JP2002048873A

JP2002048873A - Ｘ線デジタル撮影装置

Info

Publication number: JP2002048873A
Application number: JP2000235628A
Authority: JP
Inventors: Moriyuki Okamura; 守之岡村
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 2000-08-03
Filing date: 2000-08-03
Publication date: 2002-02-15

Abstract

(57)【要約】【課題】軽量化あるいは薄型化された可搬型Ｘ線デジ
タル撮影装置において、熱的に、被検者に苦痛を与える
ことなく、しかも、良好な画像を維持できるように構成
したＸ線像撮影装置を提供する。【解決手段】カセッテ筐体内に中空構造の熱伝導性の
支持体を設けると共に、該支持体に、前記カセッテ筐体
外に開口する１個以上の冷却媒体導入口と１個以上の冷
却媒体排出口とを設け、前記カセッテ筐体内に装備され
るＸ線エリアセンサー基板を前記支持体に保持してな
り、前記支持体の、少なくとも、冷却媒体導入口の開口
部分に、前記支持体内に冷却媒体を通すための外部のチ
ラーユニットから伸びた配管に接続可能な、継手手段を
装備していることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、半導体薄膜素子を
用いたＸ線デジタル撮影装置に関するものであり、詳し
くは、撮影中の温度上昇を低減し、良好な画像を取得で
きるＸ線デジタル撮影装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、医療診断を目的とするＸ線撮
影には、増感紙とＸ線写真フィルムを組合せたフィルム
スクリーンシステムが用いられているが、この方法によ
れば、被写体を透過したＸ線は、被写体の内部情報を含
み、それが増感紙によって、Ｘ線の強度に比例した可視
光に変換されて、Ｘ線写真フィルムを感光させ、Ｘ線画
像をフィルム上に形成する。

【０００３】また、最近では、Ｘ線を、蛍光体によっ
て、Ｘ線の強度に比例した可視光に変換し、それを、光
電変換素子を用いて、電気信号に変換した後、さらに、
ＡＤ変換器でデジタル信号に変換し、画像表示、あるい
は、プリントアウトするＸ線デジタル撮影装置が使用さ
れはじめている。この事例として、ガラス基板上にアモ
ルファス半導体膜を挟んで構成した、透明導電膜と導電
膜とからなる半導体薄膜による固体光検出素子がマトリ
クス状に配列された、所謂、固体光検出器が既に存在す
る。そして、この固体光検出器と、Ｘ線を可視光に変換
するシンチレータを積層したＸ線像検出手段（Ｘ線セン
サー）が提案されている（特開平７−２７８６４号公報
を参照）。

【０００４】上記の事例のように、センサー部分を薄
肉、軽量に形成することが可能になったので、このＸ線
センサー部分を、従来のフィルムスクリーンシステムで
用いられているカセッテに近い形状にすることが可能と
なり、カセッテと同様に、様々な場所に移動させて、使
用できるようになった。

【０００５】図５に、従来の、Ｘ線像検出手段のカセッ
テの断面構造を示す。図において、１はＸ線センサー部
で、蛍光体と固体光検出器（詳細は図示せず）によって
構成されている。また、２はＸ線センサー基板の支持
板、３はＸ線センサー部を覆う筐体の上ケース、４はＸ
線センサー部を下部から包む下ケース、５はＸ線センサ
ー基板の支持板を下支えする支柱、６は支持板のＸ線セ
ンサー基板設置面とは反対側の面上に実装された回路基
板、７はＸ線センサー基板のリード端子部と回路基板と
の間を電気的に接続するフレキシブル配線基板を示す。

【０００６】図５のＸ線撮影装置において、被写体（被
検者）は、Ｘ線透過性を有する上カバー３の上に撮影部
位を固定された後で、照射されるＸ線を透過する際に、
自身の体内情報を、光信号として、Ｘ線センサーに伝達
する。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記のようなＸ線デジ
タル撮影装置は可搬タイプであり、異なった撮影室に設
置されている、それぞれのコントロール部に対しても接
続が可能であり、あるいは、一つのＸ線デジタル撮影装
置を持ち回りで使用することも可能である。

