JP2002044798A - 音声再生装置 - Google Patents

音声再生装置

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JP2002044798A
JP2002044798A JP2000231667A JP2000231667A JP2002044798A JP 2002044798 A JP2002044798 A JP 2002044798A JP 2000231667 A JP2000231667 A JP 2000231667A JP 2000231667 A JP2000231667 A JP 2000231667A JP 2002044798 A JP2002044798 A JP 2002044798A
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Japan
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sound
digital filter
digital
impulse response
audio signal
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JP2000231667A
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Yuji Yamada
裕司 山田
Hiroshi Kurisu
博史 栗栖
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インパルス応答に必要なメモリ容量を低減し
つつ、任意の位置に充分な距離感を与えた音像定位を実
現できる音声再生装置の提供を目的とする。 【解決手段】 予め測定あるいは計算により算出された
音源から受聴者の左耳及び右耳までのこの音源に対する
2系統のインパルス応答を夫々デジタルフィルタ13
a,13bにより再現し、任意の位置に音像を定位させ
る音声再生装置において、このデジタルフィルタ13
a,13bを構成するデータを保存時に高効率符号化し
て保存し、デジタルフィルタ演算時には復号化して演算
するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は予め測定あるいは計
算により算出された音源から受聴者の左耳及び右耳まで
のこの音源に対する2系統のインパルス応答を夫々デジ
タルフィルタにより再現し、任意の位置に音像を定位さ
せるようにした音声再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、映画等の映像に伴う音声信号は多
チャンネル信号が数多く用いられ、映像の両側及びセン
ターに置かれたスピーカおよび受聴者後方あるいは両横
におかれたスピーカ等によって再生されることを想定し
て記録されている。これにより、映像中の音源と実際に
聞こえてくる音像位置が一致しさらに自然な広がりをも
った音場が確立される。
【0003】しかし、従来のヘッドホンを使用した音声
再生装置を使用してこのような音声を鑑賞しようとした
場合、音声入力による音像は頭の中に定位し、映像位置
と音像定位位置が一致せず、極めて不自然な音像定位と
なる。さらに各チャンネルの音声信号の定位位置を分離
独立して再生することは出来なかった。もちろん楽音等
の多チャンネルの音声だけを鑑賞する場合も同様でスピ
ーカ再生と異なり音が頭の中から聞こえ音像定位位置が
分離せず極めて不自然な音場再生であった。
【0004】上述を改善する為ヘッドホンを使用した音
声再生装置で聴取しても、スピーカで再生した場合と同
等の音場を得る為に、あらかじめ各チャンネル用に置か
れたスピーカから受聴者の両耳までの伝達関数を測定あ
るいは計算し、これらをデジタルフィルタ等のフィルタ
により音声信号に畳込んだ後、ヘッドホンにより聴取す
るステレオ頭外音像定位型の音声再生装置が提案されて
いる。
【0005】図9は、このステレオ頭外音像定位型のヘ
ッドホンを使用した音声再生装置の構成を示している。
この音声再生装置は、入力左音声信号及び入力右音声信
号による音像をそれぞれ頭外に定位させるものである。
【0006】まず、図10を使用して、音像定位の原理
を説明する。音源SLより受聴者Mの左耳及び右耳には
夫々HLL,HLRなる伝達関数を持つ経路を通して音
が伝達する。また、音源SRより受聴者Mの左耳及び右
耳には夫々HRL,HRRなる伝達関数を持つ経路を通
