JP2002035851A - 成形素材配置状態解析方法、成形素材配置状態解析装置、及び記録媒体 - Google Patents

成形素材配置状態解析方法、成形素材配置状態解析装置、及び記録媒体

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JP2002035851A
JP2002035851A JP2000216558A JP2000216558A JP2002035851A JP 2002035851 A JP2002035851 A JP 2002035851A JP 2000216558 A JP2000216558 A JP 2000216558A JP 2000216558 A JP2000216558 A JP 2000216558A JP 2002035851 A JP2002035851 A JP 2002035851A
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mold
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calculated
shape
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JP2000216558A
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Hideki Ueda
秀樹 上田
Masaki Kobayashi
正貴 小林
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金型上に成形素材を配置したときの安定性を
算出する成形素材配置状態解析方法、成形素材配置状態
解析装置、及び記録媒体を提供する。 【構成】 可搬型記録媒体20に記録されている成形素
材配置状態解析装置のプログラムをコンピュータ1によ
って読み取り、実行して、コンピュータ1によって金型
の上側に成形素材を配置した状態を算出し、この配置状
態から、成形素材に働く重力によって、成形素材が金型
に当接し、更に金型上を移動して、成形素材が金型上の
静止位置で静止する状態を算出し、このときの成形素材
の重心位置を算出して、成形素材の設置安定性を算出す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型上に成形素材
を配置するときの配置状態を解析する成形素材配置状態
解析方法、その実施に使用する成形素材配置状態解析装
置、及びコンピュータを成形素材配置状態解析装置とし
て機能させるためのコンピュータプログラムが記録され
ている記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】鍛造成形及び板金成形等のプレス成形で
は、上型と下型とからなる金型内に成形素材を投入し、
プレス機によって成形素材を金型内で塑性変形させる。
成形の前段階では、金型の下型上に成形素材を配置する
が、金型及び成形素材の形状によっては、この配置状態
が不安定であるため、成形素材を配置するために規定さ
れた位置からずれた状態で配置されたり、配置した成形
素材が金型上で傾倒する等の不具合が発生する場合があ
る。
【0003】従来、このような成形素材の配置状態は、
下型の上に成形素材を試験的に配置し、ユーザが目視に
よって配置状態が安定であるか否かを判断していた。ユ
ーザが成形素材の配置状態が不安定であると判断した場
合には、ユーザの経験によって、成形素材の配置状態が
安定となるように金型の形状を変更していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の如き
従来の方法では、試験的に成形素材を下型上へ配置する
ことが必要であり、このための作業に多くの手間を必要
とするという問題があった。
【0005】また、成形素材の配置状態の安定性をユー
ザが目視によって判断するため、この判断にユーザの熟
練を要し、ユーザによって判断結果が異なる場合がある
等の問題があった。
【0006】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、金型上方の仮配置位置に配置した成形素材が、
これに重力が加わることにより移動し、金型上の静止位
置に静止したときの静止位置を算出し、この静止位置に
おける成形素材の重心位置より成形素材の設置安定性を
算出することにより、成形素材の静止位置、及び設置安
定性を確認するために、金型上に成形素材を試験的に配
置する必要がなく、従来に比して大幅にユーザの手間を
軽減する成形素材配置状態解析方法、その実施に使用す
る成形素材配置状態解析装置、及びコンピュータを成形
素材配置状態解析装置として機能させるためのコンピュ
ータプログラムが記録されている記録媒体を提供するこ
とを目的とする。
【0007】また、本発明の他の目的は、静止位置に成
形素材が位置するときの成形素材の重心位置に基づい
て、成形素材の設置安定性を算出することにより、成形
素材の配置状態の安定性判断にユーザの熟練を要さず、
また成形素材の設置安定性を定量的に判断することがで
き、ユーザによって安定性の判断結果が異なることがな
い成形素材配置状態解析方法、成形素材配置状態解析装
置、及び記録媒体を提供することにある。
【0008】本発明の更に他の目的は、金型又は成形素
材の形状を表すデータの中の、金型又は成形素材の所定
の表面領域に含まれる複数の縦方向位置を平均し、この
平均値を前記表面領域内の所定の表面位置における新た
な縦方向位置とすることにより、金型又は成形素材の表
面の縦方向の凹凸を平滑化し、金型又は成形素材の形状
を表すデータに含まれるノイズ成分を低減することがで
きる成形素材配置状態解析装置を提供することにある。
【0009】本発明の更に他の目的は、金型又は成形素
材の形状を表すデータの中の、金型又は成形素材の所定
の表面領域に含まれる複数の縦方向位置の内、その他の
値と比較してノイズ成分が少ないと考えられる中央値
を、前記表面領域内の所定の表面位置における新たな縦
方向位置とすることにより、金型又は成形素材の形状を
表すデータに含まれるノイズ成分を低減することができ
る成形素材配置状態解析装置を提供することにある。
【0010】本発明の更に他の目的は、金型又は成形素
材の形状を表すデータの中から、金型又は成形素材の所
定の表面領域における表面の勾配が所定値を越える部分
から外側の部分に関するデータを取り除くことにより、
ノイズ成分とされる金型又は成形素材とは異なる部分に
関するデータを、金型又は成形素材の形状を表すデータ
から除去することができる成形素材配置状態解析装置を
提供することにある。
【0011】本発明の更に他の目的は、金型又は成形素
材の形状を表すデータの中から、ユーザによって指定さ
れた部分に関するデータを取り除くことにより、ユーザ
が明らかにノイズ成分であることが判別できる部分に関
するデータを、金型又は成形素材の形状を表すデータか
ら除去することができる成形素材配置状態解析装置を提
供することにある。
【0012】本発明の更に他の目的は、金型又は成形素
材の表面形状の一部と、ユーザによって指定された平面
に関してこの表面形状に対称な表面形状とで囲まれる立
体を表すデータを生成することによって、ユーザが金型
又は成形素材の形状の一部を計測するだけで、金型又は
成形素材の立体形状を表すデータを得ることができ、金
型又は成形素材の形状の計測を容易にすることができる
成形素材配置状態解析装置を提供することにある。
【0013】本発明の更に他の目的は、成形素材を金型
へ当接させたときの金型及び成形素材の接点と、このと
きの成形素材の重心位置とを通過する直線を求め、この
直線に直交する横方向の基準線を求めて、この基準線及
び成形素材の重心位置の相対位置に基づいて、成形素材
の回転方向を算出することにより、成形素材の金型の上
面での静止位置を算出することができる成形素材配置状
態解析装置を提供することにある。
【0014】本発明の更に他の目的は、金型又は成形素
材の表面を複数の四角形で分割したときの各頂点を表す
データによって金型又は成形素材の表面形状を表し、金
型の頂点を縦方向に成形素材の表面へ投影したときの投
影点を求め、金型側の頂点の内、この投影点と投影元の
頂点との距離が最短である頂点を求めて、この最短の距
離だけ成形素材を下向きに移動したときの金型と成形素
材との接点を、前記距離が最短である頂点とすることに
よって、成形素材と金型とが当接したときの接点を求め
ることができる成形素材配置状態解析装置を提供するこ
とにある。
【0015】本発明の更に他の目的は、金型又は成形素
材の表面を複数の四角形で分割したときの各頂点を表す
データによって金型又は成形素材の表面形状を表し、金
型の頂点を縦方向に成形素材の表面へ投影したときの投
影点を求め、この投影点と投影元の頂点との距離を求め
ることによって、金型の表面から成形素材の表面までの
距離の分布状態を画面又は印刷装置などへ出力すること
ができ、ユーザがこの分布状態を確認することができる
成形素材配置状態解析装置を提供することにある。
【0016】本発明の更に他の目的は、金型又は成形素
材の表面を複数の四角形で分割したときの各頂点を表す
データによって金型又は成形素材の表面形状を表し、成
形素材の頂点を縦方向に金型の表面へ投影したときの投
影点を求め、この投影点と投影元の頂点との距離を求め
ることによって、成形素材の表面から金型の表面までの
距離の分布状態を画面又は印刷装置などへ出力すること
ができ、ユーザがこの分布状態を確認することができる
成形素材配置状態解析装置を提供することにある。
【0017】本発明の更に他の目的は、金型上の複数の
位置に夫々成形素材が静止しているときの、成形素材の
重心の縦方向位置を求めることによって、成形素材の配
置状態の安定性の判断に利用できる情報を求めることが
できる成形素材配置状態解析装置を提供することにあ
る。
【0018】本発明の更に他の目的は、金型上に成形素
材が静止しているときの、成形素材の重心位置と金型及
び成形素材の接点との横方向の距離を求めることによっ
て、成形素材の配置状態の安定性の判断に利用できる情
報を求めることができる成形素材配置状態解析装置を提
供することにある。
【0019】本発明の更に他の目的は、金型上に成形素
材が静止しているときの、金型及び成形素材の接点を所
定の平面へ投影し、この投影点を各頂点とする多角形を
求め、成形素材の重心位置を前記平面へ投影し、この投
影点と前記多角形の各辺との最短距離を求めることによ
って、成形素材の配置状態の安定性の判断に利用できる
情報を求めることができる成形素材配置状態解析装置を
提供することにある。
【0020】本発明の更に他の目的は、成形素材を金型
上の所定の位置に配置したときの成形素材の重心位置
と、この所定の位置から成形素材が移動し、別の位置で
静止したときの成形素材の重心位置との距離を求めるこ
とによって、成形素材の配置状態の安定性の判断に利用
できる情報を求めることができる成形素材配置状態解析
装置を提供することにある。
【0021】本発明の更に他の目的は、成形素材を金型
上の所定の位置に配置したときの、金型に対応付けられ
た所定領域内に含まれる成形素材の部分の体積を求め、
成形素材が所定の位置から移動し、別の位置で静止した
ときの、前記所定領域に含まれる成形素材の部分の体積
を求め、これらの体積の比率を求めることにより、成形
素材の配置状態の安定性の判断に利用できる情報を求め
ることができる成形素材配置状態解析装置を提供するこ
とにある。
【0022】本発明の更に他の目的は、ユーザによって
指定された金型の領域を、ユーザによって指定された形
状へ変更したときの金型の形状を算出するときに、この
変更に基づいて、この領域の近傍の領域の形状を変更し
た金型の形状を算出することにより、ユーザが、変更す
る領域の内の一部の領域と、変更する形状の内の一部の
形状とを指定するだけで、この領域だけでなく、この近
傍の領域も形状を変更したときの金型の形状を算出する
ことができ、変更する領域及び形状を指定するための操
作を容易にすることができる成形素材配置状態解析装置
を提供することにある。
【0023】本発明の更に他の目的は、形状を変更する
領域及びこれの近傍領域の距離と、前記領域が形状変更
する変更量とによって、形状を変更する領域の近傍領域
の形状の変更量を線形補間によって算出することによ
り、この近傍領域の形状の変更量を容易に算出すること
ができる成形素材配置状態解析装置を提供することにあ
る。
【0024】本発明の更に他の目的は、所定の基準位置
及び形状を変更する領域の近傍領域の距離と、前記領域
が形状変更する変更量とによって、形状を変更する領域
の近傍領域の形状の変更量を線形補間によって算出する
ことにより、この近傍領域の形状の変更量を容易に算出
することができる成形素材配置状態解析装置を提供する
ことにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る成形素材
配置状態解析方法は、プレス成形に供される成形素材を
金型の上面に配置するときの前記成形素材の配置状態を
解析する成形素材配置状態解析方法において、前記金型
及び成形素材の形状を表す形状データを受け付けるステ
ップと、前記金型の上方の前記成形素材の仮配置位置を
受け付けるステップと、受け付けた仮配置位置に位置
し、下向きの力が加えられた前記成形素材が静止する前
記金型上面の静止位置を、前記形状データ、前記仮配置
位置、及び前記力に基づいて算出するステップと、算出
した静止位置及び前記形状データに基づいて、前記静止
位置に前記成形素材が位置するときの前記成形素材の重
心位置を算出するステップと、算出した重心位置に基づ
いて、前記成形素材が前記金型の上面に配置されたとき
の、前記成形素材の設置安定性を算出するステップとを
有することを特徴とする。
【0026】第2発明に係る成形素材配置状態解析装置
は、プレス成形に供される成形素材を金型の上面に配置
するときの前記成形素材の配置状態を解析する成形素材
配置状態解析装置において、前記金型及び成形素材の形
状を表す形状データを受け付ける形状データ受付手段
と、前記金型の上方の前記成形素材の仮配置位置を受け
付ける仮配置位置受付手段と、該仮配置位置受付手段に
よって受け付けた仮配置位置に位置し、下向きの力が加
えられた前記成形素材が静止する静止位置を、前記形状
データ、前記仮配置位置、及び前記力に基づいて算出す
る静止位置算出手段と、該静止位置算出手段によって算
出した静止位置及び前記形状データに基づいて、前記静
止位置に前記成形素材が位置するときの前記成形素材の
重心位置を算出する第1重心位置算出手段と、該第1重
心位置算出手段が算出した重心位置に基づいて、前記成
形素材が前記金型の上面に配置されたときの、前記成形
素材の設置安定性を算出する設置安定性算出手段とを備
えることを特徴とする。
【0027】第3発明に係る成形素材配置状態解析装置
は、第2発明に係る成形素材配置状態解析装置におい
て、前記静止位置算出手段は、前記形状データに基づい
て、前記金型又は成形素材の所定の表面領域に含まれる
複数の縦方向位置の平均値を算出する平均値算出手段、
及び該平均値算出手段によって算出した平均値を、前記
表面領域に含まれる所定部分の新たな縦方向位置とする
第1置換手段を有する第1修正手段と、前記形状データ
に基づいて、前記金型又は成形素材の所定の表面領域に
含まれる複数の縦方向位置の内、中央の値を算出する中
央値算出手段、及び該中央値算出手段によって算出した
値を、前記表面領域に含まれる所定部分の新たな縦方向
位置とする第2置換手段を有する第2修正手段と、前記
