JP2002052640A - ハードコート層を有する芳香族ポリエステル樹脂成形体およびその製造方法 - Google Patents
ハードコート層を有する芳香族ポリエステル樹脂成形体およびその製造方法Info
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- JP2002052640A JP2002052640A JP2000242409A JP2000242409A JP2002052640A JP 2002052640 A JP2002052640 A JP 2002052640A JP 2000242409 A JP2000242409 A JP 2000242409A JP 2000242409 A JP2000242409 A JP 2000242409A JP 2002052640 A JP2002052640 A JP 2002052640A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】芳香族ポリエステル樹脂の表面に、耐摩耗性、
耐候性、透明性に優れたハードコート層を有する、芳香
族ポリエステル樹脂成形体を提供する。 【解決手段】分子内にウレタン結合を有する化合物を含
む易接着層を有する芳香族ポリエステル樹脂に、活性エ
ネルギ線硬化性組成物から形成された耐磨耗性のの層で
ある内層と、その内層に接したポリシラザンに由来する
シリカ層である最外層とを形成する。
耐候性、透明性に優れたハードコート層を有する、芳香
族ポリエステル樹脂成形体を提供する。 【解決手段】分子内にウレタン結合を有する化合物を含
む易接着層を有する芳香族ポリエステル樹脂に、活性エ
ネルギ線硬化性組成物から形成された耐磨耗性のの層で
ある内層と、その内層に接したポリシラザンに由来する
シリカ層である最外層とを形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐磨耗性に優れた
ハードコート層を有する芳香族ポリエステル樹脂成形体
およびその製造方法に関する。
ハードコート層を有する芳香族ポリエステル樹脂成形体
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】紫外線を遮蔽するため、または、ガラス
の飛散を防止するために、窓ガラスにプラスチックフィ
ルムを貼りつけることがある。また、携帯情報端末、自
動販売機、機器の制御盤などにプラスチックフィルムの
タッチパネルが用いられている。しかし、該プラスチッ
クフィルム表面の耐磨耗性は充分ではなかった。
の飛散を防止するために、窓ガラスにプラスチックフィ
ルムを貼りつけることがある。また、携帯情報端末、自
動販売機、機器の制御盤などにプラスチックフィルムの
タッチパネルが用いられている。しかし、該プラスチッ
クフィルム表面の耐磨耗性は充分ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐磨耗性、
透明性、耐候性などに優れた、ハードコート層を有する
芳香族ポリエステル樹脂成形体を提供することを目的と
する。
透明性、耐候性などに優れた、ハードコート層を有する
芳香族ポリエステル樹脂成形体を提供することを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、易接着層と、
該易接着層表面に形成されたハードコート層とを有する
芳香族ポリエステル樹脂成形体であって、前記ハードコ
ート層が2層以上の硬化物層であり、該硬化物層のうち
最外層に接する内層が下記被覆組成物(A)の硬化物で
ある耐磨耗性の層であり、最外層がポリシラザンを含む
硬化性被覆組成物(B)の硬化物であるシリカ層である
ことを特徴とする、芳香族ポリエステル樹脂成形体を提
供する。 被覆組成物(A):活性エネルギ線硬化性の重合性官能
基を2個以上有する多官能性化合物を含む活性エネルギ
線硬化性被覆組成物。
該易接着層表面に形成されたハードコート層とを有する
芳香族ポリエステル樹脂成形体であって、前記ハードコ
ート層が2層以上の硬化物層であり、該硬化物層のうち
最外層に接する内層が下記被覆組成物(A)の硬化物で
ある耐磨耗性の層であり、最外層がポリシラザンを含む
硬化性被覆組成物(B)の硬化物であるシリカ層である
ことを特徴とする、芳香族ポリエステル樹脂成形体を提
供する。 被覆組成物(A):活性エネルギ線硬化性の重合性官能
基を2個以上有する多官能性化合物を含む活性エネルギ
線硬化性被覆組成物。
【0005】また、本発明は、前記芳香族ポリエステル
樹脂成形体を製造する方法において、前記芳香族ポリエ
ステル樹脂成形体の易接着層表面に、2層以上の硬化物
層のうち最外層に接する内層である、活性エネルギ線硬
化性の重合性官能基を2個以上有する多官能性化合物を
含む活性エネルギ線硬化性被覆組成物(A)の部分硬化
物の層を形成した後、その層の表面に最外層であるポリ
シラザンを含む硬化性被覆組成物(B)の硬化物の層を
形成することを特徴とする、芳香族ポリエステル樹脂成
形体の製造方法を提供する。
樹脂成形体を製造する方法において、前記芳香族ポリエ
ステル樹脂成形体の易接着層表面に、2層以上の硬化物
層のうち最外層に接する内層である、活性エネルギ線硬
化性の重合性官能基を2個以上有する多官能性化合物を
含む活性エネルギ線硬化性被覆組成物(A)の部分硬化
物の層を形成した後、その層の表面に最外層であるポリ
シラザンを含む硬化性被覆組成物(B)の硬化物の層を
形成することを特徴とする、芳香族ポリエステル樹脂成
形体の製造方法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明における芳香族ポリエステ
ル樹脂とは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレートなどの樹脂であるが、2種以上の芳香
族ポリエステル樹脂をブレンドしたものまたは他の樹脂
とブレンドしたものでもよい。また、該樹脂は、充填
剤、添加剤等を含んでいてもよい。該樹脂の形態として
は、押出成形等によるフィルム、ブロー成形によるボト
ル、射出成形体等が挙げられ、特に限定されないが、易
接着層およびハードコート層の形成しやすさの面から、
フィルムが好ましい。
ル樹脂とは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレートなどの樹脂であるが、2種以上の芳香
族ポリエステル樹脂をブレンドしたものまたは他の樹脂
