JP2002037677A - プレキャストブロックの乾燥方法 - Google Patents
プレキャストブロックの乾燥方法Info
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Abstract
く、内部と表面で材質バラツキが小さく、優れた品質
で、高耐用性の不定形耐火物を得る。 【解決手段】 施工水分量3.5〜8質量%の不定形耐
火物を、予め所定形状に流し込み施工し、養生、脱枠し
プレキャストブロックとした後、該プレキャストブロッ
クを金属製の囲い内部に載置し、該囲い内部の空間を空
洞共振器としてマイクロ波による誘電体加熱を行うこと
を特徴とするプレキャストブロックの乾燥方法。この
時、好ましくは、耐火物重量1トン当たり0.5kW以上
8kW以下のマイクロ波出力で照射を行い、乾燥中、自由
水が抜けるまで、プレキャストブロックの厚み方向の温
度勾配が100mm当たり60℃以下になるようにマイ
クロ波出力を制御する。
Description
し込み施工したプレキャストブロックの乾燥方法に関す
るものである。
定形耐火物が使用されている。一般的には、溶融金属用
容器内部に中子をセットし、不定形耐火物を流し込み施
工し、一体の状態で、養生、脱枠、乾燥、予熱した後、
溶融金属を受けている。一方、直近では、溶融金属用容
器の種類毎に、耐火物整備機械類を建設するのではな
く、成形、養生、乾燥という単位操作を共通設備で行う
ことによる省力化、並びに、プレキャストブロック製造
の一元管理化と超音波や打音検査などで、築炉前のプレ
キャストブロックの品質向上とバラツキ削減による稼働
寿命延長を期待した大型プレキャストブロックによる築
炉工法が発展している。
の品質への影響は、乾燥が最も大きい。一般的な乾燥方
法としては、乾燥炉内部にプレキャストブロックを載置
して、ガスバーナー加熱や電気炉加熱など、伝導加熱に
よる。しかし、この乾燥方法によると、耐火物表面から
の熱伝導によって、内部が加熱されるので、必然と温度
勾配が発生する。温度勾配が生じると、背面側ほど発生
蒸気圧が大きくなり、それによって耐火物組織が粗くな
る傾向がある。
べ、大差ない品質のブロックしか確保することはできな
い。特に、大型、厚肉ブロックの場合は、爆裂の危険も
大きく、高耐用化を狙った緻密質のブロックも爆裂の危
険性をはらんだままである。また、伝導加熱の場合、炉
内の温度を均一に保つことは困難であり、必然と品質の
バラツキが発生しやすい傾向にある。
公昭54−32175号公報に開示されるように、マイ
クロ波加熱を利用した乾燥方法がある。また、ブロック
形状の耐火物に対するマイクロ波加熱は、特開平1−5
6381号公報に記載されている不定形耐火物の硬化促
進、並びに、特開平7−101779号公報に記載され
ている10wt%以上の炭素を含有する耐火物の焼成に利
用されている。
報に記載された発明は、マイクロ波を透過する成形型に
鋳込んだままマイクロ波加熱する方法であり、乾燥まで
行うと一面からしか水分が蒸発しないので、6面加熱に
比べ、乾燥に長時間を有するとともに、施工体内部の発
生蒸気圧が大きくなるため、特に背面側の品質が大きく
見劣りする。
載された発明は、マイクロ波の吸収源として炭素を利用
しているが、不定形耐火物の場合、使用目的によっては
炭素を含むブロックを適用できない容器もあり、また、
ピッチ、フェノール樹脂などの炭素源は、アルミナなど
の耐火原料に比べ比重が小さく、そのため、均一混練
性、流動性を阻害するので、添加炭素量は最大でも10
wt%未満が限界である。
炭素をマイクロ波の吸収源として加熱することは実質
上、不可能である。
含まれる施工水をマイクロ波の吸収源とし、加熱炉内部
にセットしたプレキャストブロックのマイクロ波乾燥方
法に関するものであり、ブロックを載置した場所に係わ
らず、安定した品質を確保すること、及び、ブロック表
面から背面まで均質な耐火物組織にすることで品質の向
上を図ること、特に、緻密質のブロックを安定的に乾燥
させることが、プレキャストブロックによる築炉にとっ
て、重要な技術課題である。
供給され、更に、乾燥中、自由水が抜けるまでのブロッ
ク厚み方向の温度勾配を60℃/100mm以下に抑え
