JP2002039417A - 電動弁における摺動抵抗の軽減装置 - Google Patents

電動弁における摺動抵抗の軽減装置

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JP2002039417A JP2001146985A JP2001146985A JP2002039417A JP 2002039417 A JP2002039417 A JP 2002039417A JP 2001146985 A JP2001146985 A JP 2001146985A JP 2001146985 A JP2001146985 A JP 2001146985A JP 2002039417 A JP2002039417 A JP 2002039417A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステッピングモータの回転をねじ機構により
軸方向の動作に転換して弁座に対する弁の接離を行う電
動弁において、弁棒の芯振れ防止と摺動抵抗の軽減化及
び弁座の摩耗低減化をはかる。 【解決手段】 モータMの回転をねじ機構18、19に
より軸方向の動作に転換して弁座に対する弁体の離接を
行う電動弁において、両端部に流体の流入管29a,流
出管29bへの各接続部が形成され、内部に弁座28
a,28b及び弁38a,38bを備えた部材37が配
設された弁本体28を備え、部材37を、モータMの回
転軸としての連結棒20と別部材に形成するとともに部
材37と同芯状でかつ上下動可能に配設し、部材37
が、その上端部寄りをベアリング60を介してモータ本
体25に支持することにより、弁棒の芯振れ防止と摺動
抵抗の軽減化及び弁座の摩耗低減化を可能にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータの回転をね
じ機構により軸方向の動作に転換して弁座に対する弁体
の離接を行う電動弁に関し、特に電動弁における弁軸の
芯振れの防止及び摺動抵抗の減少ならびに弁座磨耗の抑
制を図った電動弁に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、冷凍サイクル100は、図6に
示すように、コンプレッサ101、コンデンサ103、
膨張弁104、蒸発器105、アキュムレータ106に
より構成されており、コンプレッサ101の吸入側に吸
入圧力調整弁102が設けられている。
【0003】このような吸入圧力調整弁102として、
従来、ステッピングモータ式のものでは、図7に示すよ
うな電動弁が知られている。すなわち、この電動弁は、
弁本体28と、弁本体28の上部に一体的に固着され弁
駆動部の一部を構成するステッピングモータMとによっ
て形成されている。
【0004】図7において、この弁本体28の内部に、
上下一組の弁座28a,28bを備えた弁室28Bが設
けられている。弁本体28の上部に弁駆動部の基部とし
てのモータ本体25が取り付けられており、このモータ
本体25にステッピングモータMが支持されている。
【0005】弁本体28に、上下1組の弁座28a,2
8bが設けられ、これら各弁座28a,28bにそれぞ
れ離接可能な一組の弁部を有する弁体38を備えた弁棒
37が配設されている。弁棒37は、後述の弁駆動部の
ニードル20の下動により押し下げられ、その下降時弁
体38を押し下げるよう作用する。弁体38の上動は弁
ばね26により行われる。さらに、弁本体28の左右両
端開口に、それぞれ流体の流入継手29a,流出継手2
9bが接続され、流体は弁本体28内を図4において右
から左方向に流れ、弁座28a,28bで上下に分岐し
2次側で合流するようになっている。
【0006】符号5は上下1組のコイル、15はマグネ
ットを示しており、コイル(固定側部材)5、マグネッ
ト(回転側部材)15及びケース14ならびにケ−ス1
4に固着された心棒10、ガイド7、スライダー9、ス
プリングピン8からなる回転停止機構により、通常構造
のステッピングモータMが形成されている。なお、コイ
ル5はモールド3で被覆されている。また、モ−タ本体
25に下蓋受け24が固着され、更に、下蓋受け24に
雄ねじ管19が立設固定されている。そして、この雄ね
じ管19を中心にした状態において下蓋23が設けら
れ、この下蓋23上にケース14が固定されている。
【0007】ケース14の外周にはコイル5を内蔵して
周方向に等間隔を存して多数の歯を配列したステータ4
が着脱自在に設けられている。ケース14内においてロ
