JP2002045644A - 半乾式排ガス脱硫/脱塩方法 - Google Patents

半乾式排ガス脱硫/脱塩方法

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JP2002045644A JP2000237974A JP2000237974A JP2002045644A JP 2002045644 A JP2002045644 A JP 2002045644A JP 2000237974 A JP2000237974 A JP 2000237974A JP 2000237974 A JP2000237974 A JP 2000237974A JP 2002045644 A JP2002045644 A JP 2002045644A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石炭焚きボイラの排ガスに含まれる亜硫酸ガ
スや都市ごみ焼却炉の排ガスに含まれる塩化水素よりな
る有害ガス成分を除去する半乾式の排ガス脱硫/脱塩に
おいて、電気エネルギーから水蒸気エネルギーへの転換
によるエネルギー効率向上による運転費の削減を果た
す。噴霧用媒体と増湿作用を兼ねるために効率的に反応
性が向上する方法を提供する。 【解決手段】 半乾式の排ガス脱硫/脱塩方法は、有害
ガス成分を含む排ガスを反応塔2下部から上方に向かっ
て上昇流で通過させ、反応塔2下部に循環灰を導入する
とともに、反応塔2下部に石灰スラリーを噴霧し、循環
灰に石灰スラリーを付着させ、排ガスが反応塔2内を上
昇する間に、排ガス中の亜硫酸ガス/塩化水素ガスと石
灰との接触により、亜硫酸カルシウム/硫酸カルシウム
または塩化カルシウムを生成するにあたり、石灰スラリ
ーの噴霧用媒体として水蒸気を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば石炭焚きボ
イラの排ガスに含まれる亜硫酸ガスの除去や都市ごみ焼
却炉の排ガスに含まれる塩化水素の除去の技術、すなわ
ち排ガスの脱硫/脱塩技術のうち、半乾式排ガス脱硫/
脱塩方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半乾式の排ガス脱硫/脱塩方法は
既に知られており、この技術は簡易脱硫/脱塩方法に属
し、装置の構造が簡単であるため、初期投資が少なく、
かつ脱硫/脱塩率が良好で、運転費も安いという利点が
ある。
【0003】従来の半乾式排ガス脱硫/脱塩方法は、亜
硫酸ガスや塩化水素ガスよりなる有害ガス成分を含む排
ガスを、反応塔の下部から上方に向かって上昇流で通過
させ、反応塔の下部に循環灰を導入するとともに、反応
塔の下部に石灰スラリーと排ガス調湿用水とを圧縮空気
を用いて噴霧する。そして、循環灰に石灰スラリーを付
着させ、排ガスが反応塔内を上昇する間に、排ガス中の
亜硫酸ガス/塩化水素ガスと石灰との接触により、亜硫
酸カルシウム/硫酸カルシウムまたは塩化カルシウムを
生成させる。こうして、排ガス中の有害ガス成分を固形
物側に移行させ、反応塔からの排出物を集塵機に導い
て、ガスと固形物とに分離する。清浄となされた排ガス
を大気に放出し、また集塵機において集められた粉塵、
反応生成物および未反応石灰の混合物よりなる捕集物の
一部を系外に排出するとともに、捕集物の残部を循環灰
として反応塔に再循環していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
排ガス脱硫/脱塩方法によれば、まず第1に、国内を対
象とすると、運転費は安くつくと考えられるが、例えば
開発途上国の大気汚染問題を解決するためには、もっと
低コスト化が必要であり、特に、運転費のうち、消費電
力を減少することが必要であった。
【0005】また第2に、脱硫/脱塩の反応温度は、排
ガス温度等のいくつかの因子によって決定されるが、噴
霧される石灰スラリー自体の温度は、高いほど対象ガス
との反応性が良く、温度の低い石灰スラリーの反応性は
悪い。例えば石灰スラリーは、調製直後は反応熱によっ
て温度が高くなり、反応性も良いが、調製後時間が経過
した貯留槽内の温度の低い石灰スラリーを使用する場合
には、脱硫/脱塩性能が低下するという問題があった。
【0006】第3に、脱硫/脱塩性能は、アプローチ温
