JP2002045992A - サブマージアーク肉盛溶接用フラックスおよびその製造方法 - Google Patents

サブマージアーク肉盛溶接用フラックスおよびその製造方法

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JP2002045992A JP2000238804A JP2000238804A JP2002045992A JP 2002045992 A JP2002045992 A JP 2002045992A JP 2000238804 A JP2000238804 A JP 2000238804A JP 2000238804 A JP2000238804 A JP 2000238804A JP 2002045992 A JP2002045992 A JP 2002045992A
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Hiroshi Yano
浩史 矢埜
Koichi Yasuda
功一 安田
Kaname Nishio
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 未溶融フラックスおよび溶接作業で発生する
スラグ(未溶融フラックスの混入したもの)からの6価
クロムの溶出を環境基準を満たすように低減する。 【解決手段】 金属Cr、Cr含有合金および/または3価
のCr化合物を含有するフラックス原料と結合剤とを混
合、造粒したのち、600 ℃以下の温度で焼成することに
より、サブマージアーク肉盛溶接用フラックスの6価ク
ロム溶出量(日本工業規格K0102の65.2に定める測
定方法、昭和46年12月環境庁告示第59号付表1に掲げる
測定方法又はこれら方法と同等の溶出試験による値)が
0.05mg/l以下のものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステンレス鋼の肉
盛溶接に用いられるサブマージアーク肉盛溶接用フラッ
クスに関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼を電極として用いるサブマ
ージアーク肉盛溶接は、炭素鋼や低合金鋼で製造された
化学反応容器や原子炉反応容器の内面の耐食機能を高め
ることなどのために施されるものであり、今日多方面で
適用されている。このサブマージアーク溶接法は、溶接
部の表面に予めフラックスを散布しておき、このフラッ
クス中に電極を送給しつつ溶接する方法であって、多量
のフラックスを必要とする。そして、溶接時に溶融しな
かった未溶融のフラックスは、溶接後に回収され再利用
されるが、溶融してスラグ化したもの(溶融金属との化
学反応によって生成したものを含む)は、産業廃棄物と
して処理されている。
【0003】ところで、溶接スラグなどを産業廃棄物と
して廃棄する場合には有害物質の有無を所定の検出方法
によって検定する必要がある。すなわち、廃棄物の処理
および清掃に関する法律における有害物質の検定方法
は、廃棄物の種類および処分方法により、溶出試験と含
有量試験とに分けられている。さらに、廃棄物の処理お
よび清掃に関する法律において人の健康に係る被害を生
ずるおそれがある物質を含む産業廃棄物を処理・処分す
る際に、一般の産業廃棄物に比較してより厳しい規制が
なされている。公害対策基本法第9条の規定に基づく土
壌の汚染に係わる環境基準について環境庁告示第46号で
は、人の健康を保護し、生活環境を保持するうえで維持
することが望ましい基準について告示している。とく
に、6価クロムに関しては溶出試験で6価クロムの溶出
の有無を確認する必要があり、公害対策基本法第9条の
規定に基づく土壌の汚染に係わる環境基準について、環
境庁告示第46号では、人の健康を保護し、生活環境を保
全するうえで維持することが望ましい環境基準は検液1
リットルつき0.05mg以下である。したがって、6価クロ
ムの溶出量が検液1リットルつき0.05mgを超える場合に
は、廃棄物の処理免許を持つ処理業者に依頼し、処分す
る必要がある。
【0004】一方、前述したサブマージアーク溶接法に
より肉盛溶接する場合、ステンレス鋼電極と組み合わせ
て用いられる溶接用フラックスは次のような仕様のもと
に製造される。すなわち、サブマージアーク溶接法はそ
もそも溶込みが大きく、被溶接材(一般には炭素鋼、低
合金鋼など)の溶融による肉盛金属成分の希釈が不可避
である。このため肉盛金属のCr含有量やフェライト量を
調整するには、被溶接材の希釈を考慮して、ステンレス
電極もしくはフラックス中にCr等の合金元素を必要量添
加することがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】こういった肉盛金属の
Cr含有量やフェライト量を調整するためのフラックスへ
の添加物質が、6価クロムの溶出源となることが懸念さ
れる。そこで、6価クロムの溶出が懸念される廃棄物が
発生した場合には、廃棄物の処理免許を持つ処理業者に
依頼して廃棄していた。そこで、本発明は、未溶融フラ
ックスおよび溶接作業で発生するスラグ(未溶融フラッ
クスの混入したもの)からの6価クロムの溶出を環境基
準を満たすように低減した、サブマージアーク肉盛溶接
用フラックスとその製造方法を提案することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは、オーステナ
イト系ステンレス鋼電極によりサブマージアーク肉盛溶
接する際に発生するスラグからの有害物質の溶出を極力
低減する方法について鋭意検討した結果、フラックス製
造時の焼成条件を調整すれば、その目的が達成できるこ
とを知り、本発明を完成するに至った。すなわち、本発
明は以下の構成を要旨とするものである。
【0007】(1)Cr含有サブマージアーク溶接用フラッ
クスであって、該フラックスの質量 (単位g)と溶媒
(純水に塩酸を加え、水素イオン濃度指数が5.8 以上 6.
