JP2002038641A - 床版構造 - Google Patents

床版構造

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JP2002038641A
JP2002038641A JP2000221977A JP2000221977A JP2002038641A JP 2002038641 A JP2002038641 A JP 2002038641A JP 2000221977 A JP2000221977 A JP 2000221977A JP 2000221977 A JP2000221977 A JP 2000221977A JP 2002038641 A JP2002038641 A JP 2002038641A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 床段差を設ける場合に、現場での型枠の組み
立てや梁鉄筋の配筋の作業を削減でき作業性の向上を図
ることができ、また、居室側のスラブと浴室側のスラブ
とを一体化でき現場でのハーフプレキャスト版の敷き込
みの手間も低減できる。 【解決手段】 ハーフプレキャスト版で形成する床版7
に、フルプレキャストによる段差部8を一体に形成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物の床版構造に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば集合住宅、一般住宅などでは、バ
リアフリーと称して、高齢者に対する居住性の向上など
を図るために、床の突出部を無くすようにしており、特
に、水場である浴室では、図3に示すように例えば浴室
にユニットバス1を配置する場合、立ち上がり部1aの
上端を、居室2の側の床3と同一の高さに位置させるこ
とになる。
【0003】そのためには、浴室側の床4を居室2の側
の床3よりも一段低くすべく床段差を設けることにな
り、これらの床3,4をハーフプレキャスト版(Pc
f)3a,4aとその上に打設する場所打ちコンクリー
ト5で形成するとすると、ユニットバス1が配設される
側のハーフプレキャスト版4aを居室2の側のハーフプ
レキャスト版3aよりも一段低くし、ハーフプレキャス
ト版3aの上に打設する場所打ちコンクリート5の天端
をユニットバス1の立ち上がり部1aと同一高さにして
いる。なお、ハーフプレキャスト版4aの上にも場所打
ちコンクリート5を打設する。
【0004】このように、居室2の側のハーフプレキャ
スト版3aと浴室側のハーフプレキャスト版4aとに床
段差を設け、居室2の側のハーフプレキャスト版3aの
上に場所打ちコンクリート5を打設し、これにより居室
2の側の床3の天端をユニットバス1の立ち上がり部1
aの上端と高さを一致させ、その結果、バリアフリーを
実現するものであるが、浴室側の床4を居室2の側の床
3よりも一段低くすべく床段差を設けるための構造とし
て、従来、例えば図4に示すものがある。
【0005】これは、工場製作によるハーフプレキャス
ト版3a,4aを設置するのに、居室側のハーフプレキ
ャスト版3aよりも浴室側のハーフプレキャスト版4a
を一段低くして居室側と浴室側との境を段差部に形成
し、この段差部を接合するようにして垂直に型枠11a,
11bを現場で組み立て、該型枠11a,11bの内部に梁鉄
筋12を配筋し、ハーフプレキャスト版3a,4aの上と
この型枠11a,11bの内部に場所打ちコンクリート5を
打設し、ハーフプレキャスト版3aの上に打設される場
所打ちコンクリート5の天端と型枠11a,11b内に打設
される場所打ちコンクリート5の天端との高さを一致さ
せることで、浴室側と居室側との境の突出部を無くして
いる。図中6はハーフプレキャスト版3a,4aに配筋
するトラス筋であるが、このトラス筋6は図6に示すよ
うに2本の下弦材6bと1本の上弦材6aとの間に四角
錐形のラチス筋6cを配設してなり、下半分がコンクリ
ート中に埋まり、上弦材6aを含む上半分が露出してい
る。
【0006】図5は従来の他の構造を示し、浴室側のハ
ーフプレキャスト版4aを工場製作する場合に、端部に
立ち上がり部4bを特別に設けておき、この立ち上がり
部4bを現場で居室側のハーフプレキャスト版3aの端
の下部に接合してハーフプレキャスト版3a,4aの接
合箇所を段差部に形成するとともに、この段差部の箇所
でハーフプレキャスト版4aの上に型枠11bを現場で垂
直に組み立て、該型枠11bと前記立ち上がり部4bとの
間に梁鉄筋12を配筋して、ハーフプレキャスト版3a,
4aの上とこの型枠11bの内部に場所打ちコンクリート
5を打設して、浴室側と居室側との境に床段差を形成