形状データに基づいて、前記金型又は成形素材の所定の
表面領域における表面の勾配を算出する勾配算出手段、
及び該勾配算出手段によって算出した勾配が所定値を越
えるか否かを判別する判別手段、及び該判別手段によっ
て勾配が所定値を越えると判別された部分から外側の部
分に対応するデータを、前記形状データから取り除く第
1除去手段を有する第3修正手段と、前記金型又は成型
成形素材から取り除く部分の指定を受け付ける部分指定
受付手段、及び該部分指定受付手段によって指定を受け
付けた部分に対応するデータを、前記形状データから取
り除く第2除去手段を有する第4修正手段との内の少な
くとも1つを具備することを特徴とする。
【0028】第4発明に係る成形素材配置状態解析装置
は、第2又は第3発明に係る成形素材配置状態解析装置
において、前記静止位置算出手段は、前記形状データ受
付手段によって受け付けた形状データが、前記金型又は
成形素材の表面形状の一部を表すデータである場合に、
平面の指定を受け付ける平面指定受付手段と、該平面指
定受付手段によって指定を受け付けた平面に関して、前
記形状データが表す表面形状に対称な表面形状を生成す
る表面形状生成手段と、前記形状データが表す表面形状
及び前記表面形状生成手段によって生成した表面形状を
連結する連結手段と、該連結手段によって連結した表面
形状によって囲まれる立体を表す形状データを生成する
形状データ生成手段とを具備することを特徴とする。
【0029】第5発明に係る成形素材配置状態解析装置
は、第2乃至第4発明の何れかに係る成形素材配置状態
解析装置において、前記静止位置算出手段は、前記形状
データに基づいて、前記成形素材を前記金型へ当接させ
たときの、前記成形素材及び金型の接点を算出する接点
算出手段と、該接点算出手段によって算出した接点及び
前記形状データに基づいて、前記成形素材及び金型が当
接したときの前記成形素材の重心位置を算出する第2重
心位置算出手段と、前記接点及び該第2重心位置算出手
段によって算出した重心位置を通過する直線を算出する
直線算出手段と、該直線算出手段によって算出した直線
に交差し、前記接点を通過する横方向の基準線を算出す
る基準線算出手段と、該基準線算出手段によって算出し
た基準線に対する前記重心位置の相対位置に基づいて、
前記成形素材の前記基準線回りの回転方向を算出する回
転方向算出手段とを具備することを特徴とする。
【0030】第6発明に係る成形素材配置状態解析装置
は、第5発明に係る成形素材配置状態解析装置におい
て、前記形状データは、前記成形素材及び金型の表面を
四角形で分割したときの各四角形の頂点を表すデータを
含んでおり、前記接点算出手段は、前記成形素材の1つ
の四角形の各頂点を夫々縦方向に前記金型の表面へ投影
したときの各投影点を夫々含む前記金型の複数の四角形
を算出する四角形算出手段と、該四角形算出手段によっ
て算出した複数の四角形によって共有される頂点を算出
する頂点算出手段と、該頂点算出手段によって算出した
頂点を縦方向に前記成形素材の表面へ投影したときの投
影点が、前記成形素材の1つの四角形に含まれるか否か
を判別する判別手段と、該判別手段によって前記成形素
材の1つの四角形に含まれると判別した前記投影点の位
置を算出する投影点位置算出手段と、該投影点位置算出
手段によって算出した前記投影点の位置及び該投影点の
投影元の頂点の位置間の距離を算出する距離算出手段
と、該距離算出手段によって算出した距離の内、最短の
距離だけ前記成形素材を下方向へ移動させたときの前記
成形素材の位置を算出する移動位置算出手段と、前記距
離算出手段によって算出した距離の内、最短の距離に対
応する前記投影点の投影元の頂点の位置を前記接点の位
置として出力する接点位置出力手段とを有することを特
徴とする。
【0031】第7発明に係る成形素材配置状態解析装置
は、第2乃至第6発明の何れかに係る成形素材配置状態
解析装置において、前記形状データは、前記成形素材及
び金型の表面を四角形で分割したときの各四角形の頂点
を表すデータを含んでおり、前記成形素材の1つの四角
形の各頂点を夫々縦方向に前記金型の表面へ投影したと
きの各投影点を夫々含む前記金型の複数の四角形を算出
する四角形算出手段と、該四角形算出手段によって算出
した複数の四角形によって共有される頂点を算出する頂
点算出手段と、該頂点算出手段によって算出した頂点を
縦方向に前記成形素材の表面へ投影したときの投影点
が、前記成形素材の1つの四角形に含まれるか否かを判
別する判別手段と、該判別手段によって前記成形素材の
1つの四角形に含まれると判別した前記投影点の位置を
算出する投影点位置算出手段と、該投影点位置算出手段
によって算出した前記投影点の位置及び該投影点の投影
元の頂点の位置間の距離を算出する距離算出手段と、該
距離算出手段によって算出した距離を用いて、縦方向で
の前記金型の表面から前記成形素材の表面までの距離の
分布状態を出力する分布状態出力手段とを更に備えるこ
とを特徴とする。
【0032】第8発明に係る成形素材配置状態解析装置
は、第2乃至第7発明の何れかに係る成形素材配置状態
解析装置において、前記形状データは、前記成形素材及
び金型の表面を四角形で分割したときの各四角形の頂点
を表すデータを含んでおり、前記成形素材の1つの頂点
を縦方向に前記金型の表面へ投影したときの投影点を含
む前記金型の1つの四角形を算出する四角形算出手段
と、該四角形算出手段によって算出した四角形の各頂点
から、前記投影点の位置を算出する投影点位置算出手段
と、該投影点位置算出手段によって算出した前記投影点
の位置及び該投影点の投影元の頂点の位置間の距離を算
出する距離算出手段と、該距離算出手段によって算出し
た距離を用いて、縦方向での前記成形素材の表面から前
記金型の表面までの距離の分布状態を出力する分布状態
出力手段とを更に備えることを特徴とする。
【0033】第9発明に係る成形素材配置状態解析装置
は、第2乃至第8発明の何れかに係る成形素材配置状態
解析装置において、前記設置安定性算出手段は、前記静
止位置算出手段によって算出した複数の静止位置に前記
成形素材が位置しているときに、前記第1重心位置算出
手段によって夫々算出した複数の重心位置の縦方向位置
を算出する第1解析情報算出手段と、前記静止位置算出
手段によって算出した第1静止位置に前記成形素材が位
置するときの前記成形素材及び金型の接点の内の1つを
算出する第1接点算出手段、該第1接点算出手段によっ
て算出した接点及び前記第1静止位置に前記成形素材が
位置するときの前記成形素材の重心位置間の横方向の距
離を算出する第1距離算出手段、前記第1静止位置に前
記成形素材が位置する状態から、前記成形素材を横方向
の回転軸を中心に所定角度回転させたときに、前記静止
位置算出手段によって算出した第2静止位置に前記成形
素材が位置する場合の前記成形素材及び金型の接点の内
の1つを算出する第2接点算出手段、該第2接点算出手
段によって算出した接点及び前記第2静止位置に前記成
形素材が位置するときの前記成形素材の重心位置間の横
方向の距離を算出する第2距離算出手段、並びに前記第
1距離算出手段によって算出した距離及び前記第2距離
算出手段によって算出した距離の差分を算出する差分算
出手段を有する第2解析情報算出手段と、前記静止位置
に前記成形素材が位置するときの夫々の接点を所定の平
面に投影した投影点を算出する第1投影点算出手段、前
記静止位置に前記成形素材が位置するときの前記成形素
材の重心位置の前記平面への投影点を算出する第2投影
点算出手段、前記第1投影点算出手段によって算出した
夫々の投影点間を連結して多角形を生成する多角形生成
手段、並びに該多角形生成手段によって生成した多角形
の各辺及び前記第2投影点算出手段によって算出した投
影点間の距離の内、最短の距離を算出する距離算出手段
とを有する第3解析情報算出手段との内の少なくとも1
つを具備することを特徴とする。
【0034】第10発明に係る成形素材配置状態解析装
置は、第2乃至第9発明の何れかに係る成形素材配置状
態解析装置において、所定位置に前記成形素材が配され
たときの前記成形素材の重心位置を算出する第3重心位
置算出手段と、前記所定位置に前記成形素材が配された
ときに、前記静止位置算出手段によって算出した静止位
置での前記第1重心位置算出手段によって算出した重心
位置、及び前記第3重心位置算出手段によって算出した
重心位置間の距離を算出する移動量算出手段と、前記成
形素材が前記所定位置に配されたときに、前記金型に対
応付けられた所定領域に含まれる前記成形素材の体積を
算出する第1体積算出手段と、前記成形素材が前記静止
位置に位置するときに、前記所定領域に含まれる前記成
形素材の体積を算出する第2体積算出手段と、前記第1
体積算出手段によって算出した体積、及び前記第2体積
算出手段によって算出した体積の比率を算出する体積比
率算出手段とを更に備えることを特徴とする。
【0035】第11発明に係る成形素材配置状態解析装
置は、第2乃至第10発明の何れかに係る成形素材配置
状態解析装置において、前記金型の表面の領域の指定を
受け付ける領域指定受付手段と、前記領域の形状変更後
の形状を受け付ける形状受付手段と、該形状受付手段に
よって受け付けた形状へ前記領域の形状を変更したとき
の前記金型の形状データを算出する第1形状データ算出
手段と、該第1形状データ算出手段による前記領域の形
状の変更に基づいて、前記領域の近傍領域の形状を変更
したときの前記金型の形状データを算出する第2形状デ
ータ算出手段とを更に備えることを特徴とする。
【0036】第12発明に係る成形素材配置状態解析装
置は、第11発明に係る成形素材配置状態解析装置にお
いて、前記第2形状データ算出手段は、前記領域及び前
記近傍領域の距離、並びに前記領域が形状変更する変更
量に応じて、前記近傍領域の形状の変更量を線形補間に
よって算出する第1変更量算出手段と、所定の基準位置
及び前記近傍領域の距離、並びに前記領域が形状変更す
る変更量に応じて、前記近傍領域の形状の変更量を線形
補間によって算出する第2変更量算出手段との内の少な
くとも1つを具備することを特徴とする。
【0037】第13発明に係る記録媒体は、コンピュー
タに、プレス成形に供される成形素材を金型の上面に配
置するときの前記成形素材の配置状態を解析させるプロ
グラムが記録してあるコンピュータでの読み取りが可能
な記録媒体において、コンピュータに、前記金型及び成
形素材の形状を表す形状データを受け付けさせるプログ
ラムコード手段と、前記金型の上方の前記成形素材の仮
配置位置を受け付けさせるプログラムコード手段と、受
け付けた仮配置位置に位置し、下向きの力が加えられた
前記成形素材が静止する前記金型上面の静止位置を、前
記形状データ、前記仮配置位置、及び前記力に基づいて
算出させるプログラムコード手段と、算出した静止位置
及び前記形状データに基づいて、前記静止位置に前記成
形素材が位置するときの前記成形素材の重心位置を算出
させるプログラムコード手段と、算出した重心位置に基
づいて、前記成形素材が前記金型の上面に配置されたと
きの、前記成形素材の設置安定性を算出させるプログラ
ムコード手段とを有するプログラムが記録してあること
を特徴とする。
【0038】第1発明に係る成形素材配置状態解析方
法、第2発明に係る成形素材配置状態解析装置、及び第
13発明に係る記録媒体による場合は、受け付けた形状
データ及び仮配置位置から、前記仮配置位置に成形素材
を配置した状態から成形素材が所定の力、例えば重力を
受けることにより移動して、成形素材が金型上の静止位
置に静止したときの静止位置を算出する。そして、この
静止位置に成形素材が位置しているときの重心位置を算
出し、これに基づいて成形素材の設置安定性を算出す
る。このため、成形素材の静止位置、及び設置安定性を
確認するために、金型上に成形素材を試験的に配置する
必要がなく、従来に比して大幅にユーザの手間を軽減す
ることが可能となる。
【0039】また、静止位置に成形素材が位置するとき
の成形素材の重心位置に基づいて、成形素材の設置安定
性を算出することにより、ユーザはこれを用いて成形素
材の配置状態の安定性を判断すればよく、従来のように
成形素材の配置状態の安定性判断にユーザの熟練を要さ
ず、また成形素材の設置安定性を定量的に判断すること
ができ、ユーザによって安定性の判断結果が異なること
がない。
【0040】また、例えば、実際の金型及び成形素材の
表面形状を計測し、この計測データを形状データとして
利用する場合、金型及び成形素材の表面に付着物及び疵
が存在したり、計測誤差が発生することによって、形状
データの縦方向位置情報にノイズ成分が含まれることが
ある。
【0041】第3発明に係る成形素材配置状態解析装置
による場合は、第1修正手段が、金型又は成形素材の所
定の表面領域に含まれる複数の縦方向位置を平均して、
この平均値を前記表面領域の所定の表面位置の新たな縦
方向位置とすることによって、ノイズ成分による表面の
縦方向の凹凸を平滑化するため、形状データに含まれる
ノイズ成分を低減することが可能となる。
【0042】また、第2修正手段が、金型又は成形素材
の所定の表面領域に含まれる複数の縦方向位置の内、そ
の他の値と比較してノイズ成分が少ないと考えられる中
央値を、前記表面領域の所定の表面位置の新たな縦方向
位置とすることによって、ノイズ成分による表面の縦方
向の凹凸を平滑化するため、形状データに含まれるノイ
ズ成分を低減することが可能となる。
【0043】また、金型及び成形素材の表面形状を計測
するときに、正確に金型及び成形素材の表面だけが計測
されず、本来計測対象外の部分である金型及び成形素材
が裁置されている台等も計測され、得られた形状データ
に金型及び成形素材とは異なる部分の表面形状がノイズ
成分として含まれることがある。
【0044】このような場合には、第3修正手段が、金
型又は成形素材の所定の表面領域における表面の勾配が
所定値を越える部分を求め、この部分から外側の部分に
対応するデータを形状データから取り除くことによっ
て、例えば平板状の成形素材の表面形状を計測したとき
に、成形素材とその他の部分との境界が段部となってお
り、この部分での表面の勾配が成形素材の表面部分より
も大きいため、この部分から外側の部分が成形素材と異
なるノイズ成分であり、このノイズ成分を除去すること
が可能となる。
【0045】また、第4修正手段が、部分指定受付手段
によって指定を受け付けた部分に対応するデータを、形
状データから取り除くことによって、ユーザが明らかに
ノイズ成分であることが判別できる部分を指定し、ユー
ザによって指定されたノイズ成分を除去することが可能
となる。
【0046】第4発明に係る成形素材配置状態解析装置
による場合は、ユーザによって指定された平面に関し
て、形状データが表す金型又は成形素材の表面形状に対
称な表面形状を生成し、形状データが表す表面形状と生
成した表面形状とを連結し、連結した表面形状によって
囲まれる立体を表す形状データを生成することによっ
て、例えば、金型又は成形素材の表面の一部を計測して
得た形状データから、金型又は成形素材の表面全体を表
す形状データを生成することができる。従って、ユーザ
は金型又は成形素材の形状の一部を計測すればよく、金
型又は成形素材の形状の計測を容易にすることができ
る。
【0047】第5発明に係る成形素材配置状態解析装置
による場合は、成形素材を金型へ当接させたときの金型
及び成形素材の接点と、このときの成形素材の重心位置
とを通過する直線を求め、この直線に交差し、前記接点
を通過する横方向の基準線を求めて、この基準線及び成
形素材の重心位置の相対位置に基づいて、成形素材の回
転方向を算出することによって、次に説明するような理
由により、成形素材の金型の上面での静止位置を算出す
