JP2002038915A - トルクコンバータ付きエンジン - Google Patents

トルクコンバータ付きエンジン

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JP2002038915A
JP2002038915A JP2000228294A JP2000228294A JP2002038915A JP 2002038915 A JP2002038915 A JP 2002038915A JP 2000228294 A JP2000228294 A JP 2000228294A JP 2000228294 A JP2000228294 A JP 2000228294A JP 2002038915 A JP2002038915 A JP 2002038915A
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    • F01PCOOLING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; COOLING OF INTERNAL-COMBUSTION ENGINES
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両の前後方向に対してほぼ平行に置かれる
クランク軸とシフトドラムとがクランクケースに回転可
能に支持され、且つ同クランクケース外部への同クラン
ク軸の延長部の一端にトルクコンバータが設けられてい
るバギー車用トルクコンバータ付きエンジンにおいて、
エンジン幅を拡大することなくダブルロータ式オイルポ
ンプと水ポンプとの設置を可能にし、且つ車体前部に配
置されているオイルクーラーやラジエータへの配管長を
最短にする。 【構成】 エンジン前方から透視的に見た時、シフトド
ラムとトルクコンバータとに一部が重なり且つ前後方向
で上記クランクケースの外面とトルクコンバータとの間
の空間に、同クランク軸からチェーン駆動されるオイル
ポンプを配置した。エンジン中心から見て後記トルクコ
ンバータより遠い側に、同オイルポンプに同軸的に連な
る水ポンプを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてバギー車
(荒地走行用鞍乗型車両)に搭載されるトルクコンバー
タ付きエンジンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6〜図8は従来の技術の第1の例に関
する図である。図6は、従来のバギー車用エンジンを正
面から見た図であり、前ケースカバーを除去して,内部
の一部を示した図である。図7は同エンジンのクランク
室の横断面を正面から見た図であり、特に各回転軸の位
置を示すための図である。図8は図7のB-B断面図で
ある。
【0003】このエンジンは、各回転軸が車両の進行方
向にほぼ平行になるようにして車両に、取付けボス008
を介して取付けられるものである。図6において、003
は前クランクケース、004は後クランクケースであり、
各回転軸がこれらのクランクケースに回転可能に支持さ
れる。002は一体的に結合された前後クランクケースの
上に結合されたシリンダブロック、001はその上に結合
されたシリンダヘッドである。020はクランク軸、075は
同クランク軸の前端に設けてある遠心式発進クラッチ、
025は変速機の主軸、076は同主軸の前端に設けてある多
板式変速クラッチである。028は駆動軸である。040はオ
イルポンプである。
【0004】図7(クランク室の横断面を正面から見た
図)において、バギー車の走行方向に指向しているクラ
ンク軸020は、前から見て、クランクケースの中央より
やや左側に偏して配置されている。クランク軸の右方
に、変速機の主軸025と副軸026とが順に配置され、主
軸、副軸の中間上方にリバース軸027が配置され、かつ
副軸026の下方に駆動軸028が配置され、これらはクラン
ク軸と平行して前クランクケース003、後クランクケー
ス004に回転可能に支持されている。
【0005】クランク軸020の斜め左上方にクランク軸
からチェーン駆動されるカム軸029が配置されるととも
に、その下方にクランク軸からギヤ駆動されるバランサ
軸030が配置され、さらに、前記主軸025の下方、かつ駆
