JP2002056793A - 電子顕微鏡 - Google Patents

電子顕微鏡

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JP2002056793A
JP2002056793A JP2001171084A JP2001171084A JP2002056793A JP 2002056793 A JP2002056793 A JP 2002056793A JP 2001171084 A JP2001171084 A JP 2001171084A JP 2001171084 A JP2001171084 A JP 2001171084A JP 2002056793 A JP2002056793 A JP 2002056793A
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electron beam
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irradiation
current
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Takashi Takami
尚 高見
Tadashi Otaka
正 大高
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子線照射による試料汚損を許容範囲に抑え
る。 【構成】 偏向電極6へ電圧を印加し、試料に照射され
る全電子線をファラディーカップ5へ照射し、電流検出
回路7によって試料4への照射電流を測定し、CPU1
で、照射電流と設定倍率と照射時間から(単位面積当た
りの照射電流×照射時間)の演算によってドーズ量を計
算する。画像表示装置10に試料に許容されるドーズ量
や照射時間と共に実際のドーズ量や電子線照射時間を表
示して管理する。ドーズ量が許容限度に達したら、偏向
電極6に電圧を印加して試料4への電子線照射を中止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子顕微鏡に関し、特
に試料汚損を防ぐのに好適な手段を備える電子顕微鏡に
関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスなど微細加工製品のパタ
ーン幅測長や外観検査を行うのに、走査型電子顕微鏡な
どの電子顕微鏡が用いられるが、これら微細加工製品
(以下、試料という)に電子線を照射すると試料汚損を
生じる。この試料汚損は、試料からの放出ガスあるいは
試料近傍の雰囲気中に存在する微量のCOやHOが
電子線照射によって分解・再結合し、カーボンや炭化水
素の皮膜となって試料表面に堆積することによるもので
あると考えられている。この電子線照射による試料汚損
が、例えば半導体集積回路の製作工程中でフォトレジス
トパターン上に生じると、次工程の露光、エッチングな
どの障害となり、集積回路としては不良品となることが
ある。また、観察すべきパターンの外形も試料汚損によ
って変化してしまうため、計測値が不正確になってしま
うという問題もある。
【0003】この試料汚損を防ぐため、あるいはたとえ
汚損が生じたとしてもプロセスに悪影響を及ぼすことの
ない範囲にとどめるためには、次式(1)で表される電
子線照射量(以下、ドーズ量という)を最少限度に抑え
る必要がある。 ドーズ量=単位面積当たりの照射電流×照射時間 (1)
【0004】従来、ドーズ量を少なくするためには、Se
miconductor World 1985.8, p.107に報告されているよ
うに、ビームブランキングを用いて不要な電子線照射を
避けたり、画像処理によりS/N比を向上させ、少ない
ドーズ量で高画像を得るなどの方法がとられている。ま
た、近年のパターン幅測長機能を有する電子顕微鏡で
は、画像処理技術を用いて、視野選択、像調整、測長な
どをCPU制御することで、ドーズ量を最小とすること
ができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、オペレータが手
動で像調整をする場合や、外観検査装置として電子顕微
鏡を使用する場合は、S/N比を損なわない程度に照射
電流を小さくすることでドーズ量を少なくしているのが
現状であり、電子線が照射される面積や、照射時間につ
いては考慮されていない。本発明は、視野選択、像調
整、外観検査をオペレータが手動で行う場合でも、ドー
ズ量を管理し、試料汚損を最低限に抑えるための機能を
備える電子顕微鏡を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成すべく、
