JP2002042271A - 消防用映像伝送システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】消防活動を阻害することなく、消防現場におけ
る状況を把握する上で必要な映像を長時間にわたり伝送
することができ、しかも操作性に優れた消防用映像伝送
システムを提供する。 【解決手段】周囲環境を撮影可能に消防用車両１に搭載
される撮影装置２と伝送制御装置３とを、その搭載され
た状態の撮影装置２により生成された映像信号を伝送制
御装置３に送信できるように、消防用車両１に一体化さ
れている信号伝達手段６により接続する。その指令側制
御装置１１から離れた位置に配置される指令側制御装置
１１に映像信号を無線通信装置１２、１３を介して伝送
し、その映像信号に対応する映像を指令側制御装置１１
に接続される表示装置１５により表示する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、火災現場等の映像
を消防用車両から消防指令所等の指令側に伝送するため
の消防用映像伝送システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】火災現場等において消防活動を行う場
合、消防車の増援の必要性等を判断するため、現場状況
を消防指令所等の指令側に伝達する必要がある。従来、
そのような現場状況の伝達は音声による無線通信により
行うのが一般的であった。

【０００３】しかし、音声だけで現場状況を正確に報告
するのは困難であった。そこで、携帯型の伝送制御装置
に接続したカメラを消防用車両に現場で取り付け、火災
現場を撮影することで映像信号を生成し、その映像信号
を伝送制御装置に接続した携帯電話を介して指令側制御
装置に伝送し、その指令側制御装置に接続された表示装
置により火災現場の映像を表示することが行われてい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来のカメラと伝送制
御装置は携帯型のものであるため、火災現場に到着後に
消防用車両から積み卸し、カメラを消防用車両に取り付
けるセッティング作業が必要であった。しかし、そのよ
うなセッティング作業には人員や時間を要することか
ら、迅速な消防活動が阻害されるという問題がある。さ
らに、カメラと伝送制御装置が携帯型のものであるた
め、専用バッテリーが必要で連続撮影可能時間も短く、
電力供給の断接のために専用のスイッチ操作が必要とさ
れる。そのような専用バッテリーだけでなく、車載バッ
テリーも利用可能な携帯型伝送制御装置も存在するが、
電力供給用配線を車載バッテリーに接続するための作業
が必要になる。

【０００５】また、従来はカメラの視野範囲は最大でも
１８０度程度の範囲の映像しか表示できなかった。その
ため、カメラを消防用車両に取り付ける前に発火位置を
確認する必要があってセッティング作業に時間を要し、
また、カメラの視野範囲外の消防隊員の活動状況や不審
人物や危険物の有無等の状況を把握できない。また、消
防自動車の位置をＧＰＳ等を利用して測位することは行
われているが、指令側からはカメラにより何れの方向を
撮影しているかを認識できないため、発火位置を正確に
特定することができない。

【０００６】さらに、多くの消防用車両が出動する大規
模火災等では、一台のカメラからの映像だけでは充分に
状況を把握するのは困難であった。

【０００７】本発明は、上記問題を解決することのでき
る消防用映像伝送システムを提供することを目的とす
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の消防用映像伝送
システムの第１の特徴は、周囲環境を撮影可能に消防用
車両に搭載される撮影装置と、その消防用車両に搭載さ
れる伝送制御装置と、その撮影装置により生成された映
像信号を伝送制御装置に送信できるように、その消防用
車両に搭載された状態の撮影装置と伝送制御装置とを接
続する信号伝達手段と、その消防用車両から離れた位置
に配置される指令側制御装置と、その映像信号を指令側
制御装置に送信できるように、その伝送制御装置と指令
側制御装置とを接続する無線通信装置と、その映像信号
に対応する映像を表示できるように、その指令側制御装
置に接続される表示装置とを備え、その信号伝達手段
は、その消防用車両に一体化されている点にある。本発
明の構成によれば、消防用車両に搭載された撮影装置は
周囲環境を撮影することで映像信号を生成する。その映
像信号は、消防用車両に搭載された伝送制御装置に送信
され、その伝送制御装置から無線通信装置を介して指令
側制御装置に伝送される。その映像信号に対応する映像
が、その指令側制御装置に接続される表示装置により表
示される。その消防用車両に搭載された状態の撮影装置
と伝送制御装置とを接続する信号伝達手段は消防用車両
に一体化されているので、撮影装置と伝送制御装置とを
消防用車両に予め撮影を行うことができる状態で搭載し
ておくことができる。これにより、撮影装置と伝送制御
装置とを消防現場に到着後に消防用車両から積み卸した
り、撮影装置を消防用車両に取り付けるセッティング作
業のための人員や時間が不要になる。

