JP2002059106A - 焼却灰の廃棄方法及び廃棄物最終処分場 - Google Patents

焼却灰の廃棄方法及び廃棄物最終処分場

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JP2002059106A JP2000251594A JP2000251594A JP2002059106A JP 2002059106 A JP2002059106 A JP 2002059106A JP 2000251594 A JP2000251594 A JP 2000251594A JP 2000251594 A JP2000251594 A JP 2000251594A JP 2002059106 A JP2002059106 A JP 2002059106A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物最終処分場の浄化施設を有効に利用し
て廃棄物を浄化し、早期に再利用することのできる廃棄
物最終処分場と焼却灰の廃棄方法を提供する。 【解決手段】 磨砕処理により、ダイオキシン類の含有
量、環境基準項目に定められた重金属類や有機物の濃
度、塩類,カルシウムの濃度が所定の数値よりも大幅に
低減された、粒径が大きな粒状体を、最終処分場10の
埋立地11に埋立て、その後散水によって上記埋立てら
れた焼却灰を更に浄化するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼却灰の廃棄方法
と廃棄物最終処分場に関するもので、特に、廃棄物最終
処分場を早期に再利用化可能とする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、リサイクルができない生ゴミ等の
可燃物は、主に、ストーカ式焼却炉あるいは流動床式焼
却炉において焼却され、焼却炉の焼却残渣(主灰)は焼
却灰として廃棄物最終処分場(以下、最終処分場と略
す)に埋立処分される。このような焼却灰には、重金属
類や焼却過程で生じたダイオキシン等の有害物質が付着
していることから、最終処分場の安全性を高めるため、
埋立てられる焼却灰中の重金属類の濃度やダイオキシン
類の含有量が、法律で定められる所定値を越えるものに
ついては、遮断型最終処分場へ埋立処分するか、溶融・
セメント固化等の処理やダイオキシン類の分解処理を行
った後、管理型最終処分場へ埋立処分するように義務づ
けられている。上記管理型最終処分場は、埋立地に遮水
工を施すとともに、自然降雨等による埋立地内の浸出水
を集水して処理する浸出水処理を有し、上記浸出水によ
り、埋立てられた廃棄物の浄化が行えるような施設を有
する処分場で、近年は、散水設備を備え、人工的な散水
を行って上記廃棄物を浄化することができる屋根付きの
処分場も多く建設されている。
【0003】最終処分場は、早いもので5年、通常15
年〜20年で満杯となるが、最終処分場を廃止して本格
的な跡地利用を行うためには、上記埋立地内の廃棄物が
以下の廃止条件を満たしていることが必要である。 1 保有水等の性質が2年以上に亘って(設置許可段階で
の)排水基準値に達していること。 2 ガスの発生がほとんど認められず、ガスの発生量の増
加が2年以上に亘って認められないこと。 3 埋立て地の内部温度が周辺の地中温度に比して異常な
高温となっていないこと。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の最終処分場では、人工的な散水を行って廃棄物を徐
々に浄化していった場合でも、浄化の進行速度が遅いた
め、廃止の時期については目途が立たないのが現状であ
った。一方、焼却灰を約1500℃以上の高温で溶融す
る溶融固化処理を行った後、これを最終処分場に廃棄す
る方法も考えられるが、溶融固化では、焼却灰を高温で
溶融するため、溶融炉等の大型設備を必要とすること
や、多大なエネルギーを必要とすることから、設備の建
設費や処理コストが高いといった問題点があるため、焼
却灰を全て溶融固化して廃棄することは現実的には困難
である。
【0005】本発明は、従来の問題点に鑑みてなされた
もので、早期に再利用することのできる廃棄物最終処分
