JP2002055269A - 光学式測距装置 - Google Patents

光学式測距装置

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JP2002055269A
JP2002055269A JP2000239259A JP2000239259A JP2002055269A JP 2002055269 A JP2002055269 A JP 2002055269A JP 2000239259 A JP2000239259 A JP 2000239259A JP 2000239259 A JP2000239259 A JP 2000239259A JP 2002055269 A JP2002055269 A JP 2002055269A
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distance
electric signal
light
spd
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JP2000239259A
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Takanori Kono
孝典 河野
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Nidec Copal Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二分割SPD動作を採用した光学式測距装置
のリニアリティを改善し測距範囲を拡大すると共に較正
精度を改善する。 【解決手段】 受光部1は、基線X方向に沿って受光面
1Aを多分割する様に配された複数の受光体1Dと、複
数の受光体1Dを相互に接続する態様を切り替え可能な
スイッチ群を有する。制御部は、スイッチ群を制御し所
定の境界で複数の受光体1Dの少なくとも一部を二群に
分けて、各群に属する受光体1Dを合体して疑似的な二
分割受光面を構成する。さらに制御部は、スイッチ群を
制御して光スポットSPTの受光位置に対応する様に境
界を受光体単位でシフト調整する。加えて、制御部は較
正手段を備えており、距離を固定した状態で二分割受光
面を構成する受光部1から出力される第一の電気信号
と、距離を同一に保持したまま二分割受光面の境界を受
光体単位でシフトした状態で受光部1から出力される第
二の電気信号とに基づいて、あらかじめ電気信号と距離
の関係を較正しておく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラのアクティ
ブオートフォーカスなどに用いられる光学式測距装置に
関する。より詳しくは、光学式測距装置の受光部に多分
割した受光体を用い、分割した受光体間の接続態様を切
り換え可能とし、対象物の距離に応じて切り換えを制御
し測距能力を高める技術に関する。更に詳しくは、測距
の前に実行する較正技術に関する。
【0002】
【従来の技術】アクティブオートフォーカス方式のカメ
ラは光学式測距装置を備えており、赤外光を放射し、反
射光を捉えてその情報で対象物(被写体)までの距離を
割り出し、カメラのピントを合わせる。その方式は三角
測量の原理に基づいており、ポジション・センシティブ
・ダイオード(PSD)を使用して対象物までの距離を
算出する。又、二分割したシリコン・フォト・ディテク
ター(SPD)を使用して、両者の受光量の差分に応じ
被写体までの距離を算出する方式も知られている。
【0003】更には、受光部として一列に配列され且つ
多分割されたSPD素子を用い、素子相互間の接続態様
を切り換えて、等価的にPSD動作と、二分割SPD動
作を単一の受光部で実現する光学式測距装置が提案され
ており、例えば特開平7−63550号公報に開示され
ている。対象物までの距離に応じて、多分割PSD接続
と二分割SPD接続を切り換えることにより、測距能力
を高めることができる。一般に、PSD動作は距離に対
し得られる信号レベルは小さいが、リニアリティ(直線
性)が良い為、近距離及び中距離の測距に適している。
これに対し、二分割SPD動作はリニアリティが小さい
ものの、信号レベルが大きい為遠距離での測距に適して
いる。PSD動作及びSPD動作では、測距出力が各々
独立に決まる。従って、実際の測距前に行う較正もPS
D動作とSPD動作とで別々にしている。但し、光学的
設定条件によってはSPD動作のみで用いることも有
り、又この場合リニアリティを得る為測距距離に対応し
て分割面をシフトする手段が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、二分割
SPD動作でリニアリティが狭いことは、光学的に受光
位置精度が要求され個々の受光部の個体差を調整する必
要が有る。この場合、前記SPD測距域より遠側での調
整となり、受光量が小さく実用的に十分な調整精度を得
ることが困難である。一般に、二分割SPD動作におい
て大きな信号出力を得る為には、受光スポットの幅寸法
を小さくする必要がある。一方、距離に対し受光スポッ
ト位置は測距装置に組み込まれる光学系で一義的に決ま
っている。この為、受光スポットの幅を小さくすると、
二分割SPD動作に切り換えた場合、そのリニアリティ
の狭さにより測距範囲が限定されてしまう。この為調整
の為の距離も限定される。この様な従来の技術の問題に
対処する為、測距距離に対応して分割面をシフトする技
術が提案されている。
【0005】ところで、測距前の較正は、測距装置毎に
組み込まれる発光素子及び受光素子のバラツキ及び各素
子の取付位置や光学系のバラツキ等の個体差を調整する
ために行なわれる。較正では、前述したようにPSD動
作及びSPD動作の夫々の場合について受光素子の個体
差の調整が必要である。PSD動作の較正では、距離を