3以下となるようにしたもの) (単位ml) とを質量体積
比10%の割合で混合した検液からの6価クロムの溶出量
が0.05mg/l以下であることを特徴とするサブマージア
ーク肉盛溶接用フラックス。
【0008】(2)Cr:16mass%以上、Ni:8mass%以上
を含有するステンレス鋼電極と組合せて使用するもので
ある、上記(1) に記載のサブマージアーク肉盛溶接用フ
ラックス。
【0009】(3)フラックス組成がSiO:20〜35mass
%、MgO :20〜30mass%、CaF:5〜15mass%、CaO
:20mass%以下、AlO:15〜25mass%を含有するも
のである、上記 (1)または(2) に記載のサブマージアー
ク肉盛溶接用フラックス。
【0010】(4)金属Cr、Cr含有合金および/または3
価のCr化合物を含有するフラックス原料と結合剤とを混
合、造粒したのち、焼成するサブマージアーク肉盛溶接
用フラックスの製造方法において、前記焼成を600 ℃以
下の温度で行うことを特徴とする、上記 (1)〜 (3)のい
ずれか1つに記載のサブマージアーク肉盛溶接用フラッ
クスの製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】前述したように、発明者らは、溶
出試験により溶接スラグからの6価クロムの溶出の有無
を確認した結果、Crを含有するサブマージアーク溶接用
フラックスのスラグから6価クロムの溶出の可能性が明
らかとなった。この6価クロムはスラグ中に含まれる、
未溶融フラックスから溶出したものであることも明らか
となった。発明者らは、さらにフラックスからの6価ク
ロムの溶出を抑制する手段について検討した。その結
果、金属Cr粉、Fe−Cr合金粉やステンレス鋼粉などのCr
合金粉、CrOなど3価のCr化合物粉を添加したCr含
有フラックス原料に、結合剤を混合、造粒して焼成する
際に、焼成温度を600 ℃以下の温度で焼成すればフラッ
クスからの6価クロムの溶出が抑制されることが判明し
たのである。
【0012】次に、本発明における構成を上記範囲に限
定した理由について説明する。まず、溶出試験による本
発明のフラックスから溶出する6価クロムの溶出量は0.
05mg/l以下にする必要がある。公害対策基本法第9条の
規定に基づく土壌の汚染に係わる環境基準について環境
庁告示第46号では人の健康を保護し、生活環境を保全す
るうえで維持することが望ましい環境基準として、検液
1リットルつき6価クロムの溶出量が0.05mg/l以下と定
められており、その判定基準を適用し、溶出試験による
本発明フラックスから溶出する6価クロムの溶出量は0.