して音が伝達する。そのため、この状態をヘッドホンを
使用して再現するためには、音源SLに対応する入力左
音声信号Salを伝達関数HLLを実現するフィルタを
通して左音声信号Sbllを得ると共に、入力左音声信
号Salを伝達関数HLRを実現するフィルタを通して
右音声信号Sblrを得ると共に、音源SRに対応する
入力右音声信号Sarを伝達関数HRLを実現するフィ
ルタを通して左音声信号Sbrlを得ると共に、入力右
音声信号Sarを伝達関数HRRを実現するフィルタを
通して右音声信号Sbrrを得るようにする。そして、
出力左音声信号(Sbll+Sbrl)及び出力右音声
信号(Sblr+Sbrr)によりヘッドホンを駆動す
ればよい。
【0007】次に、図9のヘッドホンを使用した音声再
生装置の構成を説明する。この音声再生装置は、入力左
音声信号Salが供給される入力端子1Lと、入力右音
声信号Sarが供給される入力端子1Rと、音声信号S
al及びSarをそれぞれデジタル信号に変換するA/
D変換器2L及び2Rと、デジタル信号に変換された音
声信号Sal及びSarに対してフィルタ処理をする信
号処理回路3L及び3Rと夫々の2系統の出力を加算す
る加算器7L及び7Rとを有している。
【0008】信号処理回路3Lは、図11に示すような
2個のデジタルフィルタ8,9を有して構成される。そ
して、一方のデジタルフィルタ8では音声信号Salに
対して伝達関数HLLを時間軸に変換したインパルス応
答が畳み込まれて左音声信号Sbllが形成され、他方
のデジタルフィルタ9では、音声信号Salに対して伝
達関数HLRを時間軸に変換したインパルス応答が畳み
込まれて右音声信号Sblrが形成される。
【0009】信号処理回路3Rも、同様に図11に示す
ような2個のデジタルフィルタ8,9を有して構成され
る。そして、一方のデジタルフィルタ8では音声信号S
arに対して伝達関数HRLを時間軸に変換したインパ
ルス応答が畳み込まれて左音声信号Sbrlが形成さ
れ、他方のデジタルフィルタ9では、音声信号Sarに
対して伝達関数HRRを時間軸に変換したインパルス応
答が畳み込まれて右音声信号Sbrrが形成される。
【0010】このインパルス応答データは図12のよう
な特性を有し、これを再現するための各デジタルフィル
タは例えば、図13に示す様なFIRフィルタで構成さ
れる。また、図11の構成を実現するデジタルフィルタ
は図14の様にまとめて構成することもできる。
【0011】また、信号処理出力は信号処理回路3L及
び3Rより出力される左音声信号Sbll及びSbrl
を加算して出力左音声信号Sblを得るための加算器7
Lと、信号処理回路3L及び3Rより出力される右音声
信号Sblr及びSbrrを加算して出力右音声信号S
brを得るための加算器7Rと、音声信号Sbl及びS
brをそれぞれアナログ信号に変換するD/A変換器4
L及び4Rと、アナログ信号に変換された音声信号Sb
l及びSbrをそれぞれ増幅する電力増幅器5L及び5
Rと、増幅された音声信号Sbl及びSbrがそれぞれ
供給されるヘッドホン6の左及び右スピーカ6L及び6
Rとを有している。
【0012】図9に示す音声再生装置の動作を説明す
る。入力端子1Lに供給される入力左音声信号Salは
A/D変換器2Lでデジタル信号に変換された後に信号
処理回路3Lに供給される。そして、信号処理回路3L
の2個のデジタルフィルタ8,9では、それぞれ音声信
号Salに対して伝達関数HLL,HLRを時間軸に変
換したインパルス応答が畳み込まれて左音声信号Sbl
l、右音声信号Sblrが形成される。
【0013】また、入力端子1Rに供給される入力右音
声信号SarはA/D変換器2Rでデジタル信号に変換
された後に信号処理回路3Rに供給される。そして、信
号処理回路3Rの2個のデジタルフィルタ8,9では、
それぞれ音声信号Sarに対して伝達関数HRL,HR
Rを時間軸に変換したインパルス応答が畳み込まれて左
音声信号Sbrl、右音声信号Sbrrが形成される。
【0014】そして、左音声信号Sbll及びSbrl
が加算器7Lで加算されて出力左音声信号Sblが得ら
れると共に、右音声信号Sblr及びSbrrが加算器
7Rで加算されて出力右音声信号Sbrが得られる。こ
れら音声信号Sbl及びSbrは、それぞれD/A変換
器4L及び4Rでアナログ信号に変換され、さらに電力
増幅器5L及び5Rで増幅された後にヘッドホン6の左
及び右スピーカ6L及び6Rに供給される。従って、ヘ
ッドホン6の左及び右スピーカ6L及び6Rは音声信号
