JP2001328277A - 液体容器 - Google Patents

液体容器

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JP2001328277A JP2000146982A JP2000146982A JP2001328277A JP 2001328277 A JP2001328277 A JP 2001328277A JP 2000146982 A JP2000146982 A JP 2000146982A JP 2000146982 A JP2000146982 A JP 2000146982A JP 2001328277 A JP2001328277 A JP 2001328277A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク残量を正確に検出でき、かつ複雑なシ
ール構造を不要としたインクカートリッジを提供する。
また、インクカートリッジ内のインクが圧電装置付近に
おいて波打ち、または泡立つことを防止する。インクカ
ートリッジ内のインクが波打ち、または泡立った場合に
おいても、圧電装置が、正確に液面の検出をし、インク
の消費量を正確に検出できるインクカートリッジを提供
する。 【解決手段】 インクカートリッジは、インク滴を吐出
する記録ヘッドを有するインクジェット記録装置に装着
され、記録ヘッドへ容器内の液体を供給する。液体を収
容する容器と、液体を容器の外部へ供給する液体供給口
と、容器内の液体の消費状態を検出する圧電装置と、容
器内部の圧電装置に対向する位置に配備される防波壁
と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体容器内の液体
の消費状態を検出する圧電装置を有する液体容器に関
し、より詳しくは、インクジェット記録装置において、
記録ヘッドへ液体を供給する液体容器内の液体の消費状
態を検知する圧電装置を有する液体容器に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、圧力発生室
を加圧する圧力発生手段と、加圧されたインクをノズル
開口からインク滴として吐出するノズル開口とを備えた
インクジェット記録ヘッドをキャリッジに搭載する。イ
ンクジェット記録装置は、インクタンクのインクを流路
を介して記録ヘッドに供給しながら印刷を継続可能に構
成されている。インクタンクは、インクが消費された時
点で、ユーザが簡単に交換できるように着脱可能なカー
トリッジとして構成されている。
【0003】従来、インクカートリッジのインク消費の
管理方法として、記録ヘッドでのインク滴の吐出数やメ
ンテナンスにより吸引されたインク量をソフトウエアに
より積算してインク消費を計算により管理する方法と、
インクカートリッジに液面検出用の電極を取付けること
により、実際にインクが所定量消費された時点を管理す
る方法などがある。
【0004】ところで、インクカートリッジのインク消
費の管理方法として、記録ヘッドでのインク滴の吐出数
やメンテナンスにより吸引されたインク量をソフトウエ
アにより積算してインク消費を計算により管理する方法
と、インクカートリッジに液面検出用の電極を取付ける
ことにより、実際にインクが所定量消費された時点を管
理する方法などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ソフト
ウェアによりインク滴の吐出数やインク量を積算してイ
ンク消費を計算上管理する方法は、ユーザサイドでの印
刷形態等により誤差が生じたり、また同一カートリッジ
の再装着時には大きな誤差が生じるという問題がある。
また、使用環境により、例えば室温が極端な高低、ある
いはインクカートリッジの開封後の経過時間などによっ
てインクカートリッジ内の圧力やインクの粘度が変化し
て、計算上のインク消費量と実際の消費量との間に無視
できない誤差が生じてしまうという問題もあった。
【0006】一方、電極によりインクが消費された時点
を管理する方法は、インクの実量を検出できるため、イ
ンク残量を高い信頼性で管理できる。しかしながら、イ
ンクの液面の検出をインクの導電性に頼るので、検出可
能なインクの種類が限定されたり、また電極のシール構
造が複雑化する問題がある。また、電極の材料として通
常は導電性が良く耐腐食性も高い貴金属を使用するの
で、インクカートリッジの製造コストがかさむという問
題もあった。さらに、2本の電極を装着する必要がある
ため、製造工程が多くなり結果として製造コストがかさ
んでしまうという問題もあった。
【0007】また、インクカートリッジに圧電装置を取
付けることによりインクの消費状態を管理する場合に、
印字時におけるインクカートリッジの走査によって、イ
ンクカートリッジ内のインクが波打ち、または泡立つこ
とがある。インクが圧電装置付近において波打ち、また
は泡立つことによって、インクやインクの泡が圧電装置
に付着する。圧電装置に付着したインクやインクによっ
て、圧電装置はインクの消費量を正確に検出することが
できない場合が生ずる。
【0008】そこで本発明は、液体の残量を正確に検出
でき、かつ複雑なシール構造を不要とした液体容器を提
供することを目的とする。
【0009】また、液体容器内の圧電装置付近において
液体が波打ち、または泡立つことを防止することを目的
とする。
【0010】さらに、液体容器内の液体が波打ち、また
は泡立った場合においても、圧電装置が、正確に液面の
検出をし、液体の消費量を正確に検出できる液体容器を
提供することを目的とする。
【0011】この目的は特許請求の範囲における独立項
に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属
項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明に従った液
体容器の第1の形態によると、液体を収容する容器と、
液体を容器の外部へ供給する液体供給口と、容器内の液
体の消費状態を検出する圧電装置と、容器内部の圧電装
置に対向する位置に配備される防波壁と、を備える。
【0013】好ましくは、圧電装置と防波壁との間には
間隙が設けられている。好ましくは、間隙には毛細管力
が作用しない。または、圧電装置と防波壁との間の毛細
管力は、液体を保持する程度の毛細管力より小さい。
【0014】圧電装置は、容器の内方に向けて開口する
キャビティを有していてもよい。
【0015】好ましくは、防波壁は、容器に対して固定
するように、容器の内壁から延びている。好ましくは。
防波壁は、液体の液面に対してほぼ垂直の方向に延びて
いる。また、好ましくは、防波壁は、液体の液面に対し
てほぼ平行の方向に延びている。
【0016】容器は、液体の液面に対して下方にある底
壁を有し、防波壁は、底壁から延びていてもよい。防波
壁は液体の液面に対して傾斜して延びていてもよい。
【0017】好ましくは、容器は、液体の液面に対して
ほぼ垂直の方向に延びている側壁を有している。側壁と
防波壁との間の間隙は、液体の液面に対して上方へいく
にしたがって広がっていてもよい。
【0018】好ましくは、容器は、液体の液面に対して
上方にある頂壁をさらに有しており、防波壁は頂壁まで
延びている。防波壁と頂壁との境界は気密かつ液密に結
合しており、かつ防波壁と底壁との境界には液体が通過
する連通口が配設されていてもよい。
【0019】好ましくは、当該液体容器は、防波壁を境
として圧電装置がある側の頂壁に、気体を収容できる凹
部が形成されている。
【0020】防波壁は、頂壁から延びていてもよい。好
ましくは、防波壁と頂壁との境界は気密かつ液密に閉じ
ており、防波壁を境として圧電装置がある側の頂壁に、
気泡を捕らえる凹部が形成されている。
【0021】好ましくは、容器は、液体の液面に対して
ほぼ垂直の方向に延びている側壁を有する。防波壁は、
側壁から延びていてもよい。また、防波壁は複数個配備
されてもよい。
【0022】好ましくは、容器は、液体の液面に対して
上方にある頂壁と、液体の液面に対して下方にある底壁
と、を有している。複数の防波壁は、頂壁と底壁とから
交互に延びていてもよい。
【0023】好ましくは、容器は、液体の液面に対して
ほぼ垂直の方向に延びる第1側壁と、第1側壁と対向す
る側で液体の液面に対してほぼ垂直の方向に延びる第2
側壁を有している。複数の防波壁は、第1側壁と第2側
壁とから交互に延びていてもよい。
【0024】好ましくは、容器は、互いに隣接する少な
くとも二つの壁面を有する。圧電装置は、少なくとも二
つの壁面の境界にある境界部に配備されていてもよい。
さらに、好適には、防波壁は、防波壁の一端は前少なく
とも二つの壁面のうち一方の壁面から延び、他端は他方
の壁面の壁から延びている。
【0025】防波壁は、ほぼ平面の形状であってもよ
く、L字の形状であってもよく、さらに球の形状の一部
分であってもよい。また、防波壁は、防波壁の端の少な
くとも一部分が圧電装置が配備される壁面に向かうよう
に屈曲している屈曲部を有し、防波壁と圧電装置との間
には毛細管力が作用せず、かつ屈曲部と圧電装置が配備
される壁面との間には毛細管力が作用するように設計し
てもよい。
【0026】容器は、防波壁によって少なくとも二つの
液体収容室に仕切られていてもよい。かかる場合、好ま
しくは、二つの液体収容室のうち、液体供給口に比較的
に近い供給口側液体収容室には多孔質部材を配備し、液
体供給口から比較的に遠い奥側液体収容室には圧電装置
が配備される。好ましくは、防波壁と容器とは同じ材料
によって一体的に形成されている。防波壁は、少なくと
も一部分がメッシュ構造であってもよく、防波壁が多孔
質部材であってもよい。さらに、多孔質部材は負圧発生
部材であってもよい。
【0027】好ましくは、圧電装置は振動を生ずる振動
部を有し、振動部が振動を発生した後、振動部に残留す
る残留振動によって逆起電力を発生し、この逆起電力に
基づいて液体の消費状態を検出する。好ましくは、当該
液体容器は、インク滴を吐出する記録ヘッドを有するイ
ンクジェット記録装置に装着され、記録ヘッドへ容器内
の液体を供給する。
【0028】なお上記の発明の概要は、本発明の必要な
特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群の
サブコンビネーションも又発明となりうる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を通じて
本発明を詳細に説明する。以下の実施形態はクレームに
かかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で
説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手
段に必須であるとは限らない。
【0030】本発明の基本的概念は、振動現象を利用す
ることで、液体容器内の液体の状態(液体容器内の液体
の有無、液体の量、液体の水位、液体の種類、液体の組
成を含む)を検出することである。具体的な振動現象を
利用した液体容器内の液体の状態の検出としてはいくつ
かの方法が考えられる。例えば弾性波発生手段が液体容
器の内部に対して弾性波を発生し、液面あるいは対向す
る壁によって反射する反射波を受波することで、液体容
器内の媒体およびその状態の変化を検出する方法があ
る。また、これとは別に、振動する物体の振動特性から
音響インピーダンスの変化を検知する方法もある。音響
インピーダンスの変化を利用する方法としては、圧電素
子を有する圧電装置またはアクチュエータの振動部を振
動させ、その後に振動部に残留する残留振動によって生
ずる逆起電力を測定することによって共振周波数を検出
することで音響インピーダンスの変化を検知する方法
や、測定機、例えば伝送回路等のインピーダンスアナラ
イザによって液体のインピーダンス特性またはアドミッ
タンス特性を測定し、電流値や電圧値の変化または、振
動を液体に与えたときの電流値や電圧値の周波数による
変化を測定する方法がある。
【0031】本実施例においては、圧電装置またはアク
チュエータを使用することによって、圧電装置またはア
クチュエータの振動部に残留する残留振動により液体容
器内の媒体およびその状態の変化を検出する。圧電装置
またはアクチュエータの動作原理の詳細については後述
する。
【0032】図1から図13は、本発明に従った液体容
器の実施例として、例えば、単色のブラックインク用の
インクカートリッジの一形態の断面図である。本実施例
に従ったインクカートリッジは、液体Kを収容する容器
1と、液体Kを容器1の外部へ供給するインク供給口2
と、容器1内のインクの消費状態を検出するアクチュエ
ータ106と、アクチュエータ106に対向する位置に
配備される防波壁と、を備える。
【0033】インク供給口2にはパッキン4及び弁体6
が設けられている。図18に示すように、パッキン4は
記録ヘッド31に連通するインク供給針32と液密に係
合する。弁体6は、バネ5によってパッキン4に対して
常時弾接されている。インク供給針32が挿入される
と、弁体6はインク供給針32に押されてインク流路を
開放し、容器1内のインクがインク供給口2およびイン
ク供給針32を介して記録ヘッド31へ供給される。容
器1の上壁の上には、インクカートリッジ内のインクに
関する情報を格納した半導体記憶手段7が装着されてい
る。
【0034】図1(A)は、本発明に従ったインクカー
トリッジの一実施例の側断面図を示す。尚、図1から図
4では、防波壁1192a〜防波壁1192dは、イン
クの液面に対してほぼ水平に延びている。また、アクチ
ュエータ106はインクの液面に対して下方にある底壁
1aに配備されている。図1(A)に示すようにインク
を収容する容器1には、記録装置のインク供給針に接合
するインク供給口2が設けられている。容器1の底壁1
aの外側には、アクチュエータ106が容器に設けられ
た貫通孔1cを介して内部のインクに接触できるように
取付けられている。インクKがほぼ消費されつくした段
階、つまりインクニアエンドとなった時点で、弾性波の
伝達がインクから気体へと変更するべく、アクチュエー
タ106はインク供給口2よりも若干上方の位置に設け
られている。アクチュエータ106は、自ら振動を発生
することなく、単にインクカートリッジに生ずる振動を
検出する手段として用いても良い。
【0035】図1(B)は、本発明に従ったインクカー
トリッジの一実施例の正面からみた断面図を示す。図1
(B)に示すように、容器1は、インクの液面に対して
ほぼ垂直の方向に延びている側壁1020を有する。防
波壁1192aは、容器1の側壁1020に取り付けら
れることによって、容器1に対して固定されている。
【0036】アクチュエータ106と防波壁1192a
との間には間隙が設けられている。インクカートリッジ
内にインクが満たされている場合には、アクチュエータ
106と防波壁1192aとの間の間隙には、インクが
満たされる。一方、インクカートリッジ内のインクが消
費された場合には、アクチュエータ106と防波壁11
92aとの間の間隙には、インクが保持されないように
設計する。即ち、アクチュエータ106と防波壁119
2aとの間には、インクを保持するような毛細管力が無
い。
【0037】容器1には貫通孔1cが配設されているの
で、容器1内のインクが消費されてもインクが貫通孔1
cに残存する。したがって、インクカートリッジが印字
時の走査等により振動し、インク供給口2の近傍にある
インクが波打つ場合でも、予め貫通孔1cにインクが残
存するので、アクチュエータ106にインクが誤って付
着するということはない。よって、アクチュエータ10
6は、インクの有無を誤って検出することは少ない。
【0038】本発明に従ったインクカートリッジは、ア
クチュエータ106と対向するように防波壁が配備され
ている。したがって、インク供給口2の近傍にあるイン
クが波打ったとしても、防波壁がアクチュエータ106
に波打ったインクが接触することをも防止する。よっ
て、さらにアクチュエータ106は、インクの有無を誤
って検出することはなくなる。
【0039】また、インクカートリッジが印字時の走査
等により振動し、インクが波打つ場合に、気泡が生ずる
場合がある。気泡がアクチュエータ106に付着した場
合には、容器1内にインクが満たされているにもかかわ
らず、インクが無いと、誤って検出する虞がある。しか
し、本実施例の構成によれば、インクカートリッジが印
字時の走査等により振動した場合であっても、防波壁に
よって、インクが圧電装置付近において波打つことを防
止する。インクが圧電装置付近において波打つことを防
止することによって、気泡が生ずることを防止する。ま
た、気泡が生じたとしても、防波壁はアクチュエータ1
06に対向するように配備されるため、防波壁は、気泡
がアクチュエータ106に接近し、接触するのを防止す
る。
【0040】防波壁の大きさ、厚さ、形、柔軟性および
材料に限定は無い。したがって、防波壁は、さらに大き
くしてもよく、小さくしてもよい。また、防波壁は、さ
らに厚くしてもよく、薄くしてもよい。また、また、防
波壁は、正方形でもよく、長方形でもよく、多角形や楕
円形でもよい。また、防波壁は、鋼質な材料から形成し
てもよく、柔軟な材料から形成してもよい。さらに、防
波壁は、気密または液密の材料から形成してもよく、逆
に、通気または液体を通過させる材料から形成してもよ
い。例えば、気密または液密の材料としては、プラスチ
ック、テフロン(登録商標)、ナイロン、ポリプロピレ
ン、PETなどがある。一方、通気または液体を通過さ
せる材料としては、ナイロン等から組成される多孔質材
料やメッシュ構造を有する材料などがある。また、防波
壁に使用される多孔質材料は、負圧発生部材であっても
よい。
【0041】好ましくは、容器1と防波壁とは、一体的
に成形できるように同じ材料から形成される。それによ
って、インクカートリッジの製造行程が短縮化される。
【0042】尚、インクの消費に伴い、インクカートリ
ッジの内部が極度の負圧になるとインク供給口2からイ
ンクを記録ヘッドへ供給できなくなるので、インクカー
トリッジの内部が極度の負圧ならないように、容器の一
部に通気孔(図示せず)を配設する。
【0043】図2は、本発明に従ったインクカートリッ
ジの他の実施例の側断面図を示す。図2に示すように、
防波壁1192bは、容器1のうち、インクの液面に対
して垂直に延びる側壁1030に取り付けられている。
本実施例に従ったインクカートリッジの正面からみた断
面図は、図1(B)または図3(B)のいずれかに示す
断面図と同一である。
【0044】本実施例におけるインクカートリッジにお
いては、防波壁1192bは、図1の防波壁1192a
