JP2002054855A - 温調装置 - Google Patents

温調装置

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JP2002054855A
JP2002054855A JP2000241284A JP2000241284A JP2002054855A JP 2002054855 A JP2002054855 A JP 2002054855A JP 2000241284 A JP2000241284 A JP 2000241284A JP 2000241284 A JP2000241284 A JP 2000241284A JP 2002054855 A JP2002054855 A JP 2002054855A
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casing
heat transfer
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metal electrode
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JP2000241284A
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English (en)
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Masato Itakura
正人 板倉
Hisahiro Inayoshi
寿浩 稲吉
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペルチェ素子を使用した温調装置において、
熱伝達効率を低下させず、かつ簡便に結露を防止し得る
温調装置とすること。 【解決手段】 温調装置101は、凹部空間15が形成
されたケーシング10と、該ケーシング10の凹部空間
15を覆うように該凹部空間15に対面して配置された
熱伝達用プレート20と、ケーシング10と熱伝達用プ
レート20との間の隙間を封止して凹部空間15を密閉
状態とするためのOリング41と、凹部空間15内に配
設されるとともに熱伝達用プレート20の一表面20a
に熱的に接続されたペルチェ式熱電変換ユニット30と
を備えて構成される。Oリング41によって凹部空間1
5を密閉状態とし外部と遮断しているので、外部空気に
含有される水分が凹部空間15内に入り込むこともな
く、水分の凝縮による結露の発生が効果的に防止され
る。また、リーク検査孔18を形成したことにより、リ
ーク検査を行うことができ、確実に凹部空間15を外部
空間と遮断し、結露発生を確実に防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温調装置に関し、
特に、ペルチェ素子と呼ばれる熱電変換半導体を用いた
温調装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】一定の温度制御が必要な物に対して、温
調装置によってその温度を制御することは、様々な装置
や機械において行われている。このような温調装置とし
ては、一般的にはニクロム線ヒータ等の電気抵抗に基づ
く発熱を利用した電気ヒータを使用し、この電気ヒータ
への通電を制御することによって温調制御される。例え
ば、特開平5−243432号公報には、半導体素子の
表面温度を温調制御するためにこのようなヒータを使用
した例が、特開平8−153660号公報には、シリコ
ンウアハー等の基板に熱処理を施すための熱処理装置に
シーズヒータを組み込んで、シリコンウエハーを均一加
熱温調する例が示されている。
【0003】上述したような電気ヒータは、それ自体が
すべて加熱源となるため、加熱した部分以外の部分(例
えばヒータ保持部材等)に熱が逃げ、必ずしも熱効率が
良いとは言えない。
【0004】そこで、ペルチェ素子を利用した温調装置
が提案されている。ペルチェ素子は、通電することによ