とブレンドしたものでもよい。また、該樹脂は、充填
剤、添加剤等を含んでいてもよい。該樹脂の形態として
は、押出成形等によるフィルム、ブロー成形によるボト
ル、射出成形体等が挙げられ、特に限定されないが、易
接着層およびハードコート層の形成しやすさの面から、
フィルムが好ましい。
【0007】芳香族ポリエステル樹脂成形体の表面に被
膜を形成することは、該樹脂が耐溶剤性に優れており、
該樹脂と被膜との密着性を確保しにくいため、難しい。
そのため、該樹脂の表面に、コロナ放電、インラインコ
ート等により易接着層を形成することがある。易接着層
としては、コロナ放電により、表面を物理的に荒らすと
ともに官能基を作り易接着層を形成する方法、インライ
ンコートにより、特定の化合物を延伸前の芳香族ポリエ
ステル樹脂に塗り、その後延伸することによって、薄層
で基材との密着性に優れた易接着層を形成する方法等が
ある。
膜を形成することは、該樹脂が耐溶剤性に優れており、
該樹脂と被膜との密着性を確保しにくいため、難しい。
そのため、該樹脂の表面に、コロナ放電、インラインコ
ート等により易接着層を形成することがある。易接着層
としては、コロナ放電により、表面を物理的に荒らすと
ともに官能基を作り易接着層を形成する方法、インライ
ンコートにより、特定の化合物を延伸前の芳香族ポリエ
ステル樹脂に塗り、その後延伸することによって、薄層
で基材との密着性に優れた易接着層を形成する方法等が
ある。
【0008】本発明においては、内層である被覆組成物
(A)と芳香族ポリエステル樹脂との密着性を確保する
ために、該樹脂には易接着層が必要である。本発明にお
ける易接着層としては、分子内にウレタン結合を有する
化合物を含む層が好ましく、インラインコートにより層
を形成するのが好ましい。
(A)と芳香族ポリエステル樹脂との密着性を確保する
ために、該樹脂には易接着層が必要である。本発明にお
ける易接着層としては、分子内にウレタン結合を有する
化合物を含む層が好ましく、インラインコートにより層
を形成するのが好ましい。
【0009】本発明におけるハードコート層は、最外層
に直接接する内層と最外層との2層以上の構成からな
る。好ましくは、内層と最外層の2層からなる。なお、
硬化物層の内層は種類の異なる2層以上の硬化物からな
っていてもよい。また、内層は、芳香族ポリエステル樹
脂成形体の易接着層表面に直接形成されていてもよい
が、易接着層と内層との間には、熱可塑性アクリル樹脂
などの熱可塑性樹脂の層または接着剤層が存在していて
もよい。なお該層が存在する場合、その層は両者に対し
充分な密着性を有することが好ましい。
に直接接する内層と最外層との2層以上の構成からな
る。好ましくは、内層と最外層の2層からなる。なお、
硬化物層の内層は種類の異なる2層以上の硬化物からな
っていてもよい。また、内層は、芳香族ポリエステル樹
脂成形体の易接着層表面に直接形成されていてもよい
が、易接着層と内層との間には、熱可塑性アクリル樹脂
などの熱可塑性樹脂の層または接着剤層が存在していて
もよい。なお該層が存在する場合、その層は両者に対し
充分な密着性を有することが好ましい。
【0010】ハードコート層のうち、最外層に接する内
層である被覆組成物(A)の硬化物の層は、最外層との
密着性に優れる。また、芳香族ポリエステル樹脂の易接
着層との密着性にも優れる。さらに、該内層は充分な耐
擦傷性を有する。
層である被覆組成物(A)の硬化物の層は、最外層との
密着性に優れる。また、芳香族ポリエステル樹脂の易接
着層との密着性にも優れる。さらに、該内層は充分な耐
擦傷性を有する。
【0011】本発明における活性エネルギ線硬化性の重
合性官能基を2個以上有する多官能性化合物としては、
特開平11−240103号公報の段落番号0016〜
0020、0023〜0047に記載された化合物が好
ましく挙げられる。好ましい多官能性化合物としては、
(メタ)アクリロイル基から選ばれる1種以上の重合性
官能基を2個以上(2〜50個が好ましく、より好まし
くは3〜30個)有する化合物が挙げられる。なかでも
(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有する化合
物、すなわち多価アルコールなどの2個以上の水酸基を
有する化合物と(メタ)アクリル酸とのポリエステルが
好ましい。
合性官能基を2個以上有する多官能性化合物としては、
特開平11−240103号公報の段落番号0016〜
0020、0023〜0047に記載された化合物が好
ましく挙げられる。好ましい多官能性化合物としては、
(メタ)アクリロイル基から選ばれる1種以上の重合性
官能基を2個以上(2〜50個が好ましく、より好まし
くは3〜30個)有する化合物が挙げられる。なかでも
(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有する化合
物、すなわち多価アルコールなどの2個以上の水酸基を
有する化合物と(メタ)アクリル酸とのポリエステルが
好ましい。
【0012】また、重合性官能基以外に種々の官能基や
結合を有する化合物も好ましく、特に、ウレタン結合を
有する(メタ)アクリロイル基含有化合物(以下、アク
リルウレタンという。)と、ウレタン結合を有しない
(メタ)アクリル酸エステル化合物が好ましい。
結合を有する化合物も好ましく、特に、ウレタン結合を
有する(メタ)アクリロイル基含有化合物(以下、アク
リルウレタンという。)と、ウレタン結合を有しない
(メタ)アクリル酸エステル化合物が好ましい。
【0013】上記アクリルウレタンとしては、ペンタエ
リスリトールやその多量体であるポリペンタエリスリト
ールとポリイソシアネートとヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートの反応生成物であるアクリルウレタ
ン、またはペンタエリスリトールやポリペンタエリスリ
トールの水酸基含有ポリ(メタ)アクリレートと、ポリ
イソシアネートとの反応生成物であるアクリルウレタン
であって、活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を3個
以上(より好ましくは4〜20個)有する多官能性化合
物が挙げられる。
リスリトールやその多量体であるポリペンタエリスリト
ールとポリイソシアネートとヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートの反応生成物であるアクリルウレタ