ることが必要である。そこで、本発明では、ブロックの
材質、形状、セット個数に関係なく、内部と表面で材質
バラツキが小さく、優れた品質のものを得ることを目的
とする。
決するものであるが、その要旨とするところは、以下の
(1)〜(7)のとおりである。 (1) 施工水分量3.5〜8質量%の不定形耐火物
を、予め所定形状に流し込み施工し、養生、脱枠しプレ
キャストブロックとした後、該プレキャストブロックを
金属製の囲い内部に載置し、該囲い内部の空間を空洞共
振器としてマイクロ波による誘電体加熱を行うことを特
徴とするプレキャストブロックの乾燥方法。
以上、8kW以下のマイクロ波出力で照射を行い、乾燥
中、自由水が抜けるまで、プレキャストブロックの厚み
方向の温度勾配が100mm当たり60℃以下になるよ
うにマイクロ波出力を制御しながら、マイクロ波による
誘電体加熱を行うことを特徴とする前(1)に記載のプ
レキャストブロックの乾燥方法。
ルギーの熱量に対して、供給する熱風の熱量が1倍以下
で、少なくともプレキャストブロックの表面温度以上の
熱風を供給することを特徴とする前(2)に記載のプレ
キャストブロックの乾燥方法。 (4) プレキャストブロックの表面温度が50〜12
0℃に達してから、熱風の供給を開始して、マイクロ波
による誘電体加熱を行うことを特徴とする前(3)に記
載のプレキャストブロックの乾燥方法。
を3〜15質量%含有するか、又は、アルミナセメント
を0.5〜10質量%及びピッチを1〜10質量%含有
することを特徴とする前(1)〜(4)のいずれかに記
載のプレキャストブロックの乾燥方法。 (6) 乾燥後のプレキャストブロックが、ピッチ及び
カーボンブラックの1種又は2種を合計した固定炭素を
1〜10質量%含有することを特徴とする前(1)〜
(5)のいずれかに記載のプレキャストブロックの乾燥
方法。
を連続的に測定し、プレキャストブロックの表面温度が
50〜120℃の範囲で、熱風の供給を開始する温度T
(℃)と単位時間当たりの温度変動ΔT(℃/min.) の関
係(T、ΔT)を図1に示すA(50、0)、B(12
0、0)、C(120、0.7)及びD(50、1.
6)で囲まれる範囲としたのちに、熱風の供給を開始す
ることを特徴とする(4)〜(6)の何れか1項に記載
のプレキャストブロックのマイクロ波乾燥方法。
する。温度勾配を小さくするにはブロック内部から加熱
することが有効な手段であり、その方法として、マイク
ロ波加熱が挙げられる。特に、構造体としての安定性か
ら金属製で構成された加熱炉では、マイクロ波は壁反射
され、炉内は均一な電界を形成しやすい環境にあるので
好ましい。
8質量%としたのは、3.5質量%未満では施工時の流
動性が不足し、8質量%を超えると実炉における耐用性
が不十分になるためであり、望ましくは4〜5質量%が
好ましい。マイクロ波を加熱として使用する時には、電
波法でISM周波数帯として、915MHz、2450
MHzを含む4種類が割り与えられているが、周波数が
大きいほど耐火物内部に浸透する深さは浅くなるので、
厚み方向の均一加熱性を考慮して、915MHzと24
50MHzを用いるのが望ましい。
仕様は大きく異なる。耐火物の総質量が7〜10トン以
下の場合、30kWもあれば出力的に十分であるため、発
振管にマグネトロン管を使用した915MHz−30k
W装置、2450MHz−30kW装置等で対応でき
る。しかしながら、マグネトロン管によるマイクロ波発
生原理より、発振管内部の冷却能不足が起こり、30k
W以上の出力を発生するものは製造できないことが知ら
れている。したがって、耐火物の総質量が10トン以上
の場合、周波数2450MHz、最大出力120kWが
製造可能なクライストロン管を使用することが好まし
い。
では、乾燥に7日間以上の長時間を要し、施工、養生、
検査などの他の単位操作とマッチングせず、実用上、運
転ができなくなり、一方、8kW/t-ref超では、温度勾
配がついて品質の劣化を招いたり、また、爆裂の危険性
が極端に高まるので、マイクロ波の出力は、0.5〜8
kW/t-refの範囲に制限する。
トブロック厚み方向の温度勾配を100mm当たり60
℃以下になるようにマイクロ波出力を制御するのは、マ
