JP2002059024A - 微粉製造装置および微粉製造方法 - Google Patents

微粉製造装置および微粉製造方法

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JP2002059024A JP2001297512A JP2001297512A JP2002059024A JP 2002059024 A JP2002059024 A JP 2002059024A JP 2001297512 A JP2001297512 A JP 2001297512A JP 2001297512 A JP2001297512 A JP 2001297512A JP 2002059024 A JP2002059024 A JP 2002059024A
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理 戎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置の内部に残存している粉体の総量を正確
に把握でき、さらに、装置の運転状態が健全であるか否
かを判断し得る微粉製造装置および微粉製造方法を提供
する。 【解決手段】 装置本体2の内部に、上向きのノズル4
と、圧縮気体3により粉体1を加速する加速管5と、こ
の粉体1を衝突させる衝突板7とを備えると共に、微粉
体を排出する分級手段9と、分級手段9で分級されなか
った粉体1をノズル4に戻すため、粉砕室6A及び加速
管5の周囲に設けた戻り流路10とを備え、戻り流路1
0の下方に設けた粉体受面11の下端部を、ノズル4の
外周部近傍、かつ、加速管5の下端部近傍まで延出さ
せ、粉体受面11の下方側からノズル4の外周部に向け
て流動気体を供給する流動気体供給孔13を設け、さら
に戻り流路10に圧力検出器14を備えた微粉製造装置
で微粉を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、装置本体の内部
に、上向きの圧縮気体を吹き出すノズルと、前記圧縮気
体によって処理対象である粉体を加速させる加速管と、
加速した前記粉体を衝突させるべく、前記加速管に連通
した粉砕室に設けた衝突板とを備えると共に、粉砕した
微粉を排出すべく前記衝突板の上方に設けた分級手段
と、前記分級手段で分級排出されなかった粉体を再び前
記ノズルの側に戻すために、前記粉砕室及び前記加速管
を取囲む状態に設けた戻り流路とを備え、さらに、前記
戻り流路の下方に設けた粉体受面の下端部を、前記ノズ
ルの外周部近傍であって、かつ、前記加速管の下端部近
傍の位置まで延出させると共に、前記粉体受面の下方側
から前記ノズルの外周部に向けて粉体流動用の気体を供
給する流動気体供給孔を設けてある微粉製造装置、およ
び、当該微粉製造装置を用いた微粉製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような微粉製造装置を用いて粉体
を粉砕処理する際には、粉体の処理状況を把握すること
が重要である。即ち、微粉製造装置を安定な状態で運転
するためには、装置の内部に投入する粉体の量を適量に
維持する必要があるからである。従来の微粉製造装置で
は、例えば、前記流動気体供給孔の近傍に圧力検出器を
設けておき、流動気体供給孔から供給される流動気体の
圧力変動をモニターするものがあった。前記戻り流路を
落下してきた粉体は、流動気体によって再びノズルの側
に吹き上げられる。しかし、仮に投入する粉体の量が多
過ぎると、流動気体供給孔の近傍に堆積している粉体が
押し固められ固着し易くなる。この結果、前記流動気体
供給孔が閉塞気味となり、粉体の循環状態が停滞しがち
になる。この状態のとき流動気体の供給側では圧力が上
昇する。このように、従来の微粉製造装置では、流動気
体供給孔の近傍で流動気体の圧力をモニターし、特に、
圧力が上昇した場合に、粉体の循環状態が悪化している
と判断していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、流動気体供給
孔の近傍で圧力を測定する場合には、粉体の循環状態を
把握することはできても、微粉製造装置の内部に残存し
ている粉体の総量を把握することは困難であった。例え
ば、粉体の循環状態が良好にみえても、粉体の閉塞が生
じているという事態は十分に起こり得るからである。即
ち、戻り流路が完全に閉塞していても、流動気体供給孔
と加速管とが十分に連通しているような場合には、流動
気体供給孔からの流動気体は抵抗なく加速管の側に流出
することができる。このため、粉体の抵抗が減少した流
動気体供給孔の近傍では、流動気体がスムーズに流動す
ることができる。この場合には、未処理の粉体が多く残
存している状態でありながら、流動気体供給孔の近傍の
圧力が低下することで、あたかも粉体の残量が少なくな
っているような状態として検出される。
【0004】微粉製造装置の内部には処理する粉体を残
存させないのが好ましい。歩留まりの観点からは、これ
は全ての粉体を処理する場合に共通する。そして、特
に、処理対象である粉体が、例えば磁石用材料として用
いられる希土類材料のように強い酸化性を有するもので
ある場合には、このことは重要である。例えば、内部の
清掃等に際して装置を開封すると、上記希土類材料は、
進入した気体と激しく反応して発火する場合があるから
である。
【0005】このように、従来の微粉製造装置では、装
置の内部に残存している粉体の量を正確に把握し、ある
いは運転状態が健全であるか否かを的確に判断すること
については未だ改良の余地があった。
【0006】本発明の目的は、上記欠点に鑑み、装置の
内部に残存している粉体の総量を正確に把握でき、さら
には、装置の運転状態が健全であるか否かを判断し得る
