JP2002060473A - ポリエステル樹脂及び塗料組成物 - Google Patents

ポリエステル樹脂及び塗料組成物

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JP2002060473A
JP2002060473A JP2000252509A JP2000252509A JP2002060473A JP 2002060473 A JP2002060473 A JP 2002060473A JP 2000252509 A JP2000252509 A JP 2000252509A JP 2000252509 A JP2000252509 A JP 2000252509A JP 2002060473 A JP2002060473 A JP 2002060473A
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Tomoyasu Nakada
智康 中田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗装や焼き付けが容易で、加工性に優れ、ま
た、金属との密着性に優れ、耐ブリスター性と耐白化性
が良好であり、かつ、焼却時に有毒、腐食ガスを発生し
ない塗料用として好適なポリエステル樹脂、及びこのポ
リエステル樹脂を含有する塗料組成物を提供する。 【解決手段】 ジカルボン酸成分のうち、不飽和ジカル
ボン酸が0.1〜10モル%からなり、グリコール成分
のうち、1,2−プロピレングリコールが60〜100
モル%からなるポリエステルであって、ガラス転移温度
が40℃以上、水酸基価が80〜500当量/106
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家電製品や事務用
品、食料品容器等に用いられる金属鋼板を塗装する塗料
用として好適な樹脂であり、特に食品や飲料用金属缶等
に塗装され、耐レトルト性、加工性、密着性に優れた塗
膜となるポリエステル樹脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属鋼板を塗装する場合には、ポリエス
テル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂等
が塗料として用いられており、このような樹脂で塗装さ
れた金属鋼板は、家電製品や事務用品、食料品容器等の
様々な用途に用いられている。中でも食料や飲料用の缶
に用いられる塗料は、内容物の風味やフレイバーを損な
わず、かつ多種多様の食物による缶材質の腐食を防止す
ることを目的として使用されるものであり、したがっ
て、無毒性であること、さらに加熱殺菌処理に耐えるこ
と、接着性、加工性に優れること等が要求されている。
【0003】従来、この用途に用いられる塗料樹脂とし
ては、ポリ塩化ビニル系樹脂、エポキシ−フェノール系
樹脂等が多く使用されているが、これらは次に述べるよ
うな問題を抱えているのが現状である。すなわち、ポリ
塩化ビニル系樹脂は、優れた耐レトルト性、耐内容物
性、加工性を有するが、樹脂中に残留する塩化ビニルモ
ノマーは、発ガン性等の重大な衛生上問題のある物質で
あることが指摘されている。また、廃棄された缶を焼却
処理する際に、ポリ塩化ビニル系樹脂から毒性、腐食性
の強い塩素ガス、塩化水素ガス、猛毒のダイオキシンが
発生するので、焼却装置の腐食や環境汚染につながる問
題がある。さらにポリ塩化ビニル系樹脂は、缶材質であ
る金属との接着性が不十分であり、エポキシ樹脂で処理
した上にコーティングする必要がある等コーティング工
程が複雑である。また、エポキシ−フェノール系樹脂で
は、焼付け温度が高く、焼付け時に発泡等の外観不良を
起こしやすく、さらには加工性に劣る問題があるため主
にスプレー塗装されている。
【0004】このような問題を解決するために、特公昭
60−42829号公報や特公昭61−36548号公
報では、塗装や焼付けが容易で、加工性や金属との密着
性に優れ、焼却時に有毒、腐食ガスを発生しない樹脂と
して、ポリエステル系樹脂が提案されているが、食塩や
酸成分を含有する内容物を加熱殺菌処理したときの耐ブ
リスター(ふくれ)性と耐白化性に優れたポリエステル
系樹脂は得られていない。すなわち、上記公報に記載さ
れている飽和ポリエステル樹脂単独での塗料樹脂は、沸
水又は蒸気のみにおいての加熱処理に対して耐ブリスタ
