JP2002031613A - 溶接部の非破壊検査装置および非破壊検査方法 - Google Patents

溶接部の非破壊検査装置および非破壊検査方法

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JP2002031613A
JP2002031613A JP2000217589A JP2000217589A JP2002031613A JP 2002031613 A JP2002031613 A JP 2002031613A JP 2000217589 A JP2000217589 A JP 2000217589A JP 2000217589 A JP2000217589 A JP 2000217589A JP 2002031613 A JP2002031613 A JP 2002031613A
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welding
weld metal
metal
electric resistivity
measuring
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JP2000217589A
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Motohiro Kasahara
基弘 笠原
Junji Ando
純二 安藤
Isao Nishiyama
功 西山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接後に溶接部の接合状態を簡便に検査する
ことができる、溶接部の非破壊検査装置および非破壊検
査方法を提供する。 【解決手段】 溶接後に、溶接部の溶接金属6の表面に
測定プローブ2を当接させ、電気抵抗率測定器3により
溶接金属6の電気抵抗率を測定する。そして、測定され
た電気抵抗率から、溶接金属6についてあらかじめ求め
ておいた電気抵抗率と溶接金属の機械的性質の関係を利
用して、溶接金属の機械的性質を検知する。また、測定
された電気抵抗率から、溶接金属6についてあらかじめ
求めておいた電気抵抗率と溶接施工条件の関係を利用し
て、溶接施工条件を検知する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は溶接部の非破壊検
査装置および非破壊検査方法に関し、特に、電気抵抗を
利用した溶接部の非破壊検査装置および非破壊検査方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】建築鉄骨を製作する際は、鉄鋼材料を溶
接接合法により接合する方法が広く用いられている。し
かし、鉄骨の溶接施工は他の分野の溶接と比べて溶接線
が短いため、溶接施工時の溶接入熱やパス間温度の上昇
が問題となる。
【0003】JISの規定では、溶接施工条件は、溶接
ワイヤにJISZ3312のYGW11を用い、適用鋼
材の引張強さが490N/mm2 級の場合、溶接入熱は
15KJ/cmから30KJ/cmの間、パス間温度は
250℃以下が望ましいとされている。また、溶接金属
の機械的性質が保たれるための上限値は、溶接入熱は4
0KJ/cm、パス間温度は350℃とされている。
【0004】しかし、実際の溶接施工時には、溶接入熱
は約70KJ/cmまで、パス間温度は約700℃まで
上昇することがある。そのため、従来は、溶接施工条件
を管理するため、溶接時に溶接入熱やパス間温度を測定
していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来
は、溶接時に溶接入熱やパス間温度を測定しなければな
らないので、時間的にも、費用的にも、検査に要するコ
ストが高いという問題があった。また、従来の検査方法
では、溶接後に溶接部の接続状態を非破壊検査すること
はできなかった。
【0006】本発明は、これらの課題を解決するために
なされたもので、溶接後に溶接部の接続状態を簡便に検
査することができる、溶接部の非破壊検査装置および非
破壊検査方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶接部の溶接