度すなわち反応塔出口温度とガス露点との差が小さいほ
ど高性能を示すが、循環灰の乾燥との兼ね合いから最適
反応温度が決定される。例えば焼却炉排ガスの場合はガ
ス中の水分濃度が高いため、露点が高く、従って、操作
温度(露点+アプローチ温度)は比較的高温となり、反
応性が良く、効率が良い。
【0007】しかしながら、石炭焚きでしかも空気過剰
率が大きいボイラの排ガスなどの場合は、反応塔内に導
入する排ガス中の水分濃度が3%前後であり、露点は常
温に近い状態である。ここで、石灰スラリー中の水分が
蒸発するので、反応塔内の実際の水分は6%程度になる
が、露点はそれでも35℃前後であり、従ってアプロー
チ温度を10℃とみても、操作温度が50℃以下になっ
て、反応性と効率がやや落ちる。従って、このような場
合には石灰スラリー以外に別途水を吹き込み、ガスを増
湿して露点を上げ、結果として、操作温度全体を上げる
努力がなされていた。
【0008】しかしながら、一方で、反応塔内に導入す
る排ガスの温度が低ければ、吹き込み水分の蒸発熱によ
って温度が下がるので、全体として増湿の限度が決定さ
れ、操作温度を高く上げることが難しくなるという問題
があった。
【0009】本発明者らは、上記の点に鑑み鋭意研究を
重ねた結果、従来より石灰スラリー噴霧用媒体として使
用されてきた圧縮空気の代わりに、水蒸気を使用するこ
とにより、排ガス温度を下げないで増湿することが可能
となり、上記の従来技術の課題を全て解決し得ることを
見い出し、本発明を完成するに至った。
【0010】本発明の目的は、電気エネルギーから水蒸
気エネルギーへの転換によってエネルギー効率が向上し
て運転費を削減することができ、また噴霧用媒体が増湿
作用をも兼ねるために効率よく反応性が向上し、さらに
石灰スラリー温度への影響すなわち噴霧される石灰スラ
リー温度が高くなるために反応性が良好となって、脱硫
/脱塩率が向上する、半乾式排ガス脱硫/脱塩方法を提
供しようとすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明による請求項1記載の半乾式排ガス脱硫/
脱塩方法は、排ガス中に含まれる亜硫酸ガス/塩化水素
ガスよりなる有害ガス成分を除去する排ガスの脱硫/脱
塩方法であって、有害ガス成分を含む排ガスを反応塔の
下部から上方に向かって上昇流で通過させ、反応塔の下
部に循環灰を導入するとともに、反応塔の下部に石灰ス
ラリーと排ガス調湿用水とを噴霧して、循環灰に石灰ス
ラリーを付着させ、排ガスが反応塔内を上昇する間に、
排ガス中の亜硫酸ガス/塩化水素ガスと石灰との接触に
より、亜硫酸カルシウム/硫酸カルシウムまたは塩化カ
ルシウムを生成して、排ガス中の有害ガス成分が固形物
側に移行し、反応塔からの排出物を集塵機に導いて、ガ
スと固形物とに分離し、清浄となされた排ガスを大気に
放出し、かつ集塵された粉塵、反応生成物および未反応
石灰の混合物よりなる捕集物の一部を系外に排出すると
ともに、捕集物の残部を循環灰として反応塔に再循環す
る半乾式排ガス脱硫/脱塩方法において、石灰スラリー
の噴霧用媒体として、水蒸気を使用することを特徴とし
ている。
【0012】本発明による請求項2記載の半乾式排ガス
脱硫/脱塩方法は、上記請求項1記載の半乾式排ガス脱
硫/脱塩方法において、石灰スラリーを排ガス中に噴霧
するノズルとは別に設けられたノズルから水蒸気を排ガ
ス中に吹き込むことを特徴としている。
【0013】上記請求項2記載の半乾式排ガス脱硫/脱
塩方法において、排ガス中に水蒸気を噴霧するにあた
り、水蒸気と排ガス調湿用水とのいずれかを切り替えバ
ルブにより切り替えて噴霧するようにしても良い。
【0014】なお上記において、水蒸気に代えて一部圧
縮空気を使用することもある。すなわち、例えばボイラ
の起動時や緊急時には、水蒸気に代えて圧縮空気を使用
することにより、常時安定した運転が可能となるので、
好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を、
図面を参照して説明する。
【0016】本発明の第1実施形態を示す図1を参照す
ると、本発明の方法においては、石炭焚きボイラからの
亜硫酸ガスを含む排ガスや都市ごみ焼却炉からの塩化水
素を含む排ガスを、排ガス導入管(1) から反応塔(2) の