ン、またはペンタエリスリトールやポリペンタエリスリ
トールの水酸基含有ポリ(メタ)アクリレートと、ポリ
イソシアネートとの反応生成物であるアクリルウレタン
であって、活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を3個
以上(より好ましくは4〜20個)有する多官能性化合
物が挙げられる。
【0014】また、ウレタン結合を有しない(メタ)ア
クリル酸エステル化合物としては、ペンタエリスリトー
ル系ポリ(メタ)アクリレート、およびイソシアヌレー
ト系ポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。なお、ペ
ンタエリスリトール系ポリ(メタ)アクリレートとは、
ペンタエリスリトールやポリペンタエリスリトールと
(メタ)アクリル酸とのポリエステル(好ましくは活性
エネルギ線硬化性の重合性官能基を4〜20個有す
る。)をいう。また、イソシアヌレート系ポリ(メタ)
アクリレートとは、トリス(ヒドロキシアルキル)イソ
シアヌレート、またはトリス(ヒドロキシアルキル)イ
ソシアヌレート1モルに1〜6モルのカプロラクトンや
アルキレンオキシドを付加して得られる化合物と、(メ
タ)アクリル酸とのポリエステル(好ましくは活性エネ
ルギ線硬化性の重合性官能基を2〜3個有する。)をい
う。
クリル酸エステル化合物としては、ペンタエリスリトー
ル系ポリ(メタ)アクリレート、およびイソシアヌレー
ト系ポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。なお、ペ
ンタエリスリトール系ポリ(メタ)アクリレートとは、
ペンタエリスリトールやポリペンタエリスリトールと
(メタ)アクリル酸とのポリエステル(好ましくは活性
エネルギ線硬化性の重合性官能基を4〜20個有す
る。)をいう。また、イソシアヌレート系ポリ(メタ)
アクリレートとは、トリス(ヒドロキシアルキル)イソ
シアヌレート、またはトリス(ヒドロキシアルキル)イ
ソシアヌレート1モルに1〜6モルのカプロラクトンや
アルキレンオキシドを付加して得られる化合物と、(メ
タ)アクリル酸とのポリエステル(好ましくは活性エネ
ルギ線硬化性の重合性官能基を2〜3個有する。)をい
う。
【0015】本発明においては、上記の好ましい多官能
性化合物と、他の活性エネルギ線硬化性の重合性官能基
を2個以上有する多官能性化合物(特に多価アルコール
のポリ(メタ)アクリレート)とを併用してもよい。被
覆組成物(A)は、上記の多官能性化合物とともに、活
性エネルギ線によって重合しうる重合性官能基を1個有
する単官能性化合物(以下、単に単官能性化合物とい
う。)を含有してもよい。
性化合物と、他の活性エネルギ線硬化性の重合性官能基
を2個以上有する多官能性化合物(特に多価アルコール
のポリ(メタ)アクリレート)とを併用してもよい。被
覆組成物(A)は、上記の多官能性化合物とともに、活
性エネルギ線によって重合しうる重合性官能基を1個有
する単官能性化合物(以下、単に単官能性化合物とい
う。)を含有してもよい。
【0016】単官能性化合物としては、(メタ)アクリ
ロイル基を有する化合物が好ましく、特にアクリロイル
基を有する化合物が好ましい。また、その他に水酸基、
エポキシ基などの官能基を有していてもよい。好ましい
単官能性化合物は、(メタ)アクリル酸エステル、すな
わち(メタ)アクリレートであり、具体的には、特開平
11−268196号公報の段落番号0045に記載さ
れたものが挙げられる。
ロイル基を有する化合物が好ましく、特にアクリロイル
基を有する化合物が好ましい。また、その他に水酸基、
エポキシ基などの官能基を有していてもよい。好ましい
単官能性化合物は、(メタ)アクリル酸エステル、すな
わち(メタ)アクリレートであり、具体的には、特開平
11−268196号公報の段落番号0045に記載さ
れたものが挙げられる。
【0017】単官能性化合物を使用する場合、被覆組成
物(A)における、多官能性化合物および単官能性化合
物(以下、両者をまとめて活性エネルギ線硬化成分とい
う。)の合計に対する該単官能性化合物の割合は、特に
限定されないが、60質量%以下が好ましく、特に30
質量%以下が好ましい。単官能性化合物の割合が多すぎ
ると、被覆組成物(A)の硬化物が柔らかくなりすぎ
る。
物(A)における、多官能性化合物および単官能性化合
物(以下、両者をまとめて活性エネルギ線硬化成分とい
う。)の合計に対する該単官能性化合物の割合は、特に
限定されないが、60質量%以下が好ましく、特に30
質量%以下が好ましい。単官能性化合物の割合が多すぎ
ると、被覆組成物(A)の硬化物が柔らかくなりすぎ
る。
【0018】被覆組成物(A)は、上記基本的成分以外
に、溶剤や種々の機能性配合剤を含むことができる。溶
剤としては、活性エネルギ線硬化成分に通常使用される
溶剤を使用できる。さらに基材の種類により、適切な溶
剤を選択して用いることが好ましい。溶剤の量は、必要
とする組成物の粘度、目的とする硬化物の厚さ、乾燥温
度条件などにより適宜変更できる。通常は組成物中の活
性エネルギ線硬化成分に対して、質量で100倍以下、
特に0.1〜50倍用いるのが好ましい。
に、溶剤や種々の機能性配合剤を含むことができる。溶
剤としては、活性エネルギ線硬化成分に通常使用される
溶剤を使用できる。さらに基材の種類により、適切な溶
剤を選択して用いることが好ましい。溶剤の量は、必要
とする組成物の粘度、目的とする硬化物の厚さ、乾燥温
度条件などにより適宜変更できる。通常は組成物中の活
性エネルギ線硬化成分に対して、質量で100倍以下、
特に0.1〜50倍用いるのが好ましい。
【0019】溶剤としてはたとえば、低級アルコール
類、ケトン類、エーテル類、セロソルブ類、酢酸n−ブ
チル、ジエチレングリコールモノアセテートなどのエス
テル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類などが好ま
しく挙げられる。本発明においては、低級アルコール
類、セロソルブ類、エステル類、それらの混合物などの
溶剤を用いるのが好ましい。
類、ケトン類、エーテル類、セロソルブ類、酢酸n−ブ
チル、ジエチレングリコールモノアセテートなどのエス
テル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類などが好ま
しく挙げられる。本発明においては、低級アルコール
類、セロソルブ類、エステル類、それらの混合物などの
