JP2002036587A - 液体容器および液体容器製造方法 - Google Patents

液体容器および液体容器製造方法

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JP2002036587A
JP2002036587A JP2000229434A JP2000229434A JP2002036587A JP 2002036587 A JP2002036587 A JP 2002036587A JP 2000229434 A JP2000229434 A JP 2000229434A JP 2000229434 A JP2000229434 A JP 2000229434A JP 2002036587 A JP2002036587 A JP 2002036587A
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liquid
container
ink
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container body
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Kenji Tsukada
憲児 塚田
Munehide Kanetani
宗秀 金谷
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体が誤って圧電装置に付着せず、圧電装置
が誤って液体の有無を検出することが無い液体容器を提
供する。液体容器内の液体が消費された後に、圧電装置
の前面に配設されているキャビティ内に液体が残存しな
い液体容器を提供する。さらに、液体が消費された後
に、液体容器内に液体がほとんど残存せず、容器本体内
の液体を完全に使い切ることができる液体容器を提供す
る。さらに、リサイクルし易く、またリサイクルするた
めの時間が短く、コストが低廉である液体容器を提供す
る。 【解決手段】 本発明による液体容器は、液体を収容す
る容器と、液体を容器の外部へ供給する液体供給口と、
容器内の液体の消費状態を検出しかつ液体と疎液性であ
る疎液部を有する圧電装置と、を備える。当該液体容器
は、インク滴を吐出する記録ヘッドを有するインクジェ
ット記録装置に装着され、記録ヘッドへ容器内の液体を
供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音響インピーダン
スの変化を検出することで、その中でも特に共振周波数
の変化を検出することで、液体を収容する液体容器内の
液体の消費状態を検知するための圧電装置が備えられた
液体容器に関し、さらに詳しくは、圧力発生手段により
圧力発生室のインクを印刷データに対応させて加圧して
ノズル開口からインク滴を吐出させて印刷するインクジ
ェット記録装置に適用される液体容器に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】本発明が適用される液体容器として、イ
ンクジェット式記録装置に装着されるインクカートリッ
ジを例にとって説明する。一般にインクジェット記録装
置には、圧力発生室を加圧する圧力発生手段と、加圧さ
れたインクをノズル開口からインク滴として吐出するノ
ズル開口とを備えたインクジェット式記録ヘッドが搭載
されたキャリッジと、流路を介して記録ヘッドに供給さ
れるインクを収容するインクタンクとを備えており、連
続印刷が可能なように構成されている。インクタンクは
インクが消費された時点で、ユーザが簡単に交換できる
ように、記録装置に対して着脱可能なカートリッジとし
て構成されているものが一般的である。
【0003】インクカートリッジのインク消費の管理方
法として、記録ヘッドによって吐出されるインク滴のカ
ウント数と、印字ヘッドのメンテナンス工程で吸引され
たインク量とをソフトウエアにより積算し、計算上でイ
ンク消費を管理する方法や、インクカートリッジに直接
液面検出用の電極を2本取付けることによって、実際に
インクが所定量消費された時点を検知することでインク
消費を管理する方法がある。
【0004】しかし、ソフトウェアによりインク滴の吐
出数や吸引されたインク量を積算してインク消費を計算
上で管理する方法は、計算上のインク消費量と実際の消
費量との間に無視できない誤差が生じてしまう。また、
同一カートリッジを一旦取外し、再度装着した場合には
積算されたカウント値は一旦リセットされてしまうの
で、実際のインク残量がまったくわからなくなってしま
う。
【0005】また、電極によりインクが消費された時点
を管理する方法は、電極とインクカートリッジとの間の
液密構造が複雑化する。さらに、電極の材料として、通
常は導電性が良く耐腐食性も高い貴金属を使用するの
で、インクカートリッジの製造コストがかさむ。さら
に、2本の電極をそれぞれインクカートリッジの別な場
所に装着する必要があるため、製造工程が多くなる。
【0006】一方で、音響インピーダンスの変化を検出
することで、液体を収容する液体容器内の液体の消費状
態を検知する圧電装置による方法がある。本方法によれ
ば、上記した問題点は無い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、音響インピー
ダンスの変化を検出することで、液体を収容する液体容
器内の液体の消費状態を検知する圧電装置による方法で
は、インクの液面を検出するために圧電装置はインクと
接触する構造となっている。それ故、インクが消費さ
れ、インクの液面が圧電装置の装着されている位置より
下に低下した場合に、振動や揺動等によって、インクが
誤って圧電装置に付着すると、インクが無いにもかかわ
らず、インクが有ると誤って検出するおそれがある。ま
た、インクカートリッジの内壁面にインク滴が付着し、
そのインク滴が垂れ下がってきて、インクが圧電装置に
付着した場合にも、同様の誤検出が生じる可能性があ
る。
【0008】また、圧電装置の前面にキャビティが配設
