の共
振素子片140〜142を接続するようにしてもよい。
これにより、ビアホールによる直流抵抗値を軽減できる
ので、各共振素子の品質係数(Q)を得ることができ
る。
【0067】さらに、本実施の形態では、第1の共振素
子片126〜128及び第2の共振素子片140〜14
2のうち中心の第1の共振素子片127及び第2の共振
素子片141をそれぞれ線状に形成したが、図9に示す
ように、設計目標であるフィルタ特性に応じて、適宜、
誘電体層を介して結合用電極と重なり合う面積が大きく
なるように、中央部から幅方向に張り出し張出部127
a及び141aを形成してもよい。これにより、結合用
電極と各共振素子片との容量性結合を大きくすることが
できる。
【0068】さらに、本実施の形態では、第2の共振素
子片140,142と入出力端子102とを入出力電極
143,144で接続したが、図10に示すように、第
1の共振素子片126,128に接続するようにしても
よい。
【0069】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施
の形態に係る積層型誘電体フィルタについて図11及び
図12を参照して説明する。図11は第2の実施形態に
係る積層型誘電体フィルタの外観斜視図、図12は第2
の実施形態に係る積層型誘電体フィルタの積層構造を説
明する図である。
【0070】図11に示すように、この積層型誘電体フ
ィルタ200は、誘電体と導体を積層してなる積層体2
01と、積層体201の両端部に付設した一対の入出力
端子202と、積層体201の外面に形成したグランド
端子203と、後述する第1の共振素子片と第2の共振
素子片とを接続する複数の接続電極204,205,2
06とを備えている。
【0071】入出力端子202は、第1の実施の形態と
同様に、積層体201の両端面の中央部において上面及
び下面の端部に亘り線状に形成されている。グランド端
子203は、積層体201の一方の側面の全面から端
面,上面及び下面の端部に亘り形成されている。接続電
極204〜206は、前記グランド端子203と反対側
の側面に形成されている。各接続電極204〜206
は、それぞれ上面及び下面の端部に亘り、互いに間隔を
おいて平行に形成されている。
【0072】図12に示すように、積層体201は、導
体が形成されていない誘電体層210と所定パターンの
導体を形成した複数の誘電体層211〜217を積層し
た一体構造となっている。各誘電体層210〜217
は、例えばBaTiO3系の誘電性を有するセラミック
焼結体からなる。この積層体201が前記第1の実施の
形態に係る積層体101と相違する主な点はビアホール
を備えていない点にある。
【0073】誘電体層211には、第1のグランド電極
221が形成されている。第1のグランド電極221
は、前記グランド端子と接続するよう誘電体層211の
一方の長辺に露出している。
【0074】誘電体層212には、矩形の波長短縮用電
極222,223,224と、結合用電極225が形成
されている。各波長短縮用電極222〜224及び結合
用電極225の形状等については、第1の実施の形態と
同様なので説明を省略する。
【0075】誘電体層213には、ストリップライン型
の第1の共振素子片226,227,228が互いに平
行となるように形成されている。各第1の共振素子片2
26〜228は、誘電体層213の短手方向に延びてい
る。すなわち、各第1の共振素子片226〜228は、
前記入出力端子202を結ぶ方向と直交する方向に延び
ている。各第1の共振素子片226〜228の一方の端
部は、誘電体層213の一方の長辺に露出し、それぞれ
前記接続電極204〜206に接続している。この誘電
体層213には、前記第1の実施の形態と異なりビアホ
ールが形成されていない。
【0076】誘電体層214には、前記誘電体層212
と同様に、矩形の波長短縮用電極229,230,23
1と、結合用電極232が形成されている。各波長短縮
用電極229〜231及び結合用電極232の形状等に
ついては、第1の実施の形態と同様なので説明を省略す
る。この誘電体層214には、前記第1の実施の形態と
異なりランド及びビアホールが形成されていない。
【0077】誘電体層215には、第2のグランド電極
236が形成されている。第2のグランド電極236の
形状等は、前記誘電体層211に形成された第1のグラ
ンド電極221と同様である。この誘電体層215に
は、前記第1の実施の形態と異なりランド及びビアホー
ルが形成されていない。
【0078】誘電体層216には、ストリップライン型
の第2の共振素子片240,241,242が形成され
ている。各第2の共振素子片240〜242は、前記第
1の共振素子片226〜228と誘電体層213〜21
5を挟んで対向するように配置されている。第2の共振
素子片240〜242の一端側は、誘電体層116の一
方の長辺に露出し、それぞれ接続電極204〜206に
接続している。したがって、第2の共振素子片240〜
242の一端側は、積層体201の外面に形成された接
続電極204〜206を介してそれぞれ対応する第1の
共振素子片226〜228の一端側と接続している。こ
れにより、第1の共振素子片226と第2の共振素子片