溶剤を用いるのが好ましい。
【0020】機能性配合剤としては、光重合開始剤、紫
外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、熱重合防止剤、ポ
リメタクリル酸メチル系樹脂(PMMA)などの高分子
量化合物、帯電防止剤、レベリング剤、消泡剤、増粘
剤、沈降防止剤、顔料、染料、赤外線吸収剤、蛍光増白
剤、シランカップリング剤、分散剤、硬化触媒(酸、ア
ルカリまたは塩類)等が好ましく挙げられる。
外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、熱重合防止剤、ポ
リメタクリル酸メチル系樹脂(PMMA)などの高分子
量化合物、帯電防止剤、レベリング剤、消泡剤、増粘
剤、沈降防止剤、顔料、染料、赤外線吸収剤、蛍光増白
剤、シランカップリング剤、分散剤、硬化触媒(酸、ア
ルカリまたは塩類)等が好ましく挙げられる。
【0021】光重合開始剤としては、公知または周知の
ものを使用できる。特に入手容易な市販のものが好まし
く、複数の光重合開始剤を併用してもよい。多官能性化
合物を活性エネルギ線(特に紫外線)で効率よく硬化さ
せるために、被覆組成物(A)は光重合開始剤を含むの
が好ましい。
ものを使用できる。特に入手容易な市販のものが好まし
く、複数の光重合開始剤を併用してもよい。多官能性化
合物を活性エネルギ線(特に紫外線)で効率よく硬化さ
せるために、被覆組成物(A)は光重合開始剤を含むの
が好ましい。
【0022】光重合開始剤としては、アリールケトン系
光重合開始剤(たとえば、アセトフェノン類、ベンゾフ
ェノン類、アルキルアミノベンゾフェノン類、ベンジル
類、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、ベンジルジ
メチルケタール類、ベンゾイルベンゾエート類、α−ア
シロキシムエステル類など)、含硫黄系光重合開始剤
(たとえば、スルフィド類、チオキサントン類など)、
アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、ジアシルホ
スフィンオキシド系光重合開始剤、その他の光重合開始
剤が挙げられる。特に、アシルホスフィンオキシド系光
重合開始剤またはジアシルホスフィンオキシド系光重合
開始剤が好ましい。また、光重合開始剤は、アミン類な
どの光増感剤と組み合わせても使用できる。
光重合開始剤(たとえば、アセトフェノン類、ベンゾフ
ェノン類、アルキルアミノベンゾフェノン類、ベンジル
類、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、ベンジルジ
メチルケタール類、ベンゾイルベンゾエート類、α−ア
シロキシムエステル類など)、含硫黄系光重合開始剤
(たとえば、スルフィド類、チオキサントン類など)、
アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、ジアシルホ
スフィンオキシド系光重合開始剤、その他の光重合開始
剤が挙げられる。特に、アシルホスフィンオキシド系光
重合開始剤またはジアシルホスフィンオキシド系光重合
開始剤が好ましい。また、光重合開始剤は、アミン類な
どの光増感剤と組み合わせても使用できる。
【0023】具体的な光重合開始剤としては、特開平1
1−240103号公報の段落番号0081〜0084
に記載された化合物が挙げられる。被覆組成物(A)に
おける光重合開始剤の量は、活性エネルギ線硬化成分1
00質量部に対して0. 01〜20質量部が好ましく、
特に0. 1〜10質量部が好ましい。
1−240103号公報の段落番号0081〜0084
に記載された化合物が挙げられる。被覆組成物(A)に
おける光重合開始剤の量は、活性エネルギ線硬化成分1
00質量部に対して0. 01〜20質量部が好ましく、
特に0. 1〜10質量部が好ましい。
【0024】被覆組成物(A)を硬化させる活性エネル
ギ線としては、紫外線、電子線等が好ましく、特に紫外
線が好ましい。紫外線源としてはキセノンランプ、パル
スキセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水
銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タン
グステンランプ等が使用できる。これらのうち、装置が
簡単であり生産性に優れるため、高圧水銀灯またはメタ
ルハライドランプが好ましい。
ギ線としては、紫外線、電子線等が好ましく、特に紫外
線が好ましい。紫外線源としてはキセノンランプ、パル
スキセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水
銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タン
グステンランプ等が使用できる。これらのうち、装置が
簡単であり生産性に優れるため、高圧水銀灯またはメタ
ルハライドランプが好ましい。
【0025】被覆組成物(A)を用いて形成される硬化
物の層の厚さは、1〜50μmが好ましく、特に1〜3
0μmが好ましい。この厚さが50μm超では、活性エ
ネルギ線による硬化が不充分になり、基材との密着性が
損なわれやすく好ましくない。この厚さが1μm未満で
は、この層の耐摩耗性が不充分となるおそれがあり、ま
たこの層の表面の最外層の耐摩耗性が充分発現できない
おそれがある。
物の層の厚さは、1〜50μmが好ましく、特に1〜3
0μmが好ましい。この厚さが50μm超では、活性エ
ネルギ線による硬化が不充分になり、基材との密着性が
損なわれやすく好ましくない。この厚さが1μm未満で
は、この層の耐摩耗性が不充分となるおそれがあり、ま
たこの層の表面の最外層の耐摩耗性が充分発現できない
おそれがある。
【0026】本発明におけるポリシラザンとしては、特
開平11−240103号公報の段落番号0097〜0
104に記載されたポリシラザンが好ましく挙げられ
る。本発明においては、ペルヒドロポリシラザンが好ま
しく、また、その分子量は、数平均分子量で200〜5
万が好ましい。数平均分子量が200未満では、均一な
硬化物が得られにくく、5万超では溶剤に溶解しにくく
なり、好ましくない。
開平11−240103号公報の段落番号0097〜0
104に記載されたポリシラザンが好ましく挙げられ
る。本発明においては、ペルヒドロポリシラザンが好ま
しく、また、その分子量は、数平均分子量で200〜5
