JP2002043809A - 非可逆回路素子 - Google Patents

非可逆回路素子

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JP2002043809A
JP2002043809A JP2001195640A JP2001195640A JP2002043809A JP 2002043809 A JP2002043809 A JP 2002043809A JP 2001195640 A JP2001195640 A JP 2001195640A JP 2001195640 A JP2001195640 A JP 2001195640A JP 2002043809 A JP2002043809 A JP 2002043809A
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capacitor
electrode
reciprocal circuit
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JP2001195640A
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English (en)
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Shigeru Takeda
茂 武田
Amol Kirtikar
アモル キルテイカ
Shinji Yamamoto
伸二 山本
Akinori Misawa
彰規 三沢
Koji Ichikawa
耕司 市川
Shiro Murakami
志郎 村上
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型、高精度、高性能、高信頼性かつ耐ノイ
ズ性の移動体通信機器用集中定数型非可逆回路素子を提
供する。 【解決手段】 直流磁界が印加されるフェライトに、複
数の中心導体を互いに電気的絶縁状態にかつ交叉状に配
置し、上記中心導体の1つのポートとアース間に抵抗素
子および/または容量素子を接続し他のポートのそれぞ
れとアース間に容量素子を接続した非可逆回路素子にお
いて、少なくとも1つの容量素子を前記フェライトの外
側に垂直配置した非可逆回路素子である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波を用い
た移動体通信機器の部品である、小型、表面実装型かつ
集中定数型の非可逆回路素子に関する。
【0002】
【従来の技術】数100MHzから十数GHzの周波数
帯を利用した移動体通信機器すなわちPHS(パーソナ
ル・ハンデイ・ホン)基地局や携帯電話の端末機等に
は、アイソレータやサーキュレータといった非可逆回路
素子を用いる例が多い。この素子は、順方向のマイクロ
波は低損失で通過せしめ、逆方向のマイクロ波は阻止す
る機能を有する。
【0003】この非可逆回路素子は、特に携帯機にあっ
ては小型であるとともに高い信頼性が求められる。すな
わち外部からのノイズによる誤動作が少なく、かつ過酷
な振動にも耐える構造であることが求められている。そ
の要請に応えるために、従来は磁気回路のヨークに電界
シールドの機能を持たせたり、部品を組上げ完成した後
にフィラー等で部品内部を固定したりしていた。また、
正確な半田付けが求められ、これに応えるための熟練技
能者を必要としていた。しかし、それでも、短絡や接続
不良の事故の完全防止は困難であった。
【0004】また、携帯電話のような狭周波数帯域で高
周波の用途に用いる非可逆回路素子の場合、特に高精度
の周波数特性を必要とするにも拘わらず不充分な実態で
あった。この点の説明を加えると以下の通りである。小
型の集中定数型非可逆回路素子は従来より、永久磁石、
フェライト、中心導体、容量素子、抵抗素子およびその
他の部材をヨークを兼ねた鉄製のケースの中に備えて構
成されている。この非可逆回路素子は通常、一通り組み