変えて二点測距を行ない、受光素子から出力される電気
信号のレベル調整を行なうとともに、傾きの調整を行な
う。ここで、「傾き」とは、電気信号と距離との関係が
直線と見なせる範囲内でその直線の傾きを意味する。P
SD動作では元々直線的な関係にある範囲(リニア領
域)が広く、更に近距離側の測距であるため、受光量が
大きく較正誤差は少ない。これに対し、SPD動作のた
めの較正では、リニア領域が狭く又遠距離側の測距とな
るため、受光量が小さく測距誤差に伴う較正誤差が生じ
る。従って、SPD動作を用いた遠距離側の測距では、
リニア領域の狭さに起因する測距誤差に加え較正誤差が
上乗せされるため、精度のよい較正手段が望まれてい
た。そこで、本発明は二分割SPD動作を採用した光学
式測距装置の較正精度を改善することを目的とする。
【0006】
【課題を解決する為の手段】上述した目的を達成する為
に以下の手段を講じた。即ち、光軸に沿って対象物に光
スポットを投光する投光部と、該対象物から反射した光
スポットを受光するため、該光軸に直交する基線方向に
配された受光面を構成し、該受光面上における光スポッ
トの受光位置に応じた電気信号を出力する受光部と、該
受光部を制御すると共に該電気信号を処理して対象物の
距離を求める制御部とからなる光学式測距装置におい
て、前記受光部は、該基線方向に沿って該受光面を多分
割する様に配された複数の受光体と、該複数の受光体を
切り換え可能なスイッチ群とを有し、前記制御部は、該
スイッチ群を制御し所定の境界で該複数の受光体の少な
くとも一部を二群に分けて、各群に属する受光体を合体
して等価的な二分割受光面を構成する。更に前記制御部
は較正手段を備えており、距離を固定した状態で二分割
受光面を構成する該受光部から出力される第一の電気信
号と、該距離を同一に保持したまま該二分割受光面の境
界を受光体単位でシフトした状態で該受光部から出力さ
れる第二の電気信号とに基づいて、あらかじめ電気信号
と距離の関係を較正しておくことを特徴とする。
【0007】ここで前記制御部は、該スイッチ群を制御
して光スポットの受光位置に対応する様に該境界を一個
分または二個分以上の受光体単位でシフト設定可能であ
る。好ましくは、前記制御部は、対象物の距離に適合す
る様に遠距離と近距離とで該スイッチ群を切り換え制御
し、遠距離の場合、該複数の受光体を二群に分け各群に
属する受光体を直接接続して前記二分割受光面を構成し
等価的に一対のSPDとして動作させる一方、近距離の
場合、抵抗を介して該複数の受光体を接続し前記多分割
面を維持して等価的なPSDとして動作させる。好まし
くは、前記較正手段は、電気信号と距離との間で理論的
に存在する非直線的な関係を補正した上で、第一の電気
信号及び第二の電気信号に基づく較正を行う。又、前記
較正手段は、電気信号と距離(正確には距離の逆数)と
の間に直線的な関係が成立する範囲内で距離を近距離側
に固定した状態で第一の電気信号を取り込み、該距離を
固定したまま二分割受光面の境界を遠距離側にシフトし
た状態で第二の電気信号を取り込む。尚、第二の電気信
号をより近側にシフトした場合も同様の考えとなる。
又、前記較正手段は、光スポットの幅寸法の八分の一以
下に相当する受光体単位で二分割受光面の境界をシフト
した状態で第二の電気信号を取り込む。又、前記較正手
段は、該投光部に対して該受光部の配置を機械的に合わ
せ込んだ後、該第一の電気信号及び第二の電気信号を取
り込んで電気的な較正を行う。
【0008】光学式測距装置が二分割SPD動作を行な
う時、測距のリニアリティを改善する為、各受光体に接
続されたスイッチを制御して光スポットの受光位置に対
応する様に、二分割SPDの境界を受光体単位でシフト
調整すると良い。対象物までの距離に対応した光スポッ
トの受光位置に適合して、二分割SPDの境界が切り換
わる様にする。このシフト調整のシフト量及びシフト回
数は対応する距離レンジにおいてリニアリティが確保で
きる様に決められる。単純な構成では、二分割SPDの
中央境界を±1単位分シフト調整するだけでも、リニア
リティの範囲を拡大可能であり、実用的に十分な効果が
得られる。この様に、二分割SPDの中央境界を光スポ
ットの受光位置に対応して切り換えシフト調整する為、
シフト相当量分だけ二分割SPDのリニア範囲を拡大可
能である。
【0009】本発明によれば、二分割SPDの較正に分
割境界のシフトを利用する。二分割SPD接続の較正を
行なうとき、まず測距距離を一点に固定したまま、第一
の電気信号を取り込む。次に、測距距離を同一に保持し
たまま分割境界のシフトを行なって、第二の電気信号を
取り込む。第一及び第二の電気信号に基づいて、距離に
対する測距出力の傾きを等価的に較正する。較正におけ
る測距距離は、測距誤差が比較的小さい中距離範囲に設
定することが好ましい。距離を固定したまま、上述のS
PD接続シフトにより二分割境界を変えることは、受光
スポットの受光位置と二分割SPDとの相対的な位置に
関し、受光素子を固定のまま距離を変えたことと等価で
ある。SPD接続におけるシフト量は受光体を単位とす
るため、シフト量に相当する受光位置の移動量に対応し
た距離は既知である。従って、距離を固定したまま第一
及び第二の電気信号を得ているにも係わらず、等価的に
は既知の距離を変えて二点測距を行なったことになり、
測距出力の傾きを較正することが可能になる。二点測距
の代わりに二分割SPDの分割境界シフトを利用した一
点測距を行なうことで、較正用の距離を遠距離ゾーンよ
りも中近距離ゾーンに設定することが可能となり、較正
精度を改善することが可能である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
形態を詳細に説明する。図1は本発明に係る光学式測距
装置の基本的な構成並びに動作を示す模式図である。
(A)は本光学式測距装置の主要部である受光部を表わ
