JP2002038417A - 自走式ケーブル除雪ロボット - Google Patents
自走式ケーブル除雪ロボットInfo
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Abstract
において、ケーブルの傾斜角が大きく、ケーブル表面が
滑りやすい場合などでも、ケーブルに沿って確実に走行
してケーブル上の積雪を確実に迅速に除去できるように
する。 【解決手段】除雪ロボット1を、斜材ケーブルCを取り
囲む六角形等のフレーム2aなどからなるロボット本体
2と、ケーブル軸方向に沿う無端ベルト10の走行面が
ケーブル表面に接するようにロボット本体2の内側に配
設された3台のクローラ式走行装置3と、このクローラ
式走行装置3を駆動する直流モータと減速機からなる駆
動装置4と、バッテリー電源5と、ロボット本体2の前
部に設けられた排雪板6から構成し、各クローラ式走行
装置3をラジコン操作により駆動させ、除雪ロボット1
をケーブルに沿って直進させ、排雪板6でケーブル上の
積雪Sを除去する。
Description
ブル等の構造用ケーブルに積もった雪を除去するための
自走式ケーブル除雪ロボットに関するものである。
の被害は大きな社会問題となっており、橋梁構造物につ
いても落雪氷により通行車両に被害を与えた例が多数実
在している。特に下路アーチ橋,吊橋,斜張橋などの構
造形式では切迫した問題であり、凝結した雪やつららが
落下した場合に通行車両や通行人に重大な損傷を与える
だけでなく、軟雪が落下した場合でも不意の視界不良に
より事故の生じる危険性が否めない。また、積雪・着氷
を発生させ、それを放置することは、利用者に不安感,
不信感を与えるだけでなく、冬期通行止め等の措置を余
儀なくされる状況に至っては橋梁としての機能の停止を
意味する深刻な問題となる。
対象となる部位は主塔横梁と斜材ケーブルがあり、斜材
ケーブルにおいては、一般にそのケーブル保護管が円形
断面で非常に滑らかな表面仕上げであるにもかかわら
ず、気象その他の条件によっては、かなりの積雪が発生
するケースが見られる。
としては、自走式除雪ロボットを往復させる方式,除雪
リングを滑車とワイヤーで往復させる方式,ケーブルに
沿って張った除雪ワイヤーを振動させる方式,あるいは
加振機でケーブルを振動させる方式などの除雪策、ケー
ブル保護管表面に面状ヒーターを貼る方式,ケーブル保
護管内に線状ヒーターを埋設する方式などの融雪策、ケ
ーブル保護管表面に難着雪性の塗料を塗布する方式,ケ
ーブル保護管上部に背びれ状の雪切り板を取り付ける方
式などの避雪策などが考えられるが、それぞれ一長一短
を有している。
雪ロボット方式は、橋梁本体に常設の設備を設ける必要
がなく、橋梁本体に悪影響を与えたり、外観を損なった
りする懸念がなく、また、維持管理・補修・改善等を本
体構造物と無関係に行えるなどのメリットがあり、従来
においては、ゴムタイヤによる自走式除雪ロボットが考
えられ、また特開平5−33311号公報には台車方式
のケーブル除雪装置が提案されている。
されているケーブル除雪装置は、ケーブルを取り囲む円
筒形の台車の内側にケーブル表面を転動する車輪をケー
ブル軸方向に対して偏角を付けて配設し、台車の先端に
はケーブル軸方向と平行な刃先がケーブル表面に接する
ように切刃を取付け、台車に搭載した電源と直流モータ
により車輪を駆動することで、台車を回転させながら自
走させ、台車先端の切刃をケーブルに沿って螺旋状に移
動させることで、ケーブル上の積雪をかき落とすもので
ある。
よる自走式除雪ロボットでは充分なグリップ性能を得る
ことができず、斜張橋のようにケーブルの傾斜角が大き
い場合、あるいはケーブル保護管に表面が滑りやすい材