ータRを形成する雌ねじ18が雄ねじ管19の雄ねじに
螺合するように支持されて設けられている。符号32は
ガスケットを示している。
【0008】ステッピングモータMのロータは、マグネ
ット15の内側に取り付けられたスペーサ16の上端部
を拡開してから両者を一体化し、スペーサ16の内側下
方に嵌合固着した雌ねじ18が雄ねじ管13に螺合して
回転かつ軸方向に移動可能に設けられている。マグネッ
ト15には周方向においてN極とS極とが交互に着磁さ
れている。
【0009】スペーサ16の軸方向の中間部にはプレー
ト17が設けられ、その小孔にニードル20の上端部
が、連結金具11とともに溶接されている。また、ニー
ドル20の上端小径部には、ばね13とワッシャ12が
ニードル20の段部とプレート17との間に設けられて
いる。符号21は波座金,22は止め輪を示している。
ニードル20はニードル受け35を介して弁棒37に連
接されていて、ステッピングモータMの回転時、ニード
ル20は回転しながら上下動し、これに連動して弁棒3
7も回転しながら上下動するようになっている。
【0010】弁ばね26は調節金具27と弁38との間
に設けられている。ステッピングモータMは蓋25に対
し、六角穴付きボルト30とガスケット31とで気密状
に固定されている。符号33,34はそれぞれ蓋を示し
ている。また、符号35はニードル受け、39はガスケ
ット、40は底蓋を示している。図中の符号6はコネク
タを示している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記の従来の電動弁で
は、弁棒37の芯振れを防止するために、弁棒37の下
端部を調節金具27の内部まで延長して弁棒37の下端
部を調節金具27で支持させる構成となっている。その
結果、弁棒の全長が長くなって芯振れ発生の原因となる
ばかりか、摺動抵抗が大きく、また、ステッピングモー
タMの回転軸の回転がそのまま弁に伝わって弁が回転
し、弁座が磨耗するなどの不都合がある。
【0012】本発明は、従来の電動弁の前記のような不
都合を解消するものであり、弁棒とモータの連結棒(ニ
ードル)とを別部材で構成して、弁軸系部材の短縮化を
図るとともに弁棒の少なくとも上端部寄りをベアリング
を介して弁本体に支持させて、弁作動時の芯ぶれの抑制
と摺動抵抗の減少とを図る一方、モータ回転軸の回転が
弁体に伝達されるのを防止して、弁座の磨耗を防止でき
るようにした電動弁における摺動抵抗の軽減装置を提供
するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、モータの回転
をねじ機構により軸方向の動作に転換して弁座に対する
弁体の離接を行う電動弁であって、両端部に流体の流入
管及び流出管への各接続部が形成され、内部に前記弁座
及び弁体が設けらた弁本体を備えた電動弁において、前
記弁体の前記弁座に対する接離を行う部材を、前記モー
タの回転軸としての連結棒と別部材に形成するとともに
該連結棒と同芯状でかつ上下動可能に配設し、前記部材
が、その上端部寄りをベアリングを介して支持されるよ
うに構成して、弁作動時の摺動抵抗の減少を図るように
して課題解決の手段としている。
【0014】また、前記弁体の前記弁座に対する接離を
行う部材が弁棒として形成される実施態様、前記部材が
その上端部寄りをベアリングを介して前記弁本体に支持
される一方、その下端部寄りを前記弁体に嵌入されると
ともに最下端部を前記弁体に支持されたボールで支持さ
れるように構成されている実施態様、前記連結棒と前記
部材との間にボールが介設されるとともに前記部材の下
端部が、前記弁本体の下部に突出形成された手動開弁装
置内の手動開ねじに上下動可能に支持されている実施態
様、前記連結棒がベアリングを介して前記部材に支持さ
れる一方、前記部材が、その下端部寄りを前記弁体に嵌
入される手動開機構のスピンドルに圧入されたリングで
同芯状に支持されるように構成されている実施態様によ
って弁軸の芯振れの防止及び摺動抵抗の減少ならびに弁
座磨耗の抑制を図り、バイブレーションの発生を抑制し
ながらモータの回転軸の回転が弁体に伝達されるのを防
止するようにしている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の実施の
形態について説明する。図1は本発明の第一実施形態に
係る流体制御用電動弁の断面図、図2は同第二実施形態
に係る流体制御用電動弁の断面図、図3は同第三実施形
態に係る流体制御用電動弁の断面図、図4は同弁底部の
