JP2002050831A - 半導体レーザ - Google Patents

半導体レーザ

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JP2002050831A
JP2002050831A JP2000235326A JP2000235326A JP2002050831A JP 2002050831 A JP2002050831 A JP 2002050831A JP 2000235326 A JP2000235326 A JP 2000235326A JP 2000235326 A JP2000235326 A JP 2000235326A JP 2002050831 A JP2002050831 A JP 2002050831A
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ridge
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JP2000235326A
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Hiroshi Asaka
浩 浅香
Toshiya Kawada
敏也 河田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電流ブロック層の結晶性を改善し、転位を抑
制して信頼性の高い半導体レーザを提供する。 【解決手段】 クラッド層7のリッジ状突出部20の側
面に、平坦面33と実質的に一定の角度θ1をなす上方
側面31に加え、この角度よりも小さい角度θ2をもっ
て平坦面と接続する下方側面32を形成し、突出部の高
さH1に対する下方側面の高さH2の比率H2/H1を0.
2以上とする。下方側面から成長した電流ブロック層
は、上方側面から成長した層よりも結晶性が改善された
ものとなる。H2は100nm以上、H1は500nm以
下がそれぞれ好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザに関
し、特に、光ディスクシステムの光源などに用いられる
埋め込みリッジ型半導体レーザに関するものである。
【0002】
【従来の技術】AlGaInP系赤色半導体レーザ(発
光波長λ=660nm)は、DVD−ROM、DVD−
RAM、DVDプレーヤーの光ピックアップ光源などに
用いられている。一般に、このレーザはリッジ型ストラ
イプ構造を採用している。この構造を有するレーザで
は、通常、電流ブロック層に用いているn型GaAsの
光の吸収を利用して横モードの制御が行われている。n
型GaAs電流ブロック層は光を吸収するため、上記構
造では導波損失が発生する。このため、外部微分効率が
低下して動作電流が大きくなり、その結果、レーザの信
頼性の低下をもたらす。信頼性が高いレーザを得るため
には、導波損失を少なくして動作電流を低減させる必要
がある。導波損失を少なくするためには、活性層よりバ
ンドギャップが大きく、かつクラッド層より屈折率が小
さいAlInP、AlGaInP、AlGaAsをGa
Asに代えて電流ブロック層に用いた、実屈折率導波型
レーザとすることが有効である。
【0003】このような実屈折率導波型レーザの一般的
な構造を図9に示す。このレーザでは、活性層をn型ク
ラッド層とp型クラッド層とで挟み込んだダブルへテロ
構造が採用されている。具体的には、n型GaAs基板
101上に、n型GaAsバッファ層102、n型Al
GaInPクラッド層103、ノンドープAlGaIn
P光ガイド層104、多重量子井戸活性層105、ノン
ドープAlGaInP光ガイド層106が順次積層さ
れ、さらに、p型AlGaInP外側クラッド層(リッ
ジ状の突出部)120、p型GaInPエッチングスト
ッパ層121およびp型AlGaInP内側クラッド層
122を有するp型クラッド層107が積層され、突出
部上にはp型GaInPヘテロバッファ層108および
p型GaAsキャップ層109が形成されている。ま
た、p型クラッド層107を埋め込むように、n型Al
InP電流ブロック層110およびn型GaAs保護層