Sbl及びSbrにより駆動され、入力左音声信号Sa
l及び入力右音声信号Sarによる音像をそれぞれ頭外
に定位させることができる。つまり、受聴者Mがヘッド
ホン6を装着するとき、図10に示すように頭外に音源
SL及びSRがある状態が再現される。
【0015】この音声再生装置によれば音像定位は頭外
に定位するようになる。しかし、充分な距離感を得るた
めには各スピーカ(チャンネル)から両耳へのインパル
ス応答を有響室で測定した残響時間の長いデータを使用
する必要があり、膨大なフィルタ量になると言う問題が
ある。これをデジタルフィルタで実現する場合はその演
算量及びメモリ容量が非常に大きくなる。
【0016】一方スピーカ再生においてはスピーカレイ
アウトの制約があり、多数のスピーカをリスニングルー
ムに設置出来る受聴者(リスナ)は限られるという問題
がある。この問題を解決するために少ないスピーカ数
(例えば2個のスピーカ)で多数の音源をリスナの周り
に構成しようと言う試みがある。
【0017】図15は、2個のスピーカを使用した音声
再生装置の構成を示している。この音声再生装置は、2
個のスピーカ46L,46Rで任意の位置に入力音声信
号の音像を定位させるものである。
【0018】まず、図16を使用して、音像定位の原理
を説明する。音源SL及び音源SRを使用して等価的に
音源SOを再現する場合、音源SLから受聴者Mの左
耳、右耳にいたる伝達関数をそれぞれHLL,HLR、
音源SRから受聴者Mの左耳、右耳にいたる伝達関数を
それぞれHRL,HRR、さらに音源SOから受聴者M
の左耳、右耳にいたる伝達関数をそれぞれHOL,HO
Rとすると、音源SLは(1)式のように表され、音源
SRは(2)式のように表される。
【0019】
【0020】
【0021】従って、音源SOに対応する入力音声信号
Saoを(1)式の伝達関数部分を実現するフィルタを
通して出力左音声信号Sblを得ると共に、この入力音
声信号Saoを(2)式の伝達関数部分を実現するフィ
ルタを通して出力右音声信号Sbrを得、これら音声信
号Sbl,Sbrによって音源SL,SRの位置に配さ
れた2個のスピーカを駆動することにより、音源SOの
位置に音声信号Saoによる音像を定位させることがで
きる。
【0022】次に、図15のスピーカを使用した音声再
生装置の構成を説明する。この音声再生装置は、入力音
声信号Saoが供給される入力端子41と、音声信号S
aoをデジタル信号に変換するA/D変換器42と、デ
ジタル信号に変換された音声信号Saoに対してフィル
タ処理をする信号処理装置43とを有している。
【0023】信号処理装置43は、図11に示すような
2個のデジタルフィルタを有して構成される。そして、
一方のデジタルフィルタでは音声信号Saoに対して
(1)式の伝達関数部分を時間軸に変換したインパルス
応答が畳み込まれて出力左音声信号Sblが形成され、
他方のデジタルフィルタでは、音声信号Saoに対して
(2)式の伝達関数部分を時間軸に変換したインパルス
応答が畳み込まれて出力右音声信号Sbrが形成され
る。
【0024】また、図15のスピーカを使用した音声再
生装置は、音声信号Sbl及びSbrをそれぞれアナロ
グ信号に変換するD/A変換器44L及び44Rと、ア
ナログ信号に変換された音声信号Sbl及びSbrをそ
れぞれ増幅する電力増幅器45L及び45Rと、増幅さ
れた音声信号Sbl及びSbrがそれぞれ供給される左
スピーカ46L及び右スピーカ46Rとを有している。
なお、スピーカ46L及び46Rは、それぞれ受聴者M
に対して音源SL及びSRの位置に配される。
【0025】伝達関数を実現するデジタルフィルタは例
えば図13に示すようなFIRフィルタが使用される。
この場合2個のFIRフィルタを合成して図14に示す
ようなデジタルフィルタを構成し構成要素を低減するこ
とも可能である。
【0026】図15に示す音声再生装置の動作を説明す
る。入力端子41に供給される入力音声信号SaoはA
/D変換器42でデジタル信号に変換された後に信号処
理回路43に供給される。そして、信号処理回路43の
2個のデジタルフィルタでは、それぞれ音声信号Sao
に対して(1)式、(2)式の伝達関数部分を時間軸に
変換したインパルス応答が畳み込まれて出力左音声信号
Sbl、出力右音声信号Sbrが形成される。
【0027】そして、音声信号Sbl及びSbrは、そ
れぞれD/A変換器44L及び44Rでアナログ信号に
変換され、さらに増幅器45L及び45Rで増幅された
後に、スピーカ46L及び46Rに供給される。従っ
