JP2002039143A - 緩み止めナット - Google Patents
緩み止めナットInfo
- Publication number
- JP2002039143A JP2002039143A JP2000219788A JP2000219788A JP2002039143A JP 2002039143 A JP2002039143 A JP 2002039143A JP 2000219788 A JP2000219788 A JP 2000219788A JP 2000219788 A JP2000219788 A JP 2000219788A JP 2002039143 A JP2002039143 A JP 2002039143A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nut
- slit
- female screw
- bolt
- main body
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Connection Of Plates (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 簡単な構造で生産性に優れるとともに、ボル
ト等の雄螺子に螺合するだけで強固な螺着力を得ること
ができ、被締結部材やボルト等に振動等の外力がかかっ
た際にも螺着力を低下させることなく、長期間高い締結
力を維持することができ被締結部材の締結部の安全性を
著しく向上でき、また、締付作業性にも優れる緩み止め
ナットの提供を目的とする。 【解決手段】 ナット本体2と、ナット本体2の内周壁
に形成された雌螺子部3と、雌螺子部3にナット本体2
の外周壁2c側からナット本体2の軸心側へ向けて所定
深さ切欠形成されたスリット部4と、を有し、スリット
部4が、スリット部4の底部4b側を中心にナット本体
2の軸心方向に撓んだ構成を有している。
ト等の雄螺子に螺合するだけで強固な螺着力を得ること
ができ、被締結部材やボルト等に振動等の外力がかかっ
た際にも螺着力を低下させることなく、長期間高い締結
力を維持することができ被締結部材の締結部の安全性を
著しく向上でき、また、締付作業性にも優れる緩み止め
ナットの提供を目的とする。 【解決手段】 ナット本体2と、ナット本体2の内周壁
に形成された雌螺子部3と、雌螺子部3にナット本体2
の外周壁2c側からナット本体2の軸心側へ向けて所定
深さ切欠形成されたスリット部4と、を有し、スリット
部4が、スリット部4の底部4b側を中心にナット本体
2の軸心方向に撓んだ構成を有している。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボルト等の雄螺子
に螺合して被締結部材を締結するとともに、被締結部材
やボルト等に振動等の外力がかかった際の螺着力,締結
力の低下を防止できる緩み止めナットに関するものであ
る。
に螺合して被締結部材を締結するとともに、被締結部材
やボルト等に振動等の外力がかかった際の螺着力,締結
力の低下を防止できる緩み止めナットに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車や航空機,電車等の輸
送機器,各種の産業機械・機器,搬送パイプラインや電
力等の送電装置,等における各種部分の締結には、ボル
ト・ナットが高い頻度で使用されており、また、ボルト
・ナットは各種の締結部分の締結に用いられる機械要素
として高い重要度を占めている。しかしながら、従来か
ら、ボルト・ナットで締結される被締結部材やボルト等
にかかる振動等の外力により、ボルトの雄螺子に螺合さ
れたナットが緩み、螺着力や締結力が低下して被締結部
材の締結部が緩んだり、ボルトに螺合されているナット
が外れ被締結部材の締結部が外れたりするトラブルが後
を絶たず、被締結部材の締結部の安全性の向上のため、
被締結部材やボルト等にかかる振動等の外力によりナッ
トがボルトから緩むことを防止するボルトやナットが望
まれていた。
送機器,各種の産業機械・機器,搬送パイプラインや電
力等の送電装置,等における各種部分の締結には、ボル
ト・ナットが高い頻度で使用されており、また、ボルト
・ナットは各種の締結部分の締結に用いられる機械要素
として高い重要度を占めている。しかしながら、従来か
ら、ボルト・ナットで締結される被締結部材やボルト等
にかかる振動等の外力により、ボルトの雄螺子に螺合さ
れたナットが緩み、螺着力や締結力が低下して被締結部
材の締結部が緩んだり、ボルトに螺合されているナット
が外れ被締結部材の締結部が外れたりするトラブルが後
を絶たず、被締結部材の締結部の安全性の向上のため、
被締結部材やボルト等にかかる振動等の外力によりナッ
トがボルトから緩むことを防止するボルトやナットが望
まれていた。
【0003】このため、近年では、ナットがボルトから
緩むのを防止するために、種々のボルトやナットが開発
されており、特に、ナットの緩みを防止する緩み止めナ
ットとして、以下のものが開示されている。特開平8−
14241号公報(以下、イ号公報という)には、上部
ナットと下部締付ナットからなり、上部ナット部の下部
に円環部を一体的に形成し、円環部の外周を下方に縮径
する雄テーパーを形成すると共に、上部ナット部と円環
部の筒状内部に連続した内ネジを刻設し、円環部の上方
部に一又は複数の水平方向の割り溝を入れると共に、こ
の水平方向の割り溝の一端部に連通する縦割り溝を設け
たことにより弾撥突子を形成する一方、下部締付ナット
の上方内周部に形成した凹部の外周に雄テーパーを縮圧
させるような雌テーパーを形成した緩み止めナット、が
開示されている。
緩むのを防止するために、種々のボルトやナットが開発
されており、特に、ナットの緩みを防止する緩み止めナ
ットとして、以下のものが開示されている。特開平8−
14241号公報(以下、イ号公報という)には、上部
ナットと下部締付ナットからなり、上部ナット部の下部
に円環部を一体的に形成し、円環部の外周を下方に縮径
する雄テーパーを形成すると共に、上部ナット部と円環
部の筒状内部に連続した内ネジを刻設し、円環部の上方
部に一又は複数の水平方向の割り溝を入れると共に、こ
の水平方向の割り溝の一端部に連通する縦割り溝を設け
たことにより弾撥突子を形成する一方、下部締付ナット
の上方内周部に形成した凹部の外周に雄テーパーを縮圧
させるような雌テーパーを形成した緩み止めナット、が
開示されている。
【0004】特開平11−2227号公報(以下、ロ号
公報という)には、軸芯を貫通するネジ孔を備えたナッ
トの下面を一方向に傾く緩やかな傾斜面に形成し、この
傾斜面の傾斜角度αを、ナットをボルトに螺合して被締
め付け部材に所定のトルクで締め付けたときに、傾斜面
が被締め付け部材の上面に圧接することが可能な角度範
囲内で設定した緩み止めナット、が開示されている。
公報という)には、軸芯を貫通するネジ孔を備えたナッ
トの下面を一方向に傾く緩やかな傾斜面に形成し、この
傾斜面の傾斜角度αを、ナットをボルトに螺合して被締
め付け部材に所定のトルクで締め付けたときに、傾斜面
が被締め付け部材の上面に圧接することが可能な角度範
囲内で設定した緩み止めナット、が開示されている。
【0005】特開2000−27838号公報(以下、
ハ号公報という)には、ボルトのねじに係合する弛止ナ
ットであって、その内部に該ボルトのねじと係合するが
ナット本体の軸芯に対して偏心した偏心ねじブロックを
備えた弛止ナット、が開示されている。
ハ号公報という)には、ボルトのねじに係合する弛止ナ
ットであって、その内部に該ボルトのねじと係合するが
ナット本体の軸芯に対して偏心した偏心ねじブロックを
備えた弛止ナット、が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の緩み止めナットは以下の課題を有していた。
来の緩み止めナットは以下の課題を有していた。
【0007】イ号公報では、上方に水平方向及び縦方向
の割り溝を有した雄テーパー状の円環部が下部に形成さ
れた上部ナットと、上方内周部に雌テーパー状の凹部が
形成された下部締付ナットとからなるため、上部ナット
や下部締付ナットの構造が複雑で上部ナットや下部締付
ナットの形成作業性に欠け、該緩み止めナットの生産性
に欠けるとともに、該緩み止めナットのコスト高を引き
起し易い。また、上部ナットと下部締付ナットからなる
ため、ボルトに下部締付ナットを締結した後、その上部