立て作業を済ませた後で、特定周波数での目標特性規格
に合わせるべく微調整を行う。
【0005】すなわち、永久磁石の発生磁場を着磁、脱
磁の操作で調整し、またはコンデンサの電極パターンを
トリミングして容量を調整し、あるいは併用する空心コ
イルの線輪間隔を調整するなどの手法を以て目標特性に
合わせるのが定法であった。この磁場調整にしろ容量調
整にしろ、一度非可逆回路素子を分解し、調整を行い、
再度組み上げて特性確認し、また分解して調整を行う方
法が採られていた。
【0006】しかしかかる調整手段を採用する限り、組
立作業に伴って生ずるばらつきは調整の対象外とせざる
を得ないため、精密な調整を放棄せざるを得ない状況で
あった。なお組立作業後空心コイルの線輪間隔を調整し
た非可逆回路素子は、振動によって特性変化しやすく移
動体通信用携帯機にあっては実用性がなかった。
【0007】このような調整作業の効率化と調整精度の
向上をねらって、仮に非可逆回路素子の金属ケースの上
部に穴を設け、水平に配置された半固定コンデンサの電
極パターンを上記の穴を介してトリミングしようとすれ
ば、そのコンデンサのパターンは少なくとも永久磁石等
の陰になってはならないので、当該永久磁石の外側に離
して配置する必要がある。すなわち部品が大型化して市
場の要請からはかけ離れる。さらに、トリミングの結果
発生する切り屑は部品内に飛散し、短絡事故の原因とな
るので信頼性の面で致命的な欠陥となる。結果として上
述の様な調整方法は全く現実的ではない。
【0008】従って、この性能のばらつきを特性調整作
業で目的性能に合わせるにあたっては、多大の時間と労
力を使った部品配置時の調整を必須とし、しかも不十分
な精度の調整しか行えず、当製品分野における生産の自
動化、信頼性の確保、部品の性能、精度、価格等の面で
の遅れをもたらし、当製品分野の発展を妨げる大きな原
因となっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況に鑑み、小
型の集中定数型の非可逆回路素子に関して、本発明が解
決しようとする課題は、以下の通りである。
【0010】すなわち、以下の要請に応える移動体通信
機器用の非可逆回路素子を提供することである。部品の
小型化に寄与する構造であること、部品点数が減少する
こと、ハンダ作業が正確に行えるとともにハンダ作業に
伴う位置ずれを生じにくい構造であること、振動に強く
短絡を予防するなど信頼性を向上せしめるものであるこ
と、望ましくは容量調整が容易、精密であること。ま
た、性能に優ればらつきが少ないこと、製造工程の自動
化に寄与する構造であること、および生産性、生産効率
の向上に寄与する構造であること、さらに完成品はノイ
ズに強い構造であること。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め鋭意研究の結果、本発明者らは、著しく構成を改善し
た非可逆回路素子に想到したものである。すなわち第1
の発明は、直流磁界が印加されるフェライトに、複数の
中心導体を互いに電気的絶縁状態にかつ交叉状に配置
し、上記中心導体の1つのポートとアース間に抵抗素子
および/または容量素子を接続し、他のポートのそれぞ
れとアース間に容量素子を接続した非可逆回路素子にお
いて、少なくとも1つの容量素子を垂直配置した非可逆
回路素子である。換言すれば、容量素子を実装面に対し
立てて配置した、あるいはフェライトの回転軸と平行に
配置した非可逆回路素子であると言える。
【0012】また、第2の発明は、直流磁界が印加され
るフェライトに、複数の中心導体を互いに電気的絶縁状
態にかつ交叉状に配置し、上記中心導体の1つのポート
とアース間に抵抗素子および/または容量素子を接続
し、他のポートのそれぞれとアース間に容量素子を接続
した非可逆回路素子において、前記容量素子は対向側電
極とアース側電極を有し、前記対向側電極とアース側電
極が垂直配置されている非可逆回路素子である。
【0013】また、第3の発明は、直流磁界が印加され