されている構造の場合、インクカートリッジ内のインク
が消費された後、圧電装置のキャビティ内にインクが残
存していない方がより顕著にインクの有無を検出するこ
とができる。従って、圧電装置のキャビティ内にインク
を残存させないことが好ましい。
【0009】また、従来のインクカートリッジにおいて
は、インクカートリッジの内壁や流路にインクが付着す
ることなどによってインクが残存してしまい、インクカ
ートリッジ内のインクを完全に使い切ることができない
ことがある。インクカートリッジ内に残存したインクは
長期間大気に接触することによって質が低下し、異物と
ともに固化する。このようなインクカートリッジに新し
いインクを再充填する場合、質の悪いインクや異物が混
在し、インクの品質を低下させる虞がある。
【0010】さらに従来のインクカートリッジにおいて
は、インクカートリッジをリサイクルする際には、内部
の洗浄を十分に行わなければならない。特に内部の流路
形状が複雑なインクカートリッジをリサイクルする場
合、その洗浄に時間がかかり、コストが高くなるという
問題もある。
【0011】近年において、環境問題が大きな社会問題
となっている最中、リサイクルし易いインクカートリッ
ジの提供が非常に望まれる。
【0012】そこで本発明は、上記した従来の問題点に
鑑み、圧電装置が誤って液体の有無を検出することが無
い液体容器を提供することを目的とする。
【0013】また、圧電装置にキャビティが配設されて
いる場合、液体容器内の液体が消費されたときに、圧電
装置のキャビティ内に液体が残存しないように設計され
た液体容器を提供することを目的とする。
【0014】さらに、液体が消費された後に、液体容器
内に液体がほとんど残存せず、容器本体内の液体を完全
に使い切ることができる液体容器を提供することを目的
とする。
【0015】さらに、リサイクルし易く、またリサイク
ルするための時間が短く、コストが低廉である液体容器
を提供することを目的とする。
【0016】この目的は特許請求の範囲における独立項
に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属
項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0017】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明に従った液
体容器の第1の形態によると、液体を収容する容器本体
と、容器本体内の液体を外部へ供給する液体供給口と、
容器本体内の液体の消費状態を検出する圧電装置とを備
え、容器本体内の液体と疎液性である疎液部を有する。
好ましくは、疎液部は圧電装置のうち容器本体内の液体
と接触する振動領域を含む。
【0018】圧電装置は容器本体内の液体と接触するこ
とができるように容器本体の内方に開口するキャビティ
を有してもよい。この場合、好ましくは、疎液部はキャ
ビティの内側面を含む。
【0019】圧電装置は圧電性を有する材料を前記容器
本体に装着する基板を有していてもよい。この場合、好
ましくは、疎液部は基板のうち容器本体内の液体と接触
する部分を含む。また、疎液部は圧電装置を容器本体に
取り付けるための取付構造体を含んでいてもよい。疎液
部は当該液体容器のうち容器本体内の液体と接触する部
分全体であってもよい。好ましくは、疎液部と容器本体
内の液体との接触角が約70度以上である。
【0020】本発明に従った液体容器は液体容器疎液部
の少なくとも周辺が容器本体内の液体と親液性であって
もよい。好ましくは、疎液部と容器本体内の液体との接
触角が約70度以上であり、親液部と容器本体内の液体
との接触角が約30度以下である。
【0021】好ましくは、疎液部は容器本体内の液体と
疎液性がある材料を被覆することによって形成されてい
る。疎液部は液体と疎液性がある材料としてフッ素化合
物で被覆してもよい。疎液部は容器本体内の液体と疎液
性がある材料から形成されていてもよい。疎液部は液体
と疎液性がある材料としてテフロン(登録商標)樹脂か
ら形成してもよい。疎液部は所定の材料に粗面化処理を
施すことによって形成してもよい。
【0022】本発明による液体容器に配備される圧電装
置は、好ましくは、容器本体内の媒体の少なくとも音響
インピーダンスを検出し、この音響インピーダンスの変
化に基づいて液体の消費状態を検出する。好ましくは、
圧電装置は振動部を有し、振動部に残留する残留振動に
よって発生する逆起電力に基づいて、液体の消費状態を
検出する。
【0023】好ましくは、液体容器は、インク滴を吐出
する記録ヘッドを有するインクジェット記録装置に装着
され、記録ヘッドへ容器内の液体を供給する。
【0024】本発明に従った液体容器製造方法の実施の
形態としては、液体を収容する容器本体と、容器本体内
の液体を外部へ供給する液体供給口と、容器本体内の液
体の消費状態を検出する圧電装置とを備えた液体容器
に、容器本体内の液体と疎液性がある疎液部を形成す
る。
【0025】好ましくは、当該液体容器製造方法は容器
本体内の液体と疎液性がある材料を疎液部に被覆する被
覆ステップを有する。被覆ステップは、疎液部を予め容
器本体内の液体と疎液性がある材料に浸漬させることに
よって被覆してもよい。被覆ステップは、疎液部に容器
本体内の液体と疎液性がある材料を塗布することによっ
て被覆してもよい。被覆ステップは、疎液部に容器本体
内の液体と疎液性がある被膜層を貼付することによって
被覆してもよい。
【0026】被覆ステップは、疎液部に容器本体内の液
体と疎液性がある材料を堆積することによって被覆して
もよい。被覆ステップは、疎液部に容器本体内の液体と
疎液性がある材料をメッキ処理することによって、疎液
部に容器本体内の液体と疎液性がある材料を被覆しても
よい。
【0027】当該液体容器製造方法は、容器本体内の液
体と疎液性がある材料を用いて疎液部を形成する形成ス
テップを有してもよい。当該液体容器製造方法は、所定
の材料に紫外線を照射することによって疎液部を形成す
る形成ステップを有してもよい。当該液体容器製造方法