下部に導入する。排ガスは反応塔(2) 内を上方に向かっ
て流れる上昇流として通過する。
【0017】一方、生石灰または消石灰(以下、石灰と
いう)を、石灰供給管(3) よりホッパー(4) に供給し、
必要量だけ石灰搬送コンベア(5) から乳化機(6) に導入
する。乳化機(6) には水供給管(7) によって水を供給し
て、石灰を水に溶解して所定濃度の石灰スラリーを調整
する。この石灰スラリーを、ポンプ(9) の作動により石
灰スラリー流送管(8) から塔(2) 下部に具備されたスラ
リー噴霧ノズル(10)に供給して、反応塔(2) 内を上昇す
る排ガス中に吹き込む。
【0018】本発明においては、この石灰スラリーの噴
霧用媒体として、水蒸気を使用するものである。
【0019】この第1実施形態では、石灰スラリー流送
管(8) の先端寄り部分に流量調整バルブ(23)が設けられ
るとともに、水蒸気流送管(11)の先端寄り部分に流量調
整バルブ(24)が設けられており、これらのバルブ(23)(2
4)により石灰スラリーと水蒸気の流量を調整して、スラ
リー噴霧ノズル(10)から反応塔(2) 内を上昇する排ガス
中に吹き込むものである。
【0020】また反応塔(2) には、排ガス調湿用の水
を、調湿水専用のノズルを具備する導入管(12)から吹き
込む。
【0021】なお、図示は省略したが、場合によって
は、排ガス調湿用水を、石灰スラリーおよび水蒸気と一
緒に、噴霧ノズル(10)から吹き込むようにしても良い。
【0022】反応塔(2) 内を上昇する排ガスには、塔
(2) 下部において供給管(13)から循環灰(後述する)の
一部を、さらに供給して混合する。
【0023】スラリー噴霧ノズル(10)から水蒸気と共に
噴霧された石灰スラリーは、当然ながら循環灰にも吹き
付けられ、循環灰に石灰スラリーが付着する。そして排
ガスが反応塔(2) 内を上昇する間に、排ガス中の亜硫酸
ガスあるいは塩化水素ガスは、循環灰の表面においてす
なわち反応表面積が増大した状態で、スラリー中の石灰
と接触し、亜硫酸カルシウム/硫酸カルシウムまたは塩
化カルシウムを生成して、排ガス中の有害ガス成分が固
形物側に移行するため、排ガスを浄化することができ
る。
【0024】なお上記のように、本発明においては、石
灰スラリーの噴霧用媒体として、主に水蒸気を使用する
ものであるが、例えばボイラの起動時や緊急時には、水
蒸気に代えて圧縮空気を使用するのが、望ましい。この
実施形態では、水蒸気供給管(26)に設けられたバルブ(2
7)と、コンプレッサ(30)からの圧縮空気供給管(31)に設
けられたバルブ(32)とによって、水蒸気と圧縮空気との
いずれかを切り替えて流送管(11)に送り、ボイラの起動
時や緊急時に水蒸気に代えて圧縮空気を補助的に使用す
ることにより、常時安定した運転を確保することができ
るものである。
【0025】つぎに、反応塔(2) の頂部より流出する排
ガスのガス成分と、排ガス中の粉塵と、反応後の上記カ
ルシウム化合物と、未反応石灰とよりなる流出物をサイ
クロンよりなる集塵機(14)に導入し、ガス成分と固形物
とに分離する。有害ガスおよび粉塵のほとんどが除去さ
れたガス成分を、さらにバグフィルター(15)に送って除
塵した後、誘引ファン(16)により排出管(17)を経て、清
浄ガスとして煙突から大気に放出する。
【0026】サイクロン(14)で集塵した粉塵と反応後の
上記カルシウム化合物と未反応石灰との混合物よりなる
循環灰を、サイクロン(14)下部から循環ボックス(18)に
導入し、循環灰の一部を循環管(13)から反応塔(2) の下
部に再導入するとともに、循環灰の残部をコンベア(19)
により取り出して、バグフィルター捕集灰取出し管(20)
からの捕集灰と混合した後、系外排出コンベア(21)から
副生物ヤード(22)に貯蔵し、副生物として利用する。
【0027】なお、排ガスが装置に導入される入口部分
とりわけ石灰スラリーおよび調湿水吹き込みノズルより
も上流位置に設けた別の水蒸気吹き込みノズルから、別
途追加の水蒸気を吹き込んで、増湿を促進するようにし
ても良い。
【0028】本発明によれば、従来より石灰スラリー噴
霧用の媒体として使用されてきた圧縮空気を水蒸気に変
更するものであり、本発明の方法によって下記の従来の