111が積層され、これらの層の上に、さらにp型Ga
Asコンタクト層112が形成されている。こうして形
成された積層体の両面には、それぞれn側電極113お
よびp側電極114が形成されている。
【0004】AlInPおよびAlGaInPは、格子
定数の組成依存性が大きい。また、電流ブロック層内に
おいて、(111)面上に成長する領域と(001)面
上に成長する領域では、Al、GaおよびInを取り込
む比率が異なるため、成長層の組成が相違する。通常、
電流ブロック層110は、その格子定数が基板と同じ面
方位を有する平坦面33((001)面)に一致するよ
うに結晶成長させるため、リッジ状突出部の側面31
((111)面)から成長した層には格子不整が発生す
る。例えば、AlInP層の場合、突出部側面では平坦
面上よりもAl含有率が約10%も高くなるため、格子
不整は−0.7%程度と大きくなる。この歪みにより電
流ブロック層に転位が生じやすくなり、この転位による
影響が活性層にまで及んでレーザの信頼性を低下させ
る。
【0005】特開平8−321656号公報には、電流
ブロック層の膜厚を0.5μm以下とすることにより、
転位の発生を抑制した実屈折率導波型半導体レーザが開
示されている。同公報には、この半導体レーザを雰囲気
温度50℃、光出力5mWの条件で駆動させたときの推
定寿命が10000時間に達したと記載されている。
【0006】特開平9−148674号公報には、電流
ブロック層をその格子定数がリッジ側面の(111)面
に一致する条件で結晶成長させることにより、リッジ側
面での転位の発生を抑制した実屈折率導波型半導体レー
ザが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法では、レーザの信頼性を十分に改善することは
困難であった。特に、光出力が50mW級の高出力レー
ザでは、レーザ発振部に近いリッジ状突出部の側面が高
温となるため、電流ブロック層に転位が発生しやすい。
このため、さらにレーザの信頼性を向上させることが望
まれている。
【0008】そこで、本発明は、信頼性をさらに改善し
た半導体レーザを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の半導体レーザは、半導体基板と、前記半導
体基板上に形成された多層膜とを含み、前記多層膜が、
前記半導体基板側から、第1導電型クラッド層、レーザ
活性層および第2導電型クラッド層をこの順に含み、前
記第2導電型クラッド層の表面に平坦面とリッジ状の突
出部とが存在し、このリッジ状の突出部の側面および前
記平坦面上に、前記第2導電型クラッド層よりも屈折率
が小さい第1導電型の電流ブロック層が形成された半導
体レーザであって、前記突出部の側面が、前記平坦面と
実質的に一定の角度をなす上方側面と、前記角度よりも
小さい角度をもって前記平坦面と接続する下方側面とを
有し、前記突出部の前記平坦面からの高さH1に対する
前記下方側面の前記平坦面からの高さH2の比率H2/H
1が0.2以上であることを特徴とする。なお、上記角
度は、後述する実施の形態からも明らかなように、より
詳しくは、突出部の内部側に形成される角度である。
【0010】本発明の半導体レーザでは、リッジ状突出
部の形状自体を調整することにより、電流ブロック層の
結晶性を向上させて転位を抑制し、レーザの信頼性を改
善した。
【0011】本発明の半導体レーザでは、具体的には、
下方側面の平坦面からの高さH2が100nm以上であ
ることが好ましく、突出部の平坦面からの高さH1が5
00nm以下であることが好ましい。
【0012】また、本発明の半導体レーザでは、半導体
基板がGaAs基板であることが好ましい。また、電流
ブロック層がAlInP層またはAlGaInP層であ
ることが好ましい。さらに、突出部の上方側面が(11
1)面であり、平坦面が(001)面であることが好ま
しい。この場合、突出部の側面下方は、非(111)・
非(001)面となる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の半導体レーザの
一形態の断面図である。この半導体レーザでは、Siド