イクロ波の内部加熱の効果で、ブロック表面から背面ま
で均質な耐火物組織を形成するためである。これを超え
る温度勾配になると、表面と背面の温度差で大きな熱応
力が発生し、特に、背面側に大きな引張り応力が乾燥中
に生じてしまい、背面側に粗い耐火物組織を形成して、
耐用性に影響を及ぼす。
質材料の安定乾燥を行うには、プレキャストブロック厚
み方向の温度勾配を、好ましくは、100mm当たり1
5℃以下とする。乾燥効率を高め、乾燥時間を短縮する
には、マイクロ波加熱でプレキャストブロックから気化
した水蒸気を、速やかに乾燥炉の外に排出しなければな
らない。しかもプレキャストブロックの品質確保の観点
から温度勾配を小さくする必要がある。そのため、マイ
クロ波照射とともに、熱風を乾燥炉内に供給することが
有効である。
表面温度以上としたのは、該熱風温度をプレキャストブ
ロック表面温度未満とすると、折角マイクロ波加熱で昇
温したプレキャストブロックを冷やす方向に働き、乾燥
効率の低下を招くからである。また、単位時間当たりに
供給する熱風の熱量をマイクロ波エネルギーの熱量に対
して1倍以下とするのは、乾燥中プレキャストブロック
厚み方向の温度勾配を100mm当たり60℃以下と
し、均質な耐火物組織の形成するためであり、1倍超で
はマイクロ波加熱の内部加熱の効果が薄れ、ブロック表
面からの伝導加熱が優り、温度勾配が100mm当たり
60℃超になってしまうからである。
15℃以下にするために、単位時間当たりに供給する熱
風の熱量をマイクロ波エネルギーの熱量に対して1/1
0倍以下とする。単位時間当たりのマイクロ波エネルギ
ーの熱量は、下記(1)式により計算する。 q=P×(0.24×η)×3600…(1) ここで、q:単位時間当たりのマイクロ波エネルギーの
熱量(kcal/t-ref・ hr) P:投入マイクロ波出力(kW/t-ref ) η:マイクロ波の変換効率 なお、マイクロ波の変換効率ηは炉内に載置するプレキ
ャストブロックの配置方法、材料、形状などにも若干影
響されるが、主に乾燥炉の形状、及び、マイクロ波を運
ぶ導波管の投入位置、本数によって決まってしまう。
乾燥に必要な熱量と、乾燥終了までに投入した全マイク
ロ波熱量の比率から算出でき、一般的には0.5〜0.
7の範囲である。単位時間当たりのマイクロ波エネルギ
ーの熱量に対して、供給する熱風の熱量の下限値は、特
に限定することなく、本発明の効果を得ることができ
る。熱風からプレキャストブロックに伝導される単位時
間当たりの熱量は、下記(2)式で示されるように、熱
風温度がブロック表面温度と同一の場合は、計算上ゼロ
となるが、気化した水蒸気の排出の機能は満たすため、
熱風からブロックへ供給する熱量はゼロでも構わない。
(kcal/hr ) h:熱風〜ブロック間の熱伝達係数(kcal/m2・hr・℃) ΔT:熱風とブロック表面の温度差(℃) A:ブロックの表面積(m2) なお、熱風の供給は、温度、流量を一定とするパターン
の他に、特定の時間間隔で、段階的に温度、流量を変え
るパターンでも、ブロック表面温度に応じて熱風温度を
連続的に変化させるパターンでも構わない。
した時点を熱風供給開始にしたのは、プレキャストブロ
ックから顕著に水蒸気が発せられてから熱風を供給した
方が、よりブロック厚み方向の温度勾配がつき難い環境
を形成できるからである。物質のマイクロ波吸収能力
は、一般に、温度が高くなるほど大きくなる傾向があ
り、乾燥開始時から熱風を供給するとブロック表面の温
度が内部よりも高くなり、より表面部がマイクロ波を吸
収して、更に温度勾配の向上を助長してしまう。
顕著になる50〜120℃に達した時点としたが、50
℃未満では温度勾配抑制の効果が薄く、120℃超では
乾燥炉内で再凝結してしまい、再凝結した水がマイクロ
波を吸収して乾燥効率の低下を招いてしまう。ブロック
厚み方向の温度勾配縮小による品質の向上、及び乾燥効
率から、好ましくは、ブロックの表面温度が60〜80
℃に達した時点で熱風の供給を開始することが望まし
い。
場合、つまり、熱風の供給を開始する温度をT(℃)、不
定形耐火物表面の温度変動量をΔT(℃/min.)としたと
き、ΔT>−0.0001T2+0.0088T+1.
