JP2002040401A - 液晶表示装置及びその製造方法並びに画像表示応用機器 - Google Patents

液晶表示装置及びその製造方法並びに画像表示応用機器

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JP2002040401A
JP2002040401A JP2000230595A JP2000230595A JP2002040401A JP 2002040401 A JP2002040401 A JP 2002040401A JP 2000230595 A JP2000230595 A JP 2000230595A JP 2000230595 A JP2000230595 A JP 2000230595A JP 2002040401 A JP2002040401 A JP 2002040401A
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crystal display
display device
plastic substrate
substrate
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Application number
JP2000230595A
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English (en)
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Junya Yamamoto
純也 山本
Hiroaki Mizuno
浩明 水野
Yasuhiro Hosokawa
育宏 細川
Yuji Satani
裕司 佐谷
Naomi Kaneko
尚美 金子
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明電極の低抵抗化のために、透明電極の膜
厚を大きくすると、基板の反りに加えて透明電極にクラ
ックが発生するので、これを防止すること。 【解決手段】 樹脂成形の基板1の一方の面に熱膨張係
数が7.0×10-6/℃以下の無機膜2を形成する。基
板1の他方の面にITO膜3からなる透明電極を形成す
る。このような構成の基板間に液晶層を狭持して液晶表
示装置を作成する。こうすると、温度環境が変化しても
液晶層のセル厚が変化せず、薄型化及び軽量化された液
晶表示装置が実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、少なくとも一方の基板
がプラスチック基板で構成される液晶表示装置及びその
製造方法並びに画像表示応用機器に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置において、液晶層を一定厚
みに保持することと、電極を形成するために、透明基板
としてガラス基板が一般に用いられる。ガラス基板に対
して透明電極の一つであるITO(インジウムチンオキ
サイド)膜を形成する方法としてスパッタリング法があ
る。この方法でITO膜を形成する場合、ガラス基板に
は100℃以上の熱がかかるのが一般的である。
【0003】同様に基板を加熱してITO膜を成膜する
方法を、プラスチック基板に適用した場合、透明電極が
形成されるプラスチック基板は、透明電極形成の加熱時
と形成後の室温時において、プラスチック基板と透明電
極の熱膨張の差により、透明電極の形成側が凸状になる
よう反りが発生する。
【0004】ガラス基板の熱膨張係数はガラスの種類に
より異なるが、ソーダガラスの場合は4.0×10-6
℃である。ITO膜の熱膨張係数は、組成比や成膜法等
により変化するが、スパッタリング法で成膜した場合、
6.0×10-7/℃から2.0×10-6/℃である。こ
のように透明電極とガラス基板はそれらの熱膨張係数の
差がほとんどないため、透明電極の形成前後の基板温度
差による基板反りは殆ど発生しない。
【0005】一方、プラスチック基板として用いられる
一般的な有機材料の熱膨張係数を考える。例えばポリカ
ーボネートは2×10-5/℃、ポリエチレンテレフタレ
ートは1.8×10-5/℃、ポリエーテルスルフォンは
4.8×10-5/℃、アクリル樹脂は2×10-5/℃で
あり、ITOやガラスよりも大きい。
【0006】従ってスパッタリング法を用いてITO膜
を形成するときには、プラスチック基板が加熱されるの
で、プラスチック基板は透明電極よりも大きく膨張す
る。そしてITO膜の形成後に室温に戻すと、プラスチ
ック基板はITO膜よりも大きく収縮する。一般的に液
晶表示装置に用いられるプラスチック基板の膜厚は0.