ープのn型GaAs基板1の(001)面上に、Siド
ープのn型GaAsバッファ層2(n=2×1018cm
-3、t=0.5μm;n、pの数値はドーパントの濃
度、tは層の厚み、以下同様。)、Siドープのn型
(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層3(n=1
×1018cm -3、t=1.5μm)、ノンドープの(A
0.5Ga0.50.5In0.5P光ガイド層4(t=25n
m)、活性層としてノンドープの(Al0.5Ga0.5
0.5In0 .5Pウェル(t=5nm:2層)とノンドープ
Ga0.5In0.5Pウェル(t=6nm:3層)とからな
る多重量子井戸層5、およびノンドープ(Al0.5Ga
0.50.5In0.5P光ガイド層6(t=25nm)が順
次積層されている。
【0014】さらに、光ガイド層6上には、内側クラッ
ド層22、エッチングストッパ層21および外側クラッ
ド層(リッジ状の突出部)20からなるp型クラッド層
7が積層されている。外側クラッド層20および内側ク
ラッド層22は、Znドープのp型(Al0.7Ga0.3
0.5In0.5Pクラッド層(p=1×1018cm-3)であ
り、エッチングストッパ層21は、Znドープのp型G
aInP層(p=1.5×1018cm-3)である。各層
の膜厚は、内側クラッド層22が200nm、エッチン
グストッパ層21が10nm、外側クラッド層20が5
00nmであり、p型クラッド層7全体の膜厚は、突出
部を含めて0.7μmである。
【0015】リッジ状突出部上には、Znドープのp型
Ga0.5In0.5Pバッファ層8(p=1×1018
-3、t=50nm)およびp型GaAsキャップ層9
が積層されている。また、p型クラッド層7を埋め込む
ように、Siドープのn型Al0. 5In0.5P電流ブロッ
ク層10(n=1×1018cm-3、t=0.3μm)お
よびSiドープのn型GaAs保護層11(n=1×1
18cm-3、t=0.1μm)が形成されている。
【0016】これらの層の上に、Znドープのp型Ga
Asコンタクト層11が形成されている。また、この積
層体の両面には、n側電極12およびp側電極13が形
成されている。
【0017】この半導体レーザのp型クラッド層7の側
面を拡大して図2に示す。p型クラッド層7は、内側ク
ラッド層22、エッチングストッパ層21および外側ク
ラッド層(リッジ状突出部)20からなる積層構造を有
している。なお、各層の組成および膜厚は、上記に示し
たとおりである。
【0018】リッジ状突出部の側面は、エッチングスト
ッパ層21の表面である平坦面33と角度θ1で交わる
上方側面31と、平坦面33と角度θ2(ただし、θ1
θ2)で接続する下方側面32とから構成されている。
下方側面32は、実質的に平面である上方側面31を下
方に延長した面をリッジ状突出部の外側へと張り出して
傾斜を緩やかにした面である。下方側面32は、平坦
面、上方側面のいずれとも異なる格子面に対応する。上
記形態では、平坦面が(001)面、上方側面が(11
1)面であって、下方側面は、非(111)・非(00
1)面、いわゆる高次の格子面となる。なお、下方側面
は、平坦面となす角度(θ)が異なる複数の面から構成
されていてもよく(ただし、各面についてθ1>θ2)、
曲面として観察されてもよい。
【0019】このような表面を有するp型クラッド層7
から成長したn型Al0.5In0.5P電流ブロック層は、
成長面に対応した領域を形成する。図3に示すように、
電流ブロック層10は、上方側面31、下方側面32、
平坦面33にそれぞれ対応する、第1領域41、第2領
域42、第3領域43に区分される。これら各領域で
は、AlとInとの取り込み比率が相違する。具体的に
は、通常、Al含有率が最も高い領域は第1領域であ
り、同含有率が最小の領域は第3領域となる。第2領域
は、通常、第3領域よりも高いAl含有率を有するが、
第1領域ほどにはAl含有率が高くならない。このた
め、平坦面上に形成される第3領域において電流ブロッ
ク層の格子整合を行った場合、第2領域における格子不
整は、第1領域における格子不整ほどには大きくならな
