JP2002031914A - 磁性トナー - Google Patents

磁性トナー

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JP2002031914A
JP2002031914A JP2000215322A JP2000215322A JP2002031914A JP 2002031914 A JP2002031914 A JP 2002031914A JP 2000215322 A JP2000215322 A JP 2000215322A JP 2000215322 A JP2000215322 A JP 2000215322A JP 2002031914 A JP2002031914 A JP 2002031914A
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JP
Japan
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ring
particle size
magnetic toner
aromatic compound
general formula
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Application number
JP2000215322A
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English (en)
Inventor
Akihiko Yanagihori
昭彦 柳堀
Takeshi Owada
毅 大和田
Terunori Senokuchi
輝紀 瀬ノ口
Masakazu Sugihara
正和 杉原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた画像を与える磁性トナーを提供する。 【解決手段】 帯電制御剤として下記式(1)又は
(2)で表される芳香族化合物の部分カリウム塩を含有
しており、かつ個数平均粒径(Dn50)と体積平均粒径
(Dv50)との比が1.0≦Dv50/Dn50≦1.2であ
る磁性トナー。 【化1】 (式中、A1〜A3及びR1〜R3は置換基を有していても
よい芳香環を表す。−OHと−CONHRとは隣接する
位置に結合している。nは正の整数を表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真方式の複写
機やプリンターに用いられる磁性トナーに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の複写機やプリンターで
は、周知のように、静電荷像が形成されている感光体な
どの像担持体にトナーをいったん付着させ、次いでこれ
を紙などに転写して固着させることにより、画像形成が
行われる。像担持体へのトナーの付着には、静電荷像の
電荷とトナーの帯電極性とが同一である反転現像と、両
者が異なる正規現像とがある。近年、レーザービームプ
リンターに代表されるように、騒音を出さずに高速で印
刷するプリンターが要求されており、また現像装置は小
型でかつ簡易なものとなる傾向にある。このような現像
装置に使用されるトナーは、従来のもの以上に高性能で
なければ、優れた画像を長期間に亘って安定して形成す
ることはできない。
【0003】また、複写機のデジタル化による解像度の
向上や、写真の複写に際しての中間調再現性、階調再現
性などに対する要求がますます厳しくなってきている。
従ってこれらの要求を満足させるべく、トナーについて
種々の提案がなされている。例えば特開平1−1122
53号公報に記載されているように、トナーの粒径を1
0μm以下にすることが提案されている。トナーの粒径
を小さくすると、細線再現性、中間調再現性、階調再現
性などは向上するが、他方において単位重量あたりの帯
電量が増加しすぎるため、画像濃度の低下や画質の劣化
が生じ易い。この傾向は、小径スリーブを用いる小型機
や高速機で顕著であり、また低温低湿環境下でも顕著と
なる。更に粒径の小さいトナーは飛散し易く、画像のバ
ックグラウンドが汚れるカブリという現像が起こり易
い。
【0004】また、導電ゴムローラー又は導電ゴムに誘
電体層を設けた誘電ローラーなどを介して記録紙に直接
電圧を印加し、これにより発生した電界でトナーを転写
するローラー転写法では、文字抜けの欠陥がしばしば発
生する。これはトナーの凝集力又は流動性と関係があ
り、凝集力が低く流動性の良いトナーは文字抜けが発生
し難い。しかし文字抜けが発生する要因は複雑であり、
これを抑制する有効な手段は未だ見出されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように従来のト
ナーには解決すべき問題がいくつも残されている。本発
明はこのような事情に鑑みなされたもので、その目的
は、画像濃度が高く、カブリなどの画像汚れが少なく、