本発明の第1の態様による電子顕微鏡は、試料への電子
線照射電流を測定する手段と、試料上の観察領域への電
子線照射時間を測定する計時手段と、前記測定された電
子線照射電流、電子線照射時間及び観察倍率に基づいて
観察領域に照射された電子線ドーズ量を演算する手段と
を備えることを特徴とする。
【0007】前記電子顕微鏡は、さらに演算された電子
線ドーズ量を逐次表示する手段、基準となる電子線ドー
ズ量を登録する手段、あるいは登録された電子線ドーズ
量と試料上の観察領域に照射された電子線ドーズ量とを
対比して逐次表示する手段等を備えることができる。ド
ーズ量の表示は、その数値を直接表示しても良いが、基
準量に対する割合として表示する方が分かりやすくて好
ましい。ドーズ量の登録は、その絶対値を直接入力して
行っても良いし、プローブ電流、倍率、照射時間等のパ
ラメータのセットを入力することによって行っても良
い。
【0008】また、試料上の観察領域に照射された電子
線ドーズ量が登録された電子線ドーズ量を超えたとき、
試料への電子線照射を中止する手段を備えることもでき
る。あるいは、前記電子顕微鏡は、基準となる電子線ド
ーズ量を登録する手段と、測定された電子線照射電流及
び観察倍率に基づき試料上の観察領域に照射された電子
線ドーズ量が登録された電子線ドーズ量に到達するまで
の許容時間を演算する手段を備えることができる。この
場合、登録された電子線ドーズ量から演算された許容時
間と、前記計時手段によって測定された電子線照射時間
とを対比して逐次表示する手段を備えるのが好ましい。
【0009】また、本発明の第2の態様による電子顕微
鏡は、試料への電子線照射電流を測定する手段と、試料
上の観察領域への電子線照射時間を測定する計時手段
と、基準となる電子線照射時間及び観察倍率を登録する
手段と、登録された電子線照射時間と計時手段によって
測定された電子線照射時間とを対比して逐次表示する手
段とを備えることを特徴とする。
【0010】また、本発明の第3の態様による電子顕微
鏡は、試料への電子線照射電流を測定する手段と、試料
上の観察領域への電子線照射時間を測定する計時手段
と、基準となる電子線照射時間及び観察倍率を登録する
手段と、前記計時手段によって測定された電子線照射時
間が登録された電子線照射時間を超えたとき電子線照射
を中止する手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明によると、実際の電子線照射電流と設定
倍率と照射時間から試料上の観察領域に照射された電子
線ドーズ量を逐次計算するので、正確なドーズ量を把握
することができる。またドーズ量を表示することで、オ
ペレータが実際のドーズ量、従って試料汚損の程度を知
ることができ、ドーズ量の限界を超えた場合などにはオ
ペレータが試料への電子線照射を止めることができる。
登録するドーズ量として、その試料に対して許容される
ドーズ量を用いれば、許容ドーズ量に対する実際のドー
ズ量の大小関係を表示により知ることができるので、オ
ペレータは電子線照射を中止するタイミング、すなわち
観察を中止するタイミングを決めることができる。
【0012】ある試料の許容ドーズ量は、その試料の材
質やその試料がそれまでにどの様な処理を経たか等によ
っても異なるが、例えば次のようにして実験的に求める
ことができる。その試料上の構造物、例えばレジストパ
ターンを所定のプローブ電流(例えば、2pA)を照射
して、所定の倍率(例えば1万倍)で観察し続ける。観
察を続けると、前述の試料汚損により例えばレジストの
パターン幅が時間経過と共に次第に太くなって観察され
る。観察当初のレジストのパターン幅がdであり、許容
されるパターン幅の増大量がΔdであるとすると、パタ
ーン幅がdからd+Δdに増大するまでの照射時間Tを
計測する。この試料に対する許容ドーズ量は、これらの
プローブ電流、倍率、照射時間から求めることができ
る。こうして求められた許容ドーズ量は、同一の構造を
有し同一の処理を経た複数の試料に対し共通して使用す
ることができる。
【0013】観察領域のドーズ量が登録されたドーズ量
に達したら自動的に電子線照射を中止する機構を備える
場合、登録するドーズ量としてその試料に許容されるド
ーズ量を用いれば、試料汚損を許容できる程度に抑える
ことができる。登録されたドーズ量と現在のドーズ量と
の対比表示を、許容される電子線照射時間に対して今ま
でに使った照射時間あるいは残されている照射時間とし
て時間表示すると、オペレータは観察時間という具体的
な量で電子線照射を中止するタイミングを直感的に知る
ことができる。
【0014】また、照射電流と観察倍率が決められてい
る時などには、ドーズ量は照射時間で管理できるので、