って、その片面で発熱し、その反対側の面で吸熱するの
で、発熱面のみを加熱したい部分に当接させておけば、
加熱したい部分のみの加熱が実現でき、熱効率の向上が
望める。特開平10−71091号公報には、ペルチェ
素子を用いた温調装置が示されている。
【0005】しかし、ペルチェ素子を用いた温調装置に
おいては、それを作動させた場合、ペルチェ素子の片面
では発熱して加熱源として供されるが、その反対面では
吸熱により温度低下する。この温度低下により、吸熱面
温度が露点以下となると、吸熱面で結露が生じる可能性
がある。結露が生じると、電気的な短絡や、ペルチェ素
子間を電気的に接続する電極が腐食するおそれが生じ、
ペルチェ素子の性能、寿命に悪影響を与える。
【0006】上記結露の問題に対し、特開平6−294
562号公報には、図6に示すようなペルチェ素子全体
を難透湿性の薄膜シートで覆うといった技術が、特開平
6−207762号公報には、図7に示すような隙間に
シール材や充填剤を充填して水分の侵入を防止するとい
った技術が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ペルチェ素子全体を難
透室性シートで覆う方法を採用して温調装置を組立てた
場合、被加熱体又は被冷却体とペルチェ素子の発熱面と
の間に難透湿性シートが介在することとなる。このた
め、被加熱体(被冷却体)への熱伝達効率が悪くなって
しまうといった問題がある。また、隙間をシール材等で
充填するという方法を採用して温調装置を組立てた場合
では、充填剤を充填するための装置やそのための工数が
必要になり、コストアップを招来するといった問題があ
る。
【0008】故に、本発明は、上記実情に鑑みなされた
ものであり、ペルチェ素子を使用した温調装置におい
て、熱伝達効率を低下させず、かつ簡便に結露を防止し
得る温調装置とすることを技術的課題とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るためになされた請求項1の発明は、凹部空間が形成さ
れたケーシングと、該ケーシングの前記凹部空間を覆う
ように該凹部空間に対面して配置された熱伝達用プレー
トと、前記ケーシングと前記熱伝達用プレートとの間の
隙間を封止して前記凹部空間を密閉状態とするためのO
リングと、前記凹部空間内に配設されるとともに前記熱
伝達用プレートの一表面に熱的に接続されたペルチェ式
熱電変換ユニットとを具備することを特徴とする温調装
置とすることである。
【0010】上記請求項1の発明によれば、温調装置
は、ケーシングと、熱伝達用プレートと、ペルチェ式熱
電変換ユニットを備える。ケーシングには凹部空間が形
成されており、この凹部空間を覆うように対面して熱伝
達用プレートが配置されている。また、ケーシングの凹
部空間内にはペルチェ式熱電変換ユニットが配設されて
おり、このペルチェ式熱電変換ユニットは熱伝達用プレ
ートの一表面に熱的に接続されている。そして、ケーシ
ングと熱伝達用プレートとの間の隙間を封止し、ペルチ
ェ式熱電変換ユニットが配設された凹部空間を密閉状態
とするためにOリングが使用される。
【0011】このように、ケーシングに凹部空間を設け
てこの凹部空間内にペルチェ式熱電変換ユニットを配設
するとともに、熱伝達用プレートで該凹部空間を覆い、
さらにOリングでケーシングと熱伝達用プレートとの間
の隙間を封止するといった簡単な構造で、ペルチェ式熱
電変換ユニットが配設された凹部空間内が密閉状態とさ
れて外部の大気と遮断される。この状態で温調装置を運
転すると、ペルチェ式熱電変換ユニットの一面で加熱
(発熱)がおこり、他面で冷却(吸熱)がおこるが、凹
部空間が密閉されているため、外部からの大気が凹部空
間に侵入することができない。従って、外部空気に含有
される水分が凹部空間内に入り込むこともなく、水分の
凝縮による結露の発生が防止される。この場合、ペルチ
ェ式熱電変換ユニットと熱伝達用プレートとは熱的に直
接接続されており、特開平6−294562号公報に記
載されたような難透湿性シートが両者の間に介在してい