万が好ましい。数平均分子量が200未満では、均一な
硬化物が得られにくく、5万超では溶剤に溶解しにくく
なり、好ましくない。
【0027】被覆組成物(B)には、ポリシラザン以外
に溶剤や種々の機能性配合剤を含むことができる。機能
性配合剤としては、上記の被覆組成物(A)で説明した
機能性配合剤が好ましく挙げられる。
に溶剤や種々の機能性配合剤を含むことができる。機能
性配合剤としては、上記の被覆組成物(A)で説明した
機能性配合剤が好ましく挙げられる。
【0028】溶剤としては、炭化水素類、ハロゲン化炭
化水素類、エーテル類、エステル類、ケトン類を使用で
きる。具体的には、特開平11−240103号公報の
段落番号0106に記載された溶剤が好ましく挙げられ
る。本発明においては、キシレンが特に好ましい。ま
た、溶剤は、ポリシラザンの溶解度や溶剤の蒸発速度を
調節するために、複数の種類の溶剤を混合して用いても
よい。溶剤の使用量は、採用される塗工方法またはポリ
シラザンの構造や平均分子量などによって異なるが、固
形分濃度で0.5〜80質量%となるように調製するこ
とが好ましい。
化水素類、エーテル類、エステル類、ケトン類を使用で
きる。具体的には、特開平11−240103号公報の
段落番号0106に記載された溶剤が好ましく挙げられ
る。本発明においては、キシレンが特に好ましい。ま
た、溶剤は、ポリシラザンの溶解度や溶剤の蒸発速度を
調節するために、複数の種類の溶剤を混合して用いても
よい。溶剤の使用量は、採用される塗工方法またはポリ
シラザンの構造や平均分子量などによって異なるが、固
形分濃度で0.5〜80質量%となるように調製するこ
とが好ましい。
【0029】被覆組成物(B)により形成される最外層
の厚さは、0.05〜10μmが好ましい。この厚さが
10μm超では、耐磨耗性などの表面特性のそれ以上の
向上が期待できないうえ、層が脆くなり、成形体のわず
かな変形によってもこの層にクラックなどが生じやすく
なる。また、0.05μm未満では、この最外層の耐摩
耗性が充分発現できないおそれがある。より好ましい厚
さは0.1〜3μmである。
の厚さは、0.05〜10μmが好ましい。この厚さが
10μm超では、耐磨耗性などの表面特性のそれ以上の
向上が期待できないうえ、層が脆くなり、成形体のわず
かな変形によってもこの層にクラックなどが生じやすく
なる。また、0.05μm未満では、この最外層の耐摩
耗性が充分発現できないおそれがある。より好ましい厚
さは0.1〜3μmである。
【0030】上記のような2種類の被覆組成物(A)、
(B)を用いてハードコート層を形成する方法として
は、特開平11−240104号公報に記載の方法を採
用できる。
(B)を用いてハードコート層を形成する方法として
は、特開平11−240104号公報に記載の方法を採
用できる。
【0031】被覆組成物(A)および(B)を塗工する
方法としては、特に制限されず公知の方法を採用でき
る。たとえば、ディップコート法、スピンコート法、フ
ローコート法、グラビアコート法、ダイコート法、シャ
ワーコート法、リングコート法、バーコート法、マイク
ログラビアコート法、ロールコート法、ブレードコート
法、エアーナイフ法等が好ましく挙げられる。フィルム
に塗工する場合は、連続塗工ができるという生産性の観
点、表面外観の観点等から、グラビアコート法、ダイコ
ート法またはマイクログラビアコート法が好ましい。硬
化物を形成する方法としては、上記の塗工方法を用い
て、被覆組成物を均一に塗布した後に、紫外線などの活
性エネルギ線の照射または加熱等により硬化物を形成す
る方法が好ましく挙げられる。
方法としては、特に制限されず公知の方法を採用でき
る。たとえば、ディップコート法、スピンコート法、フ
ローコート法、グラビアコート法、ダイコート法、シャ
ワーコート法、リングコート法、バーコート法、マイク
ログラビアコート法、ロールコート法、ブレードコート
法、エアーナイフ法等が好ましく挙げられる。フィルム
に塗工する場合は、連続塗工ができるという生産性の観
点、表面外観の観点等から、グラビアコート法、ダイコ
ート法またはマイクログラビアコート法が好ましい。硬
化物を形成する方法としては、上記の塗工方法を用い
て、被覆組成物を均一に塗布した後に、紫外線などの活
性エネルギ線の照射または加熱等により硬化物を形成す
る方法が好ましく挙げられる。
【0032】本発明においては、芳香族ポリエステル樹
脂の易接着層表面に、活性エネルギ線硬化性の重合性官
能基を2個以上有する多官能性化合物を含む活性エネル
ギ線硬化性被覆組成物(A)の部分硬化物の層を形成し
た後、その層の表面にポリシラザンを含む硬化性被覆組
成物(B)の硬化物の層を形成する方法が好ましい。
脂の易接着層表面に、活性エネルギ線硬化性の重合性官
能基を2個以上有する多官能性化合物を含む活性エネル
ギ線硬化性被覆組成物(A)の部分硬化物の層を形成し
た後、その層の表面にポリシラザンを含む硬化性被覆組
成物(B)の硬化物の層を形成する方法が好ましい。
【0033】ハードコート層のうちの最外層は、シリカ
を主成分とする組成であるため、無機系化合物との密着
性に優れる。そのため、該ハードコート層の表面には、
スパッタリング、イオンプレーティング等の物理蒸着
法、プラズマCVD等の化学蒸着法、ウェットコート等
により、反射防止層、撥水性層、親水性層、光触媒機能
を持つ防汚層等を形成できる。
を主成分とする組成であるため、無機系化合物との密着
性に優れる。そのため、該ハードコート層の表面には、
スパッタリング、イオンプレーティング等の物理蒸着
法、プラズマCVD等の化学蒸着法、ウェットコート等
により、反射防止層、撥水性層、親水性層、光触媒機能
を持つ防汚層等を形成できる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例(例1〜6)、比較例
(例7、8)に基づき説明する。例1〜8についての各
種物性の測定および評価は以下に示す方法で行い、その
結果を表1に示した。
(例7、8)に基づき説明する。例1〜8についての各
種物性の測定および評価は以下に示す方法で行い、その
結果を表1に示した。
【0035】[初期曇価、耐磨耗性]JIS−R321
2における耐磨耗試験法により、2つのCS−10F磨
耗輪に、それぞれ500gの重りを組み合わせ500回
転させたときの曇価(ヘーズ)をヘーズメータにて測定
した。曇価の測定は、磨耗サイクル軌道の4カ所で行
い、平均値を算出した。初期曇価は、耐磨耗試験前の曇
価の値(%)を、耐磨耗性は(磨耗試験後曇価)−(磨