動軸028の左方にシフトドラム031が配置されている。シ
フトドラム031の位置は、クランク室内中央下部であ
る。これらも前クランクケース003、後クランクケース0
04に回転可能に支持されている。040は上記バランサ軸0
30の前方に設けてあるオイルポンプである。
【0006】図8は図7のB-B断面図である。図の左
方がエンジンの前方、図の右方がエンジンの後方であ
る。同図において、前クランクケース003の前、バラン
サ軸030の前方に、前クランクケースを貫通している同
バランサ軸の端部に直結されたオイルポンプ040が設け
てある。エンジンが運転状態になると、オイルポンプは
バランサ軸030と一体となって回転駆動され、オイルフ
ィルタ056に潤滑油を送り、それを通過した潤滑油はエ
ンジンおよび変速機の潤滑部に供給される。075はクラ
ンク軸020の前端部の遠心式発進クラッチである。
【0007】図9及び図10は特公平7-33763号
公報に掲載のものであり、従来の技術の第2の例に関す
る図である。図9は自動二輪車用V型エンジンのクラン
ク室の縦断面を横から見た図である。図10は図9のC
-C断面図である。
【0008】図9において、クランクケース080内には,
クランク軸081のほかに、変速機及び動力伝達機構を構
成する主軸082、副軸083、駆動軸084、及びシフトドラ
ム085が配置されている。これらの軸群は、いずれも車
両の進行方向に対して直交する方向に配置されている。
090は、シフトドラム085と重なるような位置に設けられ
ているオイルポンプである。
【0009】図10は、クランク室の横断面C-Cを後
方から見た図である。図において、080Lは左クランク
ケース、080Rは右クランクケースである。この図に
は、主軸082の両端が左右のクランクケース080L,Rに
回転可能に支持されている状態が示してある。オイルポ
ンプ090のボデイ091の一側面092は図示していないボル
ト等で右クランクケース080Rに固定されている。オイ
ルポンプ090のボデイ091の他側面093には、シフトドラ
ム085の一端086を回転可能に支持する軸受孔094が形成
してある。シフトドラム085の他端087は左クランクケー
ス080Lに回転可能に支持されている。オイルポンプ090
のボデイ091の中には、ロータ095が装着してあり、同ロ
ータに接続しているオイルポンプ軸096は右クランクケ
ース080Rを貫通して外部に突出し、その端部に従動歯
車097が設けてある。主軸082の一端は右クランクケース
080Rを貫通して外部へ突出し、その端部には前記オイ
ルポンプ軸の従動歯車097に噛合う駆動歯車088がもうけ
てあり、主軸082の回転によって,オイルポンプ090が駆
動されるようになっている。シフトドラム085はオイル
ポンプ090とは関係なく動くことができる。図の089L及
び089Rは、左及び右のサイドカバーである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の第1の例に
示したエンジンにおいては、クランク軸の前端に遠心式
発進クラッチ075が設けてあり、かつ変速機主軸の前端
に多板式変速クラッチ076が設けてあった(図6参
照)。さらにバランサ軸の前端にオイルポンプ040が設
けてあった。従来のエンジンを高性能化するために、従
来の遠心式発進クラッチ075に替えてトルクコンバータ
を設け、且つエンジンを水冷式にするために水ポンプを
設け、更に、オイルポンプとしては、潤滑部へ潤滑油を
送るロータと、オイルクーラへ潤滑油を送るロータとの
2個のロータを持つダブルロータ式オイルポンプを設け
ようとすると、バランサ軸の前方は、大径のトルクコン
バータが占拠するので、オイルポンプ及び水ポンプの設
置場所としては、スペース不足となり、オイルポンプ及
び水ポンプを従来のバランサ軸の前に設置できない。ト
ルクコンバータを避けるようにバランサ軸とポンプ軸、
あるいはポンプ軸のみの位置を横外方へ移動するとすれ
ば、エンジンの横幅は大きくならざるを得なかった。
【0011】従来技術の第2の例として示したエンジン
においては、クランクケースの内部のデッドスペースを
利用してオイルポンプ090を設置し、クランクケースの
外部の歯車097で駆動するようにしている。この配置の
考え方をバギー車用エンジンに適用し、且つオイルポン