は、疎液部は所定の材料に粗面化処理を施すことによっ
て疎液部を形成する形成ステップを有してもよい。
【0028】また、本発明に従った液体容器製造方法の
実施例としては、液体を収容するための容器本体および
容器本体内の液体を外部へ供給する液体供給口を備えた
液体容器と、容器本体内の液体の消費状態を検出する圧
電装置とを準備し、圧電装置に容器本体内の液体と疎液
性がある疎液部を形成した後に圧電装置を液体容器に配
備してもよく、圧電装置を液体容器に配備した後に圧電
装置に容器本体内の液体と疎液性がある疎液部を形成し
てもよい。
【0029】さらに、本発明に従った液体容器製造方法
の実施例としては、液体を収容するための容器本体およ
び容器本体内の液体を外部へ供給する液体供給口を備え
た液体容器と、容器本体内の液体の消費状態を検出する
圧電装置と、圧電装置を液体容器に取り付けるための取
付構造体とを準備し、圧電装置を取付構造体に配備した
後に少なくとも圧電装置に容器本体内の液体と疎液性が
ある疎液部を形成し、疎液部の形成後に取付構造体を容
器本体に取り付けてもよく、少なくとも圧電装置に容器
本体内の液体と疎液性がある疎液部を形成した後に、圧
電装置を取付構造体に配備し、該取付構造体を容器本体
に取り付けてもよい。
【0030】なお上記の発明の概要は、本発明の必要な
特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群の
サブコンビネーションも又発明となりうる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を通じて
本発明を説明するが、以下の実施形態はクレームにかか
る発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明
されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に
必須であるとは限らない。
【0032】本発明の基本的概念は、振動現象を利用す
ることで、液体容器内の液体の状態(液体容器内の液体
の有無、液体の量、液体の水位、液体の種類、液体の組
成を含む)を検出することである。具体的な振動現象を
利用した液体容器内の液体の状態の検出としてはいくつ
かの方法が考えられる。例えばアクチュエータが液体容
器の内部に対して弾性波を発生し、液面あるいは対向す
る壁によって反射する反射波を受波することで、液体容
器内の媒体およびその状態の変化を検出する方法があ
る。また、これとは別に、振動する物体の振動特性から
音響インピーダンスの変化を検知する方法もある。音響
インピーダンスの変化を利用する方法としては、圧電素
子を有する圧電装置またはアクチュエータの振動部を振
動させ、その後に振動部に残留する残留振動によって生
ずる逆起電力を測定することによって、共振周波数また
は逆起電力波形の振幅を検出することで音響インピーダ
ンスの変化を検知する方法や、測定機、例えば伝送回路
等のインピーダンスアナライザによって液体のインピー
ダンス特性またはアドミッタンス特性を測定し、電流値
や電圧値の変化または、振動を液体に与えたときの電流
値や電圧値の周波数による変化を測定する方法がある。
【0033】図1は、本発明が適用される単色、例えば
ブラックインク用のインクカートリッジの一実施形態の
断面図である。図1のインクカートリッジは、圧電素子
を有する圧電装置またはアクチュエータの振動部を振動
させ、その後に振動部に残留する残留振動によって生ず
る逆起電力を測定することによって、共振周波数または
逆起電力波形の振幅を検出することで音響インピーダン
スの変化を検知する方法に基づいている。音響インピー
ダンスの変化を検知する手段としてアクチュエータ10
6が用いられる。インクを収容する容器本体1には、記
録装置のインク供給針に接合するインク供給口2が設け
られている。容器本体1の底面1aの外側には、アクチ
ュエータ106が貫通孔1cを介して内部のインクと接
触できるように取付けられている。インクKがほぼ消費
されつくした段階、つまりインクニアエンドとなった時
点で、アクチュエータ106と接触する媒体がインクか
ら気体へと変更するべく、アクチュエータ106はイン
ク供給口2よりも若干上方の位置に設けられている。な
お、振動を発生する手段を独立して設け、アクチュエー
タ106を単に検知手段として用いても良い。
【0034】図2は、図1に示したインクカートリッジ
に適したインクジェット記録装置の要部の実施形態を示
す断面図である。インク供給口2にはパッキン4及び弁
体6が設けられている。図2に示すように、パッキン4
は記録ヘッド31に連通するインク供給針32と液密に
係合する。弁体6は、バネ5によってパッキン4に対し
て常時弾接されている。インク供給針32が挿入される
と、弁体6はインク供給針32に押されてインク流路を
開放し、容器本体1内のインクがインク供給口2および
インク供給針32を介して記録ヘッド31へ供給され
る。容器本体1の上壁の上には、インクカートリッジ内
のインクに関する情報を格納した半導体記憶手段7が装
着されている。
【0035】記録用紙の幅方向に往復動可能なキャリッ
ジ30は、サブタンクユニット33を備えていて、記録
ヘッド31がサブタンクユニット33の下面に設けられ
ている。また、インク供給針32はサブタンクユニット
33のインクカートリッジ搭載面側に設けられている。
【0036】図3は、圧電装置の一実施形態であるアク
チュエータ106の図である。ここでいうアクチュエー
タは、少なくとも音響インピーダンスの変化を検知して
液体容器内の液体の消費状態を検出する方法に用いられ
る。特に、残留振動により共振周波数の検出すること
で、少なくとも音響インピーダンスの変化を検知して液
体容器内の液体の消費状態を検出する方法に用いられ
る。図3(A)は、アクチュエータ106の拡大平面図
である。図3(B)は、アクチュエータ106のB−B
断面を示す。図3(C)は、アクチュエータ106のC
-C断面を示す。
【0037】アクチュエータ106は、ほぼ中央に円形
