JP2002037881A - 環状エーテルとラクトン化合物の共重合方法 - Google Patents

環状エーテルとラクトン化合物の共重合方法

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JP2002037881A
JP2002037881A JP2000228486A JP2000228486A JP2002037881A JP 2002037881 A JP2002037881 A JP 2002037881A JP 2000228486 A JP2000228486 A JP 2000228486A JP 2000228486 A JP2000228486 A JP 2000228486A JP 2002037881 A JP2002037881 A JP 2002037881A
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Toshiro Imai
敏郎 今井
Osamu Nishizawa
理 西澤
Masato Onoe
真人 尾上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 5員環状エーテルとラクトン化合物とを効率
的に開環共重合して重合体を製造する方法を提供する。 【解決手段】 5員環状エーテルとラクトン化合物を開
環共重合して重合体を製造する方法であって、下記一般
式(II): 【化1】 (式中、X1〜X4は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基
などを示し、ただしX1〜X4のうち少なくとも1つはハ
ロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基であり;Mは3B
族元素から選ばれる原子(例えばホウ素原子)を示し;
Yは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール
基、アリールアルキル基などを示す)で表される化合物
を含む開始剤の存在下で行うことを特徴とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、5員環状エーテル
とラクトン化合物とを開環共重合して重合体を製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】5員環状エーテルであるテトラヒドロフ
ラン(以下、本明細書において「THF」と略す場合が
ある。)の開環重合物であるポリオキシテトラメチレン
グリコールは弾性回復性、低温特性、耐加水分解性、耐
アルカリ性、及び耐菌性に優れるが、光・塩素(ラジカ
ル)に弱く、耐候性に問題がある。一方、ラクトン化合
物の開環重合物であるポリエステルは、一般に耐光性、
耐塩素性、引き裂き強度に優れているが、加水分解やア
ルカリに弱い。上記2種のポリマーの欠点をそれぞれ補
完するために、テトラヒドロフランとラクトン化合物と
を共重合した重合体の提供が望まれる。
【0003】THFはカチオン系開始剤で重合させるこ
とができ、一方、ラクトン化合物であるβ−プロピオラ
クトンやε−カプロラクトンなどは、カチオン重合又は
アニオン重合のどちらでも重合可能である。従って、こ
れらの両モノマー種は重合性に大きな違いがあり、両者
を共重合させる場合には生成物の制御が困難になること
が知られている。例えば、Polymer Journal, Vol.3, N
o.3, 389-393(1971)にはTHFとε−カプロラクトンの
共重合方法が記載されているが、得られた重合体は分子
量分布が多峰性となり、ポリテトラヒドロフランとポリ
(ε−カプロラクトン)の混合物またはブロック共重合
体である可能性が高いことが記載されている。
【0004】特許2534048号には、触媒にルイス
酸と3又は4員の環状エーテルとを併用することを特徴
とするテトラヒドロフランとε−カプロラクトンの共重
合方法が記載されている。この方法では、3又は4員の
環状エーテルをプロモーターとして使用することが必須
であり、重合体中には使用した3又は4員の環状エーテ
ルの開環ユニットが混在してしまうという問題がある。
さらに得られたポリマーのGPCパターンは単一ピーク
であるとされているが、この刊行物には分子量分布の記
載はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、5員
環状エーテルとラクトン化合物とを効率的に開環共重合
して、所望の重合体を製造する方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、特定のカテコールから誘