240が組となって1つの共振素子を構成している。同
様に、第1の共振素子片227と第2の共振素子片24
1、第1の共振素子片228と第2の共振素子片241
が組となって、それぞれ1つの共振素子を構成してい
る。また、各第2の共振素子片240〜242の他端側
は、前記グランド端子203に接続するよう誘電体層2
16の一方の長辺に露出している。
【0079】3つの第2の共振素子片240〜242の
うち入出力側の第2の共振素子片240及び242に
は、前記入出力端子202と接続する入出力電極243
及び244が接続されている。この入出力電極243及
び244の形状等は、第1の実施の形態に係る入出力端
子電極143及び144と同様である。
【0080】誘電体層217には、第3のグランド電極
245が形成されている。第3のグランド電極245
は、前記第1のグランド電極221と同一の形状を有す
る。
【0081】この積層型誘電体フィルタ200の等価回
路は、前述した第1の実施形態に係る積層型誘電体フィ
ルタ100とほぼ同様である。両者の相違点は、積層型
誘電体フィルタ100では第2のグランド電極136と
ランド137〜139との間に生じるキャパシタ178
〜180が存在するが、本実施形態に係る積層型誘電体
フィルタ200では当該キャパシタが存在しないところ
にある。
【0082】このような積層型誘電体フィルタ200で
は、第1の実施形態と同様に、共振素子がそれぞれ互い
に異なる層に形成された1組の第1の共振素子片226
〜228と第2の共振素子片240〜242で構成され
るので、各共振素子の電気長を大きく取ることができ
る。これにより、各共振素子の共振周波数を下げること
ができるので、高い品質係数(Q)を維持しつつ小型化
が容易となる。
【0083】また、この積層型誘電体フィルタ200
は、ビアホールを形成する必要がないので、第1の実施
形態と比較して製造が容易である。
【0084】なお、本実施の形態では、グランド端子2
03を一方の側面側に付設したが、図13に示すよう
に、入出力端子202が形成された端面に更にグランド
端子203aを付設してもよい。このグランド端子20
3aは、積層体201の両端面の中央部より接続電極2
04〜206側において上面及び下面の端部に亘り線状
に形成されている。また、誘電体層211に形成された
第1のグランド電極221は、図14に示すように、接
続電極204〜206側に前記グランド端子203aと
の接続部221aが形成されている。誘電体層215に
形成された第2のグランド電極236及び誘電体層21
7に形成された第3のグランド電極245も同様であ
る。
【0085】(第3の実施の形態)本発明の第3の実施
形態に係る積層型誘電体フィルタについて図15及び図
16を参照して説明する。図15は第3の実施形態に係
る積層型誘電体フィルタの積層構造を説明する図、図1
6は第3の実施形態に係る積層型誘電体フィルタの等価
回路である。
【0086】本実施形態に係る積層型誘電体フィルタが
第1の実施形態に係る積層型誘電体フィルタ100と相
違する点は、入出力端子と共振素子との接続形態にあ
る。この相違により、積層体の構造が第1の実施の形態
と相違する。また、等価回路も第1の実施形態と相違す
る。
【0087】図15に示すように、本実施の形態に係る
積層型誘電体フィルタの積層体301は、導体が形成さ
れていない誘電体層310と所定パターンの導体を形成
した複数の誘電体層311〜318を積層した一体構造
となっている。各誘電体層310〜318は、例えばB
aTiO3系の誘電性を有するセラミック焼結体からな
る。
【0088】誘電体層311には、第1のグランド電極
321が形成されている。第1のグランド電極321の
形状等については、第1の実施の形態に係る第1のグラ
ンド電極121と同様なので説明を省略する。
【0089】誘電体層312には、矩形の波長短縮用電
極322,323,324と、結合用電極325が形成
されている。各波長短縮用電極322〜324及び結合
用電極325の形状等については、第1の実施の形態と
同様なので説明を省略する。
【0090】誘電体層313には、ストリップライン型
の第1の共振素子片326,327,328が互いに平
行となるように形成されている。また、誘電体層313
には、各第1の共振素子片326〜328の開放端側と
反対側の端部にビアホール(図示省略)が形成されてい
る。第1の共振素子片326〜328の形状等について
は、第1の実施の形態と同様なので説明を省略する。
【0091】誘電体層314には、前記誘電体層312
と同様に、矩形の波長短縮用電極329,330,33
1と、結合用電極332と、ランド333,334,3
35が形成されている。各波長短縮用電極329〜33
1,結合用電極332及びランド333〜335の形状
等については、第1の実施の形態と同様なので説明を省
略する。また、誘電体層314にはランド333〜33
5の形成位置にビアホール(図示省略)が形成されてい
る。
【0092】誘電体層315には、第2のグランド電極
336と、ランド337,338,339が形成されて
いる。第2のグランド電極336及びランド337〜3
39の形状等については、第1の実施の形態と同様なの
で説明を省略する。また、誘電体層315にはランド3