プとしてダブルロータ式オイルポンプを採用して、これ
をクランクケース内に設置した場合には、オイルポンプ
がクランクケースの中に設置されていること、及び両ロ
ータからそれぞれオイル送出配管が出ること、などの理
由で、クランクケース内の配管が複雑になり、且つクラ
ンクケースの外面に沿ってオイルポンプを駆動する歯車
097が設けてあることのため、外部のオイルクーラへの
配管を真っ直ぐに出来ないという欠点がある。さらにエ
ンジンを水冷式にするために、水ポンプをオイルポンプ
と同軸に配置しようとすると、オイル送出経路の配管の
配置が更に複雑になるという欠点がある。
【0012】本発明は、トルクコンバータ付きのエンジ
ンにおいて、エンジン下部の、クランクケースの外側
の、デッドスペースを有効利用して、ポンプの位置を従
来の位置から大きく移動させ、ダブルロータ式オイルポ
ンプと水ポンプの設置を可能にし、且つ車体前部に配置
されているオイルクーラーやラジエータへの配管長を最
短にしようとするものである。
【0013】
【課題を解決するため手段】本発明は上記課題を解決し
たものであって、車両の前後方向に対してほぼ平行に置
かれるクランク軸と、同クランクケースの中央下部に車
両の前後方向に対してほぼ平行に置かれるシフトドラム
とがクランクケースに回転可能に支持され、且つ同クラ
ンクケース外部への同クランク軸の延長部の一端にトル
クコンバータが設けられているトルクコンバータ付きエ
ンジンにおいて、次の特徴を有するトルクコンバータ付
きエンジンに関するものである。
【0014】(1) エンジン前方から透視的に見た
時、シフトドラムとトルクコンバータとに一部が重な
り、且つ前後方向で上記クランクケースの外面とトルク
コンバータとの間の空間に上記クランク軸と平行なポン
プ軸を有し、同クランク軸からチェーン駆動されるオイ
ルポンプを配置した。オイルポンプはクランク軸からチ
ェーンによって直接駆動されるので、他の軸とは独立に
位置を設定できる。また、車両前部に配置されるオイル
クーラーへの配管を最短になし得る。
【0015】(2) 上記(1)項に記載のトルクコンバ
ータ付きエンジンにおいて、上記オイルポンプの軸の延
長線上の、エンジンの中心から見て上記トルクコンバー
タより遠い側に、上記オイルポンプによって同軸駆動さ
れる水ポンプを設けた。この水ポンプは、オイルポンプ
によって同軸駆動されるので、駆動機構が簡単である。
水ポンプの前には配管を邪魔する機器がないので、車両
前部に配置されるラジエーター等への配管を最短になし
得る。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明のエンジンの一実施
形態を示す正面図であり,部分的に機器の内部構造が図
示されている。図2は同エンジンの前ケースカバーを取
り除いた正面図であり、内部の機器を図示したものであ
る。図3は同エンジンのクランク室の横断面を正面から
見た図であり、主として各種の軸の位置を示すための図
である。図4は図3のA-A断面を示した図であり、後
述の各種機器の前後方向の位置関係を説明するための図
である。図5は上記実施形態に用いられているオイルポ
ンプのポンプボデイの分解図である。
【0017】図1及び図2において、3は前クランクケ
ース、4は後クランクケースであり、各回転軸がこれら
のクランクケースに回転可能に支持される。2は一体的
に結合された前後クランクケースの上に結合されたシリ
ンダブロック、1はその上に結合されたシリンダヘッド
である。このエンジンは、クランクケースと変速機ケー
スとを一体化し、ケースに回転可能に支持されたクラン
ク軸および変速機軸群を車両進行方向にほぼ平行になる
ようにして車両のほぼ中央部に搭載するものである。
【0018】図3(クランク室の横断面を正面から見た
図)において、バギー車の走行方向に指向しているクラ
ンク軸20は、シリンダブロックの中で上下運動するピス
トンに連結棒で連結されて駆動されるものであり、前か
ら見て、クランクケースの中央よりやや左側に偏して配
置されている。クランク軸20の右方に変速機の主軸25と
副軸26とが順に配置され、主軸と副軸の中間上方にリバ
ース軸27が配置され、かつ副軸26の下方に駆動軸28が配
置され、これらはクランク軸と平行して、前クランクケ
ース3、後クランクケース4に回転可能に支持されてい