から上部ナットを螺合することによりボルトとナットが
締結されるので、上部ナットと下部締付ナットの2つの
部材を要すとともに2回の締付作業を要し、締結作業性
に欠ける。更に、該緩み止めナットで部材を締結した
後、部材に大きな振動荷重がかかると、ボルト自体が伸
びたり、ボルトのネジ山が撓んだりするため、下部締付
ナットが瞬間的に部材から離れたり密着したりする反復
現象が生じ、その結果、瞬間的に下部締付ナットや上部
ナットが緩む方向に力がかかり、ボルトと下部締付ナッ
トや上部ナットの螺着力が低下する。
の割り溝を有した雄テーパー状の円環部が下部に形成さ
れた上部ナットと、上方内周部に雌テーパー状の凹部が
形成された下部締付ナットとからなるため、上部ナット
や下部締付ナットの構造が複雑で上部ナットや下部締付
ナットの形成作業性に欠け、該緩み止めナットの生産性
に欠けるとともに、該緩み止めナットのコスト高を引き
起し易い。また、上部ナットと下部締付ナットからなる
ため、ボルトに下部締付ナットを締結した後、その上部
から上部ナットを螺合することによりボルトとナットが
締結されるので、上部ナットと下部締付ナットの2つの
部材を要すとともに2回の締付作業を要し、締結作業性
に欠ける。更に、該緩み止めナットで部材を締結した
後、部材に大きな振動荷重がかかると、ボルト自体が伸
びたり、ボルトのネジ山が撓んだりするため、下部締付
ナットが瞬間的に部材から離れたり密着したりする反復
現象が生じ、その結果、瞬間的に下部締付ナットや上部
ナットが緩む方向に力がかかり、ボルトと下部締付ナッ
トや上部ナットの螺着力が低下する。
【0008】ロ号公報では、該緩み止めナットで被締付
け部材を締結した後、被締付け部材に大きな振動荷重が
かかると、ボルト自体が伸びたり、ボルトのネジ山が撓
んだりするため、該緩み止めナットが瞬間的に被締付け
部材から離れたり密着したりする反復現象により、該緩
み止めナットが緩む方向に力がかかり、ボルトと緩み止
めナットの螺着力が低下し、長期間緩み止め効果を維持
し難く、また、被締付け部材が多くの振動を受ける場
合、該緩み止めナットがより緩み易く、緩み止めの信頼
性に欠ける。また、該緩み止めナットの下面に形成され
た傾斜面を、被締付け部材の上面に接触させて被締付け
部材を締結しているので、該緩み止めナットが瞬間的に
被締付け部材から離れたり密着したりする反復現象が生
じた際に、該緩み止めナットが緩む方向に回転し易く、
長期間の緩み止め効果を維持し難い。
け部材を締結した後、被締付け部材に大きな振動荷重が
かかると、ボルト自体が伸びたり、ボルトのネジ山が撓
んだりするため、該緩み止めナットが瞬間的に被締付け
部材から離れたり密着したりする反復現象により、該緩
み止めナットが緩む方向に力がかかり、ボルトと緩み止
めナットの螺着力が低下し、長期間緩み止め効果を維持
し難く、また、被締付け部材が多くの振動を受ける場
合、該緩み止めナットがより緩み易く、緩み止めの信頼
性に欠ける。また、該緩み止めナットの下面に形成され
た傾斜面を、被締付け部材の上面に接触させて被締付け
部材を締結しているので、該緩み止めナットが瞬間的に
被締付け部材から離れたり密着したりする反復現象が生
じた際に、該緩み止めナットが緩む方向に回転し易く、
長期間の緩み止め効果を維持し難い。
【0009】ハ号公報では、偏心ねじブロックをナット
本体の凹部に挿入した後、ナット本体の係止部を傾倒さ
せて偏心ねじブロックをナット本体の凹部に係止してい
るので、該弛止ナットの構造が複雑で生産性に欠けると
ともに、該弛止ナットのコスト高を引き起し易い。ま
た、ナット本体に凹部を形成し、凹部に偏心ねじブロッ
クを挿着しているので、ナット本体が大型化し、該弛止
ナットの小型化を図り難い。更に、ナット本体のねじと
偏心ねじブロックのねじが偏心しているので、該弛止ナ
ットの締付に必要な力が大きくなり、締付作業性に欠
け、また、締付時に該弛止ナットやボルトのねじ山に傷
を付け易いとともに、ボルトが疲労し易く、該弛止ナッ
トの繰り返し使用性に欠ける。
本体の凹部に挿入した後、ナット本体の係止部を傾倒さ
せて偏心ねじブロックをナット本体の凹部に係止してい
るので、該弛止ナットの構造が複雑で生産性に欠けると
ともに、該弛止ナットのコスト高を引き起し易い。ま
た、ナット本体に凹部を形成し、凹部に偏心ねじブロッ
クを挿着しているので、ナット本体が大型化し、該弛止
ナットの小型化を図り難い。更に、ナット本体のねじと
偏心ねじブロックのねじが偏心しているので、該弛止ナ
ットの締付に必要な力が大きくなり、締付作業性に欠
け、また、締付時に該弛止ナットやボルトのねじ山に傷
を付け易いとともに、ボルトが疲労し易く、該弛止ナッ
トの繰り返し使用性に欠ける。
【0010】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、簡単な構造で生産性に優れるとともに、ボルト等の
雄螺子に螺合するだけで強固な螺着力を得ることがで
き、被締結部材やボルト等に振動等の外力がかかった際
にも螺着力を低下させることなく、長期間高い締結力を
維持することができ、被締結部材の締結部の安全性を著
しく向上でき、また、締付作業性にも優れる緩み止めナ
ットを提供することを目的とする。
で、簡単な構造で生産性に優れるとともに、ボルト等の
雄螺子に螺合するだけで強固な螺着力を得ることがで
き、被締結部材やボルト等に振動等の外力がかかった際
にも螺着力を低下させることなく、長期間高い締結力を
維持することができ、被締結部材の締結部の安全性を著
しく向上でき、また、締付作業性にも優れる緩み止めナ
ットを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記従来の課題を解決す
るために本発明における緩み止めナットは、以下の構成
を有している。
るために本発明における緩み止めナットは、以下の構成
を有している。
【0012】本発明の請求項1に記載の緩み止めナット
は、ナット本体と、前記ナット本体の内周壁に形成され
た雌螺子部と、前記雌螺子部に前記ナット本体の外周壁
側から前記ナット本体の軸心側へ向けて所定深さ切欠形
成されたスリット部と、を有し、前記ナット本体が、前
記スリット部の底部側を中心に前記ナット本体の軸心方
向に撓み、前記スリット部の開口端部側の開口幅が底部
側の開口幅より狭くなった構成を有している。
は、ナット本体と、前記ナット本体の内周壁に形成され
た雌螺子部と、前記雌螺子部に前記ナット本体の外周壁
側から前記ナット本体の軸心側へ向けて所定深さ切欠形
成されたスリット部と、を有し、前記ナット本体が、前
記スリット部の底部側を中心に前記ナット本体の軸心方
向に撓み、前記スリット部の開口端部側の開口幅が底部
側の開口幅より狭くなった構成を有している。
【0013】 これにより、以下の作用を有する。(1)ナット本体の
外周壁側からナット本体の軸心側へ向けて所定深さ切欠
形成されたスリット部を有し、かつ、ナット本体が、ス
リット部の底部側を中心にナット本体の軸心方向に撓
み、スリット部の開口端部側の開口幅が底部側の開口幅
より狭くされているので、スリット部が形成されている
部分の雌螺子部のピッチが、ナット本体に形成されてい
る雌螺子部のピッチより小さくなり、よって、該緩み止
めナットにボルト等の雄螺子を螺合した際に、撓んで狭
くなっているスリット部を雄螺子で押し広げながら雌螺
子部と雄螺子を螺合させることができ、その結果、雄螺
子とスリット部が形成されている雌螺子部との螺合部分
において、隙間(バックラッシ)を無くして雌螺子部と
雄螺子を密着させて該緩み止めナットとボルト等の雄螺
子とを螺着することができる。 (2)ナット本体を予めナット本体の軸心方向に撓ませ
てスリット部の雌螺子部における開口幅をスリット部の
切欠幅(底部側の開口幅)より狭くしているので、該緩
み止めナットにボルト等の雄螺子を螺着して、雄螺子で
狭くなっているスリット部を押し広げた際に、ナット本
体の撓みによる反力を得ることができ、この反力により
スリット部が形成されている部分の雌螺子部を雄螺子に
より強固に密着させることができ、その結果、該緩み止
めナットとボルト等の雄螺子の螺着力をより向上でき、
振動等の外力により該緩み止めナットがボルト等の雄螺
子から緩むのをより確実に防止できる。
外周壁側からナット本体の軸心側へ向けて所定深さ切欠
形成されたスリット部を有し、かつ、ナット本体が、ス
リット部の底部側を中心にナット本体の軸心方向に撓