るものでもないので、ペルチェ式熱電変換ユニットで発
生する熱が直接的に熱伝達用プレートに伝達されるの
で、熱伝達効率も高い。また、特開平6−207762
号公報に記載されたものと異なり、密閉手段としてシー
ル材等を外周隙間に充填せずに凹部空間を密閉するの
で、充填剤を充填するための装置やそのための工数が不
要であり、このような付帯設備及び作業工数の増加によ
るコストアップを防止することができる。
【0012】上記ケーシングの材質としては、該ケーシ
ングから外部への熱の放を防止するため、熱伝導性の悪
いものを選択するのが良い。このような材質として、成
形性の面を考慮して、PBT(ポリブチレンテレフタレ
ート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、FC
(フェノール)等を材料とした樹脂製のケーシングが好
ましい。
【0013】上記熱伝達用プレートは、その一表面にペ
ルチェ式熱電変換ユニットが熱的に接合され、その他表
面に被温調体(被加熱体又は被冷却体)が熱的に接合さ
れる。従って、ペルチェ式熱電変換ユニットから被温調
体への熱の伝達を効率良く行うために、熱伝導性の良好
でかつ絶縁性のある材質が選択されることが好ましい。
このような材質として、熱伝導性シリコーン接着剤等が
挙げられる。
【0014】上記「ペルチェ式熱電変換ユニット」と
は、ペルチェ素子を用いた熱電変換ユニットのことであ
り、具体的には、「p型半導体素子(ペルチェ素子)、
n型半導体素子(ペルチェ素子)、放熱側金属電極、吸
熱側金属電極を備え、p型半導体素子、放熱側金属電
極、n型半導体素子、吸熱側金属電極を、この順に電気
的に接続してなる熱電変換装置」のことである。
【0015】p型半導体からn型半導体に金属を通して
電流を流すと、p型半導体と金属との接触部で、ポテン
シャルエネルギーの差により金属の格子振動エネルギー
が与えられ、熱の放出(発熱)が起こるとともに、金属
とn型半導体との接触部で、ポテンシャルエネルギーの
差により金属の格子振動エネルギーが与えられ、熱の放
出(発熱)が起こる。反対に、n型半導体からp型半導
体に金属を通して電流を流すと、n型半導体と金属との
接触部で熱の吸収(吸熱)が起こるとともに、金属とp
型半導体との接触部で熱の吸収(吸熱)が起こる。この
ようなペルチェ効果を利用して、上記のように、p型半
導体素子、放熱側金属電極、n型半導体素子、吸熱側金
属電極をこの順で電気的に接続し、p型半導体素子から
n型半導体素子へ電流を流すと、放熱側金属電極側で発
熱(加熱)し、吸熱側金属電極側で吸熱(冷却)する。
本発明におけるペルチェ式熱電変換ユニットは、上記発
熱及び吸熱現象を利用したものである。
【0016】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
において、前記ケーシングには、凹部空間の密閉性を検
査するためのリーク検査孔が形成されており、該リーク
検査孔は着脱可能な封止手段により封止されていること
を特徴としている。
【0017】上記請求項2の発明によれば、ケーシング
にはリーク検査孔が形成されている。このリーク検査孔
は、密閉状態の凹部空間と外部とを連通する孔であり、
リークテスター等を該リーク検査孔から差し込むことに
より、凹部空間の密閉性の検査(リーク検査)を行うこ
とができる。リーク検査後、ゴムプラグ等の着脱可能な
封止手段でリーク検査孔を封止し、密閉状態とする。
尚、特開平6−294562号公報に記載されたもので
は、難透湿性のシートで覆われた空間内に圧力を加える
と、難透湿性のシートが破裂してしまうので、リーク検
査を行うことができない。また、特開平6−20776
2号公報に記載されたものでは、隙間がポッティング材
で充填されてしまっているので、リーク検査ができな
い。従って、本発明を採用することにより、結露を防止
することができるといった効果に加え、リーク検査もで
き、確実な密閉性を保障することもでき、結露防止が確
実となる。さらに、凹部空間内にすでに含有された水分
による結露を心配するのであれば、リーク検査孔から加
