JP2002038037A - 含フッ素系熱硬化性組成物 - Google Patents

含フッ素系熱硬化性組成物

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JP2002038037A
JP2002038037A JP2000229901A JP2000229901A JP2002038037A JP 2002038037 A JP2002038037 A JP 2002038037A JP 2000229901 A JP2000229901 A JP 2000229901A JP 2000229901 A JP2000229901 A JP 2000229901A JP 2002038037 A JP2002038037 A JP 2002038037A
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acid
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JP2000229901A
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Hiroshi Kamiyama
博志 神山
Soichi Mori
聡一 森
Takehito Ito
剛仁 伊藤
Yasushi Honda
康史 本田
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BASF Japan Ltd
Original Assignee
BASF NOF Coatings Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、良好な化学性能、物理性能、撥水
性、耐酸性、耐擦傷性、耐候性及び外観性を有する硬化
物を与えることができ、貯蔵安定性に優れた熱硬化性塗
料組成物を提供する。 【解決手段】(A)特殊なビニルエーテル基、ビニルチ
オエーテル基、あるいは酸素原子またはイオウ原子をヘ
テロ原子とするビニル型二重結合をもつ複素環式基でブ
ロック化されたカルボキシル基を2個以上1分子中に有
し、数平均分子量が200〜2000である不含フッ素
化合物、(C)エポキシ基を2個以上1分子中に有する化
合物、及び(B)特殊なビニルエーテル基、ビニルチオエ
ーテル基、あるいは酸素原子またはイオウ原子をヘテロ
原子とするビニル型二重結合をもつ複素環式基でブロッ
ク化されたカルボキシル基を2個以上を1分子中に持つ
含フッ素化合物、及び/又は、(E)エポキシ基を2個以
上1分子中に有する含フッ素化合物、並びに場合により
用いられる(D)加熱硬化時に活性を示す熱潜在性酸触媒
を含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な含フッ素系熱
硬化性組成物、さらに詳しくは、良好な化学性能、物理
性能、撥水性、耐酸性、耐擦傷性、耐候性及び外観性を
有する硬化物を与えることができるとともに、特に、貯
蔵安定性に優れ、例えば、塗料、インク、接着剤、形成
品などに好適な含フッ素系熱硬化性組成物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来の含フッ素熱硬化性組成物はメラミ
ン樹脂と水酸基含有化合物を架橋反応を利用しているた
め耐酸性が不十分であるという問題点が指摘されてい
た。耐酸性を向上させる熱硬化組成物として、従来よ
り、カルボキシル基を有する化合物と、該カルボキシル
基と加熱により化学結合を形成しうる反応性官能基、例
えば、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラン
基、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、イソシアネ
ート基などを有する化合物との組み合わせから成る熱硬
化性組成物は公知である。これらの熱硬化性組成物は、
得られる硬化物の化学性能、物理性能、さらには耐候性
などが優れていることから、例えば、塗料、インク、接
着剤、あるいはプラスチック成形品などの分野において
広く利用されている。
【0003】 しかしながら、カルボキシル基と前記反
応性官能基とは反応性が高いため、カルボキシル基含有
化合物と該反応性官能基を含有する化合物が共存する組
成物においては、貯蔵中にゲル化を起こしたり、可使時
間が短くなるなどの問題が生じる。このような問題を解
決する方法として、例えば、カルボキシル基をt-ブチル
エステルとしてブロック化し、加熱によりイソブテン脱
離分解により遊離のカルボキシル基に再生するといった
方法が提案されている(特開平1−104646号広
報)。しかしながら、この方法は、t-ブチル基の熱分解
に170〜180℃程度のむ高温を必要とし、昨今の省
資源や省エネルギーの観点から、必ずしも十分に満足し
うる方法とはいえない。また、撥水性を付与させるため
に配合されるフッ素樹脂は、低分子量化が困難であるた
め、組成物の貯蔵安定性を低下させたり、塗膜など硬化
物の外観性を低下させるという問題が指摘されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、比較的低い
温度において、化学性能、物理性能、撥水性、耐酸性、
耐擦傷性、耐候性および外観性に優れる硬化物を与える
ことができ、かつ良好な貯蔵安定性を有する、含フッ素
系熱硬化性組成物を提供することを目的としてなされた
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する含フッ素熱硬化性組成物を開発すべ
く鋭意研究を重ねた結果、(A)特殊なビニルエーテル
基、ビニルチオエーテル基、あるいは酸素原子またはイ
オウ原子をヘテロ原子とするビニル型二重結合をもつ複
素環式基でブロック化されたカルボキシル基を2個以上
1分子中に有し、数平均分子量が200〜2000であ
る不含フッ素化合物、(B)特殊なビニルエーテル基、ビ
ニルチオエーテル基、あるいは酸素原子またはイオウ原
子をヘテロ原子とするビニル型二重結合をもつ複素環式
基でブロック化されたカルボキシル基を2個以上を1分
子中に持つ含フッ素化合物、 (C)エポキシ基を2個以
上1分子中に有する化合物、及び場合により用いられる
(D)加熱硬化時に活性を示す熱潜在性酸触媒を含有して
なる熱硬化性組成物、または、前記(A)の化合物、前記
(C)の化合物、(E)エポキシ基を2個以上1分子中に有
する含フッ素化合物、及び場合により用いられる(D)の
熱潜在性酸触媒を含有してなる熱硬化性組成物、あるい
は、前記(A)の化合物、前記(B)の含フッ素化合物、前
記(C)の化合物、前記(E)の含フッ素化合物、及び場合
により用いられる(D)の熱潜在性酸触媒を含有してなる
熱硬化性組成物により、その目的を達成しうることを見
出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)1分子中に式(1)
【0006】
【化3】
【0007】(式中のR、R及びRはそれぞれ水
素原子又は炭素数1〜18の有機基、Rは炭素数1〜
18の有機基であって、RとRはたがいに結合して
をヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、