微粉製造装置および微粉製造方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】〔構成1〕本発明の微粉
製造装置は、請求項1に示すごとく、装置本体の内部
に、上向きの圧縮気体を吹き出すノズルと、前記圧縮気
体によって処理対象である粉体を加速させる加速管と、
加速した前記粉体を衝突させるべく、前記加速管に連通
した粉砕室に設けた衝突板とを備えると共に、粉砕した
微粉を排出すべく前記衝突板の上方に設けた分級手段
と、前記分級手段で分級排出されなかった粉体を再び前
記ノズルの側に戻すために、前記粉砕室及び前記加速管
を取囲む状態に設けた戻り流路とを備え、さらに、前記
戻り流路の下方に設けた粉体受面の下端部を、前記ノズ
ルの外周部近傍であって、かつ、前記加速管の下端部近
傍の位置まで延出させると共に、前記粉体受面の下方側
から前記ノズルの外周部に向けて粉体流動用の気体を供
給する流動気体供給孔を設けてある微粉製造装置であっ
て、前記戻り流路に圧力検出器を備えた点に特徴を有す
る。 〔作用効果〕装置本体内部の粉体の総量は、粉体処理の
進行程度に応じて常に変化する。例えば、処理された粉
体が排出されることで前記総量は減少し、装置本体に新
たに粉体が投入されると前記総量は増大する。一方、前
記分級手段から排出される気体の流量と、前記ノズル等
から装置本体の内部に供給する気体の流量とは略一定で
あるから、装置本体の内部に存在する気体の総量は略一
定である。しかし、粉体の総量が上記のごとく変化する
から、装置本体の内部気圧は増減することとなる。
【0008】装置本体の内部において、その気圧は、粉
体の総量が増大するほど低くなり、粉体の総量が減少す
るほど高くなる。これは以下の理由による。つまり、粉
体の総量が増大し、粉体受面に堆積する粉体の堆積高さ
が上昇すると、当該粉体の重量の影響で、前記ノズルの
周囲に押し出される粉体の流量が増大する。これらの粉
体は、ノズル及び流動気体供給孔から噴出する気体に対
して抵抗となる。抵抗が増大すれば、装置本体の内部に
供給される気体の総量が減少し、結果的に装置本体の気
圧が低下するのである。粉体の総量が減少する場合に
は、逆に、ノズルの周囲に向かって流動しようとする粉
体が減少する。よって、気体の噴出に対する抵抗が減少
し、装置本体の内部に供給される気体の総量が増大し
て、装置本体の内部気圧が上昇する。そして、装置本体
の内部において気圧の増減が最も敏感に現れるところが
前記粉体の堆積部上面の近傍となる。当該上面の位置は
頻繁に上下するからである。
【0009】よって、本発明のごとく、粉体の堆積部上
面が位置する戻り流路に圧力検出器を設けることで、装
置本体の内部圧力の変化を最も正確かつ迅速に検知する
ことができ、装置本体の内部に残存している粉体の総量
を知ることができる。また、このように、残存している
粉体の総量を知ることができれば、装置本体の内部に残
存している粉体の量が最も少なくなったことを確認した
うえで、装置の運転を停止することが容易となる。この
結果、処理する粉体を変更する際等に、無駄となる粉体
の量を低減することができ、微粉の製造効率を向上させ
ることができる。特に、処理する粉体が希土類材料であ
る場合には、装置を開放する際に残存する原料粉体の総
量を少なくして発火等のトラブルが生じるのを確実に防
止することができる。
【0010】〔構成2〕本発明の微粉製造装置において
は、請求項2に示すごとく、前記圧力検出器を、前記戻
り流路のうち最も断面積の小さい部位に設けておくこと
ができる。 〔作用効果〕粉砕室の内部のうち圧力変動が最も敏感に
生じる部分が戻り流路であることは上述の通りである。
ただし、戻り流路の形状、特に、その断面形状は必ずし
も一様ではない。よって、本構成のごとく、戻り流路の
うち断面積の最も小さい位置に圧力検出器を設けること
で、粉体総量の変動に伴う気圧変動を最も敏感に検知す
ることができ、粉体の残量をより正確に把握することが
できることとなる。
【0011】〔構成3〕本発明の微粉製造装置において
は、請求項3に示すごとく、前記戻り流路の内周面のう
ち少なくとも一部に垂直面を構成しておき、当該垂直面
に前記圧力検出器を設けておくことができる。 〔作用効果〕粉砕処理する粉体の種類によっては、戻り
流路の壁面に付着し易いものが存在する。特に、粒径が
小さい粉体や、比重が小さい粉体等は壁面に付着し易
い。このような粉体を粉砕処理する場合に、圧力検出器
の検知部に粉体が付着すると、その後、正確な圧力検出
を行うことが困難となる。そこで、本構成のごとく、前
記戻り流路の内周面のうち少なくとも一部に垂直面を構
成しておき、当該垂直面に前記圧力検出器を設けること
で、上記粉体の付着を抑制し、粉体の種類に拘わらず装
置本体内部の圧力変動を正確に検出することができる。
【0012】〔構成4〕本発明の微粉製造装置は、請求
項4に示すごとく、前記粉砕室を、前記装置本体の内部
に配置した粉砕室形成部材によって構成しておき、前記
圧力検出器を、前記粉砕室形成部材の上縁部よりも下方
に設けておくことができる。 〔作用効果〕粉砕処理に際して、微粉製造装置の内部に
は所定量の粉体を投入する。この所定量とは、衝突板に
衝突させた粉体が、粉砕室形成部材の外側に確実に排出
され、装置本体の内部で粉体が安定的に循環し得る量で
ある。そのためには、例えば、堆積した粉体の上面を前
記上縁部よりも下方に位置させ、粉体が、粉砕室形成部
材の内部に逆流しないようにすることが考えられる。
【0013】そこで、本構成では、圧力検出器を粉砕室
形成部材の上縁部よりも下方に設けた。これにより、仮
に、粉体の上面高さが増して粉体が粉砕室の内部に逆流
しそうになった場合には、実際に粉体の逆流が生じる前
に、圧力検出器が粉体の内部に埋没することとなる。埋
没した圧力検出器は、正確な圧力変動を検出できなくな