熱源等を導入し、凹部空間内を乾燥空気としてから密閉
状態とする方法や、リーク検査孔から凹部空間内の空気
を吸引し、真空状態としてから密閉するといった方法を
行うことができる。このようにしてリーク検査孔を利用
することで、確実な密閉性及びそれによる確実な結露防
止を実現できる。
【0018】
【実施の形態】以下、本発明を実施の形態により具体的
に説明する。
【0019】図1は、本発明の実施形態における温調装
置の平面図、図2は図1のA−A断面拡大図である。
尚、図1には、後述する熱伝達用プレート20及び樹脂
製ポッティング材39を省略している。
【0020】図において、温調装置101は、樹脂製
(材質:PBT樹脂)のケーシング10と、熱伝達用プ
レート20(図1においては図示せず)と、ペルチェ式
熱電変換ユニット30とを具備する。
【0021】ケーシング10は、図1に示すように略四
角形の平板状に形成されている。また、ケーシング10
の図1示左辺の略中央部及び、図示右辺の上下角部の3
箇所には突設部11が形成されており、この突設部11
からは、図2に示すように、脚部12が延設されてい
る。これらの脚部12には台部連結用螺子孔13が形成
されており、該台部連結用螺子孔13に螺子14を通し
て台部50に螺合することにより、温調装置101が台
部50に固定される。
【0022】ケーシング10の略中央部には、図2に示
すように上方に開口し、下方に窪んでいる凹部空間15
が形成されている。この凹部空間15は、底の浅い浅底
部15aと、底の深い深底部15bとが段差部15cに
よって分けられている。また、図1に示すように、凹部
空間15の回りには溝16が形成されており、この溝1
6内にはOリング41が配設されている。
【0023】ケーシング10の凹部空間15のうちの浅
底部15aの底面の一部からは、下方に突き出た下突出
部17が形成されている。この下突出部17には、凹部
空間15とケーシング10の下部空間とを連通するリー
ク検査孔18が設けられている。そして、このリーク検
査孔18を塞ぐように、ゴム製のプラグ42が下突出部
17に被せられている。
【0024】熱伝達用プレート20は、本例では金属
(材質:銅)で構成され、図2示上方から見て平板状に
形成されている。そして、ケーシング10の凹部空間1
5を塞ぐように、ケーシング10に対面して配置されて
いる。また、図2に示すように、熱伝達用プレート20
にはケーシング連結用螺子孔21が形成されている。一
方、ケーシング10の四隅には、図1に示すようにプレ
ート連結用螺子孔19が形成されている。そして、ケー
シング連結用螺子孔21とプレート連結用螺子孔19と
が対面するようにケーシング10と熱伝達用プレート2
0との位置を合わせ、両螺子孔19、21に螺子22を
挿通して螺合することにより、ケーシング10及び熱伝
達用プレート20が螺合締結される。また、この螺合締
結によって、ケーシング10の溝16に配設されたOリ
ング41が圧縮力を受け、ケーシング10と熱伝達用プ
レート20との間の隙間を完全に封止し、凹部空間15
が密閉状態とされる。
【0025】凹部空間15内には、ペルチェ式熱電変換
ユニット30が配設されている。図3は、ペルチェ式熱
電変換ユニットの拡大断面図である。図3に示すよう
に、ペルチェ式熱電変換ユニット30は、p型半導体素
子31(ペルチェ素子)、n型半導体素子32(ペルチ
ェ素子)、放熱側金属電極33、吸熱側金属電極34、
及び、吸熱側基板35を備えて構成される。
【0026】本例において、n型半導体32として、B
i(ビスマス)−Te(テルル)−Se(セレン)系の
半導体を、p型半導体素子31として、Bi(ビスマ
ス)−Sb(アンチモン)−Te(テルル)系の半導体
を用いているが、これに限定されることはなく、ペルチ
ェ係数または熱電能(ゼーベック係数)が高く、いわゆ
るペルチェ素子として一般的に認知されているものや、
将来的に実用化され得るものでも良い。このような例と
して、Bi−Sb−Te−Se系の半導体(p型、n
型)が挙げられる。
【0027】また、本例において、p型半導体素子及び