場と焼却灰の廃棄方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の廃棄物最終処分場は、埋立地内に、ダイオキシン類の
含有量、もしくは環境基準項目に定められた重金属類や
有機物の濃度、もしくは塩類あるいはカルシウムの濃度
が所定の数値以下になるように前処理した焼却灰を埋立
てて成ることを特徴とするもので、これにより、廃棄物
最終処分場を早期に再利用することが可能となる。な
お、上記環境基準項目に定められた物質は、法律で定め
られた「土壌の環境汚染に係わる環境上の条件」(平成
3年8月23日環境庁告示第46号)に定められた物質
であり、具体的には、カドミウム,シアン,鉛,六価ク
ロムなどの重金属類や、四塩化炭素,1,2−ジクロロエ
タン,ベンゼンなどの有機物があり、土壌中の最大検出
濃度(利用形態により異なるが、現行では、鉛;0.01mg
/L以下など)が定められている。また、土壌中のダイオ
キシン類の含有量についても同様に土壌中の最大含有量
(現行〜平成11年12月27日環境庁告示第68号で
は、1000pg-TEQ/g以下)が定められている。塩類あるい
はカルシウムの濃度は、例えば、緑地とし使用する際に
は、所定濃度(例えば、200mg/L)以下であることが望ま
しい。
【0007】請求項2に記載の廃棄物最終処分場は、前
処理として、焼却灰から粒径の大きな粒状体を抽出する
分級処理を含み、上記抽出された粒径の大きな粒状体を
埋立てるようにしたことを特徴とするもので、これによ
り、埋立地内の透水性が向上し、上記埋立てられた焼却
灰の浄化を促進することが可能となる。
【0008】請求項3に記載の廃棄物最終処分場は、前
処理として、焼却灰に加水して洗浄する湿式処理を施し
たことを特徴とするもので、これにより、焼却灰中の粒
状体の表面に付着している上記有害物質を水中に浮遊あ
るいは溶解させて分離することができるので、大型設備
を必要とすることなく、焼却灰の前処理を行うことが可
能となる。
【0009】請求項4に記載の廃棄物最終処分場は、散
水設備を備え、上記埋立てられた焼却灰に散水して、ダ
イオキシン類、環境基準項目に定められた重金属類や有
機物、もしくは塩類あるいはカルシウムの一部を上記水
と共に回収して、埋立てられた焼却灰の浄化を更に促進
するするようにしたことを特徴とする。
【0010】請求項5に記載の廃棄物最終処分場は、上
記焼却灰を、既製の廃棄物最終処分場に埋立てられた、
上記前処理を施していない廃棄物としたことを特徴とす
るもので、これにより、多くの廃棄物最終処分場を再利
用することが可能となる。
【0011】また、請求項6に記載の焼却灰の廃棄方法
は、上記焼却灰中のダイオキシン類の含有量もしくは環
境基準項目に定められた重金属類や有機物の濃度、もし
くは塩類あるいはカルシウムの濃度が所定の数値値以下
になるように前処理した、粒径の大きな粒状体を抽出
し、これを廃棄物最終処分場に廃棄するようにしたこと
を特徴とする。
【0012】請求項7に記載の焼却灰の廃棄方法は、上
記前処理として、焼却灰に加水して洗浄する湿式処理を
施したことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面に基づき説明する。図1は本実施の形態に係わ
る焼却灰の処理方法示す図で、図2は廃棄物最終処分場
(以下、最終処分場という)10の一構成例を示す図で
ある。本実施の形態では、予め、埋立地11内に埋立て
る焼却灰に対して、ダイオキシン類の含有量、環境基準
項目に定められた重金属類や有機物の濃度、塩類,カル
シウムの濃度が所定の数値以下に低減する前処理を行
い、この前処理された焼却灰(処理灰)を、散水設備1
2と浸出水処理施設13とを備えた最終処分場10に埋
立てた後、上記埋立てられた処理灰(以下、廃棄物とい
う)に対して定期的に散水して上記廃棄物を浄化し、上
記最終処分場10を早期に再利用することができるよう
にしたものである。上記最終処分場10は、図2に示す
ように、周囲の地盤に対する遮水機能を備えたコンクリ
ートの隔壁14で囲まれた埋立地11を有し、この埋立
地11の上部には屋根15が設けられ、この屋根15の
天井付近に上記散水設備12が設けられている。また、
埋立地11の底部には、集水タンク16に接続された浸
出水集水管17を備えた地下調整層18が設けられ、更