導される化合物を開始剤として用いることにより、5員
環状エーテルモノマーとラクトン化合物とを効率的に開
環重合することができること、及び該開始剤を用いるこ
とによって重合反応を十分に制御でき、所望の重合体を
高収率で得ることができることを見出した。本発明は上
記の知見を基にして完成されたものである。
【0007】すなわち、本発明は、5員環状エーテルと
下記一般式(I):
【化3】 (qは1から7の整数を示し;Zは酸素原子又は硫黄原
子を示し;R1、R2、R q+2、及びRq+9はそれぞれ独立
に水素原子、置換又は無置換アルキル基、置換又は無置
換アリール基、置換又は無置換アリールアルキル基、ハ
ロゲン原子、置換又は無置換アルコキシ基、置換又は無
置換アリールオキシ基、シアノ基、及びモノ又はジアル
キルアミノ基からなる群から選ばれる置換基を示すが、
1、R2、Rq+2、及びRq+9は互いに結合して1又は2
以上の環を形成してもよい)で表されるラクトン化合物
を開環共重合して重合体を製造する方法であって、下記
一般式(II):
【化4】 (式中、X1、X2、X3、及びX4はそれぞれ独立に水素
原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換又は無
置換アルキル基、置換又は無置換アリール基、及び置換
又は無置換アリールアルキル基からなる群から選ばれる
置換基を示し、ただしX1、X2、X3、及びX4のうち少
なくとも1つはハロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基
からなる群から選ばれる置換基であり;Mは3B族元素
から選ばれる原子を示し;Yは水素原子、ハロゲン原
子、置換又は無置換アルキル基、置換又は無置換アリー
ル基、置換又は無置換アリールアルキル基、置換又は無
置換アルコキシ基、置換又は無置換アリールアルキルオ
キシ基、置換又は無置換アリールオキシ基、モノ又はジ
アルキルアミノ基、置換又は無置換アリールアミノ基、
置換又は無置換アルキルチオ基、及び置換又は無置換ア
リールチオ基からなる群から選ばれる置換基を示す)で
表される化合物を含む開始剤の存在下で行うことを特徴
とする方法を提供するものである。上記発明の好ましい
態様によれば、Mがホウ素原子である方法が提供され
る。
【0008】また、別の観点からは、5員環状エーテル
と上記一般式(I)で表されるラクトン化合物とを開環
共重合して重合体を製造するために用いられる開始剤で
あって、上記一般式(II)で表される化合物を含む開始剤
が本発明により提供される。この発明の好ましい態様に
より、Mがホウ素原子である上記開始剤が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】本明細書において用いられる用語
の意味は以下のとおりである。アルキル基又はアルキル
部分を有する置換基(例えばアルキルアリール基、アル
コキシ基、、アルキルチオ基など)のアルキル部分は、
直鎖状、分枝鎖状、環状、又はそれらの組み合わせのい
ずれでもよく、炭素数は1から12、好ましくは1から
10、より好ましくは1から8、さらに好ましくは1か
ら6、特に好ましくは1から4程度である。アルキル基
としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、
シクロブチル基、シクロプロピルメチル基、n−ペンチ
ル基、n−ヘキシル基などを例示することができるが、
これらに限定されることはない。
【0010】ハロゲン原子という場合には、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子のいずれでも
よいが、好ましくはフッ素原子、塩素原子、又は臭素原
子である。アリール基又はアリール部分を有する置換基
(例えばアリールアルキル基、アリールオキシ基、アリ
ールアルキルオキシ基など)のアリール部分について
「置換又は無置換」という場合、アリール環が1又は2
個以上の置換基を環上に有していてもよいことを意味し
ている。アリール環上に存在する置換基の位置は特に限
定されず、2個以上の置換基が存在する場合には、それ
らは同一でも異なっていてもよい。アリール基として
は、例えば、フェニル基又はナフチル基、より好ましく
はフェニル基を挙げることができる。
【0011】置換アリール基としては、例えば、アルキ
ル置換アリール基、より好ましくはアルキル置換フェニ
ル基を挙げることができる。より具体的には、置換アリ
ール基として、p−トルイル基、p−エチルフェニル
基、又はキシリル基などを挙げることができる。アリー
ルアルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナ
フチルメチル基などを挙げることができ、好ましくはベ
ンジル基である。
【0012】本発明に用いる5員環状エーテルとして
は、テトラヒドロフランのほか、2,3−ジヒドロフラ
ン、2,5−ジヒドロフランなどを用いてもよい。5員
環状エーテルの環を構成する炭素原子上には、1又は2
以上の置換基が存在していてもよく、2個以上の置換基
を有する場合にはそれらは同一でも異なっていてもよ
い。環上の置換基としては、例えば、炭素数1から12
のアルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブ
チル基、ヘキシル基など)、炭素数1から20のハロゲ
ン置換アルキル基(例えば、クロロメチル基、ブロモメ
チル基、クロロエチル基など)、アリール基(フェニル
基など)、アリールアルキル基(ベンジル基など)、ア
ルキルアリール基(トリル基など)、アリールオキシ基
(フェノキシ基など)、ハロゲン原子、アルコキシ基
(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基など)、ジア
ルキルアミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノな
ど)、シアノ基、アシルオキシ基(アセトキシ基、ベン
ゾイルオキシ基など)などを挙げることができる。ま
た、5員環状エーテルは、1又は2以上の芳香族環又は
非芳香族環と縮合していてもよい。例えば、2,3−ジ
ヒドロベンゾフランなどを用いてもよい。
【0013】5員環状エーテルの具体的な例としては、
例えば、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒド
ロフラン、3−メチル−テトラヒドロフラン、2,5−
ジメトキシテトラヒドロフラン、2−エトキシテトラヒ
ドロフラン、メチルテトラヒドロフルフリルエーテル、
2,3−ジヒドロベンゾフラン、2,3−ジヒドロフラ
ン、2,5−ジヒドロフラン、テトラヒドロフルフリル
クロライド、テトラヒドロフルフリルアセテート、テト
ラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフ
リルメタクリレート等が挙げられるが、これらに限定さ
れることはない。これらのうち好ましいのはテトラヒド
ロフランである。
【0014】本発明に用いるラクトン化合物は、下記一
般式(I):
【化5】 (qは1から7の整数を示し;Zは酸素原子又は硫黄原
子を示し;R1、R2、R q+2、及びRq+9はそれぞれ独立
に水素原子、置換又は無置換アルキル基、置換又は無置
換アリール基、置換又は無置換アリールアルキル基、ハ
ロゲン原子、置換又は無置換アルコキシ基、置換又は無
置換アリールオキシ基、シアノ基、及びモノ又はジアル
キルアミノ基からなる群から選ばれる置換基を示すが、
1、R2、Rq+2、及びRq+9は互いに結合して1又は2
以上の環を形成してもよい)で表される。
【0015】一般式(I)において、Zは酸素原子であ
ることが好ましい。R1、R2、Rq+2、Rq+9が示す無置
換アルキル基としては、例えば炭素数1から12のアル
キル基を用いることができ、より具体的には、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、n−ヘキシル基などが好まし
い。R1、R2、Rq+2、Rq+9が示す置換アルキル基とし
ては、炭素数1から20のハロゲン置換アルキル基、例
えばクロロメチル基、ブロモメチル基、クロロエチル
基、ジクロロエチル基、ブロモクロロエチル基;炭素数
1から20のヒドロキシ置換アルキル基、例えばヒドロ
キシメチル基;炭素数1から20のアルコキシ置換アル
キル基、例えばメトキシメチル基;炭素数1から20の
アリールオキシ置換アルキル基、例えばフェノキシメチ
ル基;アルキルシリルオキシ置換アルキル基、例えばト
リメチルシリルオキシメチル基などが好ましい。
【0016】R1、R2、Rq+2、Rq+9が示すアルコキシ
基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキ
シ基などを挙げることができる。R1、R2、Rq+2、R
q+9が示すアリールオキシ基としては、例えばフェノキ
シ基などを挙げることができる。モノアルキルアミノ基
又はジアルキルアミノ基としては、例えばモノメチルア
ミノ基、ジメチルアミノ基、モノエチルアミノ基、ジエ
チルアミノ等などを挙げることができる。