状の開口161を有する基板178と、開口161を被
覆するように基板178の一方の面(以下、表面とい
う)に配備される振動板176と、振動板176の表面
の側に配置される圧電層160と、圧電層160を両方
からはさみこむ上部電極164および下部電極166
と、上部電極164と電気的に結合する上部電極端子1
68と、下部電極166と電気的に結合する下部電極端
子170と、上部電極164および上部電極端子168
の間に配設され、かつ両者を電気的に結合する補助電極
172と、を有する。圧電層160、上部電極164お
よび下部電極166はそれぞれの主要部として円形部分
を有する。圧電層160、上部電極164および下部電
極166のそれぞれの円形部分は圧電素子を形成する。
【0038】振動板176は、基板178の表面に、開
口161を覆うように形成される。キャビティ162
は、振動板176の開口161と面する部分と基板17
8の表面の開口161とによって形成される。基板17
8の圧電素子とは反対側の面(以下、裏面という)は液
体容器側に面しており、キャビティ162は液体と接触
するように構成されている。キャビティ162内に液体
が入っても基板178の表面側に液体が漏れないよう
に、振動板176は基板178に対して液密に取り付け
られる。
【0039】下部電極166は振動板176の表面、即
ち液体容器とは反対側の面に位置しており、下部電極1
66の主要部である円形部分の中心と開口161の中心
とがほぼ一致するように取り付けられている。なお、下
部電極166の円形部分の面積が開口161の面積より
も小さくなるように設定されている。一方、下部電極1
66の表面側には、圧電層160が、その円形部分の中
心と開口161の中心とがほぼ一致するように形成され
ている。圧電層160の円形部分の面積は、開口161
の面積よりも小さく、かつ下部電極166の円形部分の
面積よりも大きくなるように設定されている。
【0040】一方、圧電層160の表面側には、上部電
極164が、その主要部である円形部分の中心と開口1
61の中心とがほぼ一致するように形成される。上部電
極164の円形部分の面積は、開口161および圧電層
160の円形部分の面積よりも小さく、かつ下部電極1
66の円形部分の面積よりも大きくなるよう設定されて
いる。
【0041】したがって、圧電層160の主要部は、上
部電極164の主要部と下部電極166の主要部とによ
って、それぞれ表面側と裏面側とから挟みこまれる構造
となっていて、圧電層160を効果的に変形駆動するこ
とができる。圧電層160、上部電極164および下部
電極166のそれぞれの主要部である円形部分がアクチ
ュエータ106における圧電素子を形成する。上述のよ
うに圧電素子は振動板176に接している。また、上部
電極164の円形部分、圧電層160の円形部分、下部
電極166の円形部分および開口161のうちで、面積
が最も大きいのは開口161である。この構造によっ
て、振動板176のうち実際に振動する振動領域は、開
口161によって決定される。また、上部電極164の
円形部分、圧電層160の円形部分および下部電極16
6の円形部分は開口161より面積が小さいので、振動
板176がより振動しやすくなる。さらに、圧電層16
0と電気的に接続する下部電極166の円形部分および
上部電極164の円形部分のうち、下部電極166の円
形部分の方が小さい。従って、下部端子166の円形部
分が圧電層160のうち圧電効果を発生する部分を決定
する。
【0042】上部電極端子168は、補助電極172を
介して上部電極164と電気的に接続するように振動板
176の表面側に形成される。一方、下部電極端子17
0は、下部電極166に電気的に接続するように振動板
176の表面側に形成される。上部電極164は、圧電
層160の表面側に形成されるため、上部電極端子16
8と接続する途中において、圧電層160の厚さと下部
電極166の厚さとの和に等しい段差を有する必要があ
る。上部電極164だけでこの段差を形成することは難
しく、かりに可能であったとしても上部電極164と上
部電極端子168との接続状態が弱くなってしまい、切
断してしまう危険がある。そこで、補助電極172を補
助部材として用いて上部電極164と上部電極端子16
8とを接続させている。このようにすることで、圧電層
160も上部電極164も補助電極172に支持された
構造となり、所望の機械的強度を得ることができ、また
上部電極164と上部電極端子168との接続を確実に
することが可能となる。
【0043】なお、圧電素子と振動板176のうちの圧
電素子に直面する振動領域とが、アクチュエータ106
において実際に振動する振動部である。また、アクチュ
エータ106に含まれる部材は、互いに焼成されること
によって一体的に形成されることが好ましい。アクチュ
エータ106を一体的に形成することによって、アクチ
ュエータ106の取り扱いが容易になる。さらに、基板
178の強度を高めることによって振動特性が向上す
る。即ち、基板178の強度を高めることによって、ア
クチュエータ106の振動部のみが振動し、アクチュエ
ータ106のうち振動部以外の部分が振動しない。ま
た、アクチュエータ106の振動部以外の部分が振動し
ないためには、基板178の強度を高めるのに対し、ア
クチュエータ106の圧電素子を薄くかつ小さくし、振
動板176を薄くすることによって達成できる。
【0044】圧電層160の材料としては、ジルコン酸
チタン酸鉛(PZT)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン
(PLZT)または鉛を使用しない鉛レス圧電膜を用い
ることが好ましく、基板178の材料としてジルコニア
またはアルミナを用いることが好ましい。また、振動板
176には、基板178と同じ材料を用いることが好ま
しい。上部電極164、下部電極166、上部電極端子
168および下部電極端子170は、導電性を有する材
料、例えば、金、銀、銅、プラチナ、アルミニウム、ニ
ッケルなどの金属を用いることができる。