転写効率が良好であって、いわゆる中抜けのない鮮明で
良好な画像を与えるトナーを提供しようとするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るトナーは、
少なくとも結着樹脂、磁性粉末及び一般式(1)又は
(2)で表される化合物の部分カリウム塩から選択され
た帯電制御剤を含有しており、かつ個数平均粒径(Dn5
0)と体積平均粒径(Dv50)との比が1.0≦D v50/
n50≦1.2であることを特徴とするものである。
【0007】
【化5】
【0008】(A1及びR1は、それぞれ独立して、置換
基を有していてもよい芳香族環を表す。−OHと−CO
NH−R1とは、環A1上で隣接する位置に結合してい
る。)
【0009】
【化6】
【0010】(A2、A3、R2及びR3は、それぞれ独立
して、置換基を有していてもよい芳香族環を表し、nは
正の整数を表す。A2環上の−OHと−CONH−R2
びA3環上の−OHと−CONH−R3とは、それぞれの
環上で隣接する位置に結合している。)
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係るトナーは、結着樹
脂、磁性粉末及び帯電制御剤から本質的に構成されてい
る。結着樹脂としては、トナーの結着樹脂として用い得
ることが知られている種々のものを用いることができ
る。例えば、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ロジ
ン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、飽和又は不飽和のポリエステル樹脂、アイオノマー
樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹
脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン
樹脂、ポリビニルブチラール樹脂などを用いることがで
きる。なかでもスチレン系樹脂、飽和又は不飽和のポリ
エステル樹脂、エポキシ樹脂などを用いるのが好まし
い。これらの樹脂は、通常は単独で用いるが、いくつか
を併用することもできる。また、これらの樹脂は、トナ
ーの定着方式に従い、非架橋又は架橋樹脂として用いる
ことも、架橋樹脂と非架橋樹脂との混合物として用いる
こともできる。
【0012】スチレン系樹脂としては、ポリスチレン、
ポリクロロスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチ
レン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン
共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−
塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、
スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸
エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−
アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オク
チル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合
体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(ス
チレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタ
クリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチ
ル共重合体、スチレン−メタクリル酸オクチル共重合体
及びスチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、ス
チレン−α−クロロアクリル酸メチル共重合体及びスチ
レン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体
等が挙げられる。これらのスチレン系樹脂は架橋性成分
を共重合させて架橋樹脂として用いることもできる。ス
チレン系樹脂の製造方法にはバルク重合、懸濁重合、溶
液重合、乳化重合など種々の方法があるが、いずれの製
造方法のものも用いることができる。
【0013】ポリエステル樹脂としては、2価のカルボ
ン酸と2価のアルコールを主体とし、これに所望により
3価以上のカルボン酸やアルコールを少量混合したもの
を重縮合して得られる、トナーの結着樹脂として公知の
もののなかから適宜選択して用いればよい。2価のカル
ボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピ
ン酸、セバシン酸、ジフェン酸、ナフタレンジカルボン
酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが用いられる。2
価のアルコールとしては、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プ
ロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,4−ブテンジオールなどの鎖状ジオール、ビスフェ
ノールAなどの芳香族ジオール、ポリオキシエチレン化
ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノ
ールAなどのエーテル化芳香族ジオールなどが用いられ
る。3価以上のカルボン酸やアルコールとしては、トリ
メリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸、ナフタレ
ントリカルボン酸、ブタントリカルボン酸、ヘキサント
リカルボン酸、オクタンテトラカルボン酸、トリメチロ
ールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペ
ンタエリスリトールなどが用いられる。なおカルボン酸
は酸無水物や低級アルキルエステルなどの反応性誘導体
として用いることもできる。
【0014】結着樹脂の分子量や分子量分布は、現像装
置の特性や定着方式に応じて適宜選択する。好ましく
は、結着樹脂としては、150℃での動的粘弾性測定に
おける結着樹脂の歪み1%における貯蔵弾性率G’1%
歪み30%における貯蔵弾性率G’30%とが、下記の範
囲にあるものを用いる。
【0015】
【数1】1.0×102(Pa)≦G’1%≦1.0×1
4(Pa) 1.0≦G’30%/G’1%≦10.0
【0016】但し、動的粘弾性の測定は、(株)UBM
製のMR−500を用いて、パラレルプレートにて周波
数1Hzで行うものとする。磁性粉末としては、トナー
の使用環境温度である0〜60℃程度の温度において、
フエリ磁性又はフェロ磁性を示す強磁性物質を用いる。
例えばマグネタイト(Fe34)、マグヘマタイト(γ
−Fe23)、マグネタイトとマグヘマタイトとの中間
組成のもの、フェライト、MxFe3-x4(XはMn、
Fe、Co、Ni、Cu、Mg、Zn、Cdなど)等の
スピネルフェライトや、BaO・6Fe23、SrO・
6Fe23等の六方晶フェライト、Y3Fe512、Sm
3Fe512等のガーネット型酸化物、CrO2等のルチ
ル型酸化物、Fe、Mn、Ni、Co、Cr等の金属や
合金などが用いられる。なかでもマグネタイト、マグヘ
マタイト、マグネタイトとマグヘマタイトの中間組成の
ものなどを用いるのが好ましい。磁性粉末の粒径は3μ
m以下、特に0.05〜1μmであるのが好ましい。こ
れらの磁性粉末は所望ならば2種以上を併用することも
できる。磁性粉末は、結着樹脂100重量部に対して、
通常は10〜150重量部となるように含有させる。磁
性粉末の好ましい含有量は、結着樹脂100重量部に対
して30〜150重量部である。
【0017】磁性粉末は同時に着色剤でもあるが、所望
ならば磁性粉末に更に他の着色剤を併用することもでき
る。例えばカーボンブラック、群青、ニグロシン染料、
アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニ
ングリーン、ハンザイエローG、ローダミン系染顔料、
クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、
ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノアゾ
系、ジスアゾ系、縮合アゾ系染顔料など、トナーの着色
剤として知られているもののなかから選択した染顔料を
上述の磁性粉末と併用することができる。これらの着色
剤は結着樹脂100重量部に対して通常は1〜20重量
部となるように用いられる。
【0018】本発明では帯電制御剤として、一般式
(1)又は(2)で表される芳香族化合物の部分カリウ
ム塩をトナーに含有させる。その含有量は結着樹脂10
0重量部につき通常は0.1〜20重量部である。含有
量が少な過ぎると帯電性の向上効果が十分に発現せず、
逆に含有量が多過ぎるとトナーの品質が低下する。部分
カリウム塩の好ましい含有量は、結着樹脂100重量部
につき0.1〜15重量部、特に0.5〜7重量部であ
る。
【0019】
【化7】
【0020】(A1及びR1は、それぞれ独立して、置換
基を有してもよい芳香族環を表す。−OHと−CONH
−R1とは、環A1上で隣接する位置に結合している。)
【0021】
【化8】
【0022】(A2、A3、R2及びR3は、それぞれ独立
して、置換基を有していてもよい芳香族環を表し、nは
正の整数を表す。A2環上の−OHと−CONH−R2
びA3環上の−OHと−CONH−R3とは、それぞれの
環上で隣接する位置に結合している。)