n型半導体素子は、略直方体状に成形しているが、その
他、円柱状等に成形することもできる。半導体素子の形
状は、少なくとも放熱側金属電極と吸熱側金属電極とを
連結する2面が形成されていれば、どのような形状でも
良い。
【0028】放熱側金属電極、吸熱側金属電極として
は、導電性金属であれば良いが、一般的には銅箔が用い
られる。
【0029】そして、本例においては、図3に示される
ように、p型半導体素子31、放熱側金属電極33、p
型半導体素子32、吸熱側金属電極34を、この順に電
気的に接続させる。この場合において、p型半導体素子
31及びn型半導体素子32を交互に整列させておき、
隣接するp型半導体素子31とn型半導体素子32(例
えばp型半導体素子31aとn型半導体素子32a)と
を一つのペアとし、このペアとなった素子同士の図3示
上端面を放熱側金属電極33(例えば放熱側金属電極3
3a)で電気的に接続する。一方、各半導体素子の下端
面においても、隣接するn型半導体素子32とp型半導
体素子31とを一つのペアとして、このペアとなった素
子同士の下端面を吸熱側金属電極34で電気的に接続す
るが、このとき、放熱側金属電極で接続した各ペアのう
ち、隣接するペア同士(例えば、p型半導体素子31a
及びn型半導体素子32aのペアと、p型半導体素子3
1b及びn型半導体素子32bのペア)が電気的に接続
されるように、一方のペアのn型半導体素子(例えばn
型半導体素子32a)と他方のペアのp型半導体素子
(例えばp型半導体素子31b)の各下端面を吸熱側金
属電極34(例えば放熱側金属電極34a)で電気的に
接続する。こうすることにより、一つのペアでループを
作らず、p型半導体素子−放熱側金属電極−n型半導体
素子−吸熱側金属電極−p型半導体素子・・・、という
ように、連続的に電気的な接続が実現できる。また、こ
のような構成をとることにより、図3から明らかなよう
に、一方の面に放熱側金属電極33を集約して放熱面側
と、他方の面に吸熱側金属電極34を集約して吸熱面側
とすることができる。
【0030】上述したような、各半導体素子と各金属電
極との電気的な接続は、図2、図3に示すような一列の
接続だけでなく、図1に示すようにこれらの接続を幾重
にも折り返して接続を繰り返した接続構成となってい
る。従って、このような接続構成のうち、一方の接続端
である始端側吸熱側金属電極34Sと他方の接続端であ
る終端側吸熱側金属電極34Eは、その間のp型半導体
素子、n型半導体素子、放熱側金属電極、吸熱側金属電
極を介して電気的に接続されている。また、このような
折り返し接続をすることにより、ペルチェ式熱電変換ユ
ニットの高密度化が達成できる。尚、図2、図3におい
て、最も右側のp型半導体素子31cは、それ以外の各
半導体素子とは異なった列の半導体素子であり、この半
導体素子31cはそれ以外の各半導体素子との直接な接
続はなされていない。
【0031】図2、図3に示すように、各吸熱側金属電
極34は、吸熱側基板35にそれぞれ取り付けられてい
る。一方、各放熱側金属電極33は、熱伝達用プレート
20の一表面20aに直接取り付けられている。図4
は、各吸熱側金属電極34と吸熱側基板35との取付け
部、及び各放熱側金属電極33と熱伝達用プレート20
との取付け部分を示す拡大図である。図に示すように、
各吸熱側金属電極34は、接着剤43により吸熱側基板
35に接着されている。各放熱側金属電極は、接着剤4
4により熱伝達用プレートに接着されている。接着材と
しては、熱伝導性の良好なシリコーン接着剤等が使用で
きる。本例においては、熱硬化性のシリコーン接着剤を
使用しているが、常温硬化性の接着剤でも問題ない。ま
た、接着剤を硬化させる際には、被着物同士が接近する
方向に適度な荷重をかけると、密着性が良好かつ均一と
なり、各放熱側金属電極33と熱伝達用プレート20と
の熱抵抗を小さくすることができるとともに、均一な熱
の移動をおこさせることができる。
【0032】被着物同士が接近する方向に適度な荷重を
かける際の方法として、図5に示される方法が好まし
い。即ち、ケーシング10に形成されたリーク検査孔1