と比較して長く延びている。したがって、防波壁119
2bは、アクチュエータ106をインクの波から防ぐ効
果が高い。
【0045】図3(A)は、本発明に従ったインクカー
トリッジのさらに他の実施例の側断面図を示す。図3
(A)に示すように、容器1の壁のうち、インクの液面
に対して垂直に延びる側壁1010および側壁1030
が互いに対向するように位置する。防波壁1192c
は、側壁1010から側壁1030まで延びている。
【0046】図3(B)は、図3(A)のインクカート
リッジを正面からみた断面図を示す。側壁1020と防
波壁1192cとの間は、インクが通過できるように間
隙が設けられている。
【0047】図4は、本発明に従ったインクカートリッ
ジのさらに他の実施例の側断面図を示す。本実施例にお
いては、アクチュエータ106は、底壁1aに設けられ
ている傾斜面に配備されている。防波壁1192dは、
容器の内壁のうちインク供給口2の近傍から、アクチュ
エータ106と対向するように延びている。
【0048】図5(A)は、本発明に従ったインクカー
トリッジのさらに他の実施例の側断面図を示す。
【0049】尚、図5から図7までにおいて、アクチュ
エータ106は、インクの液面に対して垂直に延びる側
壁1030に配備されている。また、図5から図7まで
において、防波壁1192e〜1192gは、インクの
液面に対してほぼ垂直、即ち、側壁1030とほぼ平行
に延びている。
【0050】防波壁1192eは、アクチュエータ10
6に直面するように、対向する位置に配備される。防波
壁1192eは、底壁1aから延びる。また、頂壁10
40と防波壁1192eとの間には間隙を有する。
【0051】図5(B)は、本発明に従ったインクカー
トリッジのさらに他の実施例の正面からみた断面図を示
す。防波壁1192eと側壁1020との間にはインク
が通過できる間隙を有する。それによって、インクが消
費された場合でも、容器1のうち防波壁1192eによ
って仕切られるアクチュエータ106の側にのみインク
が残存することがない。したがって、アクチュエータ1
06の周辺におけるインクの液面のレベルは、容器1の
他の領域のインクの液面のレベルと常に等しい。よっ
て、アクチュエータ106がインクの消費状態を誤って
検出することが無い。
【0052】また、防波壁1192eの底壁1aからの
長さは、アクチュエータ106のインクの液面に対する
高さや、インクの粘性等によりインクの波の生じやすさ
にしたがって変更できる。さらに、防波壁1192eと
側壁1020との間隙の間隔も、アクチュエータ106
のインクカートリッジの幅方向に対する位置、アクチュ
エータ106の振動領域の大きさ、またはインクの性質
に応じて変更できる。
【0053】図6(A)は、本発明に従ったインクカー
トリッジのさらに他の実施例の側断面図を示す。アクチ
ュエータ106は、側壁1030に配備されている。防
波壁1192fは、アクチュエータ106に直面するよ
うに、対向する位置に配備される。防波壁1192f
は、頂壁1040から延びる。また、底壁1aと防波壁
1192fとの間には間隙を有する。
【0054】図6(B)は、本発明に従ったインクカー
トリッジのさらに他の実施例の正面からみた断面図を示
す。防波壁1192fと側壁1020との間は、液密に
結合される。それによって、インクが消費された場合で
も、容器1のうち防波壁1192fによって仕切られる
アクチュエータ106の側にのみインクが残存する。し
かし、インクの液面が防波壁1192fの下端192a
に到達したときに、容器1のうち防波壁1192fによ
って仕切られるアクチュエータ106の側に気体が侵入
する。それによって、容器1のうち防波壁1192fに
よって仕切られるアクチュエータ106の側に残存して
いたインクがインク供給口2の側へ流出し、アクチュエ
ータ106周辺は、インクから気体へ変更する。それに
よって、アクチュエータ106は、インクカートリッジ
内のインクがインクエンドであることを検出することが
できる。本実施例によれば、インクエンドであるインク
の液面のレベルを決定するのは、下端192aである。
したがって、アクチュエータ106は、インクの液面に
対して下端192aより上方に配備されている限り、壁
面1030のいずれの位置に配備されてもよい。尚、容
器1のうち防波壁1192fによって仕切られるインク
供給口2の側の頂壁には、気体を導入する通気孔が配備
される。
【0055】図7(A)は、本発明に従ったインクカー
トリッジのさらに他の実施例の側断面図を示す。アクチ
ュエータ106は、容器1の壁のうち、インクの液面に
垂直な側壁1030に配備されている。防波壁1192
gは、アクチュエータ106に直面するように、対向す
る位置に配備される。防波壁1192gは、底壁1aか
ら、頂壁1040まで延びている。
【0056】図7(B)は、本発明に従ったインクカー
トリッジのさらに他の実施例の正面からみた断面図を示
す。防波壁1192gと側壁1020との間にはインク
が通過できる間隙を有する。それによって、インクが消
費された場合でも、容器1のうち防波壁1192gによ
って仕切られるアクチュエータ106の側にのみインク
が残存することがない。したがって、アクチュエータ1
06の周辺におけるインクの液面のレベルは、容器1の
他の領域のインクの液面のレベルと常に等しい。
【0057】また、防波壁1192gと側壁1020と
の間隙の間隔は、アクチュエータ106のインクカート
リッジの幅方向に対する位置や、インクの性質に応じて
変更できる。
【0058】本発明に従ったインクカートリッジのさら
に他の実施例の側断面図を図8から図10に示す。尚、
図8から図10においては、アクチュエータ106は、
インク供給口2が配設される側壁1010に配備されて
いる。
【0059】図8において、防波壁1192iは、アク
チュエータ106に直面するように、対向する位置に配
備される。防波壁1192iは、インクカートリッジの
インク供給口2の近傍の内壁のうち、インク供給口2の
外壁ともなっている供給口壁2aから延びている。一方
で、頂壁1040と防波壁1192iとの間には、間隙
が設けられている。
【0060】本実施例によるインクカートリッジの正面
からみた断面図は図5(B)と類似するので図8におい
ては、省略する。防波壁1192iと側壁1020との
間には間隙がある。したがって、インクが消費された場
合でも、図5の実施例と同様に、容器1のうち防波壁1
192iによって仕切られるアクチュエータ106の側
にのみインクが残存することがない。したがって、アク
チュエータ106の周辺におけるインクの液面のレベル
は、容器1の他の領域のインクの液面のレベルと常に等
しい。
【0061】図9において、防波壁1192jは、アク
チュエータ106に直面するように、対向する位置に配
備される。防波壁1192jは、頂壁1040から延び
ている。一方で、供給口壁2aと防波壁1192jとの
間には、間隙が設けられている。
【0062】本実施例によるインクカートリッジの正面
からみた断面図は図6(B)と類似するので図9におい
ては、省略する。防波壁1192jと側壁1020との
間は、液密に結合される。したがって、図6の実施例と
同様に、アクチュエータ106は、インクの液面に対し
て下端192aより上方に配備されている限り、壁面1
030のいずれの位置に配備されてもよい。
【0063】図10において、防波壁1192kは、ア
クチュエータ106に直面するように、対向する位置に
配備される。防波壁1192kは、頂壁1040から、
供給口壁2aまで延びている。
【0064】本実施例によるインクカートリッジの正面
からみた断面図は図7(B)と類似するので図10にお
いては、省略する。防波壁1192kと側壁1020
(図7(B)参照)との間には間隙がある。したがっ
て、インクが消費された場合でも、図5の実施例と同様
に、容器1のうち防波壁1192kによって仕切られる
アクチュエータ106の側にのみインクが残存すること
がない。したがって、アクチュエータ106の周辺にお
けるインクの液面のレベルは、容器1の他の領域のイン
クの液面のレベルと常に等しい。
【0065】本発明に従ったインクカートリッジのさら
に他の実施例の側断面図を図11から図13に示す。
尚、図11から図13において、アクチュエータ106
は、インクの液面に対して下方にある底壁1aと、イン
クの液面に対して垂直に延びる側壁1030と、の境界
に配備されている。
【0066】図11においては、防波壁1192mは、
その一端を底壁1aに取り付けられ、その他端を側壁1
030に取り付けられることによって固定される。防波
壁1192mは、アクチュエータ106に直面するよう
に配備される。防波壁1192mは、インクの液面に対
して傾斜して配備される。本実施例の場合、容器1の壁
のうち、側壁1020と防波壁1192mとの間に間隙
がある。したがって、インクが消費された場合でも、ア
クチュエータ106の周辺におけるインクの液面のレベ
ルは、容器1の他の領域のインクの液面のレベルと常に
等しい。また、本実施例の場合、防波壁1192mは、
ほぼ平面形状である。
【0067】本実施例に従ったインクカートリッジで
は、アクチュエータ106を容器1の壁の境界に配備す
るので、インクカートリッジの製造時において、アクチ
ュエータ106の位置付けが容易になる。また、防波壁
1192mの長さまたは幅を小さくすることができるの
で、材料の負担が小さい。さらに、防波壁1192mを
容器1と独立した部材として製造した場合であっても、
容器1の壁の境界に位置付けることは、比較的容易であ
る。したがって、インクカートリッジの製造を容易にす
る。
【0068】図12においては、アクチュエータ106
および防波壁1192nの取り付け位置については、図
11と同様である。一方で、防波壁1192nの形状
は、本実施例の場合、球殻の形状の一部分である。防波
壁1192nを球殻の形状にすることによって、アクチ
ュエータ106と防波壁1192nのすべての部分との
距離が等しくなる。それによって、防波壁1192n
が、アクチュエータ106が検出する残留振動に影響を
与えない。
【0069】また、防波壁1192nは、中空の円筒形
状の一部分としてもよい。
【0070】図13においては、アクチュエータ106
および防波壁1192pの取り付け位置については、図
11と同様である。一方で、防波壁1192pの形状
は、本実施例の場合、L字の形状である。防波壁119
2pは、側壁1030と底壁1aとから等距離だけ離間
するように配備される。防波壁1192pをL字の形状
にし、防波壁1192pとアクチュエータ106との間
に毛細管力が作用しない程度に防波壁1192pとアク
チュエータ106との間隙を小さくすることによって、
アクチュエータ106周辺での波打ち、および泡立ちを
より効果的に防止することができる。
【0071】図14は、複数種類のインクを収容するイ
ンクカートリッジの一実施例を示す裏側から見た斜視図
である。容器8は、隔壁により3つのインク収容室9、
10及び11に分割される。それぞれのインク収容室に
は、インク供給口12、13及び14が形成されてい
る。それぞれのインク収容室9、10及び11の底面8
aには、アクチュエータ15、16および17が配備さ
れる。アクチュエータ15、16および17は、容器8
に設けられた貫通孔(図示せず)を介して各インク収容
室内に収容されているインクに接触できるように取付け
られている。
【0072】3つの異なる防波壁(図示せず)が、各イ
ンク収容室9、10及び11内において、図1から図3
に示すようにアクチュエータ15、16および17に対
抗する位置に配備されればよい。
【0073】図15は、複数種類のインクを収容するイ
ンクカートリッジの他の実施例を示す裏側から見た斜視
図である。容器8は、隔壁により3つのインク収容室
9、10及び11に分割される。それぞれのインク収容
室には、インク供給口12、13及び14が形成されて
いる。それぞれのインク収容室9、10及び11のイン
クの液面に対して垂直に延びる側壁1028には、アク
チュエータ15、16および17が、配備される。アク
チュエータ15、16および17は、容器8に設けられ
た貫通孔(図示せず)を介して各インク収容室内に収容
されているインクに接触できるように取付けられてい
る。尚、アクチュエータ16は、インク収容室9とイン
ク収容室10との隔壁またはインク収容室10とインク
収容室11との隔壁のいずれか一方に配備すれば足り
る。
【0074】防波壁(図示せず)は、アクチュエータ1
5、16および17に対向するように配備する。さら
に、各インク収容室9、10及び11内において、イン
クの液面に対して垂直の方向へ延びるように配備すれば
よい。
【0075】図16は、複数種類のインクを収容するイ
ンクカートリッジの他の実施例を示す裏側から見た斜視
図である。容器8は、隔壁により3つのインク収容室
9、10及び11に分割される。それぞれのインク収容
室には、インク供給口12、13及び14が形成されて
いる。アクチュエータ15、16および17は、それぞ
れのインク供給口12、13および14のすぐ上に配備
されている。アクチュエータ15、16および17は、
容器8に設けられた貫通孔(図示せず)を介して各イン
ク収容室内に収容されているインクに接触できるように
取付けられている。
【0076】防波壁は、各インク収容室9、10及び1
1内において、図8から図11に示すように、アクチュ
エータ106と対向する位置に配備されればよい。
【0077】図17は、複数種類のインクを収容するイ
ンクカートリッジの他の実施例を示す裏側から見た斜視
図である。容器8は、図14から図16と同様の構成要
素を有する。底面8aには、インクの液面に対して傾斜
する傾斜面1025がある。アクチュエータ15、16
および17は、それぞれのインク収容室9,10および
11の傾斜面1025に配備される。
【0078】防波壁は、各インク収容室9、10及び1
1内において、図4に示すように配備されればよい。
【0079】さらに、アクチュエータ15、16および
17は、容器8の互いに隣接する壁の境界に設けてもよ
い。かかる場合には、防波壁は、各インク収容室9、1
0及び11内において、図11から図13のように配備
すればよい。
【0080】図18は、図1に示したインクカートリッ
ジに適したインクジェット記録装置の要部の実施形態を
示す断面図である。記録用紙の幅方向に往復動可能なキ
ャリッジ30は、サブタンクユニット33を備えてい
て、記録ヘッド31がはサブタンクユニット33の下面
に設けられている。また、インク供給針32はサブタン
クユニット33のインクカートリッジ搭載面側に設けら
れている。尚、本実施例においては図1に示したインク
カートリッジが使用されている。従って、防波壁119
2aがアクチュエータ106と対向する位置に配備され
ている。しかし、図2から図17に示したインクカート
リッジを図1に示したインクカートリッジに代えて使用
してもよい。従って、本実施例に図2から図17の防波
壁を使用してもよい。
【0081】図19は、本発明に従った液体容器の実施
例として、サブタンクユニット33の実施例の断面図を
示す。サブタンクユニット33は、インク供給針32、
インク収容室34、膜弁36、及びフィルタ37を有す
る。インク収容室34内には、インクカートリッジから
インク供給針32を介して供給されるインクが収容され
る。膜弁36は、インク収容室34とインク供給路35
との間の圧力差により開閉するよう設計されている。イ
ンク供給路35は記録ヘッド31に連通しており、イン
クが記録ヘッド31まで供給される構造となっている。
【0082】さらに、アクチュエータ106は、サブタ
ンクユニット33の壁のうち、インクの液面に対して垂
直に延びる側壁1050に配備されるように構成しても
よい。アクチュエータ106は、側壁1050に配設さ
れた貫通孔1001cを介してインク収容室34内のイ
ンクと接触するように取り付けられる。防波壁1192
qは、アクチュエータ106に対向するように、フィル
タ37からインクの液面の上方へ向かって延びている。
インクの液面に対して上方にある頂壁1060と防波壁
1192qとの間には間隙がある。
【0083】アクチュエータ106と防波壁1192q
との間には間隙が設けられている。インクカートリッジ
内にインクが満たされている場合には、アクチュエータ
106と防波壁1192qとの間の間隙には、インクが
満たされる。一方、インクカートリッジ内のインクが消
費された場合には、アクチュエータ106と防波壁11
92qとの間の間隙には、インクが保持されないように
設計する。即ち、アクチュエータ106と防波壁119
2qとの間には、インクを保持するような毛細管力が無
い。
【0084】側壁1050の方向からみたサブタンクユ
ニット33の断面図は、図5(B)に示したインクカー
トリッジにおける断面図に類似する。側壁1050に隣
接する側壁(図示せず)と防波壁1192qとの間に
は、間隙が設けられている。アクチュエータ106の周
辺におけるインクの液面のレベルは、容器1の他の領域
のインクの液面のレベルと常に等しい。従って、インク
収容室34内のインクが消費されるとともに側壁105
0と防波壁1192qとの間のインクの液面も下がる。
よって、アクチュエータ106がインクの消費状態を誤
って検出することが無い。
【0085】また、防波壁1192qのフィルタ37か
らの長さは、アクチュエータ106のインクの液面に対
する位置や、インクの粘性等によりインクの波の生じや
すさにしたがって変更できる。さらに、防波壁1192
qと側壁1020との間隙の間隔も、アクチュエータ1
06のサブタンクユニット33に対する位置、アクチュ
エータ106の振動領域の大きさ、またはインクの性質
に応じて変更できる。
【0086】図18に示すように、容器1のインク供給
口2をサブタンクユニット33のインク供給針32に挿
通すると、弁体6がバネ5に抗して後退し、インク流路
が形成され、容器1内のインクがインク収容室34に流
れ込む。インク収容室34にインクが充填された段階
で、記録ヘッド31のノズル開口に負圧を作用させて記
録ヘッド31にインクを充填した後、記録動作を実行す
る。
【0087】記録動作により記録ヘッド31においてイ
ンクが消費されると、膜弁36の下流側の圧力が低下す
るので、図4に示すように、膜弁36が弁体38から離
れて開弁する。膜弁36が開くことにより、インク収容
室34のインクはインク供給路35を介して記録ヘッド
31に流れこむ。記録ヘッド31へのインクの流入に伴
なって、容器1のインクは、インク供給針32を介して
サブタンクユニット33に流れ込む。