る。その際の、圧力検出値の異常を検出することで、結
果的に、粉体の貯留量が過大となったことを認識するの
である。
【0014】〔構成5〕本発明の微粉製造装置において
は、請求項5に示すごとく、前記粉体流動用の気体を前
記流動気体供給孔に供給する流動気体貯留部を前記流動
気体供給孔に連設しておき、当該流動気体貯留部に第2
の圧力検出器を備えておくことができる。 〔作用効果〕上記のごとく、戻り流路に圧力検出器を設
けておくことで、装置の内部に残留している粉体の総量
を知ることができる。しかし、戻り流路に設けた圧力検
出器のみでは、粉体の堆積高さを正確に把握できない場
合がある。つまり、戻り流路の圧力検出器が圧力の増大
を検出したとしても、当該増大は、必ずしも粉体の堆積
高さの減少によるものとは限らない。例えば、粉体が十
分に堆積している状態で、前記流動気体供給孔の上方で
粉体が固着し、流動気体供給孔が閉塞して、ノズル周辺
への粉体の流動が停止することがある。この場合、ノズ
ルからの圧縮気体が抵抗なく装置本体の内部に供給され
ていると、装置内部の気圧は上昇する。
【0015】そこで、本構成では、前記流動気体供給孔
に流動気体貯留部を連設し、さらに、当該流動気体貯留
部に第2の圧力検出器を備えてある。本構成のごとく流
動気体貯留部の圧力を監視しておけば、上記のごとく、
流動気体供給孔が閉塞したような場合に、流動気体貯留
部の圧力上昇を検知して、前記閉塞が生じている事実を
知ることができる。この結果、装置本体内部の圧力の増
大は、粉体の減少によるものではなく、流動気体供給孔
の閉塞によるものであることが判断できる。このよう
に、双方の圧力検出器の検出結果を参照することで、当
該装置の運転状態を正確に知ることができる。
【0016】〔手段1〕本発明の微粉製造方法は、請求
項6に示すごとく、上記構成1から5の何れかに記載し
た微粉製造装置を用い、粉砕する粉体の種類に応じて前
記装置本体の内部圧力を基準圧力に設定しつつ微粉を製
造する方法であって、前記微粉製造装置を運転する際
の、前記粉体の種類と前記基準圧力とに応じた、前記戻
り流路の圧力と前記装置本体の内部に存在する粉体総量
との相関関係を予め求めておき、(1) 前記装置本体
の内部を基準圧力に設定する工程、および、(2) 前
記戻り流路の圧力を測定する工程、(3) 前記相関関
係に基づいて前記装置本体内部の粉体総量を判定する工
程、(4) 当該判定に基づいて、前記装置本体内部へ
の粉体の投入量を決定する工程を含む点に特徴を有す
る。 〔作用効果〕上記構成1の項で記載したとおり、上記微
粉製造装置は、装置本体の内部圧力の変化を正確かつ迅
速に検知することができるものである。そして、本手段
のごとく、特に、基準圧力下で装置を運転すると共に、
前記内部圧力と粉体総量との相関関係を予め求めておく
ものであれば、圧力測定結果から装置本体内部に残存し
ている粉体総量を極めて正確に知ることができる。この
結果、更に投入する粉体の量や投入のタイミングを適切
に決定することができ、装置の運転状態を最適に設定し
て品質に優れた製品粉体を効率よく得ることができる。
【0017】〔手段2〕本発明の微粉製造方法は、請求
項7に示すごとく、前記粉体として希土類材料を用い、
前記基準圧力を、前記装置本体の外部の圧力よりも高く
設定する点に特徴を有する。 〔作用効果〕希土類材料は、非常に酸化し易い材料であ
り、時には空気等と激しく反応して発火するおそれがあ
る。そこで、本手段のごとく、前記粉体として希土類材
料を用いる場合には、前記基準圧力を装置本体の外部の
圧力よりも高く設定しておくことで、外部の空気が装置
本体の内部に侵入するのを確実に防止することができ
る。この結果、希土類材料の粉砕処理を安全に行うこと
が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。粉砕処理の対象となる粉体1に
は、例えば、コピー機のトナーのようにかさ密度の小さ
いものや、磁石等の材料として用いる希土類材料のよう
にかさ密度の大きいもの、さらには、ネオジウム鉄ボロ
ン等のように鉄よりもネオジウムが先に割れ易いという
特有の粉砕態様を有するもの等が存在する。
【0019】本発明の微粉製造装置は、上記のごとく何
れの粉体1に対しても適用可能であって、内部に残存し
ている粉体の量を的確に把握でき、さらに、装置の運転
状態が健全であるか否かを判断し得る微粉製造装置を提
供するものである。
【0020】(概要)本発明の微粉製造装置を図1に示
す。本発明の装置は、上記何れの粉体1であっても、例
えば粒度分布の狭い製品粉体を得ようとするものであ
る。その装置本体2の内部には、上向きの圧縮気体3を
吹き出すノズル4を有する。前記ノズル4の上方には、
圧縮気体3によって粉体1を加速する加速管5を備えて
いる。この加速管5の上方には、粉砕室6Aを形成して
ある。当該粉砕室6Aの内部には、加速した前記粉体1
を衝突させる衝突板7を備えている。
【0021】前記衝突板7の上方にはローター8を有す
る分級手段9を設けてある。当該分級手段9では、所定
の粒径よりも小さい粉体1のみが分級排出される。前記
分級手段9で排出されなかった粉体1は再び前記ノズル
4の側に戻される。そのための戻り流路10が、前記粉
砕室6A及び前記加速管5の周囲に設けてある。
【0022】前記戻り流路10の下方には、循環してき
た粉体1を一旦受け止めて堆積させ、前記ノズル4に再
供給するための粉体受面11を形成してある。当該粉体
受面11の下端部は、前記ノズル4の外周部近傍であっ
て、かつ、前記加速管5の下端部近傍の位置まで延出さ
せてある。さらに、前記粉体受面11の下端部近傍に
は、前記粉体受面11の下方側から前記ノズル4の外周
部に向けて粉体流動用の流動気体12を供給する流動気
体供給孔13を設けてある。