し、床上への突出部を無くしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】床上への突出部がなく
なるように床段差を形成するために、従来の方法では段
差部に現場で型枠を組み、型枠内に梁鉄筋を配筋すると
いう現場加工の作業を要して作業性がよくなかった。ま
た、図5に示した方法では、図4に示した方法に比較し
て型枠の組み立て作業は半減するが、立ち上がり部を有
するハーフプレキャスト版と、立ち上がり部のないハー
フプレキャスト版との両方を工場で製作する必要があ
り、立ち上がり部を有するハーフプレキャスト版は特注
となってコスト高となる。
【0008】なお、居室側のスラブと浴室側のスラブと
を別体のハーフプレキャスト版として製作しているが、
これは、ハーフプレキャスト版を工場製作とした場合
に、これを現場に搬入するには、運搬可能なサイズにす
る必要があるためであり、床版は分割されたものを現場
で接合し、その結果、段差部も現場で型枠を組んで施工
することになる。
【0009】よって、現場では、複数に分割されたハー
フプレキャスト版を敷き込む手間を要するだけでなく、
ハーフプレキャスト版の接合作業および接合部に補強鉄
筋を配筋する作業も要してこの点からも作業性のよくな
いものとなっている。また、接合部にソリが生じること
があり、かかるハーフプレキャスト版によるスラブは直
天仕上とすることが困難である。
【0010】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、床段差を設ける場合に、現場での型枠の組み立てや
梁鉄筋の配筋の作業を削減でき作業性の向上を図ること
ができ、また、居室側のスラブと浴室側のスラブとを一
体化でき現場でのハーフプレキャスト版の敷き込みの手
間も低減できる床版構造を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、第1に、ハーフプレキャスト版で形成する床
版に、フルプレキャストによる段差部を一体に形成した
こと、第2に、段差部はバリアフリー形成部に設けるこ
と、第3に、段差部は梁部を構成するもので、場所打ち
コンクリートの型枠ともなる上方への突出部を形成する
ことを要旨とするものである。
【0012】請求項1記載の本発明によれば、ハーフプ
レキャスト版に段差部を形成したから、現場で型枠を組
んで段差部を構築する作業が省ける。そして、この段差
部はフルプレキャストとしてあるから、鉄筋が内蔵され
て強度も確保できる。また、このように段差部を一体に
設けたハーフプレキャスト版は大型のものとなることが
考えられるが、現場(サイト)製作とすれば大型化も可
能である。
【0013】請求項2記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、ハーフプレキャスト版に形成してある段差部
を床のバリアフリー形成部に位置させることで、かかる
ハーフプレキャスト版を敷設するだけで現場での施工を
要せずに床段差が形成できる。
【0014】請求項3記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、段差部に形成した上方への突出部を型枠とし
て使用することで、段差部を境にして両側に場所打ちコ
ンクリートを打設し、上段側の場所打ちコンクリートの
天端を突出部の天端と合致させれば、現場で型枠を組ま
ずに突出部のないバリアフリーの床が形成できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面について本発明の実施
の形態を詳細に説明する。図1は本発明の床版構造の実
施の形態を示す要部の縦断側面図、図2は同上平面図
で、図中7はハーフプレキャスト版による床版であり、
現場(サイト)製作により製造し、サイズは最大4m×
9mとする。
【0016】該床版7には従来と同様にトラス筋6を配
設するが、このトラス筋6は脱型時にクラックが発生し
ないように長手方向にそって配筋するものとした。先に
述べたようにこのトラス筋6は図6にも示すように2本
の下弦材6bと1本の上弦材6aとの間に四角錐形のラ
チス筋6cを配設するもので、例えば最大4m程度まで
支保工なしで架設でき、これが配筋されるハーフプレキ
ャスト版の底面は滑らかな仕上げとなり天井直仕上げも
可能なものである。
【0017】かかるハーフプレキャスト版による床板7
の一部にフルプレキャストによる段差部8をフルプレキ
ャスト構造によるものとして一体に形成する。この段差
部8は浴室側のハーフプレキャスト版7aを居室2の側
のハーフプレキャスト版7bよりも一段低く形成して連
続的に形成する際に、このハーフプレキャスト版7a,
7bの境界部の位置で浴室側のハーフプレキャスト版7
aの上に梁鉄筋12を配筋して、梁部13を一体成形した。