8を利用し、このリーク検査孔18から棒状治具45を
凹部空間15内に差し込んで該棒状治具45の先端を吸
熱側基板35に突き当てる。この状態で、棒状治具45
に図示矢印方向の荷重を加えると、各放熱側金属電極3
3と熱伝達用プレート20との間の押圧荷重及び、各吸
熱側金属電極34と吸熱側基板35との間の押圧荷重を
同時にかつ均一に加えることができる。
【0033】尚、本例では、吸熱側基板35と吸熱側金
属電極34とを接着剤43で接着しているが、吸熱側基
板35と吸熱側金属電極34が一体になっているもので
も良い。例えば、吸熱側基板としてのセラミック基板に
吸熱側金属電極としての銅箔をメッキしたものや、セラ
ミック基板に銅板をダイレクトボンディングしたもので
も良い。
【0034】図1に示すように、ケーシング10の凹部
空間15を形成する壁面のうち、図1示左壁面及び上下
面の略中央からは、ガイド部10aが形成されている。
このガイド部10aにペルチェ式熱電変換ユニット30
の吸熱側基板35を当接させることにより、ペルチェ式
熱電変換ユニット30の位置決めがなされる。
【0035】また、各半導体素子及び各金属電極の接続
構成のうち、一方端である始端側吸熱側金属電極34S
には、始端側内部リード線36Sの一端が半田付けによ
り電気的に接続されている。同様に、上記接続構成のう
ち、他方端である終端側吸熱側金属電極34Eには、終
端側内部リード線36Eの一端が半田付けにより電気的
に接続されている。内部リード線36S、36Eは、フ
レキシブルな導線であって、ペルチェ式熱電変換ユニッ
ト30を凹部空間15内に組付ける際の多少の位置変化
にも十分対応できる。
【0036】始端側内部リード線36Sの他端は、半田
付けにより始端側金属接続片37Sの一端に電気的に接
続されている。同様に、終端側内部リード線36Eの他
端は、半田付けにより終端側金属接続片37Eの一端に
電気的に接続されている。これらの金属接続片37S、
37Eは、図2に示すように、略垂直に立設している立
設部371及び、該立設部371から水平方向に延びた
水平部372を備えて構成されており、該立設部371
の先端で各内部リード線36S、36Eに接続されてい
る。また、水平部372は、凹部空間15のうちの深底
部15bを通り、ケーシング10に形成された孔部10
bからケーシング外部に突き出ている。そして、その突
き出た部分において、始端側外部リード線38S(終端
側外部リード線38E)に半田付けにより電気的に接続
されている。尚、深底部15bには、エポキシ系接着剤
等の樹脂ポッティング材39が充填されている。従っ
て、この樹脂ポッティング材39によって各金属接続片
37S、37Eが固定的に支持されるとともに、ケーシ
ング10に形成された孔部10bからのリークを確実に
防止できる。
【0037】上記構成の温調装置101において、図示
せぬ直流電源の+端子を始端側外部リード線38Sに、
−端子を終端側外部リード線38Eに接続して電流を印
加すると、+端子からの電流は、始端側外部リード線3
8Sから始端側金属接続片37S、始端側内部リード線
36Sを経て、始端側吸熱側金属電極34Sに流れる。
電流はさらに、始端側吸熱側金属電極34Sからp型半
導体素子31、放熱側金属電極33、n型半導体素子3
2、吸熱側金属電極34の順に接続構成中を流れ、最終
的に、終端側吸熱側金属電極34E、終端側内部リード
線36E、終端側金属接続片37E、終端側外部リード
線38Eを経て−端子に戻る。
【0038】このような通電中において、電流が吸熱側
金属電極34からp型半導体素子31に流れるときは、
エネルギーの吸収が起こり、吸熱するので、吸熱側金属
電極34が冷却される。p型半導体素子31から放熱側
金属電極33に電流が流れるときは、エネルギーの放散
が起こり、発熱するので、放熱側金属電極33が加熱さ
れる。放熱側金属電極33からn型半導体素子32に電
流が流れるときは、エネルギーの放散が起こり、発熱す
るので、放熱側金属電極33が加熱される。n型半導体
素子32から吸熱側金属電極34に電流が流れるとき