は酸素原子又はイオウ原子である)で表される化学
的にブロックされたカルボキシル基を2個以上有し、数
平均分子量が200〜2000である不含フッ素化合
物、(B)1分子中に式(2)
【0008】
【化4】
【0009】(式中のR、R及びRはそれぞれ水
素原子又は炭素数1〜18の有機基、Rは炭素数1〜
18の有機基であって、RとRはたがいに結合して
をヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、
は酸素原子又はイオウ原子である)で表される化学
的にブロックされたカルボキシル基を2個以上有する含
フッ素化合物、および(C)1分子中にエポキシを2個
以上有する化合物を必須成分とし、さらに、場合により
用いられる(D)加熱硬化時に活性を示す熱潜在性触媒
を含有してなることを特徴とする含フッ素系熱硬化性組
成物を提供する。また、本発明は、(A)1分子中に式
(1)で表される化学的にブロックされたカルボキシル
基を2個以上有し、数平均分子量が200〜2000で
ある不含フッ素化合物、(E)1分子中にエポキシ基を2
個以上有する含フッ素化合物、および(C)1分子中に
エポキシを2個以上有する化合物を必須成分とし、さら
に、場合により用いられる(D)加熱硬化時に活性を示
す熱潜在性触媒を含有してなることを特徴とする含フッ
素系熱硬化性組成物を提供する。
【0010】 また、本発明は、(A)1分子中に式
(1)で表される化学的にブロックされたカルボキシル
基を2個以上有し、数平均分子量が200〜2000で
ある不含フッ素化合物、(B)1分子中に式(2)で表さ
れる化学的にブロックされたカルボキシル基を2個以上
有する含フッ素化合物、(E)1分子中にエポキシ基を2
個以上有する含フッ素化合物、および(C)1分子中に
エポキシを2個以上有する化合物を必須成分とし、さら
に、場合により用いられる(D)加熱硬化時に活性を示
す熱潜在性触媒を含有してなることを特徴とする含フッ
素系熱硬化性組成物を提供する。また、本発明は、上記
含フッ素系熱硬化性組成物において、(C)成分がエポキ
シ含有アクリル樹脂および /またはエポキシ含有化合
物である含フッ素系熱硬化性組成物を提供する。また、
本発明は、上記含フッ素系熱硬化性組成物において、
(D)成分の熱潜在性酸触媒がプロトン酸あるいはルイス
酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸とトリアル
キルホスフェートの混合物、ルイス酸とトリアルキルホ
スファイトの混合物、ルイス酸とジアルキルスルフィド
の混合物、スルホン酸エステル類、リン酸エステル類、
及び、オニウム化合物の中から選ばれた少なくとも1種
である含フッ素系熱硬化性組成物を提供する。以下、本
発明を詳細に説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において、(A)成分は、
1分子中に式(1)
【化5】
【0012】(式中のR、R及びRはそれぞれ水
素原子又は炭素数1〜18の有機基、Rは炭素数1〜
18の有機基であって、RとRはたがいに結合して
をヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、
は酸素原子又はイオウ原子である)で表される化学
的にブロックされたカルボキシル基を2個以上、好まし
くは2〜50個を有し、数平均分子量が200〜200
0であり、フッ素原子を含有しない不含フッ素化合物で
ある。式(1)のブロックされたカルボキシル基は、カ
ルボキシル基と式(3)
【0013】
【化6】
【0014】(式中のR、R、R、R及びY
は、前記と同じ意味を持つ。)で表されるビニルエーテ
ル化合物、ビニルチオエーテル化合物あるいは酸素原子
又はイオウ原子をヘテロ原子とするビニル型二重結合を
持つ複素環式化合物との反応により、容易に形成させる
ことができる。前記式(1)及び(3)におけるR
及びRは、それぞれ水素原子又は炭素数1〜18
のアルキル基、アリール基、アルカリール基などの有機
基、R は炭素数1〜18のアルキル基、アリール基、
アルカリール基などの有機基であって、これらの有機基
は適当な置換基を有していてもよく、またRとR
は、互いに結合してYをヘテロ原子とする置換基を有
しない又は有する複素環を形成していてもよい。R
及びRの好ましいものとしては、水素原子、炭素
数1〜10のアルキル基、アリール基、アルカリール基
であり、Rの好ましいものとしては、炭素数1〜10
のアルキル基、アリール基、アルカリール基である。
【0015】上記アルキル基の適当な具体例としては、
例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、
n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペン
チル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチ
ル、2−メチルブチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、
3−メチルペンチル、エチルブチル、n−ヘプチル、2
−メチルヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシ
ル、3−メチルヘプチル、n−ノニル、メチルオクチ
ル、エチルヘプチル、n−デシル、n−ウンデシル、n
−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘプタデシル、n
−オクタデシル基などが挙げられ、また、このアルキル
基には、シクロブチル基、シクロヘキシル基などのシク
ロアルキル基も含まれる。好ましいアルキル基は、炭素
数1〜10のアルキル基であり、具体的には、メチル、
エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イ
ソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペン
チル、ネオペンチル、tert−ペンチル、2−メチル
ブチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペン
チル、エチルブチル、n−ヘプチル、2−メチルヘキシ
ル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、3−メチルヘ
プチル、n−ノニル、メチルオクチル、エチルヘプチ
ル、n−デシル及びシクロヘキシル基が挙げられる。
【0016】また、このアルキル基には、アラルキル基
も含まれる。その適当な具体例としては、ベンジル、1
−フェニルエチル、2−フェニルエチル、2−フェニル
プロピル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチ
ル、5−フェニルペンチル、6−フェニルヘキシル、1
−(4−メチルフェニル)エチル、2−(4−メチルフ
ェニル)エチル、2−メチルベンジルなどが挙げられ
る。上記アリール基及びアルカリール基の適当な具体例
としては、例えばフェニル、トリル、キシリル、ナフチ
ルなどのアリール基;4−メチルフェニル、3,4−ジ
メチルフェニル、3,4,5−トリメチルフェニル、2
−エチルフェニル、n−ブチルフェニル、tert−ブ
