JP2002037631A - 変性ニッケル酸リチウム及びその製造方法 - Google Patents

変性ニッケル酸リチウム及びその製造方法

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JP2002037631A JP2000256445A JP2000256445A JP2002037631A JP 2002037631 A JP2002037631 A JP 2002037631A JP 2000256445 A JP2000256445 A JP 2000256445A JP 2000256445 A JP2000256445 A JP 2000256445A JP 2002037631 A JP2002037631 A JP 2002037631A
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cobalt
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aluminum
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Isao Kuribayashi
功 栗林
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Kee KK
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KEE KK
Kee KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】リチウムイオン二次電池用正極活物質として、
耐過充電性を改良し、高容量化、長寿命化を図れる新規
な変性ニッケルリチウムを提供する。 【解決手段】 一般式LiaMnbAlcCodNi
(1−b−c−d)O(但し、1≦a1.02,0.
15≦b≦0.225、0≦0.05,0.01≦d≦
0.75である)である変性ニッケル酸リチウムであ
り、ニッケル化合物(A)と有機酸マンガン塩(B)と
アルミニウム化合物(C)とコバルト化合物(D)を混
合し、加熱処理した後、粉砕し、これにリチウム化合物
(E)とを混合し、酸素雰囲気下に加熱処理した後、冷
却、粉砕する。これを更に酸素雰囲気下に700〜90
0℃で加熱処理した後、続けて酸素雰囲気に850〜9
00℃で加熱処理する製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔産業上の利用範囲〕本発明は、リチウム
イオン二次電池用の変性ニッケル酸リチウム及びその製
造方法に関する。
【0002】〔発明の属する技術分野〕近年、正極にコ
バルト酸リチウムを活物質として用いるリチウムイオン
二次電池は、種々の電子機器の電源として使用されてい
る。電子機器の小型化、軽量化を図る上で、これらの電
子機器の電源としてきわめて有用である。更なる電池と
しての安全性向上、高容量化、長寿命化が要望されてい
る。本発明は、変性ニッケル酸リチウム及びその製造方
法に関するものである。
【0003】〔従来の技術〕コバルト酸リチウム(Li
CoO)は、リチウムイオン二次電池の正極活物質と
して広く使用されているが、炭素質材料を活物質とする
負極との組み合わせのリチウムイオン二次電池として
4.2V以上の充電電圧で、充放電を繰り返すと容量が
著しく低下したり、電解液の分解を伴い電池内ガス圧力
が高まり、液漏れ、あるいは、安全弁の開裂を招くた
め、この過充電に対して弱点を補う為に、高価な厳重な
電圧制御電子回路が必要であり、電子機器電源として割
高となる難があった。またニッケルは、金属として資源
がより豊富でありコバルトに比してより安価であり、し
かも高容量化を図れることから正極をニッケル酸リチウ
ムに代替する提案がなされているが、正極としての熱安
定性が不十分であり、またコバルト酸リチウムと対等の
充電電圧4.20Vまでにすると充放電を繰り返すとサ
イクル寿命が著しく低下することが判明し実用に供する
ことが出来ていない。また、LiNi0.7Co0.2
Mn0.1、LiNi0.6Co0.3Mn0.1
等のNi−Co−Mnが提案されているが、コバル
トの比率も高く、経済性の観点から不十分であり、熱安
定性でもコバルト酸リチウム並に到達できていない。L
iNi0.8Co0.15Al0.05、LiNi
0.8Co0.10Al0.10等は,コバルトの
比率がやや低減され、高放電容量を得ることが出来るも
のの、熱安定性ではコバルト酸リチウムには及ばない。
また4.3Vまでの充放電を繰り返すとサイクル寿命が
低下し、実用的ではない。
【0004】〔発明が解決しようとする課題〕本発明
は、従来のかかるニッケル酸リチウムの欠点であるリチ
ウムイオン二次電池として、4.2V以上での耐過充電
性を改良し、かつ電池容量の向上を可能にすることによ
り、耐過充電性の改良による安全性向上、高容量化、長
寿命化を図れる変性ニッケル酸リチウムを提供すること
とその製造方法を確立することにある。
【0005】〔課題を解決するための手段〕本発明者ら
は、上記課題について種々検討した結果、低温熱分解性
の有機酸マンガン塩を用いて変性ニッケル酸リチウム中