【０００９】その消防用車両に搭載されるバッテリーか
ら撮影装置と伝送制御装置に電力を供給するための配線
が、その消防用車両に一体化され、その消防用車両の走
行用エンジン始動用キーによって操作されるスイッチに
より、そのバッテリーから撮影装置と伝送制御装置への
電力供給を断接可能であるのが好ましい。これにより、
伝送制御装置と撮影装置を駆動するための専用バッテリ
ーが不要になって連続撮影可能時間が長くなり、しか
も、電力供給のための配線接続作業が不要になる。ま
た、走行用エンジン始動用キーによって操作されるスイ
ッチの操作により伝送制御装置と撮影装置への電力供給
を断接できるので、特別なスイッチ操作を行うことなく
映像信号を伝送できる。

【００１０】本発明の消防用映像伝送システムの第２の
特徴は、周囲環境を撮影可能に消防用車両に搭載される
撮影装置と、その消防用車両に搭載される伝送制御装置
と、その撮影装置により生成された映像信号を伝送制御
装置に送信できるように、その消防用車両に搭載された
状態の撮影装置と伝送制御装置とを接続する信号伝達手
段と、各消防用車両から離れた位置に配置される指令側
制御装置と、その映像信号を指令側制御装置に送信でき
るように、その伝送制御装置と指令側制御装置とを接続
する無線通信装置と、その映像信号に対応する映像を表
示できるように、その指令側制御装置に接続される表示
装置と、その消防用車両に搭載されるバッテリーから撮
影装置と伝送制御装置に電力を供給するための配線とを
備え、その消防用車両に搭載されるバッテリーから撮影
装置と伝送制御装置に電力を供給するための配線が、そ
の消防用車両に一体化されている点にある。これによ
り、伝送制御装置と撮影装置を駆動するための専用バッ
テリーが不要になって連続撮影可能時間が長くなり、し
かも、電力供給のための配線接続作業が不要になる。

【００１１】その指令側制御装置に、旋回角度指令信号
を入力可能な入力装置が接続され、その旋回角度指令信
号は、その指令側制御装置から前記無線通信装置を介し
て前記伝送制御装置に送信され、その撮影装置を、その
旋回角度指令信号に対応する角度だけ上下方向軸回りに
旋回駆動可能な駆動装置が、その伝送制御装置に接続さ
れ、その撮影装置の旋回駆動角度範囲は３６０度以上と
されているのが好ましい。消防現場において停車する消
防用車両の向きは消火栓の位置や周囲状況等によって定
まるため、撮影装置を予め消防用車両に搭載した場合、
その搭載時の撮影装置の向きは必ずしも撮影に適した向
きにはならない。このような場合に、その撮影装置の旋
回駆動角度範囲が３６０度以上とされることで、その撮
影装置を撮影に適した方向に向けることができる。さら
に、発火位置等だけでなく、消防隊員の活動状況や不審
人物や危険物の有無等といった、消防用車両の全周囲の
状況把握のための撮影ができる。

【００１２】その旋回角度指令信号を伝送制御装置から
駆動装置に送信できるように、その消防用車両に搭載さ
れた状態の駆動装置と伝送制御装置とを接続する信号伝
達手段が、その消防用車両に一体化されているのが好ま
しい。その消防用車両に搭載された状態の駆動装置と伝
送制御装置とを接続する信号伝達手段は消防用車両に一
体化されているので、駆動装置を消防用車両に予め撮影
を行うことができる状態で搭載しておくことができる。
これにより、駆動装置を消防現場に到着後に消防用車両
から積み卸したり、消防用車両に取り付けるセッティン
グ作業のための人員や時間が不要になる。

