JP2002038093A - 厚膜形成用コーティング液、厚膜形成部材および厚膜形成方法 - Google Patents

厚膜形成用コーティング液、厚膜形成部材および厚膜形成方法

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真吾 片山
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】被膜の超撥水性や離型性が低下せず、被膜に亀
裂発生の恐れのない厚膜の有機・無機ハイブリッド膜を
ゾルゲル法で形成するための厚膜形成用コーティング
液、厚膜形成部材および厚膜形成方法を提供する。 【解決手段】 金属および/または半金属アルコキシド
と有機ケイ素化合物とを含むゾル液であって、金属およ
び/または半金属アルコキシドを溶媒1リットルに対し
て2.5mol以上含む厚膜形成用コーティング液。ま
た有機ケイ素化合物は末端シラノールポリジメチルシロ
キサンであり、コーティング液にはフィラーが添加さ
れ、フィラーはポリテトラフルオロエチレンである厚膜
形成用コーティング液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゾルゲル法で厚膜を
形成するための厚膜形成用コーティング液、ゾルゲル法
で表面に厚膜を形成した部材および厚膜形成方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】金属または半金属のアルコキシドと、有
機ケイ素化合物とを含むゾル液を基材に塗布し、加熱処
理して得られる有機・無機ハイブリッド被膜は優れた離
型性、超撥水性を示し、例えば電子写真装置用の中間転
写ベルトや定着ロール等の表面に有用である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記中間転写ベルトや
定着ロールの基材は、ポリイミド、ポリカーボネート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド等の熱可塑性
樹脂等であるが、該基材表面には凹凸があり、上記被膜
が薄いと被膜表面が基材表面の凹凸に影響されて被膜の
超撥水性や離型性が低下し、また被膜に亀裂が生じる恐
れもある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するための手段として、金属および/または半金属のア
ルコキシドと、有機ケイ素化合物とを含むゾル液であっ
て、該金属および/または半金属のアルコキシドを溶媒
1リットルに対して2. 5mol 以上含む厚膜形成用コー
ティング液を提供するものである。
【0005】該有機ケイ素化合物は、末端シラノールポ
リジメチルシロキサンであることが望ましい。
【0006】該コーティング液にはフィラーが添加され
ていることが望ましく、該フィラーはポリテトラフルオ
ロエチレンであることが望ましい。
【0007】また本発明は、上記厚膜形成用コーティン
グ液を基材表面にコーティングして厚さ20μm以上の
有機・無機ハイブリッド厚膜を形成した厚膜形成部材を
提供するものである。
【0008】該基材として電子写真装置用の転写および
/または定着部材が適用されることが有用である。
【0009】更に本発明は、上記厚膜形成用コーティン
グ液を基材表面にコーティングし、加熱処理することに
よって該基材上に厚さ20μm以上の有機・無機ハイブ
リッド厚膜を形成する厚膜形成方法を提供するものであ
る。
【0010】該基材として電子写真装置用の転写および
/または定着部材が適用されることが有用である。
【0011】
【作用】有機・無機ハイブリッド厚膜を20μm以上と
することによって、基材表面の凹凸が略被覆吸収され、
従って本発明の部材の表面は基材表面の凹凸に影響され
なくなり、表面の超撥水性や離型性が確保され亀裂が確
実に防止される。本発明に使用するコーティング液にお
いて、溶媒に対して金属および/または半金属のアルコ
キシドの濃度を2. 5mol/l 以上とすることで、該コー
ティング液の粘度が高くなり基材上に保持されやすくな
り、基材上に塗布されるコーティング液の量を多くする
ことが出来、よって何度も塗布を繰返すことなく一回の
塗布で厚さ20μm以上の厚膜を形成することが出来
る。
【0012】またコーティング液にフィラーを分散させ
ることで、該コーティング液の粘度を高くすることが出
来、よって該コーティング液を用いることでより厚さの
大きな厚膜を容易に形成することが出来る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 〔厚膜形成用コーティング液〕本発明の厚膜形成用コー
ティング液は、金属および/または半金属のアルコキシ
ドと、有機ケイ素化合物とを含むゾル液であって、該金
属または半金属のアルコキシドが溶媒1リットルに対し
て2.5mol 以上含まれている。
【0014】上記アルコキシドを形成する金属または半
金属の種類としては、アルミニウム、ケイ素、チタン、
バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ゲルマニ
ウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、カドミウ
ム、タンタル等のアルコキシドを形成しうる金属または
半金属が挙げられる。