47の場合、不定形耐火物表面の時間当たりの温度変動
が大きく、内部では、局部的に水蒸気が顕著に発生して
いる部分と、まだほとんど水蒸気が発生していない部分
が混在しているため、この時点で、熱風の投入を開始す
ると、乾燥終了後に、均質で緻密な組織を有する不定形
耐火物を得ることが困難となる。
実験により経験的に求めたものである。マイクロ波を用
いた乾燥において、表面温度の時間当たりの温度変動を
高精度に制御するには、電磁界の影響を避ける必要があ
る。通常、よく用いる熱電対の利用では、例えば、導線
の先端部分に強い電界が集中し、その近傍に過熱を生
じ、断続的に極めて高い温度に達することもある。
は、電磁界の影響を避けることができる。光ファイバー
式温度計は、通常400℃程度に耐えることができる光
ファイバーの端面に接着された半導体結晶の光吸収作用
を利用している。具体的に、光ファイバー式温度計とし
ては、Canada NORTECH FIBRONIC INC.社のモデルNoEMI-
TSシリーズ、USA LUXTRON CORP.社のフロロプチック光
ファイバー方式温度計、Canada FISO TECHNOLOGIES IN
C.社の白色光ファブリーペローファイバーセンサー等を
使用することができる。センサー部分は、通常、直径1
〜2mm、長さ50〜100mm程度である。
か、又は、アルミナセメントとピッチを含有する場合
に、アルミナセメント含有量が0.5質量%より低く、
ピッチの含有量が1.0質量%より低いと、強度不足で
耐用性が低くなり、一方、アルミナセメント量が15質
量%を超えるか、又は、アルミナセメント量が10質量
%より多く、ピッチ量が10質量%を超えると、スラグ
に対する耐食性不足で耐用性が低くなるので、不定形耐
火物が含有するアルミナセメント量は3〜15質量%の
範囲に、また、アルミナセメント0.5〜10質量%及
びピッチ1〜10質量%の範囲に限定される。
波を吸収する特性を有しており、ピッチ量によっては急
激なピッチの分解が起こり、それによって大きな発生蒸
気圧が生じて耐火物組織が粗くなり、耐食性の低下をも
たらす場合もある。ピッチ及びカーボンブラックの1種
又は2種を合計した固定炭素量についても、同様にその
含有量が1質量%より低いと耐用性が低くなり、10質
量%を超えるとスラグ耐食性に問題が生じるので、1〜
10質量%の範囲に規定される。
m×長さ10m×高さ4.8mの加熱炉に、アルミナ8
0質量%(粒径1mm以上:20質量%、粒径100μ
m〜1mm:30質量%、粒径10〜100μm:20
質量%、粒径10μm以下:10質量%)、スピネル1
5質量%、アルミナセメント5質量%、外掛けで施工分
水量6.0質量%からなる800mm×1200mm×
350mm厚みの不定形材を施工したプレキャストブロ
ック6個、合計6.5トンをセットし、マイクロ波照射
して、表面温度が350℃になるまで加熱して乾燥し
た。
すように、線路14上を走行する台車2に載せてブロッ
ク間の距離を500mmとし、開閉扉15の上下移動に
より加熱炉1に出入り可能な構造とした。プレキャスト
ブロック3は厚さ260mmの断熱煉瓦4の上に載置
し、ブロック内の厚み方向に温度勾配が生じないように
した。断熱煉瓦4の上にプレキャストブロック3を置
き、ブロック間の距離を500mmにしているのは、温
度勾配を小さくするために、背面からの抜熱を抑制し、
台車2に反射したマイクロ波をブロック背面、側面から
入射させるためである。
の耐熱温度1200℃の断熱性ウール5を貼り、加熱炉
1から系外に逃げる熱量を最小限にし、加熱効率を高
め、ブロック毎の温度バラツキと施工体厚み方向の温度
勾配の縮小を図った。加熱炉1の内側でなく、外側に貼
ったのは、断熱ウール5も弱いながらもマイクロ波を吸
収する性質があるので、炉内の均一な電界分布を確保す
るためである。