チルフェニル、アミルフェニル、ヘキシルフェニル、ノ
ニルフェニル、2−tert−ブチル5−メチルフェニ
ル、シクロヘキシルフェニル、クレジル、オキシエチル
クレジル、2−メチル−4−tert−ブチルフェニ
ル、ドデシルフェニルなどのアルカリール基などが挙げ
られ、好ましくは炭素数6〜10のフェニル、トリル、
キシリル、4−メチルフェニル、3,4−ジメチルフェ
ニル、3,4,5−トリメチルフェニル、2−エチルフ
ェニル、n−ブチルフェニル、tert−ブチルフェニ
ルなどのアリール基、アルカリール基が好ましい。
【0017】(A)成分の不含フッ素化合物は、1分子
中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物と式
(3)で表される化合物を反応させることにより得るこ
とができる。前記式(3)で表される化合物の具体例と
しては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、イソプロピルビニルエーテル、n−プロピルビニル
エーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニ
ルエーテル、secーブチルビニルエーテル、tert
ーブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエ
ーテル、シクロヘキシルビニルエーテルなどの脂肪族ビ
ニルエーテル化合物及びこれらに対応する脂肪族ビニル
チオエーテル化合物、さらには2,3−ジヒドロフラ
ン、3,4−ジヒドロフラン、2,3−ジヒドロ−2H
−ピラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−
ジヒドロ−2−メトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒ
ドロ−4,4−ジメチル−2H−ピラン−2−オン、
3,4−ジヒドロ−2−エトキシ−2H−ピラン、3,
4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸ナトリウ
ムなどの環状ビニルエーテル化合物及びこれらに対応す
る環状ビニルチオエーテル化合物などが挙げられる。
【0018】 1分子中に2個以上のカルボキシル基を
有する化合物としては、コハク酸、アジピン酸等の炭素
数2〜22の脂肪族ポリカルボン酸、フタル酸等の芳香
族ポリカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸等の脂環式ポ
リカルボン酸、及び1分子中にカルボキシル基2個以上
を有するポリエステル樹脂、アクリル樹脂、マレイン化
ポリブタジエン樹脂などが挙げられる。また、前記1分
子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物は、例
えば(1)1分子中あたりヒドロキシル基2個以上、好ま
しくは2〜50個を有するポリオール化合物と酸無水物
とをハーフエステル化させる、(2)1分子当たりイソ
シアネート基2個以上、好ましくは2〜50個を有する
ポリイソシアネート化合物とヒドロキシカルボン酸又は
アミノ酸とを付加させる、(3)カルボキシル基含有
α,β-不飽和単量体を単独重合又はその他のα,β-不
飽和単量体と共重合させる、(4)カルボキシル基末端
のポリエステル樹脂を合成する、などの方法により得ら
れる。これらのうち、(1)の1分子中あたりヒドロキシ
ル基2個以上、好ましくは2〜50個を有するポリオー
ル化合物と酸無水物とをハーフエステル化させたもの、
および(3)のカルボキシル基含有α,β-不飽和単量
体をその他のα,β-不飽和単量体と共重合したものが
好ましい。
【0019】 (1)の1分子当りヒドロキシル基2個
以上を有するポリオールとしては、たとえば、エチレン
グリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−
プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,
4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ペンタン
ジオール、ジメチルブタンジオール、水添ビスフェノー
ルA、グリセリン、ソルビトール、ネオペンチルグリコ
ール、1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオ
ール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−
ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトール、キニトール、マ
ニトール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、
ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等
の多価アルコール類;これらの多価アルコール類とγ−
ブチロラクトンやε−カプロラクトンなどのラクトン化
合物との開環付加体;該多価アルコール類と、トリレン
ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネートなどのイソシアネート化合物とのアルコー
ル過剰下での付加反応体;該多価アルコール類とエチレ
ングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコー
ルジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテ
ル、ペンタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオ
ールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールジビニルエーテルなどのビニルエーテル化合物と
のアルコール過剰下での付加体;及び該多価アルコール
類とアルコキシシリコーン化合物、たとえば、KR−2
13、KR−217、KR−9218[いずれも信越化
学工業(株)製、商品名]などとのアルコール過剰下で
の付加体などを挙げることができる。一方、これらのポ
リオールと反応させる酸無水物としては、たとえば、コ
ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、デカメチレンジカルボン酸、フタル酸、マレイ
ン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、テトラヒドロ
フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸などの多価カルボン酸
の酸無水物体を挙げることができる。
【0020】 (3)のカルボキシル基含有α,β-不
飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、イソクロトン酸、イタコン酸、メタコン酸、マ
レイン酸、フマル酸等が挙げられる。その他のα,β‐
不飽和単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリ
レート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メ
タ)アクリレート、ノルマルブチル(メタ)アクリレー
ト、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブ
チル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、
ノルマルラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル
(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレー
ト等の(メタ)アクリル酸のC〜C18のアルキルエ
ステル、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボ
ルニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸の
シクロアルキルエステル、ベンジル(メタ)アクリレー
ト等の(メタ)アクリル酸の芳香族炭化水素アルキルエ
ステル、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート
等の(メタ)アクリル酸の複素環式炭化水素アルキルエ
ステル、2‐メトキシエチル(メタ)アクリレート、3
‐メトキシブチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ
アルキル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メ
タ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン等の
ビニル芳香族化合物、ビニルピロリドン等のビニル複素
環式化合物、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト等の(メタ)アクリレートのアミノアルキルエステ
ル、アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられ
る。これらは一種単独で用いても複数種類用いてもよ
い。その他のα,β‐不飽和単量体としては、(メタ)
アクリル酸のC〜C18のアルキルエステル、シクロ
アルキルエステル及びビニル芳香族化合物の3種から選
ばれる2種又は3種の組合せが好ましく、3種すべての
組合せが特に好ましい。なお、(メタ)アクリル酸のC
〜C18のアルキルエステルにおけるアルキル基の炭
素数は、1〜10が好ましい。
【0021】 このようにして得られた1分子中にカル
ボキシル基を2個以上を有する化合物と前記式(3)で表
される化合物との反応は、通常酸性触媒の存在下、室温
ないし100℃の範囲の温度において行われる。また、
(A)成分の不含フッ素化合物は、前記式(2)で表され
る官能基を有するα,β−不飽和単量体、及び場合によ
り他のα,β−不飽和単量体を直接重合又は共重合させ
ることによっても得られる。 (A)成分の不含フッ素化合物の数平均分子量は、20
0〜2000の範囲であり、300〜1900の範囲が
好ましく、500〜1800の範囲が特に好ましい。数
平均分子量が200未満では十分な耐候性が得られず、
また、数平均分子量が2000を越える場合には、塗膜
等の硬化物外観及び安定性が低下する。本発明の熱硬化
性組成物においては、この(A)成分の不含フッ素化合
物は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用い
てもよい。本発明において、(B)成分は、1分子中に式
(2)
【0022】
【化7】
【0023】(式中のR、R及びRはそれぞれ水
素原子又は炭素数1〜18の有機基、Rは炭素数1〜
18の有機基であって、RとRはたがいに結合して
をヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、
は酸素原子又はイオウ原子である)で表される化学
的にブロックされたカルボキシル基を2個以上有するも
のであり、フッ素原子を有する含フッ素化合物である。
前記式(2)で表されるブロックされたカルボキシル基
は、カルボキシル基と、式(4)
【0024】
【化8】
【0025】(式中のR、R、R、R及びY
は前記と同じ意味を持つ。)で表されるビニルエーテル
化合物、ビニルチオエーテル化合物、あるいは酸素原子
又はイオウ原子をヘテロ原子とするビニル二重結合をも
つ複素環式化合物との反応により、容易に形成されるこ
とができる。式(2)のブロックされたカルボキシル基
は、式(1)のブロックされたカルボキシル基と同様で
ある。故に、式(2)中のR、R、R、R、Y
は、式(1)中のR、R、R、R及びY
同様であり、その具体例も、好ましいものも同様であ
る。本発明組成物の(B)成分は、ヒドロキシル基を有す
るα,β−不飽和単量体、含フッ素系α,β−不飽和単
量体及び、場合により他のα,β−不飽和単量体を共重
合したのち、酸無水物を該共重合体の水酸基とハーフエ
ステル化せしめ、生成したカルボキシル基を前記式(4)
で表される化合物でブロックすることにより得られる。
または、カルボキシル基を有するα,β−不飽和単量
体、含フッ素系α,β−不飽和単量体、及び場合により
他のα,β−不飽和単量体を共重合したのち、カルボキ
シル基を前記式(4)で表される化合物でブロックするこ
とにより得られる。さらにまた、前記式(2)で表される
官能基を有するα,β−不飽和単量体、含フッ素系α,
β−不飽和単量体、及び場合により他のα,β−不飽和
単量体を直接共重合させることによって得られる。
【0026】 ヒドロキシル基を有するα,β−不飽和
単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−
メチロールアクリル酸アミド、及びそれらのε−カプロ
ラクトン付加体等が挙げられる。含フッ素系α,β−不
飽和単量体としては、CF2=CF2、CHF=CF2
CH2=CF2、CH2=CHF、CClF=CF2、CH
Cl=CF2、CCl2=CF2、CClF=CClF、
CHF=CCl2、CH2=CClF、CCl2=CCl
F、CF3CF=CF2、CF3CF=CHF、CF3CH
=CF2、CF3CF=CH2、CHF2CF=CHF、C
3CF=CF2、CH3CF=CH2、CF2ClCF=
CF2、CF3CCl=CF2、CF3CF=CFCl、C
2ClCCl=CF2、CF2ClCF=CFCl、C
FCl2CF=CF2、CF3CCl=CClF、CF3
Cl=CCl2、CClF2CF=CCl2、CCl3CF
=CF2、CF2ClCCl=CCl2、CFCl2CCl
=CCl2、CF3CF=CHCl、CClF2CF=C
HCl、CF3CCl=CHCl、CHF2CCl=CC
2、CF2ClCH=CCl2、CF2ClCCl=CH
Cl、CCl3CF=CHCl、CF2ClCF=C
2、CF2BrCH=CF2、CF3CBr=CHBr、
CF2ClCBr=CH2、CH2BrCF=CCl2、C
3CBr=CH2、CF3CH=CHBr、CF2BrC
H=CHF、
【0027】CF2BrCF=CF2、CF3CF2CF=
CF2、CF3CF=CFCF3、CF3CH=CFC
3、CF2=CFCF2CHF2、CF3CF2CF=CH