み、スリット部の開口端部側の開口幅が底部側の開口幅
より狭くされているので、スリット部が形成されている
部分の雌螺子部のピッチが、ナット本体に形成されてい
る雌螺子部のピッチより小さくなり、よって、該緩み止
めナットにボルト等の雄螺子を螺合した際に、撓んで狭
くなっているスリット部を雄螺子で押し広げながら雌螺
子部と雄螺子を螺合させることができ、その結果、雄螺
子とスリット部が形成されている雌螺子部との螺合部分
において、隙間(バックラッシ)を無くして雌螺子部と
雄螺子を密着させて該緩み止めナットとボルト等の雄螺
子とを螺着することができる。 (2)ナット本体を予めナット本体の軸心方向に撓ませ
てスリット部の雌螺子部における開口幅をスリット部の
切欠幅(底部側の開口幅)より狭くしているので、該緩
み止めナットにボルト等の雄螺子を螺着して、雄螺子で
狭くなっているスリット部を押し広げた際に、ナット本
体の撓みによる反力を得ることができ、この反力により
スリット部が形成されている部分の雌螺子部を雄螺子に
より強固に密着させることができ、その結果、該緩み止
めナットとボルト等の雄螺子の螺着力をより向上でき、
振動等の外力により該緩み止めナットがボルト等の雄螺
子から緩むのをより確実に防止できる。
【0014】ここで、ナット本体としては、四角や六角
等の多角形ナットやフランジ付きナット,袋ナット等種
々の形状のナットが挙げられる。雌螺子部としては、該
緩み止めナットが螺着されるボルト等の雄螺子に応じ
て、メートルねじやインチねじ等の三角ねじ状や、台形
ねじ状等で、かつ、雄螺子に応じたピッチで形成され
る。また、雌螺子部の長さとしては、該緩み止めナット
の材質や該緩み止めナットが螺着される雄螺子の材質等
に応じて、雄螺子との螺着に必要なかみあい長さが得ら
れる長さで形成される。
等の多角形ナットやフランジ付きナット,袋ナット等種
々の形状のナットが挙げられる。雌螺子部としては、該
緩み止めナットが螺着されるボルト等の雄螺子に応じ
て、メートルねじやインチねじ等の三角ねじ状や、台形
ねじ状等で、かつ、雄螺子に応じたピッチで形成され
る。また、雌螺子部の長さとしては、該緩み止めナット
の材質や該緩み止めナットが螺着される雄螺子の材質等
に応じて、雄螺子との螺着に必要なかみあい長さが得ら
れる長さで形成される。
【0015】スリット部としては、ナット本体の軸心に
対して直角に形成,若しくは、ナット本体の軸心に対し
て傾斜して形成される。スリット部をナット本体の軸心
に対して傾斜して形成した場合、ナット本体をスリット
部の底部側を中心にナット本体の軸心方向に容易に撓ま
せることができる。また、スリット部を開口端部(ナッ
ト本体の外周壁側)から底部までナット本体の座面と平
行に切欠形成してもよく、開口端部側を底部側より拡開
して切欠形成してもよい。開口端部側を底部側より拡開
して切欠形成した場合、ナット本体をスリット部の底部
側を中心にナット本体の軸心方向に容易に撓ませること
ができるとともに、ナット本体の撓みによる強い反力を
得ることができる。尚、スリット部の底部をアール状に
形成してもよい。これにより、ナット本体をナット本体
の軸心方向に撓ませた際に、スリット部の底部に集中応
力がかかり底部側が座屈するのを防止できる。
対して直角に形成,若しくは、ナット本体の軸心に対し
て傾斜して形成される。スリット部をナット本体の軸心
に対して傾斜して形成した場合、ナット本体をスリット
部の底部側を中心にナット本体の軸心方向に容易に撓ま
せることができる。また、スリット部を開口端部(ナッ
ト本体の外周壁側)から底部までナット本体の座面と平
行に切欠形成してもよく、開口端部側を底部側より拡開
して切欠形成してもよい。開口端部側を底部側より拡開
して切欠形成した場合、ナット本体をスリット部の底部
側を中心にナット本体の軸心方向に容易に撓ませること
ができるとともに、ナット本体の撓みによる強い反力を
得ることができる。尚、スリット部の底部をアール状に
形成してもよい。これにより、ナット本体をナット本体
の軸心方向に撓ませた際に、スリット部の底部に集中応
力がかかり底部側が座屈するのを防止できる。
【0016】また、スリット部はナット本体に1乃至複
数形成される。尚、スリット部を複数形成した場合、各
スリット部が形成された部分の雌螺子部とボルト等の雄
螺子とを密着させることができるので、雌螺子部と雄螺
子との密着部分が増加し、雌螺子部とボルト等の雄螺子
との螺合部分の隙間(バックラッシ)をより減少させる
ことができ、螺着力を向上することができる。更に、ナ
ット本体にスリット部を2以上形成する場合、ナット本
体の同一外周壁側から形成してもよく、また、互いに相
対する外周壁側等の異なる外周壁側から形成してもよ
い。尚、同一外周壁側から形成した場合、ナット本体を
撓ませ易く、また、相対する外周壁側等の異なる外周壁
側から形成した場合、ナット本体の複数の方向において
雌螺子部と雄螺子を密着させることができ、より強固な
螺着力を得ることができる。
数形成される。尚、スリット部を複数形成した場合、各
スリット部が形成された部分の雌螺子部とボルト等の雄
螺子とを密着させることができるので、雌螺子部と雄螺
子との密着部分が増加し、雌螺子部とボルト等の雄螺子
との螺合部分の隙間(バックラッシ)をより減少させる
ことができ、螺着力を向上することができる。更に、ナ
ット本体にスリット部を2以上形成する場合、ナット本
体の同一外周壁側から形成してもよく、また、互いに相
対する外周壁側等の異なる外周壁側から形成してもよ
い。尚、同一外周壁側から形成した場合、ナット本体を
撓ませ易く、また、相対する外周壁側等の異なる外周壁
側から形成した場合、ナット本体の複数の方向において
雌螺子部と雄螺子を密着させることができ、より強固な
螺着力を得ることができる。
【0017】更に、ナット本体は、スリット部の雌螺子
部での開口幅が、ナット本体に形成されている雌螺子部
のピッチよりも小さくなるように、スリット部の底部側
を中心に撓ませられる。尚、該緩み止めナットの材質や
スリット部の切欠幅にもよるが、ナット本体を撓ませた
後の雌螺子部でのスリット部の開口幅が、雌螺子部のピ
ッチよりも小さくなりすぎると、該緩み止めナットにボ
ルト等の雄螺子を螺合する際に強い力を要し螺合作業性
に欠ける傾向が有るとともに、ナット本体の撓み量が増
えてスリット部の底部側が座屈し易くなる傾向が有り、
また、雌螺子部のピッチより大きくなると、ナット本体
の撓みによる反力が小さくなり雌螺子部とボルト等の雄
螺子とを強固に密着させることができず該緩み止めナッ
トの緩み止め効果が低下する傾向が有る。
部での開口幅が、ナット本体に形成されている雌螺子部
のピッチよりも小さくなるように、スリット部の底部側
を中心に撓ませられる。尚、該緩み止めナットの材質や
スリット部の切欠幅にもよるが、ナット本体を撓ませた
後の雌螺子部でのスリット部の開口幅が、雌螺子部のピ
ッチよりも小さくなりすぎると、該緩み止めナットにボ
ルト等の雄螺子を螺合する際に強い力を要し螺合作業性
に欠ける傾向が有るとともに、ナット本体の撓み量が増
えてスリット部の底部側が座屈し易くなる傾向が有り、
また、雌螺子部のピッチより大きくなると、ナット本体
の撓みによる反力が小さくなり雌螺子部とボルト等の雄
螺子とを強固に密着させることができず該緩み止めナッ
トの緩み止め効果が低下する傾向が有る。
【0018】本発明の請求項2に記載の緩み止めナット
は、請求項1に記載の発明において、前記スリット部の
前記雌螺子部における切欠幅が、前記雌螺子部のピッチ
の0.5倍〜1.1倍で形成された構成を有している。
は、請求項1に記載の発明において、前記スリット部の
前記雌螺子部における切欠幅が、前記雌螺子部のピッチ
の0.5倍〜1.1倍で形成された構成を有している。
【0019】これにより、請求項1の作用に加えて、以
下の作用を有する。 (3)ナット本体をナット本体の軸心方向に撓ませた際
に、スリット部が形成されている部分の雌螺子部のピッ
チを他の部分の雌螺子部のピッチより確実に小さくする
ことができ、ボルト等の雄螺子を雌螺子部に螺合した際
に、スリット部の雌螺子部と雄螺子を密着させることが
できる。 (4)ナット本体を十分に撓ませることができるととも
に、ナット本体の撓みによる反力を確実に得ることがで
き、スリット部が形成されている部分の雌螺子部とボル
ト等の雄螺子との螺合部分の密着力をより強くすること
ができ、螺着力を向上させることができる。