【0045】上述したように構成されるアクチュエータ
106は、液体を収容する容器に適用することができ
る。例えば、インクジェット記録装置に用いられるイン
クカートリッジやインクタンク、あるいは記録ヘッドを
洗浄するための洗浄液を収容した容器などに装着するこ
とができる。
【0046】図3に示されるアクチュエータ106は、
液体容器の所定の場所に、キャビティ162を液体容器
内に収容される液体と接触するように装着される。液体
容器に液体が十分に収容されている場合には、キャビテ
ィ162内およびその外側は液体によって満たされてい
る。一方、液体容器の液体が消費され、アクチュエータ
の装着位置以下まで液面が降下すると、キャビティ16
2内の少なくとも周辺に液体が無い状態となる。アクチ
ュエータ106は、この状態の変化に起因する、少なく
とも音響インピーダンスの相違を検出する。それによっ
て、アクチュエータ106は、液体容器に液体が十分に
収容されている状態であるか、あるいはある一定以上の
液体が消費され、液面がアクチュエータ106の取付位
置よりも下にある状態であるかを検知することができ
る。
【0047】図4(A)および図4(B)は、それぞれ
従来の材料と任意の液体に対して疎液性である材料とを
示す図である。疎液性は、任意の液体との疎液性を意味
し、疎水性、疎油性、撥水性、撥油性、離水性、離油
性、超疎水性、超疎油性、超撥水性、超撥油性、超離水
性、超離油性等を含む。液体Lと材料B1または材料B
2とはそれぞれ接触角θ1または接触角θ2で接触す
る。図4(A)において、接触角θ1は接触角θ2に比
較して小さい。接触角θ1は約30度から約60度であ
る。材料B1は、疎液処理が施されておらず疎液性を有
さないからである。一方で、図4(B)において、接触
角θ2は接触角θ1より大きく、材料B2が液体Lと疎
液性を示す。よって、材料B2は液体Lに対して疎液性
の材料である。本実施例においては、疎液部に対する液
体の接触角は約60度以上であり、180度に近ければ
近いほど好ましい。
【0048】疎液部は、材料自体を疎液性にしてもよ
い。また、材料自体が疎液性でない場合であっても、疎
液性の材料を被覆することによって、疎液性にしてもよ
い。疎液性の高い材料は、液体との関係において液体の
表面張力が大きい材料といってもよい。
【0049】図5(A)および図5(B)は、アクチュ
エータ106が容器本体1の側壁に配備されている部分
を拡大した断面図である。図5(A)は疎液部を有しな
い従来例の断面図である。図5(B)は本発明による疎
液部を有する実施例の断面図である。
【0050】図5(A)の従来例においては、疎液部が
ない。従って、アクチュエータ106の周辺にインクが
無いときにインクが振動領域176aに誤って付着した
場合に、インク滴Mが滞留する。また、振動領域176
aの周辺にインクが付着しても、インク滴Mが垂れ下が
って振動領域176aに誤って付着する場合がある。そ
れにより、アクチュエータ106は、インクが無いにも
かかわらず、インクが有ると誤って検出する虞がある。
【0051】一方で、図5(B)における本発明の実施
例において、疎液部は容器本体1内のインクに対して疎
インク性を有する部分を意味する。アクチュエータ10
6は容器本体1内のインクと疎インク性である疎液部を
有する。振動板176のうち、少なくともインクと接触
する振動領域176aが疎液部に含まれる。振動領域1
76aが疎液部に含まれることによって、アクチュエー
タ106の周辺にインクが無いときにインクが振動領域
176aに誤って付着しても、インクとの接触角が大き
いので、インクは、振動領域176aに滞留することが
できず、インクの自重によって落下する。従って、アク
チュエータ106は、インクが無いにもかかわらず、イ
ンクが有ると誤って検出することがない。
【0052】振動領域176aの周辺を疎液部に含めて
も良い。例えば、キャビティ162の内側面161aを
疎液部に含めてもよい。さらに、容器本体1の内方へ向
かう基板178の基板裏面178aを疎インク性として
疎液部に含めてもよい。また、アクチュエータ106だ
けでなく、容器本体1の貫通孔1cや容器本体1の内壁面
1dを疎インク性とすることによって、アクチュエータ
106および容器本体1を疎液部に含めてもよい。この
ように、振動領域176aの周辺を疎液部にすることに
よって、誤って付着したインクがキャビティ162や貫
通口1cに滞留することがない。それにより、アクチュ
エータ106は、インクが無いにもかかわらず、インク
が有ると誤って検出することがない。
【0053】さらに、アクチュエータ106、容器本体
1およびインク供給口2を含め、インクカートリッジ内
のインクが接触している部分の全部を疎インク性にして
もよい。かかる場合には、インクカートリッジ内のイン
クと接触する部分の全部が疎液部になる。
【0054】インクカートリッジ内部の全体を疎液部に
することにより、容器本体1の内部やアクチュエータ1
06にインクが滞留しない。よって、インクカートリッ
ジ内のインク全部を無駄なく使い切ることができる。
【0055】また、このようなインクカートリッジを用
いた場合、インクを再充填する際に、インクカートリッ
ジ内にインクが残存しないため、大気に触れることによ
って質の低下した古いインクを混合させることなく、新
しいインクを再充填することができる。
【0056】さらに、インクカートリッジ内にインクが
残存しないため、インクカートリッジをリサイクルする
際には、容器本体1内を洗浄する必要が無い、もしくは
ごく簡単な洗浄で十分である。例えば、空のインクカー
トリッジを洗浄する場合に、容器本体1内に収容されて
いたインクよりもインクカートリッジ内の内壁やアクチ
ュエータ106と親和性の高い洗浄液で軽く濯げばよ
い。より詳細には、インクカートリッジが水性のインク
を使用していた場合には、インクカートリッジ内部とよ
り親和性が高い油性の洗浄液で軽く濯げばよい。従っ
て、インクカートリッジをリサイクルする際の洗浄時間
が短時間で済む。よって、インクカートリッジをリサイ