るフェライトに、複数の中心導体を互いに電気的絶縁状
態にかつ交叉状に配置し、上記中心導体の1つのポート
とアース間に抵抗素子および/または容量素子を接続
し、他のポートのそれぞれとアース間に容量素子を接続
した非可逆回路素子において、前記容量素子は対向側電
極とアース側電極を有し、前記対向側電極とアース側電
極は、前記フェライトの回転軸に対し30度以内の傾き
をもって配置されている非可逆回路素子である。
【0014】また、第4の発明は、第2、3の発明にお
いて、前記容量素子の対向側電極が非可逆回路素子の内
側である中心導体側に向くように、かつ前記容量素子の
アース側電極が前記非可逆回路素子の外側に向くように
配置されている非可逆回路素子である。
【0015】この発明において、上記抵抗素子および/
または容量素子と記載したのは、これが抵抗素子および
容量素子であればアイソレータ、容量素子であればサー
キュレータとなるが、これらの2つを区別する必要は無
い。またこの発明の構成上の要点は、容量素子の平板面
を立てて使っているところにある。また上記「平行」と
は実質的に平行のことであり、すなわちフェライトの中
心軸の方向に対して30度以内の傾きを有するものとす
る。以下この表現は、特に定義をしない限り、本明細書
を通じて同じ意味で用いる。
【0016】また、第5の発明は、前記フェライトの外
側で、前記容量素子の対向側電極を電気的に接続する第
1の銅板と、前記容量素子を受けると共に、アース側電
極を電気的に接続する第2の銅板とを設け、前記第1、
第2の銅板は樹脂を介して絶縁状態に一体成形してな
り、前記第1、第2の銅板の間に前記容量素子をはめ込
むように垂直配置した非可逆回路素子である。
【0017】上記の発明において、容量素子は、互いに
絶縁状態の第1、第2の銅板を介して前記ポートまたは
前記アースと電気的に接続し、かつ当該第1の銅板は、
上記容量素子の対向側電極(内側を向く電極)と半田で
面接続する第1の部分と当該ポートに接続する第2の部
分とを樹脂とともに一体に形成した第3の部分を有する
とともに、当該第2の銅板は、上記容量素子のアース側
電極(外側を向く電極)と半田で面接続する第1の部分
とアースに接続する第2の部分と樹脂とともに一体に形
成した第3の部分とを有するようにした構成は望ましい
ものである。
【0018】ここに銅板は導体であれば何でもよく、銅
板の表面に他の金属のメッキを施したもの、Al、F
e、Sn、Ti等の他の金属や軽金属やその化合物であ
っても良い。ただし、銅であれば、特に半田の作業性、
経済性、加工性、導電性、電磁波シールド性に優れる。
【0019】また、第1の銅板には外部入出力電極を形
成した第4の部分を付加しても良い。あるいはまた、第
2の銅板には外部アース電極を形成した第4の部分を付
加しても良い。また第2の部分と第3の部分は重複して
も良い。
【0020】さらに、第1の銅板の第1の部分は中心導
体寄りに配置し、かつ第2の銅板の第1の部分は当該非
可逆回路素子の外側面に配置して構成することができ
る。
【0021】上記した第2、第3の発明を別の表現で説
明するならば、内側には中心導体と容量素子の対向側電
極とを最短距離で接続した銅板を配置し、外側にはアー
ス板に最短距離で接続したアース側銅板を配置し、その
間に容量素子を挟む。この構造を採ることで、非可逆回
路素子から発生しまたは非可逆回路素子に侵入するノイ
ズ成分をせき止め遮るように、すなわちフェライトの中
心軸と平行な面となるように容量素子や銅板の導体面を
配置せしめるものである。
【0022】また、上記のいずれかにおいて、第1、第
2の銅板のそれぞれの第3の部分とともに一体に形成し
た樹脂は、ともに250℃以上の耐熱性を有すものを用
いて構成することが望ましい。
【0023】これにより上記銅板と一体形成した樹脂が
溶融半田の、あるいはリフロー炉の温度に耐える耐熱性
を有するものとなり、さらに望ましくは上記樹脂は溶融
半田に対して撥水性を有する、すなわち溶融半田をはじ