質を使用している場合などにおいては、確実に走行させ
ることができず、確実な除雪を行えないという課題があ
る。螺旋走行方式では、昇降速度が遅い、回転バランス
が悪くなったときには推進できなくなるなどの課題があ
る。
されたもので、その目的は、構造用ケーブルの傾斜角が
大きく、表面が滑りやすいケーブル保護管が使用されて
いる場合などでも、ケーブルに沿って確実に走行するこ
とができ、ケーブル上の積雪を確実に迅速に除去するこ
とのできる自走式ケーブル除雪ロボットを提供すること
にある。
ケーブル等のケーブル上に積もった雪を除去するための
除雪ロボットであり、ケーブルを取り囲む形状のロボッ
ト本体と、ケーブル軸方向に沿う無端ベルトの走行面が
ケーブル表面に接するように前記ロボット本体の内側に
配設されたケーブル円周方向に複数のクローラ式走行装
置と、このクローラ式走行装置を駆動する駆動装置と、
前記ロボット本体の前部に設けられた排雪板を備えてい
ることを特徴とする自走式ケーブル除雪ロボットであ
る。
形・四角形・円形などのフレームをケーブル軸方向の連
結部材で連結して構成し、軽量化を図るのが好ましい。
また、このロボット本体は、上下に2分割とし、上下の
分割体をヒンジと連結金具で接続し、ケーブルに容易に
着脱できるようにする。クローラ式走行装置は、3台と
し、安定した3点支持とするのが好ましい。
が悪いため、また有線式で電力を供給する場合、長い電
力ケーブルが必要となり、その重量と仕舞いに問題が生
じるため、駆動装置と駆動源には、モータとバッテリー
電源を使用するのが好ましい。また、駆動装置の遠隔操
作も無線式が好ましい。
ト(履帯)を使用し、この無端ベルトの表面に走行直角
方向の突起を走行方向に間隔をおいて多数設け、この突
起のケーブル表面との接触部分をケーブル外形に対応し
た円弧形状とするのが好ましい。
雪に切り込む板と、後方で積雪を側方へ排除する板から
構成する。また、排雪板は、ロボット本体の走行方向の
前部に設ければよいが、前部と後部の両方に設けるよう
にしてもよい。
雪ロボットを取付け、各クローラ式走行装置を駆動さ
せ、除雪ロボットをケーブルに沿って直進させる。除雪
ロボットに設けた排雪板により、ケーブル上に積もった
雪が除去される。複数台のクローラ式走行装置を用いる
ことにより、ゴムタイヤに比べてグリップ性能が大幅に
向上し、さらに無端ベルトの突起とその円弧形状により
グリップ力が増大し、構造用ケーブルの傾斜角が大き
く、表面が滑りやすいケーブル保護管が使用されている
場合などでも、ケーブルに沿って確実に走行してケーブ
ル上の積雪を確実に除去することができる。また、クロ
ーラによる直進式であるため、走行速度が比較的速く、
作業時間を短縮することができると共に、ケーブル上に
積雪の凍結による凹凸があっても、ケーブル表面に段差
・不陸・ギャップ等があっても、支障なく走行すること
ができ、迅速で確実な除雪作業が可能となる。
態に基づいて説明する。この実施形態は、斜張橋の斜材
ケーブルに適用した例である。図1は本発明の自走式ケ
ーブル除雪ロボットの概要と斜張橋のケーブルを示す斜
視図および側面図である。図2,図3は本発明の自走式
ケーブル除雪ロボットの具体的な1例を示したものであ
り、図2(a),(b) は側面図, 下面図、図3(a),(b) は図
2の各断面図である。
ル除雪ロボット1は、主に、斜張橋の斜材ケーブルCを
取り囲む形状のロボット本体2と、ケーブル軸方向に沿
う無端ベルト10の走行面がケーブル表面に接するよう
にロボット本体2の内側に配設された3台のクローラ式
走行装置3と、クローラ式走行装置3に組み込まれた駆
動装置4と、この駆動装置4に電力を供給するバッテリ
ー電源5と、ロボット本体2の前部に設けられた排雪板
