JP2002038191A - 油脂組成物及びその製造法並びに油脂組成物を含有する食品 - Google Patents

油脂組成物及びその製造法並びに油脂組成物を含有する食品

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JP2002038191A
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Toshiaki Aoyama
敏明 青山
Tadayuki Okada
忠幸 岡田
Yukio Hashimoto
征雄 橋本
Kotaro Yamaguchi
浩太郎 山口
Ikuo Ikeda
郁男 池田
Michihiro Sugano
道廣 菅野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、油脂含有食品を摂取したとき、当該
油脂分の吸収率が50%以下という、体に脂肪がつきに
くい、低吸収性を有する油脂組成物及びその製造法、並
びに当該油脂組成物を含有する食品を提供することを目
的とする。 【解決手段】C6〜C10 の構成脂肪酸原料とC16 〜C
18 の構成脂肪酸原料と、融点を37℃以下にするため
に必要であればグリセリンを混合してランダムエステル
交換し、飽和脂肪酸を90%以上とするために必要でれ
ば水素添加して、飽和脂肪酸が90%以上、融点が37
℃(SP)以下で部分エステルを含む、吸収率が50%
以下のグリセリドを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、体に脂肪がつきに
くい、低吸収性を有する油脂組成物及びその製造法並び
に該油脂組成物を含有する食品に関する。
【0002】
【従来の技術】厚生省保健医療局健康増進栄養課監修
「平成7年版国民栄養の現状」によると、我が国におけ
る肥満者は男性で8人に1人、女性で6人に1人の割合
であるといわれ、特に50歳代の女性では、4人に1人
が肥満者であるといわれている。また、最近若年層にお
ける肥満が急増しており、肥満を始めとする生活習慣病
が小学生などの低年齢層にも及んでいるが、この原因の
1つに食生活の欧米化が挙げられている。国民栄養調査
においても、油脂の摂取エネルギー比は25%を越えて
微増を続けており、今後、油脂摂取量の抑制および低カ
ロリー化が求められる事が予測される。
【0003】この様な背景より、油脂を含有した食品に
おいて油脂含有量を低減してカロリーを低減させた油脂
含有食品、例えばファットスプレッドや低油分マヨネー
ズ等が市場に出回っているが、油脂含有量の低下により
美味しさやコクが低減される傾向にある。
【0004】一方、油脂の吸収を低減させることを目的
として、SUS型トリグリセリドとカルシウム塩を組み
合わせる方法がチョコレート類において提案されている
が(特公平7−108188号)、かかる方法ではトリ
グリセリドの吸収率が50%以下にはなっていない。
【0005】また、油脂自体を低吸収化させる方法とし
て、長鎖脂肪酸と中鎖脂肪酸または短鎖脂肪酸を含有し
た新規なトリグリセリドを合成する方法が提案されてい
るが(特表平6−506106号、特開平2−1799
号)、これもまた油脂としての吸収率は50%以下では
ない。
【0006】一方、トリグリセリド成分ではない、糖類
と脂肪酸のエステル化物が提案されてるが(米国特許第
3600186号、特表平6−503230号)、安全
性等の問題により広範囲への実用化には到っていないの
が現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】油脂が体内において消
化吸収される機構は、トリグリセリドが膵臓リパーゼに
より、1分子の2−モノグリセリドと2分子の遊離脂肪
酸に分解され、胆汁酸とミセルを形成して、消化管に運
ばれる。脂肪酸の吸収率に影響する因子として、胆汁酸
ミセルへの溶解性が挙げられるが、通常2−モノグリセ
リドが界面活性剤的な役割を果し、遊離脂肪酸のミセル
への溶解性を向上させる。
【0008】ところが、長鎖飽和脂肪酸と中鎖脂肪酸を
組み合わせたグリセリドの場合、中鎖脂肪酸はミセルに