ら、それぞれ、2450MHz−60kW装置(図中、マ
イクロ波装置6)から導波管7で導き4.0kW/t-ref
の出力で照射し、反射板8とスターラー9により、マイ
クロ波の方向を周期的に変化させ、加熱炉内の電界がよ
り均一になるようした。導波管7は、炉の高さに比べ、
巾、長さが大きく、1箇所からの照射では、壁反射して
も、照射が弱い死角が発生してしまうので、2箇所にセ
ットした。
壁反射する手前で、共鳴や減衰現象を起し、均一な電界
を得るのが難しいので、3mとした。乾燥炉内で水蒸気
化した水分が再凝結しないように、乾燥開始時から温度
150℃、流量5Nm3/hrの熱風を、熱風発生装置16
から供給ダクト10を介して、乾燥終了まで連続的に炉
内へ供給した。なお、排気は、排気ダクト11を介して
行った。
る120℃(ブロック背面にセットした熱電対で管理)
に達した時点で乾燥終了とした。単位時間当たりのマイ
クロ波エネルギーの熱量に対して熱風の熱量は1/25
00〜1/500倍とした。比較例は、図3に示すよう
に、実施例1で用いた加熱炉1と同一寸法の加熱炉を用
い、プレキャストブロック3の乾燥は、LPGバーナー
13にて実施した。
厚み方向の温度勾配は約280℃/350mm(100
mm当たり80℃)であったのが、実施例1では、最小
で70℃/350mm(100m当たり20℃)まで抑
制された。それによって、均質な耐火物組織を形成でき
るようになり、乾燥後の強度が、比較例に比べ40%向
上した。また、ブロック毎の品質バラツキも、平均気孔
率に対して、従来は±5%もあったのが、±1%未満ま
で削減でき、品質バラツキを大幅に改善した。
あった、粒径10μm以下の超微粉量を20質量%増量
し、緻密化になるようにAndreasen の粒度分布式におけ
るq値を0.20まで小さくなるように粒度構成を変更
し、施工水分量を3.9質量%まで減らした不定形材料
においても、爆裂も無く、乾燥することができ、乾燥後
の見掛け気孔率が8.5%のブロックを製造することが
できた。
火物につき、施工水添加量を3.0〜9.0質量%に振
り、詳細条件を表1に示す他は、実施例1と同じ要領で
試験を行った。試験結果を表1に示す。施工水を本発明
の範囲とすることにより、乾燥後の強度が高く、施工性
も良好で、高耐用性な不定形耐火物(プレキャストブロ
ック)を得ることができた。
力を任意に変更できるが、ここでは、投入マイクロ波出
力を0.3〜9.0kW/tに振り、一定の出力下でブロ
ック厚み方向への温度勾配への影響を確認するため、ア
ルミナ−スピネル不定形耐火物につき、詳細条件を表2
に示す他は、実施例1と同じ要領で試験を行った。
速に乾燥炉から排出するために、熱風を乾燥時から連続
供給した。熱風流量は5Nm3/hrの一定とし、熱電対で
検出したブロック表面温度と同じ温度の熱風温度になる
ように制御したため、熱伝導によって熱風からブロック
に供給された熱量がゼロになる条件で行った。試験結果
を表2に示す。熱風に対するマイクロ波熱量及び投入マ
イクロ波出力を本発明の範囲(0.5〜8.0kW/t)
とすることにより、乾燥時間が短く、且つ、乾燥中、ブ
ロック厚み方向の温度勾配が60℃/100mm以下と
なることで、表面と裏面の見掛け気孔率差が小さくな
り、高耐用性な不定形耐火物(プレキャストブロック)
を得ることができた。
火物につき、投入マイクロ波出力4kW/t の一定の下
で、マイクロ波熱量に対する熱風の熱量を0〜2倍に振
り、詳細条件を表3に示す他は、実施例1と同じ要領で
試験を行った。なお、熱風は乾燥開始時から供給し、熱
風流量は5Nm3/hrの一定として、マイクロ波熱量に対
する熱風の熱量が所定の値になるように、熱電対で検出
したブロック表面温度を基に熱風温度を連続変化させ
て、制御した。
対する熱風の熱量を本発明の範囲(マイクロ波エネルギ
ーの熱量に対して1倍以下)とすることにより、乾燥