登録する量としてドーズ量そのものに代えて試料に許容
される照射時間を用いると、登録された照射時間と実際
の照射時間を比較するだけで、ドーズ量の計算をすると
いう手間を省いて同様の効果を得ることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。図1は、本発明による電子顕微鏡の概略構成図であ
る。図1において、電子線の制御、たとえば照射電流の
測定や増減、照射時間の管理、倍率の管理、フォーカス
制御、ビームブランキング制御などは、CPU1から、
電子銃制御回路2、電子光学系制御回路3などを通して
行われる。またCPU1には、基準となる任意のドーズ
量や照射時間、観察倍率を複数個登録でき、ドーズ量や
照射時間の演算または演算結果の比較を実施する。
【0016】試料4への照射電流を測定するために、フ
ァラディーカップ5が設けられている。偏向電極6に電
圧を印加し、試料4に照射される全電子線をファラディ
ーカップ5へ照射することで、電流検出回路7により試
料への照射電流を測定することができる。偏向電極6は
また、試料への電子線照射を中止するためのビームブラ
ンキング手段としても用いられる。従って偏向電極6は
静電形に限らず、電磁形の偏向コイルのようなものでも
良い。ビームブランキング手段としてビーム偏向手段に
代えて真空遮断弁11のような機構を用いることもでき
る。試料4から発生された二次電子などの信号は、検出
部8で検出され、増幅部9で増幅されたのち画像表示装
置10に画像として表示される。この画像表示装置10
にはまた、ドーズ量や照射時間も表示される。これらの
表示は、画像表示専用の画像表示装置10に表示する代
わりに、操作画面も表示できる操作用表示装置のような
ものに表示しても良い。
【0017】次に、図2のフローチャートを用いて、図
1の電子顕微鏡の機能及び操作方法の一実施例を説明す
る。偏向電極6に電圧を印加し、全電子線をファラディ
ーカップ5に照射して照射電流の測定を行いながら(S
21)、CPU1により電子銃制御回路2を制御して、
照射電流が所望の値となるように設定する。続いて観察
視野を設定し、倍率を設定して観察を開始する(S2
2)。観察開始と同時に照射時間のカウントが開始され
る。CPU1は、測定された照射電流、設定倍率及び照
射時間からドーズ量を計算し(S23)、画像表示装置
10などに結果を逐次表示する(S24)。観察の途中
で照射電流を変更したり(S25)、倍率を変更するこ
と(S26)もあるが、その場合でも変更されたパラメ
ータを用いてドーズ量の計算を続け、積算のドーズ量を
逐次表示する。なお、照射電流を変更した場合には、フ
ァラディーカップ5を用いて照射電流を再度測定し、こ
の測定された照射電流値をドーズ量の計算に利用する。
【0018】走査型電子顕微鏡の場合、たとえば照射電
流が2pAと設定され、倍率が1万倍と設定されたとす
る。画像表示装置10の表示部の大きさが200mm×
200mmとすると、電子線照射の面積は、20μm×
20μmとなる。今、一画面を走査するのに20mse
c必要とするならば、1sec当たりのおおよその電子
線照射面積は20μm×20μm×50=20000μ
であり、ドーズ量は(1)式より(2pA/200
00μm)×照射時間secとなる。
【0019】次に、設定倍率を2万倍に変更すると、電
子線照射の面積は10μm×10μmとなり、上述と同
様1sec当たりのおおよその電子線照射面積は10μ
m×10μm×50=5000μmであり、この時の
ドーズ量は(1)式より(2pA/5000μm)×
照射時間secとなる。この場合の積算のドーズ量は、
1万倍の時の積算のドーズ量に、2万倍での積算のドー
ズ量を加算した値となる。これらの計算はCPU1で計
算され、画像表示装置10に表示される。
【0020】照射電流を変更した場合も、(1)式によ
りドーズ量を計算し、照射電流変更前のドーズ量に変更
後のドーズ量を加算した値が積算のドーズ量として表示
される。このように、倍率、照射電流を変更した場合で
も、常に電子線が照射されている部分の積算のドーズ量
を求めることができ、この積算のドーズ量を適当な時間
間隔で逐次表示することで、オペレータは試料汚損とド
ーズ量についての既知の関係から電子線照射を中止すべ
き適切なタイミングを知ることができる。
【0021】一般に電子顕微鏡では、低倍率で視野を探
して徐々に倍率を上げ、高倍率で観察や測長を行う。そ
して、上述の計算から示唆されるように、低倍率では電
子線照射の面積が大きいため単位面積当たりのドーズ量
は少ない。従って、積算のドーズ量を計算するタイミン
グを特定の倍率、例えば5千倍以上で計算を開始すると
