JPH0869298A - 再生装置 - Google Patents

再生装置

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JPH0869298A
JPH0869298A JP6203901A JP20390194A JPH0869298A JP H0869298 A JPH0869298 A JP H0869298A JP 6203901 A JP6203901 A JP 6203901A JP 20390194 A JP20390194 A JP 20390194A JP H0869298 A JPH0869298 A JP H0869298A
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JP
Japan
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signal
transfer characteristic
voice
audio
unit
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP6203901A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidetoshi Yamada
秀俊 山田
Haruko Nishikawa
治子 西川
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0869298A publication Critical patent/JPH0869298A/ja
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  • Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】符号化され記録された音声を再生する場合にお
いて、符号化によって生じる再生時の音声の歪を抑制す
ることができ、良好な音質を得ることができる再生装置
を提供する。 【構成】音声をデジタル信号に変換し、符号/復号化部
2により符号化して記録した音声メモリ部4から、上記
音声を再生する再生装置であり、上記音声メモリ部4か
ら読み出された符号化情報が符号/復号化部2により復
号化されて音声信号となる。そして、上記符号/復号化
部2により復号化された音声信号に伝達特性の補正が伝
達特性補正部5により行われ、上記伝達特性補正部5に
より補正された音声信号が出力部6により出力される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音声信号を再生する装
置に関し、特に音声符号化方式を用いて圧縮記録した信
号を再生する再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】音声信号をデジタル信号に変換してメモ
リに記録し再生するタイプの音声記録再生装置は、例え
ば、特開平4−293100号公報には以下のような旨
の開示がある。これは、固体記録素子(メモリ)を用い
たデジタル録音再生装置であり、簡単な構成で音声情報
を圧縮でき、これにより、ビットレートの少ない状態で
実用的な録音再生を行うことが可能なものである。
【0003】しかし、このような記録再生装置において
は、メモリの容量に制限があり、メモリに記録されるデ
ータ量を減らすために、デジタル化された音声信号に対
して高能率符号化を施すことにより発生するデータ量を
できるだけ少なくすることが長時間の録音を可能にする
うえで有効である。
【0004】そこで、近年、デジタル信号処理により、
情報を高能率に圧縮する音声符号化方式が実用化されて
いる。例えば、予測符号化(DPCM)では過去の音声
信号からの予測値と信号との差分を量子化して符号化す
る。また、サブバンド符号化(SBC:Sub Band C
oding )では、入力信号を複数周波数帯域に分割し、分
割された各サブバンドの信号エネルギに応じたビットを
割り当てて符号化を行う。
【0005】さらに、音声品質を保ちつつ情報圧縮を実
現する音声符号化方式としてCELP(Code −Excit
ed Linear Prediction coding)符号化方式等の分析
合成方式による音声符号化技術が用いられている。上記
分析合成方式では音声をスペクトル包絡を表す線形予測
パラメータと、線形予測残差信号に対応する音源パラメ
ータとで符号化している。CELP型符号化装置は、符
号帳に記録されているベクトルを音源信号とする音声合
成装置であり、最適音源信号を定めるために、入力音声
信号と合成音声との誤差を最小にするベクトルとベクト
ルに乗じる利得値とを決定する。復号化装置においては
線形予測パラメータと音源信号とを用いて入力音声信号
を最も良く近似する再生信号が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】先に述べたような高能
率符号化によるデータ圧縮では、データ量を削減するた
めに、処理された信号や各パラメータを量子化してい
る。このため、原音声との誤差が生じ、再生時において
これが音声の歪感として知覚されてしまう。
【0007】さらに、上述したようなメモリに記録し再
生するタイプの録音再生装置では、再生時にスピーカで
なくイヤホン、あるいはヘッドホンを用いることが多い
が、このような受聴時にはスピーカ再生の場合に比較し
て、歪感を強く感じることが多い。
【0008】この原因として、次のことが考えられる。
通常、音声を聞くときには話者からある程度の距離を隔
てて聞く場合がほとんどである。そのため、聴取者は、
空気中を直接伝搬して耳に到達する音(直接音)だけで
なく、室内の壁等で反射・吸収されることにより、減衰
し遅れて到達する音(残響音)も同時に聞くことにな
る。また、聴取者の耳介のくぼみで生じる共振・反共振
現象により、再生音は変化させられる。
【0009】これに対して、上述したような録音再生装
置では、通常、話者の口に近い位置で音声を録音するた
め、直接音が主となっている。そのため、再生された音
声をイヤホンやヘッドホンで聞いた場合には、直接音し
か聞こえず、スピーカ再生の場合に比べて、歪感を強く
感じることになる。
【0010】また、イヤホンやヘッドホンで聞く場合に
は、耳介のくぼみによる共振・反共振現象が生じない。
これらのことが影響し、通常とは異なる状態で音声を聞
くことになり、歪感を強く感じるものと思われる。
【0011】以上のような再生時の音声の歪感は、再生
装置を使用するときに問題となり、この歪感を知覚しに
くくすることが課題となっている。そこで、本発明は上
記課題に鑑みてなされたものであり、符号化され記録さ
れた音声を再生する場合において、符号化によって生じ
る再生時の音声の歪感を抑制することができ、良好な音
質を得ることができる再生装置を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の再生装置は、音声をデジタル信号に
変換し符号化して記録したメモリから、上記音声を再生
する再生装置であり、上記メモリから読み出された符号
化情報を復号化して音声信号とする音声復号化手段と、
上記音声復号化手段により復号化された上記音声信号に
伝達特性の補正を行う伝達特性補正手段と、上記伝達特
性補正手段により補正された音声信号を出力する音声出
力手段とを具備したことを特徴とする。
【0013】さらに、請求項2に記載の再生装置は、上
記伝達特性補正手段が、上記伝達特性の補正として残響
特性を付加することを特徴とする。さらに、請求項3に
記載の再生装置は、上記伝達特性補正手段が、上記伝達
特性の補正として左右両耳間に特性の異なる残響を付加
することを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明の再生装置は、音声をデジタル信号に変
換し符号化して記録したメモリから、上記音声を再生す
る再生装置であり、上記メモリから読み出された符号化
情報が音声復号化手段により復号化されて音声信号とな
る。そして、上記音声復号化手段により復号化された音
声信号に伝達特性の補正が伝達特性補正手段により行わ
れ、上記伝達特性補正手段により補正された音声信号が
音声出力手段により出力される。
【0015】さらに、上記伝達特性補正手段により、復
号化された上記音声信号に対して残響特性が付加され
る。さらに、上記伝達特性補正手段により、復号化され
た上記音声信号に対して左右両耳間に特性の異なる残響
が付加される。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。 [第1実施例]図1は、本発明に係る第1実施例の再生