中、ブロック厚み方向の温度勾配が60℃/100mm
以下に納めることで、表面と裏面の見かけ気孔率差が小
さくなり、高耐用性な不定形耐火物(プレキャストブロ
ック)を得ることができた。
火物につき、投入マイクロ波出力4kW/tの一定の下
で、熱風の供給開始温度を室温(30℃)から140℃
に振り、詳細条件を表4に示す他は実施例1と同じ要領
で行った。なお、熱風は所定のブロック表面温度に達し
た時点から温度150℃、流量5Nm3/hrで乾燥終了ま
で連続的に炉内へ供給した。
発明の範囲(プレキャストブロックの表面温度が50〜
120℃)とすることにより、乾燥開始から熱風を供給
した場合に比べ、乾燥中ブロック厚み方向の温度勾配が
小さくなる。それにより、ブロック表面と裏面の見掛け
気孔率差が更に小さくなり、より高耐用性な不定形耐火
物(プレキャストブロック)を得ることができた。
燥炉内で多量の水が再凝結してしまい、結露した水を再
度蒸気化し、排出するのに無駄なエネルギーと時間を要
した。
スとした不定形耐火物につき、バインダー源としてアル
ミナセメントを2〜17質量%に振り、又は、アルミナ
セメントを0.3〜12質量%及びピッチを0.5〜1
1質量%に振り、詳細条件を表5に示す他は、実施例1
と同じ要領で試験を行った。
発明の範囲(アルミナセメント:3〜15質量%、又
は、アルミナセメント:0.5〜10質量%とピッチ:
1〜10質量%)とすることにより、爆裂の発生もな
く、高耐用性な不定形耐火物(プレキャストブロック)
を得ることができた。
質をベースとした不定形耐火物につき、乾燥後の固定炭
素量が0.5〜12質量%になるように、ピッチ及びカ
ーボンブラックの1種又は2種を合計した添加量を振
り、詳細条件を表6に示す他は、実施例1と同じ要領で
試験を行った。
明の範囲(合計した固定炭素:1〜10質量%)とする
ことにより、爆裂の発生もなく、高耐用性な不定形耐火
物(プレキャストブロック)を得ることができた。
スピネル質をベースとした不定形耐火物(プレキャスト
ブロック)を、実施例1と同様の条件でマイクロ波乾燥
を実施した。乾燥中の温度管理を行うために、プレキャ
ストブロックの表面、表面から100mmメートルおき
に計3点、センサー部分の長さ15mm、直径0.6m
mの光ファイバー式温度センサーを取り付け、この温度
の変動を監視しながら、熱風の投入等の乾燥制御を実施
した。
ックの品質に及ぼす熱風供給開始時のプレキャストブロ
ックの表面温度条件の影響に関する検討を行った。本発
明例7は、温度変動を前記(7)の本発明で規定する範
囲にある80℃の時点で、1分間で0.5℃のときに、
熱風の供給を開始した場合である。本発明例8は、温度
変動を前記(7)の本発明で規定する範囲にある100
℃の時点で、1分間で0.3℃のときに、熱風の供給を
開始した場合である。このときの本発明例7及び8で
は、温度管理に光ファイバーセンサーを使用した。
様であるが、温度管理を、通常のC/A熱電対を用いて
行った場合である。これに対して、参考例1は、通常の
C/A熱電対を用いて80℃の時点で、1分間で2℃の
温度変動があるときに、熱風の供給を開始した場合であ
り、前記(1)〜(5)の発明の本発明例であるが、前
記(7)の発明で規定する条件を外れる例である。乾燥
後試料の品質及び観察結果を、表7に示す。
ブロックの上部と中央部の気孔率の差は小さくなり、均
質で高耐用なプレキャストブロックを得ることができ
た。温度管理にC/A熱電対を使用した本発明例9で
は、電界の影響を受け、十分に温度管理ができなかった
ため、電界の影響を受けない光ファイバー式温度センサ
ーを用いた本発明例7に比べて、上部と中央部の気孔率
の差がやや大きく、本発明例7に比較し、十分に均一な
乾燥を行うことができなかった。
部と中央部の見かけ気孔率及び圧縮強度ともにやや大き
な差を生じ、均一性、品質の面で本発明例に比べ若干劣