にニッケル原子の15モル%以上22.5モル%以下を
置換し、コバルト化合物を用いてニッケル原子の1モル
%以上7.5モル%以下を置換し、アルミニウム化合物
を加える場合、ニッケル原子の5モル%以下を置換する
ことにより従来のニッケル酸リチウムの欠点であるリチ
ウムイオン二次電池として4.2V以上での耐過充電性
を改良し、かつ電池容量の向上を可能にする。耐過充電
性の改良による安全性向上、高容量化、長寿命化を図れ
る変性ニッケル酸リチウムとその製造方法を見い出し、
本発明を完成させるに至った。
【0006】〔発明の実施の形態〕以下、本発明を具体
的に説明する。すなわち、本発明は:一般式LiMn
AlCoNi(1−b−c−d)(但し、
a、b、c、dは、それぞれ1.00≦a≦1.02、
0.15≦b≦0.225、0≦c≦0.05、0.0
1≦d≦0.075の数を表す。)であることを特徴と
する変性ニッケル酸リチウムであり、(1)酸化ニッケ
ル、水酸化ニッケル、炭酸ニッケルから選ばれた少なく
とも一種のニッケル化合物(A)と酢酸マンガン、蓚酸
マンガン、クエン酸マンガン、蟻酸マンガンから選ばれ
た少なくとも一種の有機酸マンガン塩(B)と酢酸アル
ミニウム、蟻酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、水酸
化アルミニウムから選ばれた少なくとも一種のアルミニ
ウム化合物(C)と酢酸コバルト、クエン酸コバルト、
蓚酸コバルト、蟻酸コバルト、水酸化コバルト、炭酸コ
バルト、四酸化三コバルトから選ばれた少なくとも一種
のコバルト化合物(D)を混合し、酸素雰囲気下に30
0℃〜600℃の温度範囲であらかじめ加熱処理した
後、粉砕し、これに、水酸化リチウム、酢酸リチウム、
クエン酸リチウム、炭酸リチウムから選ばれた少なくと
も一種のリチウム化合物(E)とをリチウム/(ニッケ
ル+マンガン+アルミニウム+コバルト)のモル比が
1.00〜1.02の範囲に混合し、酸素雰囲気下に4
50℃〜650℃の温度範囲であらかじめ加熱処理した
後、冷却し、粉砕する。これを更に酸素雰囲気下に70
0℃〜800℃の温度範囲で5〜10時間加熱処理した
後、続けて酸素雰囲気下に850℃〜900℃の温度範
囲で10〜20時間加熱処理することを特徴とする変性
ニッケル酸リチウムの製造方法、或いは(2)酸化ニッ
ケル、水酸化ニッケル、炭酸ニッケルから選ばれた少な
くとも一種のニッケル化合物(A)と酢酸マンガン、蓚
酸マンガン、クエン酸マンガン、蟻酸マンガンから選ば
れた少なくとも一種の有機酸マンガン塩(B)と酢酸ア
ルミニウム、蟻酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、水
酸化アルミニウムから選ばれた少なくとも一種のアルミ
ニウム化合物(C)と酢酸コバルト、クエン酸コバル
ト、蓚酸コバルト、蟻酸コバルト、水酸化コバルト、炭
酸コバルト、四酸化三コバルトから選ばれた少なくとも
一種のコバルト化合物(D)、水酸化リチウム、酢酸リ
チウム、クエン酸リチウム、炭酸リチウムから選ばれた
少なくとも一種のリチウム化合物(E)とをリチウム/
(ニッケル+マンガン+アルミニウム+コバルト)のモ
ル比が1.00〜1.02の範囲に混合し、酸素雰囲気
下に300℃〜600℃の温度範囲であらかじめ加熱処
理した後、冷却し、粉砕する。これを酸素雰囲気下に7
00℃〜800℃の温度範囲で10〜20時間加熱処理
した後、続けて酸素雰囲気下に850℃〜900℃の温
度範囲で15〜25時間加熱処理することを特徴とする
変性ニッケル酸リチウムの製造方法である。前記(1)
の製造方法を製造方法I、前記(2)の製造方法を製造
方法IIとする。同じ組成の変性ニッケル酸リチウムを
得るのには、製造方法Iの方が、粉砕しやすく、総反応
時間が短くて済み従って酸素雰囲気に保持するための酸
素使用量が少なくて済み、経済的に有利である。
【0007】従来のニッケル酸リチウムでは、対リチウ
ム金属極に対して4.20V以上の電圧で、充電を繰り
返すと、放電容量が著しく低下し、サイクル寿命が、短
くなったり、炭素質材料を負極に用いたリチウムイオン
二次電池として電解液の分解によるガス発生を伴い、電
池缶内圧力が上昇し、圧力開放の為の安全弁、ラプチャ
ーデイスクが、開裂してしまうので、厳重な充電電圧監
視制御機構を組み込む高価な電子回路が必要であり、電
池の軽量、小型化を図れる正極活物質と期待されなが
ら、電源としてのコストが高くなることが、欠点であ
る。本発明により、対リチウム金属極に対して4.30
Vの電圧で充電を繰り返しても、安定した放電容量を維
持し、かつ従来のリチウム酸コバルトで安定した放電容
量を得られなかった4.30V充電でも、高容量を発現
できる。ニッケル原子が35モル%を越える上記異金属
により置換されると放電容量が、対リチウム負極にして
正極活物質の放電容量の測定においてリチウム電位0V
に対して4.30Vで放電容量が、従来のリチウム酸コ
バルトの4.20Vで充電した場合の放電容量程度とな
り、目的とする高放電容量を得ることが出来ない。また
マンガンをニッケル原子の15モル%未満置換では、
4.3Vでの充電時の熱安定性が不十分であり、22.