耗試験前曇価)の値(%)を示す。
2における耐磨耗試験法により、2つのCS−10F磨
耗輪に、それぞれ500gの重りを組み合わせ500回
転させたときの曇価(ヘーズ)をヘーズメータにて測定
した。曇価の測定は、磨耗サイクル軌道の4カ所で行
い、平均値を算出した。初期曇価は、耐磨耗試験前の曇
価の値(%)を、耐磨耗性は(磨耗試験後曇価)−(磨
耗試験前曇価)の値(%)を示す。
【0036】[初期黄色度]スガ試験機社製カラーメー
タにより、サンプルの2点の黄色度(YI)の値を測定
し、平均値を算出した。 [密着性]剃刀の刃でサンプルに縦横それぞれ1mm間
隔で11本の切れ目を付け、100個の碁盤目を作る。
そして、市販のセロハンテープをよく密着させた後、9
0度手前方向に急激にはがした際の、被膜が剥離せずに
残存した碁盤目の数(m)をm/100で表した。
タにより、サンプルの2点の黄色度(YI)の値を測定
し、平均値を算出した。 [密着性]剃刀の刃でサンプルに縦横それぞれ1mm間
隔で11本の切れ目を付け、100個の碁盤目を作る。
そして、市販のセロハンテープをよく密着させた後、9
0度手前方向に急激にはがした際の、被膜が剥離せずに
残存した碁盤目の数(m)をm/100で表した。
【0037】[耐湿試験後密着性]サンプルを60℃、
相対湿度95%の条件で2週間保持した後に、密着性の
評価を行った。 [耐候性]サンシャインウェザーメータを用いてブラッ
クパネル温度63℃で、降雨12分、乾燥48分のサイ
クルで1000時間暴露後、外観の評価を行い、黄色度
の変化(△YI)を算出した。
相対湿度95%の条件で2週間保持した後に、密着性の
評価を行った。 [耐候性]サンシャインウェザーメータを用いてブラッ
クパネル温度63℃で、降雨12分、乾燥48分のサイ
クルで1000時間暴露後、外観の評価を行い、黄色度
の変化(△YI)を算出した。
【0038】[例1]撹拌機および冷却管を装着した2
00mLの4つ口フラスコに、イソプロピルアルコール
の14.5g、酢酸ブチルの28.9g、1−メトキシ
−2−プロパノールの14.5g、2,4,6−トリメ
チルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドの0.3
3g、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオ
キシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−
4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,
5−トリアジンと2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−
トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシ
フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニ
ル)−1,3,5−トリアジンの混合物1.75g、N
−メチル−4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジンの0.44g、メタクリル酸
メチルを主成分とする高分子量体(三菱レイヨン社製
「LR248」、ガラス転移温度102℃、数平均分子
量約15万、固形分濃度30質量%、溶媒:キシレン
(68質量%)/イソブチルアルコール(11質量%)
/セロソルブ(21質量%))7.3gを加え溶解させ
た。
00mLの4つ口フラスコに、イソプロピルアルコール
の14.5g、酢酸ブチルの28.9g、1−メトキシ
−2−プロパノールの14.5g、2,4,6−トリメ
チルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドの0.3
3g、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオ
キシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−
4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,
5−トリアジンと2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−
トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシ
フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニ
ル)−1,3,5−トリアジンの混合物1.75g、N
−メチル−4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジンの0.44g、メタクリル酸
メチルを主成分とする高分子量体(三菱レイヨン社製
「LR248」、ガラス転移温度102℃、数平均分子
量約15万、固形分濃度30質量%、溶媒:キシレン
(68質量%)/イソブチルアルコール(11質量%)
/セロソルブ(21質量%))7.3gを加え溶解させ
た。
【0039】続いて、水酸基を有するジペンタエリスリ
トールポリアクリレートと部分ヌレート化ヘキサメチレ
ンジイソシアネートの反応生成物であるアクリルウレタ
ン(1分子あたり平均15個のアクリロイル基を含有)
10.9gと、カプロラクトン変性トリス(アクリロイ
ルオキシエチル)イソシアヌレート(東亞合成社製「ア
ロニクスM−325」)10.9gを加え、常温で1時
間撹拌して、塗工液1を得た。
トールポリアクリレートと部分ヌレート化ヘキサメチレ
ンジイソシアネートの反応生成物であるアクリルウレタ
ン(1分子あたり平均15個のアクリロイル基を含有)
10.9gと、カプロラクトン変性トリス(アクリロイ
ルオキシエチル)イソシアヌレート(東亞合成社製「ア
ロニクスM−325」)10.9gを加え、常温で1時
間撹拌して、塗工液1を得た。
【0040】分子内にウレタン結合を有する化合物を含
む易接着層を有するポリエチレンテレフタレートフィル
ム(三菱化学ポリエステル社製「T600E100W4
2」、厚さ100μm)に、スピンコート法により塗工
液1を塗工(ウエット厚さ20μm。)し、90℃の熱
風循環オーブン中で5分間保持した後、空気雰囲気中、
高圧水銀灯を用いて1000mJ/cm2(波長300
〜390nm領域の紫外線積算エネルギ量、以下同