て、スピーカ46L及び46Rは音声信号Sbl及びS
brにより駆動され、入力音声信号Saoによる音像を
音源SOの位置に定位させることができる。
【0028】従って多数の音源に対しては以上の処理を
音源の数だけ設ければよい。この音声再生装置の場合ス
ピーカレイアウトの問題は低減できるがこの機能を実現
するための信号処理の演算量及びメモリ容量が大きくな
ると言う問題がある。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに多チャンネルの音声信号を任意の位置に充分な距離
感を実現しながら定位する音像として再生しようとした
場合、更新するインパルスレスポンスの応答時間が長く
なり従って必要メモリ容量が大きくなり、大型かつ高価
なシステムになってしまうという問題があった。
【0030】本発明は、斯る点に鑑みてなされたもので
あり、インパルスレスポンスに必要なメモリ容量を低減
しつつ、任意の位置に充分な距離感を与えた音像定位を
実現できる音声再生装置の提供を目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明音声再生装置は予
め測定あるいは計算により算出された音源から受聴者の
左耳及び右耳までのこの音源に対する2系統のインパル
ス応答を夫々デジタルフィルタにより再現し、任意の位
置に音像を定位させる音声再生装置において、このデジ
タルフィルタを構成するデータを保存時に高効率符号化
して保存し、デジタルフィルタ演算時には復号化して演
算するようにしたものである。
【0032】斯る本発明によればデジタルフィルタを構
成するデータを保存時に高効率符号化して保存し、デジ
タルフィルタ演算時には復号化して演算するようにする
ので信号処理装置の演算スピードによって少ない遅延メ
モリを見かけ上多くして使用できるようになり、特に処
理スピードが速いが遅延メモリが少ないデバイスで効率
よくインパルス応答を再現でき、音像定位処理を行う場
合に有効である。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図3を参照して本発
明音声再生装置の実施の形態の例につき説明しよう。
【0034】図1において、11は音声信号が入力され
る音声信号入力端子を示し、この音声信号入力端子11
に供給される音声信号をアナログ信号をデジタル信号に
変換するA/D変換器12を介してデジタルの信号処理
回路13に供給する。
【0035】このデジタル信号処理回路13は入力音声
信号が夫々供給される2つのデジタルFIRフィルタ1
3a及び13bより成り、このデジタルFIRフィルタ
13a及び13bは入力された音声信号をヘッドホンで
受聴したとき決められた方向に対して頭外音像定位を得
るようにデジタル信号処理を行うものである。
【0036】本例においては、このデジタルFIRフィ
ルタ13a及び13bで再現される信号は図2の音像定
位の原理の説明図に示す音源Sと受聴者Mの左耳及び右
耳の2系統の伝達関数HL及びHRに対応するインパル
ス応答とする。即ち、インパルス応答の例として図12
に示す特性を考えるとき、そこで示されたインパルス応
答がこのデジタルFIRフィルタ13a及び13bで再
現する如くする。
【0037】一般にこのデジタルFIRフィルタを構成
する遅延線b0,b1‥‥はインパルス応答のタップ数
だけ必要となり従ってデジタルデータをそのままリニア
に保存したときは、そのデジタルデータのビット長×タ
ップ数の容量が必要であり膨大なメモリ容量となる。
【0038】本例においては、このメモリ容量を低減す
るため、このデジタルFIRフィルタ13a,13bを
図3に示す如く構成する。即ち、保存するデジタルデー
タを高効率符号化して保存し、演算するときに復号化す
るように構成すると、この符号化の圧縮率に応じてデー
タを保存するのに要するメモリ容量を少なくできる。
【0039】この図3につき説明するに、11aはデジ
タル化した入力音声信号が供給される入力端子を示し、
この入力端子11aを符号化器20を介して複数の遅延
線b1,b2‥‥の直列回路に接続すると共にこの遅延
線b1,b2‥‥の各接続点即ちタップを夫々復号化器
21及びこの復号化器21の出力信号に係数を乗算する
乗算器a1,a2‥‥を介して、加算器c1,c2‥‥
に供給し、この加算器c1,c2‥‥cnの加算出力を
出力端子13cに供給する如くする。
【0040】この符号化器20、復号化器21としては
例えば表1に示す如き準瞬時圧縮伸張で行う如くする。