に、上記地下調整層18の上面には砂分を主体とした排
水・通気層19が設けられている。そして、この排水・
通気層19の上部に上記前処理された焼却灰が投入され
る。なお、20は埋立てられた焼却灰中のガス濃度や温
度を検出するための検出器で、これにより、定期的に上
記処理灰中のガス濃度や温度を検出して処理灰の浄化の
促進状態を管理することができるようにしている。
【0014】ところで、焼却灰は、塊状の焼却された可
燃物と上記可燃物に混って焼却された金属屑やガラスあ
るいは陶器類の欠片や土砂、及びこれらに付着している
ダイオキシン類,環境基準項目に定められた重金属類や
有機物などの有害物質や塩類あるいはカルシウムなどの
土壌の成分としてに不適当な物質(以下、簡単のため、
まとめて有害物質という)の微粒子から構成されている
ので、上記焼却灰に対して上記有害物質の含有量あるい
は濃度を所定の数値以下にする前処理を行った後に、最
終処分場10に廃棄する。上記前処理は、上記焼却灰に
対して、散水,浸積,加水攪拌あるいは加水磨砕などの
湿式処理を施して、焼却灰中の粒状体の表面に付着して
いる上記有害物質を水中に浮遊あるいは溶解させて分離
するとともに、振動ふるいなどの分級手段を用いて、上
記有害物質が分離された粒径の大きな粒状体を取り出す
分級処理を行ない、上記有害物質の含有量あるいは濃度
が所定の数値以下に処理された焼却灰(処理灰)を廃棄
物として最終処分場10に廃棄する。また、上記有害物
質の微粒分を多く含む粒径の小さな粒状体を含むスラリ
ーは、脱水処理して脱水ケーキを作製し、その後、溶融
固化などの無害化処理を施し、当該最終処分場10ある
いは他の最終処分場に廃棄される。なお、微粒子分離装
置である液体サイクロンのように湿式処理と分級処理と
同時に行う装置を用いて上記前処理を行ってもよい。
【0015】以下、湿式処理として加水磨砕を用いた場
合の前処理方法について、図3のフローチャートを参照
して説明する。まず、焼却灰を粒径選別用のふるい(ス
クリーン)に投入し、焼却灰中の粒径が約40mmを超
えるガラス片や陶器類の欠片などの夾雑物や鉄屑などを
予め排除する(ステップS1)。次に、上記スクリーン
を通過した粒状体を、投入された焼却灰に処理水を加水
しながら、上記焼却灰中の粒状体を細粒化する磨砕処理
工程に投入して、上記粒状体同士を擦り合わせて、塊状
となった焼却灰をほぼ独立した粒状体に分離するととも
に、上記粒状体の表面に付着している重金属類やダイオ
キシン等の有害物質を剥離して、処理水中に浮遊あるい
は溶解させて分離する磨砕処理(一次磨砕処理)を行う
(ステップS2)。図4(a),(b)は、上記一次磨
砕処理に用いられる第1の磨砕処理装置30の構成を示
す図で、(a)図は側面図、(b)図はそのA−A断面
図である。第1の磨砕処理装置30は、内周面に軸方向
に沿って取付けられ、中心方向に突出する複数の外羽根
31Wを有する円筒状の回転ドラム31と、外周面に軸
方向に沿って取付けられ、径方向に突出する複数の内羽
根32Wを有し、上記回転ドラム31の内部に偏心して
取付けられたロータ32とを備え、回転ドラム31の外
周に設けられた環状歯車33をモータ34により駆動
し、ロータ32に取付けられた回転軸35を駆動機構3
6により駆動して、回転ドラム31とロータ32とをそ
れぞれ互いに逆方向に回転させ、材料投入口37から投
入された処理材料である焼却灰に圧縮及びすべり応力を
作用させ、塊状となった焼却灰をほぼ独立した粒状体に
分離して細粒化するとともに、上記細粒化された粒状体
に対して、主に粒状体相互間の擦り合わせの力を作用さ
せて、粒状体同士の摩擦による相互研磨を行わせ、上記
粒状体の表面に付着している重金属類やダイオキシン等
の有害物質を処理水中に浮遊あるいは溶解させて分離す
る磨砕処理を行う。
【0016】第1の磨砕処理装置30で磨砕処理された
焼却灰は、選別用のスクリーンで洗浄されながら粒径が
5mm〜40mm程度の大きさの粒状体と、粒径が5m
m以下の粒状体を含むスラリーとに分けられ、上記粒径
が大きな粒状体は、処理灰として図示しない集積場に集
積される(ステップS3)。なお、焼却灰中の粒径が約
2mm以上の粒径の大きな粒状体には、重金属類やダイ
オキシン等の有害物質があまり付着しておらず、付着し
ていてもその付着力は弱いことから、第1の磨砕処理装