ることができる。
【0048】図43及び図44は、金型上に一点で当接
した成形素材の回転方向を説明するための金型及び成形
素材の模式的平面図及び模式的側面断面図である。図4
3において、mは成形素材であり、dは金型である。成
形素材mと金型dとは、接点p1で当接している。接点
p1と成形素材mの重心位置gとを、直線l1が通過し
ており、接点p1を通過する水平線hlがこの直線l1
に直交している。図44に示すように、重心位置gは、
点p1を通過する鉛直線vlに対してr2の方向に位置
している。重心位置gには、成形素材mの自重により鉛
直方向下向きの力Fが加わっており、このため、成形素
材mは水平線hlを回転軸としてr2方向へ回転する。
また、重心位置gが鉛直線vlに対してr1の方向に位
置している場合には、成形素材mは水平線hlを回転軸
としてr1の方向へ回転する。
【0049】従って、第5発明に係る成形素材配置状態
解析装置では、水平線hlと、重心位置gとに基づい
て、成形素材mの回転方向を算出し、この方向へ成形素
材mが回転したときの成形素材mと金型dとの次の接点
を求める。そして、両接点と重心位置gとによって、更
に次の接点を求め、このようにして3点以上で成形素材
mと金型dとが接する状態を算出することにより、成形
素材mの金型d上での静止位置を算出することができ
る。
【0050】第6発明に係る成形素材配置状態解析装置
による場合は、以下に説明するような原理によって、成
形素材と金型との接点を算出することができる。図45
は、成形素材及び金型の相対的な位置を説明する図であ
る。図において、横方向をx軸方向とし、縦方向をy軸
方向としている。xy平面は水平面であり、金型dの形
状データは、金型dがx軸方向及びy軸方向夫々につい
て、等間隔の格子状に分割されたときの、各四角形の頂
点でのx座標値、y座標値、及び鉛直方向のz座標値を
含んでいる。また、成形素材mの形状データは、x軸方
向及びy軸方向から所定角度傾いた状態で金型dと同一
間隔の格子によって分割されたときの、各四角形の頂点
でのx座標値、y座標値、及びz座標値を含んでいる。
【0051】四角形算出手段によって、成形素材mの1
つの四角形sq1の各頂点q1,q2,q3,q4が夫
々含まれる金型dの四角形sqa,sqb,sqc,s
qdを求める。そして、頂点算出手段が四角形sqa,
sqb,sqcによって共有される頂点p1、及び四角
形sqb,sqc,sqdによって共有される頂点p2
を求める。
【0052】四角形sq1の内側に、金型d側の頂点を
含む場合、四角形sq1内に含まれる金型dの頂点は、
四角形sqa,sqb,sqc,sqdの内の少なくと
も3つの四角形に共有されている頂点p1,p2の内の
何れか又は両方である。これは次のような理由による。
図46は、成形素材m側の四角形sqと、四角形sqに
含まれる金型d側の頂点pとの相対的な位置を説明する
図である。図において、横方向をx軸方向とし、縦方向
をy軸方向としている。頂点pを内側に含む四角形sq
は、四角形sqの頂点の1つが頂点pと重なる位置にあ
るときに、この頂点の対角側の頂点を、頂点pを中心に
回転させた場合の軌跡である円形cの内部の位置に存在
しうる。
【0053】四角形sqが、頂点pを共有する4つの四
角形s1,s2,s3,s4を含む四角形Sの内部にあ
るとき、四角形sqの各頂点は必ず四角形s1,s2,
s3,s4の内の何れかの内部に位置する。例えば、四
角形sqの頂点の内、図中最もy軸方向の正側に位置す
る頂点は、四角形sqの辺が四角形s1〜s4の辺と同
一の長さであることにより、頂点pをy軸方向の負側の
隅部に有する2つの四角形s1,s2の内の何れかの内
部に含まれる。また、四角形sqの頂点の内、図中最も
y軸方向の負側に位置する頂点は、頂点pをy軸方向の
正側の隅部に有する2つの四角形s3,s4の内の何れ
かの内部に含まれる。四角形sqの3つの頂点が、図中
x軸方向の正側の2つの四角形s2,s3に含まれると
き、四角形sqの他の1つの頂点は、図中x軸方向の負
側の四角形s1,s4の何れかに必ず含まれる。このこ
とから、四角形sqが四角形Sの内部にあるとき、四角
形sqの各頂点は、四角形s1〜s4の内の少なくとも
3つの四角形に含まれることとなる。
【0054】また、四角形sqの内部に頂点pが位置し
ており、四角形sqの4つの頂点の内、最も頂点pから
離れた頂点が、円形cの内部であって、四角形Sの外側
の弓形の領域a1〜a4の内の何れか、例えば図中x軸
方向正側の弓形の領域a1内に含まれるときには、この
頂点の対角側の頂点が、四角形s1〜s4の内、図中x
軸方向負側の四角形s1,s4の何れかの内部に含まれ
る。一方、四角形sqの他の2つの頂点は、図中x軸方
向正側の四角形s2,s3の何れかの内部に含まれる。
また、この2つの頂点は、四角形sqの頂点の内、最も
y軸方向正側に位置する頂点と、最もy軸方向負側に位
置する頂点であるため、x軸方向正側、y軸方向正側の
四角形s2と、x軸方向正側、y軸方向負側の四角形s
3に各別に含まれる。このことから、四角形sqの1つ
の頂点が弓形の領域a1〜a4の内の何れかの内部に含
まれるとき、四角形sqの他の頂点は、四角形s1〜s
4の内の3つの四角形に夫々含まれることとなる。
【0055】従って、成形素材m側の1つの四角形内に
含まれる金型d側の頂点は、前記四角形の各頂点を夫々
内部に含む金型d側の四角形の内の少なくとも3つの四
角形に共有されている。
【0056】また、成形素材m側の1つの四角形の各頂
点を、金型d側の複数の四角形が含む場合であっても、
成形素材m側の四角形の頂点を含む金型d側の四角形の
内の少なくとも3つの四角形によって共有される頂点
が、成形素材m側の四角形の内部にないことがある。図
47は、金型d側の四角形の頂点が、成形素材m側の四
角形に含まれない場合の一例を説明する図である。図に
示すように、成形素材m側の四角形sqの各頂点は、金
型d側の四角形s5〜s8の内部に夫々含まれている。
四角形s6,s7,s8によって共有される頂点pα
は、四角形sqの内部に存在するが、四角形s5,s
6,s8によって共有される頂点pβは、四角形sqの
内部には存在しない。
【0057】また、成形素材m側の1つの四角形の内部
に、金型d側の頂点が含まれない場合がある。図48
は、成形素材m側の四角形が、金型d側の頂点をその内
部に含まない場合の一例を説明する図である。図に示す
ように、成形素材m側の四角形sqの各頂点は、金型d
側の四角形s11,s12,s13,s21,s22,
s23,s32の内、s12,s21,s22,s23
の内部に夫々含まれているが、四角形sqの内部には金
型d側の頂点が含まれていない。
【0058】従って、図45で、四角形sq1の内部に
金型dの頂点が含まれる場合、四角形sq1内に含まれ
る金型dの頂点は、四角形sqa,sqb,sqc,s
qdの内の3つの四角形に共有されている頂点p1,p
2の内の何れか又は両方である。そして、判別手段によ
って、頂点p1,p2が四角形sq1に含まれているこ
とを判別する。このようにして、成形素材m側の四角形
に含まれる金型d側の頂点を求めることにより、成形素
材m側の全ての四角形に対して、金型d側の1つの頂点
を内側に含むか否かを夫々判別して、成形素材m側の四
角形に含まれる金型d側の頂点を探索する処理に比し
て、大幅に探索回数を低減することができる。
【0059】更に、頂点p1,p2を成形素材mの表面
に、z軸方向へ投影したときの投影点pp1,pp2の
位置を投影点位置算出手段によって算出する。図49
は、投影点pp1,pp2の位置を説明する図である。
投影点pp1,pp2は、成形素材m側の四角形sq1
上に存在する。x座標値及びy座標値は、頂点p1,p
2のx座標値及びy座標値と同一である。従って、成形
素材mの形状データから、このx座標値及びy座標値に
おける成形素材mの表面でのz座標値を求めることによ
って、投影点pp1,pp2の位置は求められる。
【0060】そして、金型d側の頂点と、この頂点の投
影点との距離、即ちz座標値の差分を距離算出手段によ
って求め、この内の最短距離だけ、成形素材mを金型d
側へ移動させたときの成形素材の位置を移動位置算出手
段によって算出する。
【0061】この移動位置算出手段によって算出した位
置での接点は、距離算出手段によって算出した距離が最
短の金型dの頂点である。従って、接点位置出力手段が
この接点位置を出力することによって、成形素材と金型
との接点を求める。以上に説明した処理を行うことによ
り、第6発明に係る成形素材配置状態解析装置は、成形
素材と金型との接点を算出することができる。
【0062】第7発明に係る成形素材配置状態解析装置
による場合は、四角形算出手段によって、成形素材の1
つの四角形の各頂点の投影点が夫々含まれる金型の四角
形を求め、頂点算出手段が、四角形算出手段によって算
出した金型の四角形により共有される頂点を求める。そ
して、金型の複数の四角形により共有される頂点の投影
点が、成形素材の1つの四角形に含まれていることを判
別する。このようにして、成形素材側の四角形に含まれ
る金型側の頂点の成形素材側への投影点を求めることに
より、成形素材側の全ての四角形に対して、金型側の1
つの頂点の成形素材側への投影点を内側に含むか否かを
夫々判別して、成形素材側の四角形に含まれる金型側の
頂点の成形素材側への投影点を探索する処理に比して、
大幅に探索回数を低減することができる。
【0063】そして、金型側の頂点と、この頂点の成形
素材の表面への投影点との距離、即ちz座標値の差分を
距離算出手段によって求める。更に、この距離算出手段
によって算出した距離を用いて、金型の表面から成形素
材の表面までの距離の分布状態を画面又は印刷装置など
へ出力する。このようにすることにより、ユーザが実際
に金型上に成形素材を配置しなくても、金型から成形素
材までの距離の分布状態を表示又は印刷することがで
き、ユーザがこの分布状態を確認することができる。
【0064】第8発明に係る成形素材配置状態解析装置
による場合は、四角形算出手段によって、成形素材の1
つの頂点を縦方向に金型の表面へ投影したときの投影点
が含まれる金型の四角形を求める。図50は、四角形算
出手段による処理を説明する図である。図において、横
方向をx軸方向とし、縦方向をy軸方向としている。x
y平面は水平面であり、金型dの形状データは、金型d
がx軸方向及びy軸方向夫々について、等間隔の格子状
に分割されたときの、各四角形の頂点でのx座標値、y
座標値、及び鉛直方向のz座標値を含んでいる。また、
成形素材mの形状データは、x軸方向及びy軸方向から
所定角度傾いた状態で金型dと同一間隔の格子によって
分割されたときの、各四角形の頂点でのx座標値、y座
標値、及びz座標値を含んでいる。
【0065】金型dの頂点のx座標値の中で、成形素材
mの1つの頂点q1のx座標値xq1より小さいx座標
値の内、x座標値xq1に最も近いx座標値x1を求め
る。同様に金型dの頂点のy座標値の中で、頂点q1の
y座標値yq1より小さいy座標値の内、y座標値yq
1に最も近いy座標値y1を求める。このx座標値x1
及びy座標値y1の位置には、金型dの頂点p1が存在
する。このx座標値x1、y座標値y1、及び金型dの
各四角形の一辺の長さlによって、頂点q1を内部に含
む金型dの四角形の各頂点p1,p2,p3,p4を求
める。
【0066】このようにして、成形素材側の頂点が含ま
れる金型側の四角形を求めることにより、金型側の全て
の四角形に対して、成形素材側の1つの頂点の金型側へ
の投影点を内側に含むか否かを夫々判別して、成形素材
側の1つの頂点の金型側への投影点が含まれる金型側の
四角形を探索する処理に比して、大幅に探索回数を低減
することができる。
【0067】そして、成形素材側の頂点と、この頂点の
金型の表面への投影点との距離、即ちz座標値の差分を
距離算出手段によって求める。更に、この距離算出手段
によって算出した距離を用いて、成形素材の表面から金
型の表面までの距離の分布状態を画面又は印刷装置など
へ出力する。このようにすることにより、ユーザが実際
に金型上に成形素材を配置しなくても、成形素材から金
型までの距離の分布状態を表示又は印刷することがで
き、ユーザがこの分布状態を確認することができる。
【0068】第9発明に係る成形素材配置状態解析装置
による場合は、第1解析情報算出手段が、金型上の複数
の静止位置に成形素材が位置しているとき夫々の成形素
材の重心位置を算出し、成形素材の配置状態に深く関与
している重心位置の縦方向位置を求める。図51は、第
1解析情報算出手段の処理を説明する図である。金型d
より上側の位置から、成形素材mを降下させ、成形素材
mが金型dの表面に当接して、静止した状態を静止位置
算出手段によって算出し、この状態のときの成形素材m
の重心位置を算出する。この重心の縦方向位置が金型表
面から離れている程、成形素材の配置状態は不安定であ
ることがわかる。また、金型dより上側の複数の位置か
ら成形素材mを夫々降下させた場合の、夫々の静止位置
を静止位置算出手段によって算出し、夫々の静止位置に
成形素材mが静止しているときの、成形素材mの重心位
置を算出する。各静止位置における成形素材の重心の縦
方向位置の差が大きいとき、成形素材の配置位置が僅か
に異なっただけで、成形素材の配置状態が不安定となる
ことがわかる。従って重心の縦方向位置を求め、これを
成形素材の配置状態の安定性の判断に利用することがで
きる。
【0069】図52は、第2解析情報算出手段の処理を
説明するための成形素材及び金型の側断面図である。第
2解析情報算出手段は、成形素材mが金型d上の第1静
止位置sp1に静止しているときの金型dと成形素材m
との1つの接点p1を算出する。そして、第1静止位置
sp1に静止しているときの成形素材mの重心位置g1
と、接点p1との、この断面における横方向の距離tl
1を算出する。この接点p1回りには、重心位置gに加
わる下向きの力と、距離tl1との積で表されるトルク
が加わっており、このトルクが大きい程、成形素材mに
図中矢符で示した方向に力を加えたときに、成形素材m
が傾倒しにくい。従って、距離tl1が大きい程、成形
素材の配置状態が安定していることがわかる。
【0070】次に、第1静止位置sp1に静止している
成形素材mが、断面方向と直行する水平方向の回転軸O
を中心として所定角度θ回転したときの第2静止位置s
p2を求め、この第2静止位置sp2に成形素材mが静
止しているときの金型dと成形素材mとの1つの接点p
2を算出する。そして、第2静止位置sp2に静止して
いるときの成形素材mの重心位置g2と、接点p2と
の、この断面における横方向の距離tl2を求め、距離
tl1と距離tl2との差分を算出する。この差分が大
きいとき、成形素材の配置角度が僅かに異なっただけ
で、成形素材の配置状態が不安定となることがわかる。
従って重心位置と接点との横方向の距離、及びその差分
を求め、これを成形素材の配置状態の安定性の判断に利
用することができる。
【0071】図53は、第3解析情報算出手段の処理を
説明するための概念図である。第3解析情報算出手段
は、成形素材mが金型d上の静止位置に静止していると
きの金型dと成形素材mとの各接点を、例えば水平面に
投影したときの投影点p1〜p5を算出し、この静止位
置に静止しているときの成形素材mの重心位置を、この
水平面に投影したときの投影点gを算出する。そして、
投影点p1,p2間を辺l1によって連結し、同様に、
投影点p2,p3間、投影点p3,p4間、投影点p
4,p5間、及び投影点p5,p1間を夫々、辺l2,
l3,l4,及びl5によって連結して、多角形を生成