例えば、16ビット長のデータを表1に示すような圧伸
則によって12ビット長に圧縮した場合に、1つの遅延
線bのメモリ容量が1ワードあたりのビット長が24ビ
ットものを使用したとすれば圧縮された12ビットデー
タを2ワード保存することができ、この1つの遅延線b
を2つの遅延線b1,b2として使用することができ
る。
【0041】
【0042】この入力端子11aに供給される16ビッ
トデータを符号化器20で12ビットデータに符号化
し、例えば24ビット遅延線bの12ビット分で構成さ
れる遅延線b1に保存される。次のサンプリングでこの
12ビットデータが12ビット分で構成する遅延線b
2,b3‥‥に順次転送され保存される。
【0043】そして、係数と積和演算するときには、復
号化器21により再び16ビットに復号され積和演算を
行う。従って、図3例のデジタルFIRフィルタにおい
ても図13例のデジタルFIRフィルタと同様の音像定
位処理を行うことができる。
【0044】この図3例のデジタルFIRフィルタによ
れば例えば16ビットデータを24ビットのメモリに1
ワードずつ保存する場合に比べて半分のメモリ容量で同
じ処理を行うことができる。
【0045】上述例では符号化器20、復号化器21と
して、16ビットを12ビットに圧縮する準瞬時圧縮伸
張を使用したが、この符号化器20として、入力信号を
複数のサブバンドに分割した上でそれぞれのバンドを聴
覚特性を利用して必要最小限のビット数で量子化するサ
ブバンド符号化等を利用することもできる。これによ
り、更にメモリの利用効率は改善される。
【0046】また、図1に示す如く、このデジタル信号
処理回路13でデジタル信号処理されたデジタルの出力
左音声信号及び出力右音声信号を夫々デジタル信号をア
ナログ信号に変換するD/A変換器14L及び14Rに
供給してアナログの出力左音声信号及び出力右音声信号
とする。
【0047】このD/A変換器14L及び14Rに得ら
れるアナログの出力左音声信号及び出力右音声信号を夫
々電力増幅器15L及び15Rを介してヘッドホン16
の左スピーカ16L及び右スピーカ16に供給し、この
ヘッドホン16の左スピーカ16L及び右スピーカ16
Rで再生することにより、2チャンネルの音像をヘッド
ホンを装着した受聴者の頭外の任意の位置に定位させる
ことができる。
【0048】斯る本例によれば、デジタルFIRフィル
タ13a,13bを構成するデータを保存時に高効率符
号化して保存しデジタルフィルタ演算時に復号化して演
算するようにしたので、信号処理回路13の演算スピー
ドによって少ない遅延線b1,b2‥‥のメモリ容量を
見かけ上多くして使用できるようになり、特に処理スピ
ードが速いが遅延線のメモリ容量が少ないデバイスで効
率よく音像定位処理を行う場合に有効である。
【0049】またこの信号処理回路13を構成するデジ
タルFIRフィルタ13a及び13bの他の例を図4、
図5及び図6に示す。この図4、図5及び図6につき説
明するに図3に対応する部分には同一符号を付し、その
詳細説明は省略する。
【0050】まず図4例につき説明する。一般に頭部伝
達関数のインパルス応答特性は図12に示す如く、最初
に振幅の大きい頭部伝達関数時間T1例えば2〜3mS
があり、続いて比較的振幅の小さい反射音時間T2例え
ば50〜60mSがある。
【0051】従って、インパルス応答を精度良く再現し
ようとしたときには、頭部伝達関数時間T1が含まれる
データはできるだけ精度良く計算することが好ましい。
【0052】そこで図4例においては、デジタルFIR
フィルタ13a,13bを遅延時間が頭部伝達関数時間
T1例えば2〜3mSに相当する前半部13T1と反射
音時間T2例えば50〜60mSに相当する後半部13
T2とに分割する。
【0053】この前半部13T1は、図13に示す如く
入力音声を遅延処理する直列接続された複数のタップ付
遅延線b0 ,b0 ‥‥と、この複数のタップ付き遅延線
0,b0 ‥‥の各タップの信号に係数を乗算する複数
の乗算器a,a‥‥と、この複数の乗算器a,a‥‥の
出力を加算する複数の加算器c,c‥‥とから構成し、
この頭部伝達時間T1に相当する初期のインパルス応答
を再現する処理の遅延線b0 ,b0 ‥‥には高効率符号
化しないリニアなデータを保存する。
【0054】この後半部13T2は図3に示す如く符号
化器20及び復号化器21を設けたものとし、反射音に
相当する反射音時間T2のインパルス応答には高効率符
号化したデータを遅延線b1,b2‥‥に保存する如く
する。
【0055】斯る図4例を使用したときには反射音時間