くものがよい。このような樹脂としては例えば液晶芳香
族ポリエステル、エポキシ系樹脂、テフロン(登録商
標)、ピーク(peek)樹脂、ユリア樹脂等が挙げら
れる。
【0024】また、上記の何れかにおいて、第1および
第2の銅板のそれぞれの第3の部分とともに一体に形成
した樹脂を、1個体で形成した非可逆回路素子としても
良い。
【0025】また、上記の何れかにおいて、中心導体の
各ポートまたはアースに接続する、それぞれの第1、2
の銅板のそれぞれの第3の部分とともに一体に形成した
樹脂を、1個体で形成した非可逆回路素子としても良
い。
【0026】この発明において、樹脂は、フェライトの
外周側に直接または中心導体を介して接することで当該
フェライトの配置を矯正してもよい。この目的で当該樹
脂成形物には適当な凹部を設ければなおよい。
【0027】あるいは、上記銅板と樹脂との一体成形物
は、当該非可逆回路素子の中心導体の各ポートと対応す
る位置にそれぞれ配置してもよいし、また上記樹脂の部
分を一体に形成しても良いし、アース板やアース側外部
電極を一体に形成したものであってもよい。
【0028】また、この発明において、容量素子は半固
定容量素子であり、その容量調整部は当該容量素子の最
外面上のアース側電極のトリミングパターンであるとと
もに非可逆回路素子の外側面に露出させて形成した非可
逆回路素子とすることができる。
【0029】すなわち、容量素子はトリミングが可能
で、そのトリミング作業は、非可逆回路素子組立固定
後、その側面から容易に行えるものである。このトリミ
ング作業の支障となるような金属製ヨークは、当該作業
部を除く位置に設けられる。従って当然ながら上記容量
素子のアース側電極の外側には局部的に銅板があるのみ
で、金属製ヨークが被っていてはならない。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の非可逆回路素子において
は、容量素子をいわゆる垂直配置、すなわち立てて使用
する。上記容量素子の対向側電極、アース側電極にはそ
れぞれ第1、第2の銅板をハンダ付けで電気的に接続す
る。これらの銅板は上記接続する部分では当然、垂直配
置となっている。
【0031】これらの2枚の銅板は、丁度それらの間に
容量素子が填るように、かつそれらが決して短絡しない
ような位置に樹脂で固定されている。この樹脂は通常は
各ポート対応分を独立させず一個体とする。その方が全
体の配置が正確になるし、部品点数が減、組立工数が少
となるからである。
【0032】さらに、上記容量素子の配置は、当該非可
逆回路素子の内側である中心導体側に当該容量素子の対
向側電極が向くように(当該非可逆回路素子の外側に、
容量素子のアース側電極が向くように)配置する。すな
わち導体板である銅板や容量素子の内部電極は、ノイズ
の到来方向やノイズの放出方向に対して遮るように配置
する。
【0033】この配置とすることで、容量素子と中心導
体との接続は最短距離となる。しかも余分の配線引き回
しが無いので、部品の点数減や小型化経済性に寄与でき
ることは言うに及ばず、配線のアンテナ作用が最小限に
抑制できるものである。この配線のアンテナ作用はノイ
ズの授受に関し、不利な現象である。
【0034】また、特に容量素子が半固定容量素子であ
る場合は、非可逆回路素子の外側面にトリミング用のパ
ターンが露出するように配置する。当然ながら上記トリ
ミングパターンはアース側電極に形成し、このトリミン
グ作業領域に金属ケースが被らないように金属ケースの
形状を決めてある。
【0035】第1、第2の銅板の第1の部分以外の構成
を説明する。第1の銅板は容量素子の対向側電極を半田
接続する部分(すなわち第1の部分13)以外の部分
に、中心導体の延出部を挟持するように折返した部分
(すなわち第2の部分14)を有し、この部分で中心導
体の仮止めを行い、しかる後中心導体の延出部と当該銅
板とは半田で固定し電気的に接続する。この導体の上記
折返した部分に相向かう部分(すなわち第2の部分1