【0017】R1、R2、Rq+2、Rq+9が示す無置換アリ
ール基としてはフェニル基が好ましく、R1、R2、R
q+2、Rq+9が示す置換アリール基としては、p−トルイ
ル基、p−エチルフェニル基、又はキシリル基などを挙
げることができる。R1、R2、R q+2、Rq+9が示すアリ
ールアルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、
ナフチルメチル基などを挙げることができ、好ましくは
ベンジル基である。
【0018】上記一般式(I)で表される化合物の具体
的な例としては、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラ
クトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε
−カプロラクトン、γ−ヘキサノラクトン、γ−ヘプタ
ノラクトン、γ−オクタノラクトン、γ−ノナラクト
ン、γ−ウンデカラクトン、α−アセチル−γ−ブチロ
ラクトン、γ−メチル−δ−バレロラクトン、δ−ドデ
カノラクトン、ベンゾフラン、フタリド、クマリン、イ
ソクマリンなどが挙げられる。一般式(I)で表される
ラクトン化合物は、単独で用いてもよいが、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。ラクトン化合物の環上に
は、1又は2以上の置換基が存在していてもよい。例え
ば、1又は2以上のアルキル基やハロゲン原子が存在し
ていてもよい。
【0019】本発明で用いる開始剤は、下記の式(II):
【化6】 (式中、X1、X2、X3、及びX4はそれぞれ独立に水素
原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換又は無
置換アルキル基、置換又は無置換アリール基、及び置換
又は無置換アリールアルキル基からなる群から選ばれる
置換基を示し、ただしX1、X2、X3、及びX4のうち少
なくとも1つはハロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基
からなる群から選ばれる置換基であり;Mは3B族元素
から選ばれる原子を示し;Yは水素原子、ハロゲン原
子、置換又は無置換アルキル基、置換又は無置換アリー
ル基、置換又は無置換アリールアルキル基、置換又は無
置換アルコキシ基、置換又は無置換アリールアルキルオ
キシ基、置換又は無置換アリールオキシ基、モノ又はジ
アルキルアミノ基、置換又は無置換アリールアミノ基、
置換又は無置換アルキルチオ基、及び置換又は無置換ア
リールチオ基からなる群から選ばれる置換基を示す)で
表される化合物を含む開始剤である。
【0020】一般式(II)で表される化合物において、
Mは3B族元素(長周期型周期表3B族元素、IUPA
Cの族表現による)から選ばれる元素であり、具体的に
は、ホウ素原子、アルミニウム原子、ガリウム原子、イ
ンジウム原子、タリウム原子からなる群から選ばれる原
子を示すが、これらのうちホウ素原子が好ましい。Yが
示す無置換アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキ
シ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基などを挙げるこ
とができ、無置換アリールアルキルオキシ基としてはベ
ンジルオキシ基などを挙げることができ、無置換アリー
ルオキシ基としてはフェノキシ基を挙げることができ
る。
【0021】Yが示すモノ又はジアルキルアミノ基とし
ては、モノメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、モノエ
チルアミノ基、エチルメチルアミノ基、モノn−プロピ
ルアミノ基などを挙げることができ、2個のアルキル基
を有する場合にはそれらは同一でも異なっていてもよ
い。Yが示すアリールアミノ基としてはフェニルアミノ
基、アルキルチオ基としてはメチルチオ基、エチルチオ
基などを挙げることができ、アリールチオ基としてはフ
ェニルチオ基などを挙げることができる。Yとして、メ
トキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n-ブトキ
シ基などのアルコキシ基、フェノキシ基などのアリール
オキシ基、又はベンジル基などのアリールアルキル基が
好ましい。また、Yは水素原子以外の基であることが好
ましい。
【0022】上記一般式(II)で表される化合物の具体
例としては、例えば、3,4,5,6−テトラフルオロ
カテコールボラン、3,4,5−トリフルオロカテコー