装置を適用した音声記録再生装置の構成を示す図であ
る。
【0017】同図において、入力部1はマイクロホン1
0、マイクアンプ11、ローパスフィルタ(LPF)1
2、アナログ/デジタル(A/D)変換器13から成
り、上記マイクロホン10はマイクアンプ11、ローパ
スフィルタ12、さらにA/D変換器13を介して符号
/復号化部2に接続されている。上記ローパスフィルタ
12は、音声(発生音源)の発する周波数成分のうち、
ノイズ、すなわち不要な高周波数成分を遮断するもので
あるが、録音対象の周波数に応じてその遮断周波数を設
定することができ、例えば、人間の声を対象とする場合
には、主に人間の声の帯域を抜き出すために10KHz
以上の周波数帯域を遮断するように設定する。
【0018】上記符号/復号化部2は、メモリインタフ
ェース3を介して音声メモリ部4に接続されている。上
記音声メモリ部4には、例えば、半導体メモリ素子が内
蔵されたメモリカードなどが用いられ、不図示のコネク
タを介して装置本体と着脱自在にされている。
【0019】また、符号/復号化部2は、伝達特性補正
部5に接続され、さらに、この伝達特性補正部5は、デ
ジタル/アナログ(D/A)変換器61に接続され、こ
のD/A変換器61の出力はローパスフィルタ(LP
F)62とパワーアンプ63とコネクタ64とを介して
再生部65に接続されている。なお、上記D/A変換器
61、ローパスフィルタ62、パワーアンプ63、コネ
クタ64にて出力部6を構成している。
【0020】ここで、再生部65としてはイヤホン、ヘ
ッドホン、あるいはスピーカ等が用いられる。さらに、
当該音声記録再生装置の動作を制御するシステム制御部
7は、入力部1と、符号/復号化部2と、メモリインタ
フェース3と、伝達特性補正部5と、出力部6と、録音
・再生・停止等の操作スイッチから成る操作入力部8に
それぞれ接続されている。また、上記コネクタ64はシ
ステム制御部7に接続されている。
【0021】次に、本第1実施例の音声記録再生装置の
動作について説明する。上述した構成において、操作者
が操作入力部8を介して録音操作を行なったとき、マイ
クロホン10から入力された音声アナログ信号がマイク
アンプ11で増幅されローパスフィルタ12によって、
音声成分のうち不要な高域周波数成分が遮断される。
【0022】上記ローパスフィルタ12からの出力信号
はA/D変換器13によって、デジタル信号に変換さ
れ、さらに、符号/復号化部2によって符号化される。
図2は、上記符号/復号化部2の構成を示す図である。
【0023】同図において、符号/復号化部2は、線型
予測分析器(LPC)20、適応符号帳21、確率符号
帳22、乗算器23,24、加算器25、合成フィルタ
26、減算器27、誤差評価器28、さらに、フレーム
遅延器29から構成されている。
【0024】上記符号/復号化部2は、適応符号帳21
及び確率符号帳22の二種類の符号帳を有しており、音
声信号の周期性に依存する成分を含むピッチベクトルC
A と、非周期的な成分を含んだコードベクトルCS を生
成し、乗算器23及び24において各々の利得(ピッチ
ゲインGA 及びコードゲインGS )を乗じて、加算器2
5で両者を加算することにより、駆動音源信号Yを発生
する。この駆動音源信号Yはフレーム遅延器29で1フ
レーム時間遅延され、次のフレームでの適応符号帳21
の音源を生成する。
【0025】入力音声信号は線型予測分析器20に入力
され、合成フィルタ係数Pが求められる。一方、上記駆
動音源信号Yは合成フィルタ係数Pが与えられた合成フ
ィルタ26に供給され、平均的スペクトル特性が与えら
れて合成音声が生成される。
【0026】この合成音声は減算器27に供給され、入
力信号Xとの誤差が求められる。これにより、求められ
た誤差Dは誤差評価器28に供給され、この誤差評価器
28は上記誤差Dを最小にする駆動音源を決定する。
【0027】そして、ピッチベクトルCA 、および確率
符号帳22から出力されるコードベクトルCS の各々の
インデックスIA ,IS と、乗算器23および24で各
々のベクトルに乗じる利得値のパラメータGA ,GS
と、合成フィルタ26におけるフィルタ係数Pを、入力
音声信号の符号化された情報として出力する。この符号
化された情報は、メモリインタフェース3を介して音声
メモリ部4に記録される。
【0028】次に、操作者が操作入力部8を介して再生
操作を行うと、システム制御部7はメモリインタフェー
ス3に、音声メモリ部4に記録された符号化情報の読み
出しを行うように指令する。すると、音声メモリ部4に
記録されていた符号化情報は、この制御動作により読み
出されて符号/復号化部2に入力され、録音動作時の符
号化方式に対応する復号化方式で復号化される。
【0029】すなわち、符号/復号化部2は符号化情報
を受信して、符号化された入力音声信号を最も良く近似
する合成音声に再生する。詳述すると、符号/復号化部
2は符号化情報を受信し、音源信号のインデックスIA
,IS に従って適応符号帳22と確率符号帳23から
音源信号ベクトルを出力し、各々に対して乗算器23及
び24において受信した利得GA ,GS を乗じて、加算
器25で両者を加算して駆動音源信号を発生する。この
駆動音源信号は、受信したフィルタ係数Pが与えられた
合成フィルタ26に供給され、スペクトル特性が付加さ
れて合成音声として再生される。
【0030】このような復号化によって復元された信号
は伝達特性補正部5に入力され、話者から聴取者の間に
成立する頭部音響伝達関数が演算されて、伝達特性が補
正される。
【0031】図3(a)は、上記伝達特性補正部5の構
成を示す図である。伝達特性補正部5は、離散フーリエ
変換回路(DFT)501、乗算回路502、伝達関数
メモリ503、離散逆フーリエ変換回路(IDFT)5
04とから成っている。符号/復号化部2は、上記離散
フーリエ変換回路501を介して乗算回路502に接続
され、さらに乗算回路502は離散逆フーリエ変換回路
504に接続されている。また、乗算回路502には、
伝達関数メモリ503が接続されている。
【0032】図3(b)は、上記頭部音響伝達関数につ
いて説明するための図である。音声が発せられる部分で
の音声信号をs(t)、それが聴取者の左右の鼓膜に達
した時の信号をeL (t),eR (t)とすると、これ
らは線形の関係にあり、それぞれの経路のインパルス応
答hL ,hR を用いて次の式で表せる。
【0033】
【数1】 これをs(t)、eL (t)、eR (t)、hL 、hR
のフーリエ変換S、EL、ER 、HL 、HR を用いて周
波数領域で表現すれば次のようになる。
【0034】EL =HL ・S、 ER =HR ・S このHL 、HR を頭部音響伝達関数と呼ぶ。さて、音声
再生時にはその時の再生条件に応じて、最適な頭部音響
伝達関数の種類がシステム制御部7によって選択され、
このシステム制御部7からの指令により、伝達関数メモ
リ503から最適な頭部音響伝達関数が読み出されて乗
算回路502に入力される。
【0035】一方、符号/復号化部2において復号化さ
れた音声信号は、伝達特性補正部5の離散フーリエ変換
回路501に入力される。この離散フーリエ変換回路5
01において音声信号が周波数領域での信号に変換され
る。離散フーリエ変換された音声信号は、乗算回路50
2において頭部音響伝達関数HL 、HR の乗算がなされ
る。
【0036】こうして補正された音声信号EL ,ER
は、離散逆フーリエ変換回路504で時間領域の信号e
L ,eR に戻され、出力部6のD/A変換器61に入力
されてアナログ信号に変換される。このアナログ信号は
ローパスフィルタ62を通して不要な高域周波数成分が
遮断され、パワーアンプ63にて増幅されたのちヘッド
ホン等の再生部65から再生音声として出力される。
【0037】ここで、最適な頭部音響伝達関数の種類を
選択するために、音声再生時に使用する再生部65によ
り、上記頭部音響伝達関数を変化させる。すなわち、再
生部65としてはイヤホン、ヘッドホン、あるいはスピ
ーカ等が用いられるため、どのような再生部材が用いら
れているかを検出し、最適な頭部音響伝達関数を使用す
る。
【0038】このため、出力部6にはこれらの再生部6
5を接続するためのコネクタ64が設けられ、このコネ
クタ64への接続状態から使用されている再生部材が検
出され、システム制御部7にこの信号が送られる。
【0039】そして、システム制御部7は検出された再
生部材に応じて、あらかじめ決定されているなかで最適
な頭部音響伝達関数を選定し、この選択信号を伝達関数
メモリ503に送出する。そして、伝達特性補正部5で