る。
【0019】クランク軸の左方にギヤ駆動されるバラン
サ軸30が配置され、前記主軸25の下方、かつ駆動軸28の
左方にシフトドラム31が配置されている。シフトドラム
31の位置は、クランク室内中央下部である。これらも前
クランクケース3、後クランクケース4に回転可能に支
持されている。図3には、クランク軸の前端に設けてあ
るトルクコンバータ70の外周が示してある。40はオイル
ポンプ、41は同ポンプのポンプ軸、50はクランク軸から
同ポンプ軸を駆動するチェーン、51は同チェーンを掛け
るためのクランク軸側のスプロケット、52はポンプ軸側
のスプロケットである。これらトルクコンバータ70、オ
イルポンプ40及びその関連部材の位置関係については、
次に述べる。
【0020】図4は、図3のA-A断面を示した図であ
る。このエンジンを車両に搭載する場合の通常の搭載状
態においては、図の左方が車両の前方、図の右方が車両
の後方である。図には、クランクケースに支持されてい
る軸類の内、クランク軸20、バランサ軸30、及びシフト
ドラム31が示してある。クランク軸のクランクケース外
への延長部分の端部には、トルクコンバーター70が設け
てある。このトルクコンバータ70においては、クランク
軸20の回転によって、クランク軸20に接続されているト
ルクコンバータのポンプシェル71が回転し、タービンラ
ンナー72を駆動し、同タービンランナー72に接続されて
いるトルクコンバータの出力歯車74が、変速機の主軸の
端部に設けてある多板式クラッチ76の入力歯車77と噛合
って同クラッチ76を駆動する(図2あるいは図3参
照)。73はステータである。
【0021】図4において、オイルポンプ40は、前クラ
ンクケース3の前の、ほぼシフトドラム31の前方に相当
する位置にあって、且つトルクコンバーター70の後方の
位置に設置されている。ポンプ本体は前クランクケース
3に締結されている。ポンプ本体は3個のボデイからな
っている。それは、前ボデイ42、中ボデイ43、後ボデイ
44である。同ポンプを貫通し、ロータを駆動するポンプ
軸41はクランク軸20からチェーン50を介して直接駆動さ
れている。51はチェーン50が掛かるクランク軸側スプロ
ケット、52は同じくオイルポンプ軸側スプロケットであ
る。オイルポンプ側スプロケット52およびこれに掛けら
れているチェーン50は、オイルポンプ40の後側に配置し
てあるので、オイルポンプの前側にあるオイル送出配管
等の設置の邪魔にならない。
【0022】これらのトルクコンバータ70やオイルポン
プ40は、前ケースカバー5によって覆われている。前ケ
ースカバー5は前クランクケース3にネジ止めされてい
る。55はストレーナであり、各潤滑部を潤滑して戻って
きたオイルが、これを経由し、且つ前クランクケース3
を貫通する通路からオイルポンプに吸入される。56はオ
イルフィルタであり、オイルポンプ40から潤滑部へ送ら
れるオイルがここを経由して出てゆく。
【0023】図5は上記ダブルロータ型オイルポンプ40
のポンプ本体の分解図であり、トロコイド式のロータの
図示は省略してある。図において、(a)は前ボデイ42
の正面図、(b)は中ボデイ43の正面図、(c)は中ボ
デイ43の裏面の透視図、(d)は後ボデイ44の正面図で
ある。図において、45はストレーナからのオイルの入
口、46はオイルクーラへ向うオイルの出口、47はオイル
クーラからのオイルの入口、48はオイルフィルタへ向う
オイルの出口である。また、49はオイルクーラ用リリー
フバルブである。
【0024】エンジン内の各潤滑部を潤滑して戻ってき
たオイルはクランク室底部のオイル溜めに溜まる。この
オイルはストレーナ55(図4)を経由し、前クランクケ
ース3を貫通する通路を経由して、オイルポンプの後ボ
デイ側の入口45から吸い込まれる。吸い込まれたオイル
の一部は、後ボデイ側のロータによって、出口46からオ
イルクーラー(図示していない)へ送られ冷却され、入
口47から戻る。オイルクーラーは車両の前部に設けてあ
るので、オイルクーラーへ向うオイルの出口46およびオ
イルクーラーから戻るオイルの入口47は、オイルポンプ
の前面に設けてある。ストレーナ55を経由して吸入され
たオイルの残りの部分とオイルクーラを経由して冷却さ
れて戻ったオイルとは混合されて、このポンプの前ボデ