下の作用を有する。 (3)ナット本体をナット本体の軸心方向に撓ませた際
に、スリット部が形成されている部分の雌螺子部のピッ
チを他の部分の雌螺子部のピッチより確実に小さくする
ことができ、ボルト等の雄螺子を雌螺子部に螺合した際
に、スリット部の雌螺子部と雄螺子を密着させることが
できる。 (4)ナット本体を十分に撓ませることができるととも
に、ナット本体の撓みによる反力を確実に得ることがで
き、スリット部が形成されている部分の雌螺子部とボル
ト等の雄螺子との螺合部分の密着力をより強くすること
ができ、螺着力を向上させることができる。
【0020】ここで、該緩み止めナットの材質や雌螺子
部のピッチ等にもよるが、スリット部の雌螺子部におけ
る切欠幅が、雌螺子部のピッチの0.5倍より小さくな
るにつれ、ナット本体の撓み量が減少して撓みによる反
力が少なくなり、スリット部が形成されている部分の雌
螺子部と雄螺子との螺合部分の密着力の向上が図り難く
なる傾向があり、また、雌螺子部のピッチの1.1倍よ
り大きくなるにつれ、スリット部が形成されている部分
の雌螺子部の欠損が大きくなり、ナット本体の機械的強
度の低下を引き起こす傾向があるとともに、雄螺子との
螺合に必要なかみあい長さを得るためにナット本体が大
型化する傾向が有る。
部のピッチ等にもよるが、スリット部の雌螺子部におけ
る切欠幅が、雌螺子部のピッチの0.5倍より小さくな
るにつれ、ナット本体の撓み量が減少して撓みによる反
力が少なくなり、スリット部が形成されている部分の雌
螺子部と雄螺子との螺合部分の密着力の向上が図り難く
なる傾向があり、また、雌螺子部のピッチの1.1倍よ
り大きくなるにつれ、スリット部が形成されている部分
の雌螺子部の欠損が大きくなり、ナット本体の機械的強
度の低下を引き起こす傾向があるとともに、雄螺子との
螺合に必要なかみあい長さを得るためにナット本体が大
型化する傾向が有る。
【0021】本発明の請求項3に記載の緩み止めナット
は、請求項1又は2に記載の発明において、前記スリッ
ト部の開口端部から底部までの長さが、前記ナット本体
の外周壁から前記雌螺子部までの最短長さ以上,前記ナ
ット本体の最大外径の99/100倍以下で形成された
構成を有している。
は、請求項1又は2に記載の発明において、前記スリッ
ト部の開口端部から底部までの長さが、前記ナット本体
の外周壁から前記雌螺子部までの最短長さ以上,前記ナ
ット本体の最大外径の99/100倍以下で形成された
構成を有している。
【0022】これにより、請求項1又は2の作用に加え
て、以下の作用を有する。 (5)スリット部の開口端部から底部までの長さ(スリ
ット部の深さ)をナット本体の外周壁から雌螺子までの
最短長さ以上,ナット本体の最大外径の99/100倍
以下で形成しているので、ナット本体をスリット部の底
部側を中心に撓ませる際に、多大な力を要さず容易にナ
ット本体の撓ませ作業ができるとともに、ナット本体の
撓みによる反力を十分に得ることができる。
て、以下の作用を有する。 (5)スリット部の開口端部から底部までの長さ(スリ
ット部の深さ)をナット本体の外周壁から雌螺子までの
最短長さ以上,ナット本体の最大外径の99/100倍
以下で形成しているので、ナット本体をスリット部の底
部側を中心に撓ませる際に、多大な力を要さず容易にナ
ット本体の撓ませ作業ができるとともに、ナット本体の
撓みによる反力を十分に得ることができる。
【0023】ここで、該緩み止めナットの材質やスリッ
ト部の切欠幅等にもよるが、スリット部の深さが、ナッ
ト本体の外周壁から雌螺子部までの最短長さより浅くな
ると、スリット部が雌螺子部まで届かないので、スリッ
ト部を形成している部分の雌螺子部のピッチをナット本
体の撓みにより小さくすることができず該緩み止めナッ
トの緩み止め作用を得ることができなくなり、また、ナ
ット本体の最大外径の99/100倍より深くなるにつ
れ、スリット部の底部からナット本体の他方の外周壁ま
での肉厚が薄くなりナット本体の撓みによりスリット部
が底部側で座屈し易くなり、該緩み止めナットの耐久性
に欠ける傾向が有る。
ト部の切欠幅等にもよるが、スリット部の深さが、ナッ
ト本体の外周壁から雌螺子部までの最短長さより浅くな
ると、スリット部が雌螺子部まで届かないので、スリッ
ト部を形成している部分の雌螺子部のピッチをナット本
体の撓みにより小さくすることができず該緩み止めナッ
トの緩み止め作用を得ることができなくなり、また、ナ
ット本体の最大外径の99/100倍より深くなるにつ
れ、スリット部の底部からナット本体の他方の外周壁ま
での肉厚が薄くなりナット本体の撓みによりスリット部
が底部側で座屈し易くなり、該緩み止めナットの耐久性
に欠ける傾向が有る。
【0024】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本発明の実施の
形態1における緩み止めナットについて、以下図面を用
いて説明する。
形態1における緩み止めナットについて、以下図面を用
いて説明する。
【0025】図1(a)は実施の形態1における緩み止
めナットの全体斜視図であり、図1(b)は図1(a)
のA−A線断面図である。図1において、1は実施の形
態1における六角ナット状の緩み止めナット、2は緩み
止めナット1のナット本体、2aはナット本体2の上
面、2bはナット本体2の座面、2cはナット本体2の
外周壁、3はナット本体2の内周壁に形成された雌螺子
部、4は雌螺子部3にナット本体2の外周壁2c側から
ナット本体2の軸心側へ向けて所定深さ切欠形成された
スリット部、4aはスリット部4の開口端部、4bはス
リット部4の底部である。ここで、ナット本体2は、ス
リット部4の底部4b側を中心にナット本体2の軸心方
向に撓まされ、スリット部4の開口端部4aの開口幅が
底部4bの開口幅より狭くされている。尚、図中、pは
雌螺子部3のピッチ、hは図1(b)に仮想線で示され
たスリット部4の切欠幅、kはナット本体2を撓ませた
後の雌螺子部3におけるスリット部4の開口幅、k1 は
ナット本体2を撓ませた後のスリット部4の開口端部4
aの開口幅、k 2はスリット部4の底部4bの開口幅、
wはスリット部4の深さ(スリット部4の開口端部4a
から底部4bまでの長さ)、cはナット本体2の最大外
径を示す。
めナットの全体斜視図であり、図1(b)は図1(a)
のA−A線断面図である。図1において、1は実施の形
態1における六角ナット状の緩み止めナット、2は緩み
止めナット1のナット本体、2aはナット本体2の上
面、2bはナット本体2の座面、2cはナット本体2の
外周壁、3はナット本体2の内周壁に形成された雌螺子
部、4は雌螺子部3にナット本体2の外周壁2c側から
ナット本体2の軸心側へ向けて所定深さ切欠形成された
スリット部、4aはスリット部4の開口端部、4bはス
リット部4の底部である。ここで、ナット本体2は、ス
リット部4の底部4b側を中心にナット本体2の軸心方
向に撓まされ、スリット部4の開口端部4aの開口幅が
底部4bの開口幅より狭くされている。尚、図中、pは
雌螺子部3のピッチ、hは図1(b)に仮想線で示され
たスリット部4の切欠幅、kはナット本体2を撓ませた
後の雌螺子部3におけるスリット部4の開口幅、k1 は
ナット本体2を撓ませた後のスリット部4の開口端部4
aの開口幅、k 2はスリット部4の底部4bの開口幅、
wはスリット部4の深さ(スリット部4の開口端部4a
から底部4bまでの長さ)、cはナット本体2の最大外
径を示す。
【0026】ここで、実施の形態1では、スリット部4
はナット本体2の軸心に対して直角に、スリット部4の
開口端部4aから底部4bまでナット本体2の座面2b
と平行に形成されている。また、実施の形態1では、ス
リット部4の切欠幅hは雌螺子部3のピッチpの0.5
倍〜1.1倍で形成されており、ナット本体2は、雌螺
子部3でのスリット部4の開口幅kが雌螺子部3のピッ
チより小さくなるように撓まされている。更に、実施の
形態1では、スリット部4の深さwは、ナット本体2の
外周壁2cから雌螺子部3までの最短長さ以上,ナット
本体2の最大外径cの99/100倍以下で形成されて
いる。
はナット本体2の軸心に対して直角に、スリット部4の
開口端部4aから底部4bまでナット本体2の座面2b
と平行に形成されている。また、実施の形態1では、ス
リット部4の切欠幅hは雌螺子部3のピッチpの0.5
倍〜1.1倍で形成されており、ナット本体2は、雌螺
子部3でのスリット部4の開口幅kが雌螺子部3のピッ