いうようにしても良い。ステージ位置やビームシフト量
を検出する手段を有する電子顕微鏡では、全く新しい視
野に変わった場合など、積算のドーズ量をゼロにリセッ
トし、その新しい視野に対するドーズ量を新たに計算さ
せるという方法も考えられる。図3は、視野が変わった
場合のドーズ量計算の仕方についての実施例を示してい
る。
【0022】図3の流れに沿って説明すると、まず最初
の観察位置にステージを移動し、その視野の座標を計算
してメモリAに登録する。例えば、図4のように、現在
観察や測長をしている視野のステージ座標が(X,Y)
=(100000μm,100000μm)、ビームシ
フト量が(X,Y)=(10μm,−10μm)とする
と、ステージ座標に換算した視野中心の座標は、(X,
Y)=(100000+10μm,100000−10
μm)=(100010μm,99990μm)とな
る。また、倍率が1万倍とすると、電子ビームの照射さ
れる視野の一辺の長さは、前述のケースであると200
μmであるため、ステージ座標に換算した視野の四隅の
座標は(99910μm,100090μm),(10
0110μm,100090μm),(99910μ
m,99890μm),(100110μm,9989
0μm)となる。そして、その視野で試料の観察や測長
を行い、図2の場合と同様にして積算ドーズ量を計算
し、表示する(S31)。
【0023】次に、ステージを移動し、観察視野を変更
した場合には、ドーズ量の計算を一時ストップする(S
32)。そして、ステージ座標、ビームシフト量、倍率
から上記と同様の計算により、ステージ座標に換算し
た、視野の四隅の座標を計算し、その座標をメモリBに
登録する(S33)。続いて、メモリAに登録された座
標とメモリBに登録された座標を対比する(S34)。
その結果、メモリBに登録した四隅の座標全てがメモリ
Aに登録した移動前視野の四隅の座標内に入っていなけ
れば、視野の重なりがない新しい視野と判断できるた
め、積算のドーズ量をリセットし(S35)、新しい視
野でのドーズ量を計算しゼロから積算を始めて表示する
(S36)。移動前後の視野に重なりがある場合には、
そのままドーズ量を積算し、表示する(S37)。再び
視野を移動した場合には、ドーズ量計算を一時ストップ
し(S38)、メモリBの座標をメモリAに移し変える
(S39)。その上で、新しい視野の座標を計算してメ
モリBに登録し(S33)、以下同様の手順を繰り返
す。
【0024】このようにすると、視野が変わった場合で
もその視野に対する積算のドーズ量を知ることができ
る。反対に、視野が重なっていると判断される場合に
は、ドーズ量はゼロリセットされずにそのまま積算のド
ーズ量が計算される。図3は、視野変更前後の座標を記
憶する例であるが、観察や測長をした全ての視野の座標
と、その座標に対応した積算のドーズ量をCPU1など
のメモリに記憶しておけば、同じ視野を複数回観察、測
長する場合に、前回の積算のドーズ量に加算して積算の
ドーズ量を計算することで、その視野における正確なド
ーズ量を知ることができる。
【0025】また、観察や測長の終了した試料に対し、
例えば集積回路であればドーズ量の多いチップを調べ、
そのチップは最終的な製品にしない、などの抜き取りを
し、製品の歩留まりや信頼性を高めることができる。図
5は、他の実施例を説明するフローチャートである。基
準となるドーズ量はCPU1などに登録する(S5
1)。たとえば、試料表面に塗られたフォトレジストの
種類によってもドーズ量に対する試料汚損の程度が異な
るので、フォトレジストの種類ごとに許容されるドーズ
量を登録しておけば、それぞれのフォトレジスに応じた
ドーズ量の基準を装置内に持つことになる。試料の観察
時には、オペレータやより上位のCPUが試料の種類を
選択することで、観察している試料に対応したその試料
に許容されるドーズ量を呼び出すことができる(S5
2)。一方、観察が始まり、ある照射電流、設定倍率で
電子線が試料に照射されると、図2で説明したのと同じ
方法で、積算ドーズ量を計算し、表示する(S53〜S
57)。
【0026】この試料観察による積算ドーズ量は、画像
表示装置10などの表示装置に、登録されたドーズ量の
近傍に逐次表示される。この表示によりオペレータは、
観察中に積算されたドーズ量が許容ドーズ量に対して多
いか少ないかを容易に知ることができ、多い場合には電
子線照射を中止することができる。従って過度の電子線
照射をすることがないので、試料汚損を許容範囲に抑え
ることができる。
【0027】ドーズ量の表示方法としては、ドーズ量を
そのまま数値表示する方法に限らず、登録されたドーズ
量に対する実際の積算ドーズ量の対比が一目で分かるよ
うな表示、例えば図6のように、登録されたドーズ量を