【0023】一般式(1)及び(2)において、A1
3及びR1〜R3で表される芳香族環としては、ベンゼ
ン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン
環、カルバゾール環、フルオレン環、フルオレノン環、
ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環などが挙げら
れる。これらの芳香族環に結合する置換基としては、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t
−ブチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エト
キシ基など、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素
数1〜5の低級アルキル基や低級アルコキシ基;塩素原
子や臭素原子などのハロゲン原子;ニトロ基、フェニル
基などが挙げられる。好ましくは、A1〜A3及びR1
3で表される芳香族環はベンゼン環又はナフタレン環
であり、またこれらの芳香族環に結合する置換基は、ハ
ロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜5の低級
アルキル基、低級アルコキシ基やハロゲン原子である。
また一般式(2)においてnは通常は1〜5であるが、
1〜3であるのが好ましい。一般式(1)で表される芳
香族化合物のなかでも好ましいのは、一般式(3)で表
されるものである。
【0024】
【化9】
【0025】(A4は炭素数1〜5の低級アルキル基が
1個又は2個結合していてもよいベンゼン環又はナフタ
レン環を表し、R4はハロゲン原子で置換されていても
よい炭素数1〜5の低級アルキル基及びハロゲン原子よ
り成る群から選ばれた置換基が1個又は2個結合してい
てもよいベンゼン環又はナフタレン環を表す。) 一般式(3)で表される芳香族化合物のいくつかを表−
1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】また、一般式(2)で表される芳香族化合
物のなかでも好ましいのは、一般式(4)で表されるも
のである。
【0028】
【化10】
【0029】(A5及びA6はいずれもナフタレン環を表
し、R5及びR6は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で
置換されていてもよい炭素数1〜5の低級アルキル基及
びハロゲン原子より成る群から選ばれた置換基が1個又
は2個結合していてもよいベンゼン環又はナフタレン環
を表す。) 一般式(4)で表される芳香族化合物のいくつかを表−
2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】なお、A5で表されるナフタレン環及びA6
で表されるナフタレン環のいずれにおいても、−CH2
−は1位、−OHは2位、−CONHRは3位にそれぞ
れ結合している。本発明で用いる帯電制御剤である部分
カリウム塩とは、一般式(1)又は(2)で表される芳
香族化合物にカリウムが結合したものであるが、そのカ
リウム含有量は芳香族化合物1分子につき通常は0.0
01〜0.5原子である。カリウムの含有量がこれより
も多くなると、耐水性が悪化するので好ましくない。逆
にカリウムの含有量がこれよりも少ないと、帯電特性が
悪化する。部分カリウム塩の好ましいカリウム含有量
は、芳香族化合物1分子につきカリウムが0.001〜
0.3原子、特に0.001〜0.1原子である。な
お、芳香族化合物はカリウム以外の陽イオンを含んでい
てもよいがその量は少量であるのが好ましく、例えば代
表的な陽イオンであるナトリウムならばカリウムに対し
て原子比で0.5以下であるのが好ましい。一般式
(1)で表される芳香族化合物は、下記式に従い、環に
置換基を有していてもよいサリチル酸と芳香族アミンと
を反応させることにより製造できる。
【0032】
【化11】
【0033】反応はトルエン又はクロロベンゼン中に原
料のサリチル酸と芳香族アミンを加え、更に三塩化リン
を加えて加熱すると容易に進行する。得られた芳香族化
合物を部分カリウム塩にするには、水酸化カリウムの水
/アセトン溶液に加熱溶解したのち、この溶液に水を添
加して部分カリウム塩を晶出させればよい。また、一般
式(2)で表される芳香族化合物は、ブラス・ソマー
(Brass.Sommer)、ベリヒテ(Be
r.).61,998(1928)に記載の方法に準じ
て製造することができる。例えば一般式(4)で表され
る芳香族化合物の部分カリウム塩は、下記式に従って芳
香族化合物のカリウム塩又はナトリウム塩を製造し、次
いでこれを部分アルカリ塩に転換すればよい。
【0034】
【化12】
【0035】反応は苛性ソーダ又は苛性カリ水溶液に原
料のヒドロキシナフタレンカルボン酸誘導体を加え、こ