T2部のインパルス応答に必要とされるメモリ容量を低
減することになり、演算精度を確保しつつ、メモリ容量
の有効利用を実現することができる。
【0056】次に図5例につき説明する。また上述した
如く頭部伝達関数のインパルス応答特性は図12に示す
如く、最初に振幅の大きい頭部伝達関数時間T1例えば
2〜3mSがあり、続いて比較的振幅の小さい反射音時
間T2例えば50〜60mSがある。
【0057】従って、インパルス応答を精度良く再現し
ようとしたきには、頭部伝達関数時間T1が含まれるデ
ータはできるだけ精度良く計算することが好ましい。一
方反射音時間T2の反射音に関してはインパルス応答の
再現性は問わず、残響時間を長くすることにより置き換
えることができる。
【0058】そこで、図5例においては、図4例と同様
にデジタルFIRフィルタ13a,13bを遅延時間が
頭部伝達関数時間T1例えば2〜3mSに相当する前半
部13T1と反射音時間T2例えば50〜60mSに相
当する後半部13T2とに分割する。
【0059】この前半部13T1は、図4例と同様に図
13に示す如く入力音声を遅延処理する直列接続された
複数のタップ付遅延線b0 ,b0 ‥‥と、この複数のタ
ップ付き遅延線b0 ,b0 ‥‥の各タップの信号に係数
を乗算する複数の乗算器a,a‥‥と、この複数の乗算
器a,a‥‥の出力を加算する複数の加算器c,c‥‥
とから構成し、この頭部伝達時間T1に相当する初期の
インパルス応答を再現する処理の遅延線b0 ,b0 ‥‥
には高効率符号化しないリニアなデータを保存する。
【0060】この後半部13T2はインパルス応答は残
響付加装置22により構成し、上述前半部13T1の出
力信号を符号化器20によって高効率符号化したデータ
をこの残響付加装置22に保存し、この残響付加装置2
2から読み出された複数のデータが復号化器21により
元のデータ長に復号され、乗算器aで係数が乗算された
後、加算器cで夫々が加算されこの加算出力が出力端子
13cに供給される。
【0061】この図5例では残響付加装置22の入力側
W1で書き込まれた符号化されたデータが、異なる遅延
時間を経過後出力端子R1,R2‥‥Rnより読み出さ
れる。
【0062】斯る図5例をデジタルFIRフィルタ13
a,13bとして使用したときには、後半部13T2の
インパルス応答に必要とするメモリ容量を低減でき、な
おかつ後半部の反射音時間T2を残響付加装置22で構
成したので復号化する必要のあるデータ数を低減するこ
とができ、メモリ容量だけでなく演算時間も低減でき
る。
【0063】また図5例は、前半部13T1のFIRフ
ィルタの加算出力信号を符号化器20を介して残響付加
装置22に供給するようにしたが、この代わりに図6に
示す如く、前半部13T1のFIRフィルタの遅延線の
出力側に得られる信号を符号化器20を介して、この残
響付加装置22に入力し、この前半部13T1の加算出
力とこの残響付加装置22の加算出力とを加算するよう
にしても、図5例同様の作用効果が得られる。
【0064】また残響付加装置22としては図7に示す
如き構成の他に、図8に示す如く帰還を含む構成、ある
いはこれらの組み合わせにて構成できる。
【0065】尚、上述例はヘッドホン16を使用した音
声再生装置に本発明を適用した例につき述べたが、本発
明を2個のスピーカを使用した音声再生装置に適用でき
ることは勿論である。
【0066】また、本発明は上述例に限ることなく本発
明の要旨を逸脱することなく、その他種々の構成が採り
得ることは勿論である。
【0067】
【発明の効果】本発明に係る音声再生装置は、信号処理
回路の演算スピードによって少ない遅延線のメモリ容量
を見かけ上多くして使用できるようになり、特に処理ス
ピードが速いが遅延線のメモリ容量が少ないデバイスで
効率よくインパルス応答を再現でき、音像定位処理を行
う場合に有効となる。
【0068】また、本発明によれば再現するインパルス
応答の後部すなわち反射音時間部にのみ高効率符号化に
より遅延線への読み書きをおこない、インパルス応答の
前半部すなわち頭部伝達関数時間部に対してはもともと
の高精度データを使用するので、演算精度を確保しつつ
メモリ容量の低減を実現することが出来る。
【0069】また、本発明によれば再現するインパルス
応答の後部すなわち反射音時間部に残響付加装置を用い
ることにより、高効率符号化、復号化の演算数自体も少
なくすることが可能となり、演算量の増大を押さえつ
つ、メモリ容量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明音声再生装置の実施の形態の例を示す構