【0015】またアルコキシドの種類は特に限定される
ことなく、例えば、メトキシド、エトキシド、プロポキ
シド、イソプロポキシド、ブトキシド等が挙げられ、更
には、アルコキシ基の一部をβ−ジケトン、β−ケトエ
ステル、アルカノールアミン、アルキルアルカノールア
ミン等で置換したアルコキシド誘導体であってもよい。
【0016】上記有機ケイ素化合物としては、例えば、
ジアルキルジアルコキシシラン、末端シラノールポリジ
メチルシロキサン等を使用することが出来る。該ジアル
キルジアルコキシシランとしては、例えば、ジメチルジ
メトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチル
ジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエ
チルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ
エチルジプロポキシシラン、ジエチルジブトキシシラ
ン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキ
シシラン、ジプロピルジプロポキシシラン、ジプロピル
ジブトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフ
ェニルジエトキシシラン、ジフェニルジプロポキシシラ
ン、ジフェニルジブトキシシラン等が挙げられる。上記
末端シラノールポリジメチルシロキサンは、重量平均分
子量が400〜10000であることが好ましい。
【0017】また、上記有機ケイ素化合物のフッ素置換
体であるフッ素置換有機ケイ素化合物としては、上記有
機ケイ素化合物の水素をフッ素で置換したものを例示す
ることが出来る。そのような化合物としては、例えば、
CF3 CH2 CH2 −Si(OC2 5 3 等が挙げら
れる。
【0018】上記金属および/または半金属のアルコキ
シドの加水分解物と、上記有機ケイ素化合物等の有機成
分とを溶媒に加え、攪拌して厚膜形成用コーティング液
を調製する。なお該金属および/または半金属のアルコ
キシドの加水分解物は溶媒1リットルに対して2. 5mo
l 以上添加される。
【0019】上記有機成分は、加水分解前のアルコキシ
ドに対して配合してもよいし、加水分解したアルコキシ
ドに対して配合してもよい。なおアルコキシドの加水分
解反応を促進させるために、所望により塩酸、リン酸、
酢酸等の触媒を適宜使用してもよい。
【0020】上記溶媒としては、上記金属および/また
は半金属アルコキシドと上記有機成分を均一に分散、溶
解出来る溶媒であれば特に限定されることなく、例え
ば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、メトキシメタノール、メトキシエタノール、
エトキシメタノール、エトキシエタノール等の各種アル
コールの他、アセトン、メチルエチルケトン等の水溶性
有機溶媒が一般的に使用される。
【0021】上記有機成分としてジアルキルアルコキシ
シランを使用する場合、無機成分であるアルコキシドと
の配合比は、有機成分/(有機成分+無機成分)のモル
比が0. 5〜0. 95となる範囲であるのが好ましい。
該モル比が0. 5未満では、得られる被膜が剥離した
り、クラックが生じるおそれがあり、該モル比が0. 9
5を超えると、得られる被膜の表面硬度が著しく低下す
るおそれがある。
【0022】また、上記有機成分として末端シラノール
ポリジメチルシロキサンを使用する場合、無機成分であ
るアルコキシドとの配合比は、有機成分/(有機成分+
無機成分)のモル比が0. 1〜0. 7となる範囲である
のが好ましい。該モル比が0. 1未満では、得られる被
膜が固く脆くなり、弾性変形しなくなるおそれがあり、
該モル比が0. 7を超えると、有機成分と無機成分との
反応物がゲル化しない場合がある。
【0023】なお、この末端シラノールポリジメチルシ
ロキサンとアルコキシドとを反応させると、アルコキシ
ドのアルコキシ基が水酸基に置換され、その水酸基が末
端シラノールポリジメチルシロキサンの末端のシラノー
ル基と脱水・縮合反応を起こし、エラストマーが形成さ
れる。
【0024】以上のようにして得られる厚膜形成用コー
ティング液には、コーティング液の粘度を更に高めるた
めにフィラーを添加、混合分散させてもよい。
【0025】上記フィラーとしては、炭酸カルシウム、
タルク、ベントナイト等あるいは、酸化ケイ素、酸化ア
ルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム等の酸化物
粉末、黒鉛粉末等が例として挙げられる。更にフィラー
としては、ステアリン酸やシロキサン等の潤滑剤で表面
処理された上記酸化物粉末や金属粉末等のような固体潤
滑粉末も使用される。このような固体潤剤粉末をフィラ
ーとして添加すると、得られる厚膜の接触角が145°
以上の超撥水性を示すようになる。該フィラーの平均粒
子径が0. 005〜50μmの範囲のものが好ましい。
また上記フィラーの添加量は上記厚膜形成用コーティン
グ液に対して1〜40重量%の範囲が好ましい。
【0026】上記フィラーが添加された厚膜形成用コー
ティング液は、所望の攪拌装置で攪拌することで、フィ
ラーは該厚膜形成用コーティング液に均一に分散され
る。該厚膜形成用コーティング液には金属および/また
は半金属のアルコキシドが溶媒1リットルに対して2.
