JP2002063825A - 押しボタンスイッチ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 操作感に優れかつ静電気対策を施した押しボ
タンスイッチ装置を得ること。 【構成】 押しボタン用の筒状部を有するケース部材；
このケース部材の筒状部から突出するゴムスイッチ部
材；このゴムスイッチ部材に被着される操作ボタン；を
有し、ケース部材の筒状部には、操作ボタンの押圧操作
端を規制する内方フランジが形成されており、ゴムスイ
ッチ部材には、この内方フランジに対応する環状部が形
成され、この環状部の外側端部に立ち上がり壁を有して
いることを特徴とする押しボタンスイッチ装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【技術分野】本発明は、例えばカメラのレリーズボタン
等に使用される押しボタンスイッチに関する。

【０００２】

【従来技術及びその問題点】従来の押しボタンスイッチ
装置は、ゴムスイッチ部材に操作ボタンを被着させ、開
口部が穿設されたケース部材の内側から全ての部材を組
み立てる構成となっている。

【０００３】操作ボタンには、ケース部材の裏面に当接
する位置で抜け止めされ、ケース部材に穿設された開口
部からの突出を規制する抜け止め突起が形成されてい
る。またケース部材の裏面から、開口部の内径より大径
な内径を持つ環状壁がケース部材内部に向かって突設さ
れている。環状壁には、その内周面の一部が軸線方向に
切除されて移動案内溝が形成されている。

【０００４】ケース部材の内部でゴムスイッチ部材に操
作ボタンを被着させ、操作ボタンに突設した抜け止め突
起を環状壁の底部から移動案内溝にスライド可能に嵌め
込む構成となっている。

【０００５】カメラのレリーズボタンのように指先で押
圧操作する押しボタンスイッチ装置では、カメラ使用者
に帯電していた静電気が、押圧操作時に操作ボタンを介
してカメラ内部に進入し、操作ボタンと環状壁の間を通
って基板に到達し誤作動を生じさせる。さらに別の径路
では、カメラ使用者に帯電した静電気は、押圧操作時に
できた操作ボタンとケース部材の隙間を通ってカメラ内
部に進入し、操作ボタンと環状壁の間を通って基板に到
達し誤作動を生じさせるおそれがある。操作ボタンは押
圧操作された際、ゴムスイッチ部材の環状部を圧縮する
だけで、使用者に押し切った感触が伝わらない可能性が
あった。

【０００６】

【発明の目的】本発明は、操作感に優れかつ静電気対策
を施した押しボタンスイッチ装置を得ることを目的とす
る。

【０００７】

【発明の概要】本発明の押しボタンスイッチ装置は、押
しボタン用の筒状部を有するケース部材；このケース部
材の内部に位置する基板；この基板上のスイッチ回路に
対応する導電スイッチ突起を有し、ケース部材の筒状部
から突出するゴムスイッチ部材；このゴムスイッチ部材
に被着される操作ボタン；及び、操作ボタンの突出穴を
有し、ケース部材上に固定される化粧部材；を有し、ケ
ース部材の筒状部の基板側の端面には、操作ボタンの押
圧操作端を規制する内方フランジが形成されており、ゴ
ムスイッチ部材には、この内方フランジに対応する、基
板上に固定される環状部が形成され、この環状部の外側
端部に立ち上がり壁を有していることを特徴とする。

【０００８】操作ボタンには、化粧部材の突出穴の周縁
下面に入り込みケース部材の外部方向に抜け止めされる
抜け止め突起が形成されている。この抜け止め突起は、
回転止めの働きも併せ持つ。化粧部材の裏面には印刷が
施されているが、押圧操作時に操作ボタンの抜け止め突
起が頻繁に当接する突出穴の周縁は複数回行うのが望ま
しい。

【０００９】

【発明の実施形態】図１ないし図４は、本発明の押しボ
タンスイッチ装置をコンパクトカメラのレリーズボタン
に適用した実施形態を示す。図４はコンパクトカメラの
平面図であり、カメラボディ（ケース部材）１０の上面
には、化粧部材２０が設けられており、この化粧部材２
０内に、レリーズボタン３０が備えられている。

【００１０】レリーズボタン３０は、図１ないし図３に
示すように、ケース部材１０の筒状部１１から突出する
ゴムスイッチ部材５０と、このゴムスイッチ部材５０に
被着され化粧部材２０から突出する操作ボタン４０とを
備えている。ケース部材１０の内部には複数のスイッチ
回路を有する基板６０が配置されている。