【００１３】本発明の消防用映像伝送システムの第３の
特徴は、複数の消防用車両それぞれに、周囲環境を撮影
可能に搭載される撮影装置と、各消防用車両それぞれに
搭載される伝送制御装置と、各消防用車両それぞれにお
いて、撮影装置により生成された映像信号を伝送制御装
置に送信できるように、撮影装置と伝送制御装置とを接
続する信号伝達手段と、各消防用車両から離れた位置に
配置される指令側制御装置と、各撮影装置それぞれによ
り生成された映像信号を指令側制御装置に送信できるよ
うに、各伝送制御装置と指令側制御装置とを接続する無
線通信装置と、その指令側制御装置に接続される表示装
置とを備え、その表示装置により、複数の撮影装置から
の映像信号に対応する映像を同時表示する状態と、複数
の撮影装置から選択した一つの撮影装置からの映像信号
に対応する映像を表示する状態とに状態変更可能とされ
ている点にある。これにより、多くの消防用車両が出動
する大規模火災等において、各消防用車両に搭載した複
数の撮影装置により撮影された映像、あるいは任意に選
択した映像を、指令側制御装置に接続される表示装置に
より表示でき、状況把握に必要な充分な映像を得ること
ができる。

【００１４】本発明の消防用映像伝送システムの第４の
特徴は、周囲環境を撮影可能に消防用周囲環境を撮影可
能に消防用車両に搭載される撮影装置と、その消防用車
両に搭載される伝送制御装置と、その撮影装置により生
成された映像信号を伝送制御装置に送信できるように、
その消防用車両に搭載された状態の撮影装置と伝送制御
装置とを接続する信号伝達手段と、その消防用車両から
離れた位置に配置される指令側制御装置と、その映像信
号を指令側制御装置に送信できるように、その伝送制御
装置と指令側制御装置とを接続する無線通信装置と、そ
の映像信号に対応する映像を表示できるように、その指
令側制御装置に接続される表示装置と、その消防用車両
の測位手段と、その撮影装置の撮影方向検知手段とを備
え、その表示装置により表示される地図画像において、
その消防用車両の位置が方向指示画像により特定される
と共に、その方向指示画像により前記撮影装置の水平方
向における撮影方向が特定される点にある。これによ
り、消防用車両の位置を測位して地図画像上で特定する
と共に、その地図画像上で撮影装置による撮影方向を特
定できるので、指令側において発火位置等の撮影位置を
正確に特定できる。

【００１５】

【発明の実施の形態】図１に示す消防用映像伝送システ
ムにおいては、複数の消防用車両１それぞれに、撮影装
置２と伝送制御装置３とが搭載されている。各撮影装置
２は、例えばＣＣＤカメラや赤外線カメラ等により構成
され、本実施形態では消防用車両１の運転部の屋根に搭
載され、防水、防塵のためにカバーにより覆われてい
る。また、各撮影装置２はズーム機能を有し、伝送制御
装置３からの信号に応じてズーム倍率を変更可能であ
る。各撮影装置２の搭載位置は、消防用車両１の周囲環
境を撮影可能な位置であれば特に限定されず、例えば図
２の（１）、（２）、（３）に示すように消防用車両１
の運転室の屋根に取り付けられる回転灯４の上部に取り
付け、透明カバー２ａにより覆ってもよいし、消防用車
両１に上下伸縮可能なマストを設け、そのマストに取り
付けるようにしてもよいし、消防用車両１が梯子車であ
る場合は梯子に取り付けるようにしてもよい。また、消
防用車両１は必ずしも消防用ポンプを搭載するものに限
定されず、例えば消防現場を照明するための昇降可能な
照明装置を搭載する車両でもよく、この場合は照明装置
に撮影装置２を取り付けてもよい。