37〜339の形成位置にビアホール(図示省略)が形
成されている。
【0093】誘電体層316には、ストリップライン型
の第2の共振素子片340,341,342が形成され
ている。各第2の共振素子片340〜342は、前記第
1の共振素子片326〜328と誘電体層313〜31
5を挟んで対向するように配置されている。第2の共振
素子片340〜342の一端側は、それぞれ誘電体層3
15の各ビアホールに接続している。したがって、第2
の共振素子片340〜342の一端側は、各誘電体層3
13〜315に形成されたビアホールを介してそれぞれ
対応する第1の共振素子片326〜328の一端側と接
続している。これにより、第1の共振素子片326と第
2の共振素子片340が組となって1つの共振素子を構
成している。同様に、第1の共振素子片327と第2の
共振素子片341、第1の共振素子片328と第2の共
振素子片342が組となって、それぞれ1つの共振素子
を構成している。また、各第2の共振素子片340〜3
42の他端側は、前記グランド端子303に接続するよ
う誘電体層316の一方の長辺に露出している。
【0094】誘電体層317には、一対の矩形の入出力
電極343及び344が形成されている。各入出力電極
343,344は、前記入出力端子302に接続するよ
う一端側が誘電体層316の短辺の中央部に露出してい
る。また、入出力電極343,344の他端側は、それ
ぞれ前記第2の共振素子片340,342の中央部付近
と誘電体層316を挟んで重なるように形成されてい
る。
【0095】誘電体層318には、第3のグランド電極
345が形成されている。第3のグランド電極345
は、前記第1のグランド電極321と同一の形状を有す
る。
【0096】図16に積層型誘電体フィルタ300の等
価回路を示す。図において、キャパシタ361及び36
2は、それぞれ入出力電極443,444と第2の共振
素子片340,342との間に生じるキャパシタ成分で
ある。
【0097】また、共振素子363は、第1の共振素子
片326及び第2の共振素子片340により構成されて
いる。同様に、共振素子364は第1の共振素子片32
7及び第2の共振素子片341により構成され、共振素
子365は第1の共振素子片328及び第2の共振素子
片342により構成されている。他の素子については第
1の実施形態と同様なので説明を省略する。
【0098】このような積層型誘電体フィルタ300で
は、第1の実施形態と同様に、共振素子363〜365
がそれぞれ互いに異なる層に形成された1組の第1の共
振素子片326〜328と第2の共振素子片340〜3
42で構成されるので、各共振素子の電気長を大きく取
ることができる。これにより、各共振素子の共振周波数
を下げることができるので、高い品質係数(Q)を維持
しつつ小型化が容易となる。他の作用及び効果について
は、第1の実施形態と同様である。また、第2のグラン
ド電極336の構造、誘電体層の積層構造、結合用電極
の形成位置、各共振素子片の構造、ビアホールの構造、
入出力電極の形成位置について、第1の実施の形態と同
様の変形例を実施できることは言うまでもない。
【0099】なお、第2の実施形態に係る積層型誘電体
フィルタ200においても、入出力端子と共振素子との
接続形態を本実施の形態の如く変形させてもよい。
【0100】(第4の実施の形態)本発明の第4の実施
形態に係る積層型誘電体フィルタについて図17及び図
18を参照して説明する。図17は第4の実施形態に係
る積層型誘電体フィルタの積層構造を説明する図、図1
8は第4の実施形態に係る積層型誘電体フィルタの等価
回路である。
【0101】本実施形態に係る積層型誘電体フィルタが
第1の実施形態に係る積層型誘電体フィルタ100と相
違する点は、入出力端子と共振素子との接続形態にあ
る。この相違により、積層体の構造が第1の実施の形態
と相違する。また、等価回路も第1の実施形態と相違す
る。
【0102】図17に示すように、本実施の形態に係る
積層型誘電体フィルタの積層体401は、導体が形成さ
れていない誘電体層410と所定パターンの導体を形成
した複数の誘電体層411〜418を積層した一体構造
となっている。各誘電体層410〜418は、例えばB
aTiO3系の誘電性を有するセラミック焼結体からな
る。
【0103】誘電体層411には、第1のグランド電極
421が形成されている。第1のグランド電極421の
形状等については、第1の実施の形態に係る第1のグラ
ンド電極421と同様なので説明を省略する。
【0104】誘電体層412には、矩形の波長短縮用電
極422,423,424と、結合用電極425が形成
されている。各波長短縮用電極422〜424及び結合
用電極425の形状等については、第1の実施の形態と
同様なので説明を省略する。
【0105】誘電体層413には、ストリップライン型
の第1の共振素子片426,427,428が互いに平
行となるように形成されている。また、誘電体層413
には、各第1の共振素子片426〜428の開放端側と
反対側の端部にビアホール(図示省略)が形成されてい
る。第1の共振素子片426〜428の形状等について
は、第1の実施の形態と同様なので説明を省略する。