クルするためのコストが低廉になる。
【0057】洗浄液は、インクより高い親液性を有すれ
ばよく、特に限定はない。インクより高い親液性を有す
る洗浄液は、インクカートリッジの内壁やアクチュエー
タ106とより馴染み易い。従って、インクカートリッ
ジ内に残存していた不純物などを簡単に洗い流すことが
できる。
【0058】キャビティ162内にインクを残存させな
いために、キャビティ162内を疎インク性にしつつ、
キャビティ162の周辺の基板裏面178aを親インク
性にしてもよい。
【0059】親液性は、任意の液体との親和性を意味
し、親水性、親油性、超親水性、超親油性等を含む。ま
た、親液部に対する液体の接触角は約30度以下であ
り、0度に近ければ近いほど好ましい。
【0060】さらに、貫通孔1c内にインクを残存させ
ないために、キャビティ162内、基板裏面178aお
よび貫通孔1cの内壁を疎インク性にしつつ、貫通孔1
cの周辺の内側面1dを親インク性にしてもよい。それ
によって、キャビティ162や貫通孔1c内のインク
は、キャビティ162内や貫通孔1c内に残存しにく
く、かつ基板裏面178aや内側面1dを伝って容器本
体1の下方へ流出しやすくなる。また、アクチュエータ
106およびその周辺にインクが付着した場合であって
も、インクは滞留することなく流れ落ちる。
【0061】キャビティ162内に液体容器内の液体が
残存しない場合には、キャビティ162内または貫通孔
1c内のインクが残存する場合と比較して、アクチュエ
ータ106が検知する少なくとも音響インピーダンスの
変化が顕著になる。よって、アクチュエータ106は、
インクカートリッジ内のインクの有無をより顕著かつ正
確に検出することができる。
【0062】キャビティ162内または貫通孔1c内を
疎インク性にすることによって、インクカートリッジ内
にインクを充填する場合に、インクがキャビティ162
内または貫通孔1c内にも充填することが困難になる。
しかし、インクカートリッジの製造においてインクを容
器本体1内に充填するとき、またはインクカートリッジ
を再利用するときに、インクカートリッジ内部を真空引
きなどによって負圧にし、その負圧を利用してインクカ
ートリッジ内にインクを充填または再充填する。それに
よって、インクがキャビティ162内または貫通孔1c
内に満たされる。また、インクを貫通口1cから導入す
ることによって、真空引きに依らずにインクがキャビテ
ィ162内または貫通孔1c内に満たされるように充填
することもできる。さらに、他の任意の方法によってイ
ンクがキャビティ162内または貫通孔1c内に満たさ
れるように工夫してもよい。
【0063】図6(A)および図6(B)は、アクチュ
エータ106が容器本体1の側壁に配備されている部分
を拡大した断面図である。インクの液面がアクチュエー
タ106を通過した後に、誤ってアクチュエータ106
に付着しようとするインク滴も図示している。
【0064】図6(A)は、従来例を示す図である。貫
通口1cおよびキャビティ162内が疎インク性でない
ので、インク滴Mは、アクチュエータ106および貫通
口1cに付着し、滞留する。従って、アクチュエータ1
06はインクカートリッジ内のインクが無いにもかかわ
らず、有ると誤って検出するおそれがある。
【0065】図6(B)は、本発明による実施例を示す
図である。貫通口1cおよびキャビティ162内を疎イ
ンク性にすることによって、インク滴Mは、アクチュエ
ータ106に付着することができず、表面張力により球
形に近い形状を維持したまま下方へ落する。従って、ア
クチュエータ106はインクカートリッジ内のインクの
有無を誤って検出することが無い。
【0066】次に、疎液性の材料について説明する。疎
液部を形成するための疎液性の材料は特に限定しない。
従って、任意の疎液性の材料を使用することができる。
疎液性の強い材料としては、フッ素系樹脂(フルオロア
ルキル化合物)、やシリコーン系樹脂を含む材料が一般
的である。例えば、フルオロオレフィンや、パーフロロ
基を有するフッ素系樹脂は、熱的及び化学的に安定であ
り、耐水性、耐薬品性、耐溶剤性、離型性、耐摩擦性、
撥水性等に優れる。シリコーン系樹脂は、撥水撥油性に
優れるが、高度を保持するためにアクリル樹脂、エポキ
シ樹脂、ウレタン樹脂等の他の樹脂との併用、変性によ
って塗料の組成が構成されることが多い。
【0067】より詳細には、ラッカー型フッ素樹脂材
料、フッ素系紫外線硬化型材料、熱硬化型フッ素樹脂材
料、フッ素系シランカップリング剤、フッ素樹脂粒子を
分散したエポキシ樹脂組成物、含フッ素エポキシ樹脂組
成物、フッ素含有ジオール、テフロン(PTFE)があ
る。
【0068】また、シランカップリング剤、シリコーン
界面活性剤、シリコーンゴム、ペトロラタム、水酸基含
有シリコーン、シリコーンとアクリル樹脂の2成分系を
用いるもの、エチルシリケート、N−ブチルシリケー
ト、N−プロピルシリケート、クロロシラン、アルコキ
シシラン、シラザン、などがある。
【0069】さらに、エポキシ樹脂、カチオン重合触
媒、ジグライム、PP、PE、PA、PET、PBT、
PSF、PES、PEEK、PEI、OPP、PVC、
マレイン化石油樹脂アルカリ塩、パラフィン系ワック
ス、光触媒を利用したものでもよい。
【0070】所定の材料の表面に疎液性の材料を被覆す
る方法も特定しない。従って、疎液性の材料を被覆する
ための任意の方法を使用することができる。疎液性の材
料を被覆する方法としては、例えば、メッキ処理、コー
ティング、被膜層の貼付、堆積などの方法がある。その
他の既知の任意の技術を用いて疎液性の材料を被覆すれ
ばよい。例えば、コーティングによる方法の場合、疎液
部が回転する前にもしくは回転しているときに疎液性の
部材を垂らし、疎液部を回転させることによって被覆す
るスピンコートや、疎液部を疎液性の部材に浸漬するこ
とによって被覆するディップコートや、ロールによって
疎液性の部材を親液部に塗布するロールコートによるコ
ーティングなどで塗布してもよい。また、単に刷毛など
によって親液性の部材を疎液部に塗布してもよい。ま