置30での磨砕処理のみで、上記粒径の大きな粒状体中
の環境基準項目に定められた重金属類や有機物の濃度や
ダイオキシン類の含有量を十分土壌環境基準値以下にす
ることができるとともに、塩類やカルシウムの濃度を所
定の基準値以下にすることができる。
【0017】上記選別用のスクリーンを通過した粒径が
5mm以下の粒状体を含むスラリーは、再び磨砕処理さ
れる(ステップS4)。この二次磨砕処理を行うための
二次磨砕処理装置(図示せず)は、上記第1の磨砕処理
装置30と同様のほぼ構成であるが、上記第1の磨砕処
理装置30よりもロータ32の径と偏心度とを大きくし
て回転ドラム31とロータ32との間隔Dを狭くすると
ともに、回転ドラム31とロータ32との相対的な回転
速度を速くして、粒状体同士の摩擦による相互研磨を主
体とした磨砕処理を行い、投入された粒径が5mm以下
の粒状体に強く付着している重金属類やダイオキシン類
を離脱させる。なお、上記二次磨砕処理は、必ずしも行
う必要はなく、処理される焼却灰の状態に応じて適宜行
うようにすればよい。
【0018】上記二次磨砕処理された焼却灰は、例え
ば、液体サイクロンのような微粒子分離装置に送られ、
粒径が約75μm以下の微粒子を含むスラリーと、粒径
が75μm〜5mmの砂礫を主とした粒状体とに分級さ
れる(ステップS5)。上記砂礫を主とした粒状体は、
二次磨砕処理により、重金属類の濃度やダイオキシン類
の含有量とが土壌環境基準値よりも大幅に低減されてい
るので、上述した粒径が5mm〜40mm程度の大きさ
の粒状体を集積した集積場に送られ、最終処分場10に
埋立てられる。一方、微粒子分離装置から排出された粒
径が75μmm未満の微粒分を含むスラリーには、重金
属類やダイオキシン等の有害物質の微粒子が多く含まれ
ているので、これをフィルタプレス等の脱水機に送り、
脱水ケーキを作製する(ステップS6)。上記脱水機の
濾水は浄化処理され、例えば、一次磨砕処理装置30の
処理水やスクリーンの洗浄水として再利用される(ステ
ップS7)。なお、上記脱水ケーキは、有害物質の微粒
子を多く含んでいるので、例えば、溶融固化処理して無
害化した後に廃棄する。
【0019】図5は、上述した加水磨砕処理後の廃棄物
の重量比率の一例を示す図で、投入された焼却灰の約8
5%は、粒径が15mm〜40mmの粒状体(9.7
%)と、粒径が5mm〜15mmの粒状体(8.9%)
と、粒径が0.5mm〜5mmの粒状体(9.7%)及
び粒径が75μm〜0.5mmの粒状体(9.7%)と
から成る処理灰であり、約10%が粒径が75μm未満
の微粒分を含むスラリーから作製され脱水ケーキ、残り
は金属片と狭窄物である。図6(a)は、投入された4
種類(A〜D)の焼却灰と、この焼却灰を前処理した処
理灰の鉛溶出濃度を比較した棒グラフで、このグラフに
示すように、上記前処理により、環境基準項目に定めら
れた重金属類である鉛の濃度は、前処理後はほとんど検
出されていないことがわかる。また、図6(b)は、投
入された5種類(a〜e)の焼却灰と、この焼却灰を前
処理した処理灰のダイオキシン類の含有量を比較した棒
グラフで、このグラフに示すように、上記前処理によ
り、ダイオキシン類の含有量は、現行の環境基準値であ
る1000pg-TEQ/gに対して大幅に低減されているだけでな
く、環境基準値以下であっても法律で定める調査が必要
な含有量である250pg-TEQ/gを十分に下回っていること
が確認された。また、図7(a),(b)に示すよう
に、塩化物イオン濃度とカルシウムイオン濃度について
も、上記前処理により、上述した所定の濃度である200m
g/L以下に低減することができる。
【0020】最終処分場10では、散水設備12の散水
タンク12aに貯蔵された水道水をポンプ12bにより
散水装置12cに送って、上記埋立てられた処理灰(廃
棄物)に散水し、廃棄物中の重金属類や塩化物イオン,
カルシウムイオンなどを上記散水中に溶解させて回収し
たり、ダイオキシン類を水とともに回収して上記焼却灰
を浄化する。すなわち、埋立てられた時点では、上記廃
棄物中の重金属類の濃度は土壌環境基準値よりも大幅に
低減されているが、上記処理灰中に若干残存している重
金属類が自然降雨などにより溶出し、重金属類の濃度が
上昇することがあるので、上記散水装置12cにより、