ーと耐白化性に優れているが、塗膜の表面状態劣化や光
沢の低下等を起こしたり、内容物を想定しての食塩水及
び酸性雰囲気中での加熱処理においては、ブリスターや
白化を生じ、外観不良を起こすものであった。また、こ
れらの樹脂にアミノ樹脂を配合し得られる塗膜において
も、加熱処理に対して十分な塗膜性能を示す樹脂は得ら
れなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、塗装や焼付けが容易で、加工性に優れ、ま
た、金属との密着性に優れ、耐ブリスター性と耐白化性
が良好であり、かつ、焼却時に有毒、腐食ガスを発生し
ない塗料組成物用としてに好適なポリエステル樹脂と、
このポリエステル樹脂を含有する塗料組成物を提供する
ことを技術的な課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記したポ
リエステル樹脂の耐ブリスター性と耐白化性の欠点を解
決するために鋭意検討を行った結果、ポリエステル樹脂
に不飽和ジカルボン酸を導入し、さらに特定量の水酸基
価を付与することにより、耐ブリスター性と耐白化性に
優れるだけでなく、加工性、金属密着性にも優れたポリ
エステル樹脂が得られることを見出し、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、次の構成を有するものであ
る。 (1) ジカルボン酸成分のうち、不飽和ジカルボン酸が
0.1〜10モル%からなり、グリコール成分のうち、
1,2−プロピレングリコールが60〜100モル%か
らなるポリエステルであって、ガラス転移温度が40℃
以上、水酸基価が80〜500当量/106 gであるこ
とを特徴とするポリエステル樹脂。 (2) 0.3〜5モル%の3官能以上のエステル形成性多
官能化合物を含むポリエステルであって、極限粘度が
0.35以上である上記(1) 記載のポリエステル樹脂。 (3) 上記(1) 又は(2) 記載のポリエステル樹脂を含有す
ることを特徴とする塗料組成物。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のポリエステル樹脂を構成するジカルボン
酸成分のうち、不飽和ジカルボン酸は0.1〜10モル
%であることが必要である。本発明における不飽和ジカ
ルボン酸の導入は、塗装後の焼き付け工程等の熱処理時
に自己架橋反応により樹脂の架橋密度を高めるために共
重合させるものである。この不飽和ジカルボン酸が0.
1モル%未満では、前述した架橋密度が低く、この樹脂
から得られる塗膜の金属密着性が不足し、加工性に劣る
ものとなる。一方、不飽和ジカルボン酸が10モル%を
超えると、樹脂製造段階においてゲル化が生じやすく、
目的とするポリエステル樹脂が得られない。
【0008】また、本発明のポリエステル樹脂を構成す
るジカルボン酸成分のうち、不飽和ジカルボン酸の他と
しては、芳香族ジカルボン酸が好ましく、共重合量とし
ては芳香族ジカルボン酸が80〜99.9モル%である
ことが好ましい。
【0009】本発明のポリエステル樹脂に用いる不飽和
ジカルボン酸としては、フマル酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、未
水添ダイマー酸、シクロヘキセンジカルボン酸、テルペ
ン−マレイン酸付加体等が挙げられ、好ましくはマレイ
ン酸、無水マレイン酸である。また、芳香族ジカルボン
酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸等を挙げることができ、
好ましくはテレフタル酸、イソフタル酸である。
【0010】本発明のポリエステル樹脂を構成するグリ
コール成分のうち、1,2−プロピレングリコールが6
0〜100モル%であることが必要であり、好ましくは
70〜100モル%である。1,2−プロピレングリコ
ールの割合が60モル%未満になると、ポリエステル樹
脂が結晶性を帯びて取扱いが困難になり、また、金属密
着性が劣り、塗膜の耐レトルト性が損なわれブリスター
や白化を生じやすくなる。
【0011】本発明のポリエステル樹脂には、その特性
が損なわれない範囲であれば、次のような共重合成分を
含有してもよい。共重合するジカルボン酸成分として
は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、水添ダイマー酸等
の飽和脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン
酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸
等の脂環族ジカルボン酸が挙げられる。また、共重合す
るグリコール成分としては、エチレングリコール、1,
3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、ジメチロールヘプタン、ジメチ
ロールペンタン、2−エチル−2−ブチルプロパンジオ
ール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−エ
チル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,
5−ペンタンジオール、3−メチル−1,6−ヘキサン
ジオール、4−メチル−1,7−ヘプタンジオール、4
−メチル−1,8−オクタンジオール、4−プロピル−
1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、
トリシクロデカングリコール類、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール、ビスフェノール類エチレンオキサイド又はプ
ロピレンオキサイド誘導体、水添化ビスフェノール類が
挙げられる。
【0012】また、ポリエステル樹脂のガラス転移温度
は、40℃以上であることが必要であり、好ましくは6
0℃以上である。ガラス転移温度が40℃未満になる
と、耐レトルト性や耐内容物性が劣るものとなる。
【0013】さらに、本発明のポリエステル樹脂の水酸
基価は、80〜500当量/106gであることが必要
であり、好ましくは150〜400当量/106 gであ
る。水酸基価が80当量/106 g未満になると、金属
密着性が不足するため好ましくない。また、水酸基価が
500当量/106 gを超えると、加工性が劣るものと
なる。
【0014】次に、本発明のポリエステル樹脂の極限粘
度は0.35以上であることが好ましい。極限粘度が
0.35未満になると塗膜が脆くなり、加工性や耐レト
ルト性が低下しやすくなる。
【0015】また、本発明のポリエステル樹脂を構成す
る成分として、3官能以上のエステル形成性多官能化合
物が0.3〜5モル%含まれていることが好ましい。3
官能以上のエステル形成性多官能化合物を共重合するこ
とによりポリエステル樹脂中の水酸基が増加し、この水
酸基により金属表面への密着性を向上させるために共重
合するものである。この際、3官能以上のエステル形成
性多官能化合物が0.3モル%未満になると、ポリエス
テル樹脂中の水酸基が少なく、塗膜の金属密着性が不足
したものとなるため、好ましくない。一方、3官能以上
のエステル形成性多官能化合物が5モル%を超えると、
極限粘度が低いものしか得ることができず、加工性の劣
るものとなったり、また樹脂製造段階においてゲル化が
生じやすく、目的とするポリエステル樹脂が得ることが
困難となるため、好ましくない。
【0016】本発明のポリエステル樹脂に用いる3官能
以上のエステル形成性多官能化合物としては、トリメリ
ット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸、トリメチロールプロパン、
トリメチロールエタン、グリセリン、マンニトール、ソ
ルビトール、ペンタエリスリトール、α−メチルグルコ
シド、ジメチロールブタン酸等が挙げられる。
【0017】次に、本発明のポリエステル樹脂の製造法
について説明する。本発明のポリエステル樹脂を製造す
る方法は、特に限定されるものではなく、従来公知のポ
リエステルの製造方法によって製造することができる。
例えば、前記のようなジカルボン酸成分、グリコール成
分を原料とし、常法によって200〜260℃の温度で
エステル化又はエステル交換反応を行った後、エステル
形成性多官能成分、及び重縮合触媒を添加し、5hPa
以下の減圧下、220〜260℃、好ましくは230〜
250℃の温度で重縮合反応を行うことにより調製でき
る。
【0018】また、重縮合触媒としては、従来から一般
的に用いられているスズ、チタン、アンチモン、ゲルマ
ニウム、コバルト等の金属化合物が好適である。
【0019】本発明のポリエステル樹脂には、必要に応
じて、リン酸等の熱安定剤、ヒンダードフェノール化合
物のような酸化防止剤、酸化チタン等の顔料、充填剤、
抗菌剤、消臭剤、その他熱可塑性樹脂等を含有させても