6と、非常時の強制回収索体7などから構成されてい
る。
に、ケーブルCを余裕を持って取り囲むようにアングル
材等を組んで形成された六角形のフレーム2aを用い、
所定の間隔をおいて配置した一対のフレーム2a,2a
を連結ロッド2bや軽量連結板2cあるいはクローラ式
走行装置3のケース3aにより連結して構成され(図2
参照)、軽量化が図られている。
形フレーム2aの一つ置きの辺の内側にクローラ式走行
装置3を配設し、図2(a),図3(b) に示すように、取付
片20a・ボルト20b・ナット20c等からなる固定
装置20でクローラ式走行装置3を各フレーム2a,2
aに固定する。この固定装置20はクローラ式走行装置
3を斜材ケーブルCの径方向に位置調整してグリップ力
を調節することができる。また、この固定装置20にス
プリングを設けることにより、クローラ式走行装置3を
斜材ケーブルCに対して所定の力で押圧できるように
し、またケーブル表面の凹凸を吸収できるようにするこ
ともできる。また、装置が大型化するが、固定装置20
に大きな位置調整機能を持たせ、種々の径の斜材ケーブ
ルCに対応させることも可能である。
式走行装置3は、2台が斜材ケーブルCの上部を左右両
側から挟み、残りの1台が斜材ケーブルCの下面に当接
するように配置され、さらにロボット本体2を開閉式と
することにより、斜材ケーブルCに対して容易に脱着で
きるようにされている。即ち、図3(b) に示すように、
六角形フレーム2aの下部の左右一対の辺においてロボ
ット本体2を上下に2分割し、一側の分割片同士をヒン
ジ部材21で回転自在に連結し、他側の分割片同士をワ
ンタッチ連結金具22で着脱自在に連結している。この
ワンタッチ連結金具22は、図2(b) ,図3(b) に示す
ように、フック22aとリング22bとレバー22cか
らなる一般的な着脱金具であり、リング22bをフック
22aに引っ掛けてレバー22cを押し下げることで簡
単に連結固定を行うことができる。
ように、無端ベルト10が無端状に巻き掛けられる両端
の駆動輪11および従動輪12と、中間に配設されるガ
イド輪13を備え、前部の駆動輪11が駆動装置4によ
り駆動される所謂クローラ(履帯)である。駆動輪11
はスプロケットであり、その爪が無端ベルト10の幅方
向中央に形成された駆動用穴に噛合する(図2参照)。
1(b) 等に示すように、走行直角方向に平行なゴム製の
突起(爪)14が走行方向に間隔をおいて多数突設さ
れ、さらにこの突起14の斜材ケーブルCへの接触部分
にはR加工を施すことで斜材ケーブルCの曲面に対応し
た円弧14aを形成している。
うに、駆動輪11の駆動軸15に接続される減速歯車装
置16と、この減速歯車装置16に接続されるモータ1
7などからなる。モータ17は直流モータであり、搭載
されたバッテリー電源5により電力が供給され、無線に
よる遠隔操作(ラジコン操作)により制御される。バッ
テリー電源5はロボット本体2の下部に固定される。
うに、ロボット本体2の前部に取り付けられたプラスチ
ック製等の板であり、例えば、斜材ケーブルCの上に積
もった雪Sに切り込む平面視V字状の板6aと、前記積
雪Sを側方へ排除する平板状の板6bから構成する。平
板状の板6bは、走行直角方向と平行となるように、か
つ下部に形成した半円状の切欠きにより斜材ケーブルC
の上部を跨ぐように、ロボット本体2の前部に固定され
ている。平面視V字状の板6aの板は、斜材ケーブルC
の上に乗っかるように、平板状の板6bの前面に固定さ
れている。
巻き取りテグスを使用し、一端をロボット本体2に接続
し、橋桁上などに設置したリールに他端を巻き掛け、途
中で故障した場合、テグスを巻き取ることで強制的に回