積極的に上記処理灰に散水して上記溶出した重金属類を
回収する。また、廃棄物中に若干残留している塩化物イ
オンやカルシウムイオンも同時に回収する。上記散水
は、排水・通気層19を介して地下調整層18に設けら
れた浸出水集水管17を介して集水タンク16ににより
で集められ、ポンプ16aにより貯留タンク16bに送
られて一次貯蔵された後、浸出水処理施設で薬品処理さ
れて放流される。なお、上記散水に加えて、薬品散布を
行うようにすれば、上記廃棄物の浄化を更に促進させる
ことが可能である。また、上記埋立てられた処理灰は、
粒径が75μm以上の大きな粒状体から成るので、埋立
地11内の透水性が向上し、処理灰の浄化を促進するこ
とができるとともに、処理焼却灰中にガスが発生した場
合でも、ガス抜きが容易となる。処理焼却灰中に発生ガ
スの内、二酸化炭素や硫化水素などの空気より重いガス
は、排水・通気層19を介して地下調整層18に流れ、
図示しない排気装置により、埋立地11より排気され
る。また、ダイオキシン類の含有量は増加することはな
いが、上記散水により、上記処理灰中に残留しているダ
イオキシン類の微粒子の一部を回収することができる。
【0021】このように、本実施の形態では、磨砕処理
により、ダイオキシン類の含有量、環境基準項目に定め
られた重金属類や有機物の濃度、塩類,カルシウムの濃
度が所定の数値よりも大幅に低減された、粒径が5mm
〜40mmの礫分を主とした粒状体、及び粒径が75μ
m〜5mmの砂分を主とした粒状体が、最終処分場10
の埋立地11に埋立てられ、かつ散水によって浄化され
るので、処分場が満杯となっ時点で、埋立地内の廃棄物
は土壌環境基準を満たしている可能性が高い。したがっ
て、上述した廃止条件にあるように、所定期間(ここで
は2年)の監視期間が過ぎた時点で廃止可能と判定され
ることは確定的であり、上記最終処分場10の土地を早
期に再利用することができる。
【0022】なお、上記実施の形態では、磨砕処理を施
した粒径が75μm〜40mmの焼却灰中の粒状体を抽
出してこれを最終処分場10に埋立てるようにしたが、
最終処分場10に埋立てる焼却灰中の重金属類の濃度や
ダイオキシン類の含有率を低減する方法は、これに限る
ものではなく、上述した散水,浸積あるいは加水攪拌な
どの他の湿式処理と分級処理を行ってもよい。また、キ
レート処理や硫化ナトリウム処理などのにより重金属類
を不溶化する薬品処理や、上記焼却灰に適量の水分を与
えつつ二酸化炭素を供給して重金属類が溶出を防止する
エージング処理処理を行ってもよい。このとき、上記処
理では、必ずしも焼却灰中から重金属類やダイオキシン
類が検出されないレベルまで低減する必要はなく、最終
処分場10の浄化施設の機微や種類あるいは廃止後の利
用形態に応じて適宜決定すればよい。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、埋立地内に、ダイオキシン類の含有量、
もしくは環境基準項目に定められた重金属類や有機物の
濃度、もしくは塩類あるいはカルシウムの濃度が所定の
数値以下になるように前処理した焼却灰を埋立てたの
で、廃棄物最終処分場を早期に再利用することができ
る。
【0024】請求項2に記載の発明によれば、前処理と
して、焼却灰から粒径の大きな粒状体を抽出してこれを
埋立てるようにしたので、埋立地内の透水性が向上し、
焼却灰の浄化を促進することができる。
【0025】請求項3に記載の発明によれば、前処理と
して、焼却灰に加水して洗浄する湿式処理を施すように
したので、焼却灰中の粒状体の表面に付着している上記
有害物質を水中に浮遊あるいは溶解させて分離すること
ができる。したがって、大型設備を必要とすることな
く、焼却灰の前処理を容易に行うことができる。
【0026】請求項4に記載の発明によれば、散水設備
を備え、上記埋立てられた焼却灰に散水して、ダイオキ
シン類、環境基準項目に定められた重金属類や有機物、
もしくは塩類あるいはカルシウムの一部を上記水と共に
回収するようにしたので、焼却灰の浄化を更に促進する
ことができる。
【0027】請求項5に記載の発明によれば、上記焼却
灰を、既製の廃棄物最終処分場に埋立てられた、上記前
処理を施していない廃棄物としたので、これにより、多
くの廃棄物最終処分場を再利用することができる。