拡大断面図、図5は同メネジ部の拡大断面図である。な
お、図1〜5において図6同じ部材には同一の符号を付
し、それらについては詳細な説明を省略する。
【0016】はじめに、第一実施形態に係る流体制御弁
について説明する。この流体制御用電動弁は、弁本体2
8と、弁本体28の上部に一体的に固着され弁駆動部の
一部を構成するステッピングモータMとによって形成さ
れている。
【0017】この弁本体28の内部に、上下一組の弁座
28a,28bを備えた弁室28Bが設けられている。
これら各弁座28a,28bにそれぞれ離接可能な一組
の弁部を有する弁体38が配設されている。弁本体28
の上部に弁駆動部基部としてのモ−タ本体25が取り付
けられ、このモ−タ本体25に、ステッピングモータM
が支持されている。
【0018】符号37は弁棒を示しており、弁座に対す
る弁体の離接を行う部材として作用し、連結棒20と別
部材に形成されている。この弁棒37と弁体38との間
には若干のクリアランスが形成されている。そして、弁
棒37は、後述の弁駆動部の連結棒20の下動により押
し下げられ、その下降時弁体38を押し下げるよう作用
する。弁体38の上動は弁ばね26により行われる。弁
体38の下端部は調節金具27の中まで延びていて、こ
の部分と後述のベアリング36とで弁棒37の芯出し及
び芯振れが防止されるようになっている。弁本体28の
左右両端開口に、それぞれ流体の流入継手29a、流出
継手29bが接続され、流体は弁部本体23内を図1に
おいて右から左方向に流れ、弁座28a,28bで上下
に分岐し2次側で合流するようになっている。。
【0019】弁棒37の振れ防止と滑らかな動きの確
保、すなわち摺動抵抗の軽減のために、モ−タ本体25
にベアリング36が、その外側をモ−タ本体25に圧入
されて取り付けられており、ベアリング36に弁棒37
がそのはぼ中心部で回転可能に支持されている。なお、
弁棒37とベアリング36とは一体の製品として形成さ
れている。また、ニードル受け35は、上部より取り付
ける弁駆動部と弁棒37の連結のため、テフロン等の合
成樹脂により摩擦の少ない滑らかな駆動力の伝達を目的
として用いられている。
【0020】弁棒37と弁38との間には、若干のクリ
アランスが形成されおり、従って、弁棒37の回転が弁
体38に伝わることはない。そして、ボール41にて弁
棒37の回転は吸収される構成となっていて、弁棒37
の磨耗防止作用が奏される。符号42はボール41の抜
け防止部材を示しており、この抜け防止部材42は弁3
8の下部にねじ込まれる構成となっている。
【0021】次に、図2に示す第二実施形態について説
明する。この実施形態の電動弁も、図1の電動弁とほぼ
同一の構成となっているが、この第二実施形態の電動弁
では、第一実施形態の電動弁における連結棒20(ステ
ッピングモータの回転軸)に代えて回転軸(弁駆動用
軸)20Aが用いられるとともに、回転軸20Aと弁棒
37との間にボール20Bが介設され、図1に示すニー
ドル受け35が撤去される構成となっているが、その他
の構成において差異はないので、図2において図1と同
じ部材に同一符号を付し、それらについては詳細な説明
は省略する。
【0022】図2に示す通り、この第二実施形態のもの
でも、ステッピングモータMの動きで弁を駆動する弁軸
系が、短い寸法の回転軸20Aと弁棒37とにより構成
されている。弁棒37は弁座に対する弁体の離接を行う
部材として作用し、連結棒20と別部材に形成されてい
る。従って、弁軸系を、短い寸法の回転軸20Aと短い
寸法の弁棒37とにより構成したため、弁軸系の芯振れ
を抑制することができ、その結果、前記弁棒を支持する
ために、特に軸受け等を必要としなくなることから、弁
棒37の摺動抵抗を軽減することが可能となる。
【0023】更に、弁軸系が、回転軸20Aと弁棒37
とに分割構成れていて、かつ両者間にボール20Bが介
設されているため、ステッピングモータMの回転がその
まま弁体38に伝わることがない。したがって、弁体3
8が回転しながら弁座28aなどに対して接離するよう
な事態は発生せず、弁座28aなどの磨耗を抑制でき
る。なお、図2において、符号51は、弁体38がロッ
ク状態となった時、外部から弁体38を押し開くための
手動開ねじを示しており、弁棒37の下端細径部37A
は、この手動開ねじ51の中心部の深穴51Aに支持さ
れる構成となっている。
【0024】このように、第一実施形態では、弁棒37
がそのほぼ中心部でベアリング36に回転可能に支持さ
れ、また、ニードル受け35と弁棒37は、テフロン等