し、この多角形の辺l1〜l5と、重心位置の投影点g
との最短距離を算出する。図53の場合では、辺l3上
の点pnと、投影点g間の距離nが最短距離となってい
る。この点pn回りには、重心位置に加わる下向きの力
と、距離nとの積で表されるトルクが加わっており、こ
のトルクが大きい程、成形素材mに力を加えたときに、
成形素材mが傾倒しにくい。従って、距離nが大きい
程、成形素材の配置状態が安定していることがわかる。
また、金型d上の複数の静止位置における重心位置の投
影点と多角形の辺との最短距離の差が大きいとき、成形
素材の配置位置が僅かに異なっただけで、成形素材の配
置状態が不安定となることがわかる。従って成形素材及
び金型の接点の所定の平面への投影点を頂点とした多角
形の各辺と、重心位置の前記平面への投影点との最短距
離を求め、これを成形素材の配置状態の安定性の判断に
利用することができる。
【0072】第10発明に係る成形素材配置状態解析装
置による場合は、以下に説明するように、金型上の所定
位置に成形素材が配置された場合に、成形素材が静止位
置まで移動したときの移動量を求める。
【0073】図54は、第10発明に係る成形素材配置
状態解析装置の処理を説明するための模式的平面図であ
る。金型d上の予め規定された配置位置DPに成形素材
mが配置されたとき、金型d上を成形素材mが移動し、
静止位置SPで成形素材mが静止する。第10発明に係
る成形素材配置状態解析装置は、成形素材mが配置位置
DPに位置するときの成形素材mの重心位置g1と、成
形素材mが静止位置SPに位置するときの成形素材mの
重心位置g2とを算出し、これらの重心位置g1,g2
間の距離nを、成形素材mの移動量として求める。この
距離nが大きい程、成形素材が大きく移動していること
がわかる。
【0074】図55は、所定の領域に含まれる成形素材
mの体積の変化を説明するための模式的平面図である。
第10発明に係る成形素材配置状態解析装置は、図55
(a)に示すように、予め規定された配置位置DPに成
形素材mが位置しているときの、例えば、成形素材m
の、金型dの中心線cから一側の領域に含まれる部分の
体積v1を算出し、図55(b)に示すように、静止位
置SPに成形素材mが位置しているときの、成形素材m
の前記領域に含まれる部分の体積v2を算出する。そし
て、この体積v1,v2の比率を算出する。体積v1か
ら体積v2への変化が大きい程、成形素材が大きく移動
していることがわかる。従って成形素材の移動量を求め
ることができ、成形素材の配置状態の安定性の判断に利
用することができる。
【0075】第11発明に係る成形素材配置状態解析装
置による場合は、指定した金型上の領域を、指定した形
状へ変更したときの金型の形状データを算出する場合
に、この変更に基づいて、この領域の近傍の領域の形状
を変更した状態の金型の形状データを算出することによ
り、ユーザが、変更する領域の内の一部の領域と、変更
する形状の内の一部の形状とを指定するだけで、この領
域だけでなく、この領域の近傍の領域も形状を変更した
ときの金型の形状データを算出することができ、変更す
る領域及び形状を指定するための操作を容易にすること
ができる。
【0076】第12発明に係る成形素材配置状態解析装
置による場合は、第1変更量算出手段が、形状を変更す
る領域及びこれの近傍領域の距離と、前記領域が形状変
更する変更量とによって、形状を変更する領域の近傍領
域の形状の変更量を線形補間によって算出する。
【0077】図56は、第1変更量算出手段を有する近
傍領域形状変更手段の処理の概念図である。点pa1に
おける表面の位置を、これより長さl1だけ下方の点p
a2に変更するように形状が変更されるとき、この点p
a1から水平に距離aだけ離れた点pb1における表面
の位置を、下方の点pb2へ変更する変更量l2を算出
する。このとき、変更量l2が、点pa1及び点pb1
間の距離aに比例するように定める。これによって、形
状を変更する領域の近傍領域の形状の変更量を容易に算
出することができる。
【0078】また、第2変更量算出手段が、所定の基準
位置及び形状を変更する領域の近傍領域の距離と、前記
領域が形状変更する変更量とによって、形状を変更する
領域の近傍領域の形状の変更量を線形補間によって算出
する。
【0079】図57は、第2変更量算出手段を有する近
傍領域形状変更手段の処理の概念図である。金型dの表
面より上方の基準位置z0から、距離la1だけ下方の
点pa1における表面の位置が、これより長さla2だ
け下方の点pa2に変更するように、形状が変更される
とき、基準位置z0から距離lb1だけ下方の点pb1
における表面の位置を、下方の点pb2へ変更する変更
量lb2を算出する。このとき、変更量lb2が、基準
位置z0及び点pb1間の距離lb1に比例するように
定める。これによって、形状を変更する領域の近傍領域
の変更量を容易に算出することができる。
【0080】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下本発明をその
実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本
発明に係る成形素材配置状態解析装置の要部の構成を示
すブロック図である。
【0081】図において、1は成形素材配置状態解析装
置として用いるコンピュータを示しており、コンピュー
タ1はCPU11を有し、該CPU11に対して、CP
U11において発生するデータを記憶するRAM12、
本発明のプログラムが記録されているCD−ROM又は
フレキシブルディスク等の可搬型記録媒体20から本発
明に係る成形素材配置状態解析装置のプログラムを読み
取るCD−ROMドライブ又はフレキシブルディスクド
ライブ等からなる外部記憶装置13、外部記憶装置13
により読み取った本発明のプログラムを格納するハード
ディスク14、外部と通信を行うための通信インタフェ
ース15、画像表示装置4に画像を出力する画像出力イ
ンタフェース16、及び入力装置51からの入力を受け
付ける入力インタフェース17が接続されている。
【0082】コンピュータ1は、通信インタフェース1
5により通信ネットワーク30に接続されている。この
通信ネットワーク30はルータ等の接続装置31により
インターネット等の外部ネットワーク回線32に接続さ
れている。
【0083】本発明に係る成形素材配置状態解析装置の
プログラムは可搬型記録媒体20から読み取る以外に
も、外部ネットワーク回線32を介して外部サーバコン
ピュータ33に接続し、外部サーバコンピュータ33に
内蔵された前記プログラムを記録してある記録媒体34
からコンピュータ1へ前記プログラムをダウンロードす
ることによりハードディスク14に格納し、格納された
プログラムをCPU11がRAM12にロードすること
によって、コンピュータ1は本発明の成形素材配置状態
解析装置として機能する。
【0084】このようにして成形素材配置状態解析装置
として機能するコンピュータ1は、後述する本発明の成
形素材配置状態解析装置における処理手順を実施するこ
とができる。
【0085】なお、上述した通信ネットワーク30にお
ける通信は、有線による通信以外に、電波及び赤外線等
の手段を用いた無線通信でもよい。
【0086】入力インタフェース17は、成形素材もし
くは金型の表面形状を計測したときに得られる計測デー
タを出力する計測データ出力装置52、又は成形素材も
しくは金型の表面形状を表すメッシュデータを出力する
メッシュデータ出力装置53に接続されている。図2
は、計測データによって表される平面を示す平面図であ
り、図3は、計測データによって表される平面を示す斜
視図である。図2において、横方向をx軸方向、縦方向
をy軸方向としており、xy平面は水平面であるとして
いる。計測データは、図示しない計測装置が、金型又は
成形素材の表面を走査し、金型又は成形素材の複数の表
面位置を計測したときの各測定点の位置情報からなるデ
ータである。図2及び図3に示すように、計測データ
は、計測された平面上に1mm間隔にx軸方向及びy軸
方向に並んだ各測定点(以下、節点という)のx座標
値、y座標値、及びz座標値からなっている。
【0087】なお、計測データの計測点の間隔を1mm
としたが、これに限るものでないことはいうまでもな
い。
【0088】図4は、メッシュデータによって表される
平面を示す平面図であり、図5は、メッシュデータによ
って表される平面を示す斜視図である。図4において、
横方向をx軸方向、縦方向をy軸方向としている。メッ
シュデータは、有限要素法等の構造解析に用いるため
に、構造物を四面体等の小さい部品に分割した状態を表
すデータである。図4及び図5に示すように、平面sf
1は複数の3角形の要素el,el,…によって分割さ
れている。メッシュデータは、平面sf1を分割する複
数の3角形el,el,…の各頂点(以下、節点とい
う)のx座標値、y座標値、及びz座標値を含んでい
る。
【0089】図6は、本発明の成形素材配置状態解析装
置における処理手順を示すフローチャートである。本発
明の成形素材配置状態解析装置は、計測データ又はメッ
シュデータの入力を受け付け(ステップ1)、入力を受
け付けた計測データ又はメッシュデータからのノイズ除
去処理を行い(ステップ2)、計測データ又はメッシュ
データからのデータ変換処理を行う(ステップ3)。
【0090】次に、ユーザからの成形素材の規定配置位
置の指定を受け付ける(ステップ4)。通常、金型に
は、成形素材を配置するための位置が規定されている。
ステップ4では、この位置を、成形素材の規定配置位置
として、ユーザが指定するようになっている。次に、ス
テップ4において受け付けた規定配置位置より、所定量
z軸方向正側の位置である中央仮配置位置の指定を受け
付け(ステップ5)、この中央仮配置位置より、10m
mだけy軸方向負側の位置を仮配置位置として、この仮
配置位置に成形素材を配置した状態を算出する(ステッ
プ6)。
【0091】そして、後述する静止位置算出処理を行い
(ステップ7)、算出した静止位置における成形素材の
重心位置を算出し(ステップ8)、解析情報算出処理を
行う(ステップ9)。
【0092】仮配置位置がステップ5において受け付け
た中央仮配置位置より10mmだけy軸方向正側の位置
であるか否かを判別し(ステップ10)、仮配置位置が
中央仮配置位置より10mmy軸方向正側の位置でない
場合には、仮配置位置より2mmだけy軸方向正側の位
置を新たな仮配置位置として、この仮配置位置に成形素
材を配置した状態を算出し(ステップ11)、ステップ
7へ戻る。
【0093】ステップ10において、仮配置位置がステ
ップ5において受け付けた中央仮配置位置より10mm
だけy軸方向正側の位置であると判別された場合には、
金型形状変更処理を行い(ステップ12)、結果出力処
理を行って(ステップ13)、処理を終了する。
【0094】なお、成形素材の中央仮配置位置を受け付
け、これに基づいて仮配置位置を算出する構成とした
が、これに限らず、夫々の仮配置位置をユーザによって
指定する構成であってもよい。
【0095】以下に、ノイズ除去処理について説明す
る。計測データ出力装置52又はメッシュデータ出力装
置53から出力され、入力インタフェース17からコン
ピュータ1に入力された計測データ又はメッシュデータ
は、コンピュータ1によってノイズ成分を除去される。
図7は、ノイズ除去処理の処理手順を示すフローチャー
トである。まず、ノイズ除去処理の選択を受け付ける
(ステップ21)。ステップ21において、一様重み線
形フィルタリング処理が選択されたとき、後述する一様
重み線形フィルタリング処理を行い(ステップ22)、
次いで、後述する勾配変化判定によるノイズ除去処理を
行う(ステップ23)。
【0096】また、ステップ21において、中央値フィ
ルタリング処理が選択されたときには、後述する中央値
フィルタリング処理を行い(ステップ24)、次いで、
ステップ23へ処理を移し、勾配変化判定によるノイズ
除去処理を行う。
【0097】また、ステップ21において、勾配変化判
定によるノイズ除去処理が選択された場合には、ステッ
プ23へ処理を移す。
【0098】ステップ23において、勾配変化判定によ
るノイズ除去処理を行った後、ユーザ指定によるノイズ
除去処理を行うか否かの選択を受け付け(ステップ2
5)、ユーザ指定によるノイズ除去処理を行うことが選
択された場合には、後述するユーザ指定によるノイズ除
去処理を行う(ステップ26)。一方、ステップ25に
おいて、ユーザ指定によるノイズ除去処理を行わないこ
とが選択された場合には、リターンする。
【0099】ステップ25において、ユーザ指定による
ノイズ除去処理が選択された場合には、ステップ26へ
処理を移して、ユーザ指定によるノイズ除去処理を行
い、リターンする。
【0100】図8は、一様重み線形フィルタリング処理
の処理手順を示すフローチャートである。計測データ又
はメッシュデータの節点の内の、x座標値及びy座標値
が最小の点を選択する(ステップ221)。選択した節
点と、これの8近傍に位置する節点とにおけるz座標値
の平均値を算出し(ステップ222)、この平均値を選
択した節点の新たなz座標値とする(ステップ22
3)。なお、計測データ又はメッシュデータの端部の節
点、即ちx座標値又はy座標値が最大又は最小の節点の
ような、8近傍の内の一部の節点が存在しない節点につ
いては、8近傍の位置に存在する節点だけを用いて、z
座標値の平均値を算出する。そして、選択した節点のx
座標値がデータ中のx座標値の中で最大であるか否かを
判別し(ステップ224)、最大でないと判別した場
合、x軸方向正側に相隣する節点を選択し(ステップ2
25)、ステップ222以降の処理を繰り返す。
【0101】ステップ224において、選択した節点の
x座標値がデータ中のx座標値の中で最大であると判別
した場合、選択した節点のy座標値がデータ中のy座標
値の中で最大であるか否かを判別し(ステップ22
6)、最大でないと判別した場合、y軸方向正側に相隣
する節点の列の中から、x座標値が最小の節点を選択し
(ステップ227)、ステップ222以降の処理を繰り
返す。
【0102】ステップ226において、選択した節点の
y座標値がデータ中のy座標値の中で最大であると判別
した場合には、リターンする。
【0103】図9は、一様重み線形フィルタリング処理
を説明する模式的平面図である。図において、横方向を
x軸方向とし、縦方向をy軸方向としており、各正方形
は、夫々計測データ又はメッシュデータの節点を表して
いる。節点A0 が選択されたとき、この節点A0 のz座
標値z0 と、節点A0 の8近傍の節点A1 〜A8 のz座
標値z1 〜z8 との平均値を、節点A0 の新たなz座標
値z0 として、ノイズ成分を除去している。
【0104】図10は、中央値フィルタリング処理の処
理手順を示すフローチャートである。計測データ又はメ
ッシュデータの節点の内の、x座標値及びy座標値が最
小の節点を選択する(ステップ241)。選択した節点
と、これの8近傍に位置する節点とにおけるz座標値の
中から中央値を算出し(ステップ242)、この中央値
を選択した節点の新たなz座標値とする(ステップ24
3)。なお、計測データ又はメッシュデータの端部の節
点、即ちx座標値又はy座標値が最大又は最小の節点の
ような、8近傍の内の一部の節点が存在しない節点につ
いては、8近傍の位置に存在する節点だけを用いて、z
座標値の中央値を算出する。そして、選択した節点のx
座標値がデータ中のx座標値の中で最大であるか否かを
判別し(ステップ244)、最大でないと判別した場
合、x軸方向正側に相隣する節点を選択し(ステップ2
45)、ステップ242以降の処理を繰り返す。