チより小さくなるように撓まされている。更に、実施の
形態1では、スリット部4の深さwは、ナット本体2の
外周壁2cから雌螺子部3までの最短長さ以上,ナット
本体2の最大外径cの99/100倍以下で形成されて
いる。
【0027】以上のように構成された実施の形態1にお
ける緩み止めナットの使用状態について、以下図面を用
いて説明する。図2は実施の形態1における緩み止めナ
ットで被締結部材を締結した状態を示す要部断面図であ
る。図中、5はボルト、6はボルト5の雄螺子、7a,
7bはボルト5と緩み止めナット1で締結される被締結
部材、8は被締結部材7a,7bに穿設されボルト5が
挿通されるボルト孔である。尚、図中Bは緩み止めナッ
ト1をボルト5に螺合した際に雌螺子部3と雄螺子6の
螺合部分に形成される隙間(バックラッシ)を示す。こ
こで、ボルト5としては、雄螺子6が緩み止めナット1
の雌螺子部3のピッチpと同ピッチで雌螺子部3に螺着
できるものが用いられる。
ける緩み止めナットの使用状態について、以下図面を用
いて説明する。図2は実施の形態1における緩み止めナ
ットで被締結部材を締結した状態を示す要部断面図であ
る。図中、5はボルト、6はボルト5の雄螺子、7a,
7bはボルト5と緩み止めナット1で締結される被締結
部材、8は被締結部材7a,7bに穿設されボルト5が
挿通されるボルト孔である。尚、図中Bは緩み止めナッ
ト1をボルト5に螺合した際に雌螺子部3と雄螺子6の
螺合部分に形成される隙間(バックラッシ)を示す。こ
こで、ボルト5としては、雄螺子6が緩み止めナット1
の雌螺子部3のピッチpと同ピッチで雌螺子部3に螺着
できるものが用いられる。
【0028】被締結部材7a,7bをボルト5と緩み止
めナット1で締結する場合、被締結部材7a,7bのボ
ルト孔8にボルト5を挿通し、従来のボルト・ナットに
よる締結と同様に、緩み止めナット1をボルト5の雄螺
子6に螺合して緩み止めナット1の座面2bを被締結部
材7aの表面に当接させる。ここで、ボルト5の雄螺子
6を緩み止めナット1の雌螺子部3に螺合すると、スリ
ット部4の部分の雌螺子部3において、ボルト5の雄螺
子6の螺合によりスリット部4が、図2に示すように、
スリット部4の開口幅kから切欠幅hの幅まで押し広げ
られて、図2のX部分で示すように、スリット部4が形
成されている部分の雌螺子部3とボルト5の雄螺子6と
の螺合部分のバックラッシBが密着される。尚、本実施
の形態では、スリット部をナット本体の軸心に対して直
角(直交状)に形成したが、スリット部をナット本体の
軸心に対して傾斜して形成してもよい。同様にバックラ
ッシBが密着される。また、スリット部を開口端部(ナ
ット本体の外周壁側)から底部までナット本体の座面と
平行に切欠形成してもよく、開口端部側を底部側より拡
開して切欠形成しても同様の効果が得られることが判っ
た。また、開口端部側を底部側より拡開して切欠形成し
た場合、ナット本体をスリット部の底部側を中心にナッ
ト本体の軸心方向に容易に撓ませることができ、ナット
本体の撓みによる強い反力が得られた。尚、スリット部
の底部をアール状に形成した場合、ナット本体をナット
本体の軸心方向に撓ませた際に、スリット部の底部に集
中応力がかかり底部側が座屈するのを防止できることが
判った。
めナット1で締結する場合、被締結部材7a,7bのボ
ルト孔8にボルト5を挿通し、従来のボルト・ナットに
よる締結と同様に、緩み止めナット1をボルト5の雄螺
子6に螺合して緩み止めナット1の座面2bを被締結部
材7aの表面に当接させる。ここで、ボルト5の雄螺子
6を緩み止めナット1の雌螺子部3に螺合すると、スリ
ット部4の部分の雌螺子部3において、ボルト5の雄螺
子6の螺合によりスリット部4が、図2に示すように、
スリット部4の開口幅kから切欠幅hの幅まで押し広げ
られて、図2のX部分で示すように、スリット部4が形
成されている部分の雌螺子部3とボルト5の雄螺子6と
の螺合部分のバックラッシBが密着される。尚、本実施
の形態では、スリット部をナット本体の軸心に対して直
角(直交状)に形成したが、スリット部をナット本体の
軸心に対して傾斜して形成してもよい。同様にバックラ
ッシBが密着される。また、スリット部を開口端部(ナ
ット本体の外周壁側)から底部までナット本体の座面と
平行に切欠形成してもよく、開口端部側を底部側より拡
開して切欠形成しても同様の効果が得られることが判っ
た。また、開口端部側を底部側より拡開して切欠形成し
た場合、ナット本体をスリット部の底部側を中心にナッ
ト本体の軸心方向に容易に撓ませることができ、ナット
本体の撓みによる強い反力が得られた。尚、スリット部
の底部をアール状に形成した場合、ナット本体をナット
本体の軸心方向に撓ませた際に、スリット部の底部に集
中応力がかかり底部側が座屈するのを防止できることが
判った。
【0029】以上のように実施の形態1における緩み止
めナットは構成されているので、以下の作用を有する。 (1)ナット本体にスリット部を有し、かつ、ナット本
体がスリット部の底部側を中心にナット本体の軸心方向
に撓まされ、スリット部の開口端部側の開口幅が底部側
の開口幅より狭くされているので、スリット部が形成さ
れている部分の雌螺子部のピッチがナット本体の本来の
雌螺子部のピッチより小さくなり、よって、該緩み止め
ナットにボルトの雄螺子を螺合した際に、雄螺子でスリ
ット部を押し広げることができ、その結果、スリット部
が形成されている部分の雌螺子部と雄螺子との螺合部分
において、バックラッシを無くして雌螺子部と雄螺子を
密着させることができ、雌螺子部と雄螺子との強い摩擦
力により強い螺着力を得ることができ、被締結部材やボ
ルト等にかかる振動等の外力により緩み止めナットが雄
螺子から緩むのを確実に防止できる。 (2)ナット本体が予めナット本体の軸心方向に撓まさ
れているので、雄螺子によりスリット部を押し広げた際
に、ナット本体の撓みによる反力を得ることができ、よ
って、この反力でスリット部が形成されている雌螺子部
とボルトの雄螺子との螺合部分の密着力,摩擦力を高め
ることができ、その結果、被締結部材やボルト等にかか
る振動等の外力によりボルトが撓んだりした際にも、雌
螺子部と雄螺子の密着力が低下することなく、緩み止め
ナットとボルトの螺着力に優れる。 (3)スリット部の切欠幅(雌螺子部におけるスリット
部の切欠幅)hを、雌螺子部のピッチpの0.5倍〜
1.1倍で形成しているので、ナット本体を撓ませた後
の雌螺子部におけるスリット部の開口幅kを雌螺子部の
ピッチpより確実に小さくすることができ、該緩み止め
ナットにボルトの雄螺子を螺合した際にナット本体の撓
みによる反力を確実に得ることができ、より高い螺着力
を得ることができる。 (4)スリット部の深さ(スリット部の開口端部から底
部までの長さ)wを、ナット本体の外周壁から雌螺子部
までの最短長さ以上,ナット本体の最大外径cの99/
100倍以下で形成しているので、ナット本体を撓ませ
る際に、強い力を要さず容易に撓ませることができ、該
緩み止めナットの生産性を向上でき、また、ナット本体
を撓ませる際にスリット部が底部側で座屈するのを防止
できるとともに、ナット本体に十分な撓みを与えること
ができる。
めナットは構成されているので、以下の作用を有する。 (1)ナット本体にスリット部を有し、かつ、ナット本
体がスリット部の底部側を中心にナット本体の軸心方向
に撓まされ、スリット部の開口端部側の開口幅が底部側
の開口幅より狭くされているので、スリット部が形成さ
れている部分の雌螺子部のピッチがナット本体の本来の
雌螺子部のピッチより小さくなり、よって、該緩み止め
ナットにボルトの雄螺子を螺合した際に、雄螺子でスリ
ット部を押し広げることができ、その結果、スリット部
が形成されている部分の雌螺子部と雄螺子との螺合部分
において、バックラッシを無くして雌螺子部と雄螺子を
密着させることができ、雌螺子部と雄螺子との強い摩擦
力により強い螺着力を得ることができ、被締結部材やボ
ルト等にかかる振動等の外力により緩み止めナットが雄
螺子から緩むのを確実に防止できる。 (2)ナット本体が予めナット本体の軸心方向に撓まさ
れているので、雄螺子によりスリット部を押し広げた際
に、ナット本体の撓みによる反力を得ることができ、よ
って、この反力でスリット部が形成されている雌螺子部
とボルトの雄螺子との螺合部分の密着力,摩擦力を高め
ることができ、その結果、被締結部材やボルト等にかか
る振動等の外力によりボルトが撓んだりした際にも、雌
