JP2002047544A - 焼結金属及びその焼結金属からなる軸受 - Google Patents
焼結金属及びその焼結金属からなる軸受Info
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Abstract
性が高く、塩水噴霧に対する耐食性が高い焼結金属、及
びその焼結金属からなる軸受を提供する。 【解決手段】 EGRバルブ1のニードルバルブ9を変
位自在に支持する軸受11を、ステンレス鋼粉末に、C
o粉末又はCoを含む合金粉末を、重量比1〜10%と
なるように添加し、燒結して得られる焼結金属によって
形成する。軸受11の熱膨張係数を鋳鉄製のハウジング
2の熱膨張係数に近付けることができるので、両者の熱
膨張係数の差が小さくなり、昇温降温を繰り返しても両
者間に隙間が形成されるようなことはなく、安定して軸
を支持することができることになる。また、高温雰囲気
での耐酸化性が高まり、塩水噴霧に対する耐食性も高ま
り、複雑な形状のものであっても安価に大量生産するこ
とができるので、自動車の部品等として有効に使用する
ことができることになる。
Description
焼結金属からなる軸受に関し、特に、低熱膨張と耐食性
と耐熱性とを兼ね備えた焼結金属及びその焼結金属から
なる軸受に関するものである。
を制御する機構、例えば、EGRバルブ、排気ブレーキ
バタフライ弁、ターボチャージャーウェイストゲート等
の軸を支持する軸受は、高温雰囲気での耐酸化性が高く
なければならないため、ステンレス鋼から製造されてい
る。また、複雑形状のものを安価に大量生産する必要が
あることから、粉末焼結法によって製造されている。
ス鋼で形成した場合には、軸受を保持する鋳鉄製のハウ
ジングの熱膨張係数が13×10−6/K前後であるの
に対し、軸受の熱膨張係数は18〜19×10−6/K
となり、両者の熱膨張の差が大きくなるため、昇温、降
温を繰り返すことによってハウジングと軸受との間に隙
間が形成されてしまう不具合がある。
形成した場合には、軸受の熱膨張係数は11〜12×1
0−6/Kとなるため、両者の熱膨張の差が小さくな
り、オーステナイト系ステンレス鋼からなる軸受のよう
な不具合が生じることはないものである。しかし、塩水
噴霧に対する耐食性が低いため、自動車エンジンの排ガ
ス流量を制御する機構の部品等には不向きである。
なる軸受であっても、焼結金属特有の多孔質な組織であ
るため、溶製材からなる軸受よりも耐食性が劣り、塩水
噴霧により容易に発錆してしまう。Ni含有率が極めて
高いインコネル合金等は、熱膨張係数が低く、耐食性も
高いが、高価な問題がある。
うな従来のもののもつ問題点を解決したものであって、
オーステナイト系ステンレス鋼が本来もつ耐熱性、耐食
性を損ねることがなく、また、粉末焼結法により製造し
て多孔質な組織となっても塩水噴霧に対する耐食性が高
く、さらに、鋳鉄に近い熱膨張係数を有し、そして、安
価に製造することができる焼結金属及びその焼結金属を
用いた軸受を提供することを目的とするものである。
課題を解決するために、ステンレス鋼粉末に、Co粉末
又はCoを含む合金粉末を添加し、焼結したという手段
を採用したものである。また、ハウジングに装着されて
軸を支持する軸受であって、ステンレス鋼粉末に、Co
粉末又はCoを含む合金粉末を添加し、焼結してなる焼
結金属からなる手段を採用したものである。
より、ステンレス鋼粉末にCo粉末又はCoを含む合金
粉末を添加し、焼結することにより、低熱膨張で、塩水
噴霧に対する耐食性が高い焼結金属が製造されることに
なる。そして、このような焼結金属からなる軸受をハウ
ジングに装着することにより、ハウジングとの熱膨張係
数の差が小さくなり、昇温、降温を繰り返してもハウジ
ングと軸受との間に隙間が形成されるようなことはな
い。また、塩水噴霧等に対する耐食性が向上し、高温雰
囲気での耐酸化性が向上し、そのような雰囲気において
も安定した性能を発揮することができることになる。
実施の形態について説明する。本願発明者は、上記の課
題を解決するために試行錯誤を繰り返した結果、オース
テナイト系ステンレス鋼粉末にCo粉末又はCo含有粉
末を添加し、焼結することによって得られる焼結金属が
有効であることを見い出した。
果、1〜10%が有効であることが分かった。1重量%
未満では十分な効果が得られず、10重量%を超えて添
加しても、それ以上の効果が期待できないばかりでな
く、コストが上昇してしまう。
粉末、及びCo含有粉末には市販品を用い、Co含有粉
末には{FUKUDALLOY−Grade150(福
田金属箔粉工業株式会社)}を用いた。
末の混合、成形、焼結という工程からなる焼結方法)を
用いた。すなわち、オーステナイト系ステンレス鋼粉末
とCo粉末又はCo含有粉末とをV型ブレンダーを用い
て30分間混合し、この混合粉末を粉末成形機を用いて