【0023】このような微粉製造装置において、本構成
の装置は、特に前記戻り流路10に圧力検出器14を備
えてある点に特徴を有する。以下、本構成の微粉製造装
置の各部につき説明する。
【0024】(装置本体)本実施形態に係る微粉製造装
置の装置本体2は、図1に示すごとく、上方部分は略円
筒形状であり、下方部分は略円錐形状を呈している。前
記上方部分は、前記衝突板7に粉体1を衝突させて粉砕
する粉砕室6A、および、粉砕が不十分な粉体1を再び
前記ノズル4の位置まで循環させる戻り流路10が形成
される。前記粉砕室6Aは、装置本体2の内部に配置し
た粉砕室形成部材6の内部空間により形成する。前記粉
砕室形成部材6の上部および下部には、粉体1を流通さ
せる開口を形成してある。
【0025】装置本体2のうち上方部分には、装置本体
2の内部に粉体1を投入する粉体投入口15を形成して
ある。
【0026】前記下方部分には、前記戻り流路10が形
成されると共に、前記ノズル4からの圧縮気体3によっ
て粉体1を加速する加速管5が配置される。当該下方部
分の内側に形成した円錐面は、戻り流路10を通過して
きた粉体1を一旦堆積させる粉体受面11として機能す
る。
【0027】(ノズル及び粉体受面)前記粉体受面11
の最下端部には、圧縮気体3を加速管5の内部に噴射す
るためのノズル4が上向きに設けてある。当該ノズル4
からは、0.5〜20Nm3/min程度の圧縮気体3
が噴射される。当該ノズル4の外周面4aは下側ほど大
径化する略円錐形状を呈している。この形状により、粉
体受面11に沿って下降してきた循環気流16の方向を
再度ノズル4の先端部に向ける際の角度変化を小さくし
て、前記循環気流16が再びノズル4の側に向くのを容
易にしている。これにより、粉体1は、装置本体2の内
部で円滑に循環されることとなる。
【0028】前記ノズル4への粉体1の供給には粉体受
面11が寄与する。つまり、前記ノズル4の周囲には、
ノズル4の近傍まで円錐状の粉体受面11を延出させて
あり、当該粉体受面11に堆積した粉体1が連続的に供
給される。当該粉体受面11に堆積した粉体1の上方空
間は循環気流16の通路をなしており、堆積した粉体1
は循環気流16と共にノズル4からの圧縮気体3に連続
的に投入される。
【0029】本構成により、ノズル4の周囲全体から粉
体1が供給されるため、圧縮気体3に対して粉体1が均
一に混合される。よって、衝突板7の下面7aの何れの
部位に対しても粉体1が均等に衝突することとなる。こ
の結果、上方に噴射される粉体1が衝突板7の特定部位
に集中して後続の粉体1の衝突が阻害される、という不
都合を回避することができる。
【0030】(加速管および衝突板)前記ノズル4から
圧縮気体3の内部に混入された粉体1は、加速管5の内
部で加速され、加速管5の上方に連接して設けた粉砕室
6Aに達した後、所定の速度で衝突板7に打ちつけられ
る。当該衝突板7は、前記粉砕室6Aの側壁に設けた複
数の支持部材17により、前記圧縮気体3の噴射軸芯X
1上に位置する状態で支持してある。前記下面7aに衝
突した粉体1は当該衝突によって一回目の粉砕が行われ
る。
【0031】当該下面7aに衝突した粉体1は当該下面
7aで反発し、圧縮気体3の流れを受けて噴射軸芯X1
に対して径方向Y1外方に飛散する。これにより、加速
管5から次々と噴出される粉体1を、衝突板7の下面7
aに確実に衝突させることができる。また、前記下面7
aに衝突した粉体1は、このあと粉砕室6Aの側壁6a
に衝突して二回目の粉砕が行われる。これらの衝突によ
り、粉体1は数十ミクロン程度の粒径まで粉砕される。
尚、粉砕室6Aの側壁6aには、粉体1の衝突による摩
耗を防止するために耐摩耗性の材料からなるライナ18
を設けてある。
【0032】(流動気体供給孔)前記ノズル4の外周部
分と前記粉体受面11の下端部との間には、環状の流動
気体供給孔13を設けてある。これは、粉体受面11に
沿って流れてきた粉体1を再びノズル4の周囲に流動さ
せる流動気体12を供給する部分である。流動気体12
の流量はおよそ0.3〜6Nm3 /minである。
【0033】前記粉体受面11の下方には、前記流動気
体供給孔13に連接した環状の流動気体貯留部19を設
けてある。当該流動気体貯留部19には、図外のコンプ
レッサー等から気体が供給される。当該気体は、流動気
体貯留部19の内部で均等な圧力に調整され、前記流動
気体供給孔13から流動気体12として噴出される。こ
の流動気体12と前記循環気流16とが協同して、粉体
受面11に堆積した粉体1をノズル4の先端部に向けて
搬送する。
【0034】(分級手段)前記粉砕室6Aの上方には分
級手段9を設けてある。本実施形態では、当該分級手段
9のローター8は、水平方向に延出する回転軸心X2の
周りに回転する。図2には、前記回転軸心X2に沿った
方向から見たローター8の断面を示す。ローター8は、
回転軸芯X2に対して径方向Y2に延出する平板状のブ
レード20を複数有している。この場合、ローター8の
回転方向は左右何れでもよい。当該ローター8はおよそ
22000rpmまでの回転が可能である。
【0035】尚、前記ブレード20は、平板状のものに
限定されるものではなく、曲面状のものであってもよ
い。また、前記ブレード20は、回転軸芯の径方向Y2
に対して傾斜して設けてあっても良い。
【0036】前記ローター8によって分級選別された粉
体1は、分級手段9に連接して設けられた排出流路21
を介して装置本体2の外部に取り出される。排出流路2
1の内部に吸引された粉体1は螺旋運動を行いつつ排出
される。前記排出流路21の内径は、何れの部位におい
ても略同じに構成してある。本構成であれば、ローター
8に流入する気体の圧力が急変せず、所定の流速を維持
したまま粉体1を排出することができる。この結果、排