成図である。
【図2】音像定位の原理の説明に供する線図である。
【図3】図1のデジタルFIRフィルタの例を示す構成
図である。
【図4】図1のデジタルFIRフィルタの他の例を示す
構成図である。
【図5】図1のデジタルFIRフィルタの他の例を示す
構成図である。
【図6】図1のデジタルFIRフィルタの他の例を示す
構成図である。
【図7】残響付加装置の例を示す構成図である。
【図8】残響付加装置の例を示す構成図である。
【図9】従来の音声再生装置の例を示す構成図である。
【図10】音像定位の原理を説明するための線図であ
る。
【図11】信号処理回路の例を示す構成図である。
【図12】インパルス応答特性の例を示す線図である。
【図13】FIRフィルタの例を示す構成図である。
【図14】FIRフィルタの例を示す構成図である。
【図15】従来の音声再生装置の例を示す構成図であ
る。
【図16】音像定位の原理の説明に供する線図である。
【符号の説明】
11‥‥音声信号入力端子、11a‥‥入力端子、12
‥‥A/D変換器、13‥‥信号処理回路、13a,1
3b‥‥デジタルFIRフィルタ、14L,14R‥‥
D/A変換器、15L,15R‥‥電力増幅器、16‥
‥ヘッドホン、20‥‥符号化器、21‥‥復号化器、
22‥‥残響付加装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め測定あるいは計算により算出された
    音源から受聴者の左耳及び右耳までの前記音源に対する
    2系統のインパルス応答を夫々デジタルフィルタにより
    再現し、任意の位置に音像を定位させる音声再生装置に
    おいて、 前記デジタルフィルタを構成するデータを保存時に高効
    率符号化して保存し、デジタルフィルタ演算時には復号
    化して演算するようにしたことを特徴とする音声再生装
    置。
  2. 【請求項2】 予め測定あるいは計算により算出された
    音源から受聴者の左耳及び右耳までの音源に対する2系
    統のインパルス応答を夫々デジタルフィルタにより再現
    し、任意の位置に音像を定位させる音声再生装置におい
    て、 前記各デジタルフィルタを再現するインパルス応答の応
    答時間の早い部分を再現する第1のデジタルフィルタと
    遅い部分を再現する第2のデジタルフィルタとに分割
    し、前記第1のデジタルフィルタはリニアなデータによ
    り実現し、前記第2のデジタルフィルタはデータを高効
    率符号化して保存し、これを復号化して演算するように
    したことを特徴とする音声再生装置。
  3. 【請求項3】 予め測定あるいは計算により算出された
    音源から受聴者の左耳及び右耳までの音源に対する2系
    統のインパルス応答を夫々デジタルフィルタにより再現
    し、任意の位置に音像を定位させる音声再生装置におい
    て、 前記各デジタルフィルタを再現するインパルス応答の応
    答時間の早い部分を再現する第1のデジタルフィルタと
    残響付加装置を構成する第2のデジタルフィルタとによ
    り構成し、前記第1のデジタルフィルタを構成する遅延
    線はリニアなデータを保存し、前記第2のデジタルフィ
    ルタを構成する残響付加装置にて遅延線へ保存するデー
    タを高効率符号化して保存し、前記遅延線から読み出し
    たデータを復号化して演算するようにしたことを特徴と
    する音声再生装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の音声再生装置
    において、 前記高効率符号化、復号化は準瞬時圧縮伸張で行なった
    ことを特徴とする音声再生装置。
  5. 【請求項5】 請求項1、2又は3記載の音声再生装置
    において、 前記高効率符号化、復号化はサブバンド符号化で行った
    ことを特徴とする音声再生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009508158A (ja) * 2005-09-13 2009-02-26 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 頭部伝達関数を表すパラメータを生成及び処理する方法及び装置

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