よい。
【0020】本発明のポリエステル樹脂は、単独で塗料
として用いても優れた塗膜性能が得られるが、アミノ樹
脂やエポキシ樹脂、フェノール樹脂等の硬化剤、イミダ
ゾール系化合物等の硬化促進剤を添加して塗料としても
よい。アミノ樹脂としては、例えば尿素、メラミン、ベ
ンゾグアナミン等のホルムアルデヒド付加体、さらにこ
れらの炭素原子数が1〜6のアルコールによるアルキル
エーテル化合物を挙げることができる。具体的にはメト
キシメチロール化尿素、メトキシ化メチロール−N,N
−エチレン尿素、メトキシ化メチロールジシアンジアミ
ド、メトキシ化メチロールメラミン、メトキシ化メチロ
ールベンゾグアナミン、ブトキシ化メチロールメラミ
ン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナミン等が挙げら
れるが、好ましくはメトキシ化メチロールメラミン、ブ
トキシ化メチロー メラミン、及びメチロール化ベンゾ
グアナミンであり、それぞれ単独又は併用して使用する
ことができる。また、エポキシ樹脂としては、エポキシ
当量400〜5000g/当量のビスフェノールAエポ
キシ樹脂が好ましく用いられる。エポキシ当量が400
g/当量未満になると、十分な加工性が得らず、500
0g/当量を超えると耐レトルト性が得られない。
【0021】また、塗料化に使用する有機溶剤として
は、例えばトルエン、キシレン、ソルベッソ、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン、イソホロン、メチルセロソルブ、ブチルセロソル
ブ、エチレングリコールモノアセテート等から、溶解
性、蒸発速度等を考慮して選択される。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明
する。なお、各測定、評価項目は、次の方法に従った。 (1) 樹脂組成の測定 日本電子工業社製1H−NMRスペクトロメータJNM
−LA400装置で測定した。 (2) 極限粘度の測定 フエノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒とし
て、温度20℃で測定した。 (3) ガラス転移温度(Tg)の測定 セイコー電子工業社製示差走査熱量計SSC5200を
用いて、20℃/分の昇温速度で測定した。 (4) 水酸基価(OHV)の測定 無水酢酸でアセチル化した後、0.5規定の水酸化カリ
ウムメタノール溶液で滴定して求めた。 (5) 試験片の作成 得られたポリエステル樹脂をシクロヘキサノン150質
量部に溶解し、40質量%溶液とした後、TFS(ティ
ンフリースチール、70mm×150mm×0.3m
m)にバーコーター#38にて膜厚が20〜30μmに
なるように塗布し、80℃×30分の乾燥を行い、得ら
れたものを試験片とした。 (6) 耐レトルト性 試験片を130℃水蒸気下で30分処理した後、塗膜の
白化、ブリスターの状態を目視で判定した。 ○:良好 ×:白化、又はブリスターあり (7) 耐内容物性 試験片を130℃の食塩3質量%、及び乳酸3質量%を
含む水溶液中で30分間処理した後、塗膜の白化、ブリ
スターの状態を目視で判定した。 ○:良好 ×:白化、又はブリスターあり (8)金属密着性 試験片と同じTFS基材2枚を挟むように試験片を18
0度方向に折り曲げた後、屈曲部をルーペで観察し、塗
膜の亀裂の有無を判定した。 ○:良好 ×:亀裂あり (9) 加工部耐沸水性 試験片と同じTFS基材2枚を挟むように試験片を18
0度方向に折り曲げた後、沸騰蒸留水中で2時間処理
し、屈曲部をルーペで観察し、塗膜の亀裂の有無あるい
はブリスターの状態を目視で判定した。 ○:良好 ×:亀裂、あるいはブリスターあり (10)光沢保持率 前述(5) で得た試験片の鏡面光沢度、及び130℃水蒸
気下で30分処理した後の試験片の鏡面光沢度をJIS
K 5400に準じて測定し、塗膜の光沢保持率を下
記式より算出した。なお、光沢保持率が90%以上のも
のを合格とした。 光沢保持率(%)=(処理後の光沢度/処理前の光沢
度)×100
【0023】実施例1 テレフタル酸242.5モル、無水マレイン酸7.5モ
ル、1,2−プロピレングリコール337.5モル、エ
チレングリコール61.25モルをエステル化反応器に
仕込み、圧力0.5MPa、温度240℃、4時間でエ
ステル化反応を行った。得られたポリエステルオリゴマ
ーを重合反応器に移送し、トリメチロールプロパン7.