た、疎液部は疎液性の材料から形成される被膜層を所定
箇所に貼付することによって形成してもよい。また、堆
積による方法としては、CVD、プラズマCVD、スパ
ッタリング、真空蒸着がある。
【0071】材料の表面の粗度が撥水性に影響する場合
がある。例えば、接触角が90度以上の材料を粗面化処
理することによって疎液性が高まる。
【0072】また、例えば、材料がフラクタル構造を有
する疎水性の材料の場合には、その材料は表面の粗度を
高めると超撥水表面または超撥油表面になる。従って、
フラクタル構造を有する疎液性の材料の表面を粗面化処
理することによって、疎液部を形成してもよい。ただ
し、粗面化処理することによって疎液性になる材料であ
れば、フラクタル構造を有する材料に限定しない。
【0073】また、図7は、アクチュエータ106を取
り付けるための取付構造体の一形態として、モジュール
体100を示す斜視図である。図7には、アクチュエー
タ106を取り付けモジュール体100として一体形成
した構成が示される。モジュール体100はインクカー
トリッジの容器本体1の所定個所に装着される。モジュ
ール体100は、インク液中の少なくとも音響インピー
ダンスの変化を検出することにより、容器本体1内の液
体の消費状態を検知するように構成されている。本実施
形態のモジュール体100は、容器本体1にアクチュエ
ータ106を取り付けるための液体容器取付部101を
有する。また、アクチュエータ106をモジュール体1
00に配備するための圧電装置装着部105が設けられ
る。液体容器取付部101は、平面がほぼ矩形の基台1
02上に駆動信号により発振するアクチュエータ106
を収容した円柱部116を載せた構造になっている。ま
た、モジュール体100が、インクカートリッジに装着
されたときに、モジュール体100のアクチュエータ1
06が外部から接触できないように構成されているの
で、アクチュエータ106を外部の接触から保護するこ
とができる。なお、円柱部116の先端側エッジは丸み
が付けられていて、インクカートリッジに形成された孔
へ装着する際に嵌めやすくなっている。
【0074】本実施例における疎液部を有するインクカ
ートリッジの製造方法としては以下の方法が挙げられ
る。
【0075】第1の実施例は、図3のアクチュエータ1
06をキャビティ162が露出するように所定の治具に
備えもしくはマスキングする。疎液部を形成するための
装置に所定の治具を取り付け、キャビティ162の内部
を疎液性にする。その後にモジュール体100にアクチ
ュエータ106を取り付け、モジュール体100をイン
クカートリッジに配備する。所定の治具はキャビティ1
62の部分に孔を設けた樹脂、金属の材料から形成され
る。また、熱可塑性樹脂を用いてキャビティ162以外
の部分をマスキングしてもよい。本実施例によって、ア
クチュエータ106にのみ疎液部を形成することができ
る。また、疎液部を形成するためにアクチュエータ10
6を取り扱うことができれば足りる。従って、インクカ
ートリッジの製造設備が比較的小さくすることができ
る。それにより、同一のインクカートリッジを製造する
ためのコストを低減させることができる。
【0076】第2の実施例は、モジュール体100に図
3のアクチュエータ106を取り付ける。その後にアク
チュエータ106をキャビティ162が露出するように
所定の治具に備えもしくはマスキングする。疎液部を形
成するための装置に所定の治具を取り付け、キャビティ
162の内部またはキャビティ162の内部およびその
周辺のモジュール体100を疎液性にする。その後にモ
ジュール体100をインクカートリッジに配備する。本
実施例によって、アクチュエータ106の周辺にあるモ
ジュール体100の部分をキャビティ162の内部と同
時に疎液化処理することによって、キャビティ162の
内部およびその周辺のモジュール体100を疎液性にす
ることができる。
【0077】第3の実施例は、モジュール体100に図
3のアクチュエータ106を取り付け、モジュール体1
00をインクカートリッジに配備する。その後にアクチ
ュエータ106をキャビティ162が露出するように所
定の治具に備えもしくはマスキングする。疎液部を形成
するための装置に所定の治具を取り付け、キャビティ1
62の内部またはキャビティ162の内部およびその周
辺のモジュール体100を疎液性にする。本実施例によ
って、アクチュエータ106、モジュール体100およ
びインクカートリッジの内部を同時に疎液化処理するこ
とによって、キャビティ162の内部およびその周辺の
モジュール体100さらにインクカートリッジの内部を
疎液性にすることができる。
【0078】本実施例によるモジュール体100につい
ても、インクと接触する部分を疎液性にしてもよい。
【0079】図8は、複数種類のインクを収容するイン
クカートリッジの一実施例を示す裏側から見た斜視図で
ある。容器8は、隔壁により3つのインク室9、10及
び11に分割される。それぞれのインク室には、インク
供給口12、13及び14が形成されている。それぞれ
のインク室9、10及び11の底面8aには、アクチュ
エータ15、16および17が、容器8を介して各イン
ク室内に収容されているインクに弾性波を伝達できるよ
うに取付けられている。本実施例によるインクカートリ
ッジの容器8内またはアクチュエータ15、16および
17についても、それぞれ疎液性を有する。また、各イ
ンク質9、10及び11の内壁が疎インク性になるよう
に形成してもよい。
【0080】以上、本発明を実施の形態を用いて説明し
たが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範
囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又
は改良を加えることができる。その様な変更又は改良を
加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、
特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0081】