ルボラン、3,4,6−トリフルオロカテコールボラ
ン、3,4−ジフルオロカテコールボラン、3,5−ジ
フルオロカテコールボラン、3,6−ジフルオロカテコ
ールボラン、3−フルオロカテコールボラン、4−フル
オロカテコールボラン、及びこれら化合物におけるフッ
素原子(2個以上のフッ素原子を有する場合にはそれら
の一部又は全部)を塩素原子又は臭素原子で置き換えた
化合物;
【0023】3,4,5,6−テトラクロロカテコール
ブトキシボラン、3,4,5−トリクロロカテコールブ
トキシボラン、3,4,6−トリクロロカテコールブト
キシボラン、3,4−ジクロロカテコールブトキシボラ
ン、3,5−ジクロロカテコールブトキシボラン、3,
6−ジクロロカテコールブトキシボラン、3−クロロカ
テコールブトキシボラン、4−クロロカテコールブトキ
シボラン、及びこれらの化合物の塩素原子(2個以上の
塩素原子を有する場合にはそれらの一部又は全部)をフ
ッ素原子又は臭素原子で置き換えた化合物、並びに前記
の化合物のブトキシ基をアルコキシ基、アルキルアミノ
基、又はアルキルチオ基で置き換えた化合物;
【0024】3,4,5,6−テトラシアノカテコール
ボラン、3,4,5−トリシアノカテコールボラン、
3,4,6−トリシアノカテコールボラン、3,4−ジ
シアノカテコールボラン、3,5−ジシアノカテコール
ボラン、3,6−ジシアノカテコールボラン、3−シア
ノカテコールボラン、4−シアノカテコールボラン、及
びこれらの化合物のホウ素原子上の水素原子をアルキル
基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、又はアルキルチ
オ基で置き換えた化合物;
【0025】3,4,5,6−テトラニトロカテコール
ボラン、3,4,5−トリニトロカテコールボラン、
3,4,6−トリニトロカテコールボラン、3,4−ジ
ニトロカテコールボラン、3,5−ジニトロカテコール
ボラン、3,6−ジニトロカテコールボラン、3−ニト
ロカテコールボラン、4−ニトロカテコールボラン、及
びこれらの化合物のホウ素原子上の水素原子をアルキル
基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、又はアルキルチ
オ基で置き換えた化合物;及び上述した全ての化合物の
ホウ素原子をアルミニウム原子、ガリウム原子、インジ
ウム原子、又はタリウム原子で置き換えた化合物などを
挙げることができる。
【0026】これらのうち好ましいのは、テトラクロロ
カテコールボラン及びそのアルコキシ誘導体、テトラブ
ロモカテコールボラン及びそのアルコキシ誘導体であ
る。もっとも、上記一般式(II)で表される化合物は上
記に例示した化合物に限定されることはない。
【0027】上記一般式(II)で表される化合物は、例
えば、カテコールと対応する金属のヒドリド物、アルコ
キシ化合物、アミド化合物、アルキルチオ化合物との反
応によって製造することができる。その具体例は、本明
細書の実施例及び特願2000−139661号明細書
の実施例に具体的に示されており、当業者は上記実施例
に記載された方法を参照しつつ、原料化合物、反応試
薬、反応条件などを適宜選択することにより、上記一般
式(II)に包含される化合物をいずれも製造することが
可能である。
【0028】上記一般式(II)で表される化合物は、置
換基の種類により1又は2個以上の不斉炭素を有する場
合があり、光学活性体又はジアステレオ異性体などの立
体異性体が存在する場合がある。本発明の開始剤として
は、純粋な形態の立体異性体のほか、立体異性体の任意
の混合物、ラセミ体などの任意の物質を用いてもよい。
また、上記一般式(II)で表される化合物が塩を形成す
る場合には、塩の形態の物質を開始剤として用いてもよ
い。また、上記一般式(II)で表される化合物又はその
塩の水和物又は溶媒和物を開始剤として用いることもで
きる。開始剤としては、一般式(II)で表される化合物
を単独で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用い
てもよい。
【0029】本発明における開環重合方法については特
に制限はなく、慣用の重合形式、例えば、スラリー重合
法、気相重合法、塊状重合法、溶液重合法および懸濁重
合法等のいずれの方法を用いてもよい。これらのうち、
スラリー重合法、溶液重合法および塊状重合法が好適で
ある。また、バッチ法でも連続法でもよい。一般式
(I)で表されるラクトン化合物及び5員環状エーテ
ル、並びに一般式(II)で表される開始剤を重合系に導
入する方法も特に限定されず、目的に応じて適宜の方法
を採用することができる。例えば、開始剤をモノマーの