金属の表面に当接される測定プローブと、測定プローブ
に接続され溶接金属の電気抵抗率を測定する電気抵抗率
測定器とを備えてなることを特徴とする、溶接部の非破
壊検査装置である。
【0008】また、本発明は、溶接部の溶接金属の表面
に当接される測定プローブと、測定プローブに接続され
溶接金属の電気抵抗率を測定する電気抵抗率測定器とを
備えてなる溶接部の非破壊検査装置を用い、溶接金属の
電気抵抗率を測定し、電気抵抗率から、溶接金属につい
てあらかじめ求めておいた電気抵抗率と溶接金属の機械
的性質との関係を利用して、溶接金属の機械的性質を検
知することを特徴とする、溶接部の非破壊検査方法であ
る。
【0009】また、本発明は、溶接部の溶接金属の表面
に当接される測定プローブと、測定プローブに接続され
溶接金属の電気抵抗率を測定する電気抵抗率測定器とを
備えてなる溶接部の非破壊検査装置を用い、溶接金属の
電気抵抗率を測定し、電気抵抗率から、溶接金属につい
てあらかじめ求めておいた電気抵抗率と溶接施工条件と
の関係を利用して、溶接施工条件を検知することを特徴
とする、溶接部の非破壊検査方法である。
【0010】
【作用】溶接後に、溶接部の溶接金属の表面に測定プロ
ーブを当接させ、電気抵抗率測定器により溶接金属の電
気抵抗率を測定する。そして、測定された電気抵抗率か
ら、溶接金属についてあらかじめ求めておいた電気抵抗
率と溶接金属の機械的性質の関係を利用して、溶接金属
の機械的性質を検知する。また、測定された電気抵抗率
から、溶接金属についてあらかじめ求めておいた電気抵
抗率と溶接施工条件の関係を利用して、溶接施工条件を
検知する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。図1に示す溶接部の非破壊
検査装置1は、測定プローブ2と電気抵抗率測定器3と
から構成され、測定プローブ2と電気抵抗率測定器3は
リード線4により接続されている。そして、溶接部の非
破壊検査装置1は、母材5の溶接部の溶接金属6の表面
に測定プローブ2の先端に設けられた4本の電極(図示
せず)を当接させ、溶接金属6の電気抵抗率を電気抵抗
率測定器3により測定する。測定された電気抵抗率は、
電気抵抗率測定器3の表示部7に表示される。
【0012】本発明では、電気抵抗率を測定する方法と
して、4端子電位差法を用いる。4端子電位差法は、一
列に並んだ4本の電極を測定対象の表面に当接させ、外
側の電極から電流を流し、内側の電極間の電位差を測定
して測定対象の電気抵抗率を求める方法である。なお、
測定の際は、測定対象である溶接金属6の表面のさびな
どをあらかじめ除去しておく必要がある。
【0013】次に、溶接部の非破壊検査装置1を用いて
行う、溶接部の非破壊検査方法について説明する。溶接
金属6について測定された電気抵抗率からは、溶接金属
の機械的性質と溶接施工条件を検知することができる。
【0014】一般に、溶接ワイヤは、母材である鉄鋼材
料に比べて、マンガン(Mn)とシリコン(Si)が大
量に添加されている。そして、図2に示すように、溶接
ワイヤに含まれるMnとSiは、溶接時の溶接入熱やパ
ス間温度の上昇に伴って消耗が激しくなることが知られ
ている。なお、図2は、溶接ワイヤにJISZ3312
のYGW11を用いた場合の、溶接入熱と溶接金属の化
学成分の関係を表すグラフの一例である。図2に示すよ
うに、溶接入熱の増大に伴って、溶接金属におけるMn
とSiの含有率は減少する。
【0015】また、MnとSiは溶接ワイヤに含まれる
合金元素の中でも電気抵抗が高いため、溶接ワイヤまた
は溶接金属の電気抵抗率はMnとSiの含有率によって
大きく異なる。つまり、電気抵抗率からMnとSiの含
有率を推定することができる。そして、図2に示すよう
に、MnとSiの含有率と溶接施工条件は互いに関連性
がある。また、溶接金属の機械的性質は溶接施工条件に
より決定される。したがって、溶接金属の電気抵抗率か
ら溶接金属の機械的性質や溶接施工条件を求めることが
できる。
【0016】溶接金属の機械的性質を検知する場合は、
溶接金属について、電気抵抗率と溶接金属の機械的性質
の関係をあらかじめ求めておいて、その電気抵抗率と溶
接金属の機械的性質の関係を利用して、測定された電気
