JP2002062418A - 回折光学素子及び該回折光学素子を有する光学系 - Google Patents

回折光学素子及び該回折光学素子を有する光学系

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JP2002062418A JP2001166324A JP2001166324A JP2002062418A JP 2002062418 A JP2002062418 A JP 2002062418A JP 2001166324 A JP2001166324 A JP 2001166324A JP 2001166324 A JP2001166324 A JP 2001166324A JP 2002062418 A JP2002062418 A JP 2002062418A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】特開平11−64616号公報記載の素子をよ
り改善した回折光学素子及び該回折光学素子を有する光
学系を提供する。 【解決手段】第1層4、第2層5、第3層6の各層がレ
リーフ型の格子を備え、これらの各層がそれぞれ異なる
材料より成る回折光学素子であって、各層の境界領域で
少なくとも3つの回折光学部を有すると共に、3つの波
長において所定の次数の回折光の回折効率が最大となる
ように設定され、該3つの波長は3原色の主波長と実質
的に一致するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回折光学素子及び該
回折光学素子を有する光学系に関し、特に複数の波長或
いは帯域光で使用する回折光学素子及びそれらを用いた
光学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、屈折光学系においては、分散の異
なる硝材の組み合わせにより色収差を減じる方法が用い
られている。これに対して、レンズ面あるいは光学系の
一部に回折作用を有する回折光学素子を設けることで、
色収差を減じる方法がSPIEVol.1354 In
ternational Lens DesignCo
nference(1990)等の文献や、特開平4−
213421号公報(米国特許第5,044,706号
明細書)、特開平6−324262号公報等により開示
されている。これらは、光学系中の屈折部と回折部とで
は、色収差が逆方向に発現するという物理現象を利用し
たものである。さらに、このような回折光学素子は、そ
の周期的構造の周期を変化させることで非球面レンズ的
な効果をも持たせることができ収差の低減に大きな効果
がある。
【0003】一方、屈折面で屈折する1本の光線は屈折
後も1本の光線であるのに対して、回折光学素子では、
1本の光線は回折後に各次数の光に光線が分かれるとい
う性質を持つ。このため、レンズ系に回折光学素子を用
いる場合には、使用波長領域の光束が特定次数(以降設
計次数ともいう)に集中するような格子設計が不可欠で
ある。具体的には、系における使用波長の全領域におい
て設計次数の光線の回折効率が十分に高い必要性があ
る。
【0004】設計次数以外の回折次数を持った光線が存
在する場合には、本来の設計次数の光が結像する場所で
像性能に悪影響を及ぼすフレア光となる。したがって、
回折光学素子を用いた光学系の構築において重要なこと
は、設計次数での回折効率の分光分布及び設計次数以外
の光線の振る舞いを十分考慮することである。
【0005】図10に示すような回折光学素子の、特定
の回折次数の回折光の回折効率の特性を図11に示す。
図10において、回折光学素子1は基板(ベース)2上
に所定の材料よりなる位相型回折格子4を鋸歯断面形状
にて格子高さ(深さ)dにて形成したものである。回折
効率の値は全透過光束に対する各回折光の光量の割合で
あり、格子境界面での反射などは説明が複雑になるので
考慮しない値になっている。この図11において、横軸
は波長を、縦軸は回折効率を表している。この回折光学
素子は、+1次の回折次数(図11中実線)において、
使用波長領域でもっとも回折効率が高くなるように設計
されている(すなわち設計次数は+1次である)。
【0006】さらに、設計次数近傍の回折次数(+1次