溶解せずにそのまま、門脈から吸収されるため、2−モ
ノグリセリドを形成しない。また、2−モノ長鎖飽和脂
肪酸も高融点であることから、不飽和脂肪酸に比べる
と、ミセルへの界面活性剤的な働きは弱い。従って、長
鎖飽和脂肪酸と中鎖脂肪酸を組み合わせたグリセリドは
低吸収性であると言えるが、中鎖脂肪酸の吸収自体はほ
ぼ100%であって非常に高いため、可及的長鎖飽和脂
肪酸の組み合わせ量を多くする必要がある。しかし、長
鎖飽和脂肪酸の組み合わせ量を増やすと、グリセリド自
体の融点が上昇し、食品への利用が困難になることか
ら、これらのメカニズムを用いた低吸収性油脂もその吸
収率が50%以下にまでは到っていないのが現状であ
る。
【0009】本発明は、融点が低くて食品への利用がし
易いにもかかわらず、油脂含有食品を摂取したとき、当
該油脂分の吸収率が50%以下で、体に脂肪がつきにく
いという、低吸収性を有する油脂組成物及びその製造
法、並びに当該油脂組成物を含有する食品を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、長鎖飽和脂肪酸(C16 〜C18 、以下、Lと
略すことがある)トリグリセリドと中鎖脂肪酸(C6
10 、以下、Mと略すことがある)トリグリセリドと
グリセリン(以下、Gと略すことがある)を混合し、ラ
ンダムエステル交換(以下、REと略すことがある)す
ることにより、様々な分子種ができることによって融点
降下現象が起こり、低融点で且つ低吸収性(低カロリー
化)を実現することができるという知見を得、本発明を
完成するに至った。
【0011】すなわち本発明は、融点(SP)が37℃
以下で、構成脂肪酸の90%(重量基準、以下同じ)以
上が飽和脂肪酸から成り、ランダムエステル交換された
部分エステルを含む、吸収率が50%以下のグリセリド
を有効成分とする油脂組成物、及び、当該油脂組成物を
含有する食品、並びに、C6〜C10 の構成脂肪酸原料と
16 〜C18 の構成脂肪酸原料と要すればグリセリンと
の混合物をランダムエステル交換し、要すれば水素添加
して飽和脂肪酸が90%以上、融点が37℃(SP)以
下で部分エステルを含む、吸収率が50%以下のグリセ
リドを得ることを特徴とする油脂組成物の製造法、であ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明によれば、長鎖飽和脂肪酸
を主要構成脂肪酸として含むトリグリセリド(油脂)と
中鎖脂肪酸を主要構成脂肪酸として含むトリグリセリド
およびグリセリンを加えてランダムエステル交換するこ
とにより、分子種が多くなり、融点降下現象によって低
融点になり、しかも、その分子種が低吸収性のトリグリ
セリド分子種(LLL,LLM,LML,LMM,ML
M,LLジグリセリド,LMジグリセリド,MMジグリ
セリド)であるため、体に脂肪のつきにくい、低吸収性
のグリセリド組成物ができる。
【0013】長鎖飽和脂肪酸を主要構成脂肪酸として含
むトリグリセリド(油脂)としては、主要構成脂肪酸が
16 〜C18 からなる試薬品としてのトリパルミチン、
トリステアリンは勿論のこと、主要構成脂肪酸としてC
16 〜C18 の何れかを含む油脂原料を予め水素添加して
得た極度硬化油が該当し、油脂原料として例えばナタネ
油、大豆油、ヒマワリ油、綿実油、落花生油、米ぬか
油、とうもろこし油、サフラワー油、オリーブ油、カポ
ック油、胡麻油、月見草油、パーム油、シア脂、サル
脂、カカオ脂等の植物性油脂が例示できる。
【0014】また、中鎖脂肪酸を主要構成脂肪酸として
含むトリグリセリドとしては、試薬品としてのトリカプ
ロン、トリカプリル、トリカプリンは勿論のこと、構成
脂肪酸中にC6〜C10 を含む油脂、例えばパーム核油や
ヤシ油よりの中鎖脂肪酸をトリグリセリドに再合成した
もの等が例示できる。
【0015】本発明におけるランダムエステル交換は、
公知の酵素法によるのが好ましく、グリセリンを併用し
たグリセロリシスもこれに含まれるが、その他、従来よ
り知られている公知方法、例えばナトリウムメチラート
等の金属触媒を用いる方法を除外するものではない。な