【0106】誘電体層414には、前記誘電体層412
と同様に、矩形の波長短縮用電極429,430,43
1と、結合用電極432と、ランド433,434,4
35が形成されている。各波長短縮用電極429〜43
1,結合用電極432及びランド433〜435の形状
等については、第1の実施の形態と同様なので説明を省
略する。また、誘電体層414にはランド433〜43
5の形成位置にビアホール(図示省略)が形成されてい
る。
【0107】誘電体層415には、第2のグランド電極
436と、ランド437,438,439が形成されて
いる。第2のグランド電極436及びランド437〜4
39の形状等については、第1の実施の形態と同様なの
で説明を省略する。また、誘電体層415にはランド4
37〜439の形成位置にビアホール(図示省略)が形
成されている。
【0108】誘電体層416には、ストリップライン型
の第2の共振素子片440,441,442が形成され
ている。各第2の共振素子片440〜442は、前記第
1の共振素子片440〜442と誘電体層413〜41
5を挟んで対向するように配置されている。第2の共振
素子片440〜442の一端側は、それぞれ誘電体層4
15の各ビアホールに接続している。したがって、第2
の共振素子片440〜442の一端側は、各誘電体層4
13〜415に形成されたビアホールを介してそれぞれ
対応する第1の共振素子片426〜428の一端側と接
続している。これにより、第1の共振素子片426と第
2の共振素子片440が組となって1つの共振素子を構
成している。同様に、第1の共振素子片427と第2の
共振素子片441、第1の共振素子片428と第2の共
振素子片442が組となって、それぞれ1つの共振素子
を構成している。また、各第2の共振素子片440〜4
42の他端側は、前記グランド端子403のに接続する
よう誘電体層416の一方の長辺に露出している。
【0109】3つの第2の共振素子片440〜442の
うち出力側(又は入力側)の第2の共振素子片442に
は、出力側(又は入力側)の入出力端子202と接続す
る入出力電極443が接続されている。この入出力電極
443の形状等は、第1の実施の形態に係る入出力端子
電極143及び144と同様である。
【0110】誘電体層417には、矩形の入力側(又は
出力側)の入出力端子402と接続する入出力電極44
4が形成されている。この入出力電極444の形状等
は、第3の実施の形態に係る入出力端子電極343及び
344と同様である。
【0111】誘電体層418には、第3のグランド電極
445が形成されている。第3のグランド電極445
は、前記第1のグランド電極421と同一の形状を有す
る。
【0112】図18に積層型誘電体フィルタ400の等
価回路を示す。図において、キャパシタ461は、入出
力電極444と第2の共振素子片340との間に生じる
キャパシタ成分である。また、インダクタ462は、そ
れぞれ入出力電極443の接続線部443bによるイン
ダクタ成分である。
【0113】また、共振素子463は、第1の共振素子
片426及び第2の共振素子片440により構成されて
いる。同様に、共振素子464は第1の共振素子片42
7及び第2の共振素子片441により構成され、共振素
子465は第1の共振素子片428及び第2の共振素子
片442により構成されている。他の素子については第
1の実施形態と同様なので説明を省略する。
【0114】このような積層型誘電体フィルタ400で
は、第1の実施形態と同様に、共振素子463〜465
がそれぞれ互いに異なる層に形成された1組の第1の共
振素子片426〜428と第2の共振素子片440〜4
42で構成されるので、各共振素子の電気長を大きく取
ることができる。これにより、各共振素子の共振周波数
を下げることができるので、高い品質係数(Q)を維持
しつつ小型化が容易となる。他の作用及び効果について
は、第1の実施形態と同様である。また、第2のグラン
ド電極436の構造、誘電体層の積層構造、結合用電極
の形成位置、各共振素子片の構造、ビアホールの構造、
入出力電極の形成位置について、第1の実施の形態と同
様の変形例を実施できることは言うまでもない。
【0115】なお、第2の実施形態に係る積層型誘電体
フィルタ200においても、入出力端子と共振素子との
接続形態を本実施の形態の如く変形させてもよい。
【0116】(第5の実施の形態)本発明の第5の実施
形態に係る積層型誘電体フィルタについて図19を参照
して説明する。図19は第5の実施形態に係る積層型誘
電体フィルタにおける入出力電極を説明する図である。
【0117】本実施形態に係る積層型誘電体フィルタが
第1の実施形態に係る積層型誘電体フィルタ100と相
違する点は、入出力端子と共振素子との接続形態にあ
る。具体的には、第1の共振素子片と第2の共振素子片
を接続するビアホールと入出力端子を接続している。こ
の相違により、積層体の構造が第1の実施の形態と相違
する。
【0118】図19に示すように、本実施の形態に係る
積層型誘電体フィルタの積層体501は、導体が形成さ
れていない誘電体層510と所定パターンの導体を形成
した複数の誘電体層511〜518を積層した一体構造
となっている。各誘電体層510〜518は、例えばB
aTiO3系の誘電性を有するセラミック焼結体からな