成形圧力5t/cm2で成形し、この成形体を焼結炉を
用いて焼結温度1150℃で60分間、水素ガス窒素ガ
ス混合雰囲気中で焼結した。そして、焼結体の寸法を所
定の公差に入れるため、2t/cm2の圧力でサイジン
グを行った。
性のある型の中で焼結を行うHP(Hot Pres
s)法、熱間静水水圧圧縮によって焼結を行うHIP
(HotIsostatic Press)法等の加圧
焼結法を用いることもできる。
ものを上記のような焼結方法によって焼結し、本発明品
No.1〜5を得るとともに、表1のNo.6のものに
ついても同様の方法で燒結して比較材No.6とし、さ
らに、代表的なSUS316溶製材を比較材No.7、
INC718溶製材を比較材No.8、FC200鋳鉄
を比較材No.9とし、各々について、熱膨張係数を求
めるとともに、塩水噴霧試験(JISZ2371)によ
り耐食性の評価を行った。その結果を表2に示す。
%の発明品2は、熱膨張係数が低く、耐食性が高い。発
明品3、4及び5は、耐食性が高い。比較材6は、熱膨
張係数が高く、耐食性が低い。比較材7は、熱膨張係数
が高く、耐食性が高い。比較材8は、熱膨張係数が低
く、耐食性が高い。比較材9は、熱膨張係数が低く、耐
食性が低い、ということが分かった。なお、熱膨張係数
が低いというのは、比較材9(FC200鋳鉄)の熱膨
張係数に近いという意味である。
ついて説明する。図1には、この発明による軸受の一実
施の形態が示されていて、この軸受11は、自動車エン
ジンの排気ガス流量を制御するEGRバルブ1のニード
ルバルブ9を支持するために用いられるものである。
有するとともに、流路4内外を貫通する流入孔5及び流
出孔6を有する鋳鉄製のハウジング2と、ハウジング2
に装着されるとともに、スプリング8の付勢力と流体圧
との協働によって変位するダイアフラム7と、流路4内
に設けられるとともに、ダイアフラム7に連結されてダ
イアフラム7と一体に変位し、かつ、一方に変位したと
きに流路4の一部に設けられているバルブシート10に
当接して流路4を閉塞し、他方に変位したときにバルブ
シート10から離間して流路4を開放するニードルバル
ブ9と、ハウジング2に装着されてニードルバルブ9を
変位自在に支持するこの発明による軸受11とを具えて
いる。そして、ダイアフラム7の変位に追従させてニー
ドルバルブ9を変位させることにより流路4の一部を開
放又は閉塞し、これにより流入孔5から流出孔6への排
気ガスの流通を許容又は阻止することができるものであ
る。
ステンレス鋼粉末に、Co粉末又はCo含有粉末を、C
oの重量比が1〜10%となるように添加し、前述した
焼結金属と同様の焼結方法によって焼結したものであ
る。
造した軸受11を、その外周側をハウジング2の流路4
の一端部に設けられている段部3内に嵌合させ、中心部
に設けられている孔12内にニードルバルブ9を挿通さ
せることにより、ニードルバルブ9を変位自在に支持す
ることができるものである。
るEGRバルブ1にあっては、軸受11を、オーステナ
イト系ステンレス鋼粉末に、Co粉末又はCo含有粉末
を、Coの重量比が1〜10%となるように添加し、焼
結することによって形成したので、低熱膨張係数が得ら
れ、高温雰囲気で耐酸化性を高めることができ、塩水噴
霧に対する耐食性を高めることができることになる。
ジング2の熱膨張係数に近付けることができるので、両
者の熱膨張係数の差が小さくなり、昇温降温を繰り返し
てもハウジング2と軸受11との間に隙間が形成される
ようなことはなく、軸受11を安定して支持することが
できることになる。
とができるとともに、塩水噴霧に対する耐食性を高める
ことができるので、EGRバルブなどの自動車の部品に
有効に使用することができることになる。
な形状の製品であっても安価に大量生産することができ
ることになる。
の形態が示されている。この軸受26は、自動車エンジ
ンの排気ブレーキバルブ21の軸25を支持するために
用いられるものである。
4を有するハウジング22と、ハウジング22の流路2
4を貫通した状態で回転自在に設けられる軸25と、ハ
ウジング22に装着されるとともに、軸25を回転自在
に支持するこの発明による軸受26と、ハウジング22
の流路24内に位置する部分に取り付けられて軸25と
一体に回動し、一方に回動した際に流路24を閉塞し、
他方に回動した際に流路24を開放するバタフライ弁2
8とを具えている。そして、バタフライ弁28によって
流路24を開閉することにより、流体の流通を許容又は
阻止することができるものである。
鋼粉末に、Co粉末又はCo含有粉末を、Coの重量比
が1〜10%となるように添加し、前述した焼結金属と
同様の焼結方法によって焼結したものである。
造した軸受26を、その外周側をハウジング22の流路
24の縁部に設けられている段部23内に嵌合させ、軸
受26の中心部に設けられている孔27内に軸25の両
端部を挿通させることにより、軸25及びバタフライ弁