れにホルムアルデヒドを添加して、50〜120℃に加
温すると容易に進行する。生成物がナトリウム塩の場合
には、生成物をN−メチルピロリドン、メタノール、ジ
メチルホルムアミド、メチルエチルケトン等の有機溶媒
に溶解し、生成した溶液を炭酸カリウム、塩化カリウム
などのカリウム塩の水溶液中に添加して部分カリウム塩
に転換する。別法として生成物をカリウム塩を含む上記
の有機溶媒で懸洗してもよい。
【0036】生成物がカリウム塩の場合には、生成物の
有機溶媒溶液を水中に添加するか、又は生成物を有機溶
媒と水で懸洗すればよい。有機溶媒としては上記したと
同じものを用いることができる。生成物を熱水で懸洗し
ても部分カリウム塩に転換することができる。これらの
部分カリウム塩への転換に際しては、生成物100重量
部につき通常、有機溶媒は10〜500重量部、水は1
0〜5000重量部程度使用すればよい。またカリウム
塩はナトリウム塩1モルに対して0.1〜4モル程度使
用すればよい。
【0037】本発明に係るトナーは本質的に上記した結
着樹脂、磁性粉末及び帯電制御剤から成っているが、所
望によりこれに常用の他の助剤を含有させてもよい。例
えば上述の帯電制御剤に他の帯電制御剤、例えばニグロ
シン系染料、第四級アンモニウム塩、含金属錯化合物、
含ホウ素錯化合物などを含有させることができる。その
含有量は結着樹脂100重量部につき0.1〜20重量
部、特に0.1〜5重量部が好ましい。また、融点が5
0〜100℃のパラフィンワックス、ケトンワックス、
ライスワックス、フィッシャートロプシュワックス等の
低融点ワックスや高級脂肪酸、脂肪酸アミドなどを、結
着樹脂100重量部に対して0.1〜30重量部程度含
有させると一般に定着性が改良される。これらの低融点
ワックスの融点は60〜90℃であるのが好ましく、ま
たDSC測定における融点に相当する吸熱ピークの半値
幅は20℃以下、特に10℃以下と狭い方が好ましい。
【0038】他の助剤としては、ポリプロピレンワック
ス、ポリエチレンワックス、変性ポリプロピレンワック
ス、変性ポリエチレンワックスなどがあり、これらは結
着樹脂100重量部につき通常は0.1〜30重量部と
なるように用いられる。またシリコーンオイル、変性シ
リコーンオイル、シリコーンワニス、変性シリコーンワ
ニスなどは、結着樹脂100重量部につき通常0.01
〜20重量部となるように用いられる。金属石鹸は結着
樹脂100重量部につき0.05〜10重量部となるよ
うに用いられる。なお金属石鹸は場合により外添剤とし
て用いられることもある。
【0039】本発明に係るトナーは常法に従い、結着樹
脂、磁性粉末、帯電防止剤及び他の助剤を配合し、これ
を均一に混合したのち溶融混練、粉砕及び分級の各工程
を経て製造することができる。混練には密封式ニーダー
や一軸又は二軸押出機が用いられる。混練物は冷却固化
させたのちクラッシャーやハンマーミルなどで粗粉砕
し、次いでジェットミルや高速ローター回転式ミル等で
所望の粒度に微粉砕する。粉砕物は慣性分級方式のエル
ボジェット、遠心力分級方式のミクロプレックス、DS
セパレーターなどで分級して、所望の粒径のものを取得
する。
【0040】通常は上記で得たトナーに、流動性の向上
や帯電性の調整のため、有機又は無機の微粒子を添加し
て製品のトナーとする。無機微粒子としてはチタニア、
マグネタイト、フェライト、酸化セリウム、チタン酸ス
トロンチウム、タルク、タルサイト類、窒化ケイ素、窒
化チタンなどが用いられる。なかでもシリカ、アルミ
ナ、チタニアなどを用いるのが好ましい。特に好ましい
のはシリカである。無機微粒子はメタノール滴定法によ
る疎水化度が50以上、特に60以上となるように、疎
水化剤で処理して用いるのが好ましい。疎水化度が50
以上の無機微粒子を添加することにより、ブレードによ
る帯電特性が良好となり、また感光体の静電潜像以外の
部分へのトナーの付着量が減少し、転写効率が向上す
る。これらの無機微粒子の添加量は、トナーに対して通
常0.1〜5.0重量%であるが、0.1〜3.0重量
%が好ましい。有機微粒子としてはスチレン系樹脂、ア
クリル樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂など
が用いられる。その添加量はトナーに対して通常0.0
5〜10重量%である。
【0041】本発明に係るトナーは、その粒度分布が、
個数平均粒径(Dn50)と体積平均粒径(Dv50)との比
が1.0≦Dv50/Dn50≦1.2であることが必要であ
る。この比がこの範囲を外れると、充分な帯電量が得ら
れなかったり、帯電の均一性が低下することにより、転
写効率が低下したり、カブリが発生したりするようにな
る。Dn50とDv50との比は1.0≦Dv50/Dn50≦1.
15であれば更に好ましい。トナーの粒度分布は、Dn5
0/Dv50の比が上記範囲にあることに加えて、さらに体
積平均粒子径(Dv50)が4〜10μmであり、粒径5
μm以下のものの比率が5個数%以上、粒径8〜12.