05mg/l以下とする。
【0013】焼成は600 ℃の温度域で行う。600 ℃を超
える温度域で焼成すると、フラックス中のCr原料が変質
し、溶出試験により6価クロムの溶出する場合がある。
なお、Cr原料の焼成時の変質は造粒剤として使用してい
る珪酸ソーダや珪酸カリの使用量により多少変動するた
め、原料の添加量に応じて焼成条件を調整することが好
ましい。なお、溶融金属中に侵入する拡散性水素量の増
加を考慮してフラックスの水分量を低減するために、40
0 ℃以上の温度範囲で行うのが好ましい。焼成はロータ
リーキルン、定置式バッチ炉、ベルト式焼成炉などを用
いて行うことができる。
【0014】溶込みが大きいサブマージアーク溶接で
は、肉盛金属のCr含有量およびフェライト量を調整する
ために、被溶接材による成分の希釈を考慮して、ステン
レス電極もしくはフラックス中にCr等の合金元素を添加
することがある。とくに、Crについては、溶接時の酸化
・消耗を補い、また要求特性に応じた溶接金属を得るた
め、フラックスから添加される場合のCr源としては、金
属Cr粉のほか、Cr合金粉としてFe−Cr粉、ステンレス鋼
粉など、Cr酸化物粉としてCrOなどがある。
【0015】フラックスの成分組成は、焼成後のフラッ
クス原料粉と結合剤の合計量に対して、以下の範囲に調
整することが望ましい。 SiO:20〜35mass% SiOは、スラグ形成剤として、スラグの粘性や界面張
力を適切に維持する機能を有しているが、20mass%未満
では溶接ビードの広がりが悪くなる。一方、35mass%を
超えて含有すると、溶接金属中Cr量が減少する。よっ
て、SiOの含有量は20〜35mass%の範囲とするのが好
ましい。なお、SiOのさらに好ましい含有範囲は25mas
s%以上である。
【0016】MgO :20〜30mass% MgO は、スラグ剥離性の確保のほか、溶接ビード形状に
も影響を与える。MgO含有量が20mass%未満では高電流
溶接時に良好な溶接ビードが得られにくい。また、30ma
ss%を超えて含有すると、低電流溶接時にアンダーカッ
トなど溶接欠陥が多発するので、MgO 含有量は20〜30ma
ss%の範囲とするのが好ましい。
【0017】CaF:5〜15mass% CaFは、スラグの流動性および溶接ビード端部形状を
確保するのに有用な成分である。サブマージアーク肉盛
溶接を行うのに十分な流動性と良好な溶接ビード端部形
状を得るには、CaF含有量を5mass%以上とするのが
好ましい。しかし、CaF含有量が余り多くなると、ア
ークが不安定になるほか、溶接がエレクトロスラグ現象
に移行する不具合を招くことになるので、上限は15mass
%として添加するのが好ましい。
【0018】CaO :20mass%以下 CaO は、塩基性成分であり、肉盛溶接金属中のS量およ
びO量を低減させて清浄度を高めるとともに、スラグ形
成剤として溶接ビード形状を整える重要な機能を有して
いる。しかしながら、20mass%を超えて含有するとかえ
って溶接ビード形状が劣化してしまう。よって、CaO 含
有量は20mass%以下とするのが好ましい。
【0019】AlO:15〜25mass% AlOは、スラグ剥離性の確保のほか、ビード外観に
も影響を与える成分である。AlO含有量が15mass%
未満では、とくに肉盛溶接ビード表面の波目が荒くな
り、ビード形状も不安定になる。また、25mass%を超え
て含有すると、溶融スラグの凝固温度が上昇して肉盛溶
接ビードの形状が悪化するほか、ビード端部にアンダー
カットが生じる。以上のことから、AlOの含有範囲
は15〜25mass%とするのが好ましい。
【0020】以上述べた、フラックス成分としてのSiO
、MgO 、CaF、CaO およびAlO の各原料は、単体
としてのものではなくてもよく、複合酸化物あるいは炭
酸塩の形態のものであっても、その効果は十分期待でき
ることはいうまでもない。これらの他に、必要に応じ、
スラグ形成剤として炭酸塩、金属粉(脱酸剤、合金剤と
して)、TiO、BaO 、ZrO、BO、FeO 、MnO な
ど、またアーク安定剤として、NaO、KO 、KSiF
などを含有してもよい。
【0021】炭酸塩はフラックス中に添加されるが、一