は選択された最適な頭部音響伝達関数を用いて音声信号
を補正し、出力部6に送出する。
【0040】以上説明したように、本第1実施例では、
頭部音響伝達関数によって忠実に伝達特性の補正が行わ
れることにより、音声が再生装置により再生されたとき
の音の歪感を抑制することができる。
【0041】すなわち、本第1実施例では、録音再生装
置での受聴時に、復号化された音声信号に対して音声入
力手段と音声出力手段との間の伝達特性を補正すること
により、符号化による音の歪感を抑制し、良好な音質を
得ることができる。
【0042】[第2実施例]次に、本発明に係る第2実
施例の再生装置を適用した音声記録再生装置について説
明する。
【0043】本第2実施例の構成は、上記第1実施例の
構成において、伝達特性補正部のみが異なり、その他の
構成については同一であるため、ここに編入するものと
しその説明は省略する。
【0044】図4は、本第2実施例の再生装置を適用し
た音声記録再生装置における伝達特性補正部の構成を示
す図である。この伝達特性補正部510は、残響付加回
路として機能し、遅延回路511、加算器512、減算
器513、減衰器514,515,516から成る。
【0045】一般に、音声が聴取者の耳に伝達する場合
に、直接空中を伝播して聴取者の耳に達する音と、室内
の壁等により反射、吸収されて聴取者の耳に達する音
(残響音)とがあり、これらの特性が聞こえ方に影響す
る要素となる。本第2実施例は、残響音に注目し、伝達
特性を補正するものである。
【0046】次に、本第2実施例の音声記録再生装置の
動作について説明する。操作者が操作入力部8を介して
録音操作を行なったとき、マイクロホン10から入力さ
れた音声アナログ信号がマイクアンプ11で増幅され、
ローパスフィルタ12によって音声信号成分のうち不要
な高域周波数成分が遮断される。このローパスィルタ1
2からの出力信号は、A/D変換器13によってデジタ
ル信号に変換される。この信号は符号/復号化部2によ
って符号化され、この符号化された情報はメモリインタ
フェース3を介して音声メモリ部4に記録される。
【0047】次に、操作者が操作入力部8を介して再生
操作を行うと、システム制御部7はメモリインタフェー
ス3に、音声メモリ部4に記録された符号化情報の読み
出しを行うように指令する。すると、音声メモリ部4に
記録されていた符号化情報は、この制御動作により読み
出されて符号/復号化部2に入力され、録音動作時の符
号化方式に対応する復号化方式で復号化される。
【0048】復号化によって復元された信号は伝達特性
補正部510に入力され、残響が付加される。すなわ
ち、伝達特性補正部510に入力された信号は、減算器
513と減衰器514に入力される。上記減算器513
の出力は、遅延回路511に入力される。この遅延回路
511において時間τだけ遅延された信号は、減衰器5
15と減衰器516に入力され、減衰器515に入力さ
れた信号は利得Gが与えられる。ここで、上記利得Gは
0から1の間の値に設定される。
【0049】さらに、減衰器515の出力信号は減算器
513に入力され、この減算器513の他の入力信号か
ら減算されることにより、遅延回路511への入力にフ
ィードバックされる。
【0050】減衰器514に入力された信号は、利得G
が与えられて加算器512に入力され、減衰器516に
入力されて利得(1−G2 )が与えられた信号と加算さ
れて出力される。この伝達特性補正部510のインパル
ス応答h(t)は、
【0051】
【数2】 となり、残響時間TはT=−3τ/logGで与えられ
る。ここでδ(t)は時刻t=0でのインパルスを表す
デルタ関数である。
【0052】以上のようにして残響が付加されて補正さ
れた音声信号は出力部6に送出され、D/A変換器61
に入力されてアナログ信号に変換される。このアナログ
信号は、ローパスフィルタ62を通して不要な高域周波
数成分が遮断され、パワーアンプ63にて増幅されたの
ち再生部65から再生音声として出力される。
【0053】以上説明したように本第2実施例では、両
耳の信号とも共通に簡単な遅延回路で伝達特性が補正さ
れ、なおかつ、符号化による音の歪感を抑制する効果を
あげることができる。
【0054】すなわち、本第2実施例では、録音再生装
置での受聴時に、復号化された音声信号に対して音声入
力手段と音声出力手段との間の伝達特性を補正すること
により、符号化による音の歪感を抑制し、良好な音質を
得ることができる。
【0055】なお、伝達特性補正部510は上述した構
成の残響付加回路を複数段縦列接続しても良い。このと
き、各段の残響付加回路の利得Gと遅延時間τとをそれ
ぞれ異なる値とすることにより、より自然な残響が付加
され、歪感抑制効果を高めることができる。
【0056】また、伝達特性補正部510はデジタル処
理を行う例を示しているが、これはデジタル処理に限る
わけではなく、アナログ処理で行っても良い。 [第3実施例]次に、本発明に係る第3実施例の再生装
置を適用した音声記録再生装置について説明する。
【0057】本第3実施例の構成は、上記第1実施例の
構成において、伝達特性補正部のみが異なり、その他の
構成については同一であるため、ここに編入するものと
しその説明は省略する。
【0058】図5は、本第3実施例の再生装置を適用し
た音声記録再生装置における伝達特性補正部の構成を示
す図である。この伝達特性補正部520は、両耳間に特
性の異なる残響を付加する回路として機能し、遅延回路
521、減算器522、加算器523、減衰器524,
525,526から成るLチャネル処理部520Lと、
遅延回路527、加算器528、減算器529、減衰器
530,531,532から成るRチャネル処理部52
0Rと、増幅器533,534、遅延回路535,53
6から構成される。
【0059】次に、本第3実施例の音声記録再生装置の
動作について説明する。操作者が操作入力部8を介して
録音操作を行なったとき、マイクロホン10から入力さ
れた音声アナログ信号がマイクアンプ11で増幅され、
ローパスフィルタ12によって音声信号成分のうち不要
な高域周波数成分が遮断される。このローパスィルタ1
2からの出力信号は、A/D変換器13によってデジタ
ル信号に変換される。このデジタル信号は符号/復号化
部2によって符号化され、この符号化された情報はメモ
リインタフェース3を介して音声メモリ部4に記録され
る。
【0060】次に、操作者が操作入力部8を介して再生
操作を行うと、システム制御部7はメモリインタフェー
ス3に、音声メモリ部4に記録された符号化情報の読み
出しを行うように指令する。すると、音声メモリ部4に
記録されていた符号化情報は、この制御動作により読み
出されて符号/復号化部2に入力され、録音動作時の符
号化方式に対応する復号化方式で復号化される。
【0061】復号化によって復元された信号は伝達特性
補正部520に入力され、両耳間に特性の異なる残響が
付加される。すなわち、伝達特性補正部520に入力さ
れた信号は、Lチャネル処理部520LとRチャネル処
理部520Rとに入力される。
【0062】上記Lチャネル処理部520Lに入力され
た信号は、加算器523と減衰器524に入力される。
上記加算器523の出力は、遅延回路521に入力され
る。この遅延回路521において時間τだけ遅延された
信号は、減衰器525と減衰器526に入力され、上記
減衰器525に入力された信号は利得Gが与えられて加
算器523に入力され、この加算器523の他の入力信
号と加算されることにより遅延回路521の入力にフィ
ードバックされる。
【0063】また、減衰器524に入力された信号は、
利得Gが与えられて減算器522に入力され、減衰器5
26に入力されて利得(1−G2 )が与えられた信号と
減算されて出力される。このLチャネル処理部520L
のインパルス応答は、
【0064】
【数3】 となる。
【0065】一方、Rチャネル処理部520Rに入力さ
れた信号は、減算器529と減衰器530に入力され
る。上記減算器529の出力は、遅延回路527に入力
される。この遅延回路527において時間τだけ遅延さ
れた信号は、減衰器531と減衰器532に入力され、
上記減衰器531に入力された信号は利得Gが与えられ
て減算器529に入力され、この減算器529の他の入
力信号から減算されることにより遅延回路527の入力
にフィードバックされる。
【0066】また、減衰器530に入力された信号は、
利得Gが与えられて加算器528に入力され、減衰器5
32に入力されて利得(1−G2 )が与えられた信号と
加算されて出力される。このRチャネル処理部520R
のインパルス応答は、
【0067】
【数4】 となる。この伝達特性補正部520により処理される両