お、前掲の原料としての長鎖脂肪酸を主要構成脂肪酸と
して含むトリグリセリド(油脂)は、予め水素添加して
90%以上を飽和脂肪酸にしたものを使用するが、ラン
ダムエステル交換した後に水素添加してもよい。また、
これらの長鎖脂肪酸および中鎖脂肪酸を構成脂肪酸とす
るグリセリドは、必ずしもトリグリセリドである必要は
なく、ジグリセリドまたはモノグリセリドであってもよ
く、その際にはグリセリンを使用する必要のない場合が
ある。
【0016】従って、本発明における低吸収性の油脂組
成物を製造するには、C6〜C10 の構成脂肪酸原料とC
16 〜C18 の構成脂肪酸原料とを、これらの脂肪酸原料
がジグリセリドまたはモノグリセリドであればグリセリ
ンを必要としない場合もあるが、これらの脂肪酸原料が
何れもトリグリセリドであればグリセリンを使用して、
ランダムエステル交換し、部分エステルを生成させると
ともに、脂肪酸原料が予め水素添加されていて90%以
上が飽和脂肪酸であればそのまま、脂肪酸原料が水素添
加されておらず90%以上が飽和脂肪酸でなければ、当
該エステル交換油を飽和脂肪酸が90%以上になるまで
水素添加することによって、吸収率が50%以下の、体
に脂肪がつきにくい油脂組成物を得ることができる。
【0017】本発明においては、以上のようにしてラン
ダムエステル交換することにより、融点(SP)が37
℃以下で部分エステルを含み、吸収率が50%以下であ
る油脂組成物を得ることができるが、吸収率を50%以
下にするにはグリセリドを構成する脂肪酸のC6〜C10
飽和脂肪酸を30〜60%とし、C16 〜C18 飽和脂肪
酸を60〜30%にするのが好ましく、不飽和脂肪酸は
10%以下にするのが好ましい。また、融点を37℃以
下にするにはランダムエステル交換することと、部分エ
ステル(主としてジグリセリド)を適宜生成させること
により調製することができる。なお、本発明における油
脂組成物は精製工程において未反応のグリセリンおよび
大部分または全てのモノグリセリドが留去される。
【0018】本発明において、以上のようにしてランダ
ムエステル交換して得られた吸収率が50%以下の油脂
組成物は、これを種々の食品に加えることができ、例え
ばチョコレート又はセンタークリーム等の油脂ベースの
食品、クリーム又はアイスクリーム等の様なO/W型の
乳化物、マーガリン等のW/O型の乳化物、フライ又は
スプレー等により油脂を含有させた食品を始め、油脂を
含有した各種食品が例示でき、これらの食品として例え
ば、チョコレート、センタークリーム、起泡性クリー
ム、アイスクリームを含む各種冷菓、マーガリン、ファ
ットスプレッド、マヨネーズ、フライ油、スプレー用油
脂等が例示できる。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明の実施態様を説明
するが、これは例示であって本発明の精神がこれらの例
示によって制限されるものではない。なお、例中、部及
び%は何れも重量基準を意味する。
【0020】はじめに、油脂の融点を低下させる方法と
して、通常、不飽和脂肪酸を構成脂肪酸として多く含
む、所謂、液体油を混合する方法と、中・短鎖脂肪酸を
構成脂肪酸として多く含む油脂を混合する方法の2通り
があるが、一般に、ステアリン酸と植物油(液体油)を
混合した場合、植物油の混合割合が多くなるにつれてス
テアリン酸の吸収率が高くなることが知られている(
J.Nutr., No.69, P.338,1959)のに対し、中・短鎖脂肪
酸を構成脂肪酸として多く含む油脂、特にトリカプリル
(C8トリグリセリド)と混合した場合の吸収率につい
ては検討されていない。そこで、以下の試験例1を実施
し、油脂の低カロリー化へのC8の有効性を検討した。
【0021】試験例1 8〜9週齢のSD系雄ラット(270g〜330g)を
数日間予備飼育後、胸管リンパカニュレーション手術を
施した。胃には投与用に胃管を装着した。実験中、胃管
からはブドウ糖-NaCl 溶液を持続的に注入した。拘束ケ
−ジ内で一晩回復させた後、ブランクとなるリンパ液を
2時間集めた後、SSS(S:C18:0)と888(8:
8:0)の2:1混合物2SSS+888(融点67.