28を回動自在に支持することができるものである。
る排気ブレーキバルブ21にあっては、軸受26を、オ
ーステナイト系ステンレス鋼粉末に、Co粉末又はCo
含有粉末を、Coの重量比が1〜10%となるように添
加し、焼結することによって形成したので、低熱膨張係
数が得られ、高温雰囲気で耐酸化性を高めることがで
き、塩水噴霧に対する耐食性を高めることができること
になる。
ジング22の熱膨張係数に近付けることができるので、
両者の熱膨張係数の差が小さくなり、昇温降温を繰り返
してもハウジング22と軸受26との間に隙間が形成さ
れるようなことはなく、軸受26を安定して支持するこ
とができることになる。
とができるとともに、塩水噴霧に対する耐食性を高める
ことができるので、自動車の部品として有効に使用する
ことができることになる。
な形状の製品であっても安価に大量生産することができ
ることになる。
よる軸受を、自動車エンジンの排気ガス流量を制御する
機構のうちEGRバルブ1の軸受11及び排気ブレーキ
バルブ21の軸受26に用いた場合について説明した
が、これに限定することなく、他の機構の軸受として使
用してもよいのは勿論のことであり、その場合にも同様
の作用効果が得られるのは勿論のことである。
より、低熱膨張係数が得られるとともに、高温雰囲気で
の耐酸化性が高く、塩水噴霧に対する耐食性が高く、複
雑形状の製品を安価に大量生産することができる焼結金
属を得ることができることになる。したがって、自動車
エンジンの排ガス流量を制御する機構、例えば、EGR
バルブ、排気ブレーキバタフライ弁、ターボチャージャ
ーウェイストゲート等の軸を保持する軸受に用いること
が可能となり、昇温降温を繰り返してもハウジングと軸
受との間に隙間が形成されるようなことはなく、軸を安
定して支持することができることになる。また塩水噴霧
に対する耐食性が高く、複雑な形状の製品を安価に大量
生産することができるので、自動車の部品として有効に
使用することができることになる。
略断面図であって、EGRバルブに使用した例を示した
説明図である。
概略断面図であって、排気ブレーキバルブに使用した例
を示した説明図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 ステンレス鋼粉末に、Co粉末又はCo
を含む合金粉末を添加し、焼結したことを特徴とする焼
結金属。 - 【請求項2】 ハウジングに装着されて軸を支持する軸
受であって、ステンレス鋼粉末に、Co粉末又はCoを
含む合金粉末を添加し、焼結してなる焼結金属からなる
ことを特徴とする軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000227347A JP3692468B2 (ja) | 2000-07-27 | 2000-07-27 | 焼結金属製軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000227347A JP3692468B2 (ja) | 2000-07-27 | 2000-07-27 | 焼結金属製軸受 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002047544A true JP2002047544A (ja) | 2002-02-15 |
JP3692468B2 JP3692468B2 (ja) | 2005-09-07 |
Family
ID=18720815
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000227347A Expired - Lifetime JP3692468B2 (ja) | 2000-07-27 | 2000-07-27 | 焼結金属製軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3692468B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102588428A (zh) * | 2005-01-05 | 2012-07-18 | Ntn株式会社 | 流体润滑轴承装置和具有其的电机 |
CN115178732A (zh) * | 2022-06-13 | 2022-10-14 | 东莞市华研新材料科技有限公司 | 基于马氏体不锈钢的耐腐蚀合金粉末及其注射成形方法 |
-
2000
- 2000-07-27 JP JP2000227347A patent/JP3692468B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP3692468B2 (ja) | 2005-09-07 |
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