収する。なお、この非常時の強制回収装置は、これに限
らず、その他の強制回収装置を使用することもできる。
ボット1において、次のような手順で斜材ケーブルCの
除雪を行う。
下端定着部付近に除雪ロボット1を取付ける。ロボット
本体2は上下2分割型であり、上部を斜材ケーブルC上
に載せた後、下部を閉じてワンタッチ連結金具22で連
結固定することで、簡単に取付けることができる。ま
た、小型化・軽量化が図られているため、人力で容易に
扱うことができ、取付けを歩道上から高欄越えに容易に
行うことができる。
装置3を駆動し、斜材ケーブルCの上方(主塔)に向か
って除雪ロボット1を走行させる。除雪ロボット1は斜
材ケーブルCに沿って直進し、排雪板6によりケーブル
上の積雪Sがかき落とされる。クローラ式走行装置3の
無端ベルト10はゴムタイヤに比べてグリップ性能が優
れ、また多数の突起14とその円弧14a形状により接
触面積・グリップ力が増し、表面が滑りやすいFRP製
樹脂塗装仕上げのケーブル保護管の場合でも、滑ること
なく確実に走行することができる。また、積雪が凍結し
て斜材ケーブル保護管表面が凹凸になっていても、また
ケーブル保護管に段差・不陸・ギャップ等があっても、
クローラ式であるため、難なく走行することが可能とな
る。また、登坂性能も優れ、最も角度の大きい最下段斜
材ケーブルでも支障なく走行することができる。
除雪が終了すると、ラジコン操作により各クローラ式走
行装置3を逆走させ、斜材ケーブルCに沿って下降させ
回収する。除雪時間は、最上段の最長の斜材ケーブルで
も数分であり、除雪ロボット1を次の斜材ケーブルCに
取付けて除雪を行ったり、あるいは複数台の除雪ロボッ
ト1で複数の斜材ケーブルCの除雪を同時に行ったりす
る。
障等により走行不能となった場合には、非常時の強制回
収索体7により強制的に回収することができる。
雪について説明したが、その他の構造用ケーブルの除雪
にも本発明を適用することができる。
で、次のような効果を奏することができる。
行装置で走行させるため、ゴムタイヤに比べてグリップ
性能が大幅に向上し、さらに無端ベルトの突起とその円
弧形状によりグリップ力が増大し、構造用ケーブルの傾
斜角が大きく、表面が滑りやすいケーブル保護管が使用
されている場合などでも、ケーブルに沿って確実に走行
してケーブル上の積雪を確実に除去することができる。
行速度が比較的速く、作業時間を短縮することができる
と共に、ケーブル上に積雪の凍結による凹凸があって
も、ケーブル表面に段差・不陸・ギャップ等があって
も、支障なく走行することができ、途中で停止すること
がなく、迅速で確実な除雪作業が可能となる。
装置などにより、装置の小型化・軽量化が可能となり、
取り扱いが容易となり、またコストの低減も図れる。
斜張橋を示したものであり、(a) は除雪ロボットの使用
状態の斜視図、(b) はそのクローラ式走行装置の斜視
図、(c) は斜張橋の部分側面図である。
な1例を示したものであり、(a) は側面図、(b) は下面
図である。
部の断面図、(b) は後部の断面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 ケーブル上に積もった雪を除去するため
の除雪ロボットであり、ケーブルを取り囲む形状のロボ
ット本体と、ケーブル軸方向に沿う無端ベルトの走行面
がケーブル表面に接するように前記ロボット本体の内側
に配設されたケーブル円周方向に複数の走行装置と、こ
の走行装置を駆動する駆動装置と、前記ロボット本体の
前部に設けられた排雪板を備えていることを特徴とする
自走式ケーブル除雪ロボット。
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