2、CF3CH=CHCF3、CF2=CFCF2CH3、C
2=CFCH2CH3、CF3CH2CH=CH2、CF3
CH=CHCH3、CF2=CHCH2CH3、CH3CF2
CH=CH2、CFH2CH=CHCFH2、CH3CF2
CH=CF2、CH2=CFCH2CH3、CF3(CF2
2CF=CF2、CF3(CF23CF=CF2、又はCH
2=C(CH3)COOC2、CH2=C(C
3)COOC2(CF2CF(CF33、CH2
=C(CH3)COOC2417、CH2=C(C
3)COOC241021等が挙げられる。含フッ
素系α,β−不飽和単量体は、1種又は2種以上を組合
せて用いることができる。 (B)成分において、含フッ素系α,β−不飽和単量体
に由来する構成単位の含有割合は、20〜80モル%が
好ましく、30〜70モル%がより好ましく、40〜6
0モル%が特に好ましい。これらの含フッ素系α,β−
不飽和単量体を使用することにより、特に、撥水性、耐
酸性、耐候性に優れた塗膜等の硬化物を形成することが
できる。カルボキシル基含有α,β-不飽和単量体は、
上記と同様なものが挙げられる。また、他のα,β‐不
飽和単量体としては、上記(A)成分において記載され
たものと同様のもの、式(3)で表されるビニルエーテ
ル化合物と同様のものが好ましく挙げられ、式(3)で
表されるビニルエーテル化合物と同様のものが特に好ま
しい。
【0028】 (B)成分の化合物の数平均分子量は、
特に制限なく用いることができる。本発明組成物におい
ては、この(B)成分の化合物は1種用いてもよいし、
2種以上を組み合わせてもよい。本発明の熱硬化性組成
物において、(C)成分として用いられる化合物として
は、前記(A)化合物における式(1)あるいは、前記(B)
化合物における式(2)で表されるブロック化カルボキシ
ル基が加熱により解離カルボキシル基に再生した際、こ
れと反応して化学結合を形成しうるエポキシ基を2個以
上、好ましくは2〜50個有するものが使用される。
【0029】 (C)成分は、エポキシ基を有するα,β
−不飽和単量体、及び、場合により他のα,β−不飽和
単量体を共重合させることにより得られる。エポキシ基
を有するα,β−不飽和単量体としては、末端に不飽和
基を有し、かつ1分子中に1個以上のエポキシ基を有す
るものであれば、特に制限はない。不飽和基の数は、1
分子中に1個が好ましく、また、エポキシ基の数は1分
子中に1〜3個が好ましく、特に1個が好ましい。この
1分子中に1個以上のエポキシ基を有するα,β‐不飽
和単量体の具体例としては、例えばグリシジル(メタ)
アクリレート、グリシジルメチル(メタ)アクリレー
ト、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、メチルグ
リシジルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキ
シシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,4−エポ
キシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、(メ
タ)アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有(メ
タ)アクリレート単量体が挙げられる。これらは一種単
独で用いても、又は複数種類用いてもよい。
【0030】 その他のα,β−不飽和単量体として
は、(A)成分及び(B)成分の説明において記載したも
のと同様なものが挙げられる。その他のα,β‐不飽和
単量体は、(メタ)アクリル酸のC〜C18のアルキ
ルエステル、(メタ)アクリル酸のシクロアルキルエス
テル及びビニル芳香族化合物の3種から選ばれる2種又
は3種の組合せが好ましく、3種すべての組合せが特に
好ましい。(メタ)アクリル酸のC〜C18のアルキ
ルエステルと(メタ)アクリル酸のシクロアルキルエス
テルの含有比率は、1:9〜9:1が好ましく、3:7
〜7:3が特に好ましい。(メタ)アクリル酸のC
18のアルキルエステルとビニル芳香族化合物の含有
比率は、1:9〜9:1が好ましく、3:7〜7:3が
特に好ましい。(メタ)アクリル酸のシクロアルキルエ
ステルとビニル芳香族化合物の含有比率は、1:9〜
9:1が好ましく、3:7〜7:3が特に好ましい。ま
た、 (C)成分としては、O-フタリックアシッドグリシ
ジルエステル、グリセロールポリグリシジルエーテル、
トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等のエ
ポキシ基含有化合物も使用できる。 (C)成分の化合物の数平均分子量は、制限なく用いる
ことができる。また、(C)成分の化合物のエポキシ基
の当量は、200〜2000g/molが好ましく、2
50〜1000g/molが好ましい。本発明の熱硬化
性組成物においては、(C)成分の化合物は1種用いて
もよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
【0031】 本発明組成物において、(E)成分として
用いられる含フッ素系化合物としては、前記(A)化合物
における式(1)あるいは、前記(B)化合物における式
(2)で表されるブロック化官能基が加熱により解離カル
ボキシル基に再生した際、これと反応して化学結合を形
成しうるエポキシ基を2個以上、好ましくは2〜50個
を1分子中に有するものが使用される。(E)成分を使用
することにより、特に、撥水性、耐酸性、耐候性に優れ
た塗膜等の硬化物を形成することができる。(E)成分
は、エポキシ基を有するα,β−不飽和単量体、含フッ
素系α,β−不飽和単量体、及び、場合により他のα,
β−不飽和単量体を共重合させることにより得られる。
これらのα,β−不飽和単量体は、上記と同様なものが
挙げられる。他のα,β‐不飽和単量体としては、式
(3)で表されるビニルエーテル化合物と同様のものが
好ましい。(E)成分においては、含フッ素系α,β−不
飽和単量体に由来する構成単位の含有割合は、20〜8
0モル%が好ましく、30〜70モル%がより好まし
く、40〜60モル%が特に好ましい。ビニルエーテル
化合物に由来する構成単位の含有割合は、10〜60モ
ル%が好ましく、15〜50モル%がより好ましく、2
0〜45モル%が特に好ましい。(E)成分の化合物の
数平均分子量は、特に制限なく用いることができる。ま
た、(E)成分の化合物のエポキシ基の当量は、200
〜2000g/molが好ましく、250〜1000g
/molが好ましい。
【0032】 本発明の熱硬化性組成物は、前記式(1)
及び/又は(2)で表される官能基を有する化合物、及
び、前記式(1) 及び/又は(2)で表される官能基と加
熱により反応しうるエポキシ基を有する化合物から成
る。このため、前記式(1) 及び/又は(2)で表される
官能基と、これと加熱により反応しうるエポキシ基の当
量比、及び、含フッ素化合物の配合量の調整が必要であ
る。本発明の熱硬化性組成物においては、前記式(1)及
び/又は(2)で表される官能基とエポキシ基の当量比
は、0.2:1.0〜1.0:0.2の割合になるよう
に各成分を含有させることが望ましい。(A)成分と(B)
成分と(C)成分を必須成分として含有する組成物におい
ては、(A)成分と(B)成分の含有割合は、質量比で0.