5mm以下であり、その場合はプラスチック基板のIT
O膜の形成側に凸状の反りが発生してしまう。
【0007】また、室温で基板に透明電極を形成する方
法としてイオンプレーティング法がある。この方法でプ
ラスチック基板にITO膜を形成した場合、室温では基
板に反りは見られない。
【0008】しかしながら液晶表示装置の製造工程に
は、基板洗浄後の乾燥、配向膜形成、カラーフィルター
形成、オーバーコート膜形成といった加熱工程がある。
従って室温で透明電極を成膜したプラスチック基板であ
っても、上記加熱工程にてプラスチック基板と透明電極
とに熱膨張差が生じ、透明電極側が凹状となる反りが発
生してしまう。
【0009】例えば、寸法が300×300mm2 、膜
厚が0.4mmのポリカーボネート基板にスパッタリン
グ法にて120℃でITO膜を形成し、その後基板を2
0℃にした場合、ポリカーボネート基板の寸法変化は1
辺あたり0.6mmとなる。一方、ITO膜の熱膨張係
数が2.0×10-6/℃である場合、ITO膜の寸法変
化は0.06mmである。従って、ポリカーボネート基
板とITO膜の寸法変化の差は0.54mmにもなり、
ITO膜を形成したポリカーボネート基板はITO膜側
が凸状になるよう大きく反る。また、熱膨張係数が6.
0×10-7/℃のITO膜を形成した場合、ITO膜の
寸法変化は0.018mmであり、ポリカーボネート基
板とITO膜の寸法変化の差は0.42mmと大きく、
このITO膜を形成したポリカーボネート基板もITO
膜側が凸状になるよう大きく反る。また、20℃でIT
O膜を形成したポリカーボネート基板を120℃に加熱
した場合は、ITO膜の寸法変化がプラスチック基板に
対して小さいことにより、ITO膜側が凹状になるよう
反りが発生する。
【0010】このように、室温から基板耐熱温度までの
間では、熱によるプラスチック基板の寸法変化が大きく
なることにより、透明電極を形成したプラスチック基板
に反りが発生することが分かっている。
【0011】プラスチック基板を用いた液晶表示装置
は、携帯電話を主用途として製造されており、1/80
デューティ以下で駆動するSTN方式のものが多い。そ
の場合、透明電極の抵抗値は50Ω/□程度であれば十
分であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし近年、プラスチ
ック基板を用いた液晶表示装置では、携帯電話の大画面
化、階調表示、カラー表示により、透明電極パターンの
高精細化、低抵抗化の要求がある。透明電極を低抵抗化
する方法として、その膜厚を大きくするのが一般的であ
る。抵抗値が50Ω/□であれば、透明電極の膜厚は
0.10μm前後であれば十分であった。しかし、階調
表示やカラー表示を行うには、透明電極の抵抗値は30
Ω/□以下は必要である。抵抗値を30Ω/□にするに
は約0.15μm前後、20Ω/□以下にするには0.
22μm以上の膜厚が必要である。
【0013】前述したように、液晶表示装置の製造工程
には、基板洗浄後の乾燥、配向膜形成、カラーフィルタ
ー形成、オーバーコート膜形成といった加熱工程があ
る。透明電極の膜厚が大きくなると、この加熱時に透明
電極の形成側が凸状となったプラスチック基板は一旦平
滑になったり、透明電極の形成時の環境温度よりも高温
時には透明電極の形成側が凹状になる。そして室温に戻
すと、再び透明電極の形成側が凸状になる。透明電極が
このよな熱履歴による応力を緩和できなくなると、透明
電極にクラックが発生する。
【0014】また、透明電極を室温形成したプラスチッ
ク基板の場合は、加熱時に透明電極側が凹状に反り、加
熱工程を繰り返すことにより透明電極にクラックが発生
する。
【0015】このように、プラスチック基板を用いた液
晶表示装置では、透明電極を厚膜化した場合、透明電極
にクラックが発生し、このような透明電極を用いて作成
した液晶表示装置は、透明電極の断線による表示不良が
発生するという問題があった。
【0016】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであって、プラスチック基板を用いても
透明電極にクラックが発生せず、透明電極の断線による
表示不良が発生しない液晶表示装置を実現することと、
このような液晶表示装置の製造方法を確立すること、及
び上記の液晶表示装置を用いた画像表示応用機器を提供
することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1の発明
は、一方の面に透明電極が形成された2枚の基板を対向
配置し、前記2枚の基板の少なくとも一方にプラスチッ
ク基板を用い、前記両基板間に液晶層を狭持してなる液
晶表示装置において、透明電極が形成されたプラスチッ
ク基板の他方の面に無機膜からなる層を形成したことを
特徴とする。
【0018】本願の請求項2の発明は、一方の面に透明
電極が形成された2枚の基板を対向配置し、前記2枚の
基板の少なくとも一方にプラスチック基板を用い、前記
両基板間に液晶層を狭持してなる液晶表示装置におい
て、透明電極が形成されたプラスチック基板の他方の面
に、熱膨張係数が7.0×10-6/℃以下の無機膜から
なる層を形成したことを特徴とする。
【0019】本願の請求項3の発明は、請求項1又は2