【００１１】ケース部材１０には、レリーズボタン３０
用の筒状部１１と、化粧部材２０を固定するためのボン
ド穴１２が四カ所穿設されている。筒状部１１の内周面
には、その一部を軸線方向に切除して、三カ所に移動案
内溝１４が形成されており、基板６０側の端面には、操
作ボタン４０の押圧操作端を規制する内方フランジ１５
が形成されている。ケース部材１０には、内方フランジ
１５の基板６０側の面の二カ所にボス部１０ａを突設し
てある。

【００１２】化粧部材２０は、ケース部材１０に設置さ
れた枚数表示板等のＬＣＤ表示部１３を透過する透明部
２１を有し（図４）、操作ボタン４０が突出する突出穴
２２が穿設されている。突出穴２２の内周縁外面にはカ
ット面２３が形成されている。さらに化粧部材２０の裏
面は、透明部２１を除いて印刷を施した印刷面２４と
し、その印刷は突出穴２２の周縁では複数回施されてい
る。

【００１３】操作ボタン４０は、ケース部材１０の筒状
部１１の内径よりわずかに小さい外径の略円筒状部材で
あり、その下端付近の側面から半径方向の三カ所に抜け
止め突起４１が突設され、その裏面の二カ所にボス部４
０ａが突設されている。この抜け止め突起４１は、ケー
ス部材１０の移動案内溝１４にスライド可能に嵌って、
化粧部材２０の突出穴２２の周縁下面に入り込み抜け止
めされる。この操作ボタン４０は、金属や、全面に鍍金
を施された合成樹脂から構成することができる。

【００１４】ゴムスイッチ部材５０は、弾性を備えたゴ
ム材料からなっていて、環状部５３と、環状部５３より
小径な本体部５１と、環状部５３と本体部５１の間にケ
ース部材１０の内側に向けて広がる円錐台状の弾性支持
部５２を備えている。本体部５１には基板６０側の面の
中心に中心導電スイッチ突起５５が突設され、その両脇
に中心導電スイッチ突起５５より長い二本の周辺導電ス
イッチ突起５６が突設されている。また、この本体部５
１の操作ボタン４０側の面には、操作ボタン４０のボス
部４０ａより小径の凹部５１ｂが二カ所穿設されている
（図２）。環状部５３は、その外側端部に立ち上がり壁
５４を有し、ケース部材１０外表面側の面にケース部材
１０のボス部１０ａより小径の凹部５３ｂが二カ所穿設
されている。

【００１５】カメラに組み込む手順は、はじめに、ゴム
スイッチ部材５０の環状部５３の凹部５３ｂにケース部
材１０のボス部１０ａを圧入する。次に、操作ボタン４
０の抜け止め突起４１をケース部材１０の移動案内溝１
４に嵌めこみ、ケース部材１０の筒状部１１から突出し
たゴムスイッチ部材５０の本体部５１の凹部５１ｂに操
作ボタン４０のボス部４０ａを圧入する。最後に、操作
ボタン４０を化粧部材２０の突出穴２２から突出させ、
抜け止め突起４１を介して化粧部材２０で操作ボタン４
０をケース部材１０内部に押し込むようにし、ケース部
材１０に穿設したボンド穴１２から接着剤を挿入して化
粧部材２０を接着固定する。

【００１６】操作ボタン４０が押圧操作されていない通
常状態では、操作ボタン４０はゴムスイッチ部材５０の
弾性支持部５２により常時上方に移動付勢されており、
その移動端は、操作ボタン４０の抜け止め突起４１が化
粧部材２０の突出穴２２の周縁下面に当接する位置で規
制される。また操作ボタン４０は、移動案内溝１４に嵌
められた抜け止め突起４１によって回転不能とされる。
操作ボタン４０は、この状態でケース部材１０に支持さ
れる。

【００１７】操作ボタン４０が押圧操作されると、はじ
めに弾性支持部５２が弾性変形し、操作ボタン４０の抜
け止め突起４１が移動案内溝１４を基板６０に向かって
スライドする。これに伴いゴムスイッチ部材５０の本体
部５１が基板６０に接近し、やがて周辺導電スイッチ突
起５６が周辺電気接点６２に接触し測光・測距回路をＯ
Ｎさせる。操作ボタン４０への押圧操作をさらに続ける
と、周辺導電スイッチ突起５６が圧縮され中心導電スイ
ッチ突起５５が中心電気接点６１に接触しレリーズ回路
をＯＮさせる。この時、操作ボタン４０の基板６０側の
端面がケース部材１０に穿設した筒状部１１の内方フラ
ンジ１５に当接しケース部材１０内部への移動が規制さ
れる。カメラ使用者には、操作ボタン４０の基板６０側
の端面がケース部材１０に穿設した筒状部１１の内方フ
ランジ１５に当接した時の感触がレリーズボタン３０を
押し切った感触として伝わる。