5mol 以上含まれるので粘度は2500〜4000cP
0 と高く、数時間放置してもフィラーの沈降は見られな
い。
【0027】〔厚膜形成方法〕上記厚膜形成用コーティ
ング液を用いて、基材表面に塗布する。
【0028】基材としては例えば合成樹脂、ガラス、金
属、セラミック等がある。本発明が特に有用に適用され
るのは、例えば、電子写真装置用転写定着部材である。
該転写定着部材とは、中間転写ベルト、中間転写ドラ
ム、転写定着ベルト等であって、その材料としては、例
えば、ポリイミド樹脂(PI)、ポリカーボネート樹脂
(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポ
リアリレート(PAR)、ポリエチレンナフタレート
(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等
のポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(PU)、ポリ
アミド樹脂(PA)等の熱可塑性樹脂が挙げられ、それ
ぞれ単独でまたは混合して用いられ、あるいはポリマー
アロイとして用いられる。
【0029】基材が樹脂材料からなる場合にあっては、
コーティング液を上記部材上に塗布する前に、予め該部
材表面の汚れを落しておき、紫外線照射処理またはNa
OH化学エッチングで処理してもよい。
【0030】上記基材表面に厚膜形成用コーティング液
を塗布する方法としては、公知の方法を利用することが
出来、例えば、ディップコート、スプレーコート、ロー
ルコート、フローコート等の方法を利用することが出来
る。
【0031】上記したように基材表面に塗布されたコー
ティング液は、加熱処理され厚膜が形成される。通常、
該加熱処理の条件は、60〜450℃×20秒〜7時間
であるのが好ましい。
【0032】なお発明における厚膜とは20μm以上の
膜厚を有する膜であり、本発明の厚膜形成法によって、
基材に厚膜形成用コーティング液の塗布および加熱処理
を施すことで厚膜が基材表面上に20〜100μmの膜
厚で形成される。
【0033】また本発明の厚膜は、有機成分とくに末端
シラノールポリジメチルシロキサンを使用した場合、ポ
リジメチルシロキサンの主骨格となっているフレキシブ
ルなシロキサン結合のため優れた可撓性および弾性を示
し、上記基材に対しては良好な密着性を示す。
【0034】〔厚膜形成部材〕厚膜形成部材とは、上記
厚膜形成コーティング液を用いて上記厚膜形成方法で基
材表面上に厚膜が形成されたものであり、該基材とし
は、例えば、上記した電子写真装置用転写定着部材等が
適用される。
【0035】以下、実施例より本発明を更に具体的に説
明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定される
ものではない。 〔実施例1〕無機成分としてテトライソプロポキシチタ
ンを使用し、有機成分として末端シラノールポリジメチ
ルシロキサン(重量平均分子量 6000)を使用し、
エタノールを溶媒とし該末端シラノールポリジメチルシ
ロキサン:該テトライソプロポキシチタン:アセト酢酸
エチル:水:エタノールを0. 25:1:2:2:3の
配合比にて混合して0. 5時間充分攪拌することによっ
て、該テトライソプロポキシチタンの十分な加水分解
と、一部該末端ポリジメチルシロキサンとの縮合重合を
行ない、厚膜形成用コーティング液を調製した。該テト
ライソプロポキシチタンのエタノールに対する濃度は5
. 7mol /l、該厚膜形成用コーティング液の粘度は8
5.57cP0 であった。上記厚膜形成用コーティング
液が塗布される基材は、電子写真装置用の転写ロールポ
リイミド基材であって、該基材表面の汚れを十分落し、
更に紫外線照射処理を施した後、該基材をフローコート
マシーンにセットした。該フローコートマシーンのコー
ト液吐出部を0. 15mm/sec の速さでトラバースさ
せ、該基材上に上記コーティング液を塗布した。その後
空気雰囲気下、200℃で0. 5時間、350℃で0.