した模式的な平面図である。(B)は同じく本光学式測
距装置の基本的な動作を表わした模式的な平面図であ
る。本発明に係る光学式測距装置は基本的な構成とし
て、投光部と受光部と制御部とを備えている。投光部
は、光軸に沿って対象物に光スポットを投光する。受光
部1は、(A)に示す様に、対象物から反射した光スポ
ットを受光する為、光軸に直交する基線方向(図面上で
は左右方向)に配された受光面1Aを構成し、受光面上
における光スポットの受光位置に応じた電気信号をパッ
ド1Pから出力する。制御部はパッド1Pに接続されて
おり、受光部1を制御すると共に電気信号を処理して対
象物の距離を求める。受光部1は、基線方向に沿って受
光面1Aを多分割する様に配された複数の受光体(受光
セル)1Dと、この複数の受光体1Dを相互に接続する
態様を切り換え可能なスイッチ群や抵抗を含むスイッチ
回路1Kとを有する。制御部はパッド1Pを介してスイ
ッチ群を制御し、所定の境界で複数の受光体1Dの少な
くとも一部を二群に分けて、各群に属する受光体1Dを
合体して疑似的な二分割受光面を構成する。更に制御部
は、スイッチ群を制御して光スポットの受光位置に対応
する様に境界を一個分又は二個分以上の受光体単位でシ
フト調整する。
【0011】受光部1はワンチップICからなり、上述
した様に受光面1A、スイッチ回路1K、パッド1Pな
どを備えている。受光面1Aに形成された個々の受光体
(セル)1Dは、シリコンなどからなるNバルク領域に
P拡散領域を形成して得られたものであり、SPD素子
と呼ばれる。個々の受光体1Dの長さ寸法は0.8mm
で幅寸法は0.033mmとなっている。この寸法の受
光体1Dを基線方向に沿って例えば30個並べることに
より、多分割受光面1Aを構成する。基線方向に沿った
受光面1Aの全長は1mmとなる。但し、図示の寸法は
例示に過ぎず、本発明はこれらの寸法に限定されるもの
ではない。
【0012】(B)に示す様に、受光部1の受光面1A
は基線Xに沿って30等分されており、個々の受光体は
セル番号1乃至30で表わされている。一方、受光スポ
ットSPTは対象物の距離に応じて、基線X方向に移動
する。ここで受光スポットSPTの受光位置はその中心
位置で表わされる。図示の例では、対象物の距離が近く
なる程、受光スポットSPTの受光位置は基線Xに沿っ
て左から右に移動する。従って、受光面1Aの左側が遠
距離域に対応し、右側が中近距離域に対応している。遠
距離域では二分割SPD接続を採用し、近距離域ではP
SD接続を採用している。即ち、本発明では、多分割し
たセル間を抵抗で接続して等価的にPSDとして動作さ
せる場合と、二分割SPDとして動作させる二種類の接
続態様を選択的に切り換え可能とする。特に、二分割S
PD接続では、光スポットSPTの受光位置に対応する
様に分割境界をシフト調整する。
【0013】多分割PSDはセル番号1乃至30の全受
光体で構成され、受光面1Aの全長は0.033mm×
30=1mmとなる。この多分割受光面により、例えば
の位置にある光スポットSPTを受光する。一方、二
分割SPDの受光面はセル番号4乃至17の受光体を基
本としており、その全長は0.033×14=0.46
2mmである。この受光面はセル番号10とセル番号1
1の間の境界により左右に分割されている。この二分割
受光面はちょうどに位置する光スポットSPTに対応
している。尚、受光スポットSPTの基線X方向の幅は
セル10個分に相当している。受光スポットSPTが
の位置から遠距離側にの位置まで移動した場合、これ
に応じて二分割SPDの境界をセル一個分の幅だけ左側
にシフトする。この場合、二分割SPDを構成するセル
自体もシフトしており、セル番号3からセル番号16の
受光体により二分割SPDが構成される。逆に、受光ス
ポットSPTがの位置から近距離側に向かっての位
置まで移動した場合、二分割SPDの中央境界がセル一
個分だけ右側にシフトする。これに合わせて、二分割S
PDを構成する受光体自体もセル番号5からセル番号1
8までになる。尚、二分割SPDのシフト調整は、境界
のみでもよく、二分割SPDを構成するセル自体は固定
にすることができる。但し、構成セルを固定した場合に
は受光スポットSPTの移動スパンをカバーする為、二
分割受光面の幅寸法が広くなり、その分不要なノイズを
拾う恐れがある。
【0014】以上の様に、光学式測距装置の制御部は、
対象物の距離に適合する様に遠距離と近距離とでスイッ
チ群を切り換え制御している。遠距離の場合、複数の受
光体を二群に分け各群に属する受光体を直接接続して二
分割受光面を構成し、等価的に一対のSPDとして動作
させる一方、近距離の場合、抵抗を介して複数の受光体
を接続し多分割面を維持して等価的なPSDとして動作
させる。更に、一対のSPDとして動作させる場合(二
分割SPDとして動作させる場合)、スイッチ群を制御
して光スポットSPTの受光位置に対応する様に二分割
受光面の中央境界を一個分又は二個分以上のセル単位で
シフト調整する。好ましくは、制御部は、受光した光ス
ポットSPTの幅寸法の1/4以下に納まる受光体の個
数を単位として、境界をシフト調整する。二分割SPD
の出力特性は受光点がSPD中央境界の近傍ではほぼ直
線であり、ここでは光スポット幅の中央1/4を直線と
みなしたことによる。直線範囲ではシフトによってシフ
ト前後の差分は一定となっている。例えば、図示の例で
は受光スポットSPTの幅寸法はセル10個分であり、
境界のシフト調整はセル一個分を単位として行なってい
る。これに代え、セル二個分を単位としてシフト調整を
行なうことが可能である。しかしながら、セル三個分を
単位としてシフト調整を行なうと長すぎて二分割SPD
のリニアリティを維持できなくなる恐れがある。この
為、シフト調整幅は光スポットSPTの幅寸法の1/4
以下に納めることが好ましい。前述した様に本例では、
受光体の一個分を単位として光スポットSPTの受光位