【0105】ステップ244において、選択した節点の
x座標値がデータ中のx座標値の中で最大であると判別
した場合、選択した節点のy座標値がデータ中のy座標
値の中で最大であるか否かを判別し(ステップ24
6)、最大でないと判別した場合、y軸方向正側に相隣
する節点の列の中から、x座標値が最小の節点を選択し
(ステップ247)、ステップ242以降の処理を繰り
返す。
【0106】ステップ246において、選択した節点の
y座標値がデータ中のy座標値の中で最大であると判別
した場合には、リターンする。
【0107】図11は、中央値フィルタリング処理を説
明する模式的平面図である。図において、横方向をx軸
方向とし、縦方向をy軸方向としており、各正方形は、
夫々計測データ又はメッシュデータの節点を表してい
る。節点A0 が選択されたとき、この節点A0 のz座標
値z0 と、節点A0 の8近傍の点A1 〜A8 のz座標値
1 〜z8 との中から中央値を算出し、この中央値を節
点A0 の新たなz座標値z0 として、ノイズ成分を除去
している。
【0108】図12,13は、勾配変化判定によるノイ
ズ除去処理の処理手順を示すフローチャートである。計
測データ又はメッシュデータの節点の内の、x座標値が
最小の複数の節点を選択し(ステップ2301)、選択
した複数の節点の中からz座標値が最大の節点Amax
処理対象節点AT として選択し(ステップ2302)、
処理対象節点AT のy座標値が最大であるか否かを判別
する(ステップ2303)。最大でないと判別された場
合、処理対象節点AT のz座標値zT と、処理対象節点
T にy軸方向正側で相隣する節点AT+1 のz座標値z
T+1 との差分z T+1 −zT が閾値Tより大きいか否かを
判別し(ステップ2304)、大きいと判別された場合
には、x座標値がAT と同じ節点の内、y座標値が節点
T より大きい節点のデータを除去し(ステップ230
5)、ステップ2307へ処理を移す。一方、ステップ
2304において、差分zT+1 −zT が閾値T以下であ
ると判別された場合には、節点AT+1 を新たな処理対象
節点AT として選択し(ステップ2306)、ステップ
2303へ戻る。
【0109】ステップ2303において、処理対象節点
T のy座標値が最大であると判別された場合、節点A
max を処理対象節点AT として選択し(ステップ230
7)、処理対象節点AT のy座標値が最小であるか否か
を判別する(ステップ2308)。最小でないと判別さ
れた場合、処理対象節点AT のz座標値zT と、処理対
象節点AT にy軸方向負側で相隣する節点AT-1 のz座
標値zT-1 との差分z T-1 −zT が閾値Tより大きいか
否かを判別し(ステップ2309)、大きいと判別され
た場合には、x座標値がAT と同じ節点の内、y座標値
が節点AT より小さい節点のデータを除去し(ステップ
2310)、ステップ2312へ処理を移す。一方、ス
テップ2309において、差分zT-1 −zT が閾値T以
下であると判別された場合には、節点AT-1 を新たな処
理対象節点AT として選択し(ステップ2311)、ス
テップ2308へ戻る。
【0110】ステップ2308において、処理対象節点
T のy座標値が最小であると判別された場合、処理対
象節点AT のx座標値が最大であるか否かを判別し(ス
テップ2312)、最大でないと判別された場合、処理
対象節点AT にx軸方向正側で相隣する節点の列に含ま
れる複数の節点を選択し(ステップ2313)、ステッ
プ2302へ戻る。ステップ2312において、処理対
象節点AT のx座標値が最大であると判別された場合、
リターンする。
【0111】図14は、勾配変化判定によるノイズ除去
処理を説明する図である。図14(a)は、計測データ
又はメッシュデータを平面的に表示した状態を表す模式
的平面図であり、図14(b)は、計測データ又はメッ
シュデータを図14(a)のb−b’線による断面で表
示した状態を表す模式的断面図である。図14(a)に
おいて、横方向をx軸方向とし、縦方向をy軸方向とし
ており、各正方形は、夫々計測データ又はメッシュデー
タの節点を表している。図中のb−b’線が通過する複
数の節点の中から、z座標値が最大の節点Amax が選択
され、節点Ama x からy軸正方向、及びy軸負方向へ、
順次節点間の勾配を調べていく。節点A r ,Aq におい
て、この勾配が閾値Tによって規定される勾配を越える
とき、この節点Ar ,Aq より端側の部分が金型又は成
形素材のデータではないと判断して、節点Ar ,Aq
り端側の節点のデータを除去することにより、ノイズ成
分を除去している。
【0112】なお、相隣る節点間の勾配が閾値Tによっ
て規定される勾配を越えるときに、この部分より端側の
部分が金型又は成形素材のデータではないと判断して、
この端側の部分を除去する構成としてあるが、これに限
らず、例えば相隣る節点間の傾きの方向が反転したとき
に、この部分より端側の部分が金型又は成形素材のデー
タではないと判断して、これより端側の部分を除去する
構成としてもよい。
【0113】図15は、ユーザ指定によるノイズ除去処
理の処理手順を示すフローチャートである。節点の指定
を受け付け(ステップ261)、指定された節点が金型
又は成形素材のデータに含まれているか否かを判別する
(ステップ262)。指定された節点が金型又は成形素
材に含まれていると判別した場合は、指定された節点を
データから除去し(ステップ263)、ステップ265
に処理を進める。また、ステップ262において、指定
された節点が金型又は成形素材のデータに含まれていな
いと判別した場合は、指定された節点をデータに追加し
(ステップ264)、処理の終了が指示されたか、処理
の続行を指示されたかを判別する(ステップ265)。
処理を続行が指示されたと判別した場合には、ステップ
261に戻り、処理の終了が指示された場合には、リタ
ーンする。
【0114】図16は、ユーザ指定によるノイズ除去処
理を説明する模式的平面図である。図において、横方向
をx軸方向とし、縦方向をy軸方向としており、各正方
形は、夫々計測データ又はメッシュデータの節点を表し
ている。図中の白色の正方形は、物体領域外、即ち金型
又は成形素材とは異なる部分を表す節点であり、斜線入
りの正方形は、物体領域内、即ち金型又は成形素材の部
分を表す節点である。ユーザが、マウス等の入力装置5
1を操作して、複数の白色の正方形だけが含まれる領域
Eを指定したとき、この領域Eに含まれる各節点が金型
又は成形素材のデータに含まれていないことを判別し、
この領域Eの各節点を金型又は成形素材のデータに追加
する。また、ユーザが、複数の斜線入りの正方形だけが
含まれる領域Fを指定したとき、この領域Fに含まれる
各節点が金型又は成形素材のデータに含まれていること
を判別し、この領域Fの各節点を金型又は成形素材のデ
ータから削除する。また、ユーザが白色の正方形及び斜
線入りの正方形の両方が含まれる領域を指定し、この領
域に含まれる各節点を金型又は成形素材のデータとする
か否かを指定することもできるようになっており、ユー
ザが各節点を金型又は成形素材のデータとすると指定し
た場合には、前記領域の節点の内、白色の正方形の節点
を金型又は成形素材のデータに追加し、ユーザが各節点
を金型又は成形素材のデータとしないと指定した場合に
は、前記領域の節点の内、斜線入りの正方形の節点を金
型又は成形素材のデータから削除するようになってい
る。
【0115】次に、データ変換処理について説明する。
図17は、金型又は成形素材の形状を表す形状データの
一例を示す斜視図である。ノイズ除去処理によってノイ
ズ成分を除去された計測データ又はメッシュデータは、
コンピュータ1内で金型又は成形素材の形状を表す立体
データに変換される。図17に示すように、立体データ
は、金型又は成形素材の形状を立体的に表現するデータ
であり、金型又は成形素材の表面を、図中x軸方向及び
y軸方向に関して1mm間隔に分割したときの各四角形
の頂点(以下、節点という)のx座標値、y座標値、及
びz座標値、面、並びに稜線等の情報を有している。ま
た、金型のデータは、金型上面の形状だけを表すデータ
であってもよく、図17に示すように、金型全体の形状
を表すデータであってもよい。
【0116】なお、立体データの節点の間隔を1mmと
したが、これに限るものでないことはいうまでもない。
【0117】また、計測データ出力装置52又はメッシ
ュデータ出力装置53から、成形素材の表面の一部を表
す計測データ又はメッシュデータが与えられたときに
は、このデータを用いて、以下に説明するように、成形
素材の全体の立体形状を表す形状データを生成する。図
18は、データ変換処理の処理手順を示すフローチャー
トである。計測データ又はメッシュデータが、金型又は
成形素材の何れを表すデータであるかを判別し(ステッ
プ301)、金型を表すデータである場合には、前記計
測データ又はメッシュデータを立体データへ変換して
(ステップ302)、リターンする。ステップ301に
おいて、計測データ又はメッシュデータが成形素材を表
すデータである場合には、このデータが成形素材の全体
の立体形状を表しているか否かを判別し(ステップ30
3)、成形素材の全体の立体形状を表していると判別し
た場合には、ステップ302へ移る。
【0118】ステップ303において、計測データ又は
メッシュデータが、成形素材の全体の立体形状を表して
いないと判別した場合には、ユーザからの平面の指定を
受け付ける(ステップ304)。ステップ304におい
て指定された平面に関して、計測データ又はメッシュデ
ータの節点に対称な節点を算出し(ステップ305)、
計測データ又はメッシュデータの節点とこれに対称な節
点とを連結し(ステップ306)、節点で囲まれる立体
形状を表す立体データを生成して(ステップ307)、
リターンする。
【0119】図19は、成形素材の表面の一部を表すデ
ータを示す模式的斜視図であり、図20は、生成した立
体データを示す模式的斜視図である。例えば、成形素材
が一平面に関して対称な形状をなしている場合、成形素
材を表す計測データ又はメッシュデータを、図19に示
すように、前記一平面より一方側の表面形状のみが表さ
れるデータとする。ユーザによって、前記一平面に相当
する平面S1が指定され、この平面S1に関して、計測
データ又はメッシュデータに含まれる各節点に対称な節
点を算出する。そして、図20に示すように、計測デー
タ又はメッシュデータによって表される表面形状と、平
面S1に関してこれに対称な表面形状とを連結し、これ
らの表面形状によって囲まれる立体を表す立体データを
生成する。このようにすることにより、成形素材の全体
の立体的な形状を表す立体データを得ることができる。
【0120】次に、静止位置算出処理について説明す
る。図21は、静止位置算出処理の処理手順を示すフロ
ーチャートである。まず、第1接点算出処理を行い(ス
テップ701)、成形素材を配置位置から降下させた場
合に金型に最初に接する接点と、このときの成形素材の
位置とを算出する。次に、成形素材の重心位置を算出し
(ステップ702)、成形素材及び金型の接点と重心位
置とを通過する直線を算出する(ステップ703)。次
に、この直線に直交し、前記接点を通過する水平線を算
出し(ステップ704)、この水平線に対する重心の相
対的位置から、成形素材の回転方向を算出する(ステッ
プ705)。
【0121】そして、算出した回転方向へ成形素材を回
転させた状態を算出し(ステップ706)、成形素材及
び金型の接点を算出する(ステップ707)。次に、こ
の状態での成形素材の重心位置を算出し(ステップ70
8)、2つの接点を通過する直線を算出する(ステップ
709)。この直線に対する重心の相対的位置から、成
形素材の回転方向を算出し(ステップ710)、算出し
た回転方向へ成形素材を回転させた状態を算出し(ステ
ップ711)、成形素材及び金型の接点を算出して(ス
テップ712)、リターンする。
【0122】ステップ707及びステップ712では、
成形素材を回転方向へ適宜回転させたときの位置を算出
し、このときに、成形素材が金型に干渉した状態である
か否かを判別し、干渉した状態である場合には、成形素
材を反対方向へ適宜回転させ、干渉していない状態であ
る場合には、成形素材を同一方向へ更に適宜回転させ、
これを繰り返すことによって金型と成形素材との接点を
算出するようになっている。
【0123】図22,23は、第1接点算出処理の処理
手順を示すフローチャートである。まず、金型の立体デ
ータから金型の上面側の各節点の位置を表す配列データ
を生成する(ステップ701a)。図24は、金型の上
面側の各節点の位置を表す配列データを説明する模式的
斜視図である。配列データPd00,Pd01,…は、金型
dの上面がx軸方向、及びy軸方向に1mm間隔で分割
されたときの、上面の各節点に夫々対応付けられてお
り、節点の中でx座標値及びy座標値が最小の節点には
Pd00が、この節点より1mmだけy座標値が大きい節
点にはPd01が、Pd00の節点より1mmだけx座標値
が大きい節点にはPd10が、Pd00の節点より、pmm
だけx座標値が大きく、qmmだけy座標値が大きい節
点にはPd pqが対応付けられている。配列データP
00,Pd01,…には、夫々対応付けられた節点におけ
るx座標値、y座標値、及びz座標値が格納されてい
る。即ち、Pd00には、節点の中でx座標値及びy座標
値が最小の節点のx座標値x0 、y座標値y0 、及びz
座標値z0 が格納されており、Pdpqには、x座標値x
0 +p、y座標値y0 +q、及びz座標値zpqが格納さ
れている。
【0124】次に、成形素材の立体データから、配置位
置に成形素材を配置したときの、成形素材の下面の各節
点の位置を表す配列データを生成する(ステップ701
b)。図25は、成形素材の下面側の各節点の位置を表
す配列データを説明する模式的斜視図である。配列デー
タPm00,Pm01,…は、成形素材mの下面が、図中
x,y,zで表される直交座標系とは異なるx’,
y’,z’で表される直交座標系のx’軸方向、及び
y’軸方向に1mm間隔で分割されたときの、下面の各
節点に夫々対応付けられている。これは、成形素材mの
立体データが、x,y,zで表される直交座標系とは無
関係なx’,y’,z’で表される直交座標系の座標値
を用いて表されているためである。そして、成形素材m
の下面側の節点の中でx’座標値及びy’座標値が最小
の節点にはPm00が、この節点より1mmだけy’座標
値が大きい節点にはPm01が、Pm00の節点より1mm
だけx’座標値が大きい節点にはPm10が、Pm00の節
点より、pmmだけx’座標値が大きく、qmmだけ
y’座標値が大きい節点にはPmpqが対応付けられてい
る。配列データPm00,Pm01,…には、夫々対応付け
られた節点におけるx座標値、y座標値、及びz座標値
が格納されている。
【0125】次に、i=0とし、j=0とする(ステッ
プ701c)。Pmijに格納されているx座標値xij
びy座標値yijを読み出し(ステップ701d)、x座
標値xijの整数値部分xiij及びy座標値yijの整数値
部分yiijを算出する(ステップ701e)。X=xi
ij−x0 及びY=yiij−y0 を算出し(ステップ70
1f)、PdXY、Pd(X+1)Y、PdX(Y+1)、及びPd
(X+1)(Y+1)に格納されているx座標値、y座標値、及び
z座標値を読み出す(ステップ701g)。これらのx
座標値、y座標値、及びz座標値から、金型dの表面で
の、x座標値xij、y座標値yijにおけるz座標値Zij
を算出し(ステップ701h)、Pmijに格納されてい
るz座標値zijとz座標値Zijとの差分Dij=zij−Z