5モル%を越える置換では、高い望ましい放電容量が得
られ難くなる。アルミニウムをニッケル原子の5モル%
を越えて置換しても、放電容量が低下するのみである。
市販のニッケル化合物には、上記の異金属は、ニッケル
1に対して0.000020以下しか含まれず、前記金
属の有機酸金属塩あるいは、水酸化物、酸化物、炭酸
塩、硝酸塩を添加するか、回収ニッケルに混入してくる
上記金属をニッケル化合物においてニッケルに対して上
記上限濃度範囲にとどまるように制御することにより製
造される。また本発明の製造方法においては、酢酸マン
ガン、蓚酸マンガン、クエン酸マンガン、蟻酸マンガン
から選ばれた少なくとも一種の有機酸マンガン塩を用い
て好ましくは、ニッケルを除く他の金属種も溶融ないし
熱分解しやすい有機酸塩あるいは、3μm〜サブミクロ
ンの当該金属水酸化物を用いてニッケル系複合酸化物中
に各構成金属種ができるだけ均一に分散するようにあら
かじめ生成させる。本発明の特徴を損ねない範囲で有機
酸塩に当該金属種の別の化合物を一部置換し、併用する
ことが出来る。
【0008】本発明には、酸素雰囲気が必須である。本
発明の前記(1)の製造方法すなわち製造方法I製造方
法IIにおいて、例えば、酸素ボンベより純酸素ガスを
供給し、300℃〜600℃の温度範囲であらかじめ酸
素の消費がなくなるまで3時間〜8時間加熱処理した
後、粉砕し、これに、水酸化リチウム、酢酸リチウム、
クエン酸リチウム、炭酸リチウムから選ばれた少なくと
も一種のリチウム化合物とをリチウム/(ニッケル+マ
ンガン+アルミニウム+コバルト)のモル比が1.00
〜1.02の範囲に混合し、酸素雰囲気下に450℃〜
650℃の温度範囲であらかじめ3時間〜6時間加熱処
理し、酸素の消費がなくなるのを確認後に、冷却し、粉
砕する。これを更に酸素雰囲気下に700℃〜800℃
の温度範囲で5〜10時間加熱処理した後、続けて酸素
雰囲気下に850℃〜900℃の温度範囲で10〜20
時間加熱処理することを特徴とする。また本発明の前記
(2)の製造方法、すなわち製造方法IIにおいて、例
えば、酸素ボンベより純酸素ガスを供給し、300℃〜
600℃の温度範囲であらかじめあらかじめ酸素の消費
がなくなるまで3時間〜8時間加熱処理した後、冷却
し、粉砕する。これを酸素雰囲気下に700℃〜800
℃の温度範囲で10〜20時間加熱処理した後、続けて
酸素雰囲気下に850℃〜900℃の温度範囲で15〜
25時間加熱処理することを特徴とする。
【0009】本発明の変性ニッケル酸リチウムを使用し
た正極は、変性ニッケル酸リチウム88〜96重量%と
グラファイト粉、アセチレンブラック等の導電助剤3〜
6重量%とポリフッ化ビニリデン(PVDF),プロピ
レンとフッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンの三
元共重合体、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピ
レンとテトラフルオロエチレンの三元共重合体、エチレ
ンとプロピレンとエチリデンノルボーネンの三元共重合
体(EPDM)、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン
共重合体、カルボキシ変性水添スチレン−ブタジエン共
重合体、カルボキシメチルセルロース、変性カルボキシ
変性ポリアクリル酸エステル、カルボキシ変性ポリメタ
クリル酸エステル、エチレン−テトラフルオロエチレン
共重合体、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等
のバインダー1〜6重量%からなる有機溶媒分散液ない
し水分散液を脱脂されたアルミニウム箔(厚さ10〜2
0μm)あるいはレーザー、パンチ、電蝕、酸処理によ
り開孔されたアルミニウムに、塗布・乾燥する、必要あ
ればプレス(圧化)して高密度にしたものである。
【0010】本発明の正極に対する負極は、リチウム金
属箔、リチウム合金箔及び活物質として、球形、繊維状
の人造グラファイト、粒状、多角形の天然グラファイ
ト、球形、粒状、多角形の人造グラファイトに芳香族炭
化水素をCVD法で被覆するかピッチ・フェノール樹脂
等を表面に被覆・炭化して得られる多重構造選炭素材、
コークスから選ばれた単独または、それらの混合物から
なり、メジアン粒子径5〜30μmであり電池の安全性
と高容量化を図る上で好ましいメジアン粒子径13〜3
0μmの範囲にある前記炭素材料88〜98重量%をポ
リフッ化ビニリデン(PVDF),プロピレンとフッ化
ビニリデンとテトラフルオロエチレンの三元共重合体、
エチレンとプロピレンとエチリデンノルボーネンの三元
共重合体(EPDM)、カルボキシ変性スチレン−ブタ
ジエン共重合体、カルボキシ変性水添スチレン−ブタジ
エン共重合体、カルボキシメチルセルロース、変性カル