抵抗率から溶接金属の機械的性質を検知する。なお、こ
こでは、溶接金属の機械的性質とは溶接強度のことであ
る。溶接金属の機械的性質としては、引張強さ、降伏点
または0.2%耐力、伸びおよびシャルピー吸収エネル
ギーがある。それぞれの電気抵抗率との関係を表すグラ
フの一例を図3〜図6に示す。なお、図3〜図6のグラ
フは、溶接ワイヤにJISZ3312のYGW11を用
いて実施した実験の実験データから作成した。
【0017】図3は、溶接金属について、電気抵抗率と
引張強さの関係を表したグラフである。図3に示すよう
に、電気抵抗率の増加に伴って、引張強さは上昇する。
したがって、使用する溶接ワイヤに対して、図3のよう
な電気抵抗率と引張強さの関係を表す検定線をあらかじ
め求めておけば、その検定線を用いて電気抵抗率から溶
接金属の引張強さを検知することができる。
【0018】また、図4は、溶接金属について、電気抵
抗率と降伏点の関係を表したグラフである。図4に示す
ように、電気抵抗率の増加に伴って、降伏点は上昇す
る。なお、ここでは、電気抵抗率と降伏点の関係を表し
たが、降伏点の代わりに0.2%耐力を用いることもで
きる。
【0019】また、図5は、溶接金属について、電気抵
抗率と伸びの関係を表したグラフである。伸びは、伸び
率で表される。図5に示すように、電気抵抗率の増加に
伴って、伸び率は減少する。
【0020】そして、図6は、溶接金属について、電気
抵抗率とシャルピー吸収エネルギーの関係を表したグラ
フである。図5に示すように、電気抵抗率の増加に伴っ
て、シャルピー吸収エネルギーの大きさは増大する。
【0021】したがって、降伏点、伸びおよびシャルピ
ー吸収エネルギーの場合も、引張強さの場合と同様に、
使用する溶接ワイヤに対して、図4〜図6のような電気
抵抗率との関係を表す検定線をあらかじめ求めれおけ
ば、それぞれの検定線を用いて電気抵抗率から溶接金属
の降伏点、伸びおよびシャルピー吸収エネルギーを検知
することができる。
【0022】また、溶接施工条件を検知する場合は、溶
接金属の機械的性質を検知する場合と同様に、溶接金属
について、電気抵抗率と溶接施工条件の関係をあらかじ
め求めておいて、その電気抵抗率と溶接施工条件の関係
を利用して、測定された電気抵抗率から溶接施工条件を
検知する。溶接施工条件には、溶接時の溶接入熱とパス
間温度がある。それぞれの電気抵抗率との関係を表すグ
ラフの一例を図7と図8に示す。なお、図7と図8のグ
ラフは、溶接ワイヤにJISZ3312のYGW11を
用いて実施した実験の実験データから作成した。
【0023】図7は、溶接金属について、電気抵抗率と
溶接入熱の関係を表したグラフである。図7に示すよう
に、電気抵抗率の増加に伴って、溶接入熱は低下する。
したがって、使用する溶接ワイヤに対して、図7のよう
な電気抵抗率と溶接入熱の関係を表す検定線をあらかじ
め求めておけば、その検定線を用いて電気抵抗率から溶
接時の溶接入熱を検知することができる。
【0024】また、図8は、溶接金属について、電気抵
抗率とパス間温度の関係を表したグラフである。図8に
示すように、電気抵抗率の増加に伴って、パス間温度は
低下する。したがって、使用する溶接ワイヤに対して、
図8のような電気抵抗率とパス間温度の関係を表す検定
線をあらかじめ求めておけば、その検定線を用いて、電
気抵抗率から溶接時のパス間温度を検知することができ
る。
【0025】そして、溶接金属の機械的性質は溶接施工
条件と密接な関係があるので、溶接時の溶接入熱やパス
間温度が検知されれば、溶接金属の機械的性質つまり溶
接強度も自ずから判明する。
【0026】
【発明の効果】以上のことから、本発明によれば、溶接
後に、溶接部の接合状態を検査することができる。した
がって、時間的にも、費用的にも、検査に要するコスト
を大幅に削減することができる。また、すでに建設され
た建物の溶接部の検査に適用することができる。さら
に、建物以外にも、例えば、車両、船舶、航空機などの
溶接部の検査にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶接部の非破壊検査装置を示した概略
図である。
【図2】溶接入熱と溶接金属の化学成分の関係を表した
グラフである。