る。
【0119】誘電体層511には、第1のグランド電極
521が形成されている。第1のグランド電極521の
形状等については、第1の実施の形態に係る第1のグラ
ンド電極121と同様なので説明を省略する。
【0120】誘電体層512には、矩形の波長短縮用電
極522,523,524と、結合用電極525が形成
されている。各波長短縮用電極522〜524及び結合
用電極525の形状等については、第1の実施の形態と
同様なので説明を省略する。
【0121】誘電体層513には、ストリップライン型
の第1の共振素子片526,527,528が互いに平
行となるように形成されている。また、誘電体層513
には、各第1の共振素子片526〜528の開放端側と
反対側の端部にビアホール(図示省略)が形成されてい
る。第1の共振素子片526〜528の形状等について
は、第1の実施の形態と同様なので説明を省略する。
【0122】誘電体層514には、前記誘電体層512
と同様に、矩形の波長短縮用電極529,530,53
1と、結合用電極532と、ランド533,534,5
35が形成されている。各波長短縮用電極529〜53
1,結合用電極532及びランド533〜535の形状
等については、第1の実施の形態と同様なので説明を省
略する。また、誘電体層514にはランド533〜53
5の形成位置にビアホール(図示省略)が形成されてい
る。
【0123】誘電体層515には、第2のグランド電極
536と、ランド537,538,539が形成されて
いる。第2のグランド電極536及びランド537〜5
39の形状等については、第1の実施の形態と同様なの
で説明を省略する。また、誘電体層515にはランド5
37〜539の形成位置にビアホール(図示省略)が形
成されている。
【0124】誘電体層516には、入出力端子と接続す
る入出力電極540及び541が形成されている。入出
力電極540,541は、それぞれ入出力端子と接続す
る入出力部540a,541bと、該入出力部540
a,541aから延びる接続線部540b,541とを
備えている。接続線部540b,541bは、蛇行した
線状に形成されており、その端部が第1の共振素子片5
26,528に接続するビアホールに接続するように配
置されている。接続線部540b,541bの端部には
ビアホールが形成されている。また、誘電体層516に
は、第1の共振素子片527に接続するビアホールに接
続するランド542が形成されている。該ランド542
の形成位置にはビアホールが形成されている。誘電体層
517には、ストリップライン型の第2の共振素子片5
43,544,545が形成されている。各第2の共振
素子片543〜545は、前記第1の共振素子片526
〜528と誘電体層513〜516を挟んで対向するよ
うに配置されている。第2の共振素子片543〜545
の一端側は、それぞれ誘電体層516の各ビアホールに
接続している。したがって、第2の共振素子片543〜
545の一端側は、各誘電体層513〜516に形成さ
れたビアホールを介してそれぞれ対応する第1の共振素
子片526〜528の一端側と接続している。これによ
り、第1の共振素子片526と第2の共振素子片543
が組となって1つの共振素子を構成している。同様に、
第1の共振素子片527と第2の共振素子片544、第
1の共振素子片528と第2の共振素子片545が組と
なって、それぞれ1つの共振素子を構成している。ま
た、各第2の共振素子片543〜545の他端側は、前
記グランド端子に接続するよう誘電体層316の一方の
長辺に露出している。
【0125】誘電体層518には、第3のグランド電極
546が形成されている。第3のグランド電極546
は、前記第1のグランド電極521と同一の形状を有す
る。
【0126】このような積層型誘電体フィルタ500で
は、第1の実施形態と同様に、共振素子がそれぞれ互い
に異なる層に形成された1組の第1の共振素子片526
〜528と第2の共振素子片543〜545で構成され
るので、各共振素子の電気長を大きく取ることができ
る。これにより、各共振素子の共振周波数を下げること
ができるので、高い品質係数(Q)を維持しつつ小型化
が容易となる。他の作用及び効果については、第1の実
施形態と同様である。また、第2のグランド電極536
の構造、誘電体層の積層構造、結合用電極の形成位置、
各共振素子片の構造、ビアホールの構造について、第1
の実施の形態と同様の変形例を実施できることは言うま
でもない。
【0127】なお、第2の実施形態に係る積層型誘電体
フィルタ500においても、入出力端子と共振素子との
接続形態を本実施の形態の如く変形させてもよい。
【0128】(第6の実施の形態)本発明の第6の実施
形態に係る積層型誘電体フィルタアレイについて図20
及び図21を参照して説明する。図20は第6の実施形
態に係る積層型誘電体フィルタアレイの外観斜視図、図
21は第5の実施形態に係る積層型誘電体フィルタアレ
イの積層構造を説明する図である。
【0129】この積層型誘電体フィルタアレイ(以下単
に「フィルタアレイ」と省略する。)600は、第1の
実施の形態に係る積層型誘電体フィルタを2回路分有し
ている。図20に示すように、フィルタアレイ600