7μmの範囲のものの比率が40個数%以下、かつ粒径
16μm以上のものの比率が2体積%以下であると、更
に好ましい。
【0042】本発明に係るトナーは、その形状がワーデ
ルの球形化度で0.4〜1.0、特に0.5〜1.0の
範囲にあると、一般に画質が向上するので好ましい。ワ
ーデルの球形化度をこの範囲にするには、トナーの製造
工程で溶融混練したものを粉砕するに際し、粉砕効率を
犠牲にして発熱条件下で粉砕するのが好ましい。また常
法により粉砕したものに、メカノフュージョンやサーフ
ュージョンのような、機械的又は熱的エネルギーを付加
する方法によることもできる。粉砕法によらず、懸濁重
合や乳化重合などいわゆる重合法によれば更に容易にワ
ーデルの球形化度が上記の範囲内のトナーを得ることが
できる。
【0043】
【実施例】以下に実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお、本明細書に記載の粒度分布その他の測定
は下記に依るものである。
【0044】トナーの粒度分布の測定:電解液イソトン
II30mlに、分散剤としてアルキルベンゼンスルホン
酸塩を適量(約0.03g)加える。この溶液に試料を
2〜20mg加え、超音波分散機で30〜60秒間分散
処理する。得られた懸濁液についてコールターカウンタ
ーマルチサイザーII型(コールター社製)を用いてその
粒度分布を測定する。この測定結果に基いて、形状を球
形と仮定して体積平均粒径(Dv50)、個数平均粒径
(Dn50)その他を算出する。
【0045】ワーデルの球形化度;フローソープ230
0型(島津製作所製)を用いて、窒素吸着法によりBE
T法比表面積を測定する。別に上記の粒度分布により得
られた体積平均粒径(Dv50)から比表面積(Dv50比表
面積)を算出し、下記式によりワーデルの球形化度を算
出する。
【0046】
【数2】ワーテルの球形化度=Dv50比表面積/BET
法比表面積
【0047】融点;DSC220U(島津製作所製)を
用い、昇温速度10℃/分で測定した吸熱曲線の低温側
における接線のうち、最大の傾きを有する接線とベース
ラインとの交点から融点を算出する。疎水化度;試料
0.20g(0.20±0.01g)を100mlのビ
ーカーに採取し、これに純水50mlを加える。マグネ
チックスターラーで撹拌しながら液面下にメタノールを
注入する。液面上に試料が認められなくなるまでに注入
されたメタノール量(ml)から、次式に基いて疎水化
度を算出する。
【0048】
【数3】疎水化度=メタノール量×100/(50+メ
タノール量)
【0049】実施例1 帯電制御剤(表−2のNO.2の化合物)の合成;2−
〔N−(P−クロロフェニル)カルバモイル〕−3−ヒ
ドロキシナフタリン282gを、メタノール400m
l、水酸化ナトリウム113.4g及び水1440ml
の混合液に溶解した。この溶液を80℃に昇温し、これ
に35%ホルムアルデヒド水溶液66gを添加し、80
℃で9時間反応させた。反応液を50℃に冷却し、濾過
して黄色の固体を取得し、乾燥した。収量は261gで
あった。この黄色の固体120gをN−メチルピロリド
ン167mlに添加して溶解し、これを60℃に保持し
て、これに水2400mlに炭酸カリウム27gを溶解
した溶液を1時間かけて添加した。引続き60℃で更に
1時間保持したのち濾過して、析出した淡黄色の固体を
取得し、乾燥した。収量は110gであった。このもの
のカリウム含有量は表−2のNO.2の化合物1分子に
つき0.03原子であった。またナトリウムは殆んど検
出されなかった。
【0050】トナーの製造;架橋ポリエステル樹脂10
0重量部、磁性粉末(戸田工業社製品、FPT−100
0)70重量部、及び上記で得た帯電制御剤3重量部を
混合し、混合物を二軸押出機を用いて溶融混練した。混
練物は冷却したのちハンマーミルで粗粉砕し、次いで超
音速ジェットミルで微粉砕した。風力分級機で分級して
粒径5〜30μmの部分を取得し、これに疎水性シリカ
(ワッカーケミカル社製品、H−2000)0.5重量
部と、疎水性シリカ(キャボット社製品、TS−72
0)0.4重量部をヘンシェルミキサーを用いて付着さ
せ、トナーとした。このものの個数平均粒径(Dn50)
は8.5μm、体積平均粒径(Dv50)は8.8μmで
あり、Dv50/Dn50=1.035であった。また、粒径
8〜12.7μmのものは23.1個数%、粒径5μm
以下のものは7.5個数%であり、粒径16μm以上の
ものは実質的に存在しなかった。ワーデルの球形化度は
0.55であった。
【0051】実施例2 架橋ポリエステル樹脂の代りに架橋スチレン−アクリル
樹脂100重量部を用い、かつ疎水性シリカの添加量を
H−2000を0.7重量部、TS−720を0.2重
量部とした以外は、実施例1と全く同様にしてトナーを
製造した。このものの個数平均粒径(Dn50)は9.3
μm、体積平均粒径(Dv50)は9.7μmであり、Dv
50/Dn50=1.043であった。また、粒径8〜1