般的にサブマージアーク肉盛溶接において、アークを大
気から遮断することにより、安定なアークを維持し、大
気からの窒素の混入を抑制するとともに、ビード表面の
あばたの発生を防止する役割を有している。炭酸塩とし
ては炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸リチウム、炭酸マンガンなどを用いる。また、
脱酸剤、合金剤として添加する金属粉としてはフェロシ
リコン、フェロマンガン、フェロアルミ、フェロチタ
ン、フェロニッケル、フェロクロム、フェロモリブデ
ン、フェロニオブなどやSi、Mn、Al、Ti、Ni、Cr、Mo、
Nbなどの金属および合金がある。スラグ剥離性を改善す
るためにPbやBiなどの金属、合金および酸化物を添加し
てもよい。さらに、Ni、Cr、Mo、Nbなどの合金元素を添
加することにより、電極組成よりも高合金組成の肉盛金
属を得ることも可能である。
【0022】上述した範囲で所定量配合されたフラック
ス原料は、結合剤とともに混練され、造粒されたのち焼
成される。造粒法についてとくに限定しないが、転動式
造粒機、押し出し式造粒機を用いるのが好ましい。造粒
したのち、ダスト除去、粗大粒の解砕などの整粒処理を
行って、粒子径が0.075 〜1.4mm の範囲となる大きさの
粒とする。なお、結合剤としては、ポリビニルアルコー
ルなどの水溶液や珪酸ソーダ溶液、珪酸カリ溶液、珪酸
ソーダ溶液と珪酸カリ溶液あるいはこれらの混合液など
が好適であり、その使用量はフラックス原料1kg当たり
50〜300cc 程度でよい。
【0023】6価クロムの溶出量の測定方法の概要を説
明する。最初に、フラックスの質量 (単位g)と溶媒
(純水に塩酸を加え、水素イオン濃度指数が5.8 以上 6.
3以下となるようにしたもの) (単位ml) とを質量体積
比10%の割合で混合した検液とする。検液の量は500ml
以上が好ましい。次に、検液の6価クロム濃度を測定し
て溶出量を計算する。検液の6価クロム濃度の測定方法
としては、日本工業規格K0102中の65.2に定める測
定方法または昭和46年12月環境庁告示第59号付表1に
掲げる測定方法または同等の方法が適用できる。例え
ば、ジフェニルカルバジド吸光光度法、フレーム原子吸
光光度法、電気加熱原子吸光法、ICP発行分光分析法
またはICP質量分析法である。
【0024】本発明の肉盛溶接用フラックスを適用する
サブマージアーク溶接の電極形状としては、ワイヤ状、
帯状どちらのものでも構わない。また、本発明では焼成
条件の調整によりフラックスからの6価クロムの溶出を
抑えているが、Cr源としてフラックスに添加されている
物質を焼成時に変質しないよう予備処理しても同等の効
果が得られる。
【0025】
【実施例】実施例1 表1に示す比率になるように配合した原料を珪酸ソーダ
溶液または珪酸カリ溶液を結合剤として12〜100 メッシ
ュに造粒し、400 、500 、600 および700 ℃で各5分の
条件で焼成した。製造したフラックスの組成を表2に示
す。このフラックスについて、溶出試験により6価クロ
ムの溶出量を測定した。その測定結果を表3に示す。本
発明のフラックスからの6価クロムの溶出量は0.03mg/l
以下であった。一方、焼成温度が発明範囲から外れた比
較例1および2ではフラックスからの6価クロムの溶出
量は0.05mg/lを超えることが確認された。以上のよう
に、本発明に従うCr含有サブマージアーク溶接用フラッ
クスは、溶出試験による6価クロムの溶出量が0.05mg/l
以下であることが確認された。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】実施例2 表4に示す比率になるように配合した原料を珪酸ソーダ
溶液を結合剤として12〜100 メッシュに造粒し、450
℃、30分の条件で焼成した。製造したフラックスの組成
を表5に示す。このフラックスについて、溶出試験によ
り6価クロムの溶出量を測定したところ、溶出量は0.03
mg/lであった。また、市販の板厚50mmのSM490B鋼(C:
0.16mass%、Si:0.40mass%、Mn:1.52mass%、P:0.