は、エネルギーの吸収が起こり、吸熱するので、吸熱側
金属電極34が冷却される。このようにして、放熱側金
属電極33側で加熱し、吸熱側金属電極34側で冷却す
る。
【0039】放熱側金属電極33側で発生した熱は、放
熱側金属電極33から熱伝達用プレート20に熱伝達さ
れ、熱伝達用プレート20が加熱される。従って、熱伝
達用プレート20に温度センサを取り付けておき、温度
センサからの温度情報に基づいてペルチェ式熱電変換ユ
ニット30への通電を制御(ON−OFF制御等)する
ことにより、熱伝達用プレート20の温度をコントロー
ルすることができる。このようにして温度コントロール
された熱伝達用プレート20の他表面20bに被温調体
を熱的に接続しておくことにより、被温調体を温調制御
することができる。
【0040】温調装置101の運転中においては、ペル
チェ式熱電変換ユニット30は、放熱側金属電極33の
側で加熱し、吸熱側金属電極34の側で吸熱(冷却)す
る。吸熱部分での温度が露点温度以下となると、結露が
発生するおそれが懸念される。しかしながら、本例にお
いては、ケーシング10と熱伝達用プレート20との間
の隙間はOリング41で封止され、リーク検査孔18は
ゴムプラグ42により塞がれ、孔部10bは樹脂ポッテ
ィング材39により封止されているので、凹部空間15
は外気とは遮断された密閉状態となっている。従って、
結露するのに必要な水分を含んだ外気が外部から供給さ
れないので、結露が発生することはない。
【0041】以上のように、本例における温調装置10
1は、凹部空間15が形成されたケーシング10と、該
ケーシング10の凹部空間15を覆うように該凹部空間
15に対面して配置された熱伝達用プレート20と、ケ
ーシング10と熱伝達用プレート20との間の隙間を封
止して凹部空間15を密閉状態とするためのOリング4
1と、凹部空間15内に配設されるとともに熱伝達用プ
レート20の一表面20aに熱的に接続されたペルチェ
式熱電変換ユニット30とを備えて構成したので、簡単
な構造でペルチェ式熱電変換ユニット30が配設された
凹部空間15を密閉状態とすることができ、凹部空間1
5内が外部の大気と遮断される。このため外部空気に含
有される水分が凹部空間15内に入り込むこともなく、
水分の凝縮による結露の発生が効果的に防止される。こ
の場合、ペルチェ式熱電変換ユニット30の放熱側金属
電極33と熱伝達用プレート20とは熱的に直接接続さ
れており、特開平6−294562号公報に記載された
ような難透湿性シートが両者の間に介在しているもので
もないので、ペルチェ式熱電変換ユニット30で発生す
る熱が直接的に熱伝達用プレート20に伝達され、熱伝
達効率も高い。さらに、凹部空間15を密閉状態とする
ために、特開平6−207762号公報に記載のように
隙間に充填材を充填するなどの余分な設備投入や作業工
数の増加をする必要がなく、コストアップを防止でき
る。
【0042】また、ケーシング10には、凹部空間15
の密閉性を検査するためのリーク検査孔18が形成され
ており、該リーク検査孔18は着脱可能な封止手段とし
てのゴムプラグ42により封止されているので、リーク
テスター等を該リーク検査孔18から差し込むことによ
り、凹部空間15の密閉性の検査(リーク検査)を行う
ことができる。リーク検査後、ゴムプラグ42でリーク
検査孔18を封止し、密閉状態とすることができる。
尚、特開平6−294562号公報に記載されたもので
は、難透湿性のシートで覆われた空間内に圧力を加える
と、難透湿性のシートが破裂してしまうので、リーク検
査を行うことができない。また、特開平6−20776
2号公報に記載されたものでは、隙間がポッティング材
で充填されてしまっているので、リーク検査ができな
い。従って、本発明を採用することにより、結露を防止
することができるといった効果に加え、従来できなかっ
たリーク検査もできるようになり、確実な密閉性を保障
することもでき、結露防止が確実となる。さらに、凹部
空間15内にすでに含有された水分による結露を心配す
るのであれば、リーク検査孔18から加熱源等を導入