【発明の効果】上記説明から明らかなように、本発明に
よる液体容器は、液体が誤って圧電装置に付着せず、圧
電装置が誤って液体の有無を検出することが無い。
【0082】また、本発明による液体容器は、圧電装置
の前面にキャビティが配設されている場合、液体容器内
の液体が消費された場合に、圧電装置のキャビティ内に
液体が残存しない。
【0083】さらに、本発明による液体容器によれば、
液体が消費された後に、液体容器内に液体がほとんど残
存せず、容器本体内の液体を完全に使い切ることができ
る。
【0084】さらに、本発明による液体容器によれば、
リサイクルし易く、またリサイクルするための時間が短
く、コストが低廉になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される単色、例えばブラックイン
ク用のインクカートリッジの一実施形態の断面図であ
る。
【図2】図1に示したインクカートリッジに適したイン
クジェット記録装置の要部の実施形態を示す断面図であ
る。
【図3】圧電装置の一実施形態であるアクチュエータ1
06の図である。
【図4】ある液体に対して親液性である材料と疎液性で
ある材料とを示す図である。
【図5】アクチュエータ106が容器本体1に配備され
ている部分を拡大した断面図である。
【図6】アクチュエータ106が容器本体1の側壁に配
備されている部分を拡大した断面図である。
【図7】アクチュエータ106を取り付けモジュール体
100として一体形成した構成を示す斜視図である。
【図8】複数種類のインクを収容するインクカートリッ
ジの一実施例を示す裏側から見た斜視図である。
【符号の説明】
1・・・容器 1c・・・貫通孔 1d・・・内側面 2・・・インク供給口 4・・・パッキン 5・・・バネ 6・・・弁体 7・・・半導体記憶手段 9、10、11・・・インク室 12、13、14・・・インク供給口 15、16、17・・・アクチュエータ 10・・・アクチュエータ 30・・・キャリッジ 31・・・記録ヘッド 32・・・インク供給針 33・・・サブタンクユニット 100・・・モジュール体 101・・・液体容器取付部 102・・・基台 116・・・円柱部 160・・・圧電層 161・・・開口 162・・・キャビティ 164・・・上部電極 166・・・下部電極 168・・・上部電極端子 170・・・下部電極端子 172・・・補助電極 176・・・振動板 176a・・・振動領域 178・・・基板 178a・・・基板接触面 L・・・液体 B2、B1・・・材料 θ・・・接触角

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を収容する容器本体と、前記容器本
    体内の液体を外部へ供給する液体供給口と、前記容器本
    体内の液体の消費状態を検出する圧電装置とを備え、前
    記容器本体内の液体と疎液性である疎液部を有すること
    を特徴とする液体容器。
  2. 【請求項2】 前記疎液部は前記圧電装置のうち前記容
    器本体内の液体と接触する振動領域を含むことを特徴と
    する請求項1に記載の液体容器。
  3. 【請求項3】 前記圧電装置は前記容器本体内の液体と
    接触することができるように前記容器本体の内方に開口
    するキャビティを有し、前記疎液部は前記キャビティの
    内側面を含むことを特徴とする請求項1に記載の液体容
    器。
  4. 【請求項4】 液体を収容するための容器本体および前
    記容器本体内の液体を外部へ供給する液体供給口を備え
    た液体容器と、前記容器本体内の液体の消費状態を検出
    する圧電装置とを準備するステップと、 前記圧電装置に前記容器本体内の液体と疎液性がある疎
    液部を形成する形成ステップと、 前記形成ステップの後に前記圧電装置を前記液体容器に
    配備する配備ステップと、 を有することを特徴とする液体容器製造方法。
  5. 【請求項5】 液体を収容するための容器本体および前
    記容器本体内の液体を外部へ供給する液体供給口を備え
    た液体容器と、前記容器本体内の液体の消費状態を検出
    する圧電装置とを準備するステップと、 前記圧電装置を前記液体容器に配備する配備ステップ
    と、 前記配備ステップの後に前記圧電装置に前記容器本体内
    の液体と疎液性がある疎液部を形成する形成ステップ
    と、 を有することを特徴とする液体容器製造方法。
  6. 【請求項6】 液体を収容するための容器本体および前
    記容器本体内の液体を外部へ供給する液体供給口を備え
    た液体容器と、前記容器本体内の液体の消費状態を検出
    する圧電装置と、前記圧電装置を前記液体容器に取り付
    けるための取付構造体とを準備するステップと、 前記圧電装置を前記取付構造体に配備する配備ステップ
    と、 前記配備ステップの後に少なくとも前記圧電装置に前記
    容器本体内の液体と疎液性がある疎液部を形成する形成
    ステップと、 前記形成ステップの後に前記取付構造体を前記容器本体
    に取り付ける取付ステップと、 を有することを特徴とする液体容器製造方法。
  7. 【請求項7】 液体を収容するための容器本体および前
    記容器本体内の液体を外部へ供給する液体供給口を備え
    た液体容器と、前記容器本体内の液体の消費状態を検出
    する圧電装置と、前記圧電装置を前記液体容器に取り付
    けるための取付構造体とを準備するステップと、 少なくとも前記圧電装置に前記容器本体内の液体と疎液
    性がある疎液部を形成する形成ステップと、 前記形成ステップの後に前記圧電装置を前記取付構造体
    に配備する配備ステップと、 前記配備ステップの後に前記取付構造体を前記容器本体
    に取り付ける取付ステップと、 を有することを特徴とする液体容器製造方法。
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