±1次の0次と2次)の回折効率も併せ並記している。
図11に示されるように、設計次数では回折効率はある
波長で最も高くなり(以下設計波長と言う)それ以外の
波長では徐々に低くなる。この設計波長以外での設計次
数の回折効率の低下分は、他の次数の回折光となり、フ
レアの要因となる。また、光学系中で回折光学素子を複
数個使用した場合には、回折効率の低下は透過率の低下
にもつながる。
【0007】このようなフレアの要因となる設計波長以
外での回折効率の低下を抑制する構成として、様々な提
案がなされている。特開平9−127322号公報(米
国特許第6,157,488号明細書)に開示されてい
る構成では、図12に示すように3種類の異なる材料
と、2種類の異なる格子厚(d1,d2)を最適に選
び、等しいピッチ分布で近接して配置することで図13
に示すように設計次数の可視域全域で高い回折効率を実
現している。また、特開平10−133149号公報で
は、図14に示したように回折格子を2層に重ね合わせ
た積層断面形状をもつ回折光学素子を開示している。そ
して2層の回折格子を構成する材質の屈折率、分散特性
および各格子厚をそれぞれ最適化することにより、設計
次数の可視域全域で高い回折効率を実現している。
【0008】また、特開平8−220482号公報で
は、鋸歯断面形状を有するレリーフ型回折光学素子にお
いて、回折効率の波長依存性によって生じるフレアを改
善する構成が提示されている。すなわち回折光学素子の
レリーフパターン面を領域分割し、当該領域を通過する
光の中心波長に対して回折効率が最大になるように、当
該領域のレリーフパターン面の溝深さの最適化を行って
いる。そして図15に示すように、設計波長λa、λ
b、λc近傍において回折効率を改善し、フレアを低減
している。また、特開平10−104411号公報(米
国特許第6,011,651号明細書)では、図10に
示したようなキノフォーム型の回折光学素子の設計波長
を色フレアが目立ちにくい適当な値に設定することで、
具体的には格子厚を調整することで、設計次数近傍の不
要回折光の量を低減している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例の特開平9−127322号公報、特開平10−1
33149号公報では、設計次数の回折効率が大幅に改
善されているため、設計次数以外の不要回折光が大幅に
低減されフレアは減少するという記述だけで、フレアの
色味やフレアの量などについての詳細な記述はされてい
ない。一方、特開平8−220482号公報では、鋸歯
状断面形状であるレリーフ型回折格子で単層構成の回折
光学素子(以下単層回折光学素子という)において、各
領域毎の透過光の中心波長を設計波長とすることによっ
て回折効率の波長依存性を低減する構成を提示している
が、回折格子2層以上に重ねあわされた積層断面形状を
持つ回折光学素子(以下積層回折光学素子という)に関
する記述は一切されていない。また、特開平10−10
4411号公報では、不要次数光の色フレアの影響など
については記述されているが、説明に用いられている回
折光学素子は、図10に示すような単層回折光学素子に
ついてであり、やはり積層回折光学素子についてのフレ
アに関しては何ら言及されていない。
【0010】前述の積層回折光学素子を用いた光学系で
は、単層回折光学素子に対してフレアは大幅に低減して
いるものの、不要回折光が全く存在しないということは
なく、わずかながら残存している。撮影(投影)条件の
変化しない光学系(例えば、複写機のリーダーレンズや
液晶プロジェクターの投射レンズ)への応用では、積層
回折光学素子によりフレアの影響は問題ないレベルまで
抑制可能である。これに対して、カメラ、ビデオなど様
々な被写体を様々な条件で撮影するような光学系に於い
ては、わずかに残存しているフレアが問題になる場合が
あることが明らかとなっている。特にフレア成分に波長
依存性がある場合には、特開平10−104411号公
報の単層回折光学素子に似た色フレアが発生する。一
方、特開平11−64616号公報(米国特許第6,1
22,104号明細書)の積層回折光学素子では、回折
効率が最大となる波長(ピーク波長)である設計波長を