出流路21の内部に粉体1が付着する等の不都合を防止
している。
【0037】尚、ローター8の型式は上記のごとく水平
型に限られるものではなく、垂直軸芯の周りに回転する
いわゆる垂直型であってもよい。
【0038】また、図3に示すごとく、ローター8の側
部と装置本体2との間には、両者間の隙間をシールする
ためのリンシングガス供給口22を設けてある。当該リ
ンシングガス供給口22から供給されるガス23は、略
円環形状をなすローター8の側面8aのうち、その内径
と外径との略中央位置に対して環状に噴出される。そし
て、ローター8の側面8aに吹きつけられたガス23の
一部が粉砕室6Aの側に排出され、残りは、排出流路2
1の側に排出される。当該ガス23により、粉砕室6A
の内部で循環している粉砕途中の粉体1がローター8を
介さずに排出流路21の側に漏洩するのを防止してい
る。
【0039】(圧力検出器)前記戻り流路10であって
前記粉砕室6Aの側方には圧力検出器14を備えてあ
る。当該圧力検出器14は前記装置本体2の内部圧力を
検出するものである。図1に示すごとく、本実施形態で
は、前記装置本体2の内面2aと前記粉砕室6Aの外面
6bとで挟まれた戻り流路10に圧力検出器14を設け
てある。
【0040】このように、戻り流路10に圧力検出器1
4を設けることで、後述するごとく装置本体2の内部に
存在している粉体1の総量を知ることができる。粉砕室
6Aの内部に残存する粉体1の総量は、粉体処理の進行
程度に応じて常に変化する。つまり、処理された粉体1
が排出されることで前記総量は減少するし、装置本体2
の内部に新たに粉体1が投入されると総量は増大する。
一方、前記分級手段9から排出される気体量や、前記ノ
ズル4等から装置本体2に供給する気体量はほぼ一定で
あるから、粉体1の総量の変化に応じて、粉砕室6Aの
内部気圧は増減する。
【0041】装置本体2の内部気圧は、粉体1の総量が
増大するほど低くなり、粉体1の総量が減少するほど高
くなる。この様子を図4に示した。つまり、粉体1の総
量が増大し、粉体1の堆積面が上昇すると、前記ノズル
4の周囲に押し出される粉体1の流量が増大する。これ
らの粉体1は、ノズル4及び流動気体供給孔13から気
体が噴出する際の抵抗となる。抵抗が増大すれば、装置
本体2の内部に供給される気体の総量が減少し、結果的
に装置本体2の気圧が低下するのである。
【0042】逆に、粉体1の総量が減少する場合には、
逆に、ノズル4の周囲に向かって流動しようとする粉体
1が減少する。よって、気体の噴出抵抗が減少し、装置
本体2の内部に供給される気体の総量が増大して、装置
本体2内の気圧が上昇するのである。
【0043】上記気圧と粉体総量との関係は、粉砕処理
する粉体1の種類によって変化する。例えば、粉体1の
密度や粒径等が変化すると、前記装置本体2の内部にお
いて当該粉体1を最適な状態で流動させるために流動気
体の流量を変更する必要が生じる。このように流動気体
の流量を変化させること等により、装置本体2の内部圧
力も異なったものとなる。
【0044】さらに、粉体1の特性によっても、装置本
体2の内部圧力を変更する場合がある。例えば、粉体1
が非常に酸化し易い材料である場合には、装置本体2の
内部に外部から空気が侵入しないように、装置本体2の
内部圧力を外部の圧力よりも高めておく必要がある。
【0045】このように、装置本体2の適切な内部圧力
は、適宜変動させる必要があるため、粉体1に応じて当
該装置を最適に運転することができる基準圧力を設定し
ておくのがよい。基準圧力を設定すれば、処理する粉体
毎に、図4に示したような圧力と粉体総量との相関関係
を予め求めておくことができる。当該相関関係を把握し
つつ、装置本体2の内部圧力を測定することで、微粉製
造装置の運転状況や装置本体2の内部に残存している粉
体総量を知ることができる。
【0046】そして、装置本体2の内部において気圧の
増減が最も敏感に現れるところが、前記粉体1の堆積上
面24の近傍となる。装置本体2の内部において、粉体
1の堆積状態が最も顕著に変化する部分が前記堆積上面
24の近傍だからである。よって、本発明のごとく、前
記堆積上面24が位置する戻り流路10に圧力検出器1
4を設けることで、装置本体2に係る内部の状態変化を
最も正確かつ迅速に検知することができ、未処理の粉体
1の総量を知ることができるのである。
【0047】前記戻り流路10の断面積に注目すると、
図1から明らかなごとく、圧力検出器14を設けた位置
においてその断面積が最小となっている。粉砕室6Aの
内部のうち圧力変動が最も敏感に生じる部分が戻り流路
10であることは上述のとおりである。そして、さらに
本構成のごとく、戻り流路10のうち断面積の最も小さ
い位置に圧力検出器14を設けることで、粉体総量の変
動に伴う気圧変動をより敏感に検知することができる。
この結果、粉体1の残量に係る測定精度を高めることが
できる。
【0048】本実施形態では、圧力検出器14を設けた
位置において、前記戻り流路10の内周面を垂直に構成
してある。本構成であれば、圧力検出器14の近傍に粉
体1が堆積するのを防止することができる。よって、装
置本体2の内部圧力を常に検出することができる。
【0049】さらに、前記圧力検出器14は、前記粉砕
室6Aを構成する粉砕室形成部材6の上縁部6cよりも
下方となる位置に設けてある。本構成であれば、粉体1
を過剰に投入する不都合を回避することができる。本装
置が円滑に運転されている状態においては、粉体1が戻
り流路10から粉砕室6Aに逆流することはない。その
反対に、粉体1の投入量が過剰となったり、戻り流路1
0が閉塞したような場合には、粉体1が戻り流路10か
ら粉砕室6Aに逆流する事態が生じる。
【0050】そこで、本構成のごとく、粉砕室形成部材
6のやや下方位置に圧力検出器14を設けておけば、仮