耳の信号の相関係数φは、φ=(3G2 −1)/(1+
G2 ) で与えられ、増幅回路の利得Gで制御できる。
この相関度φを0に近づけることで音の拡がり感が増
し、伝達特性が補正される。
【0068】さらに、Lチャネル処理部520Lにおい
て上述のように処理された信号は、増幅器533に入力
され、続いて遅延回路535に入力される。一方、Rチ
ャネル処理部520Rにおいて上述のように処理された
信号は、増幅器534に入力され、続いて遅延回路53
6に入力される。これにより、Lチャネル信号は利得G
1 と遅延τ1 を与えられ、Rチャネル信号は利得G2 と
遅延τ2 を与えられて、左右両耳間で異なる利得と遅延
が付加される。
【0069】上述のように処理された音声信号は出力部
6に送出され、D/A変換器61に入力されてアナログ
信号に変換される。このアナログ信号はローパスフィル
タ62を通して不要な高域周波数成分が遮断され、パワ
ーアンプ63にて増幅されたのち再生部65から再生音
声として出力される。
【0070】なお、上記Lチャネル処理部520Lと上
記Rチャネル処理部520Rとを入れ替えて、Lチャネ
ル処理部520LをRチャネル側に、Rチャネル処理部
520RをLチャネル側に構成してもかまわない。
【0071】以上説明したように本第3実施例では、上
述したように左右両耳間に特性の異なる残響を付加する
ことにより、伝達特性を補正することで、簡単な回路で
伝達特性が補正され、かつ効果的に符号化による音の歪
感を抑制することができる。
【0072】さらに、左右両耳間で異なる利得と遅延が
付加されることで、ヘッドフォンや両耳イヤホンで聞い
たときに頭の中心ではなく左右どちらかに片寄った位置
からの音声として聞こえる。このため、聴取時の疲労感
が軽減される効果を有する。
【0073】すなわち、本第3実施例では、録音再生装
置での受聴時に、復号化された音声信号に対して音声入
力手段と音声出力手段との間の伝達特性を補正すること
により、符号化による音の歪感を抑制し、良好な音質を
得ることができる。
【0074】[第4実施例]次に、本発明に係る第4実
施例の再生装置を適用した音声記録再生装置について説
明する。
【0075】本第4実施例の構成は、上記第1実施例の
構成において、符号/復号化部と伝達特性補正部のみが
異なり、その他の構成については同一であるため、ここ
に編入するものとしその説明は省略する。
【0076】図6は、本第4実施例の再生装置を適用し
た音声記録再生装置における符号/復号化部の構成を示
す図である。この符号/復号化部は予測符号化を行う予
測符号化回路部200と、分析合成符号化を行う分析合
成符号化回路部210とから成る。上記予測符号化回路
部200は、減算器201、量子化器202、逆量子化
器203、加算器204,209、遅延器205,20
6、乗算器207,208、スイッチSW1から成る。
なお、分析合成符号化回路部210は、図2に示した上
記第1実施例の符号/復号化部2の構成と同一である。
そして、予測符号化回路部200と分析合成符号化回路
部210の入力側の切り替えには、スイッチSW2を有
し、出力側の切り替えにはスイッチSW3を有する。
【0077】次に、本第4実施例の音声記録再生装置の
動作について説明する。操作者が操作入力部8を介して
録音操作を行なったとき、マイクロホン10から入力さ
れた音声アナログ信号がマイクアンプ11で増幅され、
ローパスフィルタ12によって音声信号成分のうち不要
な高域周波数成分が遮断される。このローパスフィルタ
12からの出力信号は、A/D変換器13によってデジ
タル信号に変換される。このデジタル信号は符号/復号
化部によって符号化されるが、このときに操作者が操作
入力部8を介して、スイッチSW2により選択した符号
化方法が用いられる。
【0078】ここで、予測符号化が選択されたときに
は、デジタル化された音声信号は予測符号化回路部20
0の減算器201に入力され、予測値が減算される。続
いて量子化器202により非線形量子化される。すなわ
ち一般に、予測値と信号との差分は0に近い分布をとる
ため、0に近い値は密に、遠い値は疎に量子化される。
これにより、上記音声信号は音質を大幅に損なうことな
く効率的に圧縮される。上述にて非線形量子化された値
は、量子化値に対応する符号が当てはめられ、メモリイ
ンタフェース3に送出される。
【0079】一方、上記非線形量子化された値は、スイ
ッチSW1により加算器20に導かれ、この加算器20
4によって予測値と加算され、遅延器205,206に
入力される。この遅延器205,206によって線形予
測に必要な遅延量が与えられ、乗算器207,208に
よって線形予測の重みが付与されて、加算器209で上
記乗算器207,208の各々の出力が加算され予測値
とされる。この予測値は減算器201と加算器204に
送出されて、予測符号化が行われる。
【0080】一方、符号化時に分析合成符号化が選択さ
れたときには、スイッチSW2により分析合成符号化回
路210に導かれ、この分析合成符号化回路210にお
いて、上述の図2に示した第1実施例と同様の動作にて
符号化が行われる。そして、符号化された情報は、使用
された符号化方式を示すインデックスとともに、メモリ
インタフェース3を介して音声メモリ部4に記録され
る。
【0081】次に、操作者が操作入力部8を介して再生
操作を行うと、システム制御部7はメモリインタフェー
ス3に、音声メモリ部4に記録された符号化情報の読み
出しを行うように指令する。すると、音声メモリ部4に
記録されていた符号化情報は、この制御動作により読み
出されて符号/復号化部2に入力される。このとき、上
記符号化情報と一緒に録音時の符号化方式を示すインデ
ックスが読み出され、対応する復号化方式で復号化され
る。
【0082】もし、録音時に予測符号化が選択されてい
れば、符号化情報は予測符号化回路210の逆量子化器
203に入力されて量子化時の代表値が復号され、スイ
ッチSW1により加算器204に導かれ、この加算器2
04で予測値と加算されて遅延器205,206に与え
られる。この遅延器205,206では所定量の遅延量
が与えられ、乗算器207,208で所定のゲインが与
えられ、さらに加算器209で加算され、予測値が生成
される。この予測値が復号化された信号とされる。
【0083】一方、符号化時に分析合成符号化が選択さ
れていれば、音声メモリ部4に記録されていた符号化情
報から分析合成符号化回路210で合成音声が再生さ
れ、スイッチSW3により後述の伝達特性補正部540
に入力される。
【0084】ここで、伝達特性の補正は、選択された符
号化方式に従って演算がなされる。すなわち、予測符号
化が行われたときには、再生音声の特性として全体的に
滑らかであるもののやや明瞭感に乏しいものとなる。こ
のため補正時には明瞭感を大幅に損なわないように、残
響の付加を抑制したほうが好ましい。
【0085】一方、分析合成符号化が用いられたときに
は、明瞭であるがやや歪感の目立つものとなる。このた
め、予測符号化のときの補正と比較して残響の付加を強
調した方が好ましい。
【0086】図7は、本第4実施例の再生装置を適用し
た音声記録再生装置における伝達特性補正部540の構
成を示す図である。この伝達特性補正部540は、コン
ボリューション回路541と伝達関数メモリ542から
構成される。上記伝達関数メモリ542には、本来音声
が発せられる部分から聴取者の左右の鼓膜までの経路の
インパルス応答を、符号化特性に応じて適切に設定した
ものhL ,hR が記録されている。
【0087】そして、上記符号/復号化部によって復号
化された音声信号は伝達特性補正部540内のコンボリ
ューション回路541に入力される。また、音声メモリ
部4に記録されていた録音時の符号化方式を示すインデ
ックスが伝達関数メモリ542に入力され、符号化特性
に適したインパルス応答が伝達関数メモリ542から読
み出される。
【0088】つづいて、伝達関数メモリ542から選択
されたインパルス応答がコンボリューション回路541
に出力される。そして、上記音声信号にはコンボリュー
ション回路541によってインパルス応答のコンボリュ
ーション(畳み込み)がなされる。
【0089】このようにして補正された音声信号は出力
部6に送出され、D/A変換器61に入力されてアナロ
グ信号に変換される。このアナログ信号は、ローパスフ
ィルタ62を通して不要な高域周波数成分が遮断され、
パワーアンプ63にて増幅されたのち再生部65から再
生音声として出力される。
【0090】以上説明したように本第4実施例では、録
音再生装置での受聴時に、復号化された音声信号に対し
て音声入力手段と音声出力手段との間の伝達特性を補正
することにより、符号化による音の歪感を抑制し、良好