014 mass%、S:0.003 mass%)上に、帯状電極(厚
み:0.5mm、幅:60mm、化学組成はC:0.011 mass%、S
i:0.27mass%、Mn:1.65mass%、P:0.012 mass%、
S:0.001 mass%、Cr:23.7mass%、Ni:13.1mass%、
AWS :309L相当)と前記のフラックスを用いて、溶接条
件:700A、28V 、14cm/minおよび1000A 、25V 、15cm/m
inで肉盛溶接を実施した。本発明例7のフラックスを用
いた肉盛溶接では、アンダーカットやスラグ巻き込みな
どの溶接欠陥もなく、良好な形状をした肉盛溶接ビード
が得られた。
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】実施例3 表6に示す比率になるように主原料を配合し、珪酸ソー
ダ溶液を結合剤として12〜100 メッシュに造粒し、550
℃および650 ℃でそれぞれ10分の条件で焼成した。製造
したフラックスの組成を表7に示す。市販の板厚50mmの
SM490B鋼(C:0.16%、Si:0.40%、Mn:1.52%、P:
0.014 %、S:0.003 %)の上に、前記フラックスと帯
状電極(厚み:0.5 mm、幅:60mm、化学組成はC:0.01
1 %、Si:0.27%、Mn:1.65%、P:0.012 %、S:0.
001 %、Cr:23.7%、Ni:13.1%、AWS :309L相当)を
用いて、溶接条件:850A、28V 、17cm/minで肉盛溶接を
実施した。
【0033】溶接後、未溶融フラックスおよび発生した
スラグを回収した。回収した未溶融フラックスは適宜未
使用のフラックスと混合して溶接に使用した。この操作
を繰り返し、各々のフラックスについて10回の溶接およ
びスラグの回収を行った。フラックスが付着した状態の
溶接スラグを大きさ2mm以下に粉砕し、溶出試験により
6価クロムの溶出量を測定した。その測定結果を表8に
示す。本発明のフラックスを使用して発生したスラグか
らの6価クロムの溶出量はすべての試料において0.03mg
/l以下であった。また、比較例のフラックスからの6価
クロムの溶出量は0.03mg/lを超えるものがあった。以上
のように、Cr含有サブマージアーク溶接用フラックスで
あって、本発明のフラックスは溶接時に発生する廃棄物
である溶接スラグの溶出試験において6価クロムの溶出
量が0.03mg/l以下であることが確認された。
【0034】
【表6】
【0035】
【表7】
【0036】
【表8】
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
未溶融フラックスおよび溶接作業で発生するスラグから
の6価クロムの溶出が低減でき、環境基準を満たし、し
かも良好な溶接作業性を有するサブマージアーク肉盛溶
接用フラックスを提供することが可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西尾 要 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 Fターム(参考) 4E001 AA03 BB05 CA03 EA07 4E084 AA03 AA07 AA11 AA12 AA20 BA08 CA35 DA18 DA22 GA07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cr含有サブマージアーク溶接用フラック
    スであって、該フラックスの質量 (単位g)と溶媒 (純
    水に塩酸を加え、水素イオン濃度指数が5.8以上 6.3以
    下となるようにしたもの) (単位ml) とを質量体積比10
    %の割合で混合した検液からの6価クロムの溶出量が0.
    05mg/l以下であることを特徴とするサブマージアーク
    肉盛溶接用フラックス。
  2. 【請求項2】 Cr:16mass%以上、Ni:8mass%以上を
    含有するステンレス鋼電極と組合せて使用するものであ
    る、請求項1に記載のサブマージアーク肉盛溶接用フラ
    ックス。
  3. 【請求項3】 フラックス組成がSiO:20〜35mass
    %、MgO :20〜30mass%、CaF:5〜15mass%、CaO
    :20mass%以下、AlO:15〜25mass%を含有するも
    のである、請求項1または2に記載のサブマージアーク
    肉盛溶接用フラックス。
  4. 【請求項4】 金属Cr、Cr含有合金および/または3価
    のCr化合物を含有するフラックス原料と結合剤とを混
    合、造粒したのち、焼成するサブマージアーク肉盛溶接
    用フラックスの製造方法において、前記焼成を600 ℃以
    下の温度で行うことを特徴とする、請求項1〜3のいず
    れか1項に記載のサブマージアーク肉盛溶接用フラック
    スの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013000771A (ja) * 2011-06-16 2013-01-07 Kobe Steel Ltd サブマージアーク肉盛溶接用フラックス
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