【０００８】しかしながら、医療現場での使用に際して
は、被写体の身体が、Ｘ線撮影装置に直接または薄物の
着衣を介して接触する形で、上カバー表面に撮影部位を
固定するので、種々の発熱体を内蔵している、Ｘ線撮影
装置の表面での温度上昇を極力低下させないと、被検者
に対して、その撮影時に、熱的に耐えられないくらいの
苦痛を与えたり、ひどい場合は、火傷を負わせるなどの
トラブルが予想されるだけでなく、センサー自体の温度
特性の面でも、ダーク電流増加を引起して、Ｓ／Ｎ比低
下による画像劣化などをもたらすという重大な問題があ
る。

【０００９】本発明は、上記事情に基づいてなされたも
ので、その目的は、軽量化あるいは薄型化された可搬型
Ｘ線デジタル撮影装置において、熱的に、被検者に苦痛
を与えることなく、しかも、良好な画像を維持できるよ
うに構成したＸ線像撮影装置を提供することである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のＸ線デジタル撮影装置は、カセッテ筐体内
に中空構造の熱伝導性の支持体を設けると共に、該支持
体に、前記カセッテ筐体外に開口する１個以上の冷却媒
体導入口と１個以上の冷却媒体排出口とを設け、前記カ
セッテ筐体内に装備されるＸ線エリアセンサー基板を前
記支持体に保持してなり、前記支持体の、少なくとも、
冷却媒体導入口の開口部分に、前記支持体内に冷却媒体
を通すための外部のチラーユニットから伸びた配管に接
続可能な、継手手段を装備していることを特徴とする。

【００１１】この場合、本発明の実施の形態として、前
記支持体の冷却媒体導出口の開口部分に、前記チラーユ
ニットに連通する配管に接続可能な、継手手段を装備
し、前記支持体とチラーユニットとの間に、循環冷却回
路を構成していることは、冷却効率の上で有効である。
また、前記支持体が、前記カセッテ筐体内に装備される
電子回路基板を支持する支持部材として用いられている
ことにより、フレーム構造の簡素化の上で有効である。

【００１２】このような構成では、中空構造の熱伝導性
支持体が、Ｘ線エリアセンサー基板を筐体内で保持しつ
つ、冷却媒体導入口を経由して、その内部空間へ、外部
チラーユニットから冷媒を流入させ、該冷媒に、カセッ
テ筐体内で発生した熱を伝達し、その冷却媒体排出口を
経由して、熱伝達後の冷媒を排出することで、カセッテ
筐体内部からの排熱を促進させている。

【００１３】なお、ここで、前記中空支持体を製作する
素材としては、支持体全体の体積増加を抑えつつ、その
剛性の低下を防止でき、熱伝導性が良い耐食性金属材料
が一般に好適であるが、熱伝導性と剛性と耐食性および
加工性が全て満足できる金属材料に限定されるものでは
ない。また、前記中空支持体の体積増加を抑制して、耐
荷重性と変形耐久性を得る手段として、支持体の内部空
間の一部に冷媒流通用の開放部分を有する格子状構造や
ハニカム構造、その他、補強材を適宜配置した構造を持
つものも、本発明において、適用可能である。

【００１４】その結果、本発明に係わるＸ線デジタル撮
影装置は、可搬型として有効なコンパクトサイズを維持
しつつ、その表面温度上昇を低減でき、被検者に熱的な
苦痛を与えることなく、撮影が可能となる。更に、この
可搬型Ｘ線デジタル撮影装置では、カセッテ内部での温
度上昇も低減されているので、Ｘ線センサーのダーク電
流増加が引起こすＳ／Ｎ比低下もなく、画像劣化を防止
することが可能である。

【００１５】

【発明の実施の形態】（第１の実施の形態）図１は、本
発明に係わるＸ線デジタル撮影装置の実施形態を示した
概観斜視図、図２は、同じく、その断面図である。ここ
で、符号１はＸ線センサー基板であり、その詳細は図示
しないが、ガラス基板表面に固体光検出素子をマトリク
ス状にならべ、更に、その上層にＸ線を可視光に変換す
る蛍光体を付着させた構成となっている。また、符号３
は、Ｘ線デジタル撮影装置のフレームを兼ねた上部ケー
スで、これにはＸ線を減衰させずに透過させ、かつ、強
度を有する炭素繊維強化樹脂（ＣＦＲＰ）が多く用いら
れる。