置に合わせの三段階で分割境界をシフト調整して
いる。但し、本発明はこれに限られるものではなく、四
段階もしくは五段階で境界のシフト調整を行なってもよ
い。逆に測距範囲を限定し、シフトを行なわず調整時に
のみシフト調整することでも良い。又、本例では光スポ
ットSPTの全体を受光可能な個数分の受光体(例えば
セル14個分)を選択して疑似的な二分割受光面を構成
している。さらに二分割受光面の境界のシフト調整を行
なうことで、シフト調整を行なわない場合に比べ選択す
るセルの個数を削減可能である。(B)に示す様に、シ
フト調整を行なわない場合、及びの位置にある受
光スポットSPTを受光する為に、SPDはセル番号3
からセル番号18まで16個の受光体が必要になる。
【0015】図2は、図1に示した受光部の具体的な構
成を示す回路図である。図示する様に、受光部は受光面
1Aとスイッチ回路1Kを含んでいる。受光面1Aには
受光体1Dが30個形成されている。各受光体1Dはシ
リコンフォトダイオードからなり、カソードKは共通接
続されている一方、アノードAはスイッチ回路1K側に
接続されている。スイッチ回路1Kは抵抗R1乃至R2
9やMOSトランジスタなどからなるスイッチング素子
QNを含んでいる。尚、抵抗R1乃至R29は例えば1
0KΩである。スイッチ回路1Kは出力端子OUT1及
びOUT2を介してCPUなどを含む制御部2に接続さ
れている。又、スイッチ回路1Kはデコーダ2Dを介し
て制御部2の入力端子IN1及びIN2に接続してい
る。デコーダ2Dは制御部2からIN1及びIN2を介
して入力されるビット信号をデコードし、スイッチ回路
1Kに対して制御信号CNT0乃至CNT3を供給す
る。多分割PSD接続時は、CNT0がアクティブとな
り、スイッチング素子Q1乃至Q29及びQ101乃至
Q102がオンする。これにより、抵抗R1乃至R29
を介して30個の受光体1Dが接続され、等価的なPS
Dとして動作することになる。一方、二分割SPD接続
時は、CNT0がノンアクティブとなり、CNT1乃至
CNT3のいずれか一つが選択的にアクティブとなり、
対応するスイッチング素子Q201乃至Q214、Q3
01乃至Q314、Q401乃至Q414のいずれか一
群がオンになる。具体的には、二分割SPD接続でシフ
ト調整の有無により、CNT1,CNT2,CNT3の
いずれかが選択的にアクティブ状態となる。CNT2が
アクティブの時シフト調整は0であり、CNT1がアク
ティブの時シフト調整は遠距離側にセル一個分だけ行な
われ、CNT3では逆に近距離側にセル一個分だけシフ
ト調整が行なわれる。これらの二分割SPD動作では、
受光体を二群に分け各群に属する受光体を直接接続する
ことで、二分割SPD受光面を疑似的に構成している。
尚、制御部2は上述した多分割PSD接続と二分割SP
D接続の切り換え制御並びに二分割SPD接続時におけ
る境界シフト調整の機能に加え、測距前に実行する較正
機能も備えている。具体的な較正手段については後述の
図3を参照して詳細に説明する。
【0016】図3は、図2に示した本光学式測距装置の
出力特性を示すグラフである。このグラフは横軸に受光
スポット位置を取ってあり、縦軸に測距出力を相対値で
取ってある。尚、受光スポット位置は受光面の全長に対
応して0mmから1.0mmまで目盛を取ってある。こ
れに対応して、セル番号を1から30まで振ってある。
又、受光位置に対応して、被写体距離をm単位で表わし
てある。三角測距の原理より距離はその逆数が等差とな
るように光点位置と対応している。丁度、無限遠の距離
がセル番号8と9の境界に位置する様に、受光部や投光
部を含めた光学系がセッティングされている。一方、前
述した様に受光スポット幅は受光体10セル分に相当し
ている。グラフから明らかな様に、本光学式測距装置
は、近距離域で多分割PSD動作を採用し、遠距離域で
二分割SPD動作を採用している。PSD出力特性を表
わすカーブに比べ、SPD出力特性を表わすカーブは傾
斜が急になっており、その分測距出力の感度が高く、信
号の微弱な遠距離域で二分割SPDは効果を発揮する。
特に本発明では、受光スポットの位置に応じて二分割S
PDの分割境界をシフト調整している。これにより、二
分割SPDにおける実際の動作領域は太線で示す折れ線
カーブとなり、リニアリティに優れた直線部分のみを使
用している。これにより、本測距装置のリニアリティが
シフト調整分改善され、従来に比し取り扱いや調整が容
易になる。及びの三段階で二分割SPD接続をシ
フト調整している。基本となるSPD接続では、分割
線境界がセル番号10と11の間に位置する。SPD接
続では分割境界が左側(遠距離側)に向かってセル一
個分だけシフトする。逆にSPD接続では分割境界が
右側(近距離側)に向かってセル一個分だけシフトす
る。尚測距の為のSPDシフトは必ずしも条件ではなく
光学系の設定によっては測距域を固定のままとしても良
い。
【0017】PSD接続時、測距出力は受光面の全長を
100%とする直線となり、測距出力は受光面全長と受
光スポット位置で決まる。これに対し、二分割SPD接
続時、測距出力は受光スポット幅(例えば10セル分に
相当)を100%とする曲線となり、測距出力は受光ス
ポット幅と受光スポット位置で決まる。尚、二分割SP
D接続の場合における出力の増加する割合は、受光面全
長/受光スポット幅となる。更に、二分割SPD接続で
は受光スポット位置に合わせたシフト接続を±1セル分
だけ行なうことにより、図示の三本の測距出力特性カー
ブが得られる。測距出力と受光スポット位置の関係は
1:1に対応している。更に、受光スポット位置と対象
物距離の関係は投光部及び受光部を含めた光学系の設定
で一義的に決まる。図3の設定条件では、無限遠に対応
する受光スポット位置がセル8とセル9 の境界にセッテ
ィングされている。二分割SPD接続時の中央境界は対