の液晶表示装置において、前記無機膜は、酸化珪素、窒
化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化タ
ンタルのいずれかを含む膜であることを特徴とする。
【0020】本願の請求項4の発明は、請求項1〜3の
いずれか1項の液晶表示装置において、前記無機膜は、
0.02μm〜0.50μmの膜厚であることを特徴と
する。
【0021】本願の請求項5の発明は、請求項1又は2
の液晶表示装置において、前記プラスチック基板は、ア
クリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹
脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリエーテル
スルフォン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリシリコン
系樹脂のうち、いずれかで形成されることを特徴とす
る。
【0022】本願の請求項6の発明は、2枚の基板を対
向配置し、前記2枚の基板の少なくとも一方にプラスチ
ック基板を用い、前記両基板間に液晶層を狭持してなる
液晶表示装置の製造方法において、前記プラスチック基
板の片面に透明電極を形成し、前記プラスチック基板の
他面に無機膜を形成したことを特徴とする。
【0023】本願の請求項7の発明は、2枚の基板を対
向配置し、前記2枚の基板の少なくとも一方にプラスチ
ック基板を用い、前記両基板間に液晶層を狭持してなる
液晶表示装置の製造方法において、前記プラスチック基
板の片面に透明電極を形成し、前記プラスチック基板の
他面に、熱膨張係数が7.0×10-6/℃以下の無機膜
を形成したことを特徴とする。
【0024】本願の請求項8の発明は、請求項6又は7
の液晶表示装置の製造方法において、前記無機膜は、酸
化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウ
ム、酸化タンタルのいずれかを含む膜であることを特徴
とする。
【0025】本願の請求項9の発明は、請求項6〜8の
いずれか1項の液晶表示装置の製造方法において、前記
無機膜は、0.02μm〜0.50μmの膜厚であるこ
とを特徴とする。
【0026】本願の請求項10の発明は、請求項6又は
7の液晶表示装置の製造方法において、前記プラスチッ
ク基板は、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、
エポキシ系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、
ポリエーテルスルフォン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、
ポリシリコン系樹脂のうち、いずれかで形成されること
を特徴とする。
【0027】本願の請求項11の発明は、請求項1〜5
のいずれか1項記載の液晶表示装置を有することを特徴
とする。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態におけ
る液晶表示装置及びその製造方法について説明する。本
実施の形態の液晶表示装置は、透明電極パターンが形成
された2枚の基板を対向配置し、この2枚の基板の少な
くとも一方にプラスチック基板を用い、当該基板間に液
晶層を狭持したものである。特にプラスチック基板の片
面に透明電極パターンを形成すると共に、プラスチック
基板の透明電極が形成されていない他方の面に、熱膨張
係数が7.0×10-6/℃以下の無機膜からなる層を形
成することが好ましい。
【0029】上記の無機膜は、酸化珪素、窒化珪素、酸
化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化タンタルのい
ずれかを含む少なくとも一層からなるものとする。また
この無機膜の膜厚は0.02μm〜0.50μmである
ことが好ましい。
【0030】また上記のプラスチック基板は、アクリル
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート系樹脂、ポリエーテルスルフ
ォン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリシリコン系樹脂
のいずれかを含む少なくとも一層の構成からなるものと
する。
【0031】また上下2枚の基板のどちらもプラスチッ
ク基板を用いたが、これに限ることなく、一方がプラス
チック基板で、他方がガラス基板という異種基板を用い
ることもできる。無機膜の形成方法として、スパッタリ
ング法又はイオンプレーティング法を主として用いる
が、蒸着法、レーザー照射成膜法、塗工成膜法、またそ
の他の成膜法を用いても同様な特性が得られる。基板保
護膜としてアクリル系樹脂膜を基板両面に形成するが、
どちらか一方の面に形成ても同様の特性が得られる。
【0032】液晶表示装置を用いた携帯用の画像表示応
用機器は、薄型化、軽量化、堅牢性が要求されている。
特に携帯電話のような画像表示応用機器では、薄型化及
び軽量化が商品としての重要な評価対象となっている。
プラスチック基板の厚みを現行の0.4mmから、0.