課題は全て解決することができる。
【0029】(1)運転費の削減 まず、従来法において使用されているコンプレッサ空気
(圧縮空気)は、電気をエネルギー源とし、一次エネル
ギーから計算して、20〜30%の効率でしか製造され
ないのに対し、本発明方法において使用するボイラから
の水蒸気は、悪くても80%の効率で得られることを考
えれば、水蒸気を噴霧用媒体として使用することが運転
費の削減につながることは明かである。
【0030】(2)石灰スラリー温度の影響 表1は、本発明者らが半乾式排ガス脱硫装置を使用し
て、石炭焚きボイラの排ガスに含まれる亜硫酸ガスの除
去を、下記の条件において実施した脱硫試験結果を示す
ものである。
【0031】半乾式排ガス脱硫装置 排ガス流量:3,6000(Nm/h) 排ガスSO濃度:900〜1,200(ppm) Ca/SOモル比:1.3 石灰スラリー温度以外の他の操作条件は各試験とも同
じ。
【0032】
【表1】
【0033】この表1の結果は、排ガスと接触する石灰
スラリー温度が高いほど、反応性が良いことを表してい
ると考えられ、排ガス脱塩の場合も同じ傾向が見られ
る。
【0034】(3)反応性の向上 前述のように、ごみ焼却炉排ガスの場合などは、排ガス
中の水分濃度が高いので、操作温度も高くできるが、例
えば品質の良くない石炭焚きボイラで空気過剰率を高く
して運転しているようなボイラでは、排ガス中の水分、
温度が共に低い場合が多い。
【0035】つぎに、下記の石炭焚きボイラの排ガス例
を用いて、本発明の実施形態および効果を説明する。
【0036】[排ガス] 排ガス温度:120℃ 排ガス流量:36,000(Nm/h) 排ガス中のSO濃度:1000(ppm) 排ガス中の水分濃度:3.00(%) ・従来の運転条件 まず、従来の運転方法について説明する。
【0037】上記排ガスを脱硫するために、総量150
(Nm/h)の圧縮空気によって、Ca/SO
ル比1.5の条件で、50℃の石灰スラリーを吹き込
む。
【0038】排ガス中のSOのモル数はS=36,000
×1000×10-6/22.4=1.61(kmol/h) 、吹き込みスラ
リー中の石灰(CaO)量は、 1.61×1.5×56=135(kg/h) で、90%純度の石灰を20%の濃度で供給する場合、
石灰スラリー量は、 135/0.9/0.2=750(kg/h) になり、石灰スラリーと同時に吹き込まれる水の量は、 750−135/0.9=600(kg/h) となる。このうち、未反応消石灰として、 1.61×(1.5−0.779)×18=21(kg/h) の水分が蒸発しないで残るが、残りは全て蒸発するもの
とする。
【0039】この状態でガス側は、 (600−21)/18×22.4/36,150=1.99(%) の水分だけ増湿され、水分濃度は4.99(%)とな
り、ガス露点は約32℃になる。
【0040】このような排ガスの場合、通常は反応温度
を上げるために、調湿用水分が吹き込まれる(この水噴
霧用圧縮空気は150(Nm/h)の中に含まれるも
のとする)。
【0041】排ガス物性を空気近似、反応(操作)温度
を50℃とすると、排ガス密度:1.29(kg/Nm)、排
ガス比熱:1.05(kJ/kg・K)であるから、ガスから奪
う熱量Qgは、 Qg=36,000×1.29×1.05×(120-50)=3,413,000(k
J/h) 石灰スラリー中の水分の蒸発に与えられる熱量Qw1は、
50℃の水分の蒸発潜熱:2,377(kJ/kg)として、Qw
1=(600-21)×2,377=1,376,000(kJ/h)である。
【0042】20%の水を調湿用に供給したとすると、
20℃の水の蒸発に要する熱量=126+2377=2503(kJ
/kg)なので、 (Qg−Qw1)/2503=814(kg/h)=1013(Nm
h) の水が調湿用として吹き込めることになる。この水によ
って、排ガス中の水分は 4.99+1013/36150×100=7.79(%) となり、この場合のガス露点は約39.8℃で、アプロ
ーチ温度は10.2℃になる。脱硫率は約75%が得ら
れる。
【0043】・本発明方法による運転 本発明の方法を、上記の条件に適用して、石炭焚きボイ
ラの排ガスに含まれる亜硫酸ガスの除去にあたり、圧縮
空気の代わりに同流量の水蒸気で石灰スラリーを噴霧す