3つ以上としている。この回折光学素子によれば色フレ
アの発生がかなり抑えられる。
【0011】そこで、本発明は、特開平11−6461
6号公報記載の素子をより改善した回折光学素子及び該
回折光学素子を有する光学系を提供することを目的とす
るものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するため、つぎの(1)〜(6)のように構成した回
折光学素子及び該回折光学素子を有する光学系を提供す
るものである。 (1)第1層、第2層、第3層の各層がレリーフ型の格
子を備え、これらの各層がそれぞれ異なる材料より成る
回折光学素子であって、前記回折光学素子は、前記各層
の境界領域で少なくとも3つの回折光学部を有すると共
に、3つの波長において所定の次数の回折光の回折効率
が最大となるように設定され、該3つの波長は3原色の
主波長と実質的に一致することを特徴とする回折光学素
子。 (2)前記第1層、第2層、第3層の各層の間に、少な
くとも1つの空気層を含むことを特徴とする上記(1)
に記載の回折光学素子。 (3)前記3つの波長は、それぞれ450±20nm,
550±20nm,650±20nmであることを特徴
とする上記(1)または上記(2)に記載の回折光学素
子。 (4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の回折光学
素子を有することを特徴とする光学系。 (5)前記光学系は感光面に像を形成する光学系であっ
て、前記3つの波長は前記感光面の感度が高い3原色の
主波長と実質的に一致することを特徴とする上記(4)
に記載の光学系。 (6)前記光学系は、光源からの光で原画を照明し、照
明された原画の像を投影する光学系であって、前記3つ
の波長は前記光源からの光に含まれる3原色の主波長と
実質的に一致することを特徴とする上記(4)に記載の
光学系。なお、ここで、上記構成の回折光学素子が、銀
塩フィルムや撮像素子等の感光面に像を形成する光学系
に使用される場合には、3原色の主波長とは感光面の分
光感度の高い色光の主波長のことである。また、光源か
らの光で原画を照明し、照明された原画の像を投影する
光学系に使用される場合には、光源からの光に含まれる
色光の主波長のことである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態においては、
上記構成を適用して、それぞれレリーフ型の格子を備え
た3つの層を異なる材料で形成し、各層の境界領域で少
なくとも3つの回折光学部を備えた構成とし、3原色の
主波長である3つの波長において所定の次数の回折光の
回折効率が最大となるように、各層を構成する材料及び
格子高さを適切に設定することにより、色フレアの大幅
な低減と、製造誤差による回折効率のばらつきを抑制す
ることができ、生産性の向上を図ることが可能な回折光
学素子及び該回折光学素子を有する光学系を実現するこ
とができる。
【0014】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。 [実施例1]図1は本発明の実施例1における回折光学
素子の構成を示す正面図である。図1において、回折光
学素子1は、基板2の表面に位相型(レリーフ型)の回
折格子3が作製された構成となっている。図2は、図1
の回折光学素子を図中A−A’断面で切断した断面形状
の一部である。図2は、理解を容易にするために実際よ
りも格子高さ(深さ)方向にかなり強調した図となって
いる。
【0015】本実施例の回折光学素子の断面形状は、基
板2上に設けられた、分散の異なる第1層4、第2層
5、第3層6からの3つの材料より成る積層構造で構成
されており、第1層4と第2層5との境界領域に格子高
さd1の回折格子面7を有する第1の回折格子、第2層
5と空気層8との境界領域に格子高さd2の回折格子面
9を有する第2の回折格子、第3層6と空気層8の境界
領域に格子高さd3の回折格子面10を有する第3の回
折格子からなる構造を有している。図2では、回折格子
面9と回折格子面10は、空気との境界面に形成されて
いるが、これに限定するものではなく、回折格子面7と
回折格子面9との間の領域が空気層であってもよいし、