【図3】電気抵抗率と引張強さの関係を表したグラフで
ある。
【図4】電気抵抗率と降伏点の関係を表したグラフであ
る。
【図5】電気抵抗率と伸びの関係を表したグラフであ
る。
【図6】電気抵抗率とシャルピー吸収エネルギーの関係
を表したグラフである。
【図7】電気抵抗率と溶接入熱の関係を表したグラフで
ある。
【図8】電気抵抗率とパス間温度の関係を表したグラフ
である。
【符号の説明】
1 溶接部の非破壊検査装置 2 測定プローブ 3 電気抵抗率測定器 4 リード線 5 母材 6 溶接金属 7 表示部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西山 功 茨城県つくば市吾妻4−13−44 Fターム(参考) 2G055 AA08 BA14 DA04 FA01 FA05 FA06 2G060 AA10 AA20 AE40 AF08 AG04 EA01 EA06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶接部の溶接金属の表面に当接される測定
    プローブと、前記測定プローブに接続され前記溶接金属
    の電気抵抗率を測定する電気抵抗率測定器とを備えてな
    ることを特徴とする、溶接部の非破壊検査装置。
  2. 【請求項2】溶接部の溶接金属の表面に当接される測定
    プローブと、前記測定プローブに接続され前記溶接金属
    の電気抵抗率を測定する電気抵抗率測定器とを備えてな
    る溶接部の非破壊検査装置を用い、 前記溶接金属の電気抵抗率を測定し、前記電気抵抗率か
    ら、前記溶接金属についてあらかじめ求めておいた電気
    抵抗率と溶接金属の機械的性質との関係を利用して、溶
    接金属の機械的性質を検知することを特徴とする、溶接
    部の非破壊検査方法。
  3. 【請求項3】前記溶接金属の機械的性質は、引張強さで
    あることを特徴とする、請求項2に記載の溶接部の非破
    壊検査方法。
  4. 【請求項4】前記溶接金属の機械的性質は、降伏点また
    は0.2%耐力であることを特徴とする、請求項2に記
    載の溶接部の非破壊検査方法。
  5. 【請求項5】前記溶接金属の機械的性質は、伸びである
    ことを特徴とする、請求項2に記載の溶接部の非破壊検
    査方法。
  6. 【請求項6】前記溶接金属の機械的性質は、シャルピー
    吸収エネルギーであることを特徴とする、請求項2に記
    載の溶接部の非破壊検査方法。
  7. 【請求項7】溶接部の溶接金属の表面に当接される測定
    プローブと、前記測定プローブに接続され前記溶接金属
    の電気抵抗率を測定する電気抵抗率測定器とを備えてな
    る溶接部の非破壊検査装置を用い、 前記溶接金属の電気抵抗率を測定し、前記電気抵抗率か
    ら、前記溶接金属についてあらかじめ求めておいた電気
    抵抗率と溶接施工条件との関係を利用して、溶接施工条
    件を検知することを特徴とする、溶接部の非破壊検査方
    法。
  8. 【請求項8】前記溶接施工条件は、溶接入熱であること
    を特徴とする、請求項7に記載の溶接部の非破壊検査方
    法。
  9. 【請求項9】前記溶接施工条件は、パス間温度であるこ
    とを特徴とする、請求項7に記載の溶接部の非破壊検査
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4879277B2 (ja) * 2005-11-14 2012-02-22 エービービー エービー 機械特性を推定する方法及び装置
US8263409B2 (en) 2005-11-14 2012-09-11 Abb Ab Method and apparatus for estimating a mechanical property

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JP4879277B2 (ja) * 2005-11-14 2012-02-22 エービービー エービー 機械特性を推定する方法及び装置
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