の合成樹脂により摩擦の少ない滑らかな材料で形成され
ており、更に、弁棒37が回転してもその回転はボール
41にて吸収される構成となっているから、弁棒37の
摺動抵抗を軽減することが可能となる。また、弁棒37
は短い寸法に形成されているため、芯振れの発生のおそ
れがなく、更に、ステッピングモータMの回転がそのま
ま弁38に伝わることがないので、弁座28a,28b
の磨耗を抑制することができる。
【0025】第二実施形態においても、前記第一実施形
態の場合と同様に、弁軸系が、短い寸法の回転軸20A
と弁棒37とに分割構成れていて、弁棒の芯振れを抑制
することができ、その結果、弁棒の芯振れを抑制するた
めに、特に軸受け等を必要としなくてすみ、かつ両者間
にボール20Bが介設されているため、ステッピングモ
ータMの回転がそのまま弁体38に伝わることがなく、
弁座の磨耗については何ら問題はない。
【0026】更に、図3〜図5により第3実施形態につ
いて説明する。この実施形態の電動弁では、弁棒37が
モ−タMの回転軸としての連結棒20とは別部材で形成
されている。即ち、弁棒37は弁座に対する離接を行う
部材として作用し、連結棒20と別部材に形成されてい
る。図3に示すように、弁本体28には一対の弁座28
a,28bが形成されており、各弁座28a,28bに
対する接・離を行う一対の弁38a,38bが取り付け
られた弁棒37が、モータの回転軸と同芯状でかつ上下
動可能にモータ本体25内に配設されている。ここで、
同芯状とは、弁棒37の中心軸とモータの回転軸の中心
とが一致していることをいう。
【0027】一対の弁38a,38bは弁棒37の下方
部に取り付けられる一方、弁棒37の上部は中空状の大
径部に形成され、この中空状の大径部の内部上端部に、
ベアリング60が取り付けられている。そしてこのベア
リング60に連結棒20が支持され、このようにして、
弁棒37はその上端部寄りをベアリング60で支持され
る構成となっている。弁棒37の下端部寄りは、次に述
べる手動開機構Hのスピンドル45に圧入されたリング
62で同芯状に支持されるようになっている。連結棒2
0の下端部とベアリング60の下面との間のコイルばね
53が介装されている。符号21は波座金、22は止め
輪であり、組立て時に連結金具11にマグネット15を
嵌合し下から波座金21を挿入し、止め輪22で押え
る。54はE型止め輪、52はカラ−、61はベアリン
グ60と弁棒37の内面との間に圧入されたリングを示
す。
【0028】手動開機構Hは、図4にその詳細を示すよ
うに、弁本体28の下側開口部の内部に設けられてお
り、弁本体28の下側開口部の内面に螺合するばね押え
47と、ばね押え47の上面に当接するように配設され
た凹型のパッキン受け46と、パッキン受け46の内面
に螺合するスピンドル45と、スピンドル45の椀型部
に圧入され弁棒37の下端部寄りをモ−タの回転軸と同
芯状で上下動可能に支持にするリング62とを備えてい
る。符号40は底蓋、43はばね押え47とハンドル4
4aとの間でスピンドル45に挿入されたスペーサ、4
3aはハンドル44aがスピンドル45に対して左右に
移動しないための固定用止め輪、44はばね押え47に
形成された複数の穴47aに嵌入支持されるストッパピ
ン、44aはスピンドル45に取り付けられたハンド
ル、48はパッキン、49はパッキン48を押圧する皿
ばね、37aは弁棒37の下端部に取り付けられたワッ
シャを示している。
【0029】モ−タ部Mについては、図7のものとほぼ
同じであるが、連結棒20と固定金具11とは一体構造
となっている。更に、図5に示すように、固定金具11
とマグネット15と一体構造である連結金具15aとの
間にコイルバネ11aが介装されている。
【0030】図3の状態は基点出し(弁全開)を表して
いる。基点出し時はマグネット15が時計方向に回るよ
うにコイル5に通電する。弁閉方向に動作させるには、
マグネット15が反時計方向に回るように通電する。コ
イル5への通電によりマグネット15は雌ねじ18とと
もに回転する。雌ねじ18は、モータ本体25に立設さ
れている雄ねじ19に螺合しているから、雌ねじ18の
回転運動は連結棒20の直線運動に変換され、これによ
り、連結棒20は回転しながら上下運動することなな
る。
【0031】連結棒20はベアリング60、リング61
を介して弁棒37に連結されているので、連結棒20が
上下動するとき、弁棒37は回転運動を伴うことなく上
方向に移動し、これにより弁の閉鎖がおこなわれること
になる。弁38a,38bがそれぞれ弁座28a,28