ijを算出する(ステップ701i)。
【0126】iが、配列Pm00,Pm01,…の前側の添
え字の最大値imax より小さいか否かを判別し(ステッ
プ701j)、小さいと判別された場合には、iをイン
クリメントし(ステップ701k)、ステップ701d
に戻る。
【0127】ステップ701jにおいて、iがimax
上であると判別された場合には、jが、配列Pm00,P
01,…の後側の添え字の最大値jmax より小さいか否
かを判別し(ステップ701l)、小さいと判別された
場合には、i=0とし(ステップ701m)、jをイン
クリメントし(ステップ701n)、ステップ701d
に戻る。
【0128】ステップ701lにおいて、jがjmax
上であると判別された場合には、D ijが最小のPmij
格納されるx座標値xij及びy座標値yijと、z座標値
ijとによって定まる点を、金型dと成形素材mとの接
点とし(ステップ701o)、配列Pm00,Pm01,…
の各z座標値とDijとの差を、配列Pm00,Pm01,…
の新たなz座標値として(ステップ701p)、リター
ンする。
【0129】次に、解析情報算出処理について説明す
る。図26は、解析情報算出処理の処理手順を示すフロ
ーチャートである。解析情報算出処理では、第1解析情
報算出処理、第2解析情報算出処理、及び第3解析情報
算出処理を順に行い(ステップ91,92,93)、成
形素材の仮配置位置が、ステップ5において算出した中
央仮配置位置であるか否かを判別し(ステップ94)、
中央仮配置位置でない場合には、リターンする。また、
成形素材の仮配置位置が中央仮配置位置である場合に
は、重心移動量算出処理、及び体積配分変化率算出処理
を順に行い(ステップ95,96)、リターンする。
【0130】図27は、第1解析情報算出処理の処理手
順を示すフローチャートである。第1解析情報算出処理
では、ステップ8において算出した重心位置のz座標値
を算出し(ステップ911)、リターンする。
【0131】図28は、第2解析情報算出処理の処理手
順を示すフローチャートである。ステップ7において算
出した接点の内から、1つの接点を選択し(ステップ9
21)、この接点、及びステップ7において算出した静
止位置での成形素材の重心位置間のx軸方向の距離を算
出する(ステップ922)。次いで、y軸に平行な所定
の回転軸回りに、成形素材を所定角度だけ回転させたと
きの成形素材の状態を算出し(ステップ923)、成形
素材の静止位置を算出する(ステップ924)。
【0132】ステップ924では、ステップ923で算
出した成形素材の状態から、金型と成形素材との相対的
位置を算出し、このときに、成形素材が金型に干渉した
状態であるか否かを判別し、干渉した状態である場合に
は、成形素材を上方へ適宜移動させる。また、干渉して
いない状態である場合には、金型と成形素材との接点数
を算出し、この接点数が0〜2点である場合には、ステ
ップ7の静止位置算出処理と同様に、成形素材が金型と
3点以上で接する静止位置を算出する。また、接点数が
3点以上である場合には、この位置を静止位置とする。
【0133】この静止位置での金型と成形素材との接点
を算出し(ステップ925)、算出した接点の内、ステ
ップ921において選択した接点に最も近い接点を選択
する(ステップ926)。この接点、及びステップ92
4において算出した静止位置での成形素材の重心位置間
のx軸方向の距離を算出し(ステップ927)、この距
離と、ステップ922において算出した距離との差分を
算出して(ステップ928)、リターンする。
【0134】図29は、第3解析情報算出処理の処理手
順を示すフローチャートである。ステップ7において算
出した静止位置に成形素材が位置しているときの、成形
素材と金型との複数の接点のデータから、夫々のx座標
値及びy座標値を取り出す(ステップ931)。次に、
ステップ8において算出した成形素材の重心位置のx座
標値及びy座標値を取り出す(ステップ932)。そし
て、ステップ931において取り出した接点のx座標値
及びy座標値によって定まるxy平面上の各点を相互に
連結して、xy平面上に多角形を生成し(ステップ93
3)、この多角形の各辺と、ステップ932において取
り出した重心位置のx座標値及びy座標値によって定ま
るxy平面上の点との距離を算出し(ステップ93
4)、算出した距離の内から最短の距離を選択して(ス
テップ935)、リターンする。
【0135】図30は、重心移動量算出処理の処理手順
を示すフローチャートである。ステップ4において受け
付けた規定配置位置における成形素材の重心位置を算出
し(ステップ951)、ステップ8において算出した重
心位置と、ステップ951において算出した重心位置と
の差分を算出し(ステップ952)、リターンする。
【0136】図31は、体積配分変化率算出処理の処理
手順を示すフローチャートである。ステップ4において
受け付けた規定配置位置に成形素材が位置しているとき
の、所定のy座標値yoよりy軸方向正側の領域Aoに
含まれる部分の体積Voを算出し(ステップ961)、
ステップ7において算出した静止位置に成形素材が位置
しているときの、領域Aoに含まれる部分の体積Vsを
算出し(ステップ962)、比率Vs/Voを算出して
(ステップ963)、リターンする。
【0137】なお、領域Aoを所定のy座標値yoより
y軸方向正側の領域としたが、これに限らず、例えばy
座標値yoよりy軸方向負側の領域としてもよく、また
所定のx座標値xoよりx軸方向正側の領域としてもよ
い。
【0138】次に、金型形状変更処理について説明す
る。図32は、本発明に係る成形素材配置状態解析装置
の実施の形態1における金型形状変更処理の処理手順を
示すフローチャートである。まず、金型の形状を変更す
る領域を特定する金型表面の線の指定を受け付け(ステ
ップ1201)、この線による金型の断面形状を表示す
る(ステップ1202)。そして、この領域の変更後の
形状の指定を受け付ける(ステップ1203)。この形
状の指定では、円弧状に変更する場合には半径r及び/
又は中心座標等が、直線状に変更する場合には直線の傾
き及び/又は通過する座標等が、節点の位置を変更する
場合には変更後の節点の座標が指定されるようになって
いる。
【0139】図33は、金型の形状変更前の模式的斜視
図であり、図34は、金型の形状を変更する領域の指定
を説明する金型の模式的斜視図である。図33に示すよ
うに、ユーザの入力装置51の操作により、画像表示装
置4には、金型の形状を表す画像が表示される。この状
態から、金型の形状を変更する場合には、この形状を変
更する部分の中央の領域を、マウス等の入力装置51を
ユーザが操作することによって指定する。図34に示す
場合では、図中XXXV−XXXV線で示した領域が、金型の形
状を変更する領域として指定されている。
【0140】図35は、図34のXXXV−XXXV線による模
式的断面図であり、図36は、変更後の形状の指定を説
明する模式的断面図である。図に示すように、2つの平
面によって角部が形成された部分を、丸みを帯びた形状
へ変更する場合について説明する。このときの変更後の
形状の指定は、キーボード又はマウス等の入力装置51
をユーザが操作することによって、変更後の半径rを指
定することによってなされる。
【0141】次に、ステップ1201で指定された領域
を、ステップ1203で指定された形状へ変更する(ス
テップ1204)。図37は、形状変更の処理を説明す
る模式的断面図であり、図38は、形状の変更が完了し
た状態を示す模式的断面図である。図37,38に示す
ように、XXXV-XXXV線で示される領域と、金型表面の稜
線との交点を、半径rで指定される円弧までz軸方向へ
移動させる。そして、交点間を直線で連結することによ
って、指定された領域の形状の変更が完了する。
【0142】次に、変更を取り消すか否かの指示を受け
付け(ステップ1205)、変更を取り消す指示を受け
付けた場合には、ステップ1202へ戻る。一方、ステ
ップ1205において、変更を取り消さない指示を受け
付けた場合には、表示中の断面形状の変更を追加するか
否かの指示を受け付け(ステップ1206)、断面形状
を変更を追加する指示を受け付けた場合には、ステップ
1203に戻る。
【0143】一方、ステップ1206において、断面形
状の変更を追加しない指示を受け付けた場合には、形状
を変更する範囲の指定を受け付ける(ステップ120
7)。図39は、形状を変更する範囲の指定を説明する
模式的斜視図である。図に示すように、この範囲は、ス
テップ1201で指定されたXXXV−XXXV線に直交する方
向の、XXXV−XXXV線を中央とした幅nで指定される。
【0144】そして、ステップ1207で指定された範
囲の両端部の変更量を0として、線形補間を行い、指定
された範囲に含まれる節点の変更後の位置を算出する
(ステップ1208)。変更後の節点の位置は、ステッ
プ1201で指定された領域から、ステップ1207で
指定された範囲の両端側へ近づく程、変更量がステップ
1201で指定された領域からの距離に比例して小さく
なるように定められる。次に、ステップ1208におい
て算出した位置に各節点を移動し(ステップ120
9)、この範囲の変更を取り消すか否かの指示を受け付
ける(ステップ1210)。ステップ1210におい
て、変更を取り消す指示を受け付けた場合には、変更前
の形状に戻し(ステップ1211)、ステップ1207
に戻り、変更を取り消さない指示を受け付けた場合に
は、リターンする。
【0145】次に、結果出力処理について説明する。図
40は、結果出力処理の処理手順を示すフローチャート
である。ステップ7の静止位置算出処理において算出し
た複数の接点での、金型表面の法線ベクトルを夫々算出
し(ステップ131)、ステップ701の第1接点算出
処理において算出した接点で成形素材と金型とが当接し
ているときから、ステップ7の静止位置算出処理におい
て算出した静止位置に至るまでの、成形素材のx軸回
り、y軸回り、及びz軸回りの回転角度を算出し、素材
静止状態迄の移動量とする(ステップ132)。
【0146】ステップ91の第1解析情報算出処理にお
いて算出した重心位置のz座標値の内、ステップ5にお
いて受け付けた中央仮配置位置から算出した静止位置に
おけるz座標値を取り出し、重心高さとする(ステップ
133)。次に、ステップ91の第1解析情報算出処理
において算出した重心位置のz座標値の内、最大値と最
小値との差分を算出し、重心高さ変化量とする(ステッ
プ134)。
【0147】ステップ92の第2解析情報算出処理にお
いて算出した差分値の内、ステップ5において受け付け
た中央仮配置位置から算出した静止位置における差分値
を取り出し、トルクアーム長さとする(ステップ13
5)。次に、ステップ92の第2解析情報算出処理にお
いて算出した差分値の内、最大値と最小値との差分を算
出し、トルクアーム長さ変化量とする(ステップ13
6)。
【0148】ステップ93の第3解析情報算出処理にお
いて選択した最短の距離の内、ステップ5において受け
付けた中央仮配置位置から算出した静止位置における距
離を取り出し、接触点構成ポリゴン辺と重心との最短距
離とする(ステップ137)。
【0149】ステップ95の重心移動量算出処理におい
て算出した差分を取り出し、重心移動量とする(ステッ
プ138)。
【0150】ステップ96の体積配分変化率算出処理に
おいて算出した比率Vs/Voを取り出し、体積配分変
化率とする(ステップ139)。
【0151】ステップ12において決定した金型の変更
位置、及び変更量を取り出し、金型形状の変更量とする
(ステップ140)。そして、ステップ7の静止位置算
出処理において算出した接点のx座標値、y座標値、及
びz座標値、法線ベクトルのx軸方向成分、y軸方向成
分、及びz軸方向成分、素材静止状態迄の移動量、重心
高さ、重心高さ変化量、トルクアーム長さ、トルクアー
ム長さ変化量、接触点構成ポリゴン辺と重心との最短距
離、重心移動量、体積配分変化率、並びに金型形状の変
更量を表示する画像データを、画像出力インタフェース
16から出力し(ステップ141)、リターンする。
【0152】図41は、画像表示装置4に表示された画
像の一例を示す模式図である。図に示すように、画像表
示装置4には、3つの接点におけるx座標値、y座標
値、及びz座標値、並びに各接点における金型表面の法
線ベクトルのx軸方向成分、y軸方向成分、z軸方向成
分が表示される。これによって、ユーザが、成形素材が
金型上で静止しているときの金型と成形素材との接触状
態を確認することができる。また、画像表示装置4に
は、素材静止状態迄の移動量が表示される。これによっ
て、ユーザが、成形素材が金型表面に当接してから静止
位置に至るまでの移動量を確認することができる。
【0153】また、画像表示装置4には、重心高さ、重
心高さ変化量、トルクアーム長さ、トルクアーム長さ変
化量、及び接触点構成ポリゴン辺と重心との最短距離が
表示される。ユーザは、重心高さが小さい程、成形素材
の配置状態が安定していると判断することができ、重心
高さ変化量が大きい程、成形素材の位置が僅かに異なっ
ただけで、成形素材の配置状態が不安定となると判断す
ることができる。また、トルクアーム長さが大きい程、
成形素材の配置状態が安定していると判断することがで
き、トルクアーム長さ変化量が大きい程、成形素材の配
置角度が僅かに異なっただけで成形素材の配置状態が不
安定となると判断することができる。また、接触点構成
ポリゴン辺と重心との最短距離が大きい程、成形素材の
配置状態が安定していると判断することができる。
【0154】更に画像表示装置4には、静止状態での重
心移動量、及び静止状態での体積配分変化率が表示され
る。これによって、ユーザは重心移動量が大きい程、予
め規定された配置位置に成形素材が配置された状態か
ら、金型上で成形素材が静止している状態に至るまで
に、成形素材が大きく移動していると判断することがで
きる。また、同様に、ユーザは体積配分変化率が大きい
程、予め規定された配置位置に成形素材が配置された状
態から、金型上で成形素材が静止している状態に至るま
でに、成形素材が大きく移動していると判断することが
できる。
【0155】また、画像表示装置4には、金型形状の変
更量が表示される。これによって、ユーザは金型形状の
変更量を金型の形状変更の判断に利用することができ
る。
【0156】なお、画像出力インタフェースから画像デ
ータを出力して結果を表示する構成としてあるが、プリ
ンタによって結果を印刷する構成としてもよいことはい
うまでもない。
【0157】実施の形態2.図42は、本発明に係る成
形素材配置状態解析装置の実施の形態2における金型形
状変更処理の処理手順を示すフローチャートである。本
実施の形態2における金型形状変更処理では、実施の形
態1における金型形状変更処理のステップ1208の処
理が、以下に説明するステップ1208−2の処理とさ
れている。即ち、ステップ1208−2では、ステップ
1207で指定された範囲の両端部では変更量を0と
し、この範囲に含まれる節点の変更後の位置を、予め定
められたz座標値z0から節点までの距離に比例して変
更量が大きくなるように定める。その他、実施の形態1
と同様の部分については同符号を付し、説明を省略す
る。
【0158】
【発明の効果】以上詳述した如く、第1発明に係る成形
素材配置状態解析方法、第2発明に係る成形素材配置状
態解析装置、及び第13発明に係る記録媒体による場合
は、金型上方の仮配置位置に配置した成形素材が、これ
に重力が加わることにより移動し、金型上の静止位置に
静止したときの静止位置を算出し、この静止位置におけ
る成形素材の重心位置より成形素材の設置安定性を算出