に、戻り流路10の内部で粉体1の堆積高さが異常に高
くなった場合に、圧力検出器14が粉体1に埋設するこ
ととなる。この状態では、正常な圧力を検出することが
できなくなる。つまり、圧力検出器14が異常な値を検
出したことで、粉体1の堆積高さが過剰になったことを
知ることができる。
【0051】(装置の運転態様)本装置を用いる微粉製
造は、主に以下の工程を経て行う。即ち、(1) 装置
本体2の内部を基準圧力に設定する工程、および、
(2) 戻り流路の圧力を測定する工程、(3) 装置
本体2の内部圧力と粉体総量との相関関係に基づいて装
置本体2に残存している粉体総量を判定する工程、
(4) 当該判定に基づいて、装置本体2の内部への粉
体投入量を決定する工程を含んでいる。ここで、(1)
の基準圧力および(3)の相関関係は、前述のごとく予
め求めておく。
【0052】上記工程のうち、特に、(2)(3)につ
いては以下のようにして行う。本装置においては、圧力
検出器14の測定結果に基づいておおよそ以下の状況を
判断することができる。例えば、圧力検出器14の圧力
が上昇した場合には、主に粉体1の残量が少なくなった
と判断することができる。圧力の上昇は、前記ノズル4
から供給される圧縮気体3への抵抗が減少することで生
じる。つまり、ノズル4の周辺に向かって流動する粉体
1の総量が減少したために、圧力が上昇したと推測する
ことができる。
【0053】その逆に、圧力検出器14の圧力が低下し
た場合には、主に粉体1の残量が多くなったと判断する
ことができる。圧力の低下は、前記ノズル4から供給さ
れる圧縮気体3への抵抗が増大することで生じる。つま
り、ノズル4の周辺に向かって流動する粉体1の総量が
増大したために、圧力が低下したと推測することができ
る。
【0054】この場合には粉体1の総量が減少するまで
粉体投入口15からの粉体1の投入を減少させ或いは停
止する。そして、循環している粉体1の総量が少なくな
ると、流動気体供給孔13の近傍に堆積する粉体1の量
も減少するから、流動気体供給孔13からの流動気体1
2の噴出が容易となって流動気体貯留部19の圧力は低
下する。その際には、粉体投入口15から新たな粉体1
を投入する。
【0055】(実施例)本発明の微粉製造装置を用い
て、希土類材料であるネオジ鉄を粉砕処理した場合の実
施例を以下に示す。前記装置本体2は、円筒部分の内径
が約120mm、当該部分の高さが約85mm、円錐形
状を呈する粉体受面11の鉛直方向に沿った高さが約7
0mmであった。圧縮気体3及び流動気体12としては
窒素ガスを用いた。ノズル4からは、600kPa、流
量1m3/minの窒素ガスを供給した。ノズル4の内
径は4mmであった。装置本体2の内部は、16kPa
の圧力でいわゆるプラス運転を行った。ローター8の回
転速度は12000回転/minとした。当該装置の内
部に2kgのネオジ鉄を投入し、約1時間粉砕処理を行
った。この結果1.8kgの製品粉体を得ることができ
た。当該製品粉体の平均粒径D50は4μmであった。当
該ネオジ鉄は非常に酸化し易い材料であるため、運転に
際して装置本体2の内部に空気が侵入しないように、装
置本体2の内部圧力を外部の圧力よりも高く設定してあ
る。例えば、この場合に安定的な内部圧力は、約14.
5kPaであり、当該圧力は、およそ12〜16kPa
の範囲をとり得ることがわかった。
【0056】(効果)以上のごとく、本発明の微粉製造
装置では、前記戻り流路10の圧力を検出することで、
装置本体2の内部に残存している粉体1の総量を知るこ
とができる。粉体1の残存量を知ることで、例えば、さ
らに粉体1を投入する時期や、装置の運転を停止する時
期を正確に把握することが可能となる。粉体1を最適な
タイミングで投入することができれば、粉体1の総量を
一定に維持することができ、その結果、当該装置の運転
状態を常に一定にして、粉体1の粉砕程度を均一にする
ことができる。これにより、例えば、得られる製品粉体
の粒径が一定範囲に収まる等、品質のばらつきが少ない
製品粉体を得ることが可能となる。また、運転の停止タ
イミングを正確に把握できる場合の具体的態様には、例
えば、粉体1の残存量が最も少なくなった際に運転停止
を行う場合が考えられる。この場合には、粉体1の歩留
まりが良くなって、微粉の製造効率が向上する。そし
て、特に、処理する粉体が希土類材料である場合には、
残存している粉体が発火する等のトラブルを確実に防止
することができ、装置の運転に際して安全性を向上する
ことができる。
【0057】〔別実施の形態〕 〈1〉上記実施形態では、戻り流路10に圧力検出器1
4を備える例を示したが、図5に示すごとく、前記流動
気体貯留部19に第2の圧力検出器を設けることができ
る。以降においては、前記戻り流路10に設けた圧力検
出器を第1検出器14aと称し、前記流動気体貯留部1
9に設けた圧力検出器を第2検出器14bと称する。こ
のように、第2検出器14bを設けるのは、粉砕処理状
況をより正確に把握することにある。この点について以
下に説明する。
【0058】本発明の微粉製造装置は、上述のごとく各
種の粉体1に適用可能である。本装置の運転態様は、粉
砕対象によって大きく二つに分類することができる。一
つは、装置本体2の内部圧力を常圧よりも上げた状態で
粉砕処理する、所謂、「プラス運転」と称するものであ
り、もう一つは、装置本体2の内部圧力を常圧よりも下
げた状態で粉砕処理する、所謂、「マイナス運転」と称
するものである。
【0059】前記プラス運転は、例えば、希土類材料を
粉砕する場合に行う。希土類材料としては、ネオジ鉄
系、サマリウムコバルト系、サマリウム鉄系磁性材料、
及び、イットリウム、テリビウム、酸化セリウム等が挙
げられる。前述のごとく、希土類材料は非常に酸化・燃
焼し易い材料である。よって、装置本体2の内部に外気