【００１６】各撮影装置２は、消防用車両１に駆動装置
５を介して搭載されている。その駆動装置５は撮影装置
２を上下方向軸回りに±１８０度旋回駆動可能で、これ
により撮影装置２の旋回駆動角度範囲は３６０度とされ
ている。なお、その旋回駆動角度範囲は３６０度以上で
あれば特に限定されない。また、各駆動装置５は撮影装
置２を横方向軸回りに−２０度〜＋９０度旋回駆動可能
である。

【００１７】各伝送制御装置３の搭載位置は特に限定さ
れないが、風雨に晒されない位置に搭載されるのが好ま
しく、本実施形態では消防用車両１の運転室内部に搭載
される。各伝送制御装置３としては市販のものを用いる
ことができる。

【００１８】各消防用車両１に搭載された状態の撮影装
置２と伝送制御装置３とは、信号伝達手段として配線６
を介して接続され、その配線６は例えば車体内部に取り
付けられることで消防用車両１に一体化されている。そ
の配線６を介して、撮影装置２により生成された映像信
号が伝送制御装置３に送信され、また、伝送制御装置３
から撮影装置２にズーム倍率指令信号が送信される。各
消防用車両１に搭載された状態の駆動装置５と伝送制御
装置３も、信号伝達手段として配線７を介して接続さ
れ、その配線７は消防用車両１に一体化されている。そ
の配線７を介して、伝送制御装置３から駆動装置５に旋
回角度指令信号が送信される。なお、配線６、７による
有線信号伝達手段に代え、例えば赤外線通信装置等の無
線信号伝達手段を用いてもよい。

【００１９】各消防用車両１において、撮影装置２と伝
送制御装置３と駆動装置５に、その消防用車両１に搭載
されるバッテリー８から電力を供給するための配線６、
７、９が、その消防用車両１に一体化されている。配線
６、７は上記の信号伝達手段を兼用する。配線９の途中
には電圧調整器９ａが介在する。そのバッテリー８から
撮影装置２と伝送制御装置３と駆動装置５への電力供給
は、その消防用車両１の走行用エンジン始動用キーによ
って操作されるスイッチ１０により断接可能とされてい
る。すなわち、そのキーをキー孔に挿入し、オフ位置と
エンジン始動位置との間に設けられた電力供給位置まで
操作するだけで電力供給可能とされている。

【００２０】各消防用車両１から離れた位置、例えば消
防署内の指令室等に指令側制御装置１１が配置される。
各撮影装置２それぞれにより生成された映像信号を指令
側制御装置１１に送信できるように、各伝送制御装置３
と指令側制御装置１１とは無線通信装置１２、１３を介
して接続される。本実施形態では、各伝送制御装置３側
の無線通信装置１２のアンテナ１２ａは消防用車両１の
屋根に設置されるが、無線通信装置１２にアンテナが内
蔵されていてもよい。

【００２１】その指令側制御装置１１にＣＲＴディスプ
レイ等の表示装置１５が接続され、その表示装置１５に
より各撮影装置２それぞれにより生成された映像信号に
対応する映像が表示される。その指令側制御装置１１に
接続される入力装置１４の操作により、表示映像選択信
号と、各撮影装置２のズーム倍率指令信号と、各駆動装
置５の旋回角度指令信号とが入力可能とされている。

【００２２】その表示映像選択信号は、何れの撮影装置
２からの映像信号に対応する映像を表示装置１５により
表示するかを選択するための信号であり、その信号に基
づき全ての映像の中から任意の映像を選択することが可
能とされている。これにより表示装置１５によって、複
数の撮影装置２からの映像信号に対応する映像を同時表
示する状態と、複数の撮影装置２から選択した一つの撮
影装置２からの映像信号に対応する映像を表示する状態
とに状態変更可能とされている。図３の（１）は、複数
の撮影装置２からの映像信号に対応する映像を同時表示
する状態を示し、図示例では４台の撮影装置２からの映
像信号に対応する映像Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄを同時表示してい
る。図３の（２）は、一つの撮影装置２からの映像信号
に対応する映像Ｄを表示する状態を示す。何れの消防用
車両１に搭載した撮影装置２により撮影した映像かを識
別するため、その撮影装置２が搭載されている消防用車
両１の車両番号等を併せて表示するのが好ましい。同時
表示する映像の数は特に限定されず、表示装置１５の画
面サイズ等に応じて任意に設定すればよい。