することにより、成形素材の静止位置、及び設置安定性
を確認するために、金型上に成形素材を試験的に配置す
る必要がなく、従来に比して大幅にユーザの手間を軽減
することが可能となる。
【0159】また、静止位置に成形素材が位置するとき
の成形素材の重心位置に基づいて、成形素材の設置安定
性を算出することにより、成形素材の配置状態の安定性
判断にユーザの熟練を要さず、また成形素材の設置安定
性を定量的に判断することができ、ユーザによって安定
性の判断結果が異なることがない。
【0160】第3発明に係る成形素材配置状態解析装置
による場合は、第1修正手段が、金型又は成形素材の所
定の表面領域に含まれる複数の縦方向位置を平均して、
この平均値を前記表面領域の所定の表面位置の新たな縦
方向位置とすることによって、ノイズ成分による表面の
縦方向の凹凸を平滑化するため、形状データに含まれる
ノイズ成分を低減することが可能となる。
【0161】また、第2修正手段が、金型又は成形素材
の所定の表面領域に含まれる複数の縦方向位置の内、そ
の他の値と比較してノイズ成分が少ないと考えられる中
央値を、前記表面領域の所定の表面位置の新たな縦方向
位置とすることによって、ノイズ成分による表面の縦方
向の凹凸を平滑化するため、形状データに含まれるノイ
ズ成分を低減することが可能となる。
【0162】また、第3修正手段が、金型又は成形素材
の所定の表面領域における表面の勾配が所定値を越える
部分から外側の部分を求め、この部分に対応するデータ
を形状データから取り除くことによって、例えば平板状
の成形素材の表面形状を計測したときに、成形素材とそ
の他の部分との境界が段部となっており、この部分での
表面の勾配が成形素材の表面部分よりも大きいため、こ
の部分から外側の部分が成形素材と異なるノイズ成分で
あり、このノイズ成分を除去することが可能となる。
【0163】また、第4修正手段が、指定を受け付けた
部分に対応するデータを、形状データから取り除くこと
によって、ユーザが明らかにノイズ成分であることが判
別できる部分を指定し、ユーザによって指定されたノイ
ズ成分を除去することが可能となる。
【0164】第4発明に係る成形素材配置状態解析装置
による場合は、ユーザによって指定された平面に関し
て、形状データが表す金型又は成形素材の表面形状に対
称な表面形状を生成し、形状データが表す表面形状と生
成した表面形状とを連結し、連結した表面形状によって
囲まれる立体を表す形状データを生成することによっ
て、例えば、金型又は成形素材の表面の一部を計測して
得た形状データから、金型又は成形素材の表面全体を表
す形状データを生成することができる。従って、ユーザ
は金型又は成形素材の形状の一部を計測すればよく、金
型又は成形素材の形状の計測を容易にすることができ
る。
【0165】第5発明に係る成形素材配置状態解析装置
による場合は、成形素材を金型へ当接させたときの金型
及び成形素材の接点と、このときの成形素材の重心位置
とを通過する直線を求め、この直線に交差し、前記接点
を通過する横方向の基準線を求めて、この基準線及び成
形素材の重心位置の相対位置に基づいて、成形素材の回
転方向を算出することによって、成形素材の金型の上面
での静止位置を算出することができる。
【0166】第6発明に係る成形素材配置状態解析装置
による場合は、成形素材の四角形の頂点を金型側へ投影
したときの、1つの四角形の各頂点が含まれる金型の四
角形を算出し、この複数の四角形によって共有される頂
点を算出し、この頂点と、これを成形素材側へ投影した
ときの投影点との距離を算出し、この距離の内、最短の
距離だけ成形素材を金型側へ移動させたときの位置を算
出し、この最短の距離に対応する投影点の投影元の頂点
の位置を接点の位置とすることにより、成形素材側の全
ての四角形に対して、金型側の1つの頂点の成形素材側
への投影点を内側に含むか否かを夫々判別して、成形素
材側の四角形に含まれる金型側の頂点の投影点を探索す
る処理に比して、大幅に探索回数を低減することができ
る。
【0167】第7発明に係る成形素材配置状態解析装置
による場合は、四角形算出手段によって、成形素材の1
つの四角形の各頂点の投影点が夫々含まれる金型の四角
形を求め、頂点算出手段が、四角形算出手段によって算
出した金型の四角形により共有される頂点を求める。そ
して、金型の複数の四角形により共有される頂点の投影
点が、成形素材の1つの四角形に含まれていることを判
別する。このようにして、成形素材側の四角形に含まれ
る金型側の頂点の成形素材側への投影点を求めることに
より、成形素材側の全ての四角形に対して、金型側の1
つの頂点の成形素材側への投影点を内側に含むか否かを
夫々判別して、成形素材側の四角形に含まれる金型側の
頂点の成形素材側への投影点を探索する処理に比して、
大幅に探索回数を低減することができる。
【0168】そして、金型側の頂点と、この頂点の成形
素材の表面への投影点との距離を距離算出手段によって
求める。更に、この距離算出手段によって算出した距離
を用いて、金型の表面から成形素材の表面までの距離の
分布状態を画面又は印刷装置などへ出力する。このよう
にすることにより、ユーザが実際に金型上に成形素材を
配置しなくても、金型から成形素材までの距離の分布状
態を表示又は印刷することができ、ユーザがこの分布状
態を確認することができる。
【0169】第8発明に係る成形素材配置状態解析装置
による場合は、四角形算出手段によって、成形素材の1
つの頂点を縦方向に金型の表面へ投影したときの投影点
が含まれる金型の四角形を求める。これにより、金型側
の全ての四角形に対して、成形素材側の1つの頂点の金
型側への投影点を内側に含むか否かを夫々判別して、成
形素材側の1つの頂点の金型側への投影点が含まれる金
型側の四角形を探索する処理に比して、大幅に探索回数
を低減することができる。
【0170】そして、成形素材側の頂点と、この頂点の
金型の表面への投影点との距離を距離算出手段によって
求める。更に、この距離算出手段によって算出した距離
を用いて、成形素材の表面から金型の表面までの距離の
分布状態を画面又は印刷装置などへ出力する。このよう
にすることにより、ユーザが実際に金型上に成形素材を
配置しなくても、成形素材から金型までの距離の分布状
態を表示又は印刷することができ、ユーザがこの分布状
態を確認することができる。
【0171】第9発明に係る成形素材配置状態解析装置
による場合は、第1解析情報算出手段が、金型上の複数
の静止位置に成形素材が位置しているとき夫々の成形素
材の重心位置を算出し、成形素材の配置状態に深く関与
している重心の縦方向位置を求めるため、これを成形素
材の配置状態の安定性の判断に利用することができる。
【0172】また、第2解析情報算出手段が、成形素材
の配置状態に深く関与している重心位置と接点との横方
向の距離、及びその差分を求めるため、これを成形素材
の配置状態の安定性の判断に利用することができる。
【0173】また、第3解析情報算出手段が、成形素材
の配置状態に深く関与している成形素材及び金型の接点
の所定の平面への投影点を頂点とした多角形の各辺と、
重心位置の前記平面への投影点との最短距離を求めるた
め、これを成形素材の配置状態の安定性の判断に利用す
ることができる。
【0174】第10発明に係る成形素材配置状態解析装
置による場合は、成形素材が所定の配置位置に位置する
ときの成形素材の重心位置と、成形素材が静止位置に位
置するときの成形素材の重心位置とを算出し、これらの
重心位置間の距離を、成形素材の配置状態に深く関与し
ている成形素材の移動量として求めるため、成形素材の
配置状態の安定性の判断に利用することができる。
【0175】また、成形素材を金型上の所定の位置に配
置したときの、金型に対応付けられた所定領域内に含ま
れる成形素材の部分の体積を求め、成形素材が所定の位
置から移動し、別の位置で静止したときの、前記所定領
域に含まれる成形素材の部分の体積を求め、成形素材の
配置状態に深く関与しているこれらの体積の比率を求め
るため、成形素材の配置状態の安定性の判断に利用する
ことができる。
【0176】第11発明に係る成形素材配置状態解析装
置による場合は、指定された金型上の領域を、指定され
た形状へ変更したときの金型の形状データを算出する場
合に、この変更に基づいて、この領域の近傍の領域の形
状を変更した状態の金型の形状データを算出することに
より、ユーザが、変更する領域の内の一部の領域と、変
更する形状の内の一部の形状とを指定するだけで、この
領域だけでなく、この領域の近傍の領域も形状を変更し
たときの金型の形状データを算出することができ、変更
する領域及び形状を指定するための操作を容易にするこ
とができる。
【0177】第12発明に係る成形素材配置状態解析装
置による場合は、第1変更量算出手段が、形状を変更す
る領域及びこれの近傍領域の距離と、前記領域が形状変
更する変更量とによって、形状を変更する領域の近傍領
域の形状の変更量を線形補間によって算出するため、ユ
ーザが、変更する領域の内の一部の領域と、変更する形
状の内の一部の形状とを指定するだけで、この領域だけ
でなく、この近傍の領域も形状を変更したときの金型の
形状を算出することができ、変更する領域及び形状を指
定するための操作を容易にすることができる。
【0178】また、第2変更量算出手段が、所定の基準
位置及び形状を変更する領域の近傍領域の距離と、前記
領域が形状変更する変更量とによって、形状を変更する
領域の近傍領域の形状の変更量を線形補間によって算出
するため、、ユーザが、変更する領域の内の一部の領域
と、変更する形状の内の一部の形状とを指定するだけ
で、この領域だけでなく、この近傍の領域も形状を変更
したときの金型の形状を算出することができ、変更する
領域及び形状を指定するための操作を容易にすることが
できる等本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成形素材配置状態解析装置の要部
の構成を示すブロック図である。
【図2】計測データによって表される平面を示す平面図
である。
【図3】計測データによって表される平面を示す斜視図
である。
【図4】メッシュデータによって表される平面を示す平
面図である。
【図5】メッシュデータによって表される平面を示す斜
視図である。
【図6】本発明の成形素材配置状態解析装置における処
理手順を示すフローチャートである。
【図7】ノイズ除去処理の処理手順を示すフローチャー
トである。
【図8】一様重み線形フィルタリング処理の処理手順を
示すフローチャートである。
【図9】一様重み線形フィルタリング処理を説明する模
式的平面図である。
【図10】中央値フィルタリング処理の処理手順を示す
フローチャートである。
【図11】中央値フィルタリング処理を説明する模式的
平面図である。
【図12】勾配変化判定によるノイズ除去処理の処理手
順を示すフローチャートである。
【図13】勾配変化判定によるノイズ除去処理の処理手
順を示すフローチャートである。
【図14】勾配変化判定によるノイズ除去処理を説明す
る図である。
【図15】ユーザ指定によるノイズ除去処理の処理手順
を示すフローチャートである。
【図16】ユーザ指定によるノイズ除去処理を説明する
模式的平面図である。
【図17】金型又は成形素材の形状を表す形状データの
一例を示す斜視図である。
【図18】データ変換処理の処理手順を示すフローチャ
ートである。
【図19】成形素材の表面の一部を表すデータを示す模
式的斜視図である。
【図20】生成した立体データを示す模式的斜視図であ
る。
【図21】静止位置算出処理の処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図22】第1接点算出処理の処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図23】第1接点算出処理の処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図24】金型の上面側の各節点の位置を表す配列デー
タを説明する模式的斜視図である。
【図25】成形素材の下面側の各節点の位置を表す配列
データを説明する模式的斜視図である。
【図26】解析情報算出処理の処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図27】第1解析情報算出処理の処理手順を示すフロ
ーチャートである。
【図28】第2解析情報算出処理の処理手順を示すフロ
ーチャートである。
【図29】第3解析情報算出処理の処理手順を示すフロ
ーチャートである。
【図30】重心移動量算出処理の処理手順を示すフロー
チャートである。
【図31】体積配分変化率算出処理の処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図32】本発明に係る成形素材配置状態解析装置の実
施の形態1における金型形状変更処理の処理手順を示す
フローチャートである。
【図33】金型の形状変更前の模式的斜視図である。
【図34】金型の形状を変更する領域の指定を説明する
金型の模式的斜視図である。
【図35】図34のXXXV−XXXV線による模式的断面図で
ある。
【図36】変更後の形状の指定を説明する模式的断面図
である。
【図37】形状変更の処理を説明する模式的断面図であ
る。
【図38】形状の変更が完了した状態を示す模式的断面
図である。
【図39】形状を変更する範囲の指定を説明する模式的
斜視図である。
【図40】結果出力処理の処理手順を示すフローチャー
トである。
【図41】画像表示装置に表示された画像の一例を示す
模式図である。
【図42】本発明に係る成形素材配置状態解析装置の実
施の形態2における金型形状変更処理の処理手順を示す
フローチャートである。
【図43】金型上に一点で当接した成形素材の回転方向
を説明するための金型及び成形素材の模式的平面図であ
る。
【図44】金型上に一点で当接した成形素材の回転方向
を説明するための金型及び成形素材の模式的側面断面図
である。
【図45】成形素材及び金型の相対的な位置を説明する
図である。
【図46】成形素材側の四角形と、この四角形に含まれ
る金型側の頂点との相対的な位置を説明する図である。
【図47】金型側の四角形の頂点が、成形素材側の四角
形に含まれない場合の一例を説明する図である。
【図48】成形素材側の四角形が、金型側の頂点をその
内部に含まない場合の一例を説明する図である。
【図49】投影点の位置を説明する図である。
【図50】四角形算出手段による処理を説明する図であ
る。
【図51】第1解析情報算出手段の処理を説明する図で
ある。
【図52】第2解析情報算出手段の処理を説明するため
の成形素材及び金型の側断面図である。
【図53】第3解析情報算出手段の処理を説明するため
の概念図である。
【図54】第10発明に係る成形素材配置状態解析装置
の処理を説明するための模式的平面図である。
【図55】所定の領域に含まれる成形素材の体積の変化
を説明するための模式的平面図である。
【図56】第1変更量算出手段を有する近傍領域形状変
更手段の処理の概念図である。
【図57】第2変更量算出手段を有する近傍領域形状変
更手段の処理の概念図である。
【符号の説明】
1 コンピュータ 11 CPU 12 RAM 13 外部記憶装置 14 ハードディスク 15 通信インタフェース 16 画像出力インタフェース 17 入力インタフェース 20 可搬型記録媒体 30 通信ネットワーク 31 接続装置 32 外部ネットワーク回線 33 外部サーバコンピュータ 34 記録媒体 4 画像表示装置 51 入力装置 52 計測データ出力装置 53 メッシュデータ出力装置