ボキシ変性ポリアクリル酸エステル、カルボキシ変性ポ
リメタクリル酸エステル等のバインダー2〜12重量%
を含む有機溶媒分散液ないし水分散液を調製し、脱脂さ
れた圧延銅箔、電解銅箔(7〜16μm)あるいは、レ
ーザー、パンチ、電蝕、酸処理、銅微粉末焼結圧延によ
り開孔された銅に、塗布・乾燥する、必要あればプレス
(圧化)して高密度にしたものである。また電池の安全
性を損ねない限り、錫、珪素、ホウ素等を上記炭素質材
料に含有させることも出来る。
【0011】本発明に使用される電解液には、非プロト
ン性の有機溶媒として、例えば、ジメチルカーボネー
ト、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、
エチリデンカーボナネート等のカーボネート類、γ―ブ
チロラクトン、ε―カプロラクトン等のラクトン類、蟻
酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル等のエ
ステル類、1,2−ジメトキシメタン、1,2−ジエト
キシメタン、1,2−ジエトキシエタン、ジグライム等
のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等の
ニトリル類及び硫黄又は/及び窒素を含む複素環化合物
等のいずれか1種又は2種以上を混合した物を用いるこ
とが出来る。電解質としては、LiPF、LiB
、(CFSONLi、(CFSO
CLi等のリチウム塩のいずれか1種又は、2種以上混
合した物が使用できる。
【0012】本発明に使用されるセパレーターには、ポ
リエチレン微孔膜、ポリプロピレン微孔膜、ポリフッ化
ビニリデン微孔膜、部分架橋ポリアクリロニトリル、架
橋ポリアクリル酸エステル、極細セルロース繊維抄紙に
支持されたプロピレン−フッ化ビニリデン−テトラフル
オロエチレン3元共重合体の微孔膜等が使用できる。
【0013】本発明の変性ニッケル酸リチウムを使用し
た正極と上記負極を上記セパレーターを介して対峙し、
スパイラル状に巻回し、円筒缶に入れて前記電解液を注
入し、封口する。或いは楕円形もしくは長円形に巻回
し、或いは前記正極と上記負極を上記セパレータを積層
し、角型缶、もしくは、長円缶に入れて前記電解液を注
入し、封口する。更には、前記の楕円形巻回物、長円形
巻回物、積層物を、内層がポリエチレンないしポリプロ
ピレン膜、中間層がアルミニウム箔、表層がナイロンな
いしポリエステル膜からなるラミネートフィルムに入れ
て前記電解液を注入し、封口することも出来る。巻回数
或いは積層数を変えることにより、薄型シート電池形状
とすることも可能である。好ましい繰り返し充放電の可
能な使用電圧範囲は、4.30V〜3.50Vの範囲で
あるが、セルあたり4.20Vないし4.10Vまでの
電圧で制御される従来の充電器により充電することも可
能である。
【0014】〔実施例〕以下実施例、比較例により本発
明を詳しく説明するが、本発明の範囲は、これに限定さ
れるものではない。
【0015】なお、放電容量の測定は、炭酸ガスで表面
処理されたリチウム金属箔を負極として用い、電解液
は、1MLiPFのエチレンカーボネート(EC)と
エチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボ
ネート(DMC)との容積比1:2:2の電解液を用い
て、減圧下200℃で3時間乾燥した東洋濾紙製グラス
フィルターGA100ューセルにて充放電評価をする。
変性ニッケル酸リチウムないしコバルト酸リチウムの粉
末(90.5部)と電導助剤としてのグラファイト粉末
(KS−6、3.0部、日本黒鉛LB300H、2.5
部)を混合した後、呉羽製PVDF1300(4.0
部)をバインダーとしてPVDFに対して1000pp
mの無水マレイン酸を加えたN−メチルピロリドン(N
MP)溶液(固形分65〜68%)をつくり、15μm
の三菱アルミニウム社製の両面光沢なしアルミニウム箔
の片面に塗布し、150℃で1分以内に乾燥、更に2〜
3分間、同温度の熱風を吹き付ける。冷却後、所定の大
きさの電極として切断した後、更に柴田社製グラスチュ
ーブオーブンGTO350に入れて130℃で3時間、
0.1mmHgの真空下に乾燥し、乾燥アルゴンガス気
流中でスクリューセル中に正極として組み込まれる。電
解液を添加後約30分後から4.30Vまで0.2mA
/cmの定電流密度で充電し、4.30Vに到達後更
に4.30Vの定電圧に3時間に保持し、電流密度のほ
とんど0mA/cmなるのを確認後、15分間の休止
状態を経て0.4mA/cmの定電流密度で 放電
し、3.70Vに到達後、更に3.70Vで3時間に保
持する。その間に流れた電気量をスクリュウセル内の正
極活物質重量で割り算し、mAh/gを単位として放電
容量(A)とする。更に15分間の休止状態を経て0.