100%とした場合の割合表示のようなものでも良い。
図6は、表示装置10の表示画面20が画像表示部21
とデータ表示部22に分かれている例を示している。画
像表示部21には試料の拡大像が表示され、データ表示
部22には照射電流の値や倍率等の情報が表示されてい
る。データ表示部22の一部に、現在の積算ドーズ量が
予め登録された許容ドーズ量100に対する割合として
グラフ表示25されている。グラフ表示25の斜線部が
実際の積算ドーズ量を表し、積算ドーズ量が増すに従っ
てその面積が逐次増加するようになっている。
【0028】図7は、他の実施例を説明するフローチャ
ートである。この例では、試料ごとに許容されるドーズ
量を登録する(S71)。試料の観察時には、オペレー
タや上位のCPUにより試料に対応する許容ドーズ量を
呼び出す(S72)。そして前記実施例と同様にして積
算ドーズ量を計算し(S73,74)、積算された実際
のドーズ量と許容ドーズ量とをCPU1で比較演算する
(S75)。比較の結果、実際のドーズ量が登録された
ドーズ量を上回っていることが判明すれば、偏向電極6
に電圧を印加し電子線が試料に照射されないようにブラ
ンキングする(S78)。観察途中で、照射電流の変更
(S76)、あるいは設定倍率の変更(S77)があっ
た場合には、図2で説明したのと同様に、変更された値
を反映させて積算ドーズ量の計算を続行する。
【0029】本実施例によると、比較演算の結果を用い
て試料への電子線照射を自動的に中止することができる
ので、電子線による試料汚損をある一定の許容範囲に抑
えることができる。特に倍率を上げた場合など、ドーズ
量が急激に増えるので、オペレータがマニュアルで電子
線照射を中止する場合よりも確実に過度の電子線照射を
避けることができる。
【0030】再び図5を参照して、本発明の別の実施例
を説明する。本実施例では、ドーズ量を照射時間に換算
して表示する。前述のように、試料ごとに許容されるド
ーズ量を装置に登録する(S51)。たとえば、試料S
の登録されたドーズ量をXとする。Xは、オペレータや
より上位のCPUにより選択され、CPU1において演
算のできる状態となる(S52)。登録されたドーズ量
に対応する照射時間は、(1)式を変形した次式(2)
で表わすことができるので、ステップ54ではこの許容
照射時間を計算する。。 照射時間=ドーズ量/単位面積当たりの照射電流 (2)
【0031】今、ステップ52で照射電流が2pAに設
定され、ステップ53で倍率が1万倍と設定されたとす
る。また、画像表示装置10の表示画面の大きさが20
0mm×200mmならば、単位面積当たりの照射電流
は、(2pA/20000μm)となり、試料Sの許
容される照射時間Tは(2)式よりT=X/(2p
A/20000μm)secとなる。このTが、照
射電流2pA、倍率1万倍の時の許容照射時間となる。
【0032】画像表示装置10に、このTと、その近
傍に実際の照射時間tを表示することで(S55)、オ
ペレータは観察時間がどれくらい残っているかを知るこ
とができ、作業の目安とすることができる。また、照射
時間tがTを超えたならば、オペレータは電子線照射
を中止することができるので、試料汚損を許容範囲に抑
えることができる。画像表示装置10には、図8のよう
に、数値表示箇所26を設けて電子線照射の可能な残り
時間、すなわち(T−t)を直接数字で表示しても良
いし、図9のように、許容照射時間を100%として残
り時間を割合表示しても良い。
【0033】本実施例において、設定倍率を変更した場
合(S57)について説明する。今、実際の照射時間t
で観察倍率を2万倍に変更したとすると、tまでの
ドーズ量Xは、(1)式よりX=(2pA/200
00μm)×tとなり、許容される残りのドーズ量
は、X=X−Xとなる。倍率が2万倍になった
ことで、単位面積当たりの照射電流が(2pA/500
0μm)となるので、2万倍以降の許容照射時間T
は(2)式より、T=X/(2pA/5000μm
)secとなる。上記と同様に、Tと2万倍となっ
てからの実際の照射時間や、電子線照射の可能な残り時
間(T−t)などを画像表示装置10に表示すること
で、オペレータは観察時間の目安を知ることができ、試
料汚損の許容できる範囲で電子線照射を中止することが
できる。また照射電流を変更した場合(S56)でも、
(2)式により新たに許容ドーズ量から許容照射時間を
CPU1で計算し、上述のように画像表示装置10に表
示することで、オペレータは観察時間の目安と電子線照
射を中止するタイミングを知ることができるため、試料
汚損を許容範囲内に抑えることができる。
【0034】本発明の別の実施例によると、試料ごとに