存在下及び/又は非存在下に添加してもよい。あるい
は、重合系内に式(II)で表される化合物を製造するた
めの原料化合物を導入して、重合系内で開始剤を生成さ
せ、そこにプロモーターを添加してもよい。その場合、
重合系に添加する原料化合物の順序は特に限定されな
い。通常は、上記開始剤の生成のための原料化合物(通
常はカテコール類と金属のヒドリド物、アルコキシ化合
物、アミド化合物、アルキルチオ化合物など)を不活性
ガス雰囲気下に不活性溶媒中に導入して原料化合物同士
を接触させることにより開始剤を重合系内で生成させる
ことができる。
【0030】重合温度は適宜選択可能であるが、通常は
−78〜150℃、好ましくは−30〜110℃の範囲
である。開始剤の使用量も特に限定されず、5員環状エ
ーテルモノマー及びラクトン化合物の種類、反応の種
類、反応温度、重合時間などの種々の条件に応じて適宜
選択することができる。例えば、溶液重合系の場合、開
始剤の使用量は10-6〜10モル/リットル、特に10
-4〜1モル/リットルの範囲が好ましい。また、モノマ
ーの合計と開始剤との比(モノマー/開始剤(mol/
mol))は、例えば1〜106、好ましくは10〜10
5となるような範囲が好ましい。また5員環状エーテル
モノマーとラクトン化合物モノマーとの比(5員環状エ
ーテルモノマー/ラクトン化合物モノマー(mol/m
ol))は99〜0.01、好ましくは80〜0.02
である。
【0031】重合溶媒を用いる重合の場合には、開環重
合に通常用いられる溶媒を用いることができ、例えば、
塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化
炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等
の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等
の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油等の石油留分、
またこれらの混合溶媒などを用いることができる。
【0032】本発明の共重合方法には、必要に応じてプ
ロモーターを用いてもよい。プロモーターとしては、モ
ノマーとして用いる5員環状エーテル化合物又はラクト
ン化合物よりも歪の大きい化合物を用いることが望まし
い。例えば、プロモーターとして、環状エーテル化合物
のうち歪の大きいものが好ましく用いられる。例えば、
オキシラン環を有する化合物が好ましい。プロモーター
としては、2種以上の化合物を組み合わせて用いてもよ
い。プロモーターと開始剤との比(プロモーター/開始
剤(mol/mol))は1〜102となるような範囲
が好ましい。
【0033】開始剤の種類のほか、5員環状エーテルモ
ノマー及びラクトン化合物モノマーの種類、反応の種
類、反応温度、重合時間、必要に応じて用いられるプロ
モーターの種類などの種々の条件を適宜選択することに
よって重合体の分子量を調節することができる。本発明
の開環共重合方法により得られる重合体の重合度(n)は
通常は10〜10000である。本発明の方法によって
得られる重合体は、分子量分布が狭いという特徴を有す
る。例えば、本重合系では、数平均分子量(Mn)と重
量平均分子量(Mw)の比 Mw/Mn(=Q値)が
1.0〜3.5、好ましくは1.0〜2.5程度の重合
体を製造することが可能である。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定される
ことはない。実施例中、Mw及びMw/Mnは、ゲル・
パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によ
り、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒としポリスチ
レン換算で算出した。ボラン化合物の同定は、質量分析
法(Finnigan Mat社製TSQ−700)により行った。
共重合体に含まれる各モノマー成分の含有量は、試料を
CDCl3に溶解して核磁気共鳴装置(270MHz、
日本電子社製)により測定し、その積分値から算出し
た。
【0035】例1:テトラクロロカテコールブトキシボ
ランの合成 窒素置換した2口ナスフラスコにテトラクロロカテコー
ル0.62g(2.5mmol)を入れ、トルエン20
mlに溶解した。トリブトキシボラン0.68ml
(2.5mmol)添加して反応させ、トルエンを蒸留
した。残ったトルエンを減圧留去することにより、薄黄
色固体状のテトラクロロカテコールブトキシボラン0.