【0018】この梁部13の上端が居室2の側のハーフプ
レキャスト版7bよりも上方に突出する突出部8aとな
る。なお、この段差部8の下部は、脱型のためにテーパ
ー部αに形成するとよい。
【0019】また、この梁部13による段差部8は図2に
示すように例えば浴室との境界部をバリアフリーにする
ためのものとして設けるもので、平面L字形に形成し、
この段差部8を介して居室2の側のスラブ3aは浴室側
のスラブ4aとは一体のものとなる。
【0020】なお、この段差部8は図2に示すように床
版7と大梁9との定着を図るために、大梁9との接合箇
所には形成せず、この部分はハーフプレキャスト構造と
しておく。
【0021】このようにして浴室との境界部などバリア
フリーに形成したい場所に対応する箇所に位置させて、
ハーフプレキャスト版による床版7に予めフルプレキャ
ストによる段差部8を形成しておき、この床版7を敷設
すれば、浴室側と居室2の側とのハーフプレキャスト版
7a,7bが一体となった床版7が一度で敷設される。
【0022】さらに、浴室との境界部には段差部8を配
置するから、浴室側のハーフプレキャスト版7aが居室
2の側のハーフプレキャスト版7bよりも一段低くな
り、段差部8の突出部8aはハーフプレキャスト版7b
よりも上方に突出する。よって、ハーフプレキャスト版
7a,7bの上に現場で場所打ちコンクリート5を打設
し、ハーフプレキャスト版7bの上に打設した場所打ち
コンクリート5の天端を突出部8aの天端と合致させれ
ば、床3上に突出部のないバリアフリーの床が形成され
る。
【0023】この場所打ちコンクリート5の打設時、段
差部8が型枠として機能するから、現場で別途型枠を組
む必要がない。また、段差部8はフルプレキャストとし
て梁鉄筋12を内蔵した梁部13として形成してあるから、
この部分の強度を確保することもできる。
【0024】また、このような床版7は前記のように現
場製作としたから、運搬の問題がなく、ハーフプレキャ
スト版7a,7bが一体となった大型のプレキャスト版
とすることができる。さらに、プレキャスト版とするこ
とで現場での敷設作業も低減でき、床版7同士の接合部
も生じないから、接合部の補強も不要で、ソリも生じな
いから天井直仕上げも可能となる。
【0025】
【発明の効果】以上述べたように本発明の床版構造は、
第1に、ハーフプレキャスト版に段差部を形成したか
ら、現場で型枠を組んで段差部を構築する作業が省け
る。そして、この段差部はフルプレキャストとしてある
から、鉄筋が内蔵されて強度も確保できる。また、この
ように段差部を一体に設けたハーフプレキャスト版は大
型のものとなることが考えられるが、現場(サイト)製
作とすれば大型化も可能である。
【0026】第2に、ハーフプレキャスト版に形成して
ある段差部を床のバリアフリー形成部に位置させること
で、かかるハーフプレキャスト版を敷設するだけで現場
での施工を要せずに床段差が形成できる。
【0027】第3に、段差部に形成した上方への突出部
を型枠として使用することで、段差部を境にして両側に
場所打ちコンクリートを打設し、上段側の場所打ちコン
クリートの天端を突出部の天端と合致させれば、現場で
型枠を組まずに突出部のないバリアフリーの床が形成で
きるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の床版構造の実施の形態を示す要部の縦
断側面図である。
【図2】本発明の床版構造の実施の形態を示す平面図で
ある。
【図3】バリアフリーの床の説明図である。
【図4】従来の床版構造の第1例を示す縦断側面図であ
る。
【図5】従来の床版構造の第2例を示す縦断側面図であ
る。
【図6】トラス筋の斜視図である。
【符号の説明】
1…ユニットバス 1a…立ち上がり部 2…居室 3…床 3a…ハーフプレキャスト版 4…床 4a…ハーフプレキャスト版 4b…立ち上がり部 5…場所打ちコンクリート 6…トラス筋 6a…上弦材 6b…下弦材 6c…ラチス筋 7…床版 7a,7b…ハーフ
プレキャスト版 8…段差部 8a…突出部 9…大梁 11a,11b…型枠 12…梁鉄筋 13…梁部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハーフプレキャスト版で形成する床版
    に、フルプレキャストによる段差部を一体に形成したこ
    とを特徴とする床版構造。
  2. 【請求項2】 段差部はバリアフリー形成部に設ける請
    求項1記載の床版構造。
  3. 【請求項3】 段差部は梁部を構成するもので、場所打
    ちコンクリートの型枠ともなる上方への突出部を形成す
    る請求項1または請求項2に記載の床版構造。
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