bにそれらの下方から当接すると、ベアリング60の下
に配置されているコイルバネ53が撓み、各弁38a,
38bをそれぞれ弁座28a,28bに密着させる。
【0032】弁開時には、マグネット15が時計方向に
回るようにコイル5に通電する。コイル5が通電される
と、雌ねじ18は上記逆方向に回転し、同様の機構によ
り回転運動が直線運動に変換されて、弁棒37は回転運
動を伴うことなく下方向に移動し、これにより弁の開放
が行われる。ここで、弁閉時はコイルバネ53が圧縮さ
れているので、弁開時に弁座28a,28bに密着され
ている各弁38a,38bを解除する作用をする。
【0033】上記の弁開閉中、弁棒37はその上端部寄
りをベアリング60を介してモータ本体25に支持され
る一方、その下端部を手動開機構Hのスピンドル45に
圧入されたリング27で連結棒20と同芯状に支持され
る構成となっているので、つまり、弁棒37はその上下
端をガイドされる構成であるので、弁棒37の動きに対
し摺動抵抗を減少させることが可能となる。
【0034】更に、弁棒37は直線運動のみの動きとな
るので、弁座28a,28bが磨耗しにくくなり、耐久
性が向上する。
【0035】この実施形態の電動弁は、弁棒37を弁本
体28の下方向から組み込むことにより、組み立てる方
式を採用している。そのため、上側の弁38aの外径が
下側の弁座28bの内径よりもわずかに小さく設定され
ている。したがって、この径の差に相当する面積分にか
かる圧力が弁棒37を下方向に動かそうとして作用す
る。しかし、この力はモータの発生トルクから換算され
る軸推力に比べて十分に小さいので、小型のキャンドル
タイプ駆動用モ−タの使用が可能となる。
【0036】また、流体の圧力が、上側の弁38aの下
側と下側の弁38bの上側とから作用するので、弁にか
かる圧力がバランスしており、弁の開閉をスムーズに行
うことができる。そのほか、基点出しを、弁全開点とす
ることで、安全性が増す。即ち、この弁が完全閉してし
まうと圧縮機が焼きつく恐れがあるため基点出しを弁開
側で行う。また、弁ばねが流体通路に存在しないため、
流体通過音やごみ対策上有利である。
【0037】次に、図4の手動開機構Hの作動を説明す
る。手動で弁を開く必要があるとき、底蓋40をスパナ
で取り外し、ストッパピン44を抜き去り、スピンドル
45に取り付けられたハンドル44aを反時計方向に回
転する。スピンドル45のこの回転により、弁本体28
と一体のパッキン受け46の雌ねじ46aとスピンドル
45の雄ねじ45aとが螺合しているため、スピンドル
45は下方に移動する。スピンドル45の下方への移動
時、弁棒37の下端部に取り付けられているワッシャ3
7aがスピンドル45と一体のリング62に当接して弁
棒37を下方に押し下げるように作用する。これによ
り、弁棒37が下方に移動し、弁開状態となる。
【0038】手動開操作時、リング62を上下方向に貫
通する穴62a及びスピンドル45の貫通する穴47a
から、内部の冷凍機油をメイン冷媒回路に逃がすことが
でき、手動開操作はスムーズになる。また、スピンドル
45が貫通しシ−ル部材(パッキン)48を押し当てて
いるばね押え47には、複数の穴47aが形成されてお
り、この穴を使用してパッキン受け46を弁本体28に
密着させることができるようになっている。また、この
穴47aにストッパピン44を挿入してスピンドル45
が外部からの振動等で勝手に動いたとしても、ねじ1ピ
ッチ回転の範囲以内に動きを規制できるようになってい
る。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
次のような効果が得られる。 (1)弁棒の上端部寄りをベアリングで弁本体に回転可
能に支持する構成により、弁開閉作動時における弁棒の
摺動抵抗を低減することができる。 (2)弁棒が、そのほぼ中心部でベアリングにより弁本
体に回転可能に支持され、また弁棒及びその上端部をテ
フロン等の合成樹脂材のような摩擦の少ない滑らかな材
料のニードル受けを介して支持され、更に、その下端部
をボールで支持されているので、弁棒の摺動抵抗を軽減
することが可能となる。 (3)弁の開閉時、ステッピングモータのニードルまた
は回転軸は回転するが、その回転は、ニードル受けまた
はボールで吸収されて弁棒に伝達されない構成であるか
ら、弁体は回転することなく、直線運動のみの動きでそ
れぞれ弁座に接離するので、弁座が磨耗しにくくなり、
耐久性の向上が可能となる。 (4)ステッピングモータの動きで弁体を駆動する弁軸
系を、短い寸法の回転軸と弁棒とにより構成したため、