2.7μmのものは27.8個数%、粒径5μm以下の
ものは6.0個数であり、粒径16μm以上のものは実
質的に存在しなかった。ワーデルの球形化度は0.51
であった。
【0052】トナーの性能試験;電子写真方式の複写機
(エプソン社製品,LP−8300)に、上記で得られ
たトナーを供給して、25℃−60%R.Hの雰囲気中
で80000枚の複写を行った。その結果、いずれのト
ナーを用いた場合も、複写開始時及び80000枚複写
後のいずれにおいても、転写効率及び画像濃度に優れて
いた。また得られた画像も、複写開始時及び80000
枚複写後のいずれにおいても、カブリ、ちり、ムラなど
の無い鮮明なものであり、画質は安定していた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬ノ口 輝紀 新潟県上越市福田町1番地 三菱化学株式 会社直江津事業所内 (72)発明者 杉原 正和 新潟県上越市福田町1番地 三菱化学株式 会社直江津事業所内 Fターム(参考) 2H005 AA02 AA06 AA15 CA30 DA01 EA05 EA07 FA06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂、磁性粉末及び一般
    式(1)又は(2)で表される芳香族化合物の部分カリ
    ウム塩から選択された帯電制御剤を含有しており、かつ
    個数平均粒径(Dn50)と体積平均粒径(Dv50)との比
    が1.0≦D v50/Dn50≦1.2であることを特徴とす
    る磁性トナー。 【化1】 (A1及びR1は、それぞれ独立して、置換基を有してい
    てもよい芳香族環を表す。−OHと−CONH−R1
    は、環A1上で隣接する位置に結合している。) 【化2】 (A2、A3、R2及びR3は、それぞれ独立して、置換基
    を有していてもよい芳香族環を表し、nは正の整数を表
    す。A2環上の−OHと−CONH−R2及びA3環上の
    −OHと−CONH−R3とは、それぞれの環上で隣接
    する位置に結合している。)
  2. 【請求項2】 一般式(1)又は(2)で表される芳香
    族化合物において、A1、A2、A3、R1、R2及びR
    3が、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されてい
    てもよい炭素数1〜5の低級アルキル基、低級アルコキ
    シ基及びハロゲン原子より成る群から選ばれた置換基で
    置換されていてもよい、ベンゼン環又はナフタレン環を
    表すことを特徴とする、請求項1記載の磁性トナー。
  3. 【請求項3】 一般式(1)又は(2)で表される芳香
    族化合物が、一般式(3)で表されるものであることを
    特徴とする、請求項1記載の磁性トナー。 【化3】 (A4は炭素数1〜5の低級アルキル基が1個又は2個
    結合していてもよいベンゼン環又はナフタレン環を表
    し、R4はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数
    1〜5の低級アルキル基及びハロゲン原子より成る群か
    ら選ばれた置換基が1個又は2個結合していてもよい、
    ベンゼン環又はナフタレン環を表す。)
  4. 【請求項4】 一般式(1)又は(2)で表される芳香
    族化合物が、一般式(4)で表されるものであることを
    特徴とする、請求項1記載の磁性トナー。 【化4】 (A5及びA6はいずれもナフタレン環を表し、R5及び
    6は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されて
    いてもよい炭素数1〜5の低級アルキル基及びハロゲン
    原子より成る群から選ばれた置換基が1個又は2個結合
    していてもよい、ベンゼン環又はナフタレン環を表
    す。)
  5. 【請求項5】 芳香族化合物の部分カリウム塩が、芳香
    族化合物1分子につきカリウムを0.001〜0.5原
    子含有していることを特徴とする、請求項1ないし4の
    いずれかに記載の磁性トナー。
  6. 【請求項6】 体積平均粒子径(Dv50)が4〜10μ
    mであり、粒径5μm以下のものの比率が5個数%以
    上、粒径8〜12.7μmの範囲のものの比率が40個
    数%以下、かつ粒径16μm以上のものの比率が2体積
    %以下であることを特徴とする、請求項1ないし5のい
    ずれかに記載の磁性トナー。
  7. 【請求項7】 ワーデルの球形化度が0.4〜1.0で
    あることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに
    記載の磁性トナー。
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