2mm以下のものにすることもできる。この場合、機器
の外形に合わせて湾曲した表示パネルも実現できる。ま
たプラスチック基板であれば、表示パネル面に対して鋭
利な器物が当たっても、表示パネル自身が割れるという
事態を避けることができる。このような特性を有する液
晶表示装置は、携帯電話の需要において大きなものがあ
る。
【0033】
【実施例】以上のような構成を有する液晶表示装置にお
いて、基板の作成方法を中心にして評価結果と共に具体
的に説明する。
【0034】(実施例1)図1は実施例1におけるプラ
スチック基板の断面図である。基材として厚さ400μ
mのアクリル系の基板1を用いる。この基板1の一方の
面に、イオンプレーティング法により酸化珪素からなる
無機膜2を40℃で0.20μmの厚さに成膜した。こ
の酸化珪素の熱膨張係数は1.0×10-6/℃である。
さらに酸化珪素膜2を形成していない他方の面にイオン
プレーティング法により、ITO膜3を40℃で0.1
6μmの厚さに形成した。こうして150×150mm
2 角のプラスチック基板を作成した。
【0035】(比較例1)比較例1として、従来のよう
に基板の一方の面にのみに透明電極が形成されたプラス
チック基板を実施例1と同様の条件で作成した。尚、基
板の他方の面には酸化珪素からなる無機膜を形成しなか
った。
【0036】(比較結果)実施例1で得られたプラスチ
ック基板を20℃から150℃になるまで10分間で加
熱し、150℃で30分間保持した。この後、環境温度
20℃の場所で30分間冷却した。このような試験を3
回繰り返し、得られたサンプルのITO表面を光学顕微
鏡を用いて観察した。100×100mm2 中の範囲内
の20ヶ所を観察し、ITOのクラックの有無について
評価した。
【0037】その結果、比較例1の基板では、平均で
2.5個/mm2 の割合でクラックが観察されたが、実
施例1の基板ではクラックは観察されなかった。またこ
のサンプルでのITOの抵抗変化率を測定した。抵抗変
化率は(試験後の抵抗)/(試験前の抵抗)で表した。
その結果、比較例1の抵抗変化率は7.8となり、良好
な結果は得られなかった。これに対して実施例1の抵抗
変化率は1.0であり、試験前後の変化は無く、良好な
結果が得られた。
【0038】(液晶表示装置の製造)次にプラスチック
基板を用いた液晶表示装置の製造方法について説明す
る。本実施例1のプラスチック基板の透明電極を、フォ
トリソグラフィーでパターンニングし、液晶表示装置と
しての透明電極パターンを形成した。そして透明電極パ
ターン上に配向膜を印刷形成した後、250°ツイスト
のSTNモードの液晶を実現するように、レーヨン布を
用いた回転ラビングにより配向処理を行った。対向基板
も同様にして作成した。
【0039】ガラスファイバを1.0wt%混入した紫
外線硬化性シール樹脂を用意し、一方の基板の周囲部分
にこの紫外線硬化性シール樹脂を印刷した。他方の基板
上には、所定の径の樹脂ビーズを200個/mm2 の割
合で散布した。そして両基板を貼り合わせ、紫外線照射
によりシール樹脂を硬化した。その後、n=0.14の
エステル系ネマチック液晶に所定の量のカイラル剤を混
ぜた混合液晶を真空注入し、紫外線硬化樹脂で封口し