【0088】尚、アクチュエータ106および防波壁
は、インクカートリッジまたはサブタンクユニットのい
ずれかに配備すれば足りるが、インクカートリッジおよ
びサブタンクユニットの両方に配備してもよい。
【0089】アクチュエータ106および防波壁が、イ
ンクカートリッジおよびサブタンクユニットの両方に配
備されることによって、インクカートリッジまたはサブ
タンクユニットのインクエンドをさらに精度良く検出す
ることができる。例えば、インクカートリッジに配備さ
れたアクチュエータ106がインクエンドを検出した
後、記録ヘッドが吐出するドット数をソフト的に計測
し、ドット数が所定のドット数に達した場合、またはサ
ブタンクユニット33に配備されたアクチュエータ10
6がインクエンドを検出した場合、のうちいずれか一方
の場合が生じたときに記録を停止するよう設定できる。
さらに、インクカートリッジに配備されたアクチュエー
タ106がインクエンドを検出した後のドット数が所定
のドット数に達した場合、およびサブタンクユニット3
3に配備されたアクチュエータ106がインクエンドを
検出した場合、の両方の場合が生じたときに記録を停止
するよう設定してもよい。
【0090】記録装置の動作期間中には、予め設定され
た周期でアクチュエータ106に駆動信号が供給される
ように設計してもよい。
【0091】図20は、本発明に従った液体容器の実施
例として、サブタンクユニット33の他の実施例の断面
図を示す。アクチュエータ106は、側壁1050に配
備される。防波壁1192rは、インクの液面に対して
上方にある頂壁1060からインクの液面に対して下方
へ延びる。防波壁1192rの下端192aとフィルタ
37との間には間隙がある。また、防波壁1192rと
側壁1050に隣接する側壁との間に間隙を設けてあ
る。図19の実施例と同様に、防波壁1192rとアク
チュエータ106との間には、インクを保持するような
毛細管力は無い。
【0092】防波壁1192rと側壁1050に隣接す
る側壁との間に間隙を設けてあるので、アクチュエータ
106の周辺におけるインクの液面のレベルは、容器3
4の他の領域のインクの液面のレベルに等しい。したが
って、アクチュエータ106のインクの液面に対する位
置によって、インクエンドを検出する。
【0093】図21は、本発明に従った液体容器の実施
例として、サブタンクユニット33のさらに他の実施例
の断面図を示す。アクチュエータ106は、側壁105
0に配備される。防波壁1192sは、頂壁1060か
らフィルタ37まで延びる。図19の実施例と同様に、
防波壁1192sとアクチュエータ106との間には、
インクを保持する程度の毛細管力は無い。
【0094】また、防波壁1192sと側壁1050に
隣接する側壁との間には間隙が設けられている。従っ
て、アクチュエータ106の周辺におけるインクの液面
のレベルは、容器34内の他の領域のインクの液面のレ
ベルに等しい。
【0095】図22および図23は、圧電装置の一実施
形態であるアクチュエータ106の詳細および等価回路
を示す。ここでいうアクチュエータは、少なくとも音響
インピーダンスの変化を検知して液体容器内の液体の消
費状態を検出する方法に用いられる。特に、残留振動に
より共振周波数の検出することで、少なくとも音響イン
ピーダンスの変化を検知して液体容器内の液体の消費状
態を検出する方法に用いられる。図22(A)は、アク
チュエータ106の拡大平面図である。図22(B)
は、アクチュエータ106のB−B断面を示す。図22
(C)は、アクチュエータ106のC-C断面を示す。
さらに図23(A)および図23(B)は、アクチュエー
タ106の等価回路を示す。また、図23(C)および
図23(D)は、それぞれインクカートリッジ内にイン
クが満たされているときのアクチュエータ106を含む
周辺およびその等価回路を示し、図23(E)および図
23(F)は、それぞれインクカートリッジ内にインク
が無いときのアクチュエータ106を含む周辺およびそ
の等価回路を示す。
【0096】アクチュエータ106は、ほぼ中央に円形
状の開口161を有する基板178と、開口161を被
覆するように基板178の一方の面(以下、表面とい
う)に配備される振動板176と、振動板176の表面
の側に配置される圧電層160と、圧電層160を両方
からはさみこむ上部電極164および下部電極166
と、上部電極164と電気的に結合する上部電極端子1
68と、下部電極166と電気的に結合する下部電極端
子170と、上部電極164および上部電極端子168
の間に配設され、かつ両者を電気的に結合する補助電極
172と、を有する。圧電層160、上部電極164お
よび下部電極166はそれぞれの主要部として円形部分
を有する。圧電層160、上部電極164および下部電
極166のそれぞれの円形部分は圧電素子を形成する。
【0097】振動板176は、基板178の表面に、開
口161を覆うように形成される。キャビティ162
は、振動板176の開口161と面する部分と基板17
8の表面の開口161とによって形成される。基板17
8の圧電素子とは反対側の面(以下、裏面という)は液
体容器側に面しており、キャビティ162は液体と接触
するように構成されている。キャビティ162内に液体
が入っても基板178の表面側に液体が漏れないよう
に、振動板176は基板178に対して液密に取り付け
られる。
【0098】下部電極166は振動板176の表面、即
ち液体容器とは反対側の面に位置しており、下部電極1
66の主要部である円形部分の中心と開口161の中心
とがほぼ一致するように取り付けられている。なお、下
部電極166の円形部分の面積が開口161の面積より
も小さくなるように設定されている。一方、下部電極1
66の表面側には、圧電層160が、その円形部分の中
心と開口161の中心とがほぼ一致するように形成され
ている。圧電層160の円形部分の面積は、開口161
の面積よりも小さく、かつ下部電極166の円形部分の
面積よりも大きくなるように設定されている。
【0099】一方、圧電層160の表面側には、上部電
極164が、その主要部である円形部分の中心と開口1
61の中心とがほぼ一致するように形成される。上部電
極164の円形部分の面積は、開口161および圧電層
160の円形部分の面積よりも小さく、かつ下部電極1
66の円形部分の面積よりも大きくなるよう設定されて
いる。
【0100】したがって、圧電層160の主要部は、上
部電極164の主要部と下部電極166の主要部とによ
って、それぞれ表面側と裏面側とから挟みこまれる構造
となっていて、圧電層160を効果的に変形駆動するこ
とができる。圧電層160、上部電極164および下部
電極166のそれぞれの主要部である円形部分がアクチ
ュエータ106における圧電素子を形成する。上述のよ
うに圧電素子は振動板176に接している。また、上部
電極164の円形部分、圧電層160の円形部分、下部
電極166の円形部分および開口161のうちで、面積
が最も大きいのは開口161である。この構造によっ
て、振動板176のうち実際に振動する振動領域は、開
口161によって決定される。また、上部電極164の
円形部分、圧電層160の円形部分および下部電極16
6の円形部分は開口161より面積が小さいので、振動
板176がより振動しやすくなる。さらに、圧電層16
0と電気的に接続する下部電極166の円形部分および
上部電極164の円形部分のうち、下部電極166の円
形部分の方が小さい。従って、下部端子166の円形部
分が圧電層160のうち圧電効果を発生する部分を決定
する。
【0101】上部電極端子168は、補助電極172を
介して上部電極164と電気的に接続するように振動板
176の表面側に形成される。一方、下部電極端子17
0は、下部電極166に電気的に接続するように振動板
176の表面側に形成される。上部電極164は、圧電
層160の表面側に形成されるため、上部電極端子16
8と接続する途中において、圧電層160の厚さと下部
電極166の厚さとの和に等しい段差を有する必要があ
る。上部電極164だけでこの段差を形成することは難
しく、かりに可能であったとしても上部電極164と上
部電極端子168との接続状態が弱くなってしまい、切
断してしまう危険がある。そこで、補助電極172を補
助部材として用いて上部電極164と上部電極端子16
8とを接続させている。このようにすることで、圧電層
160も上部電極164も補助電極172に支持された
構造となり、所望の機械的強度を得ることができ、また
上部電極164と上部電極端子168との接続を確実に
することが可能となる。
【0102】なお、圧電素子と振動板176のうちの圧
電素子に直面する振動領域とが、アクチュエータ106
において実際に振動する振動部である。また、アクチュ
エータ106に含まれる部材は、互いに焼成されること
によって一体的に形成されることが好ましい。アクチュ
エータ106を一体的に形成することによって、アクチ
ュエータ106の取り扱いが容易になる。さらに、基板
178の強度を高めることによって振動特性が向上す
る。即ち、基板178の強度を高めることによって、ア
クチュエータ106の振動部のみが振動し、アクチュエ
ータ106のうち振動部以外の部分が振動しない。ま
た、アクチュエータ106の振動部以外の部分が振動し
ないためには、基板178の強度を高めるのに対し、ア
クチュエータ106の圧電素子を薄くかつ小さくし、振
動板176を薄くすることによって達成できる。
【0103】圧電層160の材料としては、ジルコン酸
チタン酸鉛(PZT)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン
(PLZT)または鉛を使用しない鉛レス圧電膜を用い
ることが好ましく、基板178の材料としてジルコニア
またはアルミナを用いることが好ましい。また、振動板
176には、基板178と同じ材料を用いることが好ま
しい。上部電極164、下部電極166、上部電極端子
168および下部電極端子170は、導電性を有する材
料、例えば、金、銀、銅、プラチナ、アルミニウム、ニ
ッケルなどの金属を用いることができる。
【0104】上述したように構成されるアクチュエータ
106は、液体を収容する容器に適用することができ
る。例えば、インクジェット記録装置に用いられるイン
クカートリッジやインクタンク、あるいは記録ヘッドを
洗浄するための洗浄液を収容した容器などに装着するこ
とができる。
【0105】図22および図23に示されるアクチュエ
ータ106は、液体容器の所定の場所に、キャビティ1
62を液体容器内に収容される液体と接触するように装
着される。液体容器に液体が十分に収容されている場合
には、キャビティ162内およびその外側は液体によっ
て満たされている。一方、液体容器の液体が消費され、
アクチュエータの装着位置以下まで液面が降下すると、
キャビティ162内には液体は存在しないか、あるいは
キャビティ162内にのみ液体が残存されその外側には
気体が存在する状態となる。アクチュエータ106は、
この状態の変化に起因する、少なくとも音響インピーダ
ンスの相違を検出する。それによって、アクチュエータ
106は、液体容器に液体が十分に収容されている状態
であるか、あるいはある一定以上の液体が消費された状
態であるかを検知することができる。さらに、アクチュ
エータ106は、液体容器内の液体の種類も検出するこ
とが可能である。
【0106】ここでアクチュエータによる液面検出の原
理について説明する。
【0107】媒体の音響インピーダンスの変化を検出す
るには、媒体のインピーダンス特性またはアドミッタン
ス特性を測定する。インピーダンス特性またはアドミッ
タンス特性を測定する場合には、例えば伝送回路を利用
することができる。伝送回路は、媒体に一定電圧を印加
し、周波数を変えて媒体に流れる電流を測定する。また
は、伝送回路は、媒体に一定電流を供給し、周波数を変
えて媒体に印加される電圧を測定する。伝送回路で測定
された電流値または電圧値の変化は音響インピーダンス
の変化を示す。また、電流値または電圧値が極大または
極小となる周波数fmの変化も音響インピーダンスの変
化を示す。
【0108】上記の方法とは別に、アクチュエータは、
液体の音響インピーダンスの変化を共振周波数のみの変
化を用いて検出することができる。液体の音響インピー
ダンスの変化を利用する方法として、アクチュエータの
振動部が振動した後に振動部に残留する残留振動によっ
て生ずる逆起電力を測定することによって共振周波数を
検出する方法を用いる場合には、例えば圧電素子を利用
することができる。圧電素子は、アクチュエータの振動
部に残留する残留振動により逆起電力を発生する素子で
あり、アクチュエータの振動部の振幅によって逆起電力
の大きさが変化する。従って、アクチュエータの振動部
の振幅が大きいほど検出がしやすい。また、アクチュエ
ータの振動部における残留振動の周波数によって逆起電
力の大きさが変化する周期が変わる。従って、アクチュ
エータの振動部の周波数は逆起電力の周波数に対応す
る。ここで、共振周波数は、アクチュエータの振動部と
振動部に接する媒体との共振状態における周波数をい
う。
【0109】共振周波数fsを得るために、振動部と媒
体とが共振状態であるときの逆起電力測定によって得ら
れた波形をフーリエ変換する。アクチュエータの振動
は、一方向だけの変形ではなく、たわみや伸長等様々な
変形をともなうので、共振周波数fsを含め様々な周波
数を有する。よって、圧電素子と媒体とが共振状態であ
るときの逆起電力の波形をフーリエ変換し、最も支配的
な周波数成分を特定することで、共振周波数fsを判断
する。
【0110】周波数fmは、媒体のアドミッタンスが極
大またはインピーダンスが極小であるときの周波数であ
る。共振周波数fsとすると、周波数fmは、媒体の誘
電損失または機械的損失などによって、共振周波数fs
に対しわずかな誤差を生ずる。しかし、実測される周波
数fmから共振周波数fsを導出することは手間がかか
るため、一般には、周波数fmを共振周波数に代えて使
用する。ここで、アクチュエータ106の出力を伝送回
路に入力することで、アクチュエータ106は少なくと
も音響インピーダンスを検出することができる。
【0111】媒体のインピーダンス特性またはアドミッ
タンス特性を測定し周波数fmを測定する方法と、アク
チュエータの振動部における残留振動振動によって生ず
る逆起電力を測定することによって共振周波数fsを測
定する方法と、によって特定される共振周波数に差がほ
とんど無いことが実験によって証明されている。
【0112】アクチュエータ106の振動領域は、振動
板176のうち開口161によって決定されるキャビテ
ィ162を構成する部分である。液体容器内に液体が充
分に収容されている場合には、キャビティ162内に
は、液体が満たされ、振動領域は液体容器内の液体と接
触する。一方で、液体容器内に液体が充分にない場合に
は、振動領域は液体容器内のキャビティに残った液体と
接するか、あるいは液体と接触せず、気体または真空と
接触する。
【0113】本発明のアクチュエータ106にはキャビ
ティ162が設けられ、それによって、アクチュエータ
106の振動領域に液体容器内の液体が残るように設計
できる。その理由は次の通りである。
【0114】アクチュエータの液体容器への取り付け位
置や取り付け角度によっては、液体容器内の液体の液面
がアクチュエータの装着位置よりも下方にあるにもかか
わらず、アクチュエータの振動領域に液体が付着してし
まう場合がある。振動領域における液体の有無だけでア
クチュエータが液体の有無を検出している場合には、ア
クチュエータの振動領域に付着した液体が液体の有無の
正確な検出を妨げる。たとえば、液面がアクチュエータ
の装着位置よりも下方にある状態のとき、キャリッジの
往復移動などにより液体容器が揺動して液体が波うち、
振動領域に液滴が付着してしまうと、アクチュエータは
液体容器内に液体が充分にあるとの誤った判断をしてし
まう。そこで、逆にそこに液体を残存した場合であって
も液体の有無を正確に検出するように設計されたキャビ
ティを積極的に設けることで、液体容器が揺動して液面
が波立ったとしても、アクチュエータの誤動作を防止す
ることができる。このように、キャビティを有するアク
チュエータを用いることで、誤動作を防ぐことができ
る。
【0115】また、図23(E)に示すように、液体容
器内に液体が無く、アクチュエータ106のキャビティ
162に液体容器内の液体が残っている場合を、液体の
有無の閾値とする。すなわち、キャビティ162の周辺
に液体が無く、この閾値よりキャビティ内の液体が少な
い場合は、インク無しと判断し、キャビティ162の周
辺に液体が有り、この閾値より液体が多い場合は、イン
ク有りと判断する。例えば、アクチュエータ106を液
体容器の側壁に装着した場合、液体容器内の液体がアク
チュエータの装着位置よりも下にある場合をインク無し
と判断し、液体容器内の液体がアクチュエータの装着位
置より上にある場合をインク有りと判断する。このよう
に閾値を設定することによって、キャビティ内のインク
が乾燥してインクが無くなったときであってもインク無
しと判断し、キャビティ内のインクが無くなったところ
にキャリッジの揺れなどで再度インクがキャビティに付
着しても閾値を越えないので、インク無しと判断するこ
とができる。
【0116】ここで、図22および図23を参照しなが
ら逆起電力の測定による媒体とアクチュエータ106の
振動部との共振周波数から液体容器内の液体の状態を検
出する動作および原理について説明する。アクチュエー
タ106において、上部電極端子168および下部電極
端子170を介して、それぞれ上部電極164および下
部電極166に電圧を印加する。圧電層160のうち、
上部電極164および下部電極166に挟まれた部分に
は電界が生じる。その電界によって、圧電層160は変
形する。圧電層160が変形することによって振動板1
76のうちの振動領域がたわみ振動する。圧電層160
が変形した後しばらくは、たわみ振動がアクチュエータ
106の振動部に残留する。
【0117】残留振動は、アクチュエータ106の振動
部と媒体との自由振動である。従って、圧電層160に
印加する電圧をパルス波形あるいは矩形波とすること
で、電圧を印加した後に振動部と媒体との共振状態を容
易に得ることができる。残留振動は、アクチュエータ1
06の振動部を振動させるため、圧電層160をも変形
する。従って、圧電層160は逆起電力を発生する。そ
の逆起電力は、上部電極164、下部電極166、上部
電極端子168および下部電極端子170を介して検出
される。検出された逆起電力によって、共振周波数が特
定できるため、液体容器内の液体の状態を検出すること