ると、 [(600-21)/18×22.4+150]/36,000=2.42(%) の水分だけ増湿され、ガス露点は33.6℃となって、
約1.6℃上昇する。
【0044】水蒸気が直接噴霧されるため、単純にQg
に1気圧の水蒸気のエンタルピーが加わるとすると、 Qg’=3,413,000+2,470×150/22.4×18=3,711,000
(kJ/h) となり、石灰スラリー中の水分蒸発熱は上と同じとする
と、 (Qg’−Qw1)/2503=933(kg/h)=1160(Nm
h) 5.42+1160/36,000×100=8.64(%) となり、この場合のガス露点は41.7℃で、同一アプ
ローチ温度は8.3℃となり、空気噴霧の場合に比べて
脱硫率は約7%向上し、82%になる。
【0045】逆に、脱硫率は同じで良ければ、アプロー
チ温度を10.2℃に保つことにより、反応温度は5
1.9まで上昇できる。
【0046】なお、上記実施形態においては、本発明を
半乾式の脱硫装置を使用して実施した脱硫試験について
説明したが、脱塩の場合も同じ傾向が見られた。
【0047】つぎに、図2は本発明の第2実施形態を示
すものである。同図を参照すると、本発明の方法におい
ては、石灰スラリーを噴霧するノズル(10)とは別に設け
られた水蒸気流送管(11)先端のノズル(図示略)から排
ガス中に水蒸気を吹き込むようにしている。
【0048】またこの時、図示は省略したが、排ガス調
湿用水を、石灰スラリーと一緒に噴霧ノズル(10)から吹
き込む場合もある。
【0049】また図3に示すように、上記本発明の第2
実施形態において、排ガス調湿用水と水蒸気のいずれか
を切り替えバルブにより切り替えて噴霧するようにして
も良い。なお、排ガス調湿用水と水蒸気とを一緒に噴霧
する場合もある。
【0050】上記図2に示す第2実施形態および図3に
示す変形例のその他の点は、上記第1実施形態の場合と
同様であるので、図面において同一のものには同一の符
号を付した。
【0051】
【発明の効果】本発明は、上述のように、排ガス中に含
まれる亜硫酸ガス/塩化水素ガスよりなる有害ガス成分
を除去する排ガスの脱硫/脱塩方法において、石灰スラ
リーの噴霧用媒体として、水蒸気を使用するものである
から、本発明の方法によれば、電気エネルギーから水蒸
気エネルギーへの転換によるエネルギー効率向上による
運転費の削減を果たすことができ、しかも噴霧用媒体と
増湿作用を兼ねるために効率的に反応性が向上し、脱硫
/脱塩性能が向上するという効果を奏する。
【0052】本発明の排ガス脱硫/脱塩方法によれば、
特に、運転費のうち、消費電力を減少することが効果的
で、半乾式排ガス脱硫/脱塩法の消費電力の15〜20
%を占める石灰スラリー噴霧空気用コンプレッサの電力
費削減が効果的である。
【0053】従って、本発明の方法によれば、低コスト
化が可能であり、特に運転費のうち、消費電力を減少す
ることができるから、例えば開発途上国の大気汚染問題
を解決することができるという効果を奏する。
【0054】また脱硫/脱塩の反応温度は、排ガス温度
等のいくつかの因子によって決定されるが、噴霧される
石灰スラリー自体の温度は、高いほど対象ガスとの反応
性が良く、本発明の方法によれば、石灰スラリー噴霧用
媒体として、従来の圧縮空気の代わりに水蒸気を使用す
るものであるから、噴霧される石灰スラリーの温度が非
常に高くなり、対象ガスとの反応性が良好で、脱硫/脱
塩性能が向上するという効果を奏する。
【0055】さらに、アプローチ温度すなわち反応塔出
口温度とガス露点との差が小さいほど高性能を示すが、
循環灰の乾燥との兼ね合いから最適反応温度が決定され
る。例えば焼却炉排ガスの場合はガス中の水分濃度が高
いため、露点が高く、従って、操作温度(露点+アプロ
ーチ温度)は比較的高温となり、反応性が良いが、例え
ば石炭焚きでしかも空気過剰率が大きいボイラの排ガス
などの場合は、反応塔内に導入する排ガス中の水分濃度
が3%前後であり、露点は常温に近い状態では、石灰ス
ラリー中の水分が蒸発するので、反応塔内の実際の水分
は6%程度になり、露点はそれでも35℃前後であるた
め、アプローチ温度を10℃とみても、操作温度が50
℃以下になって、反応性と効率がやや落ちる。そこで、
本発明によれば、石灰スラリー噴霧用媒体として、石灰