螺子部と雄螺子の密着力が低下することなく、緩み止め
ナットとボルトの螺着力に優れる。 (3)スリット部の切欠幅(雌螺子部におけるスリット
部の切欠幅)hを、雌螺子部のピッチpの0.5倍〜
1.1倍で形成しているので、ナット本体を撓ませた後
の雌螺子部におけるスリット部の開口幅kを雌螺子部の
ピッチpより確実に小さくすることができ、該緩み止め
ナットにボルトの雄螺子を螺合した際にナット本体の撓
みによる反力を確実に得ることができ、より高い螺着力
を得ることができる。 (4)スリット部の深さ(スリット部の開口端部から底
部までの長さ)wを、ナット本体の外周壁から雌螺子部
までの最短長さ以上,ナット本体の最大外径cの99/
100倍以下で形成しているので、ナット本体を撓ませ
る際に、強い力を要さず容易に撓ませることができ、該
緩み止めナットの生産性を向上でき、また、ナット本体
を撓ませる際にスリット部が底部側で座屈するのを防止
できるとともに、ナット本体に十分な撓みを与えること
ができる。
【0030】(実施の形態2)本発明の実施の形態2に
おける緩み止めナットについて、以下図面を用いて説明
する。
おける緩み止めナットについて、以下図面を用いて説明
する。
【0031】図3(a)は実施の形態2における緩み止
めナットの全体斜視図であり、図3(b)は図3(a)
のC−C線断面図である。尚、実施の形態1と同様のも
のには同一の符号を付して説明を省略する。図3におい
て、10は実施の形態2における六角ナット状の緩み止
めナット、11は雌螺子部3にナット本体2の外周壁2
c側からナット本体2の軸心側へ向けて所定深さ切欠形
成されたスリット部、11aはスリット部11の開口端
部、11bはスリット部11の底部、12は雌螺子部3
にスリット部11と相対するナット本体2の外周壁2c
側からナット本体2の軸心側へ向けて所定深さ切欠形成
されたスリット部、12aはスリット部12の開口端
部、12bはスリット部11の底部である。ここで、ナ
ット本体2は、スリット部11,12の底部11b,1
2b側を中心にナット本体2の軸心方向に撓まされ、ス
リット部11,12の開口端部11a,12aの開口幅
が底部11b,12bの開口幅より狭くされている。
尚、図中、h1 ,h2 は図1(b)に仮想線で示された
スリット部11,12の切欠幅、k′,k′′はスリッ
ト部11,12を撓ませた後の雌螺子部3におけるスリ
ット部11,12の開口幅、k1 ′,k1 ′′はナット
本体2を撓ませた後のスリット部11,12の開口端部
11a,12aの開口幅、k 2′,k 2′′はスリット
部4の底部11b,12bの開口幅、w1 ,w2 はスリ
ット部11,12の深さ(スリット部11,12の開口
端部11a,12aから底部11b,12bまでの長
さ)を示す。
めナットの全体斜視図であり、図3(b)は図3(a)
のC−C線断面図である。尚、実施の形態1と同様のも
のには同一の符号を付して説明を省略する。図3におい
て、10は実施の形態2における六角ナット状の緩み止
めナット、11は雌螺子部3にナット本体2の外周壁2
c側からナット本体2の軸心側へ向けて所定深さ切欠形
成されたスリット部、11aはスリット部11の開口端
部、11bはスリット部11の底部、12は雌螺子部3
にスリット部11と相対するナット本体2の外周壁2c
側からナット本体2の軸心側へ向けて所定深さ切欠形成
されたスリット部、12aはスリット部12の開口端
部、12bはスリット部11の底部である。ここで、ナ
ット本体2は、スリット部11,12の底部11b,1
2b側を中心にナット本体2の軸心方向に撓まされ、ス
リット部11,12の開口端部11a,12aの開口幅
が底部11b,12bの開口幅より狭くされている。
尚、図中、h1 ,h2 は図1(b)に仮想線で示された
スリット部11,12の切欠幅、k′,k′′はスリッ
ト部11,12を撓ませた後の雌螺子部3におけるスリ
ット部11,12の開口幅、k1 ′,k1 ′′はナット
本体2を撓ませた後のスリット部11,12の開口端部
11a,12aの開口幅、k 2′,k 2′′はスリット
部4の底部11b,12bの開口幅、w1 ,w2 はスリ
ット部11,12の深さ(スリット部11,12の開口
端部11a,12aから底部11b,12bまでの長
さ)を示す。
【0032】ここで、実施の形態2では、スリット部1
1,12はナット本体2の軸心を中心に各々点対称の位
置に、ナット本体2の軸心に対して直角に、スリット部
11,12の開口端部11a,12aから底部11b,
12bまでナット本体2の座面2bと平行に形成されて
いる。また、実施の形態2では、スリット部11,12
の切欠幅h1 ,h2 は雌螺子部3のピッチpの0.5倍
〜1.1倍で形成されており、ナット本体2は、雌螺子
部3でのスリット部11,12の開口幅k′,k′′が
雌螺子部3のピッチより小さくなるように撓まされてい
る。更に、実施の形態2では、スリット部11,12の
深さw1 ,w2 は、ナット本体2の外周壁2cから雌螺
子部3までの最短長さ以上,ナット本体2の最大外径c
の99/100倍以下で形成されている。尚、実施の形
態2では、スリット部11,12の切欠幅h1 ,h2 ,
開口幅k′,k′′,深さw1 ,w2 は、各々同じ大き
さで形成されている。
1,12はナット本体2の軸心を中心に各々点対称の位
置に、ナット本体2の軸心に対して直角に、スリット部
11,12の開口端部11a,12aから底部11b,
12bまでナット本体2の座面2bと平行に形成されて
いる。また、実施の形態2では、スリット部11,12
の切欠幅h1 ,h2 は雌螺子部3のピッチpの0.5倍
〜1.1倍で形成されており、ナット本体2は、雌螺子
部3でのスリット部11,12の開口幅k′,k′′が
雌螺子部3のピッチより小さくなるように撓まされてい
る。更に、実施の形態2では、スリット部11,12の
深さw1 ,w2 は、ナット本体2の外周壁2cから雌螺
子部3までの最短長さ以上,ナット本体2の最大外径c
の99/100倍以下で形成されている。尚、実施の形
態2では、スリット部11,12の切欠幅h1 ,h2 ,
開口幅k′,k′′,深さw1 ,w2 は、各々同じ大き
さで形成されている。
【0033】以上のように構成された実施の形態2にお
ける緩み止めナットの使用状態について、以下図面を用
いて説明する。図4は実施の形態2における緩み止めナ
ットで被締結部材を締結した状態を示す要部断面図であ
る。尚、実施の形態1と同様のものには同一の符号を付
して説明を省略する。
ける緩み止めナットの使用状態について、以下図面を用
いて説明する。図4は実施の形態2における緩み止めナ
ットで被締結部材を締結した状態を示す要部断面図であ
る。尚、実施の形態1と同様のものには同一の符号を付
して説明を省略する。
【0034】被締結部材7a,7bをボルト5と緩み止
めナット10で締結する場合、被締結部材7a,7bの
ボルト孔8にボルト5を挿通し、実施の形態1と同様
に、緩み止めナット10をボルト5の雄螺子6に螺合し
て緩み止めナット10の座面2bを被締結部材7aの表
面に当接させる。ここで、ボルト5の雄螺子6を緩み止
めナット10の雌螺子部3に螺合すると、スリット部1
1,12の部分の各雌螺子部3において、ボルト5の雄
螺子6の螺合によりスリット部11,12が、図4に示
すように、スリット部11,12の各開口幅k′,
k′′から各切欠幅h1 ,h2 まで押し広げられて、図
4のY部分,Z部分で示すように、スリット部11,1
2が形成されている部分の雌螺子部3とボルト5の雄螺
子6との螺合部分のバックラッシBが密着される。尚、
本実施の形態では、互いに相対する外周壁側からスリッ
ト部を形成したが、ナット本体の同一外周壁側から形成
してもよいことが判った。同一外周壁側から形成した場
合、ナット本体を撓ませ易く、同様な螺着力を得ること
ができることが判った。
めナット10で締結する場合、被締結部材7a,7bの
ボルト孔8にボルト5を挿通し、実施の形態1と同様
に、緩み止めナット10をボルト5の雄螺子6に螺合し
て緩み止めナット10の座面2bを被締結部材7aの表
面に当接させる。ここで、ボルト5の雄螺子6を緩み止
めナット10の雌螺子部3に螺合すると、スリット部1
1,12の部分の各雌螺子部3において、ボルト5の雄
螺子6の螺合によりスリット部11,12が、図4に示
すように、スリット部11,12の各開口幅k′,
k′′から各切欠幅h1 ,h2 まで押し広げられて、図
