JP2002060217A - 塩化カルシウム水溶液の製造方法 - Google Patents
塩化カルシウム水溶液の製造方法Info
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Abstract
いの悪化を防止し、製造コストの低減及び生産効率の向
上を達成し、且つ多大な設備投資を要することなく高濃
度の塩化カルシウム水溶液を製造できる塩化カルシウム
水溶液の製造方法を提供するものである。 【解決手段】 スレーカー等で生石灰と消和用水とを反
応させて得られた石灰乳を、フィルタープレス、デカン
ター等で固形物濃度が25wt%以上となるように濃縮
した後、アンモニア・ソーダ工程における重曹分離母液
から分離した塩化アンモニウムケークと反応させて、濃
度25wt%以上の塩化カルシウム水溶液を製造する。
Description
ウム水溶液を効率よく製造する方法に関する。
ーダ工程における重曹分離母液に含まれる塩化アンモニ
ウムと石灰乳を反応させる方法、または重曹分離母液に
塩化ナトリウムを加えることによって、固形物として取
り出した塩化アンモニウムケークと石灰乳を反応させる
方法、あるいは塩酸と石灰石とを反応させる方法で製造
されている。
一般的に生石灰をスレーカーもしくは粉砕機などで消和
用水と反応させることにより製造される。製造される石
灰乳は、石灰乳製造工程で濃度を上げると粘度が高くな
り、石灰乳製造工程での取り扱いが難しくなる為、一般
的には粘度を考慮した濃度で制御されており、その固形
物濃度は通常20〜23wt%程度である。その為、石灰
乳と塩化アンモニウムとの反応後に得られる塩化カルシ
ウム水溶液は濃度が薄く、一般に市場で流通している約
35wt%の液状製品とする為には後工程で更に濃縮する
必要があった。よって、石灰乳と塩化アンモニウムとの
反応後に得られる塩化カルシウム水溶液の濃度は、後工
程で濃縮する加熱用蒸気などの熱源使用量に大きな影響
を与えるため、より高濃度にすることが望まれていた。
手段として、生石灰と塩化アンモニウムとを粉砕しな
がら反応させる方法(特開昭60−5023号公報)
や、生石灰の消和用水として塩化カルシウムを含む工
程液を使用する方法(特開昭52−101694号公
報)などが報告されている。しかし、の方法では粉砕
動力がかかる。また、製造される石灰乳は一般に塩化カ
ルシウム水溶液の製造のみでなく、排煙脱硫等他の用途
にも使用されることが多いが、の方法では石灰乳に塩
素イオンが含まれることになる。上記用途に使用される
石灰乳には、塩素イオンが含まれていないことが望まし
く、塩化カルシウム水溶液の製造以外に石灰乳を使用し
ている場合には、塩化カルシウム水溶液製造用の石灰乳
製造ラインとそれ以外の用途用の石灰乳製造ラインとが
必要になり、多大な設備投資が必要となるなどの課題が
あった。
解決する為、鋭意努力した結果、塩化アンモニウムと反
応させる前に石灰乳を濃縮することにより、石灰乳製造
工程での粘度の上昇による取り扱いの悪化を防止し、製
造コストの低減及び生産効率の向上を達成し、且つ多大
な設備投資を要することなく高濃度の塩化カルシウム水
溶液を製造できることを見出した。
を反応させる塩化カルシウム水溶液の製造方法におい
て、石灰乳として濃縮した石灰乳を用いることを特徴と
し、反応後に高濃度の塩化カルシウム水溶液を得ること
の出来る塩化カルシウム水溶液の製造方法である。
応させる前に石灰乳を濃縮し、反応系内に持ち込む水分
を減少させることを特徴としている。反応系内に持ち込
む水分を減少させることにより、反応後に得られる塩化
カルシウム水溶液の濃度を上げることができ、塩化カル
シウム水溶液の濃縮に必要な加熱蒸気などの使用量を抑
えることができると共に、濃縮装置での生産性が向上で
きる。
た後、塩化アンモニウムと反応させる直前に石灰乳を濃
縮させる為、既存の石灰乳製造工程を変更することなく
使用することが出来、石灰乳製造工程での粘度の上昇に
よる取り扱いの悪化を防ぐ事が出来る。
しくは粉砕機などで消和用水と反応させる等の一般的な
方法で製造すればよい。
て公知の方法により行うことができ、石灰乳の濃縮に使
用する装置等により本発明が限定されるものではない
が、濃縮効率などからフィルタープレスなどのろ過装置
や、デカンターなどの遠心沈降機などが好ましい。更に
は、コスト面、石灰乳の固形物濃度の制御の容易さの点
から、特にデカンターなどの遠心沈降機を使用すること
が好ましい。
後の固形物濃度が25wt%以上であることが好ましい。
固形物濃度が薄いと得られる塩化カルシウム水溶液の濃
縮に必要な加熱蒸気などの使用量低減の効果が少なくな
る。また、固形物濃度が高すぎると反応液中での石灰乳
の分散が困難となり、塩化アンモニウムとの反応に時間
がかかり、単位時間当りの塩化カルシウム水溶液の生産
性が低下することなどから、固形物濃度は25〜65wt
%であることがより好ましく、更には30〜60wt%の濃
度範囲が望ましい。
は、塩化アンモニウムとしてアンモニア・ソーダ工程に
おける塩化アンモニウムを含んだ重曹分離母液、または
重曹分離母液に塩化ナトリウムを加えることによって固
形物として取り出した塩化アンモニウムケークを用い、
反応容器中で攪拌しつつ行えばよい。このとき、塩化ア
ンモニウムが完全に反応するよう、過剰量の石灰乳、好
ましくは塩化アンモニウム1molに対し、水酸化カルシ
ウムが0.5molを超え1.0mol以下となる範囲、を用
いることが好ましい。塩化アンモニウムとしては、反応