た。そして紫外線照射により硬化後、熱処理して液晶セ
ルを形成し、液晶表示装置を試作した。
【0040】そして、本実施例1の基板を用いた液晶表
示装置について、ITOの断線による表示不良の有無と
閾値むらとについて目視で評価した。比較例1の基板を
用いた液晶表示装置についても、実施例1の基板を用い
たものと同様にして試作した。そして実施例1と比較例
1とを評価した。その結果、比較例1の基板を用い液晶
表示装置では表示不良が発生していたが、実施例1の基
板を用い液晶表示装置では、断線による表示不良、及び
基板反りによる閾値むらは発生せず、良好な結果が得ら
れた。
【0041】(比較例2)次に比較例2の基板について
説明する。基材として厚さ400μmのアクリル系の基
板を用意し、この基板の一方の面に、スパッタリング法
によりAl(アルミニウム)からなる無機膜を120℃
で0.10μmの厚さに成膜した。このAlの熱膨張係
数は9.0×10-6/℃であった。更にAl膜を形成し
ていない基板の他方の面にスパッタリング法により、I
TO膜を120℃で0.24μmの厚さに形成した。こ
うして150×150mm2 角のプラスチック基板を作
成した。
【0042】次に比較例2のプラスチック基板を20℃
から150℃になるまで10分間加熱した。そして15
0℃で30分間保持した後、環境温度20℃の場所で3
0分冷却した。このような試験を3回繰り返し、サンプ
ルのITO表面を光学顕微鏡を用いて100×100m
2 中の範囲内の20ヶ所を観察し、ITOのクラック
の有無について評価した。
【0043】その結果、比較例2の基板では、平均で
1.2個/mm2 の割合でクラックが観察され、良好な
結果は得られなかった。またこのサンプルのITOの抵
抗変化率を測定した。抵抗変化率は(試験後の抵抗)/
(試験前の抵抗)で表した。その結果、比較例2の抵抗
変化率は3.2であり、良好な結果は得られなかった。
【0044】以上の実施例1、比較例1、比較例2の結
果より、無機膜は熱膨張係数が7.0×10-6/℃以下
であれば、良好な結果が得られることが判った。
【0045】(実施例2)次に実施例2における基板に
ついて説明する。図2は実施例2におけるプラスチック
基板の断面図である。基材として厚さ400μm のポリ
カーボネートの基板4を用いる。この基板の一方の面
に、イオンプレーティング法により酸化珪素からなる無
機膜2を40℃で0.20μmの厚さに成膜した。この
酸化珪素の熱膨張係数は1.0×10-6/℃であった。
更に酸化珪素膜2を形成したプラスチック基板の両面
に、基板保護膜としてアクリル系樹脂膜5をスピンコー
ティング法により5μmの厚さに成膜した。更に無機膜
2を形成していない他方の面にイオンプレーティング法
により、ITO膜3を40℃で0.16μmの厚さに形
成した。こうして、150×150mm2 角のプラスチ
ック基板を作成した。
【0046】そして本実施例2のプラスチック基板を2
0℃から150℃になるまで10分間で加熱し、150
℃で30分間保持した。そしてこの基板を環境温度20
℃の場所で30分冷却した。このような試験を3回繰り
返し、サンプルのITO表面を光学顕微鏡を用いて10
0×100mm2 中の範囲内の20ヶ所を観察した。そ