05:1〜1:0.05が好ましく、0.1:1〜1:
0.1がより好ましく、0.2:1〜1:0.2が特に
好ましい。(A)成分と(C)成分と(E)成分を必須成分と
して含有する組成物においては、(C)成分と(E)成分の
含有割合は、質量比で0.05:1〜1:0.05が好ま
しく、0.1:1〜1:0.1がより好ましく、0.
2:1〜1:0.2が特に好ましい。また、(A)成分と
(B)成分と(C)成分と(E)成分を必須成分として含有す
る組成物においては、(A)成分と(B)成分の含有割合と
(C)成分と(E)成分の含有割合は、上記と同様な範囲が
挙げられる。
【0033】 本発明においては、これらの組成物に、
場合により該組成物の長期にわたる貯蔵安定性を良好に
保ち、かつ低温にて短時間で硬化する際、硬化反応を促
進し、硬化物に良好な化学性能及び物理性能を付与する
目的で、(D)成分として加熱硬化時に活性を示す熱潜在
性酸触媒を含有させることができる。この熱潜在性触媒
は、50℃以上の温度において、酸触媒活性を示す化合
物が望ましい。該(D)成分の熱潜在性触媒としては、プ
ロトン酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸をル
イス塩基で中和した化合物、ルイス酸とトリアルキルホ
スフェートの混合物、ルイス酸とトリアルキルホスファ
イトの混合物、ルイス酸とジアルキルスルフィドの混合
物、スルホン酸エステル類、リン酸エステル類、及びオ
ニウム化合物類が好ましく挙げられる。
【0034】 本発明組成物においては、該(D)成分の
熱潜在性酸触媒は1種類用いてもよいし、2種類以上を
組み合わせてもよく、またその配合量は(A)成分と(B)
成分と(C)成分からなる組成物、(A)成分と(C)成分と
(E)成分からなる組成物、あるいは(A)成分と(B)成分
と(C)成分と(E)成分からなる組成物の各成分の総固形
分量100重量部当たり、通常0.01〜10重量部の
範囲で選ばれる。本発明の熱硬化組成物の硬化に要する
時間と温度については、前記式(1)又は(2)で表される
ブロック化官能基から、遊離カルボキシル基を生成する
温度、反応性官能基の種類、熱潜在性酸触媒の種類など
により異なるが、通常50〜200℃の範囲の温度で、
2分ないし1時間程度加熱することにより、硬化が完了
する。
【0035】 本発明の硬化性塗料組成物には、溶剤を
配合することができる。溶剤は、水、有機溶剤等が使用
できる。有機溶剤の具体例としては、例えば、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、芳香族石油
ナフサ、テトラリン、テレビン油、ソルベッソ#100
(エクソン化学(株)登録商標)、ソルベッソ#150
(エクソン化学(株)登録商標)等の芳香族炭化水素、
ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シ
クロヘキサン等の脂環式炭化水素、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブ
チル、酢酸イソブチル、酢酸第二ブチル、酢酸アミル、
モノメチルエーテル、酢酸メトキシブチル等のエステル
及びエーテルエステル類、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シ
クロヘキサノン、イソホロン、メシチルオキサイド、メ
チルイソアミルケトン、エチル正ブチルケトン、エチル
アミルケトン、ジイソブチルケトン、ジエチルケトン、
メチルプロピルケトン、ジイソプロピルケトン等のケト
ン類、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類、ジ
メチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等
が挙げられる。有機溶媒は、1種単独で用いてもよい
し、2種以上を組合せて用いてもよい。
【0036】溶剤の配合量は、硬化性塗料組成物を塗布
できる粘度に調整するように適宜選定すればよい。
(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(E)成分の
合計不揮発分100質量部に対して0〜150質量部が
好ましく、有機溶媒を使用する場合の下限量は1質量部
以上が好ましい。また、本発明の熱硬化剤組成物には、
本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じてアク
リル系重合体、ポリエステル重合体、ウレタン系重合
体、非分散型アクリル樹脂系重合体、架橋重合体粒子、
などの重合体、さらに顔料、染料などの着色剤、フィラ
ー、溶剤、顔料分散剤、粘度調整剤、タレ防止剤、レベ
リング、ゲル化防止剤、紫外線防止剤、ラジカル補足
剤、酸化防止剤など、従来より塗料、インク、接着剤、
形成品などに用いられている添加剤を添加することもで
きる。
【0037】
【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに具体的
に説明する。なお、本発明は、これらの例によって何ら
制限されるものではない。実施例及び比較例に用いた化
合物A−1、A−2、B、C、D及びEは、以下に示し
たものである。 (化合物A−1)メタクリル酸/n−ブチルメタクリレ
ート/メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアク
リレート=23/17/43/17(モル%)の共重合
体のカルボキシル基と同量のエチルビニルエーテルで化
学的にブロックした樹脂のキシレン溶液(固形分60