ができる。
【0118】一般に、共振周波数fsは、 fs=1/(2*π*(M*Cact)1/2) (式1) で表される。ここで、Mは振動部のイナータンスMact
と付加イナータンスM’との和である。Cactは振動部
のコンプライアンスである。
【0119】図22(C)は、本実施例において、キャ
ビティにインクが残存していないときのアクチュエータ
106の断面図である。図23(A)および図23(B)
は、キャビティにインクが残存していないときのアクチ
ュエータ106の振動部およびキャビティ162の等価
回路である。
【0120】Mactは、振動部の厚さと振動部の密度と
の積を振動部の面積で除したものであり、さらに詳細に
は、図23(A)に示すように、 Mact=Mpzt+Melectrode1+Melectrode2+Mvib (式2) と表される。ここで、Mpztは、振動部における圧電層
160の厚さと圧電層160の密度との積を圧電層16
0の面積で除したものである。Melectrode1は、振動部
における上部電極164の厚さと上部電極164の密度
との積を上部電極164の面積で除したものである。M
electrode2は、振動部における下部電極166の厚さと
下部電極166の密度との積を下部電極166の面積で
除したものである。Mvibは、振動部における振動板1
76の厚さと振動板176の密度との積を振動板176
の振動領域の面積で除したものである。ただし、Mact
を振動部全体としての厚さ、密度および面積から算出す
ることができるように、本実施例では、圧電層160、
上部電極164、下部電極166および振動板176の
振動領域のそれぞれの面積は、上述のような大小関係を
有するものの、相互の面積の差は微小であることが好ま
しい。また、本実施例において、圧電層160、上部電
極164および下部電極166においては、それらの主
要部である円形部分以外の部分は、主要部に対して無視
できるほど微小であることが好ましい。従って、アクチ
ュエータ106において、Mactは、上部電極164、
下部電極166、圧電層160および振動板176のう
ちの振動領域のそれぞれのイナータンスの和である。ま
た、コンプライアンスCactは、上部電極164、下部
電極166、圧電層160および振動板176のうちの
振動領域によって形成される部分のコンプライアンスで
ある。
【0121】尚、図23(A)、図23(B)、図23
(D)、図23(F)は、アクチュエータ106の振動部
およびキャビティ162の等価回路を示すが、これらの
等価回路において、Cactはアクチュエータ106の振
動部のコンプライアンスを示す。Cpzt、Celectrode
1、Celectrode2およびCvibはそれぞれ振動部における
圧電層160、上部電極164、下部電極166および
振動板176のコンプライアンスを示す。Cactは、以
下の式3で表される。
【0122】 1/Cact=(1/Cpzt)+(1/Celectrode1)+(1/Celectrode2)+(1/Cvi b) (式3) 式2および式3より、図23(A)は、図23(B)のよ
うに表すこともできる。
【0123】コンプライアンスCactは、振動部の単位
面積に圧力をかけたときの変形によって媒体を受容でき
る体積を表す。また、コンプライアンスCactは、変形
のし易さを表すといってもよい。
【0124】図23(C)は、液体容器に液体が十分に
収容され、アクチュエータ106の振動領域の周辺に液
体が満たされている場合のアクチュエータ106の断面
図を示す。図23(C)のM’maxは、液体容器に液体が
十分に収容され、アクチュエータ106の振動領域の周
辺に液体が満たされている場合の付加イナータンスの最
大値を表す。M’ maxは、
【0125】 M’max=(π*ρ/(2*k3))*(2*(2*k*a)3/(3*π))/(π*a2)2 (式4) (aは振動部の半径、ρは媒体の密度、kは波数であ
る。)
【0126】で表される。尚、式4は、アクチュエータ
106の振動領域が半径aの円形である場合に成立す
る。付加イナータンスM’は、振動部の付近にある媒体
の作用によって、振動部の質量が見かけ上増加している
ことを示す量である。式4からわかるように、M’max
は振動部の半径aと、媒体の密度ρとによって大きく変
化する。
【0127】波数kは、 k=2*π*fact/c (式5) (factは液体が触れていないときの振動部の共振周波数
である。cは媒体中を伝播する音響の速度である。)
【0128】で表される。
【0129】図23(D)は、液体容器に液体が十分に
収容され、アクチュエータ106の振動領域の周辺に液
体が満たされている図23(C)の場合のアクチュエー
タ106の振動部およびキャビティ162の等価回路を
示す。
【0130】図23(E)は、液体容器の液体が消費さ
れ、アクチュエータ106の振動領域の周辺に液体が無
いものの、アクチュエータ106のキャビティ162内
には液体が残存している場合のアクチュエータ106の
断面図を示す。式4は、例えば、液体容器に液体が満た
されている場合に、インクの密度ρなどから決定される
最大のイナータンスM’maxを表す式である。一方、液
体容器内の液体が消費され、キャビティ162内に液体
が残留しつつアクチュエータ106の振動領域の周辺に
ある液体が気体または真空になった場合には、
【0131】M’=ρ*t/S (式6) と表せる。tは、振動にかかわる媒体の厚さである。S
は、アクチュエータ106の振動領域の面積である。こ
の振動領域が半径aの円形の場合は、S=π*a2であ
る。従って、付加イナータンスM’は、液体容器に液体
が十分に収容され、アクチュエータ106の振動領域の
周辺に液体が満たされている場合には、式4に従う。一
方で、液体が消費され、キャビティ162内に液体が残
留しつつアクチュエータ106の振動領域の周辺にある
液体が気体または真空になった場合には、式6に従う。
【0132】ここで、図23(E)のように、液体容器
の液体が消費され、アクチュエータ106の振動領域の
周辺に液体が無いものの、アクチュエータ106のキャ
ビティ162内には液体が残存している場合の付加イナ
ータンスM’を便宜的にM’cavとし、アクチュエータ
106の振動領域の周辺に液体が満たされている場合の
付加イナータンスM’maxと区別する。
【0133】図23(F)は、液体容器の液体が消費さ
れ、アクチュエータ106の振動領域の周辺に液体が無
いものの、アクチュエータ106のキャビティ162内
には液体が残存している図23(E)の場合のアクチュ
エータ106の振動部およびキャビティ162の等価回
路を示す。
【0134】ここで、媒体の状態に関係するパラメータ
は、式6において、媒体の密度ρおよび媒体の厚さtで
ある。液体容器内に液体が充分に収容されている場合
は、アクチュエータ106の振動部に液体が接触し、液
体容器内に液体が充分に収容されていない場合は、キャ
ビティ内部に液体が残存するか、もしくはアクチュエー
タ106の振動部に気体または真空が接触する。アクチ
ュエータ106の周辺の液体が消費され、図23(C)
のM’maxから図23(E)のM’cavへ移行する過程に
おける付加イナータンスをM’varとすると、液体容器
内の液体の収容状態によって、媒体の厚さtが変化する
ため、付加イナータンスM’varが変化し、共振周波数
fsも変化することになる。従って、共振周波数fsを
特定することによって、液体容器内の液体の有無を検出
することができる。ここで、図23(E)に示すように
t=dとした場合、式6を用いてM’cavを表すと、式
6のtにキャビティの深さdを代入し、
【0135】M’cav=ρ*d/S (式7) となる。
【0136】また、媒体が互いに種類の異なる液体であ
っても、組成の違いによって密度ρが異なるため、付加
イナータンスM´が変化し、共振周波数fsも変化す
る。従って、共振周波数fsを特定することで、液体の
種類を検出できる。尚、アクチュエータ106の振動部
にインクまたは空気のいずれか一方のみが接触し、混在
していない場合には、式4によって計算しても、M’の
相違を検出できる。
【0137】図24(A)は、インクタンク内のインク
の量とインクおよび振動部の共振周波数fsとの関係を
示すグラフである。ここでは液体の1例としてインクに
ついて説明する。縦軸は、共振周波数fsを示し、横軸
は、インク量を示す。インク組成が一定であるとき、イ
ンク残量の低下に伴い、共振周波数fsは、上昇する。
【0138】インク容器にインクが十分に収容され、ア
クチュエータ106の振動領域の周辺にインクが満たさ
れている場合には、その最大付加イナータンスM’max
は式4に表わされる値となる。一方で、インクが消費さ
れ、キャビティ162内に液体が残留しつつアクチュエ
ータ106の振動領域の周辺にインクが満たされていな
いときには、付加イナータンスM’varは媒体の厚さt
に基づいて式6によって算出される。式6中のtは振動
にかかわる媒体の厚さであるから、アクチュエータ10
6のキャビティ162のd(図22(B)参照)を小さ
く、即ち、基板178を十分に薄くすることによって、
インクが徐々に消費されていく過程を検出することもで
きる(図23(C)参照)。ここで、tinkは振動にかか
わるインクの厚さとし、tink−maxはM’maxにおける
tinkとする。例えば、インクカートリッジの底面にア
クチュエータ106をインクの液面に対してほぼ水平に
配備する。インクが消費され、インクの液面がアクチュ
エータ106からtink−maxの高さ以下に達すると、式
6によりM’varが徐々に変化し、式1により共振周波
数fsが徐々に変化する。従って、インクの液面がtの
範囲内にある限り、アクチュエータ106はインクの消
費状態を徐々に検出することができる。
【0139】また、アクチュエータ106の振動領域を
大きくまたは長くし、かつ縦に配置することによってイ
ンクの消費による液面の位置にしたがって、式6中のS
が変化する。従って、アクチュエータ106はインクが
徐々に消費されていく過程を検出することもできる。例
えば、インクカートリッジの側壁にアクチュエータ10
6をインクの液面に対してほぼ垂直に配備する。インク
が消費され、インクの液面がアクチュエータ106の振
動領域に達すると、水位の低下に伴い付加イナータンス
M’が減少するので、式1により共振周波数fsが徐々
に増加する。従って、インクの液面が、キャビティ16
2の径2a(図23(C)参照)の範囲内にある限り、
アクチュエータ106はインクの消費状態を徐々に検出
することができる。
【0140】図24(A)の曲線Xは、アクチュエータ1
06のキャビティ162を十分に浅くした場合や、アク
チュエータ106の振動領域を十分に大きくまたは長く
した場合のインクタンク内に収容されたインクの量とイ
ンクおよび振動部の共振周波数fsとの関係を表わして
いる。インクタンク内のインクの量が減少するととも
に、インクおよび振動部の共振周波数fsが徐々に変化
していく様子が理解できる。
【0141】より詳細には、インクが徐々に消費されて
いく過程を検出することができる場合とは、アクチュエ
ータ106の振動領域の周辺において、互いに密度が異
なる液体と気体とがともに存在し、かつ振動にかかわる
場合である。インクが徐々に消費されていくに従って、
アクチュエータ106の振動領域周辺において振動にか
かわる媒体は、液体が減少する一方で気体が増加する。
例えば、アクチュエータ106をインクの液面に対して
水平に配備した場合であって、tinkがtink−maxより
小さいときには、アクチュエータ106の振動にかかわ
る媒体はインクと気体との両方を含む。したがって、ア
クチュエータ106の振動領域の面積Sとすると、式4
のM’max以下になった状態をインクと気体の付加質量
で表すと、
【0142】 M’=M’air+M’ink= ρair*tair/S+ρink*tink/S (式8) となる。ここで、M’airは空気のイナータンスであ
り、M’inkはインクのイナータンスである。ρairは空
気の密度であり、ρinkはインクの密度である。tairは
振動にかかわる空気の厚さであり、tinkは振動にかか
わるインクの厚さである。アクチュエータ106の振動
領域周辺における振動にかかわる媒体のうち、液体が減
少して気体が増加するに従い、アクチュエータ106が
インクの液面に対しほぼ水平に配備されている場合に
は、tairが増加し、tinkが減少する。それによって、
M’varが徐々に減少し、共振周波数が徐々に増加す
る。よって、インクタンク内に残存しているインクの量
またはインクの消費量を検出することができる。尚、式
7において液体の密度のみの式となっているのは、液体
の密度に対して、空気の密度が無視できるほど小さい場
合を想定しているからである。
【0143】アクチュエータ106がインクの液面に対
しほぼ垂直に配備されている場合には、アクチュエータ
106の振動領域のうち、アクチュエータ106の振動
にかかわる媒体がインクのみの領域と、アクチュエータ
106の振動にかかわる媒体が気体の領域との並列の等
価回路(図示せず)と考えられる。アクチュエータ10
6の振動にかかわる媒体がインクのみの領域の面積をS
inkとし、アクチュエータ106の振動にかかわる媒体
が気体のみの領域の面積をSairとすると、
【0144】 1/M’=1/M’air+1/M’ink=Sair/(ρair*tair)+Sink/(ρink*tin k) (式9) となる。
【0145】尚、式9は、アクチュエータ106のキャ
ビティにインクが保持されない場合に適用される。アク
チュエータ106のキャビティにインクが保持される場
合については、式7、式8および式9によって計算する
ことができる。
【0146】一方、基板178が厚く、即ち、キャビテ
ィ162の深さdが深く、dが媒体の厚さtink-maxに
比較的近い場合や、液体容器の高さに比して振動領域が
非常に小さいアクチュエータを用いる場合には、実際上
はインクが徐々に減少する過程を検出するというよりは
インクの液面がアクチュエータの装着位置より上位置か
下位置かを検出することになる。換言すると、アクチュ
エータの振動領域におけるインクの有無を検出すること
になる。例えば、図24(A)の曲線Yは、小さい円形の
振動領域の場合におけるインクタンク内のインクの量と
インクおよび振動部の共振周波数fsとの関係を示す。
インクタンク内のインクの液面がアクチュエータの装着
位置を通過する前後におけるインク量Qの間で、インク
および振動部の共振周波数fsが激しく変化している様
子が示される。このことから、インクタンク内にインク
が所定量残存しているか否かを検出することができる。
【0147】図24(B)は、図24(A)の曲線Yに
おけるインクの密度とインクおよび振動部の共振周波数
fsとの関係を示す。液体の例としてインクを挙げてい
る。図24(B)に示すように、インク密度が高くなる
と、付加イナータンスが大きくなるので共振周波数fs
が低下する。すなわち、インクの種類によって共振周波
数fsが異なる。したがって共振周波数fsを測定する
ことによって、インクを再充填する際に、密度の異なっ
たインクが混入されていないか確認することができる。
【0148】つまり、互いに種類の異なるインクを収容
するインクタンクを識別できる。
【0149】続いて、液体容器内の液体が空の状態であ
ってもアクチュエータ106のキャビティ162内に液
体が残存するようにキャビティのサイズと形状を設定し
た時の、液体の状態を正確に検出できる条件を詳述す
る。アクチュエータ106は、キャビティ162内に液
体が満たされている場合に液体の状態を検出できれば、
キャビティ162内に液体が満たされていない場合であ
っても液体の状態を検出できる。
【0150】共振周波数fsは、イナータンスMの関数
である。イナータンスMは、振動部のイナータンスMac
tと付加イナータンスM’との和である。ここで、付加
イナータンスM’が液体の状態と関係する。付加イナー
タンスM’は、振動部の付近にある媒体の作用によって
振動部の質量が見かけ上増加していることを示す量であ
る。即ち、振動部の振動によって見かけ上媒体を吸収す
ることによる振動部の質量の増加分をいう。
【0151】従って、M’cavが式4におけるM’maxよ
りも大きい場合には、見かけ上吸収する媒体は全てキャ
ビティ162内に残存する液体である。よって、液体容
器内に液体が満たされている状態と同じである。この場
合にはM’が変化しないので、共振周波数fsも変化し
ない。従って、アクチュエータ106は、液体容器内の
液体の状態を検出できないことになる。
【0152】一方、M’cavが式4におけるM’ maxよ
りも小さい場合には、見かけ上吸収する媒体はキャビテ
ィ162内に残存する液体および液体容器内の気体また
は真空である。このときには液体容器内に液体が満たさ
れている状態とは異なりM’が変化するので、共振周波
数fsが変化する。従って、アクチュエータ106は、
液体容器内の液体の状態を検出できる。
【0153】即ち、液体容器内の液体が空の状態で、ア
クチュエータ106のキャビティ162内に液体が残存
する場合に、アクチュエータ106が液体の状態を正確
に検出できる条件は、M’cavがM’maxよりも小さいこ
とである。尚、アクチュエータ106が液体の状態を正
確に検出できる条件M’max>M’cavは、キャビティ1
62の形状にかかわらない。
【0154】ここで、M’cavは、キャビティ162の
容量とほぼ等しい容量の液体の質量である。従って、
M’max>M’cavの不等式から、アクチュエータ106
が液体の状態を正確に検出できる条件は、キャビティ1
62の容量の条件として表すことができる。例えば、円
形状のキャビティ162の開口161の半径をaとし、
およびキャビティ162の深さをdとすると、
【0155】 M’max>ρ*d/πa2 (式10) である。式10を展開すると
【0156】a/d>3*π/8 (式11) という条件が求められる。尚、式10、式11は、キャ
ビティ162の形状が円形の場合に限り成立する。円形
でない場合のM’maxの式を用い、式10中のπa 2をそ
の面積と置き換えて計算すればキャビティの幅及び長さ
等のディメンジョンと深さの関係が導き出せる。
【0157】従って、式11を満たす開口161の半径
aおよびキャビティ162の深さdであるキャビティ1
62を有するアクチュエータ106であれば、液体容器
内の液体が空の状態であって、かつキャビティ162内
に液体が残存する場合であっても、誤作動することなく
液体の状態を検出できる。
【0158】付加イナータンスM’は音響インピーダン