【００１８】本実施形態によれば、操作ボタン４０の突
出位置を化粧部材２０で規制しているので、ケース部材
１０の外側から操作ボタン４０をゴムスイッチ部材５０
に被着させる構成が可能となった。これによりケース部
材１０に穿設した筒状部１１の基板６０側の端面に内方
フランジ１５を形成する事が可能となった。この内方フ
ランジ１５と環状部５３の外側端部に形成した立ち上が
り壁５４が、押圧操作時に操作ボタン４０を介してケー
ス部材１０の内側に進入した静電気の基板６０への径路
を複雑にする。これにより静電気の基板６０への径路は
迷路状となり静電気は基板６０に到達しにくくなる。よ
って本実施形態では、金属製の操作ボタン４０や、全面
に鍍金を施された合成樹脂製の操作ボタン４０などの静
電気を放電しやすい材質で構成された操作ボタン４０の
使用が可能である。

【００１９】なお、上記実施例では、本発明による押し
ボタンスイッチ装置を、コンパクトカメラに設けたレリ
ーズボタンスイッチ装置に関して説明したが、本発明は
この実施例に限定されることなく、押しボタンスイッチ
装置を備えた他のあらゆる機器に適用可能である。

【００２０】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、操作感
に優れかつ静電気に強い押しボタンスイッチ装置を得る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による押しボタンスイッチ装置の一実施
例を示す平面図である。

【図２】図１のII‐II線に沿う断面図である。

【図３】図１のIII‐III線に沿う断面図である。

【図４】本発明による押しボタンスイッチ装置を有する
カメラの平面図である。

【符号の説明】

１０ ケース部材 １０ａ ボス部 １１ 筒状部 １２ ボンド穴 １３ ＬＣＤ表示部 １４ 移動案内溝 １５ 内方フランジ ２０ 化粧部材 ２１ 透明部 ２２ 突出穴 ２３ カット面 ２４ 印刷面 ３０ レリーズボタン ４０ 操作ボタン ４０ａ ボス部 ４１ 抜け止め突起 ５０ ゴムスイッチ部材 ５１ 本体部 ５１ｂ 凹部 ５２ 弾性支持部 ５３ 環状部 ５３ｂ 凹部 ５４ 立ち上がり壁 ５５ 中心導電スイッチ突起 ５６ 周辺導電スイッチ突起 ６０ 基板 ６１ 中心電気接点 ６２ 周辺電気接点

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 押しボタン用の筒状部を有するケース部
   材；このケース部材の内部に位置する基板；この基板上
   のスイッチ回路に対応する導電スイッチ突起を有し、ケ
   ース部材の筒状部から突出するゴムスイッチ部材；この
   ゴムスイッチ部材に被着される操作ボタン；及び操作ボ
   タンの突出穴を有し、ケース部材上に固定される化粧部
   材；を有し、ケース部材の筒状部の基板側の端面には、
   操作ボタンの押圧操作端を規制する内方フランジが形成
   されており、ゴムスイッチ部材には、この内方フランジ
   に対応する、基板上に固定される環状部が形成されてい
   ることを特徴とする押しボタンスイッチ装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の押しボタンスイッチ装置
   において、操作ボタンには、化粧部材の突出穴の周縁下
   面に入り込む抜け止め突起が形成されている押しボタン
   スイッチ装置。
3. 【請求項３】 請求項１または２記載の押しボタンスイ
   ッチ装置において、ゴムスイッチ部材は、環状部の外側
   端部に、立ち上がり壁を有する押しボタンスイッチ装
   置。
4. 【請求項４】 請求項１ないし３のいずれか１項記載の
   押しボタンスイッチ装置において、操作ボタンは金属製
   である押しボタンスイッチ装置。
5. 【請求項５】 請求項１ないし３のいずれか１項記載の
   押しボタンスイッチ装置において、操作ボタンは全面に
   鍍金を施された合成樹脂製である押しボタンスイッチ装
   置。
6. 【請求項６】 請求項１ないし２のいずれか１項記載の
   押しボタンスイッチ装置において、化粧部材の裏面に印
   刷が施されている押しボタンスイッチ装置。
7. 【請求項７】 請求項６記載の押しボタンスイッチ装置
   において、化粧部材の突出穴の周縁裏面の印刷は複数回
   施されている押しボタンスイッチ装置。