応する受光スポット位置のゾーンのほぼ中央にセッティ
ングされている。受光スポット位置に応じたシフト調整
により、図示のSPD、SPD及びSPDのいず
れかが選択される。受光スポット位置に応じてシフト調
整を行なうことにより、図示の太線で表わした折れ線の
出力特性が得られる。これにより、SPD特性のほぼ中
央部の直線性に優れた範囲のみを実際の動作領域に使用
することが可能となり、リニア動作範囲が拡大したこと
になる。又、受光スポット幅を10セル分から更に狭め
れば、SPD出力特性の傾きが急峻となり、一層感度を
上げることが可能である。
【0018】引き続き図3を参照して、本光学式測距装
置の光学的な設定条件を説明する。本例では、基本とな
る二分割SPDの分割境界がセル番号10とセル番号
11の間に位置する様に、光学系と受光部の対応関係を
設定する。設定段階で対象物を3.8mの距離に置き、
二分割SPDで測距を行なった場合の出力が0.5
(8ビット換算で80H)となる様に光学的な位置合わ
せが行なわれる。残された誤差分は後述の様に出力値に
電気的な較正をかけて調整する。SPDの特性を用い
た合わせ込み時、PSD接続とした時の無限遠相当位置
が受光面全長の約30%程度となる様に、SPD/PS
Dの位置関係が設定される。図3の例では、無限遠に相
当する光スポット位置が、丁度セル番号8とセル番号9
の間になる様にセッティングを行なう。無限遠に対応す
る光スポット位置を受光面全長の約30%とする理由は
以下の通りである。即ち、受光部に接続するアンプの性
能は有限であり、受光信号が極端に小さい時は信号/ノ
イズ比が悪化し、距離の誤判定が生じる。受光信号が極
端に小さくなることを防ぐ為に、無限遠に相当する光ス
ポット受光位置を上述した様に受光面全長の約30%と
している。
【0019】更に図3を参照して、測距前に行なわれる
較正を説明する。まず機械的な較正を行ない次に電気的
な較正を行なう。機械的な較正では、二分割SPDの位
置と光学系で決まる光スポットの受光位置を互いに合わ
せ込む。具体的には、シフト量を+1にしてSPDを
選択する。ここで、距離が2.5mのとき、SPDか
らの出力が0.5(8ビット換算時80H)となるよう
に、受光部の位置を基線方向に沿って調整する。この調
整距離は、SPDの特性でリニアと見なせる範囲内で
あればよく、例えば1.5乃至2.0mで対応する出力
値が得られるように調整することは自由である。この機
械的な較正は、中距離で比較的測距精度が高い区間で行
なわれるため、較正精度は上がる。
【0020】次に電気的な較正を行なう。まず最初にレ
ベル調整を行なう。具体的には、SPD接続のシフトを
+1とし、SPDを選択する。ここでリニアと見なせ
る距離範囲で可能な限り近距離側で測距を行なう。ここ
で得られた測定値とあらかじめ決められた設定値との差
分をレベル補正値として、例えば測距装置内のE2 PR
OMに書き込んでおく。この例では、距離が2.16m
で測距出力のレベルが90Hを設定値(基準値)として
いる。図示するように、距離2.16mは、丁度受光ス
ポットの受光位置が12番目のセルの中央に対応したと
きである。即ち、A点での測距出力は90Hを基準とし
ている。換言すると、A点での測距出力が90Hとなる
ようにレベル調整をかけることになる。
【0021】上述したレベル調整に続き傾き調整を行な
う。傾き調整を行なう場合の設定距離は、可能な限りリ
ニアと見なせる範囲に近くなるようにする。このような
距離を一点に固定し、SPDシフトをしないとき(SP
D)とSPDシフトを+1行なったとき(SPD)
とで夫々電気信号を取り込む。図示の例では、距離を
2.16mに固定し、まずSPDで第一の電気信号を
取り込む。この第一の電気信号はA点に対応している。
次に、SPDからSPDにシフトし、同一の距離
2.16mで第二の電気信号を取り込む。この第二の電
気信号はB点に対応している。図から明らかなように、
A点での出力値は1セル分遠距離側に移動したC点の値
に換算できる。ここでA点及びB点の出力差を基準値に
照らし合わせることで傾き補正値を算出する。上記補正
値は、実際の測距時に基準位置と測距点との距離差に対
応した補正値に換算されて測距出力が補正されるものと
する。以上の説明から明らかなように、本来傾き調整は
B点及びC点での出力値を基に行なわれるべきである。
しかしながら、C点はA点に比べ遠距離側であり、その
分測距誤差が生じる。そこで、C点の代わりにA点での
出力値を取り込む。C点はA点から丁度1セル分だけシ
フトした位置であり、あらかじめ設定された光学的な条
件から、A点での出力をC点での出力に等価変換でき
る。これにより、距離2.16mでの一点測距にも係わ
らず、等価的にB点及びC点で二点測距を行なったこと
になり、所望の傾き調整のためのデータが得られる。較
正段階で遠距離を基準にすると光が弱いので測距誤差が
含まれる。従って、可能な限り近距離側で較正若しくは
合わせ込みを行なうことが好ましい。本発明では、二分
割SPD接続のシフト調整機能を巧みに利用して、電気
的な較正段階での設定距離を近距離側に持っていくこと
が可能である。
【0022】更に、上記のように求めた傾きに対する補
正値を設定する。電気的な較正で求めた傾きは、SPD
のB点及びC点の間の傾きに相当する。二分割SPD
特性は中心点近くでほぼ理想的な直線近似が得られる。
直線近似の範囲は受光スポットの幅を小さくして高感度
化する等の対策により、変化する。SPDでは図示の
ようにC点とD点との間を直線と見なして実際の測距に
使う。較正段階では、C点とB点との間の傾きを求めて
いる。場合によっては、B点とC点との傾きが、C点と
D点との傾きからずれていることがある。この傾きのず
れ量はあらかじめ理論的に推定可能である。従って、B
点及びC点間で求めた傾きに所定の補正を加えること
で、測距精度が増すことになる。このような傾き補正を