4のY部分,Z部分で示すように、スリット部11,1
2が形成されている部分の雌螺子部3とボルト5の雄螺
子6との螺合部分のバックラッシBが密着される。尚、
本実施の形態では、互いに相対する外周壁側からスリッ
ト部を形成したが、ナット本体の同一外周壁側から形成
してもよいことが判った。同一外周壁側から形成した場
合、ナット本体を撓ませ易く、同様な螺着力を得ること
ができることが判った。
【0035】以上のように実施の形態2における緩み止
めナットは構成されているので、実施の形態1の作用に
加えて、以下の作用を有する。 (1)ナット本体の2ヵ所にスリット部を有しているの
で、該緩み止めナットにボルトの雄螺子を螺合した際
に、スリット部が形成されている雌螺子部の2ヵ所と雄
螺子との螺合部分(図4中、Y,Z部分)で、バックラ
ッシを無くして雌螺子部と雄螺子とを密着させることが
でき、雌螺子部と雄螺子との密着面積が広く、より強い
螺着力を得ることができ振動等により該緩み止めナット
がボルトの雄螺子から緩み螺着力が低下するのを確実に
防止でき、締結力を著しく向上できる。 (2)2ヵ所のスリット部が、ナット本体の相対する位
置に形成されているので、ナット本体の相対する位置で
雌螺子部と雄螺子との螺合部分を密着させることがで
き、より強固な螺着力を得ることができる。
めナットは構成されているので、実施の形態1の作用に
加えて、以下の作用を有する。 (1)ナット本体の2ヵ所にスリット部を有しているの
で、該緩み止めナットにボルトの雄螺子を螺合した際
に、スリット部が形成されている雌螺子部の2ヵ所と雄
螺子との螺合部分(図4中、Y,Z部分)で、バックラ
ッシを無くして雌螺子部と雄螺子とを密着させることが
でき、雌螺子部と雄螺子との密着面積が広く、より強い
螺着力を得ることができ振動等により該緩み止めナット
がボルトの雄螺子から緩み螺着力が低下するのを確実に
防止でき、締結力を著しく向上できる。 (2)2ヵ所のスリット部が、ナット本体の相対する位
置に形成されているので、ナット本体の相対する位置で
雌螺子部と雄螺子との螺合部分を密着させることがで
き、より強固な螺着力を得ることができる。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明における緩み止めナ
ットによれば、以下の優れた効果を実現できる。
ットによれば、以下の優れた効果を実現できる。
【0037】請求項1に記載の発明によれば、 (1)ナット本体の外周壁側からナット本体の軸心側へ
向けて所定深さ切欠形成されたスリット部を有し、か
つ、ナット本体が、スリット部の底部側を中心にナット
本体の軸心方向に撓みスリット部の開口端部側の開口幅
が底部側の開口幅より狭くされているので、スリット部
が形成されている部分の雌螺子部のピッチが、ナット本
体に形成されている雌螺子部のピッチより小さくなり、
該緩み止めナットにボルト等の雄螺子を螺合した際に、
スリット部を雄螺子で押し広げて雌螺子部と雄螺子を螺
合させることができ、その結果、雄螺子とスリット部が
形成されている部分の雌螺子部との螺合部分におけるバ
ックラッシを無くすことができ、雌螺子部と雄螺子を密
着させて高い摩擦力で強い螺着力を得ることができ、該
緩み止めナットで締結された被締結部材やボルト等にか
かる振動等の外力により、該緩み止めナットがボルト等
から緩み螺着力が低下するのを確実に防止でき、該緩み
止めナットによる被締結部材の締結部分の締結力を向上
でき、締結力の信頼性や安全性に優れる。 (2)ナット本体を予めナット本体の軸心方向に撓ませ
ているので、該緩み止めナットにボルト等の雄螺子を螺
着して、雄螺子でスリット部を押し広げた際に、ナット
本体の撓みによる反力を得ることができ、その反力によ
り、スリット部が形成されている部分のナット本体の雌
螺子部を雄螺子により強固に密着させることができ、該
緩み止めナットとボルト等の雄螺子の螺着力に優れ、被
締結部材やボルト等に振動等の外力がかかりボルト等が
伸びたり雄螺子が撓んだりした際にも該緩み止めナット
が雄螺子から緩むことなく、長期間にわたって該緩み止
めナットの螺着力,締結力を維持することができ信頼性
に優れる。 (3)ナット本体に従来のナットと同様に雌螺子部を形
成するとともに雌螺子部にスリット部を形成しナット本
体を撓ませるだけで、該緩み止めナットを形成でき、構
造が簡単で生産性に優れるとともに、該緩み止めナット
1つをボルト等の雄螺子に螺着するだけで、振動等の外
力により締結力が低下することなく被締結部材を締結す
ることができ使用性や利便性,被締結部材の締結部分の
安全性や信頼性に優れる。
向けて所定深さ切欠形成されたスリット部を有し、か
つ、ナット本体が、スリット部の底部側を中心にナット
本体の軸心方向に撓みスリット部の開口端部側の開口幅
が底部側の開口幅より狭くされているので、スリット部
が形成されている部分の雌螺子部のピッチが、ナット本
体に形成されている雌螺子部のピッチより小さくなり、
該緩み止めナットにボルト等の雄螺子を螺合した際に、
スリット部を雄螺子で押し広げて雌螺子部と雄螺子を螺
合させることができ、その結果、雄螺子とスリット部が
形成されている部分の雌螺子部との螺合部分におけるバ
ックラッシを無くすことができ、雌螺子部と雄螺子を密
着させて高い摩擦力で強い螺着力を得ることができ、該
緩み止めナットで締結された被締結部材やボルト等にか
かる振動等の外力により、該緩み止めナットがボルト等
から緩み螺着力が低下するのを確実に防止でき、該緩み
止めナットによる被締結部材の締結部分の締結力を向上
でき、締結力の信頼性や安全性に優れる。 (2)ナット本体を予めナット本体の軸心方向に撓ませ
ているので、該緩み止めナットにボルト等の雄螺子を螺
着して、雄螺子でスリット部を押し広げた際に、ナット
本体の撓みによる反力を得ることができ、その反力によ
り、スリット部が形成されている部分のナット本体の雌
螺子部を雄螺子により強固に密着させることができ、該
緩み止めナットとボルト等の雄螺子の螺着力に優れ、被
締結部材やボルト等に振動等の外力がかかりボルト等が
伸びたり雄螺子が撓んだりした際にも該緩み止めナット
が雄螺子から緩むことなく、長期間にわたって該緩み止
めナットの螺着力,締結力を維持することができ信頼性
に優れる。 (3)ナット本体に従来のナットと同様に雌螺子部を形
成するとともに雌螺子部にスリット部を形成しナット本
体を撓ませるだけで、該緩み止めナットを形成でき、構
造が簡単で生産性に優れるとともに、該緩み止めナット
1つをボルト等の雄螺子に螺着するだけで、振動等の外
力により締結力が低下することなく被締結部材を締結す
ることができ使用性や利便性,被締結部材の締結部分の
安全性や信頼性に優れる。
【0038】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
の効果に加えて、 (4)ナット本体をナット本体の軸心方向に撓ませた際
に、スリット部が形成されている部分の雌螺子部のピッ
チを他の部分の雌螺子部のピッチより確実に小さくする
ことができ、ボルト等の雄螺子を雌螺子部に螺合した際
に、スリット部の雌螺子部と雄螺子の螺合部分のバック
ラッシを無くして確実に密着させることができ、振動等
の外力により該緩み止めナットがボルト等の雄螺子から
緩むのを確実に防止でき、高い緩み止め効果を得ること
ができる。 (5)ナット本体を十分に撓ませることができるととも
に、ナット本体の撓みによる反力を確実に得ることがで
き、スリット部が形成されている部分の雌螺子部とボル
ト等の雄螺子との螺合部分の密着力,摩擦力をより強く
することができ、螺着力を向上させることができ、該緩
み止めナットの緩み止め効果の信頼性に優れるととも
に、長期間高い締結力を維持することができ締結部分の
安全性に優れる。
の効果に加えて、 (4)ナット本体をナット本体の軸心方向に撓ませた際
に、スリット部が形成されている部分の雌螺子部のピッ
チを他の部分の雌螺子部のピッチより確実に小さくする
ことができ、ボルト等の雄螺子を雌螺子部に螺合した際
に、スリット部の雌螺子部と雄螺子の螺合部分のバック
ラッシを無くして確実に密着させることができ、振動等
の外力により該緩み止めナットがボルト等の雄螺子から
緩むのを確実に防止でき、高い緩み止め効果を得ること
ができる。 (5)ナット本体を十分に撓ませることができるととも
に、ナット本体の撓みによる反力を確実に得ることがで
き、スリット部が形成されている部分の雌螺子部とボル