い。こうして、格子不整が小さい第2領域42が成長す
る下方側面32を確保することにより、リッジ状突出部
の側面から成長する電流ブロック層において、結晶性を
改善し、転位を抑制できる。
【0020】リッジ側面の下部は活性層の発光部に近い
ため、この部分から成長した電流ブロック層の結晶性は
レーザの信頼性に大きな影響を及ぼす。したがって、リ
ッジ側面下部の電流ブロック層における結晶性の改善
は、レーザの信頼性向上に対する寄与が大きい。
【0021】なお、図1の構成例において、電流ブロッ
ク層10の組成をAl0.5In0.5Pと表記したが、正確
には、この表記は、電流ブロック層の第3領域43にお
ける組成に基づいている。この組成のとき(Alの含有
率が0.5のとき)、電流ブロック層は、GaAsに格
子整合する。なお、電流ブロック層がAlGaInP層
からなる場合も含めて表示すると、電流ブロック層は、
(Al1-yGayxIn1-xP層(ただし、0<x<1、
0≦y<1)において、x=0.5で格子整合する。
【0022】再び図2を参照して、レーザ特性の向上に
好ましいp型クラッド層突出部の形状について説明す
る。下方側面32は、平坦面33から高さH2までの領
域に形成されている。高さH2は、格子不整を効果的に
抑制するために、100nm以上、好ましくは150n
m以上とする。突出部全体の高さH1は、レーザの信頼
性を向上させるために、500nm以下、特に400n
m以下が好適である。
【0023】一方、突出部の高さH1は、小さすぎると
p型GaAsコンタクト層での光の吸収が大きくなるた
め、一般には300nm以上が好適である。また、一般
に、半導体レーザでは、リッジ状突出部20の上端の幅
1は、1.5μm〜2.5μm程度、同下端の幅W
2は、2.5μm〜3.5μm程度に調整される。これ
ら好ましい範囲内にH1、W1、W2が含まれるようにリ
ッジ状突出部の形状を整えながら格子不整を抑制するた
めには、下方側面の高さの上方側面の高さに対する比率
2/H1は、0.2〜0.5、特に0.2〜0.3が好
適である。
【0024】次に、図1に示した半導体レーザの製造方
法の例を図4を参照して説明する。なお、ここでは、結
晶成長にはMOCVD法(有機金属気相成長法)を用い
た。AlGaInP、AlInP、GaInP、GaA
sの各層の形成には、原料ガスとして、トリメチルガリ
ウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA
l)、トリメチルインジウム(TMIn)、ホスフィン
(PH3)、アルシン(AsH3)を用いた。p、n型ド
ーピングには、それぞれジエチル亜鉛(DEZn)、シ
ラン(SiH4)を用いた。また、基板の熱源として
は、抵抗加熱式ヒータを用いた。成長温度は660℃、
成長雰囲気圧力は4655Paとした。層の成長速度は
2μm/時であった。
【0025】まず、MOCVD反応炉に設置した、n型
GaAs基板1の(001)面上に、n型GaAsバッ
ファ層2、n型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッ
ド層3、ノンドープの(Al0.5Ga0.50.5In0.5
光ガイド層4、活性層5、ノンドープ(Al0.5
0.50.5In0.5P光ガイド層6、p型クラッド層7
((Al0.7Ga0.30.5In0.5P内側クラッド層2
2、p型GaInPエッチングストッパ層21、(Al
0.7Ga0.30.5In0.5P外側クラッド層20)、p型
Ga0.5In0.5Pバッファ層8、p型GaAsキャップ
層9を順次成長させた(図4(a))。
【0026】次いで、基板をMOCVD反応炉から取り
出した後、大気圧熱CVD法(370℃)を用いてp型
GaAsキャップ層9上に酸化シリコン膜15を0.3
μmの厚さとなるように堆積させた。さらに、この酸化
シリコン膜をフォトリソグラフィーとドライエッチング
技術とにより、幅1.5μmのストライプへと加工す
る。このストライプ状の酸化シリコンをマスクとして、
硫酸系エッチャントを用いてp型GaAsキャップ層9
を、塩酸系エッチャントを用いてp型GaInPバッフ
ァ層8を、硫酸系または塩酸系エッチング液を用いてp