な音質を得ることができる。
【0091】[第5実施例]次に、本発明に係る第5実
施例の再生装置を適用した音声記録再生装置について説
明する。
【0092】図8は、本発明に係る第5実施例の再生装
置を適用した音声記録再生装置の構成を示す図である。
同図において、入力部100はマイクロホン101、マ
イクアンプ11、ローパスフィルタ12、A/D変換器
13と、マイクロホン102、マイクアンプ103、ロ
ーパスフィルタ104、A/D変換器105とから成
る。
【0093】上記マイクロホン101は、マイクアンプ
11、ローパスフィルタ12、さらにA/D変換器13
を介して符号/復号化部2に接続されている。一方、上
記マイクロホン102はマイクアンプ103、ローパス
フィルタ104、さらにA/D変換器105を介して雑
音解析部106に接続されている。
【0094】上記符号/復号化部2は、メモリインタフ
ェース3を介して音声メモリ部4に接続されている。上
記音声メモリ部4には、例えば、半導体メモリ素子が内
蔵されたメモリカードなどが用いられ、不図示のコネク
タを介して装置本体と着脱自在にされている。
【0095】また、上記符号/復号化部2は、さらに伝
達特性補正部5内のコンボリューション回路551、伝
達関数メモリ552にそれぞれ接続されている。上記コ
ンボリューション回路551は、D/A変換器61に接
続され、さらにこのD/A変換器61はローパスフィル
タ62、パワーアンプ63を介して再生部65に接続さ
れている。なお、上記D/A変換器61、ローパスフィ
ルタ62、パワーアンプ63、再生部65にて出力部6
を構成している。ここで、再生部65としてはイヤホ
ン、ヘッドホン、あるいはスピーカ等が用いられる。
【0096】さらに、当該音声記録再生装置の動作を制
御するシステム制御部7は、符号/復号化部2と、メモ
リインタフェース3と、雑音解析部106と、伝達特性
補正部5と、出力部6と、録音・再生・停止等の操作ス
イッチから成る操作入力部8とにそれぞれ接続されてい
る。
【0097】次に、本第5実施例の音声記録再生装置の
動作について説明する。操作者が操作入力部8を介して
録音操作を行うと、音声用マイクロホン101から入力
された音声アナログ信号がマイクアンプ11で増幅さ
れ、ローパスフィルタ12によって音声信号成分のうち
不要な高域周波数成分が遮断される。上記ローパスフィ
ルタからの出力信号は、A/D変換器13によってデジ
タル信号に変換される。このデジタル信号は、符号/復
号化部2によって符号化される。
【0098】一方、背景用マイクロホン102からは周
囲の雑音信号が常に入力され、マイクアンプ103で増
幅され、ローパスフィルタ104を介してA/D変換器
105によってデジタル信号に変換される。このデジタ
ル信号に変換された雑音信号は、雑音解析部106によ
ってそのレベルや周波数特性が解析される。例えば、背
景雑音の一般的特性として、周波数スペクトルがオクタ
ーブごとに3デシベルづつ減衰する特性を示すものが多
い。あるいは、エンジン等の雑音ではその回転数の周波
数に鋭いピークを持つものがある。
【0099】このように、上記雑音信号は分析され、そ
れらが有する雑音特性の特徴が符号/復号化部2により
符号化される。符号化された音声および雑音情報は、メ
モリインタフェース3を介して音声メモリ部4に記録さ
れる。
【0100】次に、操作者が操作入力部8を介して再生
操作を行うと、システム制御部7はメモリインタフェー
ス3に、音声メモリ部4に記録された符号化情報の読み
出しを行うように指令する。すると、音声メモリ部4に
記録されていた符号化情報は、この制御動作により読み
出されて符号/復号化部2に入力され、録音動作時の符
号化方式に対応する復号化方式で復号化される。
【0101】このように復号化によって復元された信号
は、伝達特性補正部5に入力され、伝達特性が補正され
る。この伝達特性の補正は、読み出された雑音情報に従
って演算がなされるものである。
【0102】すなわち、背景雑音が小さいレベルにある
場合には、伝達関数に従って忠実に補正を行うことが好
ましい。一方、背景雑音が大きいレベルにあり、3dB
/octの減衰特性を示している場合には、250から
800Hz程度の低周波域を抑制する特性を与えること
が、音声の聞き取りやすさに好結果を与える。背景雑音
のスペクトルに鋭いピークがある場合には、この周波数
を抑制する特性を与えることが好ましい。
【0103】これらの好ましい伝達特性の補正値は、伝
達特性補正部5の伝達関数メモリ552にインパルス応
答として予め記録されている。読み出された雑音情報に
従って選択信号が上記伝達関数メモリ552に与えら
れ、上記伝達関数メモリ552から選択出力された補正
値は、コンボリューション回路551に出力される。
【0104】そして、符号/復号化部2からの復号化さ
れた音声信号に上記コンボリューション回路551によ
って、インパルス応答のコンボリューション(畳み込
み)がなされることで伝達特性の補正がおこなわれる。
【0105】補正された音声信号は出力部6に送出さ
れ、D/A変換器61に入力されてアナログ信号に変換
される。このアナログ信号はローパスフィルタ62を通
して不要な高域周波数成分が遮断され、パワーアンプ6
3にて増幅されたのち再生部65から再生音声として出
力される。
【0106】なお、上記の符号/復号化部2、雑音解析
部106および伝達特性補正部5は、すべて共通のデジ
タルシグナルプロセッサ(DSP)で構成することがで
きる。
【0107】以上説明したように本第5実施例では、録
音再生装置での受聴時に、復号化された音声信号に対し
て音声入力手段と音声出力手段との間の伝達特性を補正
することにより、符号化による音の歪感を抑制し、良好
な音質を得ることができる。
【0108】[第6実施例]次に、本発明に係る第6実
施例の再生装置を適用した音声記録再生装置について説
明する。
【0109】図9は、本発明に係る第6実施例の再生装
置を適用した音声記録再生装置の構成を示す図である。
同図において、入力部1はマイクロホン10、マイクア
ンプ11、ローパスフィルタ12、A/D変換器13と
から成り、上記マイクロホン10は、マイクアンプ1
1、ローパスフィルタ12、さらにA/D変換器13を
介して符号/復号化部2内の線形予測分析器20に接続
されている。
【0110】上記符号/復号化部2は、メモリインタフ
ェース3を介して音声メモリ部4に接続されている。上
記音声メモリ部4には、例えば、半導体メモリ素子が内
蔵されたメモリカードなどが用いられ、不図示のコネク
タを介して装置本体と着脱自在にされている。
【0111】なお、上記符号/復号化部2は、線型予測
分析器(LPC)20、適応符号帳21、確率符号帳2
2、乗算器23,24、加算器25、合成フィルタ2
6、減算器27、誤差評価器28、フレーム遅延器2
9、さらに伝達特性補正フィルタ221から構成されて
いる。
【0112】そして、上記合成フィルタ26はD/A変
換器61に接続され、さらにこのD/A変換器61はロ
ーパスフィルタ62、パワーアンプ63を介して再生部
65に接続されている。なお、上記D/A変換器61、
ローパスフィルタ62、パワーアンプ63、再生部65
にて出力部6を構成している。
【0113】ここで、再生部65としてはイヤホン、ヘ
ッドホン、あるいはスピーカ等が用いられる。さらに、
当該音声記録再生装置の動作を制御するシステム制御部
7は、入力部1と、符号/復号化部2と、メモリインタ
フェース3と、出力部6と、録音・再生・停止等の操作
スイッチから成る操作入力部8とにそれぞれ接続されて
いる。
【0114】次に、本第6実施例の音声記録再生装置の
動作について説明する。操作者が操作入力部8を介して
録音操作を行なったとき、マイクロホン10から入力さ
れた音声アナログ信号がマイクアンプ11で増幅され、
ローパスフィルタ12によって音声信号成分のうち不要
な高域周波数成分が遮断される。このローパスフィルタ
12からの出力信号は、A/D変換器13によってデジ
タル信号に変換される。このデジタル信号は符号/復号
化部220によって符号化される。
【0115】このとき、上記符号/復号化部220への
入力音声信号は線型予測分析器20に入力され、合成フ
ィルタ係数Pが求められるとともに、伝達特性補正フィ
ルタ221に入力される。一方、適応符号帳21と確率
符号帳22とから生成された駆動音源信号Yは、合成フ
ィルタ係数Pが与えられた合成フィルタ26に供給さ
れ、平均的スペクトル特性が与えられて合成音声が生成
される。
【0116】この合成音声は減算器27に供給され、伝
達特性補正フィルタ221により伝達特性が補正された