し、凹部空間15内を乾燥空気としてから密閉状態とす
る方法や、リーク検査孔18から凹部空間15内の空気
を吸引し、真空状態としてから密閉するといった方法を
行うことができる。このようにしてリーク検査孔18を
利用することで、確実な密閉性及びそれによる確実な結
露防止を実現できる。
【0043】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではな
い。例えば、上記実施の形態では、放熱側金属電極34
を直接熱伝達用プレート20に接合している例が示され
ているが、放熱側金属電極34をセラミック基板等の放
熱側基板に接合させ、この放熱側基板と熱伝達用プレー
ト20とを熱的に結合させた構成でも良い。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ペルチェ素子を使用した温調装置において、熱伝達効率
を低下させず、かつ簡便に結露を防止し得る温調装置と
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における、温調装置の平面
図である。
【図2】図1におけるA−A断面図である。
【図3】本発明の実施の形態における、ペルチェ式熱電
変換ユニットの拡大図である。
【図4】本発明の実施の形態における、放熱側金属電極
と熱伝達用プレートとの取付け部分、及び、吸熱側金属
電極と吸熱側基板との取付け部分の拡大図である。
【図5】本発明の実施の形態における、放熱側金属電極
と熱伝達用プレートとの接着、及び、吸熱側金属電極と
吸熱側基板との接着の好ましい接着態様を示す図であ
る。
【図6】従来技術における、ペルチェ素子を使用した温
調装置の概略図である。
【図7】他の従来技術における、ペルチェ素子を使用し
た温調装置の概略図である。
【符号の説明】
10・・・ケーシング 15・・・凹部空間 18・・・リーク検査孔 20・・・熱伝達用プレート、 20a・・・一表面、
20b・・・他表面 30・・・ペルチェ式熱電変換ユニット 31・・・p型半導体素子 32・・・n型半導体素子 33・・・放熱側金属電極 34・・・吸熱側金属電極 35・・・吸熱側基板 41・・・Oリング 42・・・ゴムプラグ(封止手段) 101・・・温調装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹部空間が形成されたケーシングと、該
    ケーシングの前記凹部空間を覆うように該凹部空間に対
    面して配置された熱伝達用プレートと、前記ケーシング
    と前記熱伝達用プレートとの間の隙間を封止して前記凹
    部空間を密閉状態とするためのOリングと、前記凹部空
    間内に配設されるとともに前記熱伝達用プレートの一表
    面に熱的に接続されたペルチェ式熱電変換ユニットとを
    具備することを特徴とする温調装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記ケーシングには、前記凹部空間の密閉性を検査する
    ためのリーク検査孔が形成されており、該リーク検査孔
    は着脱可能な封止手段により封止されていることを特徴
    とする温調装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006234250A (ja) * 2005-02-24 2006-09-07 Ferrotec Corp 加熱冷却装置及びその製造方法
US10507657B2 (en) 2015-12-01 2019-12-17 Ricoh Company, Ltd. Liquid discharge head, liquid discharge device, and liquid discharge apparatus
JP7407718B2 (ja) 2018-01-23 2024-01-04 エルジー イノテック カンパニー リミテッド 熱電モジュール

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