許容され得る基準の照射時間と観察倍率をCPU1など
に登録する。観察時には、オペレータやより上位のCP
Uが試料を選択し、登録された照射時間の中から試料に
対応するものが呼び出される。照射電流が設定され、倍
率が登録されている観察倍率になった時点で、CPU1
は実際の照射時間のカウントを始める。画像表示装置1
0に、登録された照射時間と実際の照射時間を逐次表示
することで、オペレータは可能な観察時間の目安を知る
ことができる。また、許容される照射時間を超えること
なく電子線照射を中止することができるので、試料汚損
を許容範囲内に抑えることができる。画像表示装置10
には、登録された照射時間に対する実際の照射時間の割
合を逐次表示しても良く、また観察できる残りの照射時
間すなわち(登録された許容照射時間−実際の照射時
間)を逐次表示しても上記と同等の効果がある。
【0035】さらに他の実施例によると、試料ごとに許
容される照射時間と観察倍率を登録する。倍率が登録さ
れている観察倍率になった時点から、登録されている照
射時間と実際の照射時間をCPU1で逐次比較演算し、
たとえば実際の照射時間が登録された照射時間を上回れ
ば、偏向電極6に電圧を印加し電子線が試料に照射され
ないようにブランキングする。このように比較演算の結
果で試料への電子線照射を自動的に中止することで、電
子線照射による試料汚損を確実にある一定の範囲内に抑
えることができる。
【0036】
【発明の効果】本発明によると、電子顕微鏡による試料
の観察や測長に際して電子線ドーズ量を管理し、試料汚
損を許容範囲内に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子顕微鏡の概略構成図。
【図2】ドーズ量の計算及び表示の手順を示すフローチ
ャート。
【図3】視野が変わった場合のドーズ量計算の例につい
てのフローチャート。
【図4】視野の座標の説明図。
【図5】ドーズ量又は照射時間の計算及び表示の手順を
示すフローチャート。
【図6】ドーズ量表示方法の一例を示す図。
【図7】ドーズ量が許容値を超えたら電子線照射を中止
する実施例のフローチャート。
【図8】照射時間の表示例を示す図。
【図9】照射時間の表示例を示す図。
【符号の説明】
1…CPU、2…電子銃制御回路、3…電子光学系制御
回路、4…試料、5…ファラディーカップ、6…偏向電
極、7…電流検出回路、8…検出部、9…増幅部、10
…画像表示装置、11…真空遮断弁、20…表示画面、
21…画像表示部、22…データ表示部、25…グラフ
表示、26…数値表示箇所
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/66 H01L 21/66 J

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料への電子線照射電流を測定する手段
    と、基準となる電子線ドーズ量を登録する手段と、前記
    測定された電子線照射電流及び観察倍率に基づいて試料
    上の観察領域に照射された電子線ドーズ量が前記登録さ
    れた電子線ドーズ量に到達するまでの許容時間を演算す
    る手段と、当該手段で演算された許容時間を表示する表
    示手段とを備えることを特徴とする電子顕微鏡。
  2. 【請求項2】 試料への電子線照射電流を測定する手段
    と、基準となる電子線ドーズ量を登録する手段と、前記
    測定された電子線照射電流及び観察倍率に基づいて試料
    上の観察領域に照射された電子線ドーズ量が前記登録さ
    れた電子線ドーズ量に到達するまでの許容時間を演算す
    る手段と、当該手段によって演算された許容時間を表示
    する表示手段と、前記倍率或いは前記照射電流を変更す
    る手段と、当該手段によって前記倍率或いは照射電流を
    変更した際の前記許容時間を前記表示手段に表示するこ
    とを特徴とする電子顕微鏡。
  3. 【請求項3】 試料への電子線照射電流を測定する手段
    と、基準となる電子線ドーズ量を登録する手段と、前記
    測定された電子線照射電流及び観察倍率に基づいて試料
    上の観察領域に照射された電子線ドーズ量が前記登録さ
    れた電子線ドーズ量に到達するまでの許容時間を演算す
    る手段と、前記試料上の観察領域への電子線照射時間を
    測定する計時手段と、前記登録された電子線ドーズ量か
    ら演算された許容時間と前記計時手段によって測定され
    た電子線照射時間とを対比して逐次表示する手段とを備
    えることを特徴とする電子顕微鏡。
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