1℃)、SSSとOOO(O:C18:1 )の2:1混合
物2SSS+OOO(融点66.5℃)のいずれかを含
むエマルション3mlを胃管より投与した。エマルション
(3ml)は、タウロコール酸ナトリウム200mg、アル
ブミン(脂肪酸フリー)50mg、および上記の脂肪のい
ずれか200mgを含み、ウオータバスで油を溶解後、超
音波処理によりエマルションを作製した。エマルション
は投与まで40〜50℃のウオータバスに保持した。こ
の間、エマルションが分離したり、固化することはなか
った。投与後、リンパ液は24時間集めた。
【0022】リンパ液は、Folch 法で脂質を抽出後、硫
酸メタノール法でトランスメチル化し脂肪酸のメチル化
を行った。脂肪酸メチルのGLC分析は10% Silar 1
0C(Chromosorb W(AW-DMCS) 、カラム長2m)で行っ
た。昇温条件は、initial 温度100℃、昇温速度5℃
/分、final 温度220℃で行った。リンパ中にはもと
もと脂肪酸が存在することから、これを補正する必要が
ある。そこで、ブランクとして集めたリンパ液中の脂肪
酸量をベースラインとして、エマルション投与後のリン
パ液中の脂肪酸量から差し引くことで、脂肪酸吸収量と
した。なお、投与エマルション中の脂肪酸量も同様の方
法で測定した。
【0023】 表−1(リンパへのステアリン酸吸収率) ─────────────────────────────────── 融点(SP)℃ ステアリン酸吸収率(%) ─────────────────────────────────── 2SSS+OOO 66.5℃ 58% 2SSS+888 67.1℃ 34% ─────────────────────────────────── 注)S:C18:0 ,O:C18:1 ,8:C8:0
【0024】2SSS+OOO混合油と2SSS+88
8混合油は融点(SP)はほぼ同じであるにもかかわら
ず、ステアリン酸の吸収率は、2SSS+OOOが58
%であるのに対し、2SSS+888は34%であっ
て、2SSS+888混合油の方が低く、統計的に有意
な差であることが判った。
【0025】実施例1および比較例1〜2 試験方法:市販固形試料(「オリエンタルCRF−1」
オリエンタル酵母工業(株))により1週間予備飼育を
行った5週齢のSD系雄ラット(体重120〜140
g)を、各群6匹に分け、表−1に示す高油分試験食を
与え、温度23℃±1℃、湿度55%±5%、明暗サイ
クル12時間(7:00〜19:00)で1週間飼育し
た。この時各試験群について油脂の吸収率を測定し、表
3−1に示した。試験を行うにあたり、試験油の長鎖飽
和脂肪酸としてはステアリン酸(S)、中鎖脂肪酸とし
てはカプリル酸(8)、一部グリセリン(G)を用い
た。尚、試験群は(S+8+G)RE群と(S+8)R
E群、(S+8)単純混合群の計3群を用いた。8源は
8純度95%のC8トリグリセリド(Unichema社製)を
用いた。
【0026】S源の調製 菜種油に触媒(ニッケル)を加え、水素添加により硬化
し、沃素価0.6、融点70.2℃の極度硬化菜種油を
得た。そのステアリン酸含量は92%以上であった。
【0027】ランダムエステル交換 (S+8+G)RE群:極度硬化菜種油24部、C8
リグリセリド76部およびグリセリン10部の割合で混
合し、ナトリウムメチラートを触媒として、ランダムエ
ステル交換を行った後、水洗、脱水、精製して融点37
℃以下のエステル交換油を得た。
【0028】(S+8)RE群:極度硬化菜種油60
部、C8トリグリセリド40部の割合で混合し、ナトリ
ウムメチラートを触媒として、ランダムエステル交換を
行った後、水洗、脱水、精製して融点37℃以下のエス
テル交換油を得た。
【0029】 表−2(試験食組成) ─────────────────────────────────── 原料 重量% カゼイン末 *1 20.0 DL−Met 0.3 α−コーンスターチ 15.0 シュクロース 45.0 試験油 10.0 セルロースパウダー 5.0 ミネラルMix *2 3.5 ビタミンMix *2 1.0 重酒石酸コリン 0.2 ─────────────────────────────────── 注 *1:ビタミンフリー、粗蛋白85%以上 2:AIN(American Institute of Nutrition )
【0030】 表−3(試験油脂吸収率) ─────────────────────────────────── 融点(SP) S含量 吸収率(%) ℃ % 油脂全体 ─────────────────────────────────── (S+8+G)RE 35.7 51.2 49.5 (S+8)RE 35.0 45.0 58.6 (S+8)単純混合 36.8 15.5 85.0 ───────────────────────────────────
【0031】表−2にみられるように、(S+8+G)
RE油脂組成物は融点が37℃以下でありながら、油脂
吸収率が50%以下であった。これは(S+8+G)R
E群のステアリン酸含量が高いことに起因してる可能性
が大きく、(S+8)RE群では(S+8+G)REに
比べて37℃以下でのS含量が低いために、吸収率が上