が進入して希土類材料が酸化等するのを防止するため
に、装置本体2の内部圧力を常圧よりも高めて、外気の
進入を防止するのである。
【0060】そのためには、図示は省略するが、本装置
を、閉回路を成す微粉製造システムの一部に用いること
ができる。当該閉回路の内部は、コンプレッサー等の昇
圧手段によって常圧よりも高い圧力に設定する。粉体1
を粉砕・搬送する流体としては主に不活性ガスを用い
る。当該不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス
(N2)あるいはアルゴンガス(Ar)等を用いること
ができる。
【0061】上記プラス運転を行うべき材料が存在する
一方で、マイナス運転を行う方が都合の良い材料もあ
る。例えば、コピー機用のトナーを粉砕処理する場合で
ある。トナーは、比較的軽量で微小な粒径にまで粉砕さ
れる材料である。このような粉体1は、装置本体2の内
面等に付着し易い特性を有する。よって、積極的に吸引
しつつ分級することで、粉体1の付着量を低減させるの
である。このようなマイナス運転は、本発明の微粉製造
装置に減圧手段を付属させて行っても良いし、上記プラ
ス運転を行い得る粉砕システムを用いて、流通経路の内
部を減圧することによっても行うことができる。
【0062】本別実施形態の微粉製造装置では、上記プ
ラス運転及びマイナス運転の何れであっても、粉砕処理
の状況を正確に知ることができる。例えば、希土類材料
を粉砕処理する場合の装置本体2内部に残存する粉体1
の総量と同内部の圧力との関係は、先に示した図4で近
似できる。このような圧力変動は、前記第1検出器14
aによって検出する。図4から明らかなごとく、粉体1
の総量が増大すると装置本体2の内部圧力は減少する。
これは、前述のごとく、ノズル4から噴出する圧縮気体
3に及ぼす抵抗が粉体1の増大に伴って大きくなるから
である。
【0063】装置が正常運転している場合には、粉体1
の総量と圧力とは所定の範囲で均衡する。図4は、両者
が動作点P1で釣り合っている場合を示す。しかし、こ
の状態から圧力が増減し、許容範囲を逸脱すると、粉体
1の円滑な循環状態が維持されなくなる。本別実施形態
の装置では、そのような場合に何れの不都合が生じてい
るかを判断する。
【0064】前記第1検出器14aの検出圧力が低下し
た場合の判断は比較的容易である。圧力が低下するの
は、殆どの場合、粉体1の総量が過剰になったことが原
因だからである。一方、第1検出器14aの検出圧力が
上昇した場合には、主に二つの原因が考えられる。一つ
は、粉体1の総量の減少であり、もう一つは、粉体受面
11での粉体1の閉塞である。何れの場合も、ノズル4
の先端に達する粉体1の量が減少するから、装置本体2
の内部に対する圧縮気体3の供給量が増大することに基
づくものである。
【0065】このうち何れが原因となっているかを、前
記第2検出器14bで検出する。図6および図7には、
粉体1の総量と流動気体貯留部19の圧力との関係を示
す。ここでは、前記プラス運転を行う場合の関係を図6
に示し、前記マイナス運転を行う場合の関係を図7に示
してある。このように、双方の運転条件で圧力特性が異
なるのは、ノズル4および流動気体供給孔13から供給
する気体の圧力と装置本体2の内部圧力との差が双方の
運転条件で異なるからである。
【0066】プラス運転の場合には、装置本体2の内部
圧力と、粉体1を流動させるのに必要な圧縮気体3の圧
力との差が、マイナス運転の場合に比較して小さい。そ
して、プラス運転を行う材料としては、前記希土類材料
のごとく比較的密度が大きな粉体1が多い。このような
高密度の粉体1をノズル4の先端側に吹き上げるには、
ある程度の流量の気体を供給する必要がある。よって、
この場合に必要な流動気体12の圧力は、粉体1の堆積
高さにそれ程影響されることはない。粉体1の堆積高さ
の大小に拘わらず、粉体1を吹き上げ得るだけの圧力を
当初から要求されるからである。このような理由から、
図6に示すごとく、プラス運転の場合には粉体1の総量
に拘わらず圧力が一定となる領域が広範囲に出現する。
【0067】一方、マイナス運転の場合にも、粉体1を
流動させるために必要な圧力値が存在する。しかし、マ
イナス運転の場合には装置本体2の内部圧力が低い分、
図7に示すごとく、両圧力の差が取り得る範囲がプラス
運転に比べて広くなる。しかも、マイナス運転の場合に
は、密度が小さい粉体1を粉砕する場合も多いため、流
動気体12の噴出圧力は広範囲なものとなる。
【0068】図6から明らかなごとく、プラス運転を行
っている場合には、第2検出器14bの検出圧力は粉体
1の総量の増減に拘わらず略一定値をとる。そして、粉
体1の総量がある量を超えた途端、例えば流動気体供給
孔13の閉塞が生じて第2検出器14bの検出値が急上
昇する。この点をP2で示す。この時、第1検出器14
aの検出値は漸減するものの、ノズル4の先端部が閉塞
するわけではないので、第1検出器14aの検出値が急
変することはない。このように、第1検出器14aの検
出値が減少し、第2検出器14bの検出値が増大した場
合には、粉体1の総量が過剰であると判断することがで
きる。
【0069】一方、第1検出器14aの検出値が上昇し
た場合にも、第2検出器14bの検出値を知ることで、
運転状況を判断することができる。この場合は、主に、
粉体1の総量が少なくなったか、流動気体供給孔13が
閉塞し始めたかの何れかの事態が生じている。粉体1の
総量が少なくなった場合には、流動気体12は流動気体
供給孔13から円滑に噴出するので、第2検出器14b
の検出値が上昇することはない。しかし、流動気体供給
孔13が閉塞し始めた場合には、流動気体貯留部19の
圧力が増大し、ある時点(P2点)で、第2検出器14
bの検出値が急上昇する。よって、第1検出器14aの