行なうためには、SPD接続シフトに対応した距離差を
単位として算定することが便利である。
【0023】以上説明したように、本発明によれば、制
御部は較正手段を備えており、距離を固定した状態(例
えば2.16m)で二分割受光面(例えばSPD)を
構成する受光部から出力される第一の電気信号(A点に
対応)と、距離を同一に保持したまま二分割受光面の境
界を受光体単位でシフトした状態(SPD)で受光部
から出力される第二の電気信号(B点に対応)とに基づ
いて、あらかじめ電気信号と距離の関係を較正してい
る。この場合、前記較正手段は、電気信号と距離との間
で理論的に存在する非直線的な関係を補正した上で、第
一の電気信号及び第二の電気信号に基づく較正を行な
う。又前記較正手段は、電気信号と距離との間に直線的
な関係が成立する範囲内で近距離側に固定した状態で第
一の電気信号を取り込み(A点に対応)、二分割受光面
の中央境界を遠距離側にシフトした状態で第二の電気信
号(B点に対応)を取り込む。更に較正手段は、光スポ
ットの幅寸法の八分の一に相当する受光体単位(一セル
分)で二分割受光面の境界をシフトした状態で第二の電
気信号を取り込む。尚、較正手段は、投光部に対して受
光部の配置を機械的に合わせ込んだあと、第一の電気信
号及び第二の電気信号を取り込んで電気的な較正を行な
う。
【0024】図4は、図2に示した本光学式測距装置の
動作説明に供するフローチャートである。但し、上述し
た較正が完了した後の動作を表している。まず、ステッ
プS1で多分割PSD接続に切り換え制御し、ステップ
S2で予備測距を行なう。続いてステップS3で、予備
測距の結果に基づき、対象物が遠距離域に存在するか否
かを判定する。判定結果がNOの場合には、対象物が近
距離域にあるので、ステップS4に進みそのままPSD
接続で本測距を行なう。本測距の結果に基づき、ステッ
プS5で測距出力を得る。一方、ステップS3で判定結
果がYESの場合には、ステップS6で二分割SPD接
続に切り換える。続いてステップS7で二分割SPD
接続により仮測距を行なう。この仮測距の結果に基づ
き、ステップS8で対象物が対応する距離ゾーンに存
在するか否かを判定する。判定結果がYESの場合に
は、ステップS9に進みSPD接続の状態のままで本
測距を行なう。そしてステップS5に進み本測距の結果
に基づき測距出力を得る。一方、ステップS8で判定結
果がNOの場合には、ステップS10に進み、仮測距の
結果に基づいて対象物が距離ゾーンに存在するか否か
を判定する。この判定結果がYESの場合には、ステッ
プS11に進み二分割SPD接続から二分割SPD接
続に切り換える。この後ステップS9で本測距を行な
いステップS5で測距出力を得る。一方ステップS10
で判定結果がNOの場合には、対象物が距離ゾーンに
存在すると推定されるので、ステップS12に進み二分
割SPD接続からSPD接続に切り換える。この状
態でステップS9に進み本測距を行ない、更にステップ
S5で測距出力を得る。以上の様にして、対象物の距離
に応じ、多分割PSD接続と二分割SPD接続を使い分
ける。更に、二分割SPD接続では対象物の距離に応じ
て分割境界をシフト調整する。但し、本発明はこれに限
られるものではなく、PSD接続とは切り離して二分割
SPDのみを単独でシフト調整する場合にも適用可能で
ある。即ち、本発明は素子の動作を二分割SPDのみと
する場合にも対応可能であり、光学系や受光スポット幅
を適宜設定することにより実現可能である。二分割SP
Dの動作条件はPSD動作とは独立して決められるもの
である。二分割SPDのリニアリティ拡張手段として、
SPD分割境界のシフト調整は有効である。
【0025】図5は、本発明に係る光学式測距装置の全
体的な光学構成を示す模式図である。図示する様に、本
測距装置は受光部1と投光部3とを備えている。投光部
3は例えばIRDからなり、光軸Yに沿って対象物に光
スポットを投光する。この為に投光レンズ3Lを用いて
いる。受光部1は対象物から反射した光スポットを受光
する為、光軸Yに直交する基線X方向に配された受光面
を構成し、受光面上における光スポットの受光位置に応
じた電気信号を出力する。尚、対象物から反射した光ス
ポットは受光レンズ1Lにより、受光面上に結像され
る。ここでBは基線長を示し、f1は投光レンズ3Lの
焦点距離を示し、f2は受光レンズ1Lの焦点距離を示
し、lpは受光面の全長を示し、Lは対象物までの距離
を示し、xは受光面の左端を基準にした光スポットの受
光位置を示し、x0は対象物の距離Lが無限遠の時に対
応する受光位置を示し、Δxはxとx0との差分を表わ
している。ここで、周知の三角測量の原理により、Δx
=B・f2/Lとなる。即ち、無限遠に対応した受光位
置x0を基準とする実際の光スポット受光位置Δxは、
対象物の距離Lに反比例している。換言すると、Δxを
受光部1で検出することにより、対象物までの距離Lを
求めることができる。尚、図3に示した光学設定例は、
基線長Bが25mmで、受光レンズの焦点距離f2が1
0mmの場合である。
【0026】図6は、PSD接続時における本測距装置
の動作説明に供する等価回路図である。ここで、lpは
前述した様に受光部1の受光面の全長を示し、xは受光
面左端からの受光位置を表わし、RはPSD抵抗であ
り、R=r1+r2で表わされる。ここで、r1は受光
位置と出力端子OUT1の間に生ずる抵抗を表わし、r
2は受光位置と出力端子OUT2の間に生ずる抵抗を表
わしている。riは各出力端子に接続されるアンプの入
力インピーダンスを表わし、i0は受光部1に生ずる光
電流を表わしており、i0=i1+i2である。ここ
で、i1は出力端子OUT1から取り出される電流を表
わし、i2は出力端子OUT2から取り出される電流を
表わしている。この場合、測距出力AFOは、以下の数
式1で表わす様に、i1とi2の電流比として出力され