【００１６】符号４は、下部ケースで、上部ケース３と
の接触部において、例えば、接着などの適切な固定手段
により、接続されている。５は、Ｘ線センサー基板１の
支持体（後述）を、下部ケース４上に適切な空間を維持
しつつ、上部ケース３の主面と平行に固定するための支
持柱、６は、固体光検出器（上述の固体光検出素子およ
び蛍光体を含む）を制御する制御用電気回路を備えた基
板で、前記固体光検出器に対して、ケーブルまたはフレ
キシブルプリント回路板（図示せず）を経由して、接続
されている。

【００１７】符号８は、上述した支持体であり、熱伝導
性の素材で製作され、中空構造になっていて、その外表
面には、Ｘ線センサー基板１とカセッテ筐体（上部ケー
ス３および下部ケース４よりなる）が放熱のために、装
着されており、また、その内部空間には、冷媒９が通さ
れる。このために、支持体８には、外部に開口する冷却
媒体入口１０および冷却媒体排出口１１が備えられ、冷
媒を冷却媒体入口１０から流入し、冷却媒体排出口１１
へ流出できる構造になっている。

【００１８】中空支持体８に設けられた冷却媒体の導入
口１０および排出口１１には、カセッテ筐体の外部に設
置されたチラーユニット（例えば、循環型冷却装置、送
風機など）から延長された循環ホースや循環パイプを接
続するための、継手手段（ホース接続部材）２０が備わ
っている。その詳細な構成は、図１の部分拡大図の中に
示されている。即ち、冷却媒体の導入口１０のホース継
手部分は、先端部外周にホース抜け止め用の溝２１ｂと
山２１ａを交互に周設した竹の子形ニップル２１に、チ
ラーから延設された冷媒循環用ホース２２の端部を嵌め
込み、更に、そのホース２２の外周にホースバンド２３
を嵌装し、締めねじ２３ａにて、ホース２２を、その外
周から緊締することで、ホース継ぎ手部分に固定するの
である。

【００１９】このような構成の継手手段２０は、ニップ
ル２１とは反対側の端部付近において、その外周にネジ
部２４を有し、中空支持体８の冷媒導入口（その開放端
付近の内径部分に、ネジ加工が施されている）に、ねじ
込み接続できるようになっている。なお、この継手手段
２０には、外周突起部２５が設けられており、冷却の必
要が生じた際に、中空支持体８に、十分なシール性を確
保しながら、継手手段２０を接続できるようにした、突
き当て固定の機能を果たしている。一方、冷却媒体排出
部１１のホース継手部分の構造も、冷却媒体の導入部１
０の継手手段と全く同様である。

【００２０】なお、冷却媒体導入口、排出口における各
継手手段２０の構造には、上述以外に、更に、着脱を容
易にした、一般的なワンタッチカプラーが採用可能であ
る。また、この実施の形態では、冷媒導入口１０をチラ
ーユニットのデリベリ側に、また、冷媒排出口１１をサ
クション側に連結する循環型冷却構造としたが、冷却空
気などの冷媒を中空支持体８に通すだけの、即ち、冷媒
導入口あるいは冷媒排出口の何れかが、大気開放の形式
にしてもよいことは勿論である。

【００２１】以上により、カセッテ筐体の内部での発熱
が、外部に排熱され、カセッテ全体の温度上昇を低減す
る効果が発揮される。

【００２２】なお、この実施の形態では、Ｘ線像検出手
段として、蛍光体を付着させた固体光検出器を使用して
いるが、その他のＸ線像検出手段としては、予め、電荷
をＸ線像検出手段の全面にチャージしておき、Ｘ線の入
射強度により変化した電荷の分布を検出する、アモルフ
ァスセレンの半導体薄膜を用いた２次元センサーを採用
してもよい。また、ここで用いる中空支持体８の材質
は、十分な熱伝導性と薄板状でも所要の剛性や耐腐食性
が要求されるが、そのために、鉛、アルミニウム、マグ
ネシウム合金、鉄鋼板金などの金属や、その他、グラフ
ァイトなどの結晶性素材や、熱伝導率の高い、種々の新
素材が適用可能である。また、ここで使用される冷却媒
体は、冷却空気、冷水、その他、各種の一般的クーラン
トが適用できる。