検出値が増大し、第2検出器14bの検出値も増大した
場合には、例えば流動気体供給孔13が閉塞し始めてい
ると判断することができる。
【0070】尚、上記何れの場合でも、第2検出器14
bに係る検出境界値を予め知っておくと運転状態の判断
が容易となる。上記の場合、何れの圧力で検出値が安定
するのかを知っておけば、当該値以上に上昇した時点
で、運転状態に異常が発生したと判断できるからであ
る。ちなみに、第1の実施形態で用いた装置に第2検出
器14bを設けた場合の前記検出境界値は約20kPa
であった。
【0071】マイナス運転の場合には、前記第2検出器
14bの検出値は、例えば図7に示すごとく、粉体1の
総量の増大に伴って略直線的に増加することが多い。特
に軽量な粉体1を流動させる場合、粉体1の総量が少な
いうちは極僅かの流量で十分であり、粉体1の総量の増
加に応じて細かに気体量を増加させることができるから
である。このように、粉体1の総量と流動気体貯留部1
9の圧力とが略一対一に対応しているため、マイナス運
転における運転状態の特定は比較的容易である。さら
に、プラス運転の場合と同様に、異常運転となるときの
第2検出器14bの検出値を予め知っておけば、異常運
転状態に近付きつつあると判断することもできる。
【0072】以上のごとく、本別実施形態の微粉製造装
置であれば、プラス運転或いはマイナス運転の別に拘わ
らず、何れの運転態様に装置本体2の内部に残存してい
る粉体1の総量を知ることができるばかりでなく、当該
装置がどのような状態下で運転されているかを的確に判
断することができる。よって、上記第1の実施形態に係
る装置で得られる効果、即ち、優れた品質の微粉をより
効率的に製造することができると共に、粉体処理作業の
安全性を更に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る微粉製造装置の構成を示す説明図
【図2】分級手段に用いるローターの断面図
【図3】分級手段の断面図
【図4】粉体の総量と戻り流路の圧力との関係を示す図
【図5】別実施形態に係る微粉製造装置の構成を示す説
明図
【図6】プラス運転時の粉体の総量と流動気体貯留部の
圧力との関係を示す図
【図7】マイナス運転時の粉体の総量と流動気体貯留部
の圧力との関係を示す図
【符号の説明】
1 粉体 2 装置本体 3 圧縮気体 4 ノズル 5 加速管 6 粉砕室形成部材 6c 粉砕室形成部材の上縁部 6A 粉砕室 7 衝突板 9 分級手段 10 戻り流路 11 粉体受面 13 流動気体供給孔 14 圧力検出器 19 流動気体貯留部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装置本体の内部に、上向きの圧縮気体を
    吹き出すノズルと、前記圧縮気体によって処理対象であ
    る粉体を加速させる加速管と、 加速した前記粉体を衝突させるべく、前記加速管に連通
    した粉砕室に設けた衝突板とを備えると共に、 粉砕した微粉を排出すべく前記衝突板の上方に設けた分
    級手段と、 前記分級手段で分級排出されなかった粉体を再び前記ノ
    ズルの側に戻すために、前記粉砕室及び前記加速管を取
    囲む状態に設けた戻り流路とを備え、 さらに、前記戻り流路の下方に設けた粉体受面の下端部
    を、前記ノズルの外周部近傍であって、かつ、前記加速
    管の下端部近傍の位置まで延出させると共に、前記粉体
    受面の下方側から前記ノズルの外周部に向けて粉体流動
    用の気体を供給する流動気体供給孔を設けてある微粉製
    造装置であって、 前記戻り流路に圧力検出器を備えてある微粉製造装置。
  2. 【請求項2】 前記圧力検出器を、前記戻り流路のうち
    最も断面積の小さい部位に設けてある請求項1に記載の
    微粉製造装置。
  3. 【請求項3】 前記戻り流路の内周面のうち少なくとも
    一部が垂直面を構成しており、当該垂直面に前記圧力検
    出器を設けてある請求項1または2に記載の微粉製造装
    置。
  4. 【請求項4】 前記粉砕室が、前記装置本体の内部に配
    置した粉砕室形成部材によって構成してあり、前記圧力
    検出器が、前記粉砕室形成部材の上縁部よりも下方に設
    けてある請求項2または3に記載の微粉製造装置。
  5. 【請求項5】 前記粉体流動用の気体を前記流動気体供
    給孔に供給する流動気体貯留部を前記流動気体供給孔に
    連設してあると共に、当該流動気体貯留部に第2の圧力
    検出器を備えてある請求項1から4の何れか一項に記載
    の微粉製造装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から5の何れかに記載した微粉
    製造装置を用い、粉砕する粉体の種類に応じて前記装置
    本体の内部圧力を基準圧力に設定しつつ微粉を製造する
    方法であって、 前記微粉製造装置を運転する際の、前記粉体の種類と前
    記基準圧力とに応じた、前記戻り流路の圧力と前記装置
    本体の内部に存在する粉体総量との相関関係を予め求め
    ておき、(1) 前記装置本体の内部を基準圧力に設定
    する工程、および、(2) 前記戻り流路の圧力を測定
    する工程、(3) 前記相関関係に基づいて前記装置本
    体内部の粉体総量を判定する工程、(4) 当該判定に
    基づいて、前記装置本体内部への粉体の投入量を決定す
    る工程を含む微粉製造方法。
  7. 【請求項7】 前記粉体として希土類材料を用い、前記
    基準圧力を、前記装置本体の外部の圧力よりも高く設定
    する請求項6に記載の微粉製造方法。
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