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プレス成形に供される成形素材を金型の
    上面に配置するときの前記成形素材の配置状態を解析す
    る成形素材配置状態解析方法において、 前記金型及び成形素材の形状を表す形状データを受け付
    けるステップと、 前記金型の上方の前記成形素材の仮配置位置を受け付け
    るステップと、 受け付けた仮配置位置に位置し、下向きの力が加えられ
    た前記成形素材が静止する前記金型上面の静止位置を、
    前記形状データ、前記仮配置位置、及び前記力に基づい
    て算出するステップと、 算出した静止位置及び前記形状データに基づいて、前記
    静止位置に前記成形素材が位置するときの前記成形素材
    の重心位置を算出するステップと、 算出した重心位置に基づいて、前記成形素材が前記金型
    の上面に配置されたときの、前記成形素材の設置安定性
    を算出するステップとを有することを特徴とする成形素
    材配置状態解析方法。
  2. 【請求項2】 プレス成形に供される成形素材を金型の
    上面に配置するときの前記成形素材の配置状態を解析す
    る成形素材配置状態解析装置において、 前記金型及び成形素材の形状を表す形状データを受け付
    ける形状データ受付手段と、 前記金型の上方の前記成形素材の仮配置位置を受け付け
    る仮配置位置受付手段と、 該仮配置位置受付手段によって受け付けた仮配置位置に
    位置し、下向きの力が加えられた前記成形素材が静止す
    る静止位置を、前記形状データ、前記仮配置位置、及び
    前記力に基づいて算出する静止位置算出手段と、 該静止位置算出手段によって算出した静止位置及び前記
    形状データに基づいて、前記静止位置に前記成形素材が
    位置するときの前記成形素材の重心位置を算出する第1
    重心位置算出手段と、 該第1重心位置算出手段が算出した重心位置に基づい
    て、前記成形素材が前記金型の上面に配置されたとき
    の、前記成形素材の設置安定性を算出する設置安定性算
    出手段とを備えることを特徴とする成形素材配置状態解
    析装置。
  3. 【請求項3】 前記静止位置算出手段は、 前記形状データに基づいて、前記金型又は成形素材の所
    定の表面領域に含まれる複数の縦方向位置の平均値を算
    出する平均値算出手段、及び該平均値算出手段によって
    算出した平均値を、前記表面領域に含まれる所定部分の
    新たな縦方向位置とする第1置換手段を有する第1修正
    手段と、 前記形状データに基づいて、前記金型又は成形素材の所
    定の表面領域に含まれる複数の縦方向位置の内、中央の
    値を算出する中央値算出手段、及び該中央値算出手段に
    よって算出した値を、前記表面領域に含まれる所定部分
    の新たな縦方向位置とする第2置換手段を有する第2修
    正手段と、 前記形状データに基づいて、前記金型又は成形素材の所
    定の表面領域における表面の勾配を算出する勾配算出手
    段、及び該勾配算出手段によって算出した勾配が所定値
    を越えるか否かを判別する判別手段、及び該判別手段に
    よって勾配が所定値を越えると判別された部分から外側
    の部分に対応するデータを、前記形状データから取り除
    く第1除去手段を有する第3修正手段と、 前記金型又は成型成形素材から取り除く部分の指定を受
    け付ける部分指定受付手段、及び該部分指定受付手段に
    よって指定を受け付けた部分に対応するデータを、前記
    形状データから取り除く第2除去手段を有する第4修正
    手段との内の少なくとも1つを具備することを特徴とす
    る請求項2記載の成形素材配置状態解析装置。
  4. 【請求項4】 前記静止位置算出手段は、 前記形状データ受付手段によって受け付けた形状データ
    が、前記金型又は成形素材の表面形状の一部を表すデー
    タである場合に、平面の指定を受け付ける平面指定受付
    手段と、 該平面指定受付手段によって指定を受け付けた平面に関
    して、前記形状データが表す表面形状に対称な表面形状
    を生成する表面形状生成手段と、 前記形状データが表す表面形状及び前記表面形状生成手
    段によって生成した表面形状を連結する連結手段と、 該連結手段によって連結した表面形状によって囲まれる
    立体を表す形状データを生成する形状データ生成手段と
    を具備することを特徴とする請求項2又は3記載の成形
    素材配置状態解析装置。
  5. 【請求項5】 前記静止位置算出手段は、 前記形状データに基づいて、前記成形素材を前記金型へ
    当接させたときの、前記成形素材及び金型の接点を算出
    する接点算出手段と、 該接点算出手段によって算出した接点及び前記形状デー
    タに基づいて、前記成形素材及び金型が当接したときの
    前記成形素材の重心位置を算出する第2重心位置算出手
    段と、 前記接点及び該第2重心位置算出手段によって算出した
    重心位置を通過する直線を算出する直線算出手段と、 該直線算出手段によって算出した直線に交差し、前記接
    点を通過する横方向の基準線を算出する基準線算出手段
    と、 該基準線算出手段によって算出した基準線に対する前記
    重心位置の相対位置に基づいて、前記成形素材の前記基
    準線回りの回転方向を算出する回転方向算出手段とを具
    備することを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載
    の成形素材配置状態解析装置。
  6. 【請求項6】 前記形状データは、前記成形素材及び金
    型の表面を四角形で分割したときの各四角形の頂点を表
    すデータを含んでおり、 前記接点算出手段は、 前記成形素材の1つの四角形の各頂点を夫々縦方向に前
    記金型の表面へ投影したときの各投影点を夫々含む前記
    金型の複数の四角形を算出する四角形算出手段と、 該四角形算出手段によって算出した複数の四角形によっ
    て共有される頂点を算出する頂点算出手段と、 該頂点算出手段によって算出した頂点を縦方向に前記成
    形素材の表面へ投影したときの投影点が、前記成形素材
    の1つの四角形に含まれるか否かを判別する判別手段
    と、 該判別手段によって前記成形素材の1つの四角形に含ま
    れると判別した前記投影点の位置を算出する投影点位置
    算出手段と、 該投影点位置算出手段によって算出した前記投影点の位
    置及び該投影点の投影元の頂点の位置間の距離を算出す
    る距離算出手段と、 該距離算出手段によって算出した距離の内、最短の距離
    だけ前記成形素材を下方向へ移動させたときの前記成形
    素材の位置を算出する移動位置算出手段と、 前記距離算出手段によって算出した距離の内、最短の距
    離に対応する前記投影点の投影元の頂点の位置を前記接
    点の位置として出力する接点位置出力手段とを有するこ
    とを特徴とする請求項5記載の成形素材配置状態解析装
    置。
  7. 【請求項7】 前記形状データは、前記成形素材及び金
    型の表面を四角形で分割したときの各四角形の頂点を表
    すデータを含んでおり、 前記成形素材の1つの四角形の各頂点を夫々縦方向に前
    記金型の表面へ投影したときの各投影点を夫々含む前記
    金型の複数の四角形を算出する四角形算出手段と、 該四角形算出手段によって算出した複数の四角形によっ
    て共有される頂点を算出する頂点算出手段と、 該頂点算出手段によって算出した頂点を縦方向に前記成
    形素材の表面へ投影したときの投影点が、前記成形素材
    の1つの四角形に含まれるか否かを判別する判別手段
    と、 該判別手段によって前記成形素材の1つの四角形に含ま
    れると判別した前記投影点の位置を算出する投影点位置
    算出手段と、 該投影点位置算出手段によって算出した前記投影点の位
    置及び該投影点の投影元の頂点の位置間の距離を算出す
    る距離算出手段と、 該距離算出手段によって算出した距離を用いて、縦方向
    での前記金型の表面から前記成形素材の表面までの距離
    の分布状態を出力する分布状態出力手段とを更に備える
    ことを特徴とする請求項2乃至6の何れかに記載の成形
    素材配置状態解析装置。
  8. 【請求項8】 前記形状データは、前記成形素材及び金
    型の表面を四角形で分割したときの各四角形の頂点を表
    すデータを含んでおり、 前記成形素材の1つの頂点を縦方向に前記金型の表面へ
    投影したときの投影点を含む前記金型の1つの四角形を
    算出する四角形算出手段と、 該四角形算出手段によって算出した四角形の各頂点か
    ら、前記投影点の位置を算出する投影点位置算出手段
    と、 該投影点位置算出手段によって算出した前記投影点の位
    置及び該投影点の投影元の頂点の位置間の距離を算出す
    る距離算出手段と、 該距離算出手段によって算出した距離を用いて、縦方向
    での前記成形素材の表面から前記金型の表面までの距離
    の分布状態を出力する分布状態出力手段とを更に備える
    ことを特徴とする請求項2乃至7の何れかに記載の成形
    素材配置状態解析装置。
  9. 【請求項9】 前記設置安定性算出手段は、 前記静止位置算出手段によって算出した複数の静止位置
    に前記成形素材が位置しているときに、前記第1重心位
    置算出手段によって夫々算出した複数の重心位置の縦方
    向位置を算出する第1解析情報算出手段と、 前記静止位置算出手段によって算出した第1静止位置に
    前記成形素材が位置するときの前記成形素材及び金型の
    接点の内の1つを算出する第1接点算出手段、該第1接
    点算出手段によって算出した接点及び前記第1静止位置
    に前記成形素材が位置するときの前記成形素材の重心位
    置間の横方向の距離を算出する第1距離算出手段、前記
    第1静止位置に前記成形素材が位置する状態から、前記
    成形素材を横方向の回転軸を中心に所定角度回転させた
    ときに、前記静止位置算出手段によって算出した第2静
    止位置に前記成形素材が位置する場合の前記成形素材及
    び金型の接点の内の1つを算出する第2接点算出手段、
    該第2接点算出手段によって算出した接点及び前記第2
    静止位置に前記成形素材が位置するときの前記成形素材
    の重心位置間の横方向の距離を算出する第2距離算出手
    段、並びに前記第1距離算出手段によって算出した距離
    及び前記第2距離算出手段によって算出した距離の差分
    を算出する差分算出手段を有する第2解析情報算出手段
    と、 前記静止位置に前記成形素材が位置するときの夫々の接
    点を所定の平面に投影した投影点を算出する第1投影点
    算出手段、前記静止位置に前記成形素材が位置するとき
    の前記成形素材の重心位置の前記平面への投影点を算出
    する第2投影点算出手段、前記第1投影点算出手段によ
    って算出した夫々の投影点間を連結して多角形を生成す
    る多角形生成手段、並びに該多角形生成手段によって生
    成した多角形の各辺及び前記第2投影点算出手段によっ
    て算出した投影点間の距離の内、最短の距離を算出する
    距離算出手段とを有する第3解析情報算出手段との内の
    少なくとも1つを具備することを特徴とする請求項2乃
    至8の何れかに記載の成形素材配置状態解析装置。
  10. 【請求項10】 所定位置に前記成形素材が配されたと
    きの前記成形素材の重心位置を算出する第3重心位置算
    出手段と、 前記所定位置に前記成形素材が配されたときに、前記静
    止位置算出手段によって算出した静止位置での前記第1
    重心位置算出手段によって算出した重心位置、及び前記
    第3重心位置算出手段によって算出した重心位置間の距
    離を算出する移動量算出手段と、 前記成形素材が前記所定位置に配されたときに、前記金
    型に対応付けられた所定領域に含まれる前記成形素材の
    体積を算出する第1体積算出手段と、 前記成形素材が前記静止位置に位置するときに、前記所
    定領域に含まれる前記成形素材の体積を算出する第2体
    積算出手段と、 前記第1体積算出手段によって算出した体積、及び前記
    第2体積算出手段によって算出した体積の比率を算出す
    る体積比率算出手段とを更に備えることを特徴とする請
    求項2乃至9の何れかに記載の成形素材配置状態解析装
    置。
  11. 【請求項11】 前記金型の表面の領域の指定を受け付
    ける領域指定受付手段と、 前記領域の形状変更後の形状を受け付ける形状受付手段
    と、 該形状受付手段によって受け付けた形状へ前記領域の形
    状を変更したときの前記金型の形状データを算出する第
    1形状データ算出手段と、 該第1形状データ算出手段による前記領域の形状の変更
    に基づいて、前記領域の近傍領域の形状を変更したとき
    の前記金型の形状データを算出する第2形状データ算出
    手段とを更に備えることを特徴とする請求項2乃至10
    の何れかに記載の成形素材配置状態解析装置。
  12. 【請求項12】 前記第2形状データ算出手段は、 前記領域及び前記近傍領域の距離、並びに前記領域が形
    状変更する変更量に応じて、前記近傍領域の形状の変更
    量を線形補間によって算出する第1変更量算出手段と、 所定の基準位置及び前記近傍領域の距離、並びに前記領
    域が形状変更する変更量に応じて、前記近傍領域の形状
    の変更量を線形補間によって算出する第2変更量算出手
    段との内の少なくとも1つを具備することを特徴とする
    請求項11記載の成形素材配置状態解析装置。
  13. 【請求項13】 コンピュータに、プレス成形に供され
    る成形素材を金型の上面に配置するときの前記成形素材
    の配置状態を解析させるプログラムが記録してあるコン
    ピュータでの読み取りが可能な記録媒体において、 コンピュータに、前記金型及び成形素材の形状を表す形
    状データを受け付けさせるプログラムコード手段と、 前記金型の上方の前記成形素材の仮配置位置を受け付け
    させるプログラムコード手段と、 受け付けた仮配置位置に位置し、下向きの力が加えられ
    た前記成形素材が静止する前記金型上面の静止位置を、
    前記形状データ、前記仮配置位置、及び前記力に基づい
    て算出させるプログラムコード手段と、 算出した静止位置及び前記形状データに基づいて、前記
    静止位置に前記成形素材が位置するときの前記成形素材
    の重心位置を算出させるプログラムコード手段と、 算出した重心位置に基づいて、前記成形素材が前記金型
    の上面に配置されたときの、前記成形素材の設置安定性
    を算出させるプログラムコード手段とを有するプログラ
    ムが記録してあることを特徴とするコンピュータでの読
    み取りが可能な記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101418348B1 (ko) * 2014-03-12 2014-07-15 김정수 선루프 패널용 레일 성형장치

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