入力信号との誤差Dが求められる。この誤差Dは誤差評
価器28に供給され、誤差Dを最小にする駆動音源を決
定する。
【0117】この動作により、予め伝達特性が補正され
た信号にもっとも近似した信号が符号化される。ここ
で、ピッチベクトルおよび確率符号帳22から出力され
るコードベクトルの各々のインデックスIA ,IS と、
乗算器23および24で各々のベクトルに乗じる利得値
のパラメータGA ,GS と、合成フィルタ26における
フィルタ係数Pとが、符号化された情報として出力され
る。
【0118】符号化された情報は、メモリインタフェー
ス3を介して音声メモリ部4に記録される。すなわち、
本第6実施例での符号/復号化部220は、符号化時に
伝達特性の補正を行って符号化するCELP符号/復号
化回路として機能する。
【0119】次に、操作者が操作入力部8を介して再生
操作を行うと、システム制御部7はメモリインタフェー
ス3に、音声メモリ部4に記録された符号化情報の読み
出しを行うように指令する。すると、音声メモリ部4に
記録されていた符号化情報は、この制御動作により読み
出されて符号/復号化部220に入力され、録音動作時
の符号化方式に対応する復号化方式で復号化される。
【0120】すなわち、符号/復号化2は符号化情報を
受信して、伝達関数が補正されて符号化された入力音声
信号を最も良く近似する合成音声を再生する。詳述する
と符号/復号化部220は符号化情報を受信し、音源信
号のインデックスIA ,ISに従って適応符号帳22と
確率符号帳23から音源信号ベクトルを出力し、各々に
対して乗算器23及び24において受信した利得GA ,
GS を乗じて、加算器25で両者を加算して駆動音源信
号を発生する。
【0121】この駆動音源信号は、受信したフィルタ係
数Pが与えられた合成フィルタ26に供給され、スペク
トル特性が付加されて合成音声として再生される。補正
された音声信号は出力部6に送出され、D/A変換器6
1に入力されてアナログ信号に変換される。このアナロ
グ信号は、ローパスフィルタ62を通して不要な高域周
波成分が遮断され、パワーアンプ63にて増幅されたの
ち再生部65から再生音声として出力される。
【0122】以上説明したように、本第6実施例では、
音声符号化時にあらかじめ伝達特性を補正することによ
り、再生時に特別な処理をすることなく伝達特性が補正
され、音の歪感を抑制することができる。
【0123】[第7実施例]次に、本発明に係る第7実
施例の再生装置を適用した音声記録再生装置について説
明する。
【0124】図10は、本発明に係る第7実施例の再生
装置を適用した音声記録再生装置の構成を示す図であ
る。同図において、入力部1はマイクロホン10、マイ
クアンプ11、ローパスフィルタ12、A/D変換器1
3から成り、また、符号化回路230は、直交変換回路
231、量子化回路232、パワー算出回路233、ビ
ット割り当て回路234、マルチプレクサ235から成
る。
【0125】そして、上記マイクロホン10は、マイク
アンプ11、ローパスフィルタ12、さらにA/D変換
器13を介して上記符号化回路230内の直交変換回路
231、パワー算出回路233に接続されている。
【0126】さらに、上記符号化回路230内のマルチ
プレクサ235は、メモリインタフェース3を介して音
声メモリ部4に接続されている。上記音声メモリ部4に
は、例えば、半導体メモリ素子が内蔵されたメモリカー
ドなどが用いられ、不図示のコネクタを介して装置本体
と着脱自在にされている。
【0127】また、復号化回路240は、デマルチプレ
クサ241、逆量子化回路242、ビット割り当て回路
243、伝達関数重みづけ回路244、直交逆変換回路
245から成る。
【0128】上記メモリインタフェース3は、復号化回
路240内の上記デマルチプレクサ241に接続され、
さらに、復号化回路240内の上記直交逆変換回路24
5はD/A変換器61に接続され、このD/A変換器6
1はローパスフィルタ62、パワーアンプ63を介して
再生部65に接続されている。なお、上記D/A変換器
61、ローパスフィルタ62、パワーアンプ63、再生
部65にて出力部6を構成している。ここで、再生部6
5としてはイヤホン、ヘッドホン、あるいはスピーカ等
が用いられる。
【0129】さらに、当該音声記録再生装置の動作を制
御するシステム制御部7は、入力部1と、符号化回路2
30と、復号化回路240と、メモリインタフェース3
と、出力部6と、録音・再生・停止等の操作スイッチか
ら成る操作入力部8とにそれぞれ接続されている。
【0130】次に、本第7実施例の音声記録再生装置の
動作について説明する。操作者が操作入力部8を介して
録音操作を行なったとき、マイクロホン10から入力さ
れた音声アナログ信号がマイクアンプ11で増幅され、
ローパスフィルタ12によって音声信号成分のうち不要
な高域周波数成分が遮断され、このローパスフィルタ1
2からの出力信号はA/D変換器13によってデジタル
信号に変換される。このデジタル信号は、符号化回路2
30によって符号化される。
【0131】ここで、符号化回路230への入力音声信
号は、20msec程度の区間ごとに区切られ直交変換
回路231により直交変換が行われる。この直交変換と
しては、離散フーリエ変換(DFT)や離散コサイン変
換(DCT)等が用いられる。
【0132】直交変換された信号は、パワー算出回路2
33で各帯域ごとの平均パワーが算出され、この値をも
とにしてビット割り当て回路234で直交変換の各係数
値に対する量子化ビット数を割り当てる。この割り当て
にしたがって量子化回路232で係数値が量子化されて
符号化される。この符号と、パワー算出回路233で算
出された各帯域ごとの平均パワーを補助情報として符号
化された値と、がマルチプレクサ235を介して出力さ
れ、メモリインタフェース3を介して音声メモリ部4に
記録される。
【0133】次に、操作者が操作入力部8を介して再生
操作を行うと、システム制御部7はメモリインタフェー
ス3に、音声メモリ部4に記録された符号化情報の読み
出しを行うように指令する。すると、音声メモリ部4に
記録されていた符号化情報は、この制御動作により読み
出されて復号化回路240に入力されて復号化される。
【0134】すなわち、復号化回路240は符号化情報
を受信して、デマルチプレクサ241で、量子化された
変換係数と各帯域ごとの平均パワーの補助情報とをそれ
ぞれ逆量子化回路242およびビット割り当て回路24
3に送出する。
【0135】ビット割り当て回路243では、各帯域ご
との平均パワー情報にもとづいて各係数の量子化ビット
割り当てを逆量子化回路242に与え、逆量子化回路2
42はこの情報に従って直交変換係数を復号する。
【0136】復号された上記直交変換係数は伝達関数重
みづけ回路244に入力されて各帯域ごとに適切な重み
係数が乗算され、伝達関数の補正が行われる。この後、
直交逆変換回路245で直交変換に対応した逆変換が行
われ、伝達関数が補正された音声信号が復号される。す
なわち、本第7実施例での符号化回路230は、適応変
換符号化(ATC)処理を行う回路であり、復号化回路
240はATC復号化を行いながら伝達特性を補正する
回路として機能する。
【0137】さらに、補正された上記音声信号は出力部
6に送出され、D/A変換器61に入力されてアナログ
信号に変換される。このアナログ信号はローパスフィル
タ62を通して不要な高域周波数成分が遮断され、パワ
ーアンプ63にて増幅されたのち再生部65から再生音
声として出力される。
【0138】以上説明したように、本第7実施例では、
音声復号化時に伝達特性を補正することにより、復号化
の後に特別な処理回路を必要とすることなく伝達特性が
補正され、音の歪感を抑制することができる。
【0139】すなわち、本第7実施例では、録音再生装
置での受聴時に、復号化された音声信号に対して音声入
力手段と音声出力手段との間の伝達特性を補正すること
により、符号化による音の歪感を抑制し、良好な音質を
得ることができる。
【0140】なお、上記各実施例の再生装置(音声記録
再生装置)は、再生の対象を音声として説明したが、そ
の対象は音声に限るわけではなく、録音時の符号化によ
って、再生時において音の歪が生じる音、例えば、音楽
または自然が作り出す音などにも適用することが可能で
ある。
【0141】なお、本発明の上記実施態様によれば、以
下のごとき構成が得られる。 (1) 音声をデジタル信号に変換し符号化して記録し
たメモリから、上記音声を再生する再生装置において、
上記メモリから読み出された符号化情報を復号化して音
声信号とする音声復号化手段と、上記音声復号化手段に
より復号化された上記音声信号に伝達特性の補正を行う