化した。この原因としては、熱風の供給を開始するとき
の、ブロックの温度変動がやや大きく、ブロック内の位
置によって、水の蒸発の進行度に差があり、位置によっ
て形成される材料組織に差が生じ、このことが、乾燥終
了後のブロックの材料組織にも影響を与えたと考えられ
る。
質、厚肉・大型のプレキャストブロックの乾燥ができ
る。また、本発明により、施工体品質の安定と向上が得
られ、強いては、溶融金属用容器の寿命の延長が可能と
なる。
ロックの表面温度とその温度における単位時間当たりの
温度変動の関係を示す図である。
加熱炉の一態様を示す図である。
熱炉の一態様を示す図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 施工水分量3.5〜8質量%の不定形耐
火物を、予め所定形状に流し込み施工し、養生、脱枠し
プレキャストブロックとした後、該プレキャストブロッ
クを金属製の囲い内部に載置し、該囲い内部の空間を空
洞共振器としてマイクロ波による誘電体加熱を行うこと
を特徴とするプレキャストブロックの乾燥方法。 - 【請求項2】 耐火物質量1トン当たり0.5kW以上、
8kW以下のマイクロ波出力で照射を行い、乾燥中、自由
水が抜けるまで、プレキャストブロックの厚み方向の温
度勾配が100mm当たり60℃以下になるようにマイ
クロ波出力を制御しながら、マイクロ波による誘電体加
熱を行うことを特徴とする請求項1に記載のプレキャス
トブロックの乾燥方法。 - 【請求項3】 単位時間当たりのマイクロ波エネルギー
の熱量に対して、供給する熱風の熱量が1倍以下で、少
なくともプレキャストブロックの表面温度以上の熱風を
供給することを特徴とする請求項2に記載のプレキャス
トブロックの乾燥方法。 - 【請求項4】 プレキャストブロックの表面温度が50
〜120℃に達してから、熱風の供給を開始して、マイ
クロ波による誘電体加熱を行うことを特徴とする請求項
3に記載のプレキャストブロックの乾燥方法。 - 【請求項5】 不定形耐火物がアルミナセメントを3〜
15質量%含有するか、又は、アルミナセメントを0.
5〜10質量%及びピッチを1〜10質量%含有するこ
とを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプ
レキャストブロックの乾燥方法。 - 【請求項6】 乾燥後のプレキャストブロックが、ピッ
チ及びカーボンブラックの1種又は2種を合計した固定
炭素を1〜10質量%含有することを特徴とする請求項
1〜5のいずれか1項に記載のプレキャストブロックの
乾燥方法。 - 【請求項7】 プレキャストブロックの表面温度を連続
的に測定し、プレキャストブロックの表面温度が50〜
120℃の範囲で、熱風の供給を開始する温度T(℃)と
単位時間当たりの温度変動ΔT(℃/min.) の関係(T、
ΔT)を、図1に示すA(50、0)、B(120、
0)、C(120、0.7)及びD(50、1.6)で
囲まれる範囲とした後に、熱風の供給を開始することを
特徴とする請求項4〜6の何れか1項に記載のプレキャ
ストブロックのマイクロ波乾燥方法。
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---|---|---|---|
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JP2000143605 | 2000-05-16 | ||
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2001-04-13 JP JP2001115976A patent/JP2002037677A/ja active Pending
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