3種類以上の材料の異なる組み合わせで形成された3つ
以上の回折格子面を有する回折光学素子であれば、構成
は問わない。
【0016】次に、色フレアの原因である回折光学素子
によって発生する不要次数光の説明を行う。不要次数光
の回折効率を説明するために、図16に示した2層の従
来より知られる積層回折光学素子を考える。ここでは、
第1層4に大日本インキ化学工業(株)製の紫外線硬化
樹脂C001(屈折率nd=1.524、アッベ数νd
=50.9)、第2層5に別の紫外線硬化樹脂(nd=
1.636、νd=22.8)を用いた場合を例にと
る。設計次数は+1次とし、第1の回折格子の格子厚d
1を、9.5μm、第2の回折格子の格子厚d2を、
6.9μmとする。図16において、符号2、8はそれ
ぞれ基板、空気層であり、図2と意味するところは同様
である。
【0017】ここで、図16の回折光学素子の設計次数
における回折効率を図17に示す。この例では、設計波
長は可視領域で2つ存在しており、短波長側から順に4
38nm、588nmである。図17に示すように、設
計波長438nm、588nmにおいて回折効率は10
0%となっていることがわかる。また、不要次数光の回
折効率を図18に示す。設計波長においては不要次数光
は発生しておらず、設計次数光である+1次の回折効率
が低下すると、+1次以外の回折光の回折効率が増加し
ていることがわかる。このことは、設計波長以外の波長
において設計次数光以外の不要次数光によりフレアが発
生していることを示している。
【0018】次に図1、2に示した本実施例の回折光学
素子の設計次数における回折効率及び不要次数光につい
て説明する。本発明の回折光学素子では、設計波長を3
原色の主波長と一致させている。一般の銀塩フィルムで
感度の高いRGB(Red、Green、Blue)3
原色の主波長に設計波長を一致させている。銀塩フィル
ムの分光特性を図3に示す。この図から銀塩フィルムで
感度の高い、3原色(R、G、B)の主波長は短波長側
からそれぞれ、λB=450nm、λG=550nm、
λR=650nmであることがわかる。3原色の主波長
と回折光学素子の設計波長を一致させた場合、図2にお
いて、第1層4にPMMA(nd=1.492、νd=
57.4)、第2層5に第1の紫外線硬化樹脂(nd=
1.636、νd=22.8)、第3層6に第2の紫外
線硬化樹脂(nd=1.598、νd=28.0)を用
いて、設計次数は1次とすると、第1の回折格子の格子
厚d1は34.9μm、第2の回折格子の格子厚d2は
23.2μm、第3の回折格子の格子厚d3は52.4
μmとなる。
【0019】図4に銀塩フィルムが持つ3原色の分光特
性と本実施例の回折光学素子及び図16に示した従来例
の回折光学素子の設計次数における回折効率を示す。横
軸は波長、左軸が銀塩フイルムの分光特性、右軸が回折
効率を表わしている。図4から本実施例の回折光学素子
では銀塩フイルムで感度の高い3原色の主波長全てで高
い回折効率が得られることが分かる。
【0020】図5は、本実施例と従来例の回折光学素子
の設計次数における回折効率のみを図4から抜き出し、
比較したものである。従来例に比べ本実施例の回折光学
素子では、回折効率が大幅に改善していることがわか
る。図6は従来例と本実施例の回折光学素子の不要次数
の回折光(+2次)の回折効率を示したものである。図
6から本実施例の回折光学素子は、従来例に比して不要
回折光が大幅に低減しているので、不要回折光が原因で
生じるフレアも大幅に減少することができる。
【0021】更に特筆すべき点は、従来例と比較して、
不要次数光の回折効率の波長毎のばらつきを抑えられて
いることである。このことは、製造誤差、例えば格子厚
の誤差などによって生じる設計波長外の不要次数光の回
折効率のばらつきに対して従来よりも許容できることに
なり、製造しやすく高品質な製品の提供が期待できる。
【0022】本実施例では、3原色の主波長は銀塩フイ
ルムの分光特性としたが、これに限定するものではな
く、主波長として、CCDやMOS等の撮像素子の分光
特性を用いて回折光学素子を設計してもよい。また、3
つの設計波長は、3原色の主波長と厳密に一致していな
くてもよく、具体的に説明すれば、3原色の主波長と±