昇したと考えられる。(S+8)単純混合油ではステア
リン酸含量が非常に低くなるため、吸収率の上昇が認め
られた。なお、表中、(S+8+G)REは実施例1で
あり、(S+8)REは比較例1、(S+8)単純混合
は比較例2である。
【0032】 実施例2 以下の配合にてチョコレートを試作し、食感、風味について検討を行った。 配合(部) ─────────────────────────────────── カカオマス 15.0 全粉乳 20.0 砂糖 45.0 (S+8+G)RE 20.0 レシチン 0.4 バニリン 0.02 ───────────────────────────────────
【0033】上記配合のチョコレートを常法にてテンパ
リング処理を行い、成形、冷却してチョコレートを作成
したところ、良好な食感、口溶け、風味を有していた。
【0034】実施例3 以下の配合にて冷菓の試作を行った。 配合(部) ─────────────────────────────────── 脱脂粉乳 10.0 粉末水飴 5.0 グラニュー糖 15.0 (S+8+G)RE 12.0 水 58.0 乳化剤 注1 ) 0.3 安定剤 注2 ) 0.4 ─────────────────────────────────── 注1 ) エマルジーMS:理研ビタミン(株)製 注2 ) サンベストNN−305:三栄源(株)製
【0035】上記配合にて常法(混合→予備乳化→均質
化→冷却→エージング→フリージング→ハードニング)
に従い、冷菓を試作したところ、乳化破壊も起こさず、
出来た冷菓も食感口溶けが良好なものであった。
【0036】本発明により得られる油脂含有食品は、油
脂の吸収性が低く、低カロリーであり、且つ食感、風味
において良好で嗜好性の高いものであり、非常に意義深
いものである。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明は油脂含有食品を
摂取したとき、当該油脂分の吸収率が50%以下とい
う、体に脂肪がつきにくい、低吸収性を有する油脂組成
物及びその製造法、並びに当該油脂組成物を含有する食
品を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23G 1/00 A23L 1/19 4H059 9/02 1/24 A A23L 1/19 1/307 1/24 C11C 3/06 1/307 3/10 C11C 3/06 A23D 7/00 502 3/10 9/00 516 518 (72)発明者 山口 浩太郎 大阪府泉佐野市住吉町1番地 不二製油株 式会社阪南事業所内 (72)発明者 池田 郁男 福岡県宗像市自由が丘南2−15−3 (72)発明者 菅野 道廣 福岡市東区名島5−38−23 Fターム(参考) 4B014 GB04 GB18 GB19 GG14 GL06 GP27 4B018 LB01 LE04 MD15 MF10 4B025 LB20 LB21 LG14 LP18 4B026 DC05 DG01 DH01 DX02 4B047 LB04 LE02 LG11 LP16 4H059 BA13 BA33 BA34 BB02 BB03 BB06 BC13 CA35 CA36 DA02 DA13 DA30

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】融点(SP)が37℃以下で、構成脂肪酸
    の90%(重量基準、以下同じ)以上が飽和脂肪酸から
    成り、ランダムエステル交換された部分エステルを含
    む、吸収率が50%以下のグリセリドを有効成分とす
    る、油脂組成物。
  2. 【請求項2】飽和脂肪酸がC6〜C10 から選択される一
    種または二種以上とC16 〜C18 から選択される一種ま
    たは二種以上である、請求項1記載の油脂組成物。
  3. 【請求項3】グリセリドを構成する脂肪酸のC6〜C10
    飽和脂肪酸が30〜60%であり、C16 〜C18 飽和脂
    肪酸が60〜30%であって、不飽和脂肪酸が10%以
    下である請求項1または請求項2記載の油脂組成物。
  4. 【請求項4】請求項1乃至請求項3の何れかに記載の油
    脂組成物を含有する食品。
  5. 【請求項5】油脂組成物の含有量が食品に含まれる全油
    脂成分中50%以上である、請求項4記載の食品。
  6. 【請求項6】食品が、チョコレート、センタークリー
    ム、起泡性クリーム、アイスクリーム、マーガリン、フ
    ァットスプレッド、マヨネーズ、フライ油、スプレー用
    油脂、冷菓からなる群から選択される、請求項5記載の
    食品。
  7. 【請求項7】C6〜C10 の構成脂肪酸原料とC16 〜C
    18 の構成脂肪酸原料と要すればグリセリンとの混合物
    をランダムエステル交換し、要すれば水素添加して飽和
    脂肪酸が90%以上、融点が37℃(SP)以下で部分
    エステルを含む、吸収率が50%以下のグリセリドを得
    ることを特徴とする、油脂組成物の製造法。
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