【0028】また、請求項6に記載の発明によれば、上
記焼却灰中のダイオキシン類の含有量もしくは環境基準
項目に定められた重金属類や有機物の濃度、もしくは塩
類あるいはカルシウムの濃度が所定の数値値以下になる
ように前処理した、粒径の大きな粒状体を抽出してこれ
を廃棄物最終処分場に廃棄するようにしたので、上記廃
棄された焼却灰は土壌として再利用可能であり、溶融処
理する焼却灰の量を低減することができる。
【0029】請求項7に記載の発明によれば、上記前処
理として、焼却灰に加水して洗浄する湿式処理を施すよ
うにしたので、簡単な設備で効率よく焼却灰の前処理を
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係わる焼却灰の処理方
法示す図である。
【図2】 本実施の形態に係わる最終処分場の構成を示
す図である。
【図3】 加水磨砕による前処理を示すフローチャート
である。
【図4】 磨砕装置の構成を示す図である。
【図5】 加水磨砕処理後の廃棄物の重量比率を示す図
である。
【図6】 前処理による鉛溶出量とダイオキシン類の含
有量の低減効果を示す図である。
【図7】 前処理による塩化物イオン濃度とカルシウム
イオン濃度の低減効果を示す図である。
【符号の説明】
10 最終処分場、11 埋立地、12 散水設備、1
3 浸出水処理施設、14 隔壁、15 屋根、16
集水タンク、17 浸出水集水管、18 地下調整層、
19 排水・通気層、20 検出器。
フロントページの続き (72)発明者 西山 勝栄 東京都新宿区津久戸町2番1号 株式会社 熊谷組東京本社内 (72)発明者 高倉 伸和 東京都新宿区津久戸町2番1号 株式会社 熊谷組東京本社内 (72)発明者 新谷 剛 東京都新宿区津久戸町2番1号 株式会社 熊谷組東京本社内 Fターム(参考) 4D004 AA36 AB03 AB05 AB07 BB03 CA07 CA10 CA40 CC03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 埋立地内に、ダイオキシン類の含有量、
    もしくは環境基準項目に定められた重金属類や有機物の
    濃度、もしくは塩類あるいはカルシウムの濃度が所定の
    数値以下になるように前処理した焼却灰を埋立てて成る
    ことを特徴とする廃棄物最終処分場。
  2. 【請求項2】 上記前処理は、焼却灰から粒径の大きな
    粒状体を抽出する分級処理を含み、上記抽出された粒径
    の大きな粒状体を埋立てるようにしたことを特徴とする
    請求項1に記載の廃棄物最終処分場。
  3. 【請求項3】 上記前処理は、焼却灰に加水して洗浄す
    る湿式処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の廃
    棄物最終処分場。
  4. 【請求項4】 散水設備を備え、上記埋立てられた焼却
    灰に散水して、ダイオキシン類、環境基準項目に定めら
    れた重金属類や有機物、もしくは塩類あるいはカルシウ
    ムの一部を上記水と共に回収するようにしたことを特徴
    とする請求項1〜請求項3記載のいずれかに記載の廃棄
    物最終処分場。
  5. 【請求項5】上記焼却灰を、既製の廃棄物最終処分場に
    埋立てられた、上記前処理を施していない廃棄物とした
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4記載のいずれかに
    記載の廃棄物最終処分場。
  6. 【請求項6】 焼却灰を廃棄物最終処分場に廃棄する際
    に、上記焼却灰中のダイオキシン類の含有量もしくは環
    境基準項目に定められた重金属類や有機物の濃度、もし
    くは塩類あるいはカルシウムの濃度が所定の数値値以下
    になるように処理した粒径の大きな粒状体を抽出し、こ
    れを廃棄するようにしたことを特徴とする焼却灰の廃棄
    方法。
  7. 【請求項7】 焼却灰に加水して洗浄する湿式処理を施
    したことを特徴とする請求項6に記載の焼却灰の廃棄方
    法。
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