1時間加熱処理して、該基材表面上に厚膜を形成した。
【0036】実施例1によって得られた厚膜の膜厚は5
0μmであり、表面粗さRaは0.03μm、鉛筆硬度
はB、接触角は105°、静摩擦係数は0. 16、動摩
擦係数は0. 07であり、このような厚膜を表面に有す
る転写ロールはトナーの離型性に優れている。
【0037】〔実施例2〕無機成分としてテトライソプ
ロポキシチタンを使用し、有機成分として末端シラノー
ルポリジメチルシロキサン(重量平均分子量 600
0)を使用し、エタノールを溶媒とし該末端シラノール
ポリジメチルシロキサン:該テトライソプロポキシチタ
ン:アセト酢酸エチル:水:エタノールを0. 25:
1:2:2:3の配合比にて混合して0. 5時間充分攪
拌することによって、該テトライソプロポキシチタンの
十分な加水分解と、一部該末端ポリジメチルシロキサン
との縮合重合を行ない、更に粒径5±2μmのポリテト
ラフルオロエチレン粒子を20重量%添加し混合攪拌し
て厚膜形成用コーティング液を調整した。該混合攪拌
は、真空脱泡攪拌装置で公転1600rpm、自転50
0rpm、5分間攪拌の条件で2回行なった。なお該テ
トライソプロポキシチタンのエタノールに対する濃度は
. 7mol /l、該厚膜形成用コーティング液の粘度は5
72cP0 であった。上記厚膜形成用コーティング液が
塗布される基材は電子写真装置用定着ロールのポリアリ
レート−ポリエチレンナフタレートポリマーアロイ(P
AR−PEN)基材であって、該基材表面の汚れを十分
落し、更に紫外線照射処理を施した後、該基材をフロー
コートマシーンにセットした。該フローコートマシーン
のコート液吐出部を0. 15mm/sec の速さでトラバー
スさせ、該基材上に上記コーティング液を塗布した。そ
の後空気雰囲気下、200℃で0. 5時間、350℃で
0. 1時間加熱処理して、該基材表面上に厚膜を形成し
た。
【0038】実施例2によって得られた厚膜の膜厚は5
5μmであり、表面粗さRaは2.80μm、鉛筆硬度
はB、接触角は125°であり、このような厚膜を表面
に有する定着ロールはトナーの付着性が小さい。
【0039】〔実施例3〕無機成分としてテトライソプ
ロポキシチタンを使用し、有機成分として末端シラノー
ルポリジメチルシロキサン(重量平均分子量 600
0)を使用し、エタノールを溶媒とし該末端シラノール
ポリジメチルシロキサン:該テトライソプロポキシチタ
ン:アセト酢酸エチル:水:エタノールを0. 25:
1:2:2:3の配合比にて混合して0. 5時間充分攪
拌することによって、該テトライソプロポキシチタンの
十分な加水分解と、一部該末端ポリジメチルシロキサン
との縮合重合を行ない、更に粒径5±2μmのポリテト
ラフルオロエチレン粒子を30重量%添加し混合攪拌し
て厚膜形成用コーティング液を調整した。該混合攪拌
は、真空脱泡攪拌装置で公転1600rpm、自転50
0rpm、5分間攪拌の条件で2回行なった。なお該テ
トライソプロポキシチタンのエタノールに対する濃度は
. 7mol /l、該厚膜形成用コーティング液の粘度は3
110cP0 であった。上記厚膜形成用コーティング液
が塗布される基材は電子写真装置用転写定着ベルトのP
AR−PEN基材であって、該基材表面の汚れを十分落
し、更に紫外線照射処理を施した後、該基材をフローコ
ートマシーンにセットした。該フローコートマシーンの
コート液吐出部を0. 15mm/sec の速さでトラバース
させ、該基材上に上記コーティング液を塗布した。その
後空気雰囲気下、200℃で0.5時間、350℃で0.