4)は略水平にしておく方がより便利である。
【0036】上記第1の銅板は別の部分(すなわち第4
の部分16)において非可逆回路素子の外部電極を形成
している。この外部電極の部分は略水平(第3の部分1
5のことか?)であるが、上記折返した部分に相向かう
部分(すなわち第2の部分14)とは異なる平面上に設
ける方が便利である。すなわちこの間、例えば2回程度
折り曲げることになる。
【0037】第2の銅板は容量素子のアース側電極を半
田接続する部分(すなわち第1の部分)以外の部分のう
ち、一部(第3の部分)は樹脂中に一体形成し、また一
部(第2の部分)はアース板に電気的に接続またはアー
ス板を形成し、さらに一部(第4の部分)は当該非可逆
回路素子のアース側外部電極に接続またはアース側外部
電極を形成する。
【0038】
【実施例】以下に発明の詳細を実施例に基づいて説明す
る。図1は、本発明の実施例を説明するための、非可逆
回路素子の分解斜視図である。また図2は図1に示した
銅板の拡大斜視図である。
【0039】まず、第1、第2の銅板(11、12)と
樹脂(7)との一体成形物を別途準備し、下の金属ケー
ス(1)にはめ合わせた。上記一体成形物の中央孔底部
には上記樹脂(7)に一体成形されたアース板(9)が
露出している。この中央孔に中心導体(6)の接地部を
入れて下のアース板(9)にハンダ付けした。
【0040】この中心導体(6)の接地部の上、上記一
体成形物の中央孔の中にフェライトである円板状のガー
ネット(5)を配置し、上記中心導体(6)の一つの端
子を、上記ガーネット(5)を包むように折り曲げた
(ここに言う中心導体(6)の端子には網目部を含むも
のとする。)。続いて、上記中心導体(6)の他の一つ
の端子を同様に折り曲げ、先の端子との間にポリイミド
製の絶縁フィルムを挟み、同様の手順を繰り返して残っ
た端子を折り込んだ。
【0041】中心導体(6)のひとつの端子の延出部
は、上記一体成形物の第1の銅板(11)に設けた第2
の部分(14)の一部である折返し部に挟んで仮止めし
た後ハンダで電気的に接続した。同様にして他の端子も
他の第1の銅板(11)の折返し部に接続した。
【0042】続いて、第1、第2の銅板(11、12)
のそれぞれの第1の部分(13)の対向部にペースト半
田を塗布し、容量素子(8)を立ててはめ込み、リフロ
ー炉で加熱してハンダ付け固定した。
【0043】この際、上記容量素子(8)はいわゆる垂
直配置であるため、半田の回り込みは上記容量素子
(8)の下面に限定され、さらに上記容量素子(8)の
下面は溶融半田に対しての撥水性を有する樹脂(7)に
接しているので、上記容量素子(8)の下面への半田の
回り込みは皆無となった。これに後述の振動試験を行っ
て評価したところ短絡事故は皆無であった。
【0044】なお上記容量素子(8)の最外表面には、
アース側電極(20)でもあるところのトリミングパタ
ーン(18)を設け、この面が第2の銅板(12)側と
なり、反対側の最外表面である対向側電極(19)が第
1の銅板(11)側となるように容量素子(8)を配置
した。この第2の銅板(12)が下の金属ケース(1)
と同電位であることは言うまでもない。
【0045】上の金属ケース(1)には永久磁石である
バリウムフェライト円板(3)を接着し、電磁石で着磁
調整を施し、しかるのち、下の金属ケース(1)とはめ
合わせ非可逆回路素子とした。
【0046】翻って、別途準備した第1、第2の銅板
(11、12)と樹脂(7)との一体成形物の作成方法
について詳細に説明する。厚さ0.1mmの一枚の銅板
を、連続プレス加工機を用いて、図2の展開面となるよ
うに打ち抜き、折り曲げて、第1〜第4の部分(13〜
16)を形成し第1、第2の銅板(11、12)を作成
した。さらに同様にして対称形状の第1、第2の銅板
や、抵抗素子に繋がるポート用の第1、第2の銅板等を
作成した。
【0047】これらの第1、第2の銅板(11、12)
はトランスファ成形機を用いて樹脂(7)とともに一体
成形した。この樹脂(7)の形状は、中央部にガーネッ