4mA/cmの定電流密度で4.30Vまで充電し、
4.30Vに到達後更に4.30Vの定電圧に3時間に
保持し、電流密度のほとんど0mA/cmになるのを
確認後、15分間の休止状態を経て0.4mA/cm
の定電流密度で 放電し、3.70Vに到達後、更に
3.70Vで3時間に保持する。その間に流れた電気量
をスクリュウセル内の正極活物質重量で割り算し、mA
h/gを単位として放電容量(B)とする。この充電と
放電を繰り返す。活物質としての寿命の目安としての容
量保持率は、前記放電容量に対して第10回目の放電容
量(B)の百分率である。同様に4.20Vの充放電と
は、4.30Vを4.20Vに設定する以外は、全く同
じ条件で測定する。変性ニッケル酸リチウムの組成分析
は、リチウム含有是については、原子吸光法で、他の元
素の含有量については、原子発光法(ICP法、Ind
uctively−coupled plasma法)
に基づいて測定する。モル比として求めて、それぞれの
元素の価数を、リチウムを+1、ニッケル、アルミニウ
ム、コバルト、マンガンを+3となっていると仮定し、
酸素を−2として電子的に中和される(0になる)酸素
含有量として求める。次に組成式中の酸素をOとなる
ように表示する。
【0016】〔実施例1〕酸化ニッケル(インコ社製)
170.84gと酢酸コバルト4水塩(大崎工業社製)
37.74g、酢酸マンガン4水塩(富山薬品工業社
製)110.29g、水酸化アルミニウム(住友化学
製)11.70gを混合した後、この混合物を室温から
300℃まで空気を流入しながら加熱する。燃焼発熱を
380℃までに抑えて温度が320℃に降下した時点で
酸素ボンベより酸素を供給開始し、500℃で3時間保
持する。酸素流入のまま冷却する。この焼成品を乳鉢で
粉砕し、75μm網目のフルイにかけてほぼ100%の
フルイ通過品を得る。このフルイ通過品に酢酸リチウム
2水塩(稀産金属社製)15.78g、水酸化リチウム
1水塩微粉(東洋ケミカルズ社製)120.33gを加
えて混合する。この混合物に酸素を供給開始し、1時間
あたり150℃の昇温速度で室温から550℃まで加熱
し、3時間保持する。酸素流入のまま冷却する。この焼
成品を乳鉢で粉砕し、75μm網目のフルイにかけてほ
ぼ100%のフルイ通過品を得る。このフルイ通過品に
酸素を供給開始し、1時間あたり150℃の昇温速度で
室温から760℃まで加熱し、10時間保持し、続けて
880℃に昇温し、880℃で15時間保持する。酸素
流入のまま冷却する。この焼成品を乳鉢で粉砕し、75
μm網目のフルイにかけてほぼ100%のフルイ通過品
を得る。このフルイ通過品のICP法で求めた組成は、
Li1.008Mn0.15Al0.05Co0.05
Ni0.75である。放電容量及び容量保持率の測
定結果を表1に示す。
【0017】〔実施例2〕水酸化ニッケル(ユーメック
ス製)567.99gと酢酸コバルト4水塩(大崎工業
社製)100.64g、酢酸マンガン4水塩(富山薬品
工業社製)294.11g、水酸化アルミニウム(住友
化学製)31.20gを混合した後、この混合物を室温
から300℃まで空気を流入しながら加熱する。燃焼発
熱を380℃までに抑えて温度が320℃に降下した時
点で酸素ボンベより酸素を供給開始し、500℃で3時
間保持する。酸素流入のまま冷却する。この焼成品を乳
鉢で粉砕し、75μm網目のフルイにかけてほぼ100
%のフルイ通過品を得る。100%のフルイ通過品を得
る。このフルイ通過品に酢酸リチウム2水塩(稀産金属
社製)41.64g、水酸化リチウム1水塩微粉(東洋
ケミカルズ社製)324.39gを加えて混合する。こ
の混合物に酸素を供給開始し、1時間あたり150℃の
昇温速度で室温から550℃まで加熱し、3時間保持す
る。酸素流入のまま冷却する。この焼成品を乳鉢で粉砕
し、75μm網目のフルイにかけてほぼ100%のフル
イ通過品を得る。このフルイ通過品に酸素を供給開始
し、1時間あたり150℃の昇温速度で室温から760
℃まで加熱し、10時間保持し、続けて880℃に昇温
し、880℃で15時間保持する。酸素流入のまま冷却
する。この焼成品を乳鉢で粉砕し、75μm網目のフル
イにかけてほぼ100%のフルイ通過品を得る。このフ
ルイ通過品のICP法で求めた組成は、Li1.012
Mn0.15Al0.05Co0.05Ni0.75
である。放電容量及び容量保持率の測定結果を表1に
示す。
【0018】〔実施例3〕酸化ニッケル(インコ社製)
28.5840gと酢酸コバルト4水塩(大崎工業社
製)3.1449g、酢酸マンガン4水塩(富山薬品工
業社製)21.4454g、水酸化アルミニウム(住友
化学製)1.9500gを混合した後、この混合物を室
温から300℃まで空気を流入しながら加熱する。燃焼
発熱を380℃までに抑えて温度が320℃に降下した
時点で酸素ボンベより酸素を供給開始し、500℃で3