20nm以内の範囲で一致していればよい。また、銀塩
フィルムが3色以上の分光特性を持つ場合には、例え
ば、銀塩フィルムが異なる分光特性を持つ4層の感光層
を有し、カラー画像の主波長が3つ以上存在する場合に
は、3つ以上の主波長に回折光学素子の設計波長を一致
させてもよい。以上のように、カラー画像の3原色の主
波長と回折光学素子の設計波長を一致させることで、色
フレアの大幅な改善と製造誤差によって生じる各波長の
回折効率のばらつきの抑制を実現し、高性能、高品質な
光学素子を提供できる。
【0023】つぎに、実施例1を応用した光学系を図7
に示す。図7は、カメラ等の撮影光学系の断面を示した
ものであり、同図中11は撮影レンズで、内部に絞り1
2と図1、2に示した回折光学素子1を持ち、結像面1
3には、銀塩フィルム等の感光面が設けられる。積層構
造で且つ設計波長をカラー画像の3原色の主波長に一致
させることによって回折効率の波長依存性が大幅に改善
されており、また、素子作製時の製造誤差による各波長
における回折効率の変化が小さいことが期待されるの
で、フレアが少なく低周波数での解像力も高い高性能、
高品質な撮影レンズを提供できる。
【0024】図7において、絞り近傍の平面板に回折光
学素子を設けたが、これに限定するものではなく、レン
ズ表面の曲面上に設けてもよいし、撮影光学系内に複数
の回折光学素子を設けてもよい。また、図7において、
結像面13には銀塩フィルムを配しているが、これに限
定するものではなく、CCDやCMOSなどの撮像素子
を用いてもよいし、また、回折光学素子の設計波長をカ
ラー画像の3原色の主波長に一致させたが、これに限定
するものではなく、概一致していればよい。また、場合
によっては、3つ以上の主波長に設計波長を一致させて
もよい。更に付け加えれば、上記実施例において、より
誘目性の低い色フレアの色味にするために、色フレアの
評価面における結像状態について考慮することが好まし
い。
【0025】また、本実施例では、カメラの撮影レンズ
の場合を示したが、これに制限するものではなく、ビデ
オカメラの撮影レンズ、事務機のイメージスキャナやデ
ジタル複写機のリーダーレンズ等、広波長域で使用され
る結像光学系に使用しても同様な効果が得られる。
【0026】[実施例2]本発明の実施例2の構成を図
8に示す。図8は、フィルムスキャナー等のカラー画像
入力光学系の断面図を示したものであり、14はLED
や冷陰極管などの照明ランプ、15はフィルム、16は
結像光学系で結像光学系の内部には実施例1で説明した
回折光学素子1を持つ。17は結像面でCCDが配置さ
れる。本実施例によれば、回折光学素子を積層構造にす
ることによって回折効率の波長依存性を大幅に改善し、
また設計波長を光源の3原色の主波長に一致させること
によって色フレアを低減して、色再現性のよい高性能な
フィルムスキャナーを提供できる。付け加えれば、CC
Dの各波長における感度、光学系の各波長における透過
率、光源の3原色の主波長を考慮した上で、3原色の主
波長と設計波長を一致させることが好ましい。
【0027】[実施例3]本発明の実施例3の構成を図
9に示す。図9は、カラー画像表示光学系の断面を示し
ており、18はレーザー等の単色光源、19は反射型光
変調素子であるDMD(Digital Microm
irror Device)、20は遮光面、21は光
学系、22は内部に実施例1の回折光学素子1を持つ投
射光学系、23はスクリーンである。図9では、簡略化
のため、光源にレーザー等の単色光源を1つのみ配置し
た光学系を示しているが、実際には光源としてRGB3
色に対してそれぞれ単色光源を配置し合成して使用する
のが一般的である。このように3原色の単色光源の波長
と設計波長を一致させた回折光学素子を用いることによ
って、各波長における回折効率を最適化し、色フレアを
抑えた高性能なカラー表示装置を提供できる。
【0028】本実施例においては、光源としてレーザー
等の単色光源を用いたが、これに限定するものではな
く、白色光源を用いてもよいし、光変調素子としてGr
ating Light Valve等の回折型光変調
素子を用いてもよい。また、本実施例においては、回折
光学素子を投射光学系の中に配置したが、これに限定す