イ側のロータによって、前ボデイ側の出口48からオイル
フィルタ56へ送り出され、そこを通過して各潤滑部へ供
給される。オイルフィルタ56(図1、図4)は、エンジ
ンの前部に設けてあるので、オイルフィルタへ向うオイ
ルの出口48はオイルポンプの前ボデイ側に設けてある。
図1の57はオイルフィルタへ向う送油パイプである。オ
イルクーラ及びオイルフィルタに連なるいずれの配管
も,配管取付け部のあるポンプの前面に、配管を遮る機
器はないので、最短距離で配管の設置を行なうことがで
きる。
【0025】再び図4において、上記オイルポンプ40の
前方に隣接し、かつ前ケースカバー5を貫通して水ポン
プ60が設けてある。この水ポンプの位置は、トルクコン
バーターより前方である。水ポンプ60のケーシング61
は、上記前ケースカバー5を貫通し、同前ケースカバー
5に締結されている。水ポンプの羽根車62は、その後方
から接続されている水ポンプ軸63によって駆動される。
水ポンプ軸63は前ケースカバー5の内側にあってオイル
ポンプ軸41に接続され、一体となって回転駆動され、エ
ンジンの冷却水供給を行う。
【0026】水ポンプの水の出口64及び水の入口65、66
は、いずれも水ポンプ60の前側、即ち前ケースカバー5
の前に設けてある。水冷式シリンダブロックへ向かう送
水パイプ67、及びシリンダブロックからの戻り水パイプ
68(いずれも図1)は、エンジンの前側に設置される。
また、ラジエータ(図示していない)は車両の前部に設
けられている。ポンプ自体の水の出入口が前ケースカバ
ーの前に設けられていることと、これらの部分へ往復す
る水パイプの付設を邪魔するような機器が周囲にはない
ので、いずれの水パイプも最短距離で付設可能である。
【0027】
【発明の効果】従来のバギー用エンジンを高性能化する
にあたり、クランク軸の前端部に設けられていた遠心式
発進クラッチの位置に、それに替わるトルクコンバータ
を設けた。この状態で、従来オイルポンプがあった位
置、即ち従来のバランサ軸の前に、同軸的にダブルロー
ター式オイルポンプと水ポンプとを接続しようとする
と、大直径のトルクコンバータが邪魔になるので、これ
らのポンプを設置することができない。トルクコンバー
タを避けるように軸配置を横外方へ移動させると、エン
ジン幅が大となる。エンジン幅が拡大しないようにしよ
うとすれば、他の適当なポンプの設置場所を探さなけれ
ばならなくなる。クランクケースの内側空間にポンプを
配置するという考え方も検討されたが、この配置では配
管の複雑さをもたらすという欠点があった。
【0028】従来のエンジンにおいては、シフトドラム
の前方に相当するクランクケースの外側の空間がデッド
スペースとなっていた。本発明では、従来のバランサ軸
前のオイルポンプを廃し、このエンジン中央下部のクラ
ンクケースの外側空間、即ち、エンジン前方から透視的
に見た時、シフトドラム31とほぼ同軸的な位置で、且つ
前後方向で上記前クランクケース3の外面とトルクコン
バータ70との間の空間に、クランク軸20から直接チェー
ン駆動されるダブルローター式オイルポンプ40を設置
し、更に、同オイルポンプの前に同オイルポンプによっ
て同軸的に駆動される水ポンプ60を設置した。
【0029】この発明によって次の効果が得られる。 (1)バランサ軸前のオイルポンプを廃し、オイルポン
プをエンジンの横幅に関係しない場所へ移動設置したの
で、エンジンの横幅を狭くし、コンパクトな形状にする
ことが出来た。 (2)オイルポンプ・水ポンプの設置位置が、エンジン
中央下部のクランクケースの外側であることと、これら
のポンプをクランク軸から駆動する機構をポンプの後側
に配置したことによって、ポンプの前側に配管設置の邪
魔をするものがないので、車両前部に配置されるオイル
クーラーやラジエータへ往復する配管を最短寸法にする
ことができ、車両搭載エンジンとしてのコンパクト化を
図ることができた。 (3)オイルポンプや水ポンプを、エンジンの前から透
視的に見た時トルクコンバータと一部が重なるように設
置したので、エンジン下部のポンプ周辺の配置をコンパ
クト化することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るエンジンの正面図で
ある。
【図2】同エンジンの前ケースカバーを取り除いた正面
図である。
【図3】同エンジンのクランク室の横断面を正面から見