は、誘電体と導体を積層してなる積層体601と、積層
体601の両端部に付設した二対の入出力端子602
と、積層体601の外面に形成したグランド端子603
とを備えている。
【0130】入出力端子602は、積層体601の両端
面において上面及び下面の端部に亘り線状に形成されて
いる。各端面に形成された入出力端子602は、互いに
平行に配置されている。グランド端子603は、積層体
601の側面の全面から端面,上面及び下面の端部に亘
り形成されている。
【0131】図21に示すように、積層体601は、導
体が形成されていない誘電体層610と所定パターンの
導体を形成した複数の誘電体層611〜617を積層し
た一体構造となっている。各誘電体層610〜617
は、例えばBaTiO3系の誘電性を有するセラミック
焼結体からなる。
【0132】各誘電体層611〜617に形成されたパ
ターンは、第1の実施の形態に係る誘電体層111〜1
17に形成されたパターンと、該パターンに対する線対
称のパターンとを併設したものである。ここで、線対称
の基準となる線は、第1の実施の形態においてビアホー
ルが形成されている側の誘電体層の長辺である。
【0133】ここで、誘電体層611,615,618
に形成されている第1のグランド電極621、第2のグ
ランド電極626、第3のグランド電極645は、各回
路で共通となっている。
【0134】このようなフィルタアレイ600では、1
つの部品内に2つのフィルタ回路を有しているので、複
数のフィルタを回路基板に実装する際に高密度化を図る
ことができる。また、共振素子がそれぞれ互いに異なる
層に形成された1組の第1の共振素子片と第2の共振素
子片で構成されるので、各共振素子の電気長を大きく取
ることができる。これにより、各共振素子の共振周波数
を下げることができるので、高い品質係数(Q)を維持
しつつ小型化が容易となる。他の作用及び効果について
は第1の実施の形態と同様である。
【0135】なお、本実施の形態に係るフィルタアレイ
600においても、第2のグランド電極の構造や、誘電
体層の積層構造について、第1の実施の形態と同様の変
形例を実施できることは言うまでもない。
【0136】また、本実施の形態に係るフィルタアレイ
600においても、入出力端子と共振素子との接続形態
を第3〜第5の実施形態の如く変形させてもよい。
【0137】さらに、図22に示すように、フィルタア
レイ600の中央に帯状のグランド端子604を設ける
ようにしてもよい。この場合には、図23に示すよう
に、誘電体層611に形成されたグランド電極621に
該グランド端子604と接続するように張出部621a
を設ければよい。誘電体層615に形成された第2のグ
ランド電極636、誘電体層617に形成された第3の
グランド電極645についても同様である。
【0138】(第7の実施の形態)本発明の第7の実施
形態に係る積層型誘電体フィルタアレイについて図24
を参照して説明する。図24は第7の実施形態に係る積
層型誘電体フィルタアレイの外観斜視図である。
【0139】このフィルタアレイ700は、前述した第
1〜第5の実施形態に係る積層型誘電体フィルタを複数
結合している。図24では、2つの積層型誘電体フィル
タ710及び720とを、グランド端子713及び72
3の形成面が対向するように接着している。ここで、2
つの積層型誘電体フィルタ710及び720とは、例え
ば導電性樹脂による接着などグランド端子713及び7
23間が導通するように接着している。
【0140】このフィルタアレイ700によれば、複数
のフィルタを回路基板に実装する際に高密度化を図るこ
とができる。また、第1〜5の実施形態に係る各積層型
誘電体フィルタを用いているので、各共振素子の電気長
を大きく取ることができる。これにより、各共振素子の
共振周波数を下げることができるので、高い品質係数
(Q)を維持しつつ小型化が容易となる。さらに、第1
〜第5の実施形態に係る各積層型誘電体フィルタを用い
ているので、回路毎に異なる特性を有するフィルタアレ
イを容易に得ることができる。
【0141】なお、本実施の形態では、2つの積層型誘
電体フィルタ710及び720とを、グランド端子71
3及び723が導通するように接着しているが、非導電
性の接着材などを用いて両端子間を非導通としてもよ
い。この場合には、グランド端子713及び723とが
導通接続するように実装先の回路基板にパターンを設け
ると好適である。
【0142】また、本実施の形態では、2つの積層型誘
電体フィルタ710及び720を接着しているが、3つ
以上の積層型誘電体フィルタを接着してもよい。
【0143】(第8の実施の形態)本発明の第8の実施
形態に係る積層型誘電体フィルタアレイについて図25
を参照して説明する。図25は第8の実施形態に係る積
層型誘電体フィルタアレイの外観斜視図である。
【0144】このフィルタアレイ800は、前述した第
1〜第5の実施形態に係る積層型誘電体フィルタを複数
結合している。図25では、2つの積層型誘電体フィル
タ810及び820とを、入出力端子812及び822
の形成面が対向するように接着している。ここで、2つ
の積層型誘電体フィルタ810及び820とは、例えば
導電性樹脂による接着など入出力端子812及び822
間が導通するように接着している。