ス特性にも影響するので、残留振動によりアクチュエー
タ106に発生する逆起電力を測定する方法は、少なく
とも音響インピーダンスの変化を検出しているともいえ
る。
【0159】また、本実施例によれば、アクチュエータ
106が振動を発生してその後の残留振動によりアクチ
ュエータ106に発生する逆起電力を測定している。し
かし、アクチュエータ106の振動部が駆動電圧による
自らの振動によって液体に振動を与えることは必ずしも
必要ではない。即ち、振動部が自ら発振しなくても、そ
れと接触しているある範囲の液体と共に振動すること
で、圧電層160がたわみ変形する。この残留振動が圧
電層160に逆起電力電圧を発生させ、上部電極164
および下部電極166にその逆起電力電圧を伝達する。
この現象を利用することで媒体の状態を検出してもよ
い。例えば、インクジェット記録装置において、印字時
における印字ヘッドの走査によるキャリッジの往復運動
による振動によって発生するアクチュエータの振動部の
周囲の振動を利用してインクタンクまたはその内部のイ
ンクの状態を検出してもよい。
【0160】図25(A) および図25(B)は、アク
チュエータ106を振動させた後の、アクチュエータ1
06の残留振動の波形と残留振動の測定方法とを示す。
インクカートリッジ内のアクチュエータ106の装着位
置レベルにおけるインク水位の上下は、アクチュエータ
106が発振した後の残留振動の周波数変化や、振幅の
変化によって検出することができる。図25(A) およ
び図25(B)において、縦軸はアクチュエータ106
の残留振動によって発生した逆起電力の電圧を示し、横
軸は時間を示す。アクチュエータ106の残留振動によ
って、図25(A) および図25(B)に示すように電
圧のアナログ信号の波形が発生する。次に、アナログ信
号を、信号の周波数に対応するデジタル数値に変換す
る。
【0161】図25(A) および図25(B)に示した
例においては、アナログ信号の4パルス目から8パルス
目までの4個のパルスが生じる時間を計測することによ
って、インクの有無を検出する。
【0162】より詳細には、アクチュエータ106が発
振した後、予め設定された所定の基準電圧を低電圧側か
ら高電圧側へ横切る回数をカウントする。デジタル信号
を4カウントから8カウントまでの間をHighとし、
所定のクロックパルスによって4カウントから8カウン
トまでの時間を計測する。
【0163】図25(A)はアクチュエータ106の装
着位置レベルよりも上位にインク液面があるときの波形
である。一方、図25(B)はアクチュエータ106の
装着位置レベルにおいてインクが無いときの波形であ
る。図25(A)と図25(B)とを比較すると、図2
5(A)の方が図25(B)よりも4カウントから8カ
ウントまでの時間が長いことがわかる。換言すると、イ
ンクの有無によって4カウントから8カウントまでの時
間が異なる。この時間の相違を利用して、インクの消費
状態を検出することができる。アナログ波形の4カウン
ト目から数えるのは、アクチュエータ106の振動が安
定してから計測をはじめるためである。4カウント目か
らとしたのは単なる一例であって、任意のカウントから
数えてもよい。ここでは、4カウント目から8カウント
目までの信号を検出し、所定のクロックパルスによって
4カウント目から8カウント目までの時間を測定する。
それによって、共振周波数を求める。クロックパルス
は、インクカートリッジに取り付けられる半導体記憶装
置等を制御するためのクロックと等しいクロックのパル
スであることが好ましい。尚、8カウント目までの時間
を測定する必要は無く、任意のカウントまで数えてもよ
い。図25においては、4カウント目から8カウント目
までの時間を測定しているが周波数を検出する回路構成
にしたがって、異なったカウント間隔内の時間を検出し
てもよい。
【0164】例えば、インクの品質が安定していてピー
クの振幅の変動が小さい場合には、検出の速度を上げる
ために4カウント目から6カウント目までの時間を検出
することにより共振周波数を求めてもよい。また、イン
クの品質が不安定でパルスの振幅の変動が大きい場合に
は、残留振動を正確に検出するために4カウント目から
12カウント目までの時間を検出してもよい。
【0165】また、他の実施例として所定期間内におけ
る逆起電力の電圧波形の波数を数えてもよい(図示せ
ず)。この方法によっても共振周波数を求めることがで
きる。より詳細には、アクチュエータ106が発振した
後、所定期間だけデジタル信号をHighとし、所定の
基準電圧を低電圧側から高電圧側へ横切る回数をカウン
トする。そのカウント数を計測することによってインク
の有無を検出できるのである。
【0166】さらに、図25(A)および図25(B)を比
較して分かるように、インクがインクカートリッジ内に
満たされている場合とインクがインクカートリッジ内に
無い場合とでは、逆起電力波形の振幅が異なる。従っ
て、共振周波数を求めることなく、逆起電力波形の振幅
を測定することによっても、インクカートリッジ内のイ
ンクの消費状態を検出してもよい。より詳細には、例え
ば、図25(A)の逆起電力波形の頂点と図25(B) の
逆起電力波形の頂点との間に基準電圧を設定する。アク
チュエータ106が発振した後、所定時間にデジタル信
号をHighとし、逆起電力波形が基準電圧を横切った
場合には、インクが無いと判断する。逆起電力波形が基
準電圧を横切らない場合には、インクが有ると判断す
る。
【0167】図26は、アクチュエータ106の製造方
法を示す。複数のアクチュエータ106(図26の例で
は4個)が一体に形成されている。図26に示した複数
のアクチュエータの一体成形物を、それぞれのアクチュ
エータ106において切断することにより、図27に示
すアクチュエータ106を製造する。図26に示す一体
成形された複数のアクチュエータ106のそれぞれの圧
電素子が円形である場合、一体成形物をそれぞれのアク
チュエータ106において切断することにより、図22
に示すアクチュエータ106を製造することができる。
複数のアクチュエータ106を一体に形成することによ
り、複数のアクチュエータ106を同時に効率良く製造
することができ、運搬時の取り扱いが容易となる。
【0168】アクチュエータ106は、薄板又は振動板
176、基板178、弾性波発生手段又は圧電素子17
4、端子形成部材又は上部電極端子168、及び端子形
成部材又は下部電極端子170を有する。圧電素子17
4は、圧電振動板又は圧電層160、上電極又は上部電
極164、及び下電極又は下部電極166を含む。基板
178の上面に振動板176が、形成され、振動板17
6の上面に下部電極166が形成されている。下部電極
166の上面には、圧電層160が形成され、圧電層1
60の上面に、上部電極164が、形成されている。し
たがって、圧電層160の主要部は、上部電極164の
主要部及び下部電極166の主要部によって、上下から
挟まれるように形成されている。
【0169】振動板176上に複数(図26の例では4
個)の圧電素子174が形成されている。振動板176
の表面に下部電極166が形成され、下部電極166の
表面に圧電層160が形成され、圧電層160の上面に
上部電極164が形成される。上部電極164及び下部
電極166の端部に上部電極端子168及び下部電極端
子170が形成される。4個のアクチュエータ106
は、それぞれ別々に切断されて個別に使用される。
【0170】図27は、圧電素子が矩形のアクチュエー
タ106の一部分の断面を示す。
【0171】図28は、図27に示したアクチュエータ
106の全体の断面を示す。基板178の圧電素子17
4と対向する面には、貫通孔178aが形成されてい
る。貫通孔178aは振動板176によって封止されて
いる。振動板176はアルミナや酸化ジルコニア等の電
気絶縁性を備え、かつ弾性変形可能な材料によって形成
されている。貫通孔178aと対向するように、圧電素
子174が振動板176上に形成されている。下部電極
166は貫通孔178aの領域から一方向、図28では
左方に延びるように振動板176の表面に形成されてい
る。上部電極164は貫通孔178aの領域から下部電
極とは反対の方向に、図28では右方に延びるように圧
電層160の表面に形成されている。上部電極端子16
8及び下部電極端子170は、それぞれ補助電極172
及び下部電極166の上面に形成されている。下部電極
端子170は下部電極166と電気的に接触し、上部電
極端子168は補助電極172を介して上部電極164
と電気的に接触して、圧電素子とアクチュエータ106
の外部との間の信号の受け渡しをする。上部電極端子1
68及び下部電極端子170は、電極と圧電層とを合わ
せた圧電素子の高さ以上の高さを有する。
【0172】図29は、図26に示したアクチュエータ
106の製造方法を示す。まず、グリーンシート940
にプレスあるいはレーザー加工等を用いて貫通孔940
aを穿孔する。グリーンシート940は焼成後に基板1
78となる。グリーンシート940はセラミック等の材
料で形成される。次に、グリーンシート940の表面に
グリーンシート941を積層する。グリーンシート94
1は、焼成後に振動板176となる。グリーンシート9
41は、酸化ジルコニア等の材料で形成される。次に、
グリーンシート941の表面に導電層942、圧電層1
60、導電層944を圧膜印刷等の方法で順次形成す
る。導電層942は、後に下部電極166となり、導電
層944は、後に上部電極164となる。次に、形成さ
れたグリーンシート940、グリーンシート941、導
電層942、圧電層160、及び導電層944を乾燥し
て焼成する。スペーサ部材947、948は、上部電極
端子168と下部電極端子170の高さを底上げして圧
電素子より高くする。スペーサ部材947、948は、
グリーンシート940、941と同材料を印刷、あるい
はグリーンシートを積層して形成する。このスペーサ部
材947,948により貴金属である上部電極端子16
8及び下部電極端子170の材料が少なくて済む上に、
上部電極端子168及び下部電極端子170の厚みを薄
くできるので、上部電極端子168及び下部電極端子1
70を精度良く印刷でき、さらに安定した高さとするこ
とができる。
【0173】導電層942の形成時に導電層944との
接続部944’及びスペーサ部材947及び948を同
時に形成すると、上部電極端子168及び下部電極端子
170を容易に形成したり、強固に固定することができ
る。最後に、導電層942及び導電層944の端部領域
に、上部電極端子168及び下部電極端子170を形成
する。上部電極端子168及び下部電極端子170を形
成する際、上部電極端子168及び下部電極端子170
が、圧電層160に電気的に接続されるように形成す
る。
【0174】図30は、本発明のインクカートリッジの
更に他の実施形態を示す。図30に示したインクカート
リッジには、容器1の内部に設けられた貫通孔1cに対
向するようにインク吸収体74が、防波壁として配置さ
れている。アクチュエータ70は、貫通孔1cに対向す
るように容器1の底面に固定される。インク吸収体74
は、インクカートリッジ内でのインクの波や気泡が貫通
孔1cに侵入するのを防止する。それによって、インク
の波や気泡がアクチュエータ70に接近し、付着するの
を防止する。
【0175】ただし、インク吸収体74は、アクチュエ
ータ70の付近の多孔質部分74aの孔径より、インク
供給口2の付近の多孔質部分74bの孔径を小さく設計
する。また、インク供給口2の付近の多孔質部分の毛細
管力が、インクを保持する程度の毛細管力より小さくな
るように設計する。
【0176】それによって、容器1内のインクが消費さ
れてインク吸収体74がインクから露出すると、インク
吸収体74のインクが自重により流れ出してインク供給
口2にインクが流れる。インクが消費され尽くすと、イ
ンク吸収体74は、それらの毛細管力により貫通孔1c
に残存しているインクを吸い上げるので、貫通孔1cの
凹部からインクが排出される。そのため、インクエンド
時においてアクチュエータ70の残留振動が変化するの
で、インクエンドを更に確実に検出することができる。
【0177】従って、インク吸収体74は、アクチュエ
ータ70をインクの波から保護するとともに、貫通孔1
cに残存するインクを吸収し、アクチュエータ70がイ
ンクエンドを検出するのに役立つ。
【0178】図31は、本発明が適用されるインクカー
トリッジのさらに他の実施形態を示す。図31(A)
は、本実施形態によるインクカートリッジの底部の断面
図である。本実施形態のインクカートリッジは、インク
を収容する容器1の底壁1aに貫通孔1cを有する。貫
通孔1cの底部はアクチュエータ650によって塞が
れ、インク溜部を形成する。防波壁としてインク吸収体
78が、容器1の内部に設けられた貫通孔1c内および
貫通孔1cの周辺に配置されている。インク吸収体78
は、貫通孔1c内に設けられたインク吸収体78aおよ
び貫通孔1cの周辺に設けられたインク吸収体78bを
有する。
【0179】図31(B)は、図31(A)に示したア
クチュエータ650及び貫通孔1cの詳細な断面を示
す。図31(C)は、図31(B)に示したアクチュエ
ータ650、および貫通孔1cの平面を示す。アクチュ
エータ650は振動板72および振動板72に取り付け
られた圧電素子73とを有する。振動板72は、弾性変
形可能で耐インク性を備える。本実施例では、圧電素子
73および貫通孔1cは細長い円形である。
【0180】図32は貫通孔1cの他の実施形態を示
す。図32(A)、(B)、及び(C)のそれぞれにお
いて、左側の図は、貫通孔1cにインクKが無い状態を
示し、右側の図は、貫通孔1cにインクKが残った状態
を示す。図31の実施形態においては、貫通孔1cの側
面は垂直な壁として形成されている。図32(A)にお
いては、貫通孔1cは、側面1dが上下方向に斜めであ
り外側に拡大して開いている。図32(B)において
は、段差部1e及び1fが、貫通孔1cの側面に形成さ
れている。上方にある段差部1fが、下方にある段差部
1eより広くなっている。図32(C)においては、貫
通孔1cは、インクKを排出しやすい方向、すなわち供
給口2の方向へ延びる溝1gを有する。
【0181】尚、防波壁(図示せず)は、アクチュエー
タ650に対向するように配備される。
【0182】図32(A)から(C)に示した貫通孔1
cの形状によれば、インク溜部のインクKの量を少なく
できる。従って、図22および図23で説明したM’c
avをM’maxと比較して小さくすることができるの
で、インクエンド時におけるアクチュエータ650の振
動特性を、容器1に印刷可能な量のインクKが残存して
いる場合と大きく異ならせることができるので、インク
エンドをより確実に検出することができる。
【0183】図33(A)は、アクチュエータの他の実
施形態を示す斜視図である。図33(B)は、図33
(A)の実施例によるアクチュエータ670を配備した
インクカートリッジの部分的な側断面図である。本実施
形態においては、アクチュエータ670は、凹部形成基
板80および圧電素子82を備える。凹部形成基板80
の一方の面には凹部81がエッチング等の手法により形
成され、他方の面には圧電素子82が取り付けられる。
凹部形成基板80のうち、凹部81の底部が振動領域と
して作用する。従って、アクチュエータ670の振動領
域は凹部81の周縁によって規定される。また、アクチ
ュエータ670は、図22の実施例によるアクチュエー
タ106のうち、基板178および振動板176が一体
として形成された構造と類似する。従って、インクカー
トリッジを製造する際に製造工程を短縮することがで
き、コストを低減させる。アクチュエータ670は、容
器1に設けられた貫通孔1cに埋め込み可能なサイズで
ある。それによって、凹部81がキャビティとしても作
用することができる。尚、図22の実施例によるアクチ
ュエータ106を、図30の実施例によるアクチュエー
タ670と同様に貫通孔1cに埋め込み可能なように形
成してもよい。また、図33(B)に示すように、防波
壁1192uが、窪み81の近傍にアクチュエータ67
0と対向するように配備されている。
【0184】図34はアクチュエータのさらに他の実施
形態を示す斜視図である。アクチュエータ660は、ア
クチュエータ660を構成する基板または取付プレート
79の貫通孔1cよりも外側にパッキン76を有する。
アクチュエータ660の外周にはカシメ孔77が形成さ
れている。アクチュエータ660は、カシメ孔77を介
してカシメにより容器1に固定される。
【0185】尚、本実施例においても図33(B)と同
様に、防波壁(図示せず)が、パッキン76の近傍にア
クチュエータ670と対向するように配備されてもよ
い。しかし、防波壁(図示せず)が、メッシュの形態で
あるか、または多孔質材のようはインクを通過させる材
料の場合は、予め、パッキン76の周縁に取り付けられ
ていてもよい。防波壁がインクを通過される部材である
場合、アクチュエータ660はインクの検出をすること
ができるからである。かかる場合、防波壁1192u
は、アクチュエータ670と一体的にインクカートリッ
ジに取り付けられる。かかる場合、防波壁をインクカー
トリッジに取り付ける行程が省略できるので、製造行程
が短縮され、製造のサイクルタイムや製造コストが低減
される。
【0186】図35は、貫通孔1cの更に他の実施形態
の平面を示す。図35(A)から(C)にそれぞれ示し
たように、貫通孔1cの平面形状は、アクチュエータ1
06が取り付け可能な可能な形状であれば、円形、矩
形、及び三角形などの任意の形状でよい。
【0187】図36は、アクチュエータ106を取り付
けモジュール体100として一体形成した構成を示す斜
視図である。モジュール体100はインクカートリッジ
の容器1の所定個所に装着される。モジュール体100
は、インク液中の音響インピーダンスの変化を検出する
ことにより、容器1内の液体の消費状態を検知するよう
に構成されている。本実施形態のモジュール体100
は、容器1にアクチュエータ106を取り付けるための
液体容器取付部101を有する。液体容器取付部101
は、平面がほぼ矩形の基台102上に駆動信号により発
振するアクチュエータ106を収容した円柱部116を
載せた構造となっている。モジュール体100が、イン
クカートリッジに装着されたときに、モジュール体10
0のアクチュエータ106が外部から接触できないよう
に構成されているので、アクチュエータ106を外部の
接触から保護することができる。なお、円柱部116の
先端側エッジは丸みが付けられていて、インクカートリ
ッジに形成された凹部へ装着する際に嵌めやすくなって
いる。
【0188】図37は、図36に示したモジュール体1