型AlGaInP外側クラッド層20を、順次選択的に
エッチングして、ヘテロ構造基板にメサ構造(リッジ状
突出部)を形成した(図4(b))。
【0027】このとき、エッチング時間を、通常より短
くしてリッジ状突出部の側面(リッジ側面)30の下部
に非(111)・非(001)面を形成した。図5に示
すように、エッチングの進行とともに、リッジ側面は、
面30aから面30bを経て面30cへと後退する。こ
れを利用すると、リッジ側面の形状を制御できる。従来
は、エッチングストッパ層21によりエッチングが停止
するまで、すなわち、リッジ側面全体が(111)面と
なるまでエッチングを進行させていた。しかし、ここで
は、エッチング時間を調整してリッジ側面を面30bに
後退させるに止め、リッジ側面の上方を(111)面と
するとともに、リッジ側面の下方を非(111)・非
(001)面とした。
【0028】エッチングの後、基板を再びMOCVD反
応炉に設置し、酸化シリコンマスクを利用して、n型A
lInP電流ブロック層10(0.3μm)およびn型
GaAsキャップ層11(0.1μm)を選択成長させ
た。さらに、基板をMOCVD反応炉から取り出して酸
化シリコンマスクを弗酸系エッチング液を用いて除去し
た(図4(c))。
【0029】この基板をMOCVD反応炉に設置してp
型GaAsコンタクト層12を成長させた。最後に、基
板裏面にAu、Ge、Niからなるn側電極13を、基
板表面にCr、Au、Ptからなるp側電極14を形成
した。こうして、図1の構造を有する半導体レーザを得
た。
【0030】上記と同様にして、リッジ側面の形状を変
化させた半導体レーザを作製し、特性を比較した。図6
に、リッジ側面下方の非(111)・非(001)面の
高さ(図2;H2)と、リッジ側面から成長した電流ブ
ロック層(図3;第1、第2領域41,42)における
結晶欠陥密度との関係を示す。ここで、リッジ状突出部
の高さ(図2;H1)は500nmとした。また、結晶
欠陥密度は、領域41,42において、(111)面の
単位面積当たりを貫通する転位の本数である。
【0031】図6より、非(111)・非(001)面
の高さH2を100nm以上とすると、結晶欠陥密度を
低減できることが確認できる。一方、高さH2を100
nm未満の範囲で小さくするにつれ、(111)面から
成長したAlInP層の比率が高くなり、この層の影響
により結晶欠陥密度が増加する傾向を示す。
【0032】図7に、リッジ状突出部の高さ(図2;H
1)と、リッジ側面から成長した電流ブロック層(図
3;第1、第2領域41,42)の結晶欠陥密度との関
係を示す。ここでは、非(111)・非(001)面の
高さH2は、100nmとなるように調整した。
【0033】図7より、リッジ状突出部の高さH1を5
00nm以下とすると、結晶欠陥密度を低減できること
が確認できる。一方、高さH2を100nm未満の範囲
で小さくするにつれ、(111)面から成長したAlI
nP層の比率が高くなり、この層の影響により結晶欠陥
密度が増加する傾向を示す。
【0034】図8に、上記と同様、H2を100nmに
保ちながらH1を変化させて測定したレーザ推定寿命を
示す。推定寿命は、雰囲気温度60℃、一定光出力50
mWの条件で駆動させ、動作電流が初期値の±20%変
化するまでの推定時間である。なお、得られたレーザ
(共振器長700μm、幅300μm、端面は反射率が
フロント5%、リア90%コーティング)のしきい値電
流は30mA、スロープ効率は1.07(W/A)であ
った。発振波長は660nmであった。
【0035】図8より、リッジ状突出部の高さH1を5
00nmとして、高さH1に対するH 2の比率を0.2以
上とすると、推定寿命時間が10000時間に達するこ
とが確認できる。
【0036】以上では、本発明の一形態を説明したが、
本発明は、上記形態に限られるものではない。例えば、
電流ブロック層は、AlInP層に限らず、AlGaI
nPなどその他の層であってもよい。また、半導体レー
ザの断面形状は図示した形状に限られない。例えば、リ
ッジ状突出部の形状は、本発明の目的が達成される限り