【0145】このフィルタアレイ800によれば、複数
のフィルタを回路基板に実装する際に高密度化を図るこ
とができる。また、第1〜5の実施形態に係る各積層型
誘電体フィルタを用いているので、各共振素子の電気長
を大きく取ることができる。これにより、各共振素子の
共振周波数を下げることができるので、高い品質係数
(Q)を維持しつつ小型化が容易となる。さらに、第1
〜第5の実施形態に係る各積層型誘電体フィルタを用い
ているので、回路毎に異なる特性を有するフィルタアレ
イを容易に得ることができる。
【0146】なお、本実施の形態では、2つの積層型誘
電体フィルタ810及び820とを、入出力端子812
及び822が導通するように接着しているが、非導電性
の接着材などを用いて両端子間を非導通としてもよい。
この場合には、入出力端子812及び822とが導通接
続するように実装先の回路基板にパターンを設けると好
適である。
【0147】また、本実施の形態では、2つの積層型誘
電体フィルタ810及び820を接着しているが、3つ
以上の積層型誘電体フィルタを接着してもよい。
【0148】なお、前述した各実施の形態では、積層体
内に3つの共振素子を備えるものを例示したが、共振素
子が2つであっても、4つ以上であってもよい。
【0149】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る積層
型誘電体フィルタ及び積層型誘電体フィルタアレイによ
れば、共振素子は第1の共振素子片と第2の共振素子片
を有し、且つ、第1の共振素子片と第2の共振素子片と
は第2のグランド電極を挟んで異なる層に形成されてい
るので、共振素子全体の共振周波数を下げることができ
る。これにより、共振周波数が同一であれば従来の積層
型誘電体フィルタよりも部品サイズの小型化を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る積層型誘電体フィルタの
外観斜視図
【図2】第1の実施形態に係る積層型誘電体フィルタの
積層構造を説明する図
【図3】第1の実施形態に係る積層型誘電体フィルタの
ビアホールの構造を説明する図
【図4】第1の実施形態に係る積層型誘電体フィルタの
等価回路
【図5】第1の実施形態に係る積層型誘電体フィルタの
他の例に係る第2のグランド電極の平面図
【図6】第1の実施形態に係る積層型誘電体フィルタの
他の例に係るビアホールの構造を説明する
【図7】第1の実施形態に係る積層型誘電体フィルタの
他の例に係るビアホールの形成過程を説明する図
【図8】第1の実施形態に係る積層型誘電体フィルタの
他の例に係るビアホールの構造を説明する図
【図9】第1の実施形態に係る積層型誘電体フィルタの
他の例に係る第1及び第2の共振素子片の平面図
【図10】第1の実施形態に係る積層型誘電体フィルタ
の他の例に係る第1及び第2の共振素子片の平面図
【図11】第2の実施形態に係る積層型誘電体フィルタ
の外観斜視図
【図12】第2の実施形態に係る積層型誘電体フィルタ
の積層構造を説明する図
【図13】第2の実施形態の他の例に係る積層型誘電体
フィルタの外観斜視図
【図14】第2の実施形態の他の例に係る積層型誘電体
フィルタの第2のグランド電極の平面図
【図15】第3の実施形態に係る積層型誘電体フィルタ
の積層構造を説明する図
【図16】第3の実施形態に係る積層型誘電体フィルタ
の等価回路
【図17】第4の実施形態に係る積層型誘電体フィルタ
の積層構造を説明する図
【図18】第4の実施形態に係る積層型誘電体フィルタ
の等価回路
【図19】第5の実施形態に係る積層型誘電体フィルタ
の積層構造を説明する図
【図20】第5の実施形態に係る積層型誘電体フィルタ
アレイの外観斜視図
【図21】第5の実施形態に係る積層型誘電体フィルタ
アレイの積層構造を説明する図
【図22】第5の実施形態の他の例に係る積層型誘電体
フィルタアレイの外観斜視図
【図23】第5の実施形態の他の例に係る積層型誘電体
フィルタの第2のグランド電極の平面図
【図24】第6の実施形態に係る積層型誘電体フィルタ
アレイの外観斜視図
【図25】第7の実施形態に係る積層型誘電体フィルタ
アレイの外観斜視図
【図26】従来の積層型誘電体フィルタの外観斜視図
【図27】従来の積層型誘電体フィルタの積層構造を説
明する図
【符号の説明】
100,200,300,400,500,710,7
20,810,820…積層型誘電体フィルタ、60
0,700,800…積層型誘電体フィルタアレイ、1
01,201,301,401,501,601…積層
体、102,202,302,402,502,60
2,812,822…入出力端子、103,203,3
03,403,503,603,713,723…グラ
ンド端子、204〜206…接続電極、121,22
1,321,421,521,621…第1のグランド
電極、126〜128,226〜228,326〜32
8,426〜428,526〜528…第1の共振素子
片、136,236,336,436,536,636
…第2のグランド電極、140〜142,240〜24
2,340〜342,440〜442,543〜545
…第2の共振素子片、145,245,345,44