00の構成を示す分解図である。モジュール体100
は、樹脂からなる液体容器取付部101と、プレート1
10および凹部113を有する圧電装置装着部105と
を含む。さらに、モジュール体100は、リードワイヤ
104a及び104b、アクチュエータ106、及びフ
ィルム108を有する。好ましくは、プレート110
は、ステンレス又はステンレス合金等の錆びにくい材料
から形成される。液体容器取付部101に含まれる円柱
部116および基台102は、リードワイヤ104a及
び104bを収容できるよう中心部に開口部114が形
成され、アクチュエータ106、フィルム108、及び
プレート110を収容できるように凹部113が形成さ
れている。アクチュエータ106はプレート110にフ
ィルム108を介して接合され、プレート110および
アクチュエータ106は液体容器取付部101に固定さ
れる。従って、リードワイヤ104a及び104b、ア
クチュエータ106、フィルム108およびプレート1
10は、液体容器取付部101に一体として取り付けら
れる。リードワイヤ104a及び104bは、それぞれ
アクチュエータ106の上部電極及び下部電極と結合し
て圧電層に駆動信号を伝達し、一方、アクチュエータ1
06が検出した共振周波数の信号を記録装置等へ伝達す
る。アクチュエータ106は、リードワイヤ104a及
び104bから伝達された駆動信号に基づいて一時的に
発振する。アクチュエータ106は発振後に残留振動
し、その振動によって逆起電力を発生させる。このと
き、逆起電力波形の振動周期を検出することによって、
液体容器内の液体の消費状態に対応した共振周波数を検
出することができる。フィルム108は、アクチュエー
タ106とプレート110とを接着してアクチュエータ
を液密にする。フィルム108は、ポリオレフィン等に
よって形成し、熱融着で接着することが好ましい。
【0189】プレート110は円形状であり、基台10
2の開口部114は円筒状に形成されている。アクチュ
エータ106及びフィルム108は矩形状に形成されて
いる。リードワイヤ104、アクチュエータ106、フ
ィルム108、及びプレート110は、基台102に対
して着脱可能としてもよい。基台102、リードワイヤ
104、アクチュエータ106、フィルム108、及び
プレート110は、モジュール体100の中心軸に対し
て対称に配置されている。更に、基台102、アクチュ
エータ106、フィルム108、及びプレート110の
中心は、モジュール体100のほぼ中心軸上に配置され
ている。
【0190】基台102の開口部114の面積は、アク
チュエータ106の振動領域の面積よりも大きく形成さ
れている。プレート110の中心でアクチュエータ10
6の振動部に直面する位置には、貫通孔112が形成さ
れている。図22に示したようにアクチュエータ106
にはキャビティ162が形成され、貫通孔112とキャ
ビティ162は、共にインク溜部を形成する。プレート
110の厚さは、残留インクの影響を少なくするために
貫通孔112の径に比べて小さいことが好ましい。例え
ば貫通孔112の深さはその径の3分の1以下の大きさ
であることが好ましい。貫通孔112は、モジュール体
100の中心軸に対して対称なほぼ真円の形状である。
また貫通孔112の面積は、アクチュエータ106のキ
ャビティ162の開口面積よりも大きい。貫通孔112
の断面の周縁はテ-パ形状であっても良いしステップ形
状でもよい。モジュール体100は、貫通孔112が容
器1の内側へ向くように容器1の側部、上部、又は底部
に装着される。インクが消費されアクチュエータ106
周辺のインクがなくなると、アクチュエータ106の共
振周波数が大きく変化するので、インクの水位変化を検
出することができる。
【0191】図38は、モジュール体400の他の実施
形態を示す斜視図である。本実施形態のモジュール体4
00は、液体容器取付部401に圧電装置装着部405
が形成されている。液体容器取付部401は、平面がほ
ぼ角丸の正方形状の基台402上に円柱状の円柱部40
3が形成されている。更に、圧電装置装着部405は、
円柱部403上に立てられた板状要素406および凹部
413を含む。板状要素406の側面に設けられた凹部
413には、アクチュエータ106が配置されている。
なお、板状要素406の先端は所定角度に面取りされて
いて、インクカートリッジに形成された孔へ装着する際
に嵌めやすくなっている。
【0192】図39は、図38に示したモジュール体4
00の構成を示す分解斜視図である。図36に示したモ
ジュール体100と同様に、モジュール体400は、液
体容器取付部401および圧電装置装着部405を含
む。液体容器取付部401は基台402および円柱部4
03を有し、圧電装置装着部405は板状要素406お
よび凹部413を有する。アクチュエータ106は、プ
レート410に接合されて凹部413に固定される。モ
ジュール体400は、リードワイヤ404a及び404
b、アクチュエータ106、及びフィルム408をさら
に有する。
【0193】本実施形態によれば、プレート410は矩
形状であり、板状要素406に設けられた開口部414
は矩形状に形成されている。リードワイヤ404a及び
404b、アクチュエータ106、フィルム408、及
びプレート410は基台402に対して着脱可能として
構成しても良い。アクチュエータ106、フィルム40
8、及びプレート410は、開口部414の中心を通
り、開口部414の平面に対して鉛直方向に延びる中心
軸に対して対称に配置されている。更に、アクチュエー
タ406、フィルム408、及びプレート410の中心
は、開口部414のほぼ中心軸上に配置されている。
【0194】プレート410の中心に設けられた貫通孔
412の面積は、アクチュエータ106のキャビティ1
62の開口の面積よりも大きく形成されている。アクチ
ュエータ106のキャビティ162と貫通孔412と
は、共にインク溜部を形成する。プレート410の厚さ
は貫通孔412の径に比べて小さく、例えば貫通孔41
2の径の3分の1以下の大きさに設定することが好まし
い。貫通孔412は、モジュール体400の中心軸に対
して対称なほぼ真円の形状である。貫通孔412の断面
の周縁はテ-パ形状であっても良いしステップ形状でも
よい。モジュール体400は、貫通孔412が容器1の
内部に配置されるように容器1の底部に装着することが
できる。アクチュエータ106が垂直方向に延びるよう
に容器1内に配置されるので、基台402の高さを変え
てアクチュエータ106が容器1内に配置される高さを
変えることによりインクエンドの時点の設定を容易に変
えることができる。
【0195】図40は、モジュール体の更に他の実施形
態を示す。図36に示したモジュール体100と同様
に、図40のモジュール体500は、基台502および
円柱部503を有する液体容器取付部501を含む。ま
た、モジュール体500は、リードワイヤ504a及び
504b、アクチュエータ106、フィルム508、及
びプレート510をさらに有する。液体容器取付部50
1に含まれる基台502は、リードワイヤ504a及び
504bを収容できるよう中心部に開口部514が形成
され、アクチュエータ106、フィルム508、及びプ
レート510を収容できるように凹部513が形成され
る。アクチュエータ106はプレート510を介して圧
電装置装着部505に固定される。従って、リードワイ
ヤ504a及び504b、アクチュエータ106、フィ
ルム508およびプレート510は、液体容器取付部5
01に一体として取り付けられる。本実施形態のモジュ
ール体500は、平面がほぼ角丸の正方形状の基台上に
上面が上下方向に斜めな円柱部503が形成されてい
る。円柱部503の上面の上下方向に斜めに設けられた
凹部513上にアクチュエータ106が配置されてい
る。
【0196】モジュール体500の先端は傾斜してお
り、その傾斜面にアクチュエータ106が装着されてい
る。そのため、モジュール体500が容器1の底部又は
側部に装着されると、アクチュエータ106が容器1の
上下方向に対して傾斜する。モジュール体500の先端
の傾斜角度は、検出性能を鑑みてほぼ30°から60°
の間とすることが望ましい。
【0197】モジュール体500は、アクチュエータ1
06が容器1内に配置されるように容器1の底部又は側
部に装着される。モジュール体500が容器1の側部に
装着される場合には、アクチュエータ106が、傾斜し
つつ、容器1の上側、下側、又は横側を向くように容器
1に取り付けられる。一方、モジュール体500が、容
器1の底部に装着される場合には、アクチュエータ10
6が、傾斜しつつ、容器1のインク供給口側を向くよう
に容器1に取り付けられることが好ましい。
【0198】図41は、図36に示したモジュール体1
00を容器1に装着したときの容器1の底部近傍の断面
図である。モジュール体100は、容器1の側壁を貫通
するように装着されている。容器1の側壁とモジュール
体100との接合面には、Oリング365が設けられ、
モジュール体100と容器1との液密を保っている。O
リングでシールが出来るようにモジュール体100は図
31で説明したような円柱部を備えることが好ましい。
モジュール体100の先端が容器1の内部に挿入される
ことで、プレート110の貫通孔112を介して容器1
内のインクがアクチュエータ106と接触する。アクチ
ュエータ106の振動部の周囲が液体か気体かによって
アクチュエータ106の残留振動の共振周波数が異なる
ので、モジュール体100を用いてインクの消費状態を
検出することができる。また、モジュール体100に限
られず、図38に示したモジュール体400、図40に
示したモジュール体500、又は図42に示したモジュ
ール体700A及び700B、及びモールド構造体60
0を容器1に装着してインクの有無を検出してもよい。
【0199】図42(A)はモジュール体700Bを容
器1に装着したときのインク容器の断面図を示す。本実
施例では取付構造体の1つとしてモジュール体700B
を使用する。モジュール体700Bは、液体容器取付部
360が容器1の内部に突出するようにして容器1に装
着されている。取付プレート350には貫通孔370が
形成され、貫通孔370とアクチュエータ106の振動
部が面している。更に、モジュール体700Bの底壁に
は孔382が形成され、圧電装置装着部363が形成さ
れる。アクチュエータ106が孔382の一方を塞ぐよ
うにして配備される。したがって、インクは、圧電装置
装着部363の孔382及び取付プレート350の貫通
孔370を介して振動板176と接触する。圧電装置装
着部363の孔382及び取付プレート350の貫通孔
370は、共にインク溜部を形成する。圧電装置装着部
363とアクチュエータ106とは、取付プレート35
0及びフィルム部材によって固定されている。液体容器
取付部360と容器1との接続部にはシーリング構造3
72が設けられている。シーリング構造372は合成樹
脂等の可塑性の材料により形成されてもよいし、Oリン
グにより形成されてもよい。図42(A)のモジュール
体700Bと容器1とは別体であるが、図42(B)よ
うにモジュール体700Bの圧電装置装着部を容器1の
一部で構成してもよい。
【0200】図42(A)のモジュール体700Bは、
図36から図40に示したリードワイヤのモジュール体
への埋め込みが不要となる。そのため成形工程が簡素化
される。更に、モジュール体700Bの交換が可能とな
りリサイクルが可能となる。
【0201】インクカートリッジが揺れる際にインクが
容器1の上面あるいは側面に付着し、容器1の上面ある
いは側面から垂れてきたインクがアクチュエータ106
に接触することでアクチュエータ106が誤作動する可
能性がある。しかし、モジュール体700Bは液体容器
取付部360が容器1の内部に突出しているので、容器
1の上面や側面から垂れてきたインクによりアクチュエ
ータ106が誤作動しない。
【0202】また、図42(A)の実施例では、振動板
176と取付プレート350の一部のみが、容器1内の
インクと接触するように容器1に装着される。図42
(A)の実施例では、図36から図40に示したリード
ワイヤ104a、104b、404a、404b、50
4a、及び504bの電極のモジュール体への埋め込み
が不要となる。そのため成形工程が簡素化される。更
に、アクチュエータ106の交換が可能となりリサイク
ルが可能となる。
【0203】図42(B)は、アクチュエータ106を
容器1に装着したときの実施例としてインク容器の断面
図を示す。図42(B)の実施例によるインクカートリ
ッジでは、保護部材361はアクチュエータ106とは
別体として容器1に取り付けられている。従って、保護
部材361とアクチュエータ106とはモジュールとし
て一体となっていないが、一方で、保護部材361はア
クチュエータ106にユーザーの手が触れないように保
護することができる。アクチュエータ106の前面に設
けられる孔380は、容器1の側壁に配設されている。
アクチュエータ106は、圧電層160、上部電極16
4、下部電極166、振動板176及び取付プレート3
50を含む。取付プレート350の上面に振動板176
が形成され、振動板176の上面に下部電極166が形
成されている。下部電極166の上面には圧電層160
が形成され、圧電層160の上面に上部電極164が形
成されている。したがって、圧電層160の主要部は、
上部電極164の主要部及び下部電極166の主要部に
よって上下から挟まれるように形成されている。圧電層
160、上部電極164、及び下部電極166のそれぞ
れの主要部である円形部分は、圧電素子を形成する。圧
電素子は振動板176上に形成される。圧電素子及び振
動板176の振動領域はアクチュエータが実際に振動す
る振動部である。取付プレート350には貫通孔370
が設けられている。更に、容器1の側壁には孔380が
形成されている。したがって、インクは、容器1の孔3
80及び取付プレート350の貫通孔370を介して振
動板176と接触する。容器1の孔380及び取付プレ
ート350の貫通孔370は、共にインク溜部を形成す
る。また、図42(B)の実施例では、アクチュエータ
106は保護部材361により保護されているのでアク
チュエータ106を外部との接触から保護できる。
【0204】尚、図42(A)および(B)の実施例に
おける取付プレート350に代えて、図22の基板17
8を使用してもよい。
【0205】図42(C)はアクチュエータ106を含
むモールド構造体600を備える実施形態を示す。本実
施例では、取付構造体の1つとしてモールド構造体60
0を使用する。モールド構造体600はアクチュエータ
106とモールド部364とを有する。アクチュエータ
106とモールド部364とは一体に成形されている。
モールド部364はシリコン樹脂等の可塑性の材料によ
って成形される。モールド部364は内部にリードワイ
ヤ362を有する。モールド部364はアクチュエータ
106から延びる2本の足を有するように形成されてい
る。モールド部364はモールド部364と容器1とを
液密に固定するために、モールド部364の2本の足の
端が半球状に形成される。モールド部364はアクチュ
エータ106が容器1の内部に突出するよう容器1に装
着され、アクチュエータ106の振動部は容器1内のイ
ンクと接触する。モールド部364によって、アクチュ
エータ106の上部電極164、圧電層160、及び下
部電極166はインクから保護されている。
【0206】図42(C)のモールド構造体600は、
モールド部364と容器1との間にシーリング構造37
2が必要ないので、インクが容器1から漏れにくい。ま
た、容器1の外部からモールド構造体600が突出しな
い形態であるので、アクチュエータ106を外部との接
触から保護することができる。インクカートリッジが揺
れる際に、インクが容器1の上面あるいは側面に付き、
容器1の上面あるいは側面から垂れてきたインクが、ア
クチュエータ106に接触することで、アクチュエータ
106が、誤作動する可能性がある。モールド構造体6
00は、モールド部364が、容器1の内部に突出して
いるので、容器1の上面や側面から垂れてきたインクに
より、アクチュエータ106が誤作動しない。
【0207】図43は、図22に示したアクチュエータ
106を用いたインクカートリッジ及びインクジェット
記録装置の実施形態を示す。複数のインクカートリッジ
180は、それぞれのインクカートリッジ180に対応
した複数のインク導入部182及びホルダー184を有
するインクジェット記録装置に装着される。複数のイン
クカートリッジ180は、それぞれ異なった種類、例え
ば色のインクを収容する。複数のインクカートリッジ1
80の底面には、少なくとも音響インピーダンス検出手
段であるアクチュエータ106が装着されている。アク
チュエータ106をインクカートリッジ180に装着す
ることによって、インクカートリッジ180内のインク
残量を検出することができる。
【0208】尚、防波壁(図示せず)は、アクチュエー
タ106と対向するようにインクカートリッジ180内
に配備される。
【0209】図44は、インクジェット記録装置のヘッ
ド部周辺の詳細を示す。インクジェット記録装置は、イ
ンク導入部182、ホルダー184、ヘッドプレート1
86、及びノズルプレート188を有する。インクを噴
射するノズル190がノズルプレート188に複数形成
されている。インク導入部182は空気供給口181と
インク導入口183とを有する。空気供給口181はイ
ンクカートリッジ180に空気を供給する。インク導入
口183はインクカートリッジ180からインクを導入
する。インクカートリッジ180は空気導入口185と
インク供給口187とを有する。空気導入口185はイ
ンク導入部182の空気供給口181から空気を導入す
る。インク供給口187はインク導入部182のインク
導入口183にインクを供給する。インクカートリッジ
180がインク導入部182から空気を導入することに
よって、インクカートリッジ180からインク導入部1
82へのインクの供給を促す。
【0210】尚、防波壁(図示せず)は、アクチュエー
タ106と対向するようにインクカートリッジ180内
に配備される。
【0211】図45は、図44に示したインクカートリ
ッジ180の他の実施形態を示す。図45(A)のイン
クカートリッジ180Aは、上下方向に斜めに形成され
た底面194aにアクチュエータ106が装着されてい
る。インクカートリッジ180の容器194の内部に
は、容器194の内部底面から所定の高さの、アクチュ
エータ106と直面する位置に防波壁1192vが設け
られている。アクチュエータ106が、容器194の上