た図である。
【図4】図3のA-A断面図である。
【図5】上記実施形態に用いられているオイルポンプ本
体の分解図であり、(a)は前ボデイの正面図、(b)
は中ボデイの正面図、(c)は中ボデイの裏面の透視
図、(d)は後ボデイの正面図である。
【図6】従来技術の第1の例に係る従来のバギー車用エ
ンジンの正面図である。
【図7】同エンジンのクランク室の横断面を正面から見
た図である。
【図8】図7のB-B断面図である。
【図9】従来技術の第2の例の係る自動二輪車用V型エ
ンジンのクランク室の縦断面を横から見た図である。
【図10】図9のC-C断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド 2 シリンダブロック 3 前クランクケース 4 後クランクケース 5 前ケースカバー 8 車両への取付けボス 20 クランク軸 25 主軸 26 副軸 27 リバース軸 28 駆動軸 30 バランサ軸 31 シフトドラム 32 シフトフォーク 33 シフトフォーク保持軸 40 オイルポンプ 41 オイルポンプ軸 42 オイルポンプの前ボデイ 43 オイルポンプの中ボデイ 44 オイルポンプの後ボデイ 45 ストレーナからのオイルの入口 46 オイルクーラへ向うオイルの出口 47 オイルクーラからのオイルの入口 48 オイルフィルタへ向うオイルの出口 49 オイルフィルタ用リリーフバルブ 50 チェーン 51 クランク軸側スプロケット 52 オイルポンプ軸側スプロケット 55 ストレーナ 56 オイルフィルタ 57 オイルフィルタへの送油パイプ 60 水ポンプ 61 ケーシング 62 羽根車 63 水ポンプ軸 64 水出口 65 水入口 66 水入口 67 シリンダブロックへの送水パイプ 68 シリンダブロックからの戻り水パイプ 70 トルクコンバータ 71 ポンプシェル 72 タービンランナー 73 ステーター 74 トルクコンバータの出力歯車 075 遠心式発進クラッチ(従来技術) 76 多板式変速クラッチ 77 多板式変速クラッチの入力歯車
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 7/06 F16H 7/06 3J063 47/06 47/06 K 3J067 57/02 302 57/02 302G 61/26 61/26 Fターム(参考) 3D011 AA07 AD12 3D039 AA03 AA04 AB21 AC33 AD22 AD43 AD53 3G013 BB02 BB19 BB28 BD09 BD10 BD46 3J028 EA25 EB33 EB35 EB54 EB62 FC32 FC43 FC67 GA01 HA01 3J049 AA08 BH07 CA04 3J063 AA01 AB25 AB43 AC06 BA03 BB41 BB42 CA01 CB42 CC02 CD42 CD70 3J067 AC02 DA34 GA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の前後方向に対してほぼ平行に置か
    れるクランク軸と、同クランクケースの中央下部に車両
    の前後方向に対してほぼ平行に置かれるシフトドラムと
    がクランクケースに回転可能に支持され、且つ同クラン
    クケース外部への同クランク軸の延長部の一端にトルク
    コンバータが設けられているトルクコンバータ付きエン
    ジンにおいて、エンジン前方から透視的に見た時、シフ
    トドラムとトルクコンバータとに一部が重なり、且つ前
    後方向で上記クランクケースの外面とトルクコンバータ
    との間の空間に上記クランク軸と平行なポンプ軸を有
    し、同クランク軸からチェーン駆動されるオイルポンプ
    を配置したことを特徴とするトルクコンバータ付きエン
    ジン。
  2. 【請求項2】 上記オイルポンプの軸の延長線上の、エ
    ンジンの中心から見て上記トルクコンバータより遠い側
    に、上記オイルポンプによって同軸駆動される水ポンプ
    を設けたことを特徴とする請求項1に記載のトルクコン
    バータ付きエンジン。
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