【００２３】そのズーム倍率指令信号は、入力装置１４
から各撮影装置２毎に個別に指令側制御装置１１に入力
可能とされ、その指令側制御装置１１から無線通信装置
１２、１３を介して各伝送制御装置３に送信され、各伝
送制御装置３から各撮影装置２に送信される。これによ
り、各撮影装置２による被写体の撮影倍率がズーム倍率
指令信号に対応するものとなる。また、入力装置１４か
ら各撮影装置２毎に個別に指令側制御装置１１にパノラ
マ映像表示信号が入力可能とされている。図３の（３）
は、一つの撮影装置２の最大視野に対応するパノラマ映
像Ｅの表示装置１５による表示状態を示す。

【００２４】その旋回角度指令信号は、入力装置１４か
ら各撮影装置２毎に個別に指令側制御装置１１に入力可
能とされ、その指令側制御装置１１から無線通信装置１
２、１３を介して各伝送制御装置３に送信され、各伝送
制御装置３から各駆動装置５に送信される。これによ
り、各駆動装置５により各撮影装置２が旋回角度指令信
号に対応する角度だけ上下方向軸回りと横方向軸回りに
旋回駆動される。その旋回駆動速度は、上記撮影装置２
のズーム倍率に応じて変更可能とし、映像が拡大される
程に低速で旋回するのが好ましい。

【００２５】本実施形態では、ＧＰＳを構成する人口衛
星からの位置特定用信号の処理装置２１が各消防用車両
１に搭載され、その信号の受信アンテナ２１ａと地上の
基地局からのＧＰＳ用補正信号の受信アンテナ２１ｂが
各消防用車両１の屋根に取り付けられている。これによ
り、各消防用車両１の位置が測定され、その測定信号が
各伝送制御装置３から無線通信装置１２、１３を介して
指令側制御装置１１に伝送される。なお、そのようなＧ
ＰＳ用補正信号は必ずしも用いる必要はない。また、そ
の処理装置２１に車速センサ２２と走行方向検知用ジャ
イロセンサ２３とが接続され、消防用車両１の走行方向
と走行速度とを検知し、ＧＰＳの測定精度低下時に自律
的に消防用車両１の位置を測定することが可能とされて
いる。その指令側制御装置１１は、各消防用車両１の位
置を地図画像上で特定するための映像信号を生成して表
示装置１５に送信する。例えば図３の（２）に示すよう
に、その消防用車両１の位置を特定するための地図画像
Ｍは、撮影装置２により生成される映像信号に対応する
映像と同時に表示可能とされている。さらに、その地図
画像Ｍにおいて消防用車両１の位置を矢印等の方向指示
画像Ｍ′で特定し、その方向指示画像Ｍ′により撮影装
置２の水平方向における撮影方向を特定するのが好まし
い。その撮影装置２の撮影方向は、例えば撮影装置２に
ジャイロセンサを取り付けることで測定すればよい。こ
れにより、指令側において発火位置等の撮影位置を正確
に特定できる。