1時間加熱処理して、該基材表面上に厚膜を形成し
た。
【0040】実施例3によって得られた厚膜の膜厚は6
7. 5μmであり、表面粗さRaは3. 10μm、鉛筆
硬度はB、接触角は145°であった。
【0041】〔比較例〕無機成分としてテトライソプロ
ポキシチタンを使用し、有機成分として末端シラノール
ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量 6000)
を使用し、エタノールを溶媒とし該末端シラノールポリ
ジメチルシロキサン:該テトライソプロポキシチタン:
アセト酢酸エチル:水:エタノールを0. 25:1:
2:2:10の配合比にて混合して0. 5時間充分攪拌
することによって、該テトライソプロポキシチタンの十
分な加水分解と、一部該末端ポリジメチルシロキサンと
の縮合重合を行ない、コーティング液を調製した。該テ
トライソプロポキシチタンのエタノールに対する濃度は
. 7mol /l、該コーティング液の粘度は42. 68c
0 であった。上記コーティング液が塗布される基材
は、上記実施例1と同様転写ロールのポリイミド基材で
あって、該基材表面の汚れを十分落し、更に紫外線照射
処理を施した後、該基材をフローコートマシーンにセッ
トした。該フローコートマシーンのコート液吐出部を
0. 15mm/sec の速さでトラバースさせ、該基材上に
上記コーティング液を塗布した。その後空気雰囲気下、
200℃で0. 5時間、350℃で0. 1時間加熱処理
して、該基材表面上に膜を形成した。
【0042】比較例によって得られた膜の膜厚は8. 2
4μmであり、鉛筆硬度はB、接触角は105°であっ
た。
【0043】上記実施例では、溶媒であるエタノールに
対する金属アルコキシドであるテトライソプロポキシチ
タンのモル濃度が5. 7mol/l であること、また実施例
2および3にあっては厚膜形成用コーティング液にポリ
テトラフルオロエチレン粒子が分散されたこともあっ
て、いづれの実施例においても1回のコーティングで厚
膜の膜厚は、50μm(実施例1)、55μm(実施例
2)、67. 5μm(実施例3)であり、いずれも20
μm以上となった。一方、比較例ではテトライソプロポ
キシチタンのモル濃度が1. 7mol /lであり、この場合
には膜厚が8. 24μmの薄い膜しか得ることが出来な
かった。
【0044】
【発明の効果】本発明は、金属および/または半金属の
アルコキシドを有機ケイ素化合物とを含むゾル液である
コーティング液の金属および/または半金属のアルコキ
シド含有量を2. 5mol 以上として該コーティング液の
粘度を拡大せしめたので基材表面に厚膜を簡単に形成す
ることが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 185/00 C09D 185/00 G03G 15/16 103 G03G 15/16 103 15/20 101 15/20 101 103 103 (72)発明者 信藤 卓也 三重県鈴鹿市伊船町1900番地 鈴鹿富士ゼ ロックス株式会社内 (72)発明者 片山 真吾 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 山田 紀子 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 Fターム(参考) 2H032 AA05 BA05 BA09 BA23 2H033 AA09 AA16 AA21 BA11 BA12 BA58 BB03 BB05 BB13 BB14 BB29 BB30 4D075 BB26Z BB92Z CA03 CA06 CA07 CA13 CA36 DB01 DB13 DB14 DB48 DB50 DB53 DC19 DC21 EA12 EB18 EB43 EC08 EC13 EC54 4J038 CD122 DL031 DL161 GA03 GA12 JC38 KA03 KA20 PA19 PB08 PC02 PC03 PC08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属および/または半金属のアルコキシド
    と、有機ケイ素化合物とを含むゾル液であって、該金属
    および/または半金属のアルコキシドを溶媒1リットル
    に対して2. 5mol 以上含むことを特徴とする厚膜形成
    用コーティング液
  2. 【請求項2】該有機ケイ素化合物は、末端シラノールポ
    リジメチルシロキサンである請求項1に記載の厚膜形成
    用コーティング液
  3. 【請求項3】該コーティング液にはフィラーが添加され
    ている請求項1または2に記載の厚膜形成用コーティン
    グ液
  4. 【請求項4】該フィラーはポリテトラフルオロエチレン
    である請求項1〜3に記載の厚膜形成用コーティング液
  5. 【請求項5】請求項1〜4に記載の厚膜形成用コーティ
    ング液を基材表面にコーティングして厚さ20μm以上
    の有機・無機ハイブリッド厚膜を形成したことを特徴と
    する厚膜形成部材
  6. 【請求項6】該基材は電子写真装置用の転写および/ま
    たは定着部材である請求項5または6に記載の厚膜形成
    部材
  7. 【請求項7】請求項1〜4に記載の厚膜形成用コーティ
    ング液を基材表面にコーティングし、加熱処理すること
    によって該基材上に厚さ20μm以上の有機・無機ハイ
    ブリッド厚膜を形成することを特徴とする厚膜形成方法
  8. 【請求項8】該基材は電子写真装置用の転写および/ま
    たは定着部材である請求項7に記載の厚膜形成方法
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