時間保持する。酸素流入のまま冷却する。この焼成品を
乳鉢で粉砕し、75μm網目のフルイにかけてほぼ10
0%のフルイ通過品を得る。このフルイ通過品に水酸化
リチウム1水塩微粉(東洋ケミカルズ社製)21.09
98gを加えて混合する。この混合物に酸素を供給開始
し、1時間あたり150℃の昇温速度で室温から550
℃まで加熱し、3時間保持する。酸素流入のまま冷却す
る。この焼成品を乳鉢で粉砕し、75μm網目のフルイ
にかけてほぼ100%のフルイ通過品を得る。このフル
イ通過品に酸素を供給開始し、1時間あたり150℃の
昇温速度で室温から760℃まで加熱し、10時間保持
し、続けて880℃に昇温し、880℃で15時間保持
する。酸素流入のまま冷却する。この焼成品を乳鉢で粉
砕し、75μm網目のフルイにかけてほぼ100%のフ
ルイ通過品を得る。このフルイ通過品のICP法で求め
た組成は、Li1.008Mn0.175Al0.05
Co0.025Ni0.75である。放電容量及び
容量保持率の測定結果を表1に示す。
【0019】〔実施例4〕酸化ニッケル(インコ社製)
26.6782gと酢酸コバルト4水塩(大崎工業社
製)3.1449g、酢酸マンガン4水塩(富山薬品工
業社製)27.5726g、水酸化アルミニウム(住友
化学製)1.9500gを混合した後、この混合物を室
温から300℃まで空気を流人しながら加熱する。燃焼
発熱を380℃までに抑えて温度が320℃に降下した
時点で酸素ボンベより酸素を供給開始し、500℃で3
時間保持する。酸素流入のまま冷却する。この焼成品を
乳鉢で粉砕し、75μm網目のフルイにかけてほぼ10
0%のフルイ通過品を得る。このフルイ通過品に水酸化
リチウム1水塩微粉(東洋ケミカルズ社製)21.09
98gを加えて混合する。この混合物に酸素を供給開始
し、1時間あたり150℃の昇温速度で室温から550
℃まで加熱し、3時間保持する。酸素流入のまま冷却す
る。この焼成品を乳鉢で粉砕し、75μm網目のフルイ
にかけてほぼ100%のフルイ通過品を得る。このフル
イ通過品に酸素を供給開始し、1時間あたり150℃の
昇温速度で室温から760℃まで加熱し、10時間保持
し、続けて880℃に昇温し、880℃で15時間保持
する。酸素流入のまま冷却する。この焼成品を乳鉢で粉
砕し、75μm網目のフルイにかけてほぼ100%のフ
ルイ通過品を得る。このフルイ通過品のICP法で求め
た組成は、Li1.008Mn0.225Al0.05
Co0.025Ni0.70である。放電容量及び
容量保持率の測定結果を表1に示す。
【0020】〔実施例5〕水酸化ニッケル(ユーメック
ス製)35,4992gと酢酸コバルト4水塩(大崎工
業社製)3.1449g、酢酸マンガン4水塩(富山薬
品工業社製)21.4454g、水酸化アルミニウム
(住友化学製)1.9500gを混合した後、この混合
物を室温から300℃まで空気を流入しながら加熱す
る。燃焼発熱を380℃までに抑えて温度が320℃に
降下した時点で酸素ボンベより酸素を供給開始し、50
0℃で3時間保持する。酸素流入のまま冷却する。この
焼成品を乳鉢で粉砕し、75μm網目のフルイにかけて
ほぼ100%のフルイ通過品を得る。100%のフルイ
通過品を得る。このフルイ通過品に水酸化リチウム1水
塩微粉(東洋ケミカルズ社製)21.0998gを加え
て混合する。この混合物に酸素を供給開始し、1時間あ
たり150℃の昇温速度で室温から550℃まで加熱
し、3時間保持する。酸素流入のまま冷却する。この焼
成品を乳鉢で粉砕し、75μm網目のフルイにかけてほ
ぼ100%のフルイ通過品を得る。このフルイ通過品に
酸素を供給開始し、1時間あたり150℃の昇温速度で
室温から760℃まで加熱し、10時間保持し、続けて
880℃に昇温し、880℃で15時間保持する。酸素
流入のまま冷却する。この焼成品を乳鉢で粉砕し、75
μm網目のフルイにかけてほぼ100%のフルイ通過品
を得る。このフルイ通過品のICP法で求めた組成は、
Li1.008Mn0.175Al0.05Co
0.025Ni0.75である。放電容量及び容量
保持率の測定結果を表1に示す。
【0021】〔実施例6〕酸化ニッケル(インコ社製)
170.84gと酢酸コバルト4水塩(大崎工業社製)
37.74g、酢酸マンガン4水塩(富山薬品工業社
製)110.29g、水酸化アルミニウム(住友化学
製)11.70gと酢酸リチウム2水塩(稀産金属社
製)15.78g、水酸化リチウム1水塩微粉(東洋ケ
ミカルズ社製)120.33gを混合した後、この混合
物を室温から300℃まで酸素を流入しながら加熱す
る。燃焼発熱を抑えながら500℃に到達させる。50
0℃で5時間保持する。酸素流入のまま冷却する。この
焼成品を乳鉢で粉砕し、75μm網目のフルイにかけて
ほぼ100%のフルイ通過品を得る。このフルイ通過品
に酸素を供給開始し、1時間あたり100℃の昇温速度