ト(5)や中心導体(6)を挿入するための孔部を設
け、外形を下の金属ケース(1)の内側に収まるサイズ
とし、外部電極の周辺以外で下の金属ケース(1)の下
部を跨持するように下面に凹部を設けた。
【0048】また、非可逆回路素子に本発明のトリミン
グ調整機能を持たせたものについては、容量素子(8)
は表面にトリミングパターン(18)を設け、第2の銅
板(12)は上記トリミングパターン(18)と接触し
ないように小さく作成した。なお、トリミング作業は顕
微鏡で観察しながら、高速回転の先端が尖ったレジンボ
ンド砥石を、除去したい部分に押しつけて行った。
【0049】上、下の金属ケース(1)は連続プレスを
用い、厚さ0.2mmの鉄板を打ち抜き折り曲げた後、
表面に高導電処理を施して作成した。下の金属ケース
(1)の形状は、幅狭の底面の板とこれに繋がり相対向
する比較的幅広の2枚の側板との2部分で形成した。要
するに上面と相対向する2面とを開放とした。
【0050】以上のようにして組み上げた非可逆回路素
子は、ネットワークアナライザを用いて基本的な性能や
耐ノイズ性を測定した。また耐ノイズ性の測定において
は、内部寸法が概略800mm×600mm×600m
mの電磁波シールド無響箱内に本発明の非可逆回路素子
を搭載した携帯電話および送受信アンテナを設置してこ
れを行った。耐振性の評価試験は振動試験器を用いて所
定の振動をかけた後、基本性能の変化を確認した。
【0051】(結果の確認)作成した非可逆回路素子の
外形は、高さにおいて従来と変わらず、幅は辺々約1m
m強すなわち約25%小さくなった。これは薄い容量素
子(8)を立てて使った効果およびトリミング作業領域
などで金属ケースを部分的に省略した効果である。
【0052】部品点数は大幅に減少し大きな経済効果が
得られた。ひとつのポートにかかる第1、第2の銅板
(11、12)により、外部電極、外部電極までの引出
配線、中心導体延出部と前記引出配線までの中継線、容
量素子(8)の対向側電極(19)と左記引出配線まで
の中継線等々が不要となり、対応するアース側でもアー
ス板(9)への接続など同様の効果があり、さらに他の
ポートにかかる第1、第2の銅板(10)についても同
様の効果が得られたことによる。このような部品点数の
減によってハンダ付け作業の工数は10〜20%減少し
品質ばらつきも減少した。
【0053】トリミング関連では、調整工数が従来の約
1/3に激減した。しかも挿入損失の平均値は従来比
0.23dBも向上した。これはトリミング位置を素子
の外側面としたので調整が容易、かつ調整精度が高くな
ったこと、損失の原因となり易い上述の中継部品類が減
少したこと、損失の原因となり易い上述のハンダ作業が
減少したこと、ガーネット(5)の配置を容易かつ正確
に行えるようになったこと等々に起因するものである。
【0054】振動試験器を用いた24時間の振動試験に
おいても諸特性の劣化は皆無であり大幅の改善を得た。
上述の第1、第2の銅板(11、12)と樹脂(7)と
を一体成形したことによって強い振動が掛かっても配線
等の位置ずれを生じにくく、部品配置の安定性が飛躍的
に向上したことによるものである。
【0055】本発明によるアイソレータを携帯電話移動
局(端末機)に搭載してノイズ関連の評価を行ったとこ
ろ、外来ノイズに対する誤作動がなく、耐ノイズ性に優
れることが判明した。さらに、ノイズの発生量も少ない
ことが判明した。これは容量素子や銅板等の導電体が電
磁波伝搬方向に対して垂直に配置されたことによる効果
であると思われる。
【0056】
【発明の効果】移動体通信機器用の集中定数型非可逆回
路素子は、本発明を適用することにより以下の効果を得
た。製品が小型となった。部品点数が大幅に減少した。
ハンダ作業に伴う位置ずれが減少した。振動に強くなっ
た。短絡が予防でき、信頼性が向上した。容易かつ精密
な容量調整が可能となった。性能に優ればらつきの少な
い製品が得られた。
【0057】この結果、製造工程の自動化、機械化が可