る。但し、数式1はx大で測距出力大となる方向に各出
力電流を設定した場合である。
【数1】 i1とi2の関係は受光位置と入力インピーダンスri
に反比例し、又抵抗r1は受光位置xに比例すると仮定
すると、以下の数式2が得られる。
【数2】 今、Rがriに比べてはるかに大きいとすると、以下の
数式3が得られ、結局測距出力AFOは1/lpの傾き
を持つことになる。
【数3】
【0027】ここで、光学系との関係について表わす
と、以下の数式4及び数式5が与えられる。
【数4】
【数5】 尚、前述した様に、x0は無限遠に対応する受光位置を
表わし、Δxはx0を基準とした場合の受光位置xの移
動量を表わし、Bは基線長を表わし、f2は受光レンズ
の焦点距離を表わし、Lは対象物までの距離を表わして
いる。
【0028】ここで、数式4及び数式5を数式3に代入
すると、以下の数式6が得られる。
【数6】 数式6から明らかな様に、測距出力AFOはx0を設定
点とし、傾きB・f2/lpで、1/Lに比例すること
となる。尚、数式6で受光位置xは受光スポットの重心
を示している。実際の測距では受光スポットが受光面上
にあることが条件であり、この為xが取り得る値は受光
面の両端より受光スポットの半径分だけ内側にあること
になる。
【0029】図7は、本光学式測距装置を二分割SPD
として動作させる場合の説明に供する模式図である。こ
こで受光スポットSPTは矩形で均一な光強度分布を有
していると仮定する。そのスポット幅をPで表わす。二
分割SPDの中央境界より左側の部分のスポット幅をp
1で表わし、右側の部分の幅をp2で表わす。従ってP
=p1+p2である。受光部1に形成された二分割SP
Dの一方からは出力端子OUT1を介して受光量に応じ
た光電流i1が出力される。同様に、二分割SPDの他
方からは出力端子OUT2を介して受光量に応じた光電
流i2が出力される。尚、一般に受光スポットSPTの
プロファイルは円形であることが多いが、以下の理由に
より、便宜上矩形として取り扱うことにする。即ち、二
分割SPD接続時、受光位置の移動範囲をSPD分割境
界の近傍の比較的狭い範囲に設定した時、円形プロファ
イルの出力特性の直線相当部分は、矩形プロファイルの
出力特性にほぼ近似させることができるからである。こ
の時、円形プロファイルの直径寸法は対応する矩形プロ
ファイルの幅寸法Pよりも大きくなる。さて、二分割S
PD接続時における測距出力AFOは以下の数式7によ
って与えられる。
【数7】 数式7から明らかな様に、AFOは受光スポット位置x
に対し1/Pの傾きを以て変化する。
【0030】図8は、図7に示した二分割SPDを測距
装置の設定光学系に組み入れた時の位置関係を表わす。
図中、xNは、受光部1の受光面左端から測った分割境
界までの距離を表わしている。その他の記号x0、x、
Δx、i1、i2、Pは先に定義した通りである。この
場合、i1、i2、x及びΔxは、以下の数式8によっ
て表わされる。
【数8】 更に数式8を数式7に代入すると、以下の数式9が得ら
れる。
【数9】 数式9から明らかな様に、二分割SPD接続の場合、測
距出力AFOはxN及びx0を設定点とし、傾きB・f
2/Pで1/Lに比例する。
【0031】図9は、数式9で得られた二分割SPD接
続時におけるAFO特性をグラフ化したものである。比
較の為、数式6で得られた多分割PSD接続におけるA
FOの特性もグラフ化してある。グラフから明らかな様
に、AFO出力は、二分割SPD接続時に多分割PSD
接続のlp/P倍となる。lp/Pは1よりも大きいの
で、二分割SPD接続は多分割PSD接続に比べ感度が
高いことになり、遠距離測距に適している。
【0032】図10は、二分割SPD接続時におけるA
FO出力特性を示すグラフである。このグラフは受光ス
ポットのプロファイルをパラメータとして描かれたもの
である。横軸に受光スポット位置を表わし、縦軸にAF
O出力を取ってある。受光スポットのプロファイルが円
形でその直径をWとすると、測距出力特性は実線の曲線
となる。受光スポットのプロファイルが矩形でその幅寸
法が0.8Wの時、出力特性は一点鎖線で示す様にほぼ
全域に亘って直線となる。プロファイルが円形の時中央
部を直線近似すれば、ほぼ0.8W幅の矩形プロファイ
ルに相当する。実際の受光スポットのプロファイルは周
辺部に比べ中央部の光量が大きいと見られることによ
り、出力特性は曲率が増す傾向にある。例えば、受光ス
ポットが矩形で幅寸法が0.8W且つ輝度分布が周辺部
に比べ中央部が1.5倍の時のプロファイルを、点線カ
ーブで表わしている。受光スポットのプロファイルが円
形の時、出力特性が直線と見なせる範囲は出力特性カー
ブの中央ほぼ±0.2Wの範囲と見なされる。従って、
この直線範囲が使用域となる様に、受光スポット幅、受
光位置の移動量及び受光位置に対応した対象物距離が設
定される。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の一般的な
特徴によれば、二分割SPD接続時に対象物の距離レン
ジに応じた分割境界のシフト調整を行なうことで、出力
特性を従来に比しリニア化することができる。又、二分
割SPD接続と多分割PSD接続を組み合わせた場合で
も、SPDの出力特性を前述した境界のシフト調整によ
り独立して設定することが可能となる。これにより、光
学系との組み合わせにおいて、多分割PSD及び二分割
SPDの各特性をそれぞれ最適化することができる。よ
って、PSDとSPDの動作切り換えによる測距能力の
向上について、より効果を高めることが可能になる。
又、二分割SPDを構成する受光体の個数もシフト調整
を行なうことにより削減でき、これにより二分割SPD
動作の信号/ノイズ比が改善できる。又、本発明の具体
的な特徴によれば、制御部は較正手段を備えており、距
離を固定した状態で二分割受光面を構成する受光部から
出力される第一の電気信号と、距離を同一に保持したま