じ。)の紫外線を照射し、膜厚6μmの硬化物層を形成
した。
む易接着層を有するポリエチレンテレフタレートフィル
ム(三菱化学ポリエステル社製「T600E100W4
2」、厚さ100μm)に、スピンコート法により塗工
液1を塗工(ウエット厚さ20μm。)し、90℃の熱
風循環オーブン中で5分間保持した後、空気雰囲気中、
高圧水銀灯を用いて1000mJ/cm2(波長300
〜390nm領域の紫外線積算エネルギ量、以下同
じ。)の紫外線を照射し、膜厚6μmの硬化物層を形成
した。
【0041】次に、この表面に低温硬化性のペルヒドロ
ポリシラザンのキシレン溶液(固形分濃度20質量%、
東燃社製、商品名「L110」)(以下、塗工液2とい
う。)をスピンコータを用いて塗工(ウエット厚さ3μ
m。)して、90℃の熱風循環オーブン中で5分間保持
して溶剤を除去した後、空気雰囲気中、高圧水銀灯を用
いて1000mJ/cm2の紫外線を照射した。
ポリシラザンのキシレン溶液(固形分濃度20質量%、
東燃社製、商品名「L110」)(以下、塗工液2とい
う。)をスピンコータを用いて塗工(ウエット厚さ3μ
m。)して、90℃の熱風循環オーブン中で5分間保持
して溶剤を除去した後、空気雰囲気中、高圧水銀灯を用
いて1000mJ/cm2の紫外線を照射した。
【0042】続いて、100℃の熱風循環オーブン中で
120分間保持することで、最外層を充分に硬化させ
た。IR分析により最外層がほぼ完全なシリカになって
いることを確認した。こうして総厚さ6.6μmの硬化
物層を形成した。このサンプルを用いて前記測定を行っ
た。
120分間保持することで、最外層を充分に硬化させ
た。IR分析により最外層がほぼ完全なシリカになって
いることを確認した。こうして総厚さ6.6μmの硬化
物層を形成した。このサンプルを用いて前記測定を行っ
た。
【0043】[例2]例1におけるサンプル調製方法を
以下のように変更した。すなわち、塗工液1を塗工後、
これを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて100mJ/
cm2の紫外線を照射し、厚さ6μmの部分硬化物層を
形成した。そして、この表面に塗工液2の代わりに、無
触媒のペルヒドロポリシラザンのキシレン溶液(固形分
20質量%、東燃社製、商品名「V110」)(以下、
塗工液3という。)をスピンコータを用いて塗工(ウエ
ット厚さ3μm。)した。
以下のように変更した。すなわち、塗工液1を塗工後、
これを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて100mJ/
cm2の紫外線を照射し、厚さ6μmの部分硬化物層を
形成した。そして、この表面に塗工液2の代わりに、無
触媒のペルヒドロポリシラザンのキシレン溶液(固形分
20質量%、東燃社製、商品名「V110」)(以下、
塗工液3という。)をスピンコータを用いて塗工(ウエ
ット厚さ3μm。)した。
【0044】これを、80℃の熱風循環オーブン中で1
0分間保持し溶媒を除去した後、空気雰囲気中、高圧水
銀灯を用いて1000mJ/cm2の紫外線を照射し
た。さらに100℃の熱風循環オーブン中で120分間
保持した。このサンプルを用いて前記測定を行った。
0分間保持し溶媒を除去した後、空気雰囲気中、高圧水
銀灯を用いて1000mJ/cm2の紫外線を照射し
た。さらに100℃の熱風循環オーブン中で120分間
保持した。このサンプルを用いて前記測定を行った。
【0045】[例3]サンプル調製方法を以下のように
変更した。すなわち、例2において、最後に100℃の
熱風循環オーブン中で120分間保持する代わりに、2
3℃、相対湿度55%の環境下で1日間養生する以外
は、例2と同様にした。このサンプルを用いて前記測定
を行った。
変更した。すなわち、例2において、最後に100℃の
熱風循環オーブン中で120分間保持する代わりに、2
3℃、相対湿度55%の環境下で1日間養生する以外
は、例2と同様にした。このサンプルを用いて前記測定
を行った。
【0046】[例4]サンプル調製方法を以下のように
変更した。すなわち、例3において、最後に23℃、相
対湿度55%の環境下で1日間養生する代わりに、25
℃に保たれた3%トリエチルアミン水溶液の浴の上に2
分間保持した以外は、例3と同様にした。このサンプル
を用いて前記測定を行った。
変更した。すなわち、例3において、最後に23℃、相
対湿度55%の環境下で1日間養生する代わりに、25
℃に保たれた3%トリエチルアミン水溶液の浴の上に2
分間保持した以外は、例3と同様にした。このサンプル
を用いて前記測定を行った。
【0047】[例5]サンプル調製方法を以下のように
変更した。すなわち、例2において、塗工液3の代わり
に、ケイ素原子に結合している水素原子の一部がトリメ
チルシリル基で置換されたポリシラザンのキシレン溶液
(固形分濃度20質量%、東燃社製、商品名「N31
0」)(以下、塗工液4という。)を用いた以外は、例
2と同様にした。このサンプルを用いて前記測定を行っ
た。
変更した。すなわち、例2において、塗工液3の代わり
に、ケイ素原子に結合している水素原子の一部がトリメ
チルシリル基で置換されたポリシラザンのキシレン溶液
(固形分濃度20質量%、東燃社製、商品名「N31
0」)(以下、塗工液4という。)を用いた以外は、例
2と同様にした。このサンプルを用いて前記測定を行っ
た。
【0048】[例6]サンプル調製方法を以下のように
変更した。すなわち、例3において、塗工液1の塗工量
をウエット厚さ10μmに変更した以外は、例3と同様
にした。このサンプルを用いて前記測定を行った。
変更した。すなわち、例3において、塗工液1の塗工量
をウエット厚さ10μmに変更した以外は、例3と同様
にした。このサンプルを用いて前記測定を行った。
【0049】[例7]サンプル調製方法を以下のように
変更した。すなわち、例2において、ポリエチレンテレ
フタレートフィルム「T600E100W42」の代わ
りに、易接着層を有しないポリエチレンテレフタレート
フィルム(三菱化学ポリエステル社製「T600E10
0」、厚さ100μm)を用いた以外は、例2と同様に
した。このサンプルを用いて前記測定を行った。
変更した。すなわち、例2において、ポリエチレンテレ
フタレートフィルム「T600E100W42」の代わ
りに、易接着層を有しないポリエチレンテレフタレート
フィルム(三菱化学ポリエステル社製「T600E10
0」、厚さ100μm)を用いた以外は、例2と同様に