下方向に対し斜めに装着されているので、インクの掃け
が良好になる。
【0212】アクチュエータ106と防波壁1192v
との間には、インクで満たされた間隙が形成される。ま
た、防波壁1192vとアクチュエータ106のアクチ
ュエータ106との間隔は、毛細管力によりインクが保
持されない程度に空けられている。容器194が横揺れ
したときに、横揺れによって容器194内部にインクの
波が発生し、その衝撃によって、気体や気泡がアクチュ
エータ106によって検出されてアクチュエータ106
が誤作動する可能性がある。防波壁1192vを設ける
ことによって、アクチュエータ106付近のインクの波
を防ぎ、アクチュエータ106の誤作動を防ぐことがで
きる。
【0213】図45(B)のインクカートリッジ180
Bのアクチュエータ106は、容器194の供給口の側
壁上に装着されている。インク供給口187の近傍であ
れば、アクチュエータ106は、容器194の側壁又は
底面に装着されてもよい。防波壁1192wは、アクチ
ュエータ106に対向するように容器194内のインク
供給口187の付近に配備される。防波壁1192w
は、インクの波を効果的に防ぐためにL字型に成形され
ている。また、アクチュエータ106は容器194の幅
方向の中心に装着されることが好ましい。インクは、イ
ンク供給口187を通過して外部に供給されるので、ア
クチュエータ106をインク供給口187の近傍に設け
ることにより、インクニアエンド時点までインクとアク
チュエータ106とが確実に接触する。したがって、ア
クチュエータ106はインクニアエンドの時点を確実に
検出することができる。
【0214】更に、アクチュエータ106をインク供給
口187の近傍に設けることで、容器をキャリッジ上の
カートリッジホルダに装着する際に、容器上のアクチュ
エータ106とキャリッジ上の接点との位置決めが確実
となる。その理由は、容器とキャリッジとの連結におい
て最も重要なのは、インク供給口と供給針との確実な結
合である。少しでもずれがあると供給針の先端を痛めて
しまったりあるいはOリングなどのシーリング構造にダ
メージを与えてしまいインクが漏れ出してしまうからで
ある。このような問題点を防ぐために、通常インクジェ
ットプリンタは容器をキャリッジにマウントする時に正
確な位置合わせができるような特別な構造を有してい
る。よって供給口近傍にアクチュエータを配置させるこ
とにより、アクチュエータの位置合わせも同時に確実な
ものとなるのである。さらに、アクチュエータ106を
容器194の幅方向の中心に装着することで、より確実
に位置合わせすることができる。容器が、ホルダへの装
着時に幅方向中心線を中心として軸揺動した場合に、も
っともその揺れが少ないからである。
【0215】図46はインクカートリッジ180の更に
他の実施形態を示す。図46(A)はインクカートリッ
ジ180Cの断面図、図46(B)は図46(A)に示
したインクカートリッジ180Cの側壁194bを拡大
した断面図、及び図46(C)はその正面からの透視図
である。インクカートリッジ180Cは、半導体記憶手
段7とアクチュエータ106とが同一の回路基板610
上に形成されている。図46(A)に示すように、防波
壁1192xが、アクチュエータ700に対向するよう
に容器194内に配備されている。図46(B)、
(C)に示すように、半導体記憶手段7は回路基板61
0の上方に形成され、アクチュエータ106は同一の回
路基板610において半導体記憶手段7の下方に形成さ
れている。アクチュエータ106の周囲を囲むように異
型Oリング614が、側壁194bに装着される。側壁
194bには、回路基板610をインクの容器194に
接合するためのカシメ部616が複数形成されている。
カシメ部616をかしめることによって回路基板610
をインクの容器194に接合し、異型Oリング614を
回路基板610に押しつけることで、アクチュエータ1
06の振動領域がインクと接触することをできるように
しつつ、インクカートリッジの外部と内部とを液密に保
つ。
【0216】半導体記憶手段7及び半導体記憶手段7付
近には端子612が形成されている。端子612は半導
体記憶手段7とインクジェット記憶装置等の外部との間
の信号の受け渡しをする。半導体記憶手段7は、例えば
EEPROMなどの書き換え可能な半導体メモリによっ
て構成されてもよい。半導体記憶手段7とアクチュエー
タ106とが同一の回路基板610上に形成さているの
で、アクチュエータ106及び半導体記憶手段7をイン
クカートリッジ180Cに取付ける際に1回の取付け工
程で済む。また、インクカートリッジ180Cの製造時
及びリサイクル時の作業工程が簡素化される。更に、部
品の点数が削減されるので、インクカートリッジ180
Cの製造コストが低減できる。
【0217】アクチュエータ106は、容器194内の
インクの消費状態を検知する。半導体記憶手段7はアク
チュエータ106が検出したインク残量などインクの情
報を格納する。すなわち、半導体記憶手段7は検出する
際に用いられるインク及びインクカートリッジの特性等
の特性パラメータに関する情報を格納する。
【0218】半導体記憶手段7は、予め容器194内の
インクがフルのとき、すなわちインクが容器194内に
満たされたとき、又はエンドのとき、すなわち容器19
4内のインクが消費されたときの共振周波数を特性パラ
メータの一つとして格納する。容器194内のインクが
フル又はエンド状態の共振周波数は、容器が初めてイン
クジェット記録装置に装着されたときに格納されてもよ
い。また、容器194内のインクがフル又はエンド状態
の共振周波数は、容器194の製造中に格納されてもよ
い。半導体記憶手段7に予め容器194内のインクがフ
ル又はエンドのときの共振周波数を格納し、インクジェ
ット記録装置側で共振周波数のデータを読出すことによ
りインク残量を検出する際のばらつきを補正できるの
で、インク残量が基準値まで減少したことを正確に検出
することができる。
【0219】図47は、インクカートリッジ180の更
に他の実施形態を示す。図47(A)に示すインクカー
トリッジ180Eは、容器194の側壁194bに上下
方向に長いアクチュエータ606を装着する。防波壁1
192xが、アクチュエータ606の振動領域の全体に
対向するように容器194内に配備される。上下方向に
長いアクチュエータ606によって、容器194内のイ
ンク残量の変化を連続的に検出することができる。アク
チュエータ606の長さは、側壁194bに高さの半分
以上の長さを有することが望ましく、図47(A)にお
いては、アクチュエータ606は側壁194bのほぼ上
端からほぼ下端までの長さを有する。従って、防波壁1
192xも側壁194bのほぼ上端からほぼ下端までの
長さを有する。防波壁1192xを設けることによっ
て、アクチュエータ606付近のインクの波を防ぎ、ア
クチュエータ606の誤作動を防ぐことができる。ま
た、防波壁1192xはインクが揺動することに発生し
た気泡がアクチュエータ606に侵入するのを防ぐ。
【0220】図47(B)に示すインクカートリッジ1
80Fは、容器194の側壁194bに複数のアクチュ
エータ106を装着し、複数のアクチュエータ106の
直面に防波壁1192xを備える。容器194の内部に
は、側壁194bの内部側面から所定の間隔をおいて上
下方向に長い防波壁1192xが設けられている。アク
チュエータ106と防波壁1192xとの間には、イン
クで満たされた間隙が形成される。また、防波壁119
2xとアクチュエータ106との間隔は、毛細管力によ
りインクが保持されない程度に空けられている。容器1
94が横揺れしたときに横揺れによって容器194内部
にインクの波が発生し、その衝撃によって気体や気泡が
アクチュエータ106によって検出されてしまい、アク
チュエータ106が誤作動する可能性がある。図47
(B)の実施例と同様に、防波壁1192xを設けるこ
とによって、アクチュエータ106付近のインクの波立
ちを防ぎ、アクチュエータ106の誤作動を防ぐことが
できる。また、防波壁1192xはインクが揺動するこ
とで発生した気泡がアクチュエータ106に侵入するの
を防ぐ。
【0221】図48は、インクカートリッジ180の更
に他の実施形態を示す。図48(A)のインクカートリ
ッジ180Gは、容器194内のインクの液面に対して
それぞれ上方および下方にある頂壁1080および底壁
1090を有する。複数の防波壁212aは、頂壁10
80から底壁1090に向かって延びている。それぞれ
の防波壁212aの下端と容器194の底面とは所定の
間隔が空けられているので、容器194の底部は連通し
ている。インクカートリッジ180Gは複数の防波壁2
12aのそれぞれによって区画された複数の収容室21
3を有する。複数の収容室213の底部は互いに連通す
る。複数の収容室213のそれぞれにおいて、容器19
4の壁のうち、インク供給口187と対向する側の側壁
1070にアクチュエータ106が装着されている。ア
クチュエータ106は、容器194の幅方向のほぼ中央
に配置される。収容室213の容量はインク供給口18
7側が最も大きく、インク供給口187から容器194
の奥へ遠ざかるにつれて、収容室213の容量が徐々に
小さくなっている。したがって、アクチュエータ106
が配置される側からインク供給口187の側へと向かう
にしたがって、収容室21は広くなっている。
【0222】インクは、インク供給口187から排出さ
れ、空気が空気導入口185から入るので、インク供給
口187側の収容室213からインクカートリッジ18
0Gの奥の方の収容室213へとインクが消費される。
例えば、インク供給口187に最も近い収容室213の
インクが消費されて、インク供給口187に最も近い収
容室213のインクの水位が下がっている間、他の収容
室213にはインクが満たされている。インク供給口1
87に最も近い収容室213のインクが消費され尽くす
と、空気が、インク供給口187から数えて2番目の収
容室213に侵入し、2番目の収容室213内のインク
が消費され始めて、2番目の収容室213のインクの水
位が下がり始める。この時点で、インク供給室187か
ら数えて3番目以降の収容室213には、インクが満た
されている。このように、インク供給口187に近い収
容室213から遠い収容室213へと順番にインクが消
費される。
【0223】アクチュエータ106がインク供給口18
7から遠い収容室213に容器配置されているので、ア
クチュエータ106はインクエンドを検出することがで
きる。また、複数の防波壁212aが防波壁となり、イ
ンクの波をより効果的に防止することができる。
【0224】図48(B)のインクカートリッジ180
Hは、容器194内のインクの液面に対してそれぞれ上
方および下方にある頂壁1080および底壁1090を
有する。複数の防波壁212bは、頂壁1080と底壁
1090とから交互に延びている。複数の防波壁212
bのうち、底壁1090から延びている防波壁212b
と、容器194の幅方向にある側壁(図示せず)と、の
間には間隙を有する。従って、各収容室213のインク
の液面のレベルは等しい。
【0225】また、複数の防波壁212bのうち、上壁
1090から延びている防波壁212bと、容器194
の幅方向にある側壁(図示せず)と、の間は、液密また
は気密に結合してもよい。複数の防波壁212bのう
ち、アクチュエータ106に最も近い防波壁212bが
頂壁1080から延びている場合、容器194内のイン
クの液面のレベルがアクチュエータ106に最も近い防
波壁212bの下端212fに達したときに、アクチュ
エータ106に最も近い収容室213へ気体が侵入す
る。従って、アクチュエータ106が、インクエンドを
検出するときのインクの液面のレベルは、下端212f
のインクの液面に対する上下の位置によって決まる。
【0226】図48(C)のインクカートリッジ180
Iにおいては、アクチュエータ106は、側壁1080
のうち頂壁1080との境界付近に配備されている。イ
ンクカートリッジ180Iは、防波壁212cによって
仕切られる少なくとも二つの収容室213aおよび収容
室213bを有する。二つの収容室のうち、インク供給
口187に比較的に近い供給口側収容室213aには多
孔質部材1100を配備する。二つの収容室のうち、イ
ンク供給口187から比較的に遠い奥側収容室213b
にはアクチュエータ106を配備する。収容室213b
の頂壁1080には、インクカートリッジ180Iの製
造時や不使用のまま長期間放置した場合に入る気泡を捕
らえる凹部であるバッファ214が形成される。図48
(C)において、バッファ214は、容器194の側壁
194bから上方に張り出す凹部として形成される。多
孔質部材1100およびバッファ214はインク収容室
213b内に侵入した気泡を捕らえるので、気泡によっ
てアクチュエータ106がインクエンドと検出する誤作
動を防止することができる。また、収容室213bの容
量や防波壁212cの長さを変えることによって、イン
クニアエンド検出後の消費可能インク量を変えることが
できる。
【0227】図48(D)のインクカートリッジ180
Jにおいては、複数の防波壁212dが、容器194の
側壁1070および側壁1110から交互に延びてい
る。また、防波壁212dは、その一端212ddがそ
れぞれインクの液面の上方へ向かうように傾斜する。た
だし、防波壁212dと、容器194の側壁1070と
側壁1110との間に介在する側壁(図示せず)と、の
間には、インクを通過させる程度の間隙が設けられる。
従って、防波壁212d上にはインクが残留しない。複
数のアクチュエータ106が、容器194の壁のうち、
インクの液面に対してほぼ垂直に延びる側壁1070に
配備される。複数のアクチュエータ106は、互いにイ
ンク液面に対して異なる高さに配備される。それによっ
て、インクの消費状態を段階的に検出できる。本実施例
においては、バッファ214が、頂壁1080のうち、
アクチュエータ106が配備される側壁1070の付近
に配設されている。
【0228】図49は、本発明に従ったインクカートリ
ッジのさらに他の実施例の平断面図を示す。本実施例の
インクカートリッジ180Kにおいて、アクチュエータ
106が、インク供給口187に対向する位置にある側
壁1070に配備される。複数の防波壁212eは、側
壁1070とインク供給口187が配設される側面との
間を介在する第1の側壁1120aおよび第2の側壁1
120bから交互に延びている。側壁1120aおよび
側壁1120bによって、インクの波からアクチュエー
タ106を効果的に防護するとともに、気泡の発生を抑
制する。
【0229】図50は、本発明に従ったインクカートリ
ッジのさらに他の実施例の平断面図を示す。本実施例の
インクカートリッジ180Lにおいて、アクチュエータ
106が、インク供給口187に対向する位置にある側
壁1070に配備される。防波壁212gは、防波壁の
端の少なくとも一部分がアクチュエータ106が配備さ
れる側壁1070に向かうように屈曲している屈曲部8
00を有し、防波壁212gとアクチュエータ106と
の間には毛細管力が作用しない。また、屈曲部800と
側壁1070との間には毛細管力が作用するような間隙
が設けられる。したがって、気泡がアクチュエータ10
6と防波壁212gとの間に侵入することを防止する。
一方で、アクチュエータ106の周辺のインクは、イン
クカートリッジ108Lの他のインクの水位と等しい。
従って、アクチュエータ106は、インクカートリッジ
108L内のインクの消費状態を正確に検知できる。
【0230】図51は、アクチュエータ106を用いた
インクカートリッジの更に他の実施形態を示す。図51
(A)のインクカートリッジ220Aは、インクカート
リッジ220Aの壁のうち、インクの液面に対して上方
にある頂壁1081からインクの液面に対して下方へと
延びている第1の防波壁222を有する。第1の防波壁
222の下端とインクカートリッジ220Aの底壁10
91との間には所定の間隔が空けられているので、イン
クは、インクカートリッジ220Aの底面を通じてイン
ク供給口230へ流入できる。第1の防波壁222より
インク供給口230側には、インクカートリッジ220
Aの底面より上方に延びるように第2の防波壁224
が、形成されている。第2の防波壁224の上端とイン
クカートリッジ220A上面との間には所定の間隔が空
けられているので、インクは、インクカートリッジ22
0Aの上面を通じてインク供給口230へ流入できる。
【0231】第1の防波壁222によって、インク供給
口230から見て、第1の防波壁222の奥の方に第1
の収容室225aが形成される。一方、第2の防波壁2
24によって、インク供給口230から見て第2の防波
壁222の手前側に第2の収容室225bが形成され
る。第1の収容室225aの容量は、第2の収容室22
5bの容量より大きい。第1の防波壁222及び第2の
防波壁224の間に、毛管現象を起こせるだけの間隔が
空けられることにより、毛管路227が形成される。し
たがって、第1の収容室225aのインクは、毛管路2
27の毛細管力により、毛管路227に集められる。そ
のため、気体や気泡が収容室225bへ混入するのを防
止することができる。また、収容室225b内のインク
の水位は、安定的に徐々に下降できる。インク供給口2
30から見て、第1の収容室225aは、第2の収容室
225bより奥に形成されているので、第1の収容室2
25aのインクが消費された後、第2の収容室225b
のインクが消費される。
【0232】インクカートリッジ220Aのインク供給
口230側の側壁1071、すなわち第2の収容室22
5bのインク供給口230側の側壁1071には、アク
チュエータ106が装着されている。アクチュエータ1
06は、第2の収容室225b内のインクの消費状態を
検知する。アクチュエータ106を、側壁1071に装
着することによって、インクエンドにより近い時点での
インク残量を安定的に検出することができる。更に、ア
クチュエータ106を側壁1071に装着する高さを変
えることにより、どの時点でのインク残量をインクエン
ドにするかを、自由に設定することができる。毛管路2
27によって収容室225aから収容室225bへイン
クが供給されることにより、アクチュエータ106は、
インクカートリッジ220Aの横揺れによるインクの横
揺れの影響を受けないので、アクチュエータ106は、
インク残量を確実に測定できる。更に、毛管路227
が、インクを保持するので、インクが第2の供給室22
5bから第1の供給室225aへ逆流するのを防ぐ。
【0233】インクカートリッジ220Aの上面には、
逆止弁228が設けられている。逆止弁228によっ