弁軸系の芯振れを抑制することができ、その結果、弁軸
系の芯振れを抑制するために、特に軸受け等を必要とし
なくなることから、弁軸系の摺動抵抗を軽減することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施の形態に係る流体制御弁の断
面図である。
【図2】本発明の第二実施の形態に係る流体制御弁の断
面図である。
【図3】本発明の第三実施形態に係る流体制御用電動弁
の断面図である。
【図4】同弁底部の拡大断面図である。
【図5】同雌ねじ部の拡大断面図である。
【図6】冷凍サイクルの回路図である。
【図7】従来の流体制御弁の断面図である。
【符号の説明】
1 ステイ 2 キャップ 4 ステータ 5 コイル 7 ガイド 11 連結金具 14 ケース 15 マグネット 18 雌ねじ 19 雄ねじ 20 ニードル(連結棒) 20A 回転軸 20B ボール 23 下蓋 24 下蓋受け 25 モータ本体 26 弁バネ 27 調節金具 28 弁本体 28a,28b 弁座 29a 流体の流入継手 29b 流体の流出継手 37 弁棒 38a,38b 弁 39 ガスケット 40 底蓋 41 ボール 43 スペ−サ 44 ストッパピン 45 スピンドル 46 パッキン受け 47 ばね押さえ 48 パッキン 49 皿ばね 50,H 手動開(弁)装置 51 手動開ねじ 52 カラ− 53 コイルばね 54 E型止め輪 57 Oリング 60 ベアリング 61 リング 62 リング 62a リング62の穴 M ステッピングモータ R ステッピングモータのロータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小俣 道夫 埼玉県狭山市笹井535 株式会社鷺宮製作 所狭山事業所内 (72)発明者 坂本 透 埼玉県狭山市笹井535 株式会社鷺宮製作 所狭山事業所内 Fターム(参考) 3H062 AA02 BB33 CC02 DD01 DD11 EE06 HH04 HH08 HH09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータの回転をねじ機構により軸方向の
    動作に転換して弁座に対する弁体の離接を行う電動弁に
    おいて、両端部に流体の流入管及び流出管への各接続部
    が形成され、内部に前記弁座及び弁体が設けらた弁本体
    を備え、前記弁体の前記弁座に対する接離を行う部材
    が、前記モータの回転軸としての連結棒と別部材に形成
    されるとともに該連結棒と同芯状でかつ上下動可能に配
    設され、前記部材が、その上端部寄りをベアリングを介
    して支持されることを特徴とする電動弁における摺動抵
    抗の軽減装置。
  2. 【請求項2】 前記連結棒がベアリングを介して前記部
    材に支持される一方、前記部材が、その下端部寄りを前
    記弁体に嵌入される手動開機構のスピンドルに圧入され
    たリングで同芯状に支持されるように構成されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の電動弁における摺動抵
    抗の軽減装置。
  3. 【請求項3】 前記部材がその上端部寄りをベアリング
    を介して前記弁本体に支持される一方、その下端部寄り
    を前記弁体に嵌入されるとともに最下端部を前記弁体に
    支持されたボールで支持されるように構成されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の電動弁における摺動抵
    抗の軽減装置。
  4. 【請求項4】 前記連結棒と前記部材との間にボールが
    介設されるとともに前記部材の下端部が、前記弁本体の
    下部に突出形成された手動開弁装置内の手動開ねじに上
    下動可能に支持されていることを特徴とする請求項1に
    記載の電動弁における摺動抵抗の軽減装置。
  5. 【請求項5】 前記電動弁において、前記弁体を弁開方
    向に付勢する弁ばねが設けられている請求項3又は請求
    項4に記載の電動弁における摺動抵抗の軽減装置。
  6. 【請求項6】 前記電動弁の弁棒が、テフロン(登録商
    標)樹脂等の摩擦抵抗の小さい合成樹脂からなる請求項
    3乃至請求項5のいずれかに記載の電動弁における摺動
    抵抗の軽減装置。
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