伝達特性補正手段と、上記伝達特性補正手段により補正
された音声信号を出力する音声出力手段と、を具備した
ことを特徴とする再生装置。
【0142】上記(1)に記載の再生装置によれば、上
記音声信号に対して、音声入力手段と音声出力手段との
間の伝達特性を補正することにより、符号化による音の
歪感を抑制することができる。
【0143】(2) 上記伝達特性補正手段は、上記伝
達特性の補正として残響特性を付加することを特徴とす
る上記(1)に記載の再生装置。上記(2)に記載の再
生装置によれば、残響特性を付加するための簡単な回路
で伝達特性が補正され、符号化による音の歪感を抑制す
ることができる。
【0144】(3) 上記伝達特性補正手段は、上記伝
達特性の補正として左右両耳間に特性の異なる残響を付
加することを特徴とする上記(1)に記載の再生装置。
上記(3)に記載の再生装置によれば、左右両耳間に特
性の異なる残響を付加するための簡単な回路で伝達特性
が補正され、符号化による音の歪感を抑制することがで
きる。
【0145】(4) 上記伝達特性補正手段は、上記伝
達特性の補正として頭部音響伝達関数に従って補正する
ことを特徴とする上記(1)に記載の再生装置。上記
(4)に記載の再生装置によれば、本来の音源から聴取
者間の頭部音響伝達関数に応じて忠実に特性が補正され
ることにより、音の歪感を抑制することができる。
【0146】(5) 上記伝達特性補正手段は、音声再
生時に使用する再生装置に応じて、伝達特性を変化させ
ることを特徴とする上記(1)に記載の再生装置。上記
(5)に記載の再生装置によれば、音声再生時に使用す
る再生装置の特性に応じて最も効果的に伝達特性が補正
されることにより、音の歪感を抑制することができる。
【0147】(6) 上記伝達特性補正手段は、音声符
号化時の背景雑音の特性に応じて、伝達特性を変化させ
ることを特徴とする上記(1)に記載の再生装置。上記
(6)に記載の再生装置によれば、上記背景雑音の特性
に応じて最も効果的に伝達特性が補正されることによ
り、音の歪感を抑制することができる。
【0148】(7) 上記伝達特性補正手段は、音声復
号化時に伝達特性を補正することを特徴とする上記
(1)に記載の再生装置。上記(7)に記載の再生装置
によれば、復号化後に特別な処理をすることなく伝達特
性を補正でき、音の歪感を抑制することができる。
【0149】(8) 音声をデジタル信号に変換する音
声入力手段と、上記音声入力手段によってデジタル信号
に変換された入力音声信号を符号化する音声符号化手段
と、上記音声符号化手段によって符号化された符号化情
報をメモリに記録する記録手段と、上記メモリから読み
出された上記符号化情報を復号化して出力音声信号とす
る音声復号化手段と、上記音声復号化手段によって復号
化された上記出力音声信号を出力する音声出力手段と、
上記出力音声信号に対して上記音声入力手段と上記音声
出力手段との間の伝達特性を補正する伝達特性補正手段
と、を具備したことを特徴とする録音再生装置。
【0150】上記(8)に記載の録音再生装置によれ
ば、上記出力音声信号に対して、音声入力手段と音声出
力手段との間の伝達特性を補正することにより、符号化
による音の歪感を抑制することができる。
【0151】(9) 上記伝達特性補正手段は、上記伝
達特性の補正として残響特性を付加することを特徴とす
る上記(8)に記載の録音再生装置。上記(9)に記載
の録音再生装置によれば、残響特性を付加するための簡
単な回路で伝達特性が補正され、符号化による音の歪感
を抑制することができる。
【0152】(10) 上記伝達特性補正手段は、上記
伝達特性の補正として左右両耳間に特性の異なる残響を
付加することを特徴とする上記(8)に記載の録音再生
装置。
【0153】上記(10)に記載の録音再生装置によれ
ば、左右両耳間に特性の異なる残響を付加するための簡
単な回路で伝達特性が補正され、符号化による音の歪感
を抑制することができる。
【0154】(11) 上記伝達特性補正手段は、上記
伝達特性の補正として頭部音響伝達関数に従って補正す
ることを特徴とする上記(8)に記載の録音再生装置。
上記(11)に記載の録音再生装置によれば、本来の音
源から聴取者間の頭部音響伝達関数に応じて忠実に特性
が補正されることにより、音の歪感を抑制することがで
きる。
【0155】(12) 上記伝達特性補正手段は、音声
再生時に使用する再生装置に応じて、伝達特性を変化さ
せることを特徴とする上記(8)に記載の録音再生装
置。上記(12)に記載の録音再生装置によれば、音声
再生時に使用する再生装置の特性に応じて最も効果的に
伝達特性が補正されることにより、音の歪感を抑制する
ことができる。
【0156】(13) 上記伝達特性補正手段は、音声
符号化時の符号化モードに応じて、伝達特性を変化させ
ることを特徴とする上記(8)に記載の録音再生装置。
上記(13)に記載の録音再生装置によれば、上記符号
化モードの特性に応じて最も効果的に伝達特性が補正さ
れることにより、音の歪感を抑制することができる。
【0157】(14) 上記伝達特性補正手段は、音声
符号化時の背景雑音の特性に応じて、伝達特性を変化さ
せることを特徴とする上記(8)に記載の録音再生装
置。上記(14)に記載の録音再生装置によれば、上記
背景雑音の特性に応じて最も効果的に伝達特性が補正さ
れることにより、音の歪感を抑制することができる。
【0158】(15) 上記伝達特性補正手段は、音声
符号化時に伝達特性を補正することを特徴とする上記
(8)に記載の録音再生装置。上記(15)に記載の録
音再生装置によれば、再生時に特別な処理をすることな
く伝達特性が補正でき、音の歪感を抑制することができ
る。
【0159】(16) 上記伝達特性補正手段は、音声
復号化時に伝達特性を補正することを特徴とする上記
(8)に記載の録音再生装置。上記(16)に記載の録
音再生装置によれば、復号化後に特別な処理をすること
なく伝達特性を補正でき、音の歪感を抑制することがで
きる。
【0160】(17) 音声をデジタル信号に変換する
音声入力手段と、上記音声入力手段によってデジタル信
号に変換化された入力音声信号に、当該入力音声信号と
再生時の出力音声信号との間の伝達特性の補正を行う伝
達特性補正手段と、上記伝達特性補正手段によって補正
された補正音声信号を符号化する音声符号化手段と、上
記音声符号化手段によって符号化された符号化情報をメ
モリに記録する記録手段と、を具備したことを特徴とす
る録音装置。
【0161】上記(17)に記載の録音装置によれば、
上記入力音声信号に対して、当該入力音声信号と上記出
力音声信号との間の伝達特性を補正することにより、符
号化による音の歪感を抑制することができる。
【0162】(18) 上記伝達特性補正手段は、上記
伝達特性の補正として残響特性を付加することを特徴と
する上記(17)に記載の録音装置。上記(18)に記
載の録音装置によれば、残響特性を付加するための簡単
な回路で伝達特性が補正され、符号化による音の歪感を
抑制することができる。
【0163】(19) 上記伝達特性補正手段は、上記
伝達特性の補正として左右両耳間に特性の異なる残響を
付加することを特徴とする上記(17)に記載の録音装
置。上記(19)に記載の録音装置によれば、左右両耳
間に特性の異なる残響を付加するための簡単な回路で伝
達特性が補正され、符号化による音の歪感を抑制するこ
とができる。
【0164】(20) 上記伝達特性補正手段は、上記
伝達特性の補正として頭部音響伝達関数に従って補正す
ることを特徴とする上記(17)に記載の録音装置。上
記(20)に記載の録音装置によれば、本来の音源から
聴取者間の頭部音響伝達関数に応じて忠実に特性が補正
されることにより、音の歪感を抑制することができる。
【0165】(21) 上記伝達特性補正手段は、音声
再生時に使用する再生装置に応じて、伝達特性を変化さ
せることを特徴とする上記(17)に記載の録音装置。
上記(21)に記載の録音装置によれば、音声再生時に
使用する再生装置の特性に応じて最も効果的に伝達特性
が補正されることにより、音の歪感を抑制することがで
きる。
【0166】(22) 上記伝達特性補正手段は、音声
符号化時の符号化モードに応じて、伝達特性を変化させ
ることを特徴とする上記(17)に記載の録音装置。上
記(22)に記載の録音装置によれば、上記符号化モー
ドの特性に応じて最も効果的に伝達特性が補正されるこ
とにより、音の歪感を抑制することができる。
【0167】(23) 上記伝達特性補正手段は、音声
符号化時の背景雑音の特性に応じて、伝達特性を変化さ
せることを特徴とする上記(17)に記載の録音装置。
上記(23)に記載の録音装置によれば、上記背景雑音