【００２６】上記構成によれば、各消防用車両１に搭載
された撮影装置２は周囲環境を撮影することで映像信号
を生成し、その映像信号を配線６を介して消防用車両１
に搭載された伝送制御装置３に送信する。その映像信号
は無線通信装置１２、１３を介して指令側制御装置１１
に伝送される。その映像信号に対応する映像が、その指
令側制御装置１１に接続される表示装置１５により表示
される。その消防用車両１に搭載された状態の撮影装置
２と伝送制御装置３とを接続する配線６と、駆動装置５
と伝送制御装置３とを接続する配線７は消防用車両１に
一体化されているので、撮影装置２と伝送制御装置３と
駆動装置５を消防用車両１に予め撮影を行うことができ
る状態で搭載しておくことができる。これにより、撮影
装置２と伝送制御装置３と駆動装置５を消防現場に到着
後に消防用車両１から積み卸したり、撮影装置２と駆動
装置５を消防用車両１に取り付けるセッティング作業の
ための人員や時間が不要になる。その伝送制御装置３と
撮影装置２を駆動するための電力を消防用車両１に搭載
されるバッテリー８から供給することで、専用バッテリ
ーが不要になって連続撮影可能時間が長くなり、しか
も、電力供給のための配線接続作業が不要になる。ま
た、走行用エンジン始動用キーによって操作されるスイ
ッチ１０により伝送制御装置３と撮影装置２と駆動装置
５への電力供給を断接できるので、特別なスイッチ操作
を行うことなく映像信号を伝送できる。その撮影装置２
の旋回駆動角度範囲が３６０度とされることで、その撮
影装置２を撮影に適した方向に向けることができる。さ
らに、発火位置等だけでなく、消防隊員の活動状況や不
審人物や危険物の有無等といった、消防用車両１の全周
囲さらに、多くの消防用車両１が出動する大規模火災等
において、各消防用車両１に搭載した撮影装置２により
撮影された全ての映像、あるいは任意に選択した映像
を、指令側制御装置１１に接続される表示装置１５によ
り表示でき、状況把握に必要な充分な映像を得ることが
できる。

【００２７】

【発明の効果】本発明によれば、消防活動を阻害するこ
となく、消防現場における状況を把握する上で必要な映
像を長時間にわたり伝送することができ、しかも操作性
に優れた消防用映像伝送システムを提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態における消防用映像伝送シス
テムの構成説明図

【図２】本発明の変形例における撮影装置の（１）は平
面図、（２）は正面図、（３）は側面図

【図３】（１）〜（３）は、本発明の実施形態における
消防用映像伝送システムの表示装置による表示状態を示
す図

【符号の説明】

１ 消防用車両 ２ 撮影装置 ３ 伝送制御装置 ５ 駆動装置 ６ 配線 ８ バッテリー ９ 配線 １０ スイッチ １１ 指令側制御装置 １２、１３ 無線通信装置 １４ 入力装置 １５ 表示装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島津 護 大阪府大阪市生野区小路東五丁目５番20号 株式会社モリタ内 (72)発明者 神代 斉 大阪府大阪市生野区小路東五丁目５番20号 株式会社モリタ内 Ｆターム(参考） 3D020 BA20 BB00 BC18 BD02 BD09 BE03 5C054 BA00 CD03 DA07 FA01 FD02 FD07 HA20 5C087 AA03 AA09 AA24 BB02 BB19 BB20 BB46 BB74 DD04 DD14 DD23 EE05 EE06 FF01 FF04 FF13 FF17 FF30 GG57 GG66 GG69 GG70