した。このサンプルを用いて前記測定を行った。
【0050】[例8]ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム「T600E100W42」について、前記測定を
行った。
ルム「T600E100W42」について、前記測定を
行った。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、特定の易接着層を有す
る芳香族ポリエステル樹脂の表面に、特定の組成物から
形成されたハードコート層を設けることにより、ほぼ無
機ガラスに匹敵する、耐摩耗性、耐候性、透明性に優れ
た芳香族ポリエステル樹脂成形体が得られる。
る芳香族ポリエステル樹脂の表面に、特定の組成物から
形成されたハードコート層を設けることにより、ほぼ無
機ガラスに匹敵する、耐摩耗性、耐候性、透明性に優れ
た芳香族ポリエステル樹脂成形体が得られる。
【0053】本発明の芳香族ポリエステル樹脂成形体
は、特定の易接着層の表面にハードコート層が形成され
ていることにより、ハードコート層のうちの内層と易接
着層との高い密着性が発現している。また、ハードコー
ト層のうちの最外層であるシリカ層は、相対的に柔らか
い芳香族ポリエステル樹脂に直接積層されているのでは
なく、耐摩擦性に優れた硬い内層の表面に積層されてい
る。このため、芳香族ポリエステル樹脂成形体に対して
加えられた外力による最外層の変位が小さくなること
で、通常の無機質層が与える表面特性以上の表面特性が
得られると考えられる。該芳香族ポリエステル樹脂成形
体は、耐磨耗性に優れるため、窓ガラスに貼りつけた
り、タッチパネルに用いることができる。
は、特定の易接着層の表面にハードコート層が形成され
ていることにより、ハードコート層のうちの内層と易接
着層との高い密着性が発現している。また、ハードコー
ト層のうちの最外層であるシリカ層は、相対的に柔らか
い芳香族ポリエステル樹脂に直接積層されているのでは
なく、耐摩擦性に優れた硬い内層の表面に積層されてい
る。このため、芳香族ポリエステル樹脂成形体に対して
加えられた外力による最外層の変位が小さくなること
で、通常の無機質層が与える表面特性以上の表面特性が
得られると考えられる。該芳香族ポリエステル樹脂成形
体は、耐磨耗性に優れるため、窓ガラスに貼りつけた
り、タッチパネルに用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 31/28 B32B 31/28 C08J 7/04 CFD C08J 7/04 CFDK // C08L 67:00 C08L 67:00 (72)発明者 山本 博嗣 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AE03 CA02 CA32 CB06 DA04 DB48 EA17 EA21 EB22 EB35 EB38 EB42 EB52 EB56 4F006 AA35 AB39 BA02 CA07 DA04 4F100 AB11C AK01B AK41D AK51A AK52C AL01B AL01C BA04 BA10C BA10D BA13 BA25 CC00B CC00C EG002 EH112 EJ082 EJ522 EJ54 JB12B JB12C JB14B JK09B JK12B JK12C JL09 JL11A JN01 YY00B YY00C
Claims (5)
- 【請求項1】易接着層と、該易接着層表面に形成された
ハードコート層とを有する芳香族ポリエステル樹脂成形
体であって、前記ハードコート層が2層以上の硬化物層
であり、該硬化物層のうち最外層に接する内層が下記被
覆組成物(A)の硬化物である耐磨耗性の層であり、最
外層がポリシラザンを含む硬化性被覆組成物(B)の硬
化物であるシリカ層であることを特徴とする、芳香族ポ
リエステル樹脂成形体。被覆組成物(A):活性エネル
ギ線硬化性の重合性官能基を2個以上有する多官能性化
合物を含む活性エネルギ線硬化性被覆組成物。 - 【請求項2】易接着層が、分子内にウレタン結合を有す
る化合物を含む層である、請求項1に記載の芳香族ポリ
エステル樹脂成形体。 - 【請求項3】被覆組成物(A)の硬化物層の厚さが1〜
50μmである、請求項1または2に記載の芳香族ポリ
エステル樹脂成形体。 - 【請求項4】被覆組成物(B)の硬化物層の厚さが0.
05〜10μmである、請求項1、2または3に記載の
芳香族ポリエステル樹脂成形体。 - 【請求項5】請求項1に記載の芳香族ポリエステル樹脂
成形体を製造する方法において、前記芳香族ポリエステ
ル樹脂成形体の易接着層表面に、2層以上の硬化物層の
うち最外層に接する内層である、活性エネルギ線硬化性
の重合性官能基を2個以上有する多官能性化合物を含む
活性エネルギ線硬化性被覆組成物(A)の部分硬化物の
層を形成した後、その層の表面に最外層であるポリシラ
ザンを含む硬化性被覆組成物(B)の硬化物の層を形成
することを特徴とする、芳香族ポリエステル樹脂成形体
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000242409A JP2002052640A (ja) | 2000-08-10 | 2000-08-10 | ハードコート層を有する芳香族ポリエステル樹脂成形体およびその製造方法 |
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ID=18733437
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013107215A (ja) * | 2011-11-17 | 2013-06-06 | Fujitsu Ltd | 物品の外装及び外装コーティングされた物品 |
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2000
- 2000-08-10 JP JP2000242409A patent/JP2002052640A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013107215A (ja) * | 2011-11-17 | 2013-06-06 | Fujitsu Ltd | 物品の外装及び外装コーティングされた物品 |
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