で室温から550℃まで加熱し、3時間保持する。続け
て100℃の昇温速度で760℃まで加熱し、10時間
保持し、続けて890℃に昇温し、890℃で15時間
保持する。酸素流入のまま冷却する。この焼成品を乳鉢
で粉砕し、75μm網目のフルイにかけてほぼ100%
のフルイ通過品を得る。このフルイ通過品のICP法で
求めた組成は、Li1.008Mn0.15Al
0.05Co0.05Ni0.75である。放電容
量及び容量保持率の測定結果を表1に示す。
【0022】〔実施例7〕水酸化ニッケル(ユーメック
ス製)567.99gと酢酸コバルト4水塩(大崎工業
社製)100.64g、酢酸マンガン4水塩(富山薬品
工業社製)294.11g、水酸化アルミニウム(住友
化学製)31.20gと酢酸リチウム2水塩(稀産金属
社製)41.64g、水酸化リチウム1水塩微粉(東洋
ケミカルズ社製)324.39gをを混合した後、この
混合物を室温から300℃まで空気を流入しながら加熱
する。燃焼発熱を420℃までに抑えて温度が350℃
に降下した時点で酸素ボンベより酸素を供給開始し、5
00℃で5時間保持する。酸素流入のまま冷却する。こ
の焼成品を乳鉢で粉砕し、75μm網目のフルイにかけ
てほぼ100%のフルイ通過品を得る。このフルイ通過
品に酸素を供給開始し、1時間あたり100℃の昇温速
度で室温から550℃まで加熱し、5時間保持する。酸
素流入のまま冷却する。この焼成品を乳鉢で粉砕し、7
5μm網目のフルイにかけてほぼ100%のフルイ通過
品を得る。このフルイ通過品に酸素を供給開始し、1時
問あたり100℃の昇温速度で室温から760℃まで加
熱し、10時問保持し、続けて880℃に昇温し、88
0℃で20時間保持する。酸素流入のまま冷却する。こ
の焼成品を乳鉢で粉砕し、75μm網目のフルイにかけ
てほぼ100%のフルイ通過品を得る。このフルイ通過
品のICP法で求めた組成は、Li1.012Mn
0.15Al0.05Co0.05Ni0.75
ある。放電容量最及び容量保持率の測定結果を表1に示
す。
【0023】〔比較例1〕酸化ニッケル(インコ社製)
170.84gと酢酸コバルト4水塩(大崎工業社製)
37.74g、酢酸マンガン4水塩(富山薬品工業社
製)110.29g、水酸化アルミニウム(住友化学
製)11.70gを混合した後、この混合物を室温から
300℃まで空気を流入しながら加熱する。燃焼発熱を
380℃までに抑えて温度が320℃に降下した時点で
酸素ボンベより酸素を供給開始し、500℃で3時間保
持する。酸素流入のまま冷却する。この焼成品を乳鉢で
粉砕し、75μm網目のフルイにかけてほぼ100%の
フルイ通過品を得る。このフルイ通過品に酢酸リチウム
2水塩(稀産金属社製)15.78g、水酸化リチウム
1水塩微粉(東洋ケミカルズ社製)120.33gを加
えて混合する。この混合物に酸素を供給開始し、1時間
あたり150℃の昇温速度で室温から550℃まで加熱
し、3時間保持する。続けて1時間あたり150℃の昇
温速度で760℃まで加熱し、5時間保持し、続けて8
80℃に昇温し、880℃で5時間保持する。酸素流入
のまま冷却する。この焼成品を乳鉢で粉砕し、75μm
網目のフルイにかけてほぼ100%のフルイ通過品を得
る。このフルイ通過品のICP法で求めた組成は、Li
1.009Mn0.15Al0.05Co0.05Ni
0.75である。放電容量及び容量保持率の測定結
果を表1に示す。
【0024】〔比較例2〕酸化ニッケル(インコ社製)
170.84gと酢酸コバルト4水塩(大崎工業社製)
37.74g、酢酸マンガン4水塩(富山薬品工業社
製)110.29g、水酸化アルミニウム(住友化学
製)11.70gと酢酸リチウム2水塩(稀産金属社
製)15.78g、水酸化リチウム1水塩微粉(東洋ケ
ミカルズ社製)120.33gを混合した後、この混合
物を室温から300℃まで空気を流入しながら加熱す
る。燃焼発熱を抑えながら500℃に到達させる。50
0℃で5時間保持する。空気流入のまま冷却する。この
焼成品を乳鉢で粉砕し、75μm網目のフルイにかけて
ほぼ100%のフルイ通過品を得る。このフルイ通過品
に空気を供給開始し、1時間あたり100℃の昇温速度
で室温から550℃まで加熱し、3時間保持する。続け
て100℃の昇温速度で760℃まで加熱し、10時間
保持し、続けて890℃に昇温し、890℃で15時間
保持する。空気流入のまま冷却する。この焼成品を乳鉢
で粉砕し、75μm網目のフルイにかけてほぼ100%
のフルイ通過品を得る。このフルイ通過品のICP法で
求めた組成は、Li1.009Mn0.15Al
0.05Co0.05Ni0.75である。放電容
量及び容量保持率の測定結果を表1に示す。
【0025】〔比較例3〕水酸化ニッケル(ユーメック
ス製)567.99gと酢酸コバルト4水塩(大崎工業
社製)100.64g、酢酸マンガン4水塩(富山薬品