83g(2.5mmol)得た。質量分析の結果、親ピ
ークが観測された。、m/z:328(M+・)
【0036】例2 窒素置換した2口フラスコに例1で合成したテトラクロ
ロカテコールブトキシボラン0.31g(1.25mm
ol)を入れ、THF2.0ml(25mmol)およ
びβ−プロピオラクトン1.6ml(25mmol)を
加えて溶解させ、室温に保ちながら24時間攪拌した。
蒸留水1mlを加えて重合を停止し、反応液を塩化メチ
レン100mlに溶解させた。蒸留水30mlで4回洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥してろ過した後、溶媒
を減圧留去して共重合体を得た。収量3.27g(転化
率91%)、Mn=2700、Mw/Mn=1.7。共
重合体中のそれぞれのモノマー成分の含有量はTHF:
β−プロピオラクトン=45:55(mol/mol)で
あった。
【0037】例3 β−プロピオラクトン1.6mlをε−カプロラクトン
2.8ml(25mmol)に変更した以外は、例2と
同様の方法で共重合反応を実施した。収量3.97g
(転化率81%)、Mn=3700、Mw/Mn=2.
1。共重合体中のそれぞれのモノマー成分の含有量はT
HF:ε−カプロラクトン=37:63(mol/mo
l)であった。
【0038】例4 β−プロピオラクトン2.8mlを0.14ml(1.
25mmol)に変更し、THF2.0mlを10ml
(123mmol)に変更した以外は、例2と同様の方
法で共重合反応を実施した。収量5.74g(転化率6
4%)、Mn=30000、Mw/Mn=1.96。共
重合体中のそれぞれのモノマー成分の含有量はTHF:
ε−カプロラクトン=99.3:0.7(mol/mo
l)であった。
【0039】例5 ε−カプロラクトン1.6mlを0.08ml(1.2
5mmol)に変更し、THF2.0mlを10ml
(123mmol)に変更した以外は、例3と同様の方
法で反応を実施した。収量2.25g(転化率25
%)、Mn=30600、Mw/Mn=1.85。共重
合体中のそれぞれのモノマー成分の含有量はTHF:ε
−カプロラクトン=99:1(mol/mol)であっ
た。
【0040】例6:テトラクロロカテコールボランの合
成 窒素置換した2口ナスフラスコにテトラクロロカテコー
ル0.62g(2.5mmol)を入れ、トルエン20
mlに溶解した。ボラン・ジメチルスルフィド0.24
ml(2.5mmol)を添加し、攪拌しながら110
℃に加熱した。溶媒を減圧留去することにより、白色固
体状のテトラクロロカテコールボラン0.64gを得
た。質量分析の結果、分子イオンピークm/z:256
(M+・)が観測された。
【0041】例7:テトラクロロカテコールイソプロポ
キシボランの合成 例6で合成したテトラクロロカテコールボラン0.64
g(2.5mmol)を窒素置換した2口ナスフラスコ
に入れ、トルエン20mlに溶解した。この溶液にイソ
プロパノール0.15ml(2.5mmol)を加えて
反応させた。24時間反応させた後、トルエンを減圧留
去することにより、白色固体状のテトラクロロカテコー
ルイソプロポキシボラン0.79g(2.5mmol)
を得た。質量分析の結果、分子イオンピークm/z:3
14(M+・)が観測された。
【0042】例8:テトラクロロカテコールフェノキシ
ボランの合成 イソプロパノールの代わりにフェノール0.24g
(2.5mmol)を用いた以外は例7と同様にして、
白色の固体テトラクロロカテコールフェノキシボラン
0.87g(2.5mmol)得た。質量分析の結果、
分子イオンピークm/z:348(M+・)が観測され
た。
【0043】例9 例2でテトラクロロカテコールブトキシボランの代わり
にBF3:Et20(三フッ化ホウ素エーテラート)0.