系内に持ち込まれる水分量が少ないことから、重曹分離
母液から固形物として取出した塩化アンモニウムケーク
を用いることが好ましい。また反応温度は、60〜90
℃の範囲であることが好ましい。
ク、あるいは粉砕機能を有した反応器などが使用でき
る。
の反応はバッチ法、または連続法の何れによってもよ
い。
溶液の製造方法と同様に、過剰の石灰乳を沈降分離・遠
心分離・ろ過等により分離し、発生したアンモニアを蒸
留等で除去後、希望する塩化カルシウムの濃度まで濃縮
または希釈すれば良い。
5wt%以上であることが好ましい。塩化カルシウム水溶
液の濃度が薄いと、得られる塩化カルシウム水溶液の濃
縮に必要な加熱蒸気などの使用量低減の効果が少なくな
る。また、濃度が高すぎると、温度低下時に凝固してし
まうことなどから、反応後の塩化カルシウム水溶液の濃
度は25〜40wt%であることがより好ましい。
反応に用いる石灰乳の固形物濃度を変えることにより任
意に変える事が出来る。
灰乳の濃縮度を調整すること、高濃度に濃縮した石灰乳
を濃縮前の石灰乳や水または石灰乳を濃縮した際のろ液
と混合することなどにより変えればよい。
施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
のデカンターで濃縮し、固形物濃度約52wt%の石灰乳
を得た。
灰乳450gを邪魔板付きの2Lの反応器に入れ、固形
物濃度約30wt%の石灰乳とした。これにアンモニア・
ソーダ法から得られる水分約18wt%の塩化アンモニ
ウムケーク290gを投入し、65℃で10分攪拌した
結果、塩化カルシウム濃度が約28wt%の上澄液が得ら
れた。
缶で塩化カルシウムの濃度を40wt%まで濃縮した所、
蒸気の使用量は、40wt%塩化カルシウム水溶液1Lに
対し0.7kgであった。
%の石灰乳840gとアンモニア・ソーダ法から得られる
水分約18wt%の塩化アンモニウムケーク290gを
反応させた所、塩化カルシウム濃度が約22wt%の上澄
液が得られた。
ルシウムの濃度を40wt%まで濃縮した所、蒸気の使用
量は、40wt%塩化カルシウム水溶液1Lに対し1.5k
gであった。
のデカンターで濃縮し、固形物濃度約58wt%の石灰乳
を得た。
反応器に370g、アンモニア・ソーダ法から得られる
水分約18wt%の塩化アンモニウムケーク300gを
投入し、65℃で30分攪拌した。その結果、塩化カル
シウム濃度が約40wt%の上澄液が得られた。
がなく、濃縮用の蒸気の使用量は0kgである。
理し、固形物濃度約60wt%の石灰乳を得た。
灰乳300gを容量3Lのボールミルに入れ10分間混
合解砕し、固形物濃度約37wt%の石灰乳とした。これ
にアンモニア・ソーダ法から得られる水分約18wt%
の塩化アンモニウムケーク290gを投入し、65℃で
20分反応させた。その結果、塩化カルシウム濃度が約
32wt%の上澄液が得られた。
ルシウムの濃度を40wt%まで濃縮した所、300kPa蒸
気の使用量は、40wt%塩化カルシウム水溶液1Lに対
し0.4kgであった。
により、石灰乳製造工程での粘度の上昇による取り扱い
の悪化の防止、塩化カルシウムの濃縮にかかる加熱蒸気
などの使用量の削減、生産効率の向上及び製造コストの
低減が可能となった。
する場合においても、塩化カルシウム水溶液製造用以外
の用途用の石灰乳製造ラインを設ける必要がなく、多大
な設備投資が不要である。
Claims (3)
- 【請求項1】石灰乳と塩化アンモニウムを反応させる塩
化カルシウム水溶液の製造方法において、石灰乳として
濃縮した石灰乳を用いることを特徴とする塩化カルシウ
ム水溶液の製造方法。 - 【請求項2】濃縮後の石灰乳の固形物濃度が25wt%以
上である請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】濃度25wt%以上の塩化カルシウム水溶液
を製造することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2000249473A JP4050864B2 (ja) | 2000-08-21 | 2000-08-21 | 塩化カルシウム水溶液の製造方法 |
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JP2007161515A (ja) * | 2005-12-12 | 2007-06-28 | Yoshizawa Lime Industry | 純度の高い炭酸カルシウムの製造方法 |
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CN102976355A (zh) * | 2012-10-31 | 2013-03-20 | 四川大学 | 一种利用氯化铵和电石渣生产氨气和氯化钙的工艺 |
CN103058252A (zh) * | 2013-01-30 | 2013-04-24 | 淄博永大化工有限公司 | 一种高碱度钙溶液与环氧丙烷生产中的萃取盐酸制备氯化钙的方法 |
WO2024037298A1 (zh) * | 2022-08-16 | 2024-02-22 | 湖北祥云(集团)化工股份有限公司 | 磷石膏的综合处理方法 |
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2000
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