て、インクカートリッジ220Aが横揺れしたときに、
インクがインクカートリッジ220A外部に漏れるのを
防ぐことができる。更に、逆止弁228をインクカート
リッジ220Aの上面に設置することで、インクのイン
クカートリッジ220Aからの蒸発を防ぐことができ
る。インクカートリッジ220A内のインクが消費され
て、インクカートリッジ220A内の負圧が逆止弁22
8の圧力を越えると、逆止弁228が開いて、インクカ
ートリッジ220Aに空気を吸入し、その後閉じてイン
クカートリッジ220A内の圧力を一定に保持する。
【0234】図51(C)及び(D)は、逆止弁228
の詳細の断面を示す。図51(C)の逆止弁228は、
ゴムにより形成された羽根232aを有する弁232を
有する。インクカートリッジ220の外部との通気孔2
33が、羽根232aに対向してインクカートリッジ2
20に設けられる。羽根232aによって、通気孔23
3が、開閉される。逆止弁228は、インクカートリッ
ジ220内のインクが減少し、インクカートリッジ22
0内の負圧が逆止弁228の圧力を越えると、羽根23
2aが、インクカートリッジ220の内側に開き、外部
の空気をインクカートリッジ220内に取り入れる。図
51(D)の逆止弁228は、ゴムにより形成された弁
232とバネ235とを有する。逆止弁228は、イン
クカートリッジ220内の負圧が逆止弁228の圧力を
越えると、弁232が、バネ235を押圧して開き、外
部の空気をインクカートリッジ220内に吸入し、その
後閉じてインクカートリッジ220内の負圧を一定に保
持する。
【0235】図51(B)のインクカートリッジ220
Bは、図51(A)のインクカートリッジ220Aにお
いて逆止弁228を設ける代わりに第1の収容室225
aに多孔質部材242を配置している。多孔質部材24
2は、インクカートリッジ220B内のインクを保持す
ると共に、インクカートリッジ220Bが横揺れしたと
きに、インクがインクカートリッジ220Bの外部へ漏
れるのを防ぐ。
【0236】以上、キャリッジに装着される、キャリッ
ジと別体のインクカートリッジにおいて、インクカート
リッジ又はキャリッジにアクチュエータ106を装着す
る場合について述べたが、キャリッジと一体化され、キ
ャリッジと共に、インクジェット記録装置に装着される
インクタンクにアクチュエータ106を装着してもよ
い。更に、キャリッジと別体の、チューブ等を介して、
キャリッジにインクを供給するオフキャリッジ方式のイ
ンクタンクにアクチュエータ106を装着してもよい。
またさらに、記録ヘッドと容器とが一体となって交換可
能に構成されたインクカートリッジに、本発明のアクチ
ュエータを装着してもよい。
【0237】以上、本発明を実施の形態を用いて説明し
たが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範
囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又
は改良を加えることができる。その様な変更又は改良を
加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、
特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0238】
【発明の効果】本発明に従った液体容器は、液体残量を
正確に検出でき、かつ複雑なシール構造を不要とする。
【0239】本発明に従った液体容器は、液体容器内の
液体が圧電装置付近において波打ち、または泡立つこと
を防止できる。
【0240】さらに、本発明に従った液体容器は、液体
容器内の液体が波打ち、または泡立った場合において
も、圧電装置が、正確に液面の検出をし、液体の消費量
を正確に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】単色、例えばブラックインク用のインクカート
リッジの一実施例を示す図である。
【図2】単色、例えばブラックインク用のインクカート
リッジの他の実施例を示す図である。
【図3】本発明のインクカートリッジの更に他の実施例
を示す図である。
【図4】本発明のインクカートリッジの更に他の実施例
を示す図である。
【図5】本発明のインクカートリッジの更に他の実施例
を示す図である。
【図6】本発明のインクカートリッジの更に他の実施例
を示す図である。
【図7】本発明のインクカートリッジの更に他の実施例
を示す図である。
【図8】本発明のインクカートリッジの更に他の実施例
を示す図である。
【図9】本発明のインクカートリッジの更に他の実施例
を示す図である。
【図10】本発明のインクカートリッジの更に他の実施
形態を示す図である。
【図11】本発明のインクカートリッジの更に他の実施
形態を示す図である。
【図12】本発明のインクカートリッジの更に他の実施
形態を示す図である。
【図13】本発明のインクカートリッジの更に他の実施
形態を示す図である。
【図14】複数種類のインクを収容するインクカートリ
ッジの一実施例を示す図である。
【図15】複数種類のインクを収容するインクカートリ
ッジの他の実施例を示す図である。
【図16】複数種類のインクを収容するインクカートリ
ッジのさらに他の実施例を示す図である。
【図17】複数種類のインクを収容するインクカートリ
ッジのさらに他の実施例を示す図である。
【図18】本発明のインクジェット記録装置の実施形態
の部分的な断面を示す図である。
【図19】本発明に従ったサブタンクユニットの実施例
の断面図を示す図である。
【図20】本発明に従ったサブタンクユニットの実施例
の断面図を示す図である。
【図21】本発明に従ったサブタンクユニットの他の実
施例の断面図を示す図である。
【図22】アクチュエータ106の詳細を示す図であ
る。
【図23】アクチュエータ106およびその周辺の詳細
を示す図である。
【図24】インクの密度とアクチュエータ106によっ
て検出されるインクの共振周波数との関係を示す図であ
る。
【図25】アクチュエータ106の逆起電力波形を示す
図である。
【図26】アクチュエータ106の他の実施形態を示す
図である。
【図27】図26に示したアクチュエータ106の一部
分の断面を示す図である。
【図28】図28に示したアクチュエータ106の全体
の断面を示す図である。
【図29】図26に示したアクチュエータ106の製造
方法を示す図である。
【図30】本発明のインクカートリッジの更に他の実施
形態を示す図である。
【図31】本発明のインクカートリッジの更に他の実施
形態を示す図である。
【図32】貫通孔1cの他の実施形態を示す図である。
【図33】アクチュエータの更に他の実施形態を示す図
である。
【図34】アクチュエータの他の実施形態を示す図であ
る。
【図35】貫通孔1cの更に他の実施形態の平面を示す
図である。
【図36】モジュール体を示す斜視図である図である。
【図37】モジュール体の構成を示す分解図である。
【図38】モジュール体の他の実施形態を示す図であ
る。
【図39】モジュール体の構成を示す分解図である。
【図40】モジュール体の更に他の実施形態を示す図で
ある。
【図41】図36に示したモジュール体100を容器1
に装着した断面の例を示す図である。
【図42】モジュール体の更に他の実施形態を示す図で
ある。
【図43】図22に示したアクチュエータ106を用い
たインクカートリッジ及びインクジェット記録装置の実
施形態を示す図である。
【図44】インクジェット記録装置の詳細を示す図であ
る。
【図45】図44に示したインクカートリッジ180の
他の実施形態を示す図である。
【図46】インクカートリッジ180の更に他の実施形
態を示す図である。
【図47】インクカートリッジ180の更に他の実施形
態を示す図である。
【図48】インクカートリッジ180の更に他の実施形
態を示す図である。
【図49】インクカートリッジ180の他の実施形態を
示す図である。
【図50】インクカートリッジ180の他の実施形態を
示す図である。
【図51】モジュール体を用いたインクカートリッジの
更に他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
1・・・容器 1a・・・底面 1b・・・側壁 1c、940a・・・貫通孔 1d、・・・側面 1e、1f・・・段差部 1g、1h・・・溝 2・・・インク供給口 3、15、16、17、、70・・・アクチュエータ 4・・・パッキン 5・・・バネ 6・・・弁体 7・・・半導体記憶手段 8・・・容器 8a・・・底面 9、10、11・・・部屋 12、13、14・・・インク供給口 20・・・固定基板 21、23・・・導電材料層 21a、23a・・・接続端子 22・・・グリーンシート 30・・・キャリッジ 31・・・記録ヘッド 32・・・インク供給針 33・・・サブタンクユニット 34・・・インク収容室 35・・・インク供給路 36・・・膜弁 37・・・フィルタ 38・・・弁体 67・・・板材 71・・・接着剤層 72、80、178・・・基板 73、82、圧電振動板 74、75・・・防波壁 76・・・パッキン 77・・・カシメ孔 81・・・窪み 100、400,500、700・・・モジュール 102・・・基台部 104、362・・・リードワイヤ 106、650、660、670・・・アクチュエータ 108・・・フィルム 110・・・プレート 112・・・キャビティ 113・・・凹部 114・・・開口部 116・・・円柱部 160・・・圧電層 162、370・・・キャビティ 164・・・上部電極 166・・・下部電極 168・・・上部電極端子 170・・・下部電極端子 172・・・補助電極 174・・・圧電素子 176・・・振動板 180・・・インクカートリッジ 181・・・空気供給口 182・・・インク導入部 183・・・インク導入口 184・・・弁部 185・・・空気導入口 186・・・ヘッドプレート 187・・・インク供給口 188・・・ノズルプレート 189・・・切替弁 190・・・ノズル 194・・・容器 194a・・・底面 194b・・・側壁 212、227、1192・・・防波壁 213、213a、213b・・・収容室 214・・・バッファ 220・・・インクカートリッジ 222・・・防波壁 224・・・第2の隔壁 225a・・・第1の収容室 225b・・・第2の収容室 227・・・毛管路 228・・・逆止弁 230・・・インク供給口 232・・・弁 232a・・・羽根 233・・・通気孔 235・・・バネ 242・・・多孔質部材 250・・・キャリッジ 252・・・記録ヘッド 254・・・インク供給針 256・・・サブタンクユニット 350・・・取付プレート 360・・・基台部 364・・・モールド部 370・・・キャビティ 372・・・シーリング構造 402、502・・・基台 403・・・円柱状の台 404、504・・・リードワイヤ 408、508・・・フィルム 410、510・・・プレート 413、513・・・凹部 414、514・・・開口部 600・・・取付構造体 606・・・アクチュエータ 610・・・基板 612・・・端子 940、941・・・グリーンシート 942、944・・・導電層 944’・・・接続部 947、948・・・補助導電層 K・・・インク
フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA29 EB20 EB29 EB39 EB51 EB59 KB05 KB08 KB09 KB11 KB27 KB37 KC05 KC11 KC13 KC15 KC17 KC22 KC27 KC30 KD06 2F014 AA01 AB01 AB02 AB03 CB01

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を収容する容器と、前記液体を前記
    容器の外部へ供給する液体供給口と、前記容器内の前記
    液体の消費状態を検出する圧電装置と、前記容器内部の
    前記圧電装置に対向する位置に配備される防波壁と、を
    備えることを特徴とする液体容器。
  2. 【請求項2】 前記圧電装置と前記防波壁との間には間
    隙が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の
    液体容器。
  3. 【請求項3】 前記間隙には毛細管力が作用しないこと
    を特徴とする請求項2に記載の液体容器。
  4. 【請求項4】 前記圧電装置と前記防波壁との間の毛細
    管力は、前記液体を保持する程度の毛細管力より小さい
    ことを特徴とする請求項2に記載の液体容器。
  5. 【請求項5】 前記圧電装置は、前記容器の内方に向け
    て開口するキャビティを有することを特徴とする請求項
    1に記載の液体容器。
  6. 【請求項6】 前記防波壁は、前記容器に対して固定す
    るように、前記容器の内壁から延びていることを特徴と
    する請求項1に記載の液体容器。
  7. 【請求項7】 前記圧電装置は、前記容器の壁のうち、
    前記液体の液面に対してほぼ垂直の方向に延びている側
    壁に配備され、前記防波壁は、前記液体の液面に対して
    ほぼ垂直の方向に延びていることを特徴とする請求項1
    に記載の液体容器。
  8. 【請求項8】 前記圧電装置は、前記容器の壁のうち、
    前記液体の液面に対して下方にある底壁に配備され、前
    記防波壁は、前記液体の液面に対してほぼ平行の方向に
    延びていることを特徴とする請求項1に記載の液体容
    器。
  9. 【請求項9】 前記容器は、前記液体の液面に対して下
    方にある底壁を有し、前記防波壁は、前記底壁から延び
    ていることを特徴とする請求項1に記載の液体容器。
  10. 【請求項10】 前記容器は、前記液体の液面に対して
    上方にある頂壁を有しており、前記防波壁は、前記頂壁
    から延びていることを特徴とする請求項7に記載の液体
    容器。
  11. 【請求項11】 前記防波壁は前記頂壁まで延び、前記
    防波壁と前記頂壁との境界は気密かつ液密に結合してお
    り、かつ前記防波壁と前記底壁との境界には前記液体が
    通過する連通口が配設されることを特徴とする請求項1
    0に記載の液体容器。
  12. 【請求項12】 前記防波壁は前記液体の液面に対して
    傾斜して延びていることを特徴とする請求項1に記載の
    液体容器。
  13. 【請求項13】 前記容器は前記液体の液面に対してほ
    ぼ垂直に延びる側壁を有し、前記防波壁は前記側壁から
    延びていることを特徴とする請求項12に記載の液体容
    器。
  14. 【請求項14】 前記防波壁を境として前記圧電装置が
    ある側の頂壁に、気体を収容できる凹部が形成されてい
    ることを特徴とする請求項11に記載の液体容器。
  15. 【請求項15】 前記防波壁の少なくとも一部分と前記
    容器の壁面との間に毛細管力発生部があることを特徴と
    する請求項1に記載の液体容器。
  16. 【請求項16】 前記防波壁は、前記防波壁の端の少な
    くとも一部分が前記圧電装置が配備される壁面に向かう
    ように屈曲している屈曲部を有し、前記防波壁と前記圧
    電装置との間には毛細管力が作用せず、かつ前記屈曲部
    と前記圧電装置が配備される壁面との間には毛細管力が
    作用することを特徴とする請求項15に記載の液体容
    器。
  17. 【請求項17】 前記容器は、前記液体の液面に対して
    ほぼ垂直の方向に延びている側壁を有しており、前記防
    波壁は、前記側壁から延びていることを特徴とする請求
    項8に記載の液体容器。
  18. 【請求項18】 前記容器は防波壁を複数有し、前記防
    波壁のうち、少なくとも1つの前記防波壁が前記圧電装
    置と対向することを特徴とする請求項1に記載の液体容
    器。
  19. 【請求項19】 前記容器は、前記液体の液面に対して
    上方にある頂壁と、前記液体の液面に対して下方にある
    底壁と、を有しており、複数の前記防波壁は、前記頂壁
    と前記底壁とから交互に延びていることを特徴とする請
    求項18に記載の液体容器。
  20. 【請求項20】 前記容器は、前記液体の液面に対して
    ほぼ垂直の方向に延びる第1側壁と、前記第1側壁と対
    向する側で前記液体の液面に対してほぼ垂直の方向に延
    びる第2側壁を有しており、前記複数の防波壁は、前記
    第1側壁と前記第2側壁とから交互に延びていることを
    特徴とする請求項18に記載の液体容器。
  21. 【請求項21】 前記容器は、互いに隣接する少なくと
    も二つの壁面を有し、 前記圧電装置は、前記少なくとも二つの壁面の境界にあ
    る境界部に配備され、前記防波壁の一端は前記少なくと
    も二つの壁面のうち一方の壁面から延び、他端は他方の
    壁面から延びていることを特徴とする請求項1に記載の
    液体容器。
  22. 【請求項22】 前記防波壁は、ほぼ平面の形状である
    ことを特徴とする請求項21に記載の液体容器。
  23. 【請求項23】 前記容器は、前記防波壁によって少な
    くとも二つの液体収容室に仕切られ、前記二つの液体収
    容室のうち、前記液体供給口に比較的に近い供給口側液
    体収容室には多孔質部材を配備し、前記液体供給口から
    比較的に遠い奥側液体収容室には前記圧電装置が配備さ
    れることを特徴とする請求項1に記載の液体容器。
  24. 【請求項24】 前記防波壁が多孔質部材であることを
    特徴とする請求項1に記載の液体容器。
  25. 【請求項25】 前記多孔質部材は負圧発生部材である
    ことを特徴とする請求項23または請求項24のいずれ
    かに記載の液体容器。
  26. 【請求項26】 前記圧電装置は、振動を生ずる振動部
    を有し、前記振動部に残留する残留振動によって発生す
    る逆起電力に基づいて、前記液体の消費状態を検出する
    ことを特徴とする請求項1から請求項25のいずれかに
    記載の液体容器。
  27. 【請求項27】 当該液体容器は、インク滴を吐出する
    記録ヘッドを有するインクジェット記録装置に装着さ
    れ、前記記録ヘッドへ前記容器内の液体を供給すること
    を特徴とする請求項1から請求項26のいずれかに記載
    の液体容器。
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