ト等の雄螺子との螺合部分の密着力,摩擦力をより強く
することができ、螺着力を向上させることができ、該緩
み止めナットの緩み止め効果の信頼性に優れるととも
に、長期間高い締結力を維持することができ締結部分の
安全性に優れる。
【0039】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
又は2の効果に加えて、 (6)スリット部の開口端部から底部までの長さ(スリ
ット部の深さ)をナット本体の外周壁から雌螺子までの
最短長さ以上,ナット本体の最大外径の99/100倍
以下で形成しているので、ナット本体を底部を中心に撓
ませる際に、多大な力を要さずにナット本体の撓ませ作
業ができ、該緩み止めナットの生産性に優れるととも
に、ナット本体の撓みによる反力を十分に得ることがで
き、高い緩み止め効果,締結力を得ることができる。
又は2の効果に加えて、 (6)スリット部の開口端部から底部までの長さ(スリ
ット部の深さ)をナット本体の外周壁から雌螺子までの
最短長さ以上,ナット本体の最大外径の99/100倍
以下で形成しているので、ナット本体を底部を中心に撓
ませる際に、多大な力を要さずにナット本体の撓ませ作
業ができ、該緩み止めナットの生産性に優れるととも
に、ナット本体の撓みによる反力を十分に得ることがで
き、高い緩み止め効果,締結力を得ることができる。
【図1】(a)実施の形態1における緩み止めナットの
全体斜視図 (b)図1(a)のA−A線断面図
全体斜視図 (b)図1(a)のA−A線断面図
【図2】実施の形態1における緩み止めナットで被締結
部材を締結した状態を示す要部断面図
部材を締結した状態を示す要部断面図
【図3】(a)実施の形態2における緩み止めナットの
全体斜視図 (b)図3(a)のC−C線断面図
全体斜視図 (b)図3(a)のC−C線断面図
【図4】実施の形態2における緩み止めナットで被締結
部材を締結した状態を示す要部断面図
部材を締結した状態を示す要部断面図
1,10 緩み止めナット 2 ナット本体 2a 上面 2b 座面 2c 外周壁 3 雌螺子部 4,11,12 スリット部 4a,11a,12a 開口端部 4b,11b,12b 底部 5 ボルト 6 雄螺子 7a,7b 被締結部材 8 ボルト孔
Claims (3)
- 【請求項1】 ナット本体と、前記ナット本体の内周壁
に形成された雌螺子部と、前記雌螺子部に前記ナット本
体の外周壁側から前記ナット本体の軸心側へ向けて所定
深さ切欠形成されたスリット部と、を有し、前記ナット
本体が、前記スリット部の底部側を中心に前記ナット本
体の軸心方向に撓み、前記スリット部の開口端部側の開
口幅が底部側の開口幅より狭くなっていることを特徴と
する緩み止めナット。 - 【請求項2】 前記スリット部の前記雌螺子部における
切欠幅が、前記雌螺子部のピッチの0.5倍〜1.1倍
で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の緩
み止めナット。 - 【請求項3】 前記スリット部の開口端部から底部まで
の長さが、前記ナット本体の外周壁から前記雌螺子部ま
での最短長さ以上,前記ナット本体の最大外径の99/
100倍以下で形成されていることを特徴とする請求項
1又は2に記載の緩み止めナット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000219788A JP2002039143A (ja) | 2000-07-19 | 2000-07-19 | 緩み止めナット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000219788A JP2002039143A (ja) | 2000-07-19 | 2000-07-19 | 緩み止めナット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002039143A true JP2002039143A (ja) | 2002-02-06 |
Family
ID=18714507
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000219788A Withdrawn JP2002039143A (ja) | 2000-07-19 | 2000-07-19 | 緩み止めナット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002039143A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013191376A1 (ko) * | 2012-06-19 | 2013-12-27 | 주식회사 바이브록 | 풀림방지 너트 |
CN113898656A (zh) * | 2021-10-15 | 2022-01-07 | 中车大同电力机车有限公司 | 防松连接结构及机车 |
CN114704540A (zh) * | 2021-09-09 | 2022-07-05 | 杨富云 | 螺母防松结构及防松螺纹副 |
-
2000
- 2000-07-19 JP JP2000219788A patent/JP2002039143A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013191376A1 (ko) * | 2012-06-19 | 2013-12-27 | 주식회사 바이브록 | 풀림방지 너트 |
CN114704540A (zh) * | 2021-09-09 | 2022-07-05 | 杨富云 | 螺母防松结构及防松螺纹副 |
CN113898656A (zh) * | 2021-10-15 | 2022-01-07 | 中车大同电力机车有限公司 | 防松连接结构及机车 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3245464B2 (ja) | 弛み防止ねじ | |
US20030147716A1 (en) | Structure of loosening-stop tightening means, loosening-stop bolt having the structure, method for producing the same bolt, loosening-stop nut having the structure, and method for producing the same nut | |
JP5360848B1 (ja) | ナットの緩み止め装置 | |
WO2012070272A1 (ja) | ボルト | |
JP2011017352A (ja) | ゆるみ止めナット | |
WO2018154795A1 (ja) | 締結構造 | |
JP4519045B2 (ja) | ねじの弛み止め構造 | |
JP2002106539A (ja) | ねじ部材 | |
JP2006220210A (ja) | 介在部材、締付具、及び被締付体 | |
JPH05187428A (ja) | 弛み防止ナット、及びナットと被締結部材との締付け構造 | |
JPS6261805B2 (ja) | ||
JP2002039143A (ja) | 緩み止めナット | |
JP2010133446A (ja) | ねじ及びねじを用いた締結構造 | |
JP2002039142A (ja) | 緩み止め座金 | |
JP2011127752A (ja) | ロックワッシャ | |
JP4837963B2 (ja) | ねじの弛み止め構造 | |
JP2001271820A (ja) | 緩み止めナット | |
JPH09210039A (ja) | 緩み止ナット | |
JP2006194291A (ja) | 緩止座金、締結構造及び締結方法 | |
JPH0519606Y2 (ja) | ||
JP2006118582A (ja) | 雌ねじ部品 | |
JP2018091420A (ja) | ボルト・ナットの弛み止め構造 | |
JPH05288210A (ja) | 緩み止ナット | |
JP3037654U (ja) | 緩み止め付きボルト | |
JP6083632B1 (ja) | 緩み止めナット |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20071002 |