して、ITOのクラックの有無について評価した。
【0047】その結果、実施例2の基板ではクラックは
観察されず、良好な結果が得られた。またこのサンプル
のITOの抵抗変化率を測定した。抵抗変化率は(試験
後の抵抗)/(試験前の抵抗)で表した。その結果、実
施例2の抵抗変化率は1.0であり、試験前後の変化は
無く、良好な結果が得られた。
【0048】このような基板を用いて、実施例1と同様
の方法で液晶表示装置を試作した。そして、本実施例2
の液晶表示装置について、ITOの断線による表示不良
の有無と閾値むらとについて目視で評価した。その結
果、実施例2では断線による表示不良、及び基板反りに
よる閾値むらは発生せず、良好な結果が得られた。
【0049】(実施例3)次に実施例3における基板に
ついて説明する。基材として、厚さ400μm のエポキ
シ系基板を用意し、この基板の一方の面に、スパッタリ
ング法により酸化アルミニウムからなる無機膜を120
℃で所定の厚さに成膜した。この酸化アルミニウムの熱
膨張係数は7.0×10-6/℃であった。更に酸化アル
ミニウム膜を形成していない基板の他方の面に、 スパッ
タリング法によりITO膜を120℃で所定の厚さに成
膜した。こうして150×150mm2 角のプラスチッ
ク基板を作成した。
【0050】そして本実施例3のプラスチック基板を2
0℃から150℃になるまで10分間で加熱した。そし
て150℃で30分間保持した後、環境温度20℃の場
所で30分冷却した。このような試験を3回繰り返し、
サンプルのITO表面を光学顕微鏡を用いて100×1
00mm2 中の範囲内の20ヶ所を観察した。そしてI
TOのクラックの有無について評価した。またこのサン
プルのITOの抵抗変化を測定した。
【0051】(比較例3)比較例3として厚さ400μ
mのソーダガラス基板に、実施例3と同条件で所定の厚
さに無機膜とITOを成膜し、基板を作成した。そして
比較例3の基板を用い、プラスチック基板の場合と同様
に加熱冷却試験を行い、実施例3との比較材とした。抵
抗比は(試験後のプラスチック基板の抵抗値)/(試験
後のガラス基板の抵抗値)とした。
【0052】次に、実施例3のプラスチック基板を用い
て、実施例1と同様にして液晶表示装置を試作した。比
較例3のガラス基板でも実施例3と同様にして液晶表示
装置を試作した。そして、本実施例3と比較例3の液晶
表示装置について、ITOの断線による表示不良の有無
と、閾値むらについて目視で評価した。実施例3及び比
較例3の結果をまとめて図3及び図4に示した。図3は
ITOの膜厚が0.08μm、0.16μmの場合にお
ける実施例3の評価結果を示し、図4はITOの膜厚が
0.24μmの場合における実施例3の評価結果と、比
較例3における各評価結果とを示している。
【0053】これらの図より、酸化アルミニウムの膜厚
が0.55μmではITOの膜厚に依存することなく、
酸化アルミニウムにクラックが発生した。また酸化アル
ミニウムの膜厚が0.02μm以上であれば、ITOの
膜厚に依存することなくITOのクラック及び抵抗値の
変化はなく、良好な結果が得られた。また液晶表示装置
を試作しての評価でも、酸化アルミニウムの膜厚が0.