能となった。生産性、生産効率の向上が著しく、製造原
価の減に大幅に寄与した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に関る非可逆回路素子の分解
斜視図である。
【図2】本発明の一実施例に関る非可逆回路素子の要部
の斜視図である。
【図3】本発明の一実施例に関る半固定容量素子の斜視
図である。
【符号の説明】
1:金属ケース、3:永久磁石、5:ガーネット(フェ
ライト)、6:中心導体、7:樹脂、8:容量素子、1
1:第1の銅板、12:第2の銅板、18:トリミング
パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三沢 彰規 鳥取県鳥取市南栄町70番地2号 日立金属 株式会社鳥取工場内 (72)発明者 市川 耕司 埼玉県熊谷市三ヶ尻5200番地 日立金属株 式会社磁性材料研究所内 (72)発明者 村上 志郎 埼玉県熊谷市三ヶ尻5200番地 日立金属株 式会社磁性材料研究所内 Fターム(参考) 5J013 EA01 FA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流磁界が印加されるフェライトに、複
    数の中心導体を互いに電気的絶縁状態にかつ交叉状に配
    置し、上記中心導体の1つのポートとアース間に抵抗素
    子および/または容量素子を接続し、他のポートのそれ
    ぞれとアース間に容量素子を接続した非可逆回路素子に
    おいて、前記少なくとも1つの容量素子を垂直配置した
    ことを特徴とする非可逆回路素子。
  2. 【請求項2】 直流磁界が印加されるフェライトに、複
    数の中心導体を互いに電気的絶縁状態にかつ交叉状に配
    置し、上記中心導体の1つのポートとアース間に抵抗素
    子および/または容量素子を接続し、他のポートのそれ
    ぞれとアース間に容量素子を接続した非可逆回路素子に
    おいて、前記容量素子は対向側電極とアース側電極を有
    し、前記対向側電極とアース側電極が垂直配置されてい
    ることを特徴とする非可逆回路素子。
  3. 【請求項3】 直流磁界が印加されるフェライトに、複
    数の中心導体を互いに電気的絶縁状態にかつ交叉状に配
    置し、上記中心導体の1つのポートとアース間に抵抗素
    子および/または容量素子を接続し、他のポートのそれ
    ぞれとアース間に容量素子を接続した非可逆回路素子に
    おいて、前記容量素子は対向側電極とアース側電極を有
    し、前記対向側電極とアース側電極は、前記フェライト
    の回転軸に対し30度以内の傾きをもって配置されてい
    ることを特徴とする非可逆回路素子。
  4. 【請求項4】 前記容量素子の対向側電極が非可逆回路
    素子の内側である中心導体側に向くように、かつ前記容
    量素子のアース側電極が前記非可逆回路素子の外側に向
    くように配置されていることを特徴とする請求項2また
    は3記載の非可逆回路素子。
  5. 【請求項5】 前記フェライトの外側で、前記容量素子
    の対向側電極を電気的に接続する第1の銅板と、前記容
    量素子を受けると共に、アース側電極を電気的に接続す
    る第2の銅板とを設け、前記第1、第2の銅板は樹脂を
    介して絶縁状態に一体成形してなり、前記第1、第2の
    銅板の間に前記容量素子をはめ込むように垂直配置した
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の非可
    逆回路素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030035958A (ko) * 2001-10-29 2003-05-09 알프스 덴키 가부시키가이샤 비가역 회로소자

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