32ml(2.5mmol)を用いて共重合反応を試み
たが重合は進行しなかった。
【0044】
【発明の効果】本発明の方法によれば、特定の開始剤を
用いることにより5員環状エーテルとラクトン化合物と
を共重合することができ、分子量分布の狭い所望の共重
合体を効率的に製造することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 5員環状エーテルと下記一般式(I): 【化1】 (qは1から7の整数を示し;Zは酸素原子又は硫黄原
    子を示し;R1、R2、R q+2、及びRq+9はそれぞれ独立
    に水素原子、置換又は無置換アルキル基、置換又は無置
    換アリール基、置換又は無置換アリールアルキル基、ハ
    ロゲン原子、置換又は無置換アルコキシ基、置換又は無
    置換アリールオキシ基、シアノ基、及びモノ又はジアル
    キルアミノ基からなる群から選ばれる置換基を示すが、
    1、R2、Rq+2、及びRq+9は互いに結合して1又は2
    以上の環を形成してもよい)で表されるラクトン化合物
    を開環共重合して重合体を製造する方法であって、下記
    一般式(II): 【化2】 (式中、X1、X2、X3、及びX4はそれぞれ独立に水素
    原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換又は無
    置換アルキル基、置換又は無置換アリール基、及び置換
    又は無置換アリールアルキル基からなる群から選ばれる
    置換基を示し、ただしX1、X2、X3、及びX4のうち少
    なくとも1つはハロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基
    からなる群から選ばれる置換基であり;Mは3B族元素
    から選ばれる原子を示し;Yは水素原子、ハロゲン原
    子、置換又は無置換アルキル基、置換又は無置換アリー
    ル基、置換又は無置換アリールアルキル基、置換又は無
    置換アルコキシ基、置換又は無置換アリールアルキルオ
    キシ基、置換又は無置換アリールオキシ基、モノ又はジ
    アルキルアミノ基、置換又は無置換アリールアミノ基、
    置換又は無置換アルキルチオ基、及び置換又は無置換ア
    リールチオ基からなる群から選ばれる置換基を示す)で
    表される化合物を含む開始剤の存在下で行うことを特徴
    とする方法。
  2. 【請求項2】 Mがホウ素原子である請求項1に記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 5員環状エーテルと請求項1に記載の一
    般式(I)で表されるラクトン化合物とを開環共重合し
    て重合体を製造するために用いられる開始剤であって、
    請求項1に記載の一般式(II)で表される化合物を含む
    開始剤。
  4. 【請求項4】 Mがホウ素原子である請求項3に記載の
    開始剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006123586A1 (ja) * 2005-05-16 2006-11-23 Asahi Glass Company, Limited 硬化性組成物

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WO2006123586A1 (ja) * 2005-05-16 2006-11-23 Asahi Glass Company, Limited 硬化性組成物

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