02μm以上の場合は、ITOの断線による表示不良や
閾値むらは観察されなかった。これらの結果より酸化ア
ルミニウムの膜厚は0.02μmから0.50μmの場
合、良好な結果が得られることが判った。
【0054】尚、窒化珪素の熱膨張係数は3.4×10
-6/℃、窒化アルミニウムの熱膨張係数は4.5×10
-6/℃、酸化タンタルの熱膨張係数は2.0×10-6
℃〜6.0×10-6/℃である。以上の実施例におい
て、無機膜として、酸化アルミニウム膜、酸化珪素膜を
用いたが、これに限ることなく窒化珪素、窒化アルミニ
ウム、酸化タンタルのいずれかを含む無機膜を用いても
同様の効果を得ることが確認された。
【0055】尚、以上の実施例において、プラスチック
基板としてアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、エ
ポキシ系樹脂を用いたが、これに限ることなく、例えば
フェノキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリエチレンテ
レフタレート系樹脂、ポリエーテルスルフォン系樹脂、
ポリエチレン系樹脂、ポリシリコン系樹脂のうち、いず
れかのプラスチック基板を用いても、同様の効果が得ら
れることが確認された。
【0056】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、透明電極
を形成したプラスチック基板の他方の面に、熱膨張係数
が所定値以下の無機膜を形成することにより、透明電極
を厚膜化した場合においても、透明電極にクラックが発
生しにくくなる。このためプラスチック基板を用い、階
調表示、カラー表示が可能な液晶表示装置を実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の液晶表示装置に用いられる
プラスチック基板の断面図
【図2】本発明の実施例2の液晶表示装置に用いられる
プラスチック基板の断面図
【図3】ITOの膜厚と無機膜の膜厚とをパラメータと
する液晶表示装置の評価を示す図(その1)
【図4】ITOの膜厚と無機膜の膜厚とをパラメータと
する液晶表示装置の評価を示す図(その2)
【符号の説明】
1 アクリル系の基板 2 酸化珪素膜 3 ITO膜 4 ポリカーボネートの基板 5 アクリル系樹脂膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細川 育宏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 佐谷 裕司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 金子 尚美 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2H090 HA08 HB03X HB04X HC01 HC13 HC18 HD05 JB03 JC19 KA08 LA03 LA15 5C094 AA04 AA24 AA32 AA36 AA42 AA43 BA43 DA13 DB01 DB04 EA04 EA05 EB02 EC04 FA02 FB02 FB12 FB15 GB10 JA08 JA20 5G435 AA07 AA14 AA17 BB12 HH02 HH12 HH14 HH18 KK05

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の面に透明電極が形成された2枚の
    基板を対向配置し、前記2枚の基板の少なくとも一方に
    プラスチック基板を用い、前記両基板間に液晶層を狭持
    してなる液晶表示装置において、 透明電極が形成されたプラスチック基板の他方の面に無
    機膜からなる層を形成したことを特徴とする液晶表示装
    置。
  2. 【請求項2】 一方の面に透明電極が形成された2枚の
    基板を対向配置し、前記2枚の基板の少なくとも一方に
    プラスチック基板を用い、前記両基板間に液晶層を狭持
    してなる液晶表示装置において、 透明電極が形成されたプラスチック基板の他方の面に、
    熱膨張係数が7.0×10-6/℃以下の無機膜からなる
    層を形成したことを特徴とする液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記無機膜は、 酸化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニ
    ウム、酸化タンタルのいずれかを含む膜であることを特
    徴とする請求項1又は2記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 前記無機膜は、 0.02μm〜0.50μmの膜厚であることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記プラスチック基板は、 アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系
    樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリエーテ
    ルスルフォン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリシリコ
    ン系樹脂のうち、いずれかで形成されることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 2枚の基板を対向配置し、前記2枚の基
    板の少なくとも一方にプラスチック基板を用い、前記両
    基板間に液晶層を狭持してなる液晶表示装置の製造方法
    において、 前記プラスチック基板の片面に透明電極を形成し、 前記プラスチック基板の他面に無機膜を形成したことを
    特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 2枚の基板を対向配置し、前記2枚の基
    板の少なくとも一方にプラスチック基板を用い、前記両
    基板間に液晶層を狭持してなる液晶表示装置の製造方法
    において、 前記プラスチック基板の片面に透明電極を形成し、 前記プラスチック基板の他面に、熱膨張係数が7.0×
    10-6/℃以下の無機膜を形成したことを特徴とする液
    晶表示装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記無機膜は、 酸化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニ
    ウム、酸化タンタルのいずれかを含む膜であることを特
    徴とする請求項6又は7記載の液晶表示装置の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記無機膜は、 0.02μm〜0.50μmの膜厚であることを特徴と
    する請求項6〜8のいずれか1項記載の液晶表示装置の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 前記プラスチック基板は、 アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系
    樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリエーテ
    ルスルフォン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリシリコ
    ン系樹脂のうち、いずれかで形成されることを特徴とす
    る請求項6又は7記載の液晶表示装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜5のいずれか1項記載の液
    晶表示装置を有することを特徴とする画像表示応用機
    器。
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