5モル、テトラブチルチタネート0.1モルを投入した
後、反応系内を60分かけて0.4hPaとなるまで徐
々に減圧し、その後、温度230℃で4時間の重縮合反
応を行い、本発明のポリエステル樹脂を得た。このポリ
エステル樹脂を用いて、前述した方法により試験片と
し、各物性を測定した。
【0024】実施例2〜7、比較例1〜6 原料の仕込み条件を変更し、ポリエステル樹脂の組成を
表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にし
てポリエステル樹脂及び試験片を得た。
【0025】実施例8 重縮合反応時間を3時間に短縮することで、極限粘度を
変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹
脂及び試験片を得た。
【0026】実施例9 3官能成分を添加せず、重縮反応合時間を2.4時間に
短縮した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹
脂及び試験片を得た。実施例1〜9と比較例1〜6で得
られた評価結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】表1から明らかなように、本発明のポリエ
ステル樹脂を含む塗料組成物から得られた塗膜は、耐レ
トルト性、耐内容物性、金属密着性、加工部耐沸水性、
光沢保持率ともに優れたものであった。一方、比較例1
は、不飽和ジカルボン酸が共重合されていないため、金
属密着性や加工性が劣るものであった。比較例2は、不
飽和ジカルボン酸量が多いため、樹脂製造時にゲル化が
生じ、目的とするポリエステル樹脂が得られなかった。
比較例3は、1,2−プロピレングリコール量が少ない
ため、比較例4は、ガラス転移温度が低いため、いずれ
も塗膜に白化やブリスターが生じた。さらに比較例5
は、多官能化合物が多いため、極限粘度が低く、さらに
は水酸基価が高いため、耐レトルト性や加工性に劣るも
のであった。比較例6は、多官能化合物を含まず、極限
粘度も高いため、水酸基価が低く、金属密着性に劣るも
のであった。
【0029】
【発明の効果】本発明のポリエステル樹脂は、家電製品
や事務用品、食料品容器等に用いられる金属鋼板を塗装
する塗料用として好適な樹脂である。そして、無毒性で
ある上に、耐レトルト性、耐内容物性、金属密着性、加
工性等に優れているため、特に食品缶の内面塗料用に有
用なものである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA07 AB01 AD01 AD03 AD07 AE11 BA02 BA03 BA04 BA05 BA08 BA10 BD03A BF09 BF25 BF26 CA02 CA04 CA05 CA06 CB04A CB05A CB06A CC05A CD03 FC03 FC04 FC05 FC08 FC12 FC14 FC29 FC35 FC36 GA13 GA14 GA15 GA16 GA17 GA22 JF321 JF361 JF371 JF471 JF571 KB02 KD02 KD07 KE02 KE03 4J038 DD121 DD191 GA03 MA13 NA12 NA14 PB04 PB06 PB09 PC02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジカルボン酸成分のうち、不飽和ジカル
    ボン酸が0.1〜10モル%からなり、グリコール成分
    のうち、1,2−プロピレングリコールが60〜100
    モル%からなるポリエステルであって、ガラス転移温度
    が40℃以上、水酸基価が80〜500当量/106
    であることを特徴とするポリエステル樹脂。
  2. 【請求項2】 0.3〜5モル%の3官能以上のエステ
    ル形成性多官能化合物を含むポリエステルであって、極
    限粘度が0.35以上であることを特徴とする請求項1
    記載のポリエステル樹脂。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のポリエステル樹脂
    を含有することを特徴とする塗料組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021252832A1 (en) * 2020-06-12 2021-12-16 Swimc Llc Unsaturated resins and coating compositions therefrom

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021252832A1 (en) * 2020-06-12 2021-12-16 Swimc Llc Unsaturated resins and coating compositions therefrom

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