の特性に応じて最も効果的に伝達特性が補正されること
により、音の歪感を抑制することができる。
【0168】(24) 上記伝達特性補正手段は、音声
符号化時に伝達特性を補正することを特徴とする上記
(17)に記載の録音装置。上記(24)に記載の録音
装置によれば、再生時に特別な処理をすることなく伝達
特性が補正でき、音の歪感を抑制することができる。
【0169】(25) 上記伝達特性補正手段は、複合
化された上記音声信号を所定時間だけ遅延する遅延手段
と、この遅延された音声信号に所定の利得を与える利得
手段と、この利得を与えられた音声信号を複合化された
上記音声信号に帰還する帰還手段とを含むことを特徴と
する上記(2)に記載の再生装置。
【0170】(26) 上記伝達特性補正手段は、複合
化された上記音声信号を所定時間だけ遅延する遅延手段
と、この遅延された音声信号に所定の利得を与える利得
手段と、この利得を与えられた音声信号を複合化された
上記音声信号に帰還する帰還手段とを含むことを特徴と
する上記(9)に記載の録音再生装置。
【0171】(27) 上記伝達特性補正手段は、複合
化された上記音声信号を所定時間だけ遅延する遅延手段
と、この遅延された音声信号に所定の利得を与える利得
手段と、この利得を与えられた音声信号を複合化された
上記音声信号に帰還する帰還手段とを含むことを特徴と
する上記(18)に記載の録音装置。
【0172】(28) 上記伝達特性補正手段は、右チ
ャンネル用の右残響付加手段と左チャンネル用の左残響
付加手段とを有し、上記右残響付加手段は複合化された
上記音声信号に対して所定の演算を行う第一演算手段
と、この演算手段の出力を所定時間だけ遅延する遅延手
段と、この遅延された音声信号に所定の利得を与える利
得手段と、この利得を与えられた音声信号を上記第一演
算手段のもう一方の入力に帰還する帰還手段とを含み、
上記左残響付加手段は複合化された上記音声信号に対し
て所定の演算を行う第二演算手段と、この演算手段の出
力を所定時間だけ遅延する遅延手段と、この遅延された
音声信号に所定の利得を与える利得手段と、この利得を
与えられた音声信号を上記第二演算手段のもう一方の入
力に帰還する帰還手段とを含むものとし、上記第一演算
手段と第二演算手段は異なる演算を行うことを特徴とす
る上記(3)に記載の再生装置。
【0173】(29) 上記伝達特性補正手段は、右チ
ャンネル用の右残響付加手段と左チャンネル用の左残響
付加手段とを有し、上記右残響付加手段は複合化された
上記音声信号に対して所定の演算を行う第一演算手段
と、この演算手段の出力を所定時間だけ遅延する遅延手
段と、この遅延された音声信号に所定の利得を与える利
得手段と、この利得を与えられた音声信号を上記第一演
算手段のもう一方の入力に帰還する帰還手段とを含み、
上記左残響付加手段は複合化された上記音声信号に対し
て所定の演算を行う第二演算手段と、この演算手段の出
力を所定時間だけ遅延する遅延手段と、この遅延された
音声信号に所定の利得を与える利得手段と、この利得を
与えられた音声信号を上記第二演算手段のもう一方の入
力に帰還する帰還手段とを含むものとし、上記第一演算
手段と第二演算手段は異なる演算を行うことを特徴とす
る上記(10)に記載の録音再生装置。
【0174】(30) 上記伝達特性補正手段は、右チ
ャンネル用の右残響付加手段と左チャンネル用の左残響
付加手段とを有し、上記右残響付加手段は複合化された
上記音声信号に対して所定の演算を行う第一演算手段
と、この演算手段の出力を所定時間だけ遅延する遅延手
段と、この遅延された音声信号に所定の利得を与える利
得手段と、この利得を与えられた音声信号を上記第一演
算手段のもう一方の入力に帰還する帰還手段とを含み、
上記左残響付加手段は複合化された上記音声信号に対し
て所定の演算を行う第二演算手段と、この演算手段の出
力を所定時間だけ遅延する遅延手段と、この遅延された
音声信号に所定の利得を与える利得手段と、この利得を
与えられた音声信号を上記第二演算手段のもう一方の入
力に帰還する帰還手段とを含むものとし、上記第一演算
手段と第二演算手段は異なる演算を行うことを特徴とす
る上記(19)に記載の録音装置。
【0175】(31) 音声をデジタル信号に変換する
音声入力手段と、上記音声の背景雑音を検出する検出手
段と、この検出手段で検出された背景雑音信号の電気的
特性を解析する信号解析手段と、上記音声入力手段の出
力と信号解析手段の出力を上記音声符号化手段で符号化
する音声符号化手段と、上記音声符号化手段によって符
号化された符号化情報をメモリに記録する記録手段と、
上記メモリから読み出された上記符号化情報を符号化し
て出力音声信号と出力雑音信号とにする音声複合化手段
と、上記出力雑音信号に基づいて、上記出力音声信号に
対して上記音声入力手段と上記音声出力手段との間の伝
達特性を補正する伝達特性補正手段と、伝達特性を補正
された出力音声信号を出力する音声出力手段と、を具備
したことを特徴とする録音再生装置。
【0176】(32) 音声をデジタル信号に変換する
音声入力手段と、上記音声の背景雑音を検出する検出手
段と、この検出手段で検出された背景雑音信号の電気的
特性を解析する信号解析手段と、上記音声入力手段の出
力と信号解析手段の出力を上記音声符号化手段で符号化
する音声符号化手段と、上記音声符号化手段によって符
号化された符号化情報をメモリに記録する記録手段と、
を具備したことを特徴とする録音装置。
【0177】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、符号
化され記録された音声を再生する場合において、符号化
によって生じる再生時の音声の歪を抑制することがで
き、良好な音質を得ることができる再生装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の再生装置を適用した
音声記録再生装置の構成を示す図である。
【図2】上記符号/復号化部2の構成を示す図である。
【図3】(a)は上記伝達特性補正部5の構成を示す図
であり、(b)は上記頭部音響伝達関数について説明す
るための図である。
【図4】第2実施例の再生装置を適用した音声記録再生
装置における伝達特性補正部の構成を示す図である。
【図5】第3実施例の再生装置を適用した音声記録再生
装置における伝達特性補正部の構成を示す図である。
【図6】第4実施例の再生装置を適用した音声記録再生
装置における符号/復号化部の構成を示す図である。
【図7】第4実施例の再生装置を適用した音声記録再生
装置における伝達特性補正部540の構成を示す図であ
る。
【図8】第5実施例の再生装置を適用した音声記録再生
装置の構成を示す図である。
【図9】第6実施例の再生装置を適用した音声記録再生
装置の構成を示す図である。
【図10】第7実施例の再生装置を適用した音声記録再
生装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1…入力部、2…符号/復号化部、3…メモリインタフ
ェース、4…音声メモリ部、5…伝達特性補正部、6…
出力部、7…システム制御部、8…操作入力部、10…
マイクロホン、11…マイクアンプ、12…ローパスフ
ィルタ、13…アナログ/デジタル(A/D)変換器、
61…デジタル/アナログ(D/A)変換器、62…ロ
ーパスフィルタ、63…パワーアンプ、64…コネク
タ、65…再生部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音声をデジタル信号に変換し符号化して
    記録したメモリから、上記音声を再生する再生装置にお
    いて、 上記メモリから読み出された符号化情報を復号化して音
    声信号とする音声復号化手段と、 上記音声復号化手段により復号化された上記音声信号に
    伝達特性の補正を行う伝達特性補正手段と、 上記伝達特性補正手段により補正された音声信号を出力
    する音声出力手段と、 を具備したことを特徴とする再生装置。
  2. 【請求項2】 上記伝達特性補正手段は、上記伝達特性
    の補正として残響特性を付加することを特徴とする請求
    項1に記載の再生装置。
  3. 【請求項3】 上記伝達特性補正手段は、上記伝達特性
    の補正として左右両耳間に特性の異なる残響を付加する
    ことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
JP6203901A 1994-08-29 1994-08-29 再生装置 Withdrawn JPH0869298A (ja)

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