5,546,645…第3のグランド電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 尚都 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内 (72)発明者 天野 崇 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内 Fターム(参考) 5E001 AB03 AC01 AC05 AH01 AJ01 AJ03 AZ01 5E082 AA01 AB03 BC14 DD08 EE04 EE16 EE23 EE35 FF05 FG06 FG26 FG54 GG10 GG11 GG28 JJ02 JJ15 JJ23 KK08 LL15 5J006 HA35 HB05 HB13 HB21 HB22 JA01 JA05 LA23 NA03 NB07 NC03 NF02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体と導体とを積層してなり共振素子
    が埋設された積層体と、該積層体の外面に形成された入
    出力端子及びグランド端子とを備えた積層型誘電体フィ
    ルタにおいて、 それぞれ前記グランド端子と接続し且つ互いに誘電体層
    を介して配置された第1,第2及び第3のグランド電極
    を備え、 前記共振素子は、 前記第1のグランド電極と前記第2のグランド電極との
    間に誘電体層を介して配置され、且つ、一端側が開放端
    となっている第1の共振素子片と、 前記第2のグランド電極と前記第3のグランド電極との
    間に誘電体層を介して配置され、一端側が前記第1の共
    振素子片の他端側と接続され、且つ、他端側が前記グラ
    ンド端子に短絡された第2の共振素子片とを有すること
    を特徴とする積層型誘電体フィルタ。
  2. 【請求項2】 前記第1の共振素子片と前記第2の共振
    素子片はビアホールを介して接続されていることを特徴
    とする請求項1記載の積層型誘電体フィルタ。
  3. 【請求項3】 前記第2のグランド電極が形成された誘
    電体層にはビアホール用のランドが形成され、 前記第2のグランド電極は該ランドと非導通となるよう
    該ランドと間隔をおいて囲むように形成されていること
    を特徴とする請求項2記載の積層型誘電体フィルタ。
  4. 【請求項4】 前記ビアホールは、ビアホール用のラン
    ドを形成した誘電体層とビアホール用のランドを形成し
    ていない誘電体層とを混在させて積層して形成されてい
    ることを特徴とする請求項2又は3何れか1項記載の積
    層型誘電体フィルタ。
  5. 【請求項5】 前記第1の共振素子片と前記第2の共振
    素子片は、積層体の外面に付設された接続電極を介して
    接続されていることを特徴とする請求項1記載の積層型
    誘電体フィルタ。
  6. 【請求項6】 誘電体と導体とを積層してなり複数のフ
    ィルタ回路分の共振素子が埋設された積層体と、該積層
    体の外面に形成されたグランド端子及び前記複数のフィ
    ルタ回路分の入出力端子とを備えた積層型誘電体フィル
    タアレイにおいて、 それぞれ前記グランド端子と接続し且つ互いに誘電体層
    を介して配置され各フィルタ回路で共通な第1,第2及
    び第3のグランド電極を備え、 前記共振素子は、 前記第1のグランド電極と前記第2のグランド電極との
    間に誘電体層を介して配置され、且つ、一端側が開放端
    となっている第1の共振素子片と、 前記第2のグランド電極と前記第3のグランド電極との
    間に誘電体層を介して配置され、一端側が前記第1の共
    振素子片の他端側と接続され、且つ、他端側が前記グラ
    ンド端子に短絡された第1の共振素子片とを有すること
    を特徴とする積層型誘電体フィルタアレイ。
  7. 【請求項7】 前記第1の共振素子片と前記第2の共振
    素子片はビアホールを介して接続されていることを特徴
    とする請求項6記載の積層型誘電体フィルタ。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至5何れか1項記載の複数の
    積層型誘電体フィルタを接着してなることを特徴とする
    積層型誘電体フィルタアレイ。
  9. 【請求項9】 各積層型誘電体フィルタのグランド端子
    が対向するように接着されていることを特徴とする請求
    項8記載の積層型誘電体フィルタアレイ。
  10. 【請求項10】 各積層型誘電体フィルタの入出力端子
    が対向するように接着されていることを特徴とする請求
    項8記載の積層型誘電体フィルタアレイ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020506554A (ja) * 2017-02-06 2020-02-27 エイブイエックス コーポレイション 集積コンデンサフィルタおよびバリスタ機能を有する集積コンデンサフィルタ

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