において、図示した形態から変更してもよい。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
クラッド層のリッジ状突出部の側面に、平坦面と実質的
に一定の角度をなす上方側面とともに、この上方側面よ
りもなだらかな傾斜を有する下方側面を形成し、突出部
の高さH1に対する下方側面の高さH2の比率H2/H1
0.2以上とすることにより、レーザの信頼性を向上す
ることができる。突出部の形状は、上記で説明したよう
に、例えばエッチング時間を調整することにより制御で
きるため、本発明は、従来の製造工程の大きな変更を伴
わずに実施できるものでもある。本発明は、例えば、出
力および信頼性が高いAlGaInP系実屈折率導波型
赤色半導体レーザを提供するものであって、当該技術分
野において極めて大きな利用価値を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の半導体レーザの一形態の断面図であ
る。
【図2】 図1の半導体レーザのリッジ状突出部近傍の
拡大図である。
【図3】 図1のの電流ブロック層の組成分布を説明す
るための断面図である。
【図4】 本発明の半導体レーザを製造する一例を示す
工程図である。
【図5】 エッチング時間によるリッジ状突出部の形状
の変化を説明するための図である。
【図6】 リッジ下方側面の高さH2と電流ブロック層
の結晶欠陥密度との関係を示す図である。
【図7】 リッジ状突出部の高さH1と電流ブロック層
の結晶欠陥密度との関係を示す図である。
【図8】 リッジ状突出部の高さH1とレーザ推定寿命
との関係を示す図である。
【図9】 従来の半導体レーザの断面図である。
【符号の説明】
1 n型GaAs基板 2 n型GaAsバッファ層 3 n型AlGaInPクラッド層 4 ノンドープAlGaInP光ガイド層 5 多重量子井戸活性層 6 ノンドープAlGaInP光ガイド層 7 p型クラッド層 8 p型GaInPヘテロバッファ層 9 p型GaAsキャップ層 10 n型AlInP電流ブロック層 11 n型GaAsキャップ層 12 p型GaAsコンタクト層 13 n側電極 14 p側電極 15 酸化シリコンマスク 20 リッジ状突出部(p型AlGaInP外側クラ
ッド層) 21 p型GaInPエッチングストッパ層 22 p型AlGaInP内側クラッド層 30 リッジ側面 31 上方側面 32 下方側面 33 平坦面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板と、前記半導体基板上に形成
    された多層膜とを含み、前記多層膜が、前記半導体基板
    側から、第1導電型クラッド層、レーザ活性層および第
    2導電型クラッド層をこの順に含み、前記第2導電型ク
    ラッド層の表面に平坦面とリッジ状の突出部とが存在
    し、このリッジ状の突出部の側面および前記平坦面上
    に、前記第2導電型クラッド層よりも屈折率が小さい第
    1導電型の電流ブロック層が形成された半導体レーザで
    あって、 前記突出部の側面が、前記平坦面と実質的に一定の角度
    をなす上方側面と、前記角度よりも小さい角度をもって
    前記平坦面と接続する下方側面とを有し、前記突出部の
    前記平坦面からの高さH1に対する前記下方側面の前記
    平坦面からの高さH2の比率H2/H1が0.2以上であ
    ることを特徴とする半導体レーザ。
  2. 【請求項2】 下方側面の平坦面からの高さH2が10
    0nm以上である請求項1に記載の半導体レーザ。
  3. 【請求項3】 突出部の平坦面からの高さH1が500
    nm以下である請求項1または2に記載の半導体レー
    ザ。
  4. 【請求項4】 半導体基板がGaAs基板であり、電流
    ブロック層がAlInP層またはAlGaInP層であ
    る請求項1〜3のいずれかに記載の半導体レーザ。
  5. 【請求項5】 突出部の上方側面が(111)面であ
    り、平坦面が(001)面である請求項1〜4のいずれ
    かに記載の半導体レーザ。
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