るものではなく、光源の3原色が同じ光路である光路上
に1つ以上配置されていればどこに配置してもよいし、
複数個設けてもよい。
【0029】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、特開平11−64616号公報記載の素子をより改
善した回折光学素子及び該回折光学素子を有する光学系
を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の回折光学素子の正面図である。
【図2】図1のA−A′断面における回折光学素子の一
部断面形状を示す図である。
【図3】銀塩フィルムの分光感度特性を示す図である。
【図4】実施例1の回折光学素子の設計次数における回
折効率及び銀塩フィルムの分光特性を示す図である。
【図5】実施例1及び従来例の回折光学素子の設計次数
における回折効率を示す図である。
【図6】実施例1及び従来例の回折光学素子の不要次数
光の回折効率を示す図である。
【図7】実施例1のカラー画像撮像光学系の概略図であ
る。
【図8】実施例2のカラー画像入力光学系の概略図であ
る。
【図9】実施例3のカラー画像投射光学系の概略図であ
る。
【図10】従来例の単層型回折光学素子の断面形状を示
す図である。
【図11】図10の回折光学素子の回折効率を示す図で
ある。
【図12】従来例の積層型回折光学素子の断面形状を示
す図である。
【図13】図12の回折光学素子の回折効率を示す図で
ある。
【図14】従来例の積層型回折光学素子の断面形状を示
す図である。
【図15】従来例の単層型回折光学素子の回折効率を示
す図である。
【図16】従来例の積層型回折光学素子の断面形状を示
す図である。
【図17】図16の回折光学素子の設計次数の回折効率
を示す図である。
【図18】図16の回折光学素子の不要次数光の回折効
率を示す図である。
【符号の説明】
1:回折光学素子 2:素子基板 3:回折格子部 4:第1層の領域 5:第2層の領域 6:第3層の領域 7:第1の回折格子部 8:空気層 9:第2の回折格子部 10:第3の回折格子部 11:撮影レンズ 12:絞り 13:結像面 14:照明ランプ 15:フィルム 16:結像光学系 17:結像面 18:単色光源 19:光変調素子 20:遮光板 21:光学系 22:投射光学系 23:スクリーン

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1層、第2層、第3層の各層がレリーフ
    型の格子を備え、これらの各層がそれぞれ異なる材料よ
    り成る回折光学素子であって、 前記回折光学素子は、前記各層の境界領域で少なくとも
    3つの回折光学部を有すると共に、3つの波長において
    所定の次数の回折光の回折効率が最大となるように設定
    され、該3つの波長は3原色の主波長と実質的に一致す
    ることを特徴とする回折光学素子。
  2. 【請求項2】前記第1層、第2層、第3層の各層の間
    に、少なくとも1つの空気層を含むことを特徴とする請
    求項1に記載の回折光学素子。
  3. 【請求項3】前記3つの波長は、それぞれ450±20
    nm,550±20nm,650±20nmであること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の回折光学
    素子。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載の回折
    光学素子を有することを特徴とする光学系。
  5. 【請求項5】前記光学系は感光面に像を形成する光学系
    であって、前記3つの波長は前記感光面の感度が高い3
    原色の主波長と実質的に一致することを特徴とする請求
    項4に記載の光学系。
  6. 【請求項6】前記光学系は、光源からの光で原画を照明
    し、照明された原画の像を投影する光学系であって、前
    記3つの波長は前記光源からの光に含まれる3原色の主
    波長と実質的に一致することを特徴とする請求項4に記
    載の光学系。
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