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】周囲環境を撮影可能に消防用車両に搭載さ
   れる撮影装置と、その消防用車両に搭載される伝送制御
   装置と、その撮影装置により生成された映像信号を伝送
   制御装置に送信できるように、その消防用車両に搭載さ
   れた状態の撮影装置と伝送制御装置とを接続する信号伝
   達手段と、その消防用車両から離れた位置に配置される
   指令側制御装置と、その映像信号を指令側制御装置に送
   信できるように、その伝送制御装置と指令側制御装置と
   を接続する無線通信装置と、その映像信号に対応する映
   像を表示できるように、その指令側制御装置に接続され
   る表示装置とを備え、その信号伝達手段は、その消防用
   車両に一体化されている消防用映像伝送システム。
2. 【請求項２】その消防用車両に搭載されるバッテリーか
   ら撮影装置と伝送制御装置に電力を供給するための配線
   が、その消防用車両に一体化され、その消防用車両の走
   行用エンジン始動用キーによって操作されるスイッチに
   より、そのバッテリーから撮影装置と伝送制御装置への
   電力供給を断接可能な請求項１に記載の消防用映像伝送
   システム。
3. 【請求項３】周囲環境を撮影可能に消防用車両に搭載さ
   れる撮影装置と、その消防用車両に搭載される伝送制御
   装置と、その撮影装置により生成された映像信号を伝送
   制御装置に送信できるように、その消防用車両に搭載さ
   れた状態の撮影装置と伝送制御装置とを接続する信号伝
   達手段と、各消防用車両から離れた位置に配置される指
   令側制御装置と、その映像信号を指令側制御装置に送信
   できるように、その伝送制御装置と指令側制御装置とを
   接続する無線通信装置と、その映像信号に対応する映像
   を表示できるように、その指令側制御装置に接続される
   表示装置と、その消防用車両に搭載されるバッテリーか
   ら撮影装置と伝送制御装置に電力を供給するための配線
   とを備え、その消防用車両に搭載されるバッテリーから
   撮影装置と伝送制御装置に電力を供給するための配線
   が、その消防用車両に一体化されている消防用映像伝送
   システム。
4. 【請求項４】その指令側制御装置に、旋回角度指令信号
   を入力可能な入力装置が接続され、その旋回角度指令信
   号は、その指令側制御装置から前記無線通信装置を介し
   て前記伝送制御装置に送信され、その撮影装置を、その
   旋回角度指令信号に対応する角度だけ上下方向軸回りに
   旋回駆動可能な駆動装置が、その伝送制御装置に接続さ
   れ、その撮影装置の旋回駆動角度範囲は３６０度以上と
   されている請求項１〜３の中の何れかに記載の消防用映
   像伝送システム。
5. 【請求項５】その旋回角度指令信号を伝送制御装置から
   駆動装置に送信できるように、その消防用車両に搭載さ
   れた状態の駆動装置と伝送制御装置とを接続する信号伝
   達手段が、その消防用車両に一体化されている請求項４
   に記載の消防用映像伝送システム。
6. 【請求項６】複数の消防用車両それぞれに、周囲環境を
   撮影可能に搭載される撮影装置と、各消防用車両それぞ
   れに搭載される伝送制御装置と、各消防用車両それぞれ
   において、撮影装置により生成された映像信号を伝送制
   御装置に送信できるように、撮影装置と伝送制御装置と
   を接続する信号伝達手段と、各消防用車両から離れた位
   置に配置される指令側制御装置と、各撮影装置それぞれ
   により生成された映像信号を指令側制御装置に送信でき
   るように、各伝送制御装置と指令側制御装置とを接続す
   る無線通信装置と、その指令側制御装置に接続される表
   示装置とを備え、その表示装置により、複数の撮影装置
   からの映像信号に対応する映像を同時表示する状態と、
   複数の撮影装置から選択した一つの撮影装置からの映像
   信号に対応する映像を表示する状態とに状態変更可能と
   されている消防用映像伝送システム。
7. 【請求項７】周囲環境を撮影可能に消防用車両に搭載さ
   れる撮影装置と、その消防用車両に搭載される伝送制御
   装置と、その撮影装置により生成された映像信号を伝送
   制御装置に送信できるように、その消防用車両に搭載さ
   れた状態の撮影装置と伝送制御装置とを接続する信号伝
   達手段と、その消防用車両から離れた位置に配置される
   指令側制御装置と、その映像信号を指令側制御装置に送
   信できるように、その伝送制御装置と指令側制御装置と
   を接続する無線通信装置と、その映像信号に対応する映
   像を表示できるように、その指令側制御装置に接続され
   る表示装置と、その消防用車両の測位手段と、その撮影
   装置の撮影方向検知手段とを備え、その表示装置により
   表示される地図画像において、その消防用車両の位置が
   方向指示画像により特定されると共に、その方向指示画
   像により前記撮影装置の水平方向における撮影方向が特
   定される消防用映像伝送システム。