スラリー以外に別途水蒸気を吹き込んで、ガスを増湿し
て露点を上げ、操作温度全体を上げることができるか
ら、排ガス温度を下げることなく増湿することが可能で
あり、効率よく反応性が向上し、脱硫/脱塩率が向上す
るという効果を奏する。
【0056】なお上記において、水蒸気に代えて一部圧
縮空気を使用することもある。すなわち、例えばボイラ
の起動時や緊急時には、水蒸気に代えて圧縮空気を使用
することにより、常時安定した運転が可能となるという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の第1実施形態を示すフローシー
トである。
【図2】本発明の第2実施形態を示すフローシートであ
る。
【図3】図2の変形例を示すフローシートである。
【符号の説明】
1 排ガス導入管 2 反応塔 3 石灰供給管 4 ホッパー 5 石灰搬送コンベア 6 乳化機 7 水供給管 8 石灰スラリー流送管 9 ポンプ 10 スラリー噴霧ノズル 11 水蒸気流送管 12 排ガス調湿用水供給管 13 循環灰供給管 14 集塵機(サイクロン) 15 バグフィルター 16 誘引ファン 17 清浄ガス排出管 18 循環ボックス 19 排出コンベア 20 バグフィルター捕集灰取出し管 21 系外排出コンベア 22 副生物ヤード 23 バルブ 24 バルブ 25 バルブ 26 水蒸気供給管 27 バルブ 30 コンプレッサ 31 圧縮空気供給管 32 バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辰己 浩史 大阪市住之江区南港北1丁目7番89号 日 立造船株式会社内 (72)発明者 松永 勝利 大阪市住之江区南港北1丁目7番89号 日 立造船株式会社内 Fターム(参考) 3K070 DA05 DA16 DA23 DA29 DA32 DA39 DA76 4D002 AA02 AA19 AB01 AC01 AC04 BA03 BA14 CA01 CA11 CA13 DA05 DA11 DA12 EA02 EA06 FA02 GA03 GB03 GB05 GB20 HA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排ガス中に含まれる亜硫酸ガス/塩化水
    素ガスよりなる有害ガス成分を除去する排ガスの脱硫/
    脱塩方法であって、有害ガス成分を含む排ガスを反応塔
    の下部から上方に向かって上昇流で通過させ、反応塔の
    下部に循環灰を導入するとともに、反応塔の下部に石灰
    スラリーと排ガス調湿用水とを噴霧して、循環灰に石灰
    スラリーを付着させ、排ガスが反応塔内を上昇する間
    に、排ガス中の亜硫酸ガス/塩化水素ガスと石灰との接
    触により、亜硫酸カルシウム/硫酸カルシウムまたは塩
    化カルシウムを生成して、排ガス中の有害ガス成分が固
    形物側に移行し、反応塔からの排出物を集塵機に導い
    て、ガスと固形物とに分離し、清浄となされた排ガスを
    大気に放出し、かつ集塵された粉塵、反応生成物および
    未反応石灰の混合物よりなる捕集物の一部を系外に排出
    するとともに、捕集物の残部を循環灰として反応塔に再
    循環する半乾式排ガス脱硫/脱塩方法において、石灰ス
    ラリーの噴霧用媒体として、水蒸気を使用することを特
    徴とする、半乾式排ガス脱硫/脱塩方法。
  2. 【請求項2】 上記請求項1記載の半乾式排ガス脱硫/
    脱塩方法において、石灰スラリーを排ガス中に噴霧する
    ノズルとは別に設けられたノズルから水蒸気を排ガス中
    に吹き込むことを特徴とする、半乾式排ガス脱硫/脱塩
    方法。
  3. 【請求項3】 排ガス中に水蒸気を噴霧するにあたり、
    水蒸気と排ガス調湿用水とのいずれかを切り替えバルブ
    により切り替えて噴霧するようにしたことを特徴とす
    る、請求項2記載の半乾式排ガス脱硫/脱塩方法。
  4. 【請求項4】 水蒸気に代えて一部圧縮空気を使用する
    ことを特徴とする、請求項1〜3のうちのいずれか1項
    記載の半乾式排ガス脱硫/脱塩方法。
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