【００２３】（第２の実施の形態）図３は、本発明に係
わるＸ線デジタル撮影装置の、他の実施の形態を示した
断面図であり、第１の実施の形態における部材と同一機
能の部材には、同一番号を付けている。なお、図３にお
いて、符号８’は、第１の実施の形態での、中空支持体
８とは異なる形態の、Ｘ線センサー基板１の支持体であ
る。この中空支持体８’は、冷却媒体の導入口１０と同
排出口１１が、支持柱５の内部を貫通して、下部ケース
の底面側で、外部に開口するように、設けられており、
第１の実施の形態に比して、Ｘ線センサー基板１のリー
ド端子部と電気回路基板６との間の電気的接続部７の配
置を容易にしている。

【００２４】ここでのＸ線センサー基板の支持体８’
も、第１の実施の形態と同様な構造であるから、カセッ
テ全体の温度上昇の低減が期待できる。

【００２５】（第３の実施の形態）図４は、本発明のＸ
線デジタル撮影装置について、更に別の実施の形態を示
した断面図であり、図２、図３における部材と同一部材
については、同一番号を付している。なお、図におい
て、符号１２は、一部に冷媒流通用の開放部分を有する
衝立状の補強部材で、Ｘ線センサー基板１の支持に用い
られる中空支持体８の内部の空間部に、格子状に配置さ
れていて、これにより、カセッテ表面及び筐体内部の冷
却効果を獲得しつつ、中空支持体８の全体積を大幅に拡
大せずに、補強することができる。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
Ｘ線像検出手段が形成された基板を筐体内で支持する支
持体を、冷媒の導入口及び排出口を有する熱伝導性素材
からなる中空構造とし、撮影装置外に設置したチラーユ
ニットから、冷却媒体を中空支持体内に通じるようにす
ることで、連続使用時において、迅速な放熱を可能に
し、被検者の触覚に苦痛を与えることなく、良好な撮影
像の取得ができ、また、可搬型としても用いられるＸ線
デジタル撮影装置を提供できる。

【００２７】また、前記中空支持体の冷媒導入口及び排
出口に、チラーユニットから伸びた配管に接続可能な継
手手段が設けられているので、冷却手段と撮影装置との
分離を可能にし、更に、小型で軽量な高性能可搬型のＸ
線デジタル撮影装置を実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わるＸ線デジタル撮影装置での、Ｘ
線センサー基板支持のための中空支持体についての、第
１の実施の形態を示す概略斜視図である。

【図２】同じく、断面図である。

【図３】本発明に係わる第２の実施の形態を示す断面図
である。

【図４】本発明に係わる第３の実施の形態を示す断面図
である。

【図５】従来のＸ線デジタル撮影装置での、Ｘ線センサ
ー基板の支持体を示す断面図である。

【符号の説明】

１Ｘ線センサー基板２Ｘ線センサー基板の支持体３上部ケース４下部ケース５Ｘ線センサー基板支持体の支柱６制御用電気回路７フレキシブルプリント回路板８,８’ Ｘ線センサー基板の中空支持体９冷却媒体１０冷却媒体導入口１１冷却媒体排出口１２冷媒流通用の開放部分を有する衝立状補強部材２０継手手段（ホース接続部材）２１ニップル２１ａホース抜け止め用の山２１ｂホース抜け止め用の溝２２冷媒循環ホース２３ホースバンド２３ａホースバンドの締めねじ２４ホース接続部材のネジ加工部２５ホース接続部材の外周突起部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】カセッテ筐体内に中空構造の熱伝導性の
支持体を設けると共に、該支持体に、前記カセッテ筐体
外に開口する１個以上の冷却媒体導入口と１個以上の冷
却媒体排出口とを設け、前記カセッテ筐体内に装備され
るＸ線エリアセンサー基板を前記支持体に保持してな
り、前記支持体の、少なくとも、冷却媒体導入口の開口
部分に、前記支持体内に冷却媒体を通すための外部のチ
ラーユニットから伸びた配管に接続可能な、継手手段を
装備していることを特徴とするＸ線デジタル撮影装置。
【請求項２】前記支持体の冷却媒体導出口の開口部分
に、前記チラーユニットに連通する配管に接続可能な、
継手手段を装備し、前記支持体とチラーユニットとの間
に、循環冷却回路を構成していることを特徴とする、請
求項１に記載のＸ線デジタル撮影装置。
【請求項３】前記支持体は、前記カセッテ筐体内に装
備される電子回路基板を支持する支持部材として用いら
れていることを特徴とする、請求項１あるいは２に記載
のＸ線デジタル撮影装置。