工業社製)294.11g、水酸化アルミニウム(住友
化学製)31.20gと酢酸リチウム2水塩(稀産金属
社製)41.64g、水酸化リチウム1水塩微粉(東洋
ケミカルズ社製)324.39gをを混合した後、この
混合物を室温から300℃まで酸素を流入しながら加熱
する。560℃までに燃焼発熱する。600℃で5時間
保持する。続けて酸素流人のまま1時間あたり100℃
の昇温速度で室温から760℃まで加熱し、5時間保持
し、続けて880℃に昇温し、880℃で5時間保持す
る。酸素流入のまま冷却する。この焼成品を乳鉢で粉砕
し、75μm網目のフルイにかけてほぼ100%のフル
イ通過品を得る。このフルイ通過品のICP法で求めた
組成は、Li1.014Mn0.15Al005Co
0.05Ni0.75である。放電容量及び容量保
持率の測定結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】〔発明の効果〕本発明による特定組成の変
性ニッケル酸リチウム及び有機酸マンガン塩を用いて酸
素雰囲気下で特定の温度及び反応時間でニッケルを15
モル%以上22.5%置換する変性ニッケル酸リチウム
の製造方法により、4.3V充電な変性ニッケル酸リチ
ウムとなり、かつ高い放電容量を得ることが可能とな
る。耐過充電性の改良による安全性向上、高容量化、長
寿命化を図れる新規な変性ニッケル酸リチウムを提供す
ることとその製造方法を確立できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式LiMnAlCoNi
    (1−b−c−d)(但し、a、b、c、dは、そ
    れぞれ1.00≦a≦1.02、0.15≦b≦0.2
    25、0≦c≦0.05、0.01≦d≦0.075の
    数を表す。)であることを特徴とする変性ニッケル酸リ
    チウム。
  2. 【請求項2】酸化ニッケル、水酸化ニッケル、炭酸ニッ
    ケルから選ばれた少なくとも一種のニッケル化合物
    (A)と酢酸マンガン、蓚酸マンガン、クエン酸マンガ
    ン、蟻酸マンガンから選ばれた少なくとも一種の有機酸
    マンガン塩(B)と酢酸アルミニウム、蟻酸アルミニウ
    ム、硝酸アルミニウム、水酸化アルミニウムから選ばれ
    た少なくとも一種のアルミニウム化合物(C)と酢酸コ
    バルト、クエン酸コバルト、蓚酸コバルト、蟻酸コバル
    ト、水酸化コバルト、炭酸コバルト、四酸化三コバルト
    から選ばれた少なくとも一種のコバルト化合物(D)を
    混合し、酸素雰囲気下に300℃〜600℃の温度範囲
    であらかじめ加熱処理した後、粉砕し、これに、水酸化
    リチウム、酢酸リチウム、クエン酸リチウム、炭酸リチ
    ウムから選ばれた少なくとも一種のリチウム化合物
    (E)とをリチウム/(ニッケル+マンガン+アルミニ
    ウム+コバルト)のモル比が1.00〜1.02の範囲
    に混合し、酸素雰囲気下に450℃〜650℃の温度範
    囲であらかじめ加熱処理した後、冷却し、粉砕する。こ
    れを更に酸素雰囲気下に700℃〜800℃の温度範囲
    で加熱処理した後、続けて酸素雰囲気下に850℃〜9
    00℃の温度範囲で加熱処理することを特徴とする請求
    項1に記載の変性ニッケル酸リチウムの製造方法。
  3. 【請求項3】酸化ニッケル、水酸化ニッケル、炭酸ニッ
    ケルから選ばれた少なくとも一種のニッケル化合物
    (A)と酢酸マンガン、蓚酸マンガン、クエン酸マンガ
    ン、蟻酸マンガンから選ばれた少なくとも一種の有機酸
    マンガン塩(B)と酢酸アルミニウム、蟻酸アルミニウ
    ム、硝酸アルミニウム、水酸化アルミニウムから選ばれ
    た少なくとも一種のアルミニウム化合物(C)と酢酸コ
    バルト、クエン酸コバルト、蓚酸コバルト、蟻酸コバル
    ト、水酸化コバルト、炭酸コバルト、四酸化三コバルト
    から選ばれた少なくとも一種のコバルト化合物(D)、
    水酸化リチウム、酢酸リチウム、クエン酸リチウム、炭
    酸リチウムから選ばれた少なくとも一種のリチウム化合
    物(E)とをリチウム/(ニッケル+マンガン+アルミ
    ニウム+コバルト)のモル比が1.00〜1.02の範
    囲に混合し、酸素雰囲気下に300℃〜500℃の温度
    範囲で加熱処理した後、冷却し、粉砕する。これを酸素
    雰囲気下に700℃〜800℃の温度範囲で時間加熱処
    理した後、続けて酸素雰囲気下に850℃〜900℃の
    温度範囲で加熱処理することを特徴とする請求項1に記
    載の変性ニッケル酸リチウムの製造方法。
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