%、樹脂成分のブロック化カルボキシル基当量520g
/mol、数平均分子量1500) (化合物A−2)メタクリル酸/n−ブチルメタクリレ
ート/メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアク
リレート=23/17/43/17(モル%)の共重合
体のカルボキシル基と同量のエチルビニルエーテルで化
学的にブロックした樹脂のキシレン溶液(固形分60
%、樹脂成分のブロック化カルボキシル基当量520g
/mol、数平均分子量2500) (化合物A−3)トリメチロールプロパン/無水コハク
酸=25/75(モル%)の反応物で生成したカルボキ
シル基と同量のn−ブチルビニルエーテルで化学的にブ
ロックした樹脂のキシレン溶液(固形分45質量%、樹
脂成分のブロック化カルボキシル基当量45g/mo
l、数平均分子量730) (化合物B)カルボキシル基を有するフッ素樹脂(クロ
ロトリフルオロエチレン/エチルビニルエーテル/シク
ロヘキシルビニルエーテル/クロトン酸=50/15/
20/15(モル%)の共重合体)のカルボキシル基と
同量のイソブチルビニルエーテルで化学的にブロックし
た樹脂のキシレン溶液(固形分60%、樹脂成分のブロ
ック化カルボキシル基当量630g/mol、数平均分
子量2500)
【0038】(化合物C)グリシジルメタクリレート/
スチレン/メチルメタクリレート/ブチルメタクリレー
ト/ブチルアクリレート=30/25/10/15/2
0(モル%)の共重合体のキシレン溶液(固形分60
%、樹脂成分のエポキシ基当量420g/mol、数平
均分子量4000) (化合物D)p−トルエンスルホン酸(1−メチルへプ
チル)のキシレン溶液(p−トルエンスルホン酸として
10質量%) (化合物E)クロロトリフルオロエチレン/グリシジル
ビニルエーテル/エチルビニルエーテル/シクロヘキシ
ルビニルエーテル=45/21/22/12(モル%)
の共重合体のキシレン溶液(固形分60%、樹脂成分の
エポキシ基当量500g/mol、数平均分子量630
0)
【0039】 (実施例1〜4、比較例1〜2) クリヤー塗料の製造 容器に表1に記載されているクリヤー塗料組成物の各成
分及びその配合量を、ホモディスパーで20分間撹拌し
て、クリヤー塗料を調製した。 試験板の作成 化成処理されたダル鋼鈑に、カチオン電着塗料アクアN
o.4200(商品名、日本油脂(株)製)を乾燥膜厚が
20μmになるように塗装し、170℃で20分間焼き
付け、塗膜を硬化させた後、中塗り塗料としてハイピコ
No.500(商品名、日本油脂(株)製)を乾燥膜厚が
35μmになるように塗装し、140℃で20分間焼き
付けて被塗物とした。次いで、ベルコートNo.600
0シルバーメタリックベースコート塗料(商品名、日本
油脂(株)製)を上記被塗物上に乾燥膜厚が13μmとな
るようにエアスプレー塗装した。3分間常温で放置した
後、上記の方法で作成したクリヤー塗料を乾燥膜厚が3
5μmとなるようにエアースプレー塗装した。この塗装
鋼鈑を常温で10分間放置した後、140℃で30分間
焼き付けて硬化塗膜を得た。
【0040】
【表1】
【0041】注1:紫外線吸収剤:チバスペシャリティ
ケミカルズ(株)製、チヌビン900 注2:光安定剤:チバスペシャリティケミカルズ(株)
製、チヌビン440 注3:表面調整剤:三菱モンサント(株)製、モダフロ
ー 上記の方法で得られた上塗り塗膜の塗膜性能試験を以下
の手法で行った。その結果を表2に示した。
【0042】<塗膜特性の評価方法> (1)塗膜硬度:JIS K5400 8.4.1試験
機法により塗膜硬度を測定し、塗膜のすり傷による評価
を行った。 (2)耐湿性:JIS K5400 9.2.2回転式
法で120時間の試験を行い、試験終了後、目視で塗膜
の状態を観察した。 (3)撥水性:協和界面科学製接触角計(CA−Z型)
を用いて、水の接触角を測定し、接触角85度以上を合
格、85度に達しないものを不合格とした。 (4)密着性:JIS K5400 8.5.2碁盤目
テープ法により、付着性の試験を行い、評価点6点以上
を合格、評価点に達しないものを不合格とした。 (5)耐酸性:40質量%硫酸2mlを試験板上にスポ
ット上に乗せ、60℃で30分間放置後、塗膜の異常を
目視で判定した。 (6)耐擦り傷性:関東ローム層土(試験用ダスト8種
JIS Z8901)の20質量%水懸濁液1mlを、
2×2cmのネル布に塗布したものを摩擦試験機(大佑
機械製)の摺動ヘッド部に装着し、硬化塗膜上で荷重5
0gの下で20往復させて塗膜に擦り傷を発生させた
後、色差計(SM−7型、スガ試験機製)により明度L
値を測定し、初期との明度差ΔL値を算出した。この色
差ΔL値が15以下の場合を合格、15を超えた場合を
不合格とした。
【0043】(7)耐チッピング性:ASTM−D−3
170に準拠した以下の方法により、耐チッピング性の
試験及び評価を行った。試験機Q‐G‐Rグラベロメー
ター(Q‐Panel社製)の試験板ホルダーに、硬化塗膜
面の中央部40×40mmをこのして周囲をガムテープ
で被覆した試験板を取付け、試験温度20度の下で、チ
ップ材(直径10〜15mmの大理石粒、約250個)を
吹き付けエアー圧4.8kg/cmにより噴射し、衝
突によって生じた傷の平均剥離面積を測定した。この平
均剥離面積が0.3mm以下を合格、0.3mm
越える場合を不合格とした。 (8)耐候性:JIS D0205 2.2.1促進耐
候性試験(3)紫外線蛍光灯式耐候性試験機を使用し、
試験時間2000時間後の塗膜の割れの有無を観察し
た。 (9)仕上がり外観性:目視により塗膜外観性を評価し
た。 <クリヤー塗料の貯蔵安定性試験方法及び評価方法>上