ま二分割受光面の境界を受光体単位でシフトした状態で
受光部から出力される第二の電気信号とに基づいて、あ
らかじめ電気信号と距離の関係を較正しておく。即ち、
二分割SPDの境界シフトを巧みに利用して、一点測距
で等価的に二点測距を得て傾き調整に利用している。こ
れにより、二分割SPD動作の調整を比較的測距誤差の
少ない中距離の一点で行なうことができ、較正精度が上
がる。このため、測距に占める調整誤差は少なく、高い
測距精度が得られる。又、距離を変えることなく較正が
行なえるので、従来に比し調整作業が楽になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光学式測距装置の基本構成及び基
本動作を示す模式図である。
【図2】本光学式測距装置の具体的な構成例を示す回路
図である。
【図3】本光学式測距装置の動作特性を示すグラフであ
る。
【図4】本光学式測距装置の動作説明に供するフローチ
ャートである。
【図5】本光学式測距装置の全体構成を示す光学図であ
る。
【図6】PSD動作を説明する為の等価回路図である。
【図7】SPD動作を説明する為の模式図である。
【図8】SPD動作を説明する為の模式図である。
【図9】SPD動作時における出力特性とPSD動作時
における出力特性を比較したグラフである。
【図10】二分割SPD動作時における出力特性を示す
グラフである。
【符号の説明】
1・・・受光部、1A・・・受光面、1K・・・スイッ
チ回路、1P・・・パッド、1L・・・受光レンズ、2
・・・制御部、2D・・・デコーダ、3・・・投光部、
3L・・・投光レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03B 13/36 G03B 3/00 A Fターム(参考) 2F065 AA02 AA06 BB29 DD03 FF09 FF24 GG01 HH04 HH13 JJ02 JJ09 JJ25 QQ00 QQ28 2F112 AA08 BA02 CA02 CA12 FA00 FA03 FA21 FA45 2H011 BA14 BB02 BB03 2H051 BB20 BB23 CB21 CB24 CD01 CD30 DA16 5J084 AA05 AB17 AC08 AD06 BA20 BA33 BA36 BA37 BA47 BB01 EA19 FA03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光軸に沿って対象物に光スポットを投光
    する投光部と、 該対象物から反射した光スポットを受光するため、該光
    軸に直交する基線方向に配された受光面を構成し、該受
    光面上における光スポットの受光位置に応じた電気信号
    を出力する受光部と、 該受光部を制御すると共に該電気信号を処理して対象物
    の距離を求める制御部とからなる光学式測距装置におい
    て、 前記受光部は、該基線方向に沿って該受光面を多分割す
    る様に配された複数の受光体と、該複数の受光体を切り
    換え可能なスイッチ群とを有し、 前記制御部は、該スイッチ群を制御し所定の境界で該複
    数の受光体の少なくとも一部を二群に分けて、各群に属
    する受光体を合体して等価的な二分割受光面を構成し、 更に前記制御部は較正手段を備えており、距離を固定し
    た状態で二分割受光面を構成する該受光部から出力され
    る第一の電気信号と、該距離を同一に保持したまま該二
    分割受光面の境界を受光体単位でシフトした状態で該受
    光部から出力される第二の電気信号とに基づいて、あら
    かじめ電気信号と距離の関係を較正しておくことを特徴
    とする光学式測距装置。
  2. 【請求項2】 前記制御部は、該スイッチ群を制御して
    光スポットの受光位置に対応する様に該境界を一個分ま
    たは二個分以上の受光体単位でシフト設定することを特
    徴とする請求項1記載の光学式測距装置。
  3. 【請求項3】 前記制御部は、対象物の距離に適合する
    様に遠距離と近距離とで該スイッチ群を切り換え制御
    し、 遠距離と判定した場合、該複数の受光体を二群に分け各
    群に属する受光体を直接接続して前記二分割受光面を構
    成し等価的に一対のSPDとして動作させる一方、 近距離と判定した場合、抵抗を介して該複数の受光体を
    接続し前記多分割面を維持して等価的なPSDとして動
    作させることを特徴とする請求項1記載の光学式測距装
    置。
  4. 【請求項4】 前記較正手段は、電気信号と距離との間
    で理論的に存在する非直線的な関係を補正した上で、第
    一の電気信号及び第二の電気信号に基づく較正を行うこ
    とを特徴とする請求項1記載の光学式測距装置。
  5. 【請求項5】 前記較正手段は、電気信号と距離との間
    に直線的な関係が成立する範囲内で距離を近距離側に固
    定した状態で第一の電気信号を取り込み、該距離を固定
    したまま二分割受光面の境界を遠距離側にシフトした状
    態で第二の電気信号を取り込むことを特徴とする請求項
    1記載の光学式測距装置。
  6. 【請求項6】 前記較正手段は、光スポットの幅寸法の
    八分の一以下に相当する受光体単位で二分割受光面の境
    界をシフトした状態で第二の電気信号を取り込むことを
    特徴とする請求項1記載の光学式測距装置。
  7. 【請求項7】 前記較正手段は、該投光部に対して該受
    光部の配置を機械的に合わせ込んだ後、該第一の電気信
    号及び第二の電気信号を取り込んで電気的な較正を行う
    ことを特徴とする請求項1記載の光学式測距装置。
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