記の方法で作成したクリアー塗料をキシレン/酢酸ブチ
ル=8/2(質量比)のシンナーでフォードカップN
o.4で25秒(20℃)に調整した後、50℃で密閉
貯蔵し、貯蔵30日後の状態を目視観察した。
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明の含フッ素系熱硬化性組成物は、
良好な化学性能、物理性能、撥水性、耐酸性、耐擦傷
性、耐候性及び外観性を有する硬化物を与えることがで
き、貯蔵安定性に優れており、例えば、塗料、インク、
接着剤、形成品などに好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 33/14 C08L 33/14 63/00 63/00 A (72)発明者 伊藤 剛仁 神奈川県川崎市多摩区中野島4−1−8− 305 (72)発明者 本田 康史 神奈川県横浜市港南区日野3−4−8− 518 Fターム(参考) 4J002 BD12X BD13X BD14X BD15X BD16X BG07W BG07X BG08X BH02W CD19Y EV046 EV246 EW046 EW066 FD156

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)1分子中に式(1) 【化1】 (式中のR、R及びRはそれぞれ水素原子又は炭
    素数1〜18の有機基、Rは炭素数1〜18の有機基
    であって、RとRはたがいに結合してYをヘテロ
    原子とする複素環を形成していてもよく、Yは酸素原
    子又はイオウ原子である)で表される化学的にブロック
    されたカルボキシル基を2個以上有し、数平均分子量が
    200〜2000である不含フッ素化合物、(B)1分子
    中に式(2) 【化2】 (式中のR、R及びRはそれぞれ水素原子又は炭
    素数1〜18の有機基、Rは炭素数1〜18の有機基
    であって、RとRはたがいに結合してYをヘテロ
    原子とする複素環を形成していてもよく、Yは酸素原
    子又はイオウ原子である)で表される化学的にブロック
    されたカルボキシル基を2個以上有する含フッ素化合
    物、および(C)1分子中にエポキシを2個以上有する
    化合物を必須成分とし、さらに、場合により用いられる
    (D)加熱硬化時に活性を示す熱潜在性触媒を含有して
    なることを特徴とする含フッ素系熱硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 (A)1分子中に式(1)で表される化
    学的にブロックされたカルボキシル基を2個以上有し、
    数平均分子量が200〜2000である不含フッ素化合
    物、(E)1分子中にエポキシ基を2個以上有する含フッ
    素化合物、および(C)1分子中にエポキシを2個以上
    有する化合物を必須成分とし、さらに、場合により用い
    られる(D)加熱硬化時に活性を示す熱潜在性触媒を含
    有してなることを特徴とする含フッ素系熱硬化性組成
    物。
  3. 【請求項3】 (A)1分子中に式(1)で表される化
    学的にブロックされたカルボキシル基を2個以上有し、
    数平均分子量が200〜2000である不含フッ素化合
    物、(B)1分子中に式(2)で表される化学的にブロッ
    クされたカルボキシル基を2個以上有する含フッ素化合
    物、(E)1分子中にエポキシ基を2個以上有する含フッ
    素化合物、および(C)1分子中にエポキシを2個以上
    有する化合物を必須成分とし、さらに、場合により用い
    られる(D)加熱硬化時に活性を示す熱潜在性触媒を含
    有してなることを特徴とする含フッ素系熱硬化性組成
    物。
  4. 【請求項4】 (C)成分がエポキシ含有アクリル樹脂お
    よび /またはエポキシ含有化合物である請求項1〜3
    のいずれかに記載の含フッ素系熱硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 (D)成分の熱潜在性酸触媒がプロトン酸
    あるいはルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイ
    ス酸とトリアルキルホスフェートの混合物、ルイス酸と
    トリアルキルホスファイトの混合物、ルイス酸とジアル
    キルスルフィドの混合物、スルホン酸エステル類、リン
    酸エステル類、及び、オニウム化合物の中から選ばれた
    少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の
    含フッ素系熱硬化性組成物。
JP2000229901A 2000-07-28 2000-07-28 含フッ素系熱硬化性組成物 Pending JP2002038037A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023182046A1 (ja) * 2022-03-22 2023-09-28 デクセリアルズ株式会社 エステル化合物及びその製造方法、並びに熱伝導性組成物及び熱伝導性シート

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WO2023182046A1 (ja) * 2022-03-22 2023-09-28 デクセリアルズ株式会社 エステル化合物及びその製造方法、並びに熱伝導性組成物及び熱伝導性シート

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