JP2002030528A - 人造セルロース繊維の製造方法 - Google Patents

人造セルロース繊維の製造方法

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JP2002030528A
JP2002030528A JP2000211627A JP2000211627A JP2002030528A JP 2002030528 A JP2002030528 A JP 2002030528A JP 2000211627 A JP2000211627 A JP 2000211627A JP 2000211627 A JP2000211627 A JP 2000211627A JP 2002030528 A JP2002030528 A JP 2002030528A
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dyeing
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Junya Sato
淳也 佐藤
Manabu Ichito
学 壱東
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 染色性の高い人造セルロース繊維の提供。 【解決手段】 湿式紡糸法により人造セルロース繊維を
製造するに際して、紡糸原液を凝固浴中に吐出し、形成
されたセルロース繊維を洗浄後、未乾燥状態の繊維に、
洗浄液よりも沸点の高い極性溶剤をセルロースの質量に
対して5wt%以上付与して乾燥することを特徴とする
セルロース繊維の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロース繊維製
品をより深色に染めることができる染色性が高められた
人造セルロース繊維の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】人造セルロース繊維布帛を濃色に染色す
るには、染料自体に色合いの深い染料を用いるが、より
深色に染めるためには染着座席以上の染料を用いるしか
方法がない。濃く染色されたセルロース繊維製品は、一
般に、過剰に染められた染料の脱落による染色堅牢度の
低下の問題があった。また、セルロース繊維あるいはセ
ルロース繊維を含む布帛をアルカリ水溶液などで膨潤処
理をして染料の染着座席を高めることにより、より多く
の量の染料を繊維に吸塵させる方法もある。しかし、こ
の方法では染色加工工程が増えることになるので、染色
コストが増加する上にアルカリによる人造セルロース繊
維の強度を低下させる問題もあった。
【0003】特開平10−158925公報には、N−
メチルモルホリン−N−オキシドを含む溶剤にセルロー
スを溶解した紡糸原液を用いて再生セルロースを製造す
るに当たり、セルロースに対して、ヘミセルロース含有
量を3〜15重量%として乾湿式紡糸法によって紡糸を
行い、染色性に優れた再生セルロース繊維を製造する方
法が開示されている。しかしながら、この方法による再
生セルロース繊維は、繊維中に含まれるヘミセルロース
がアルカリ水溶液で簡単に脱落するため、染色条件が限
定される欠点がある。
【0004】特開平9−241920には、人造セルロ
ース繊維の染色性を向上させるために、羊毛溶液をビス
コースに添加・混合した後、紡糸ノズルより吐出させ、
凝固再生後、精練乾燥し、セルロースに対して1〜40
重量%の羊毛を含有した再生セルロース繊維を製造する
方法が開示されている。しかしながら、この方法は人造
セルロース繊維の酸性染料及び含金染料に対する染色性
を向上させるが、繊維のセルロース分子の水酸基を染着
座席とする直接染料や反応性染料などによるセルロース
繊維の実用染色において、一般に用いられている染料の
セルロース繊維に対する染色性はむしろ低下した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、染色性が高
く濃色に染色されるセルロース繊維布帛などのセルロー
ス繊維含有繊維製品をより深色に染めることができる人
造セルロース繊維の製造方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、湿式紡糸にお
ける人造セルロース繊維の製造において、セルロース繊
維を凝固、再生させ、その後溶媒などの紡糸原液副成分
が洗浄により除去され、未だ一度も乾燥されない状態の
人造セルロース繊維に繊維の洗浄液よりも高い沸点をも
つ極性溶剤をセルロースの質量に対して特定量付与し
て、繊維を乾燥すると得られる人造セルロース繊維が既
知定法で製造された人造セルロース繊維に比べてより高
い染色吸尽特性を示すことを見出し、本発明をなすに至
った。
【0007】すなわち本発明は、湿式紡糸法により人造
セルロース繊維を製造するに際して、紡糸原液を凝固浴
中に吐出し、形成されたセルロース繊維を洗浄後、未乾
燥状態の繊維に、洗浄液よりも沸点の高い極性溶剤をセ
ルロースの質量に対して5wt%以上付与して乾燥する
ことを特徴とするセルロース繊維の製造方法である。本
発明でいう人造セルロース繊維は、キュプラレーヨン、
ビスコースレーヨン、ポリノジックなどの再生セルロー
ス繊維、リヨセルなどのいわゆる精製繊維をいう。人造
セルロース繊維の形態は、短繊維および長繊維がその代
表例として挙げられる。
【0008】本発明の人造セルロース繊維の製造方法
は、セルロース繊維原料を適宜の溶媒や副原料などを用
いて溶解し調製される紡糸原液を用いる湿式紡糸を適用
して、セルロース繊維の形状に押出し、凝固、再生の
後、洗浄液(主に水)などで溶媒や副原料などを洗い流
し、次いで洗浄され未だ一度も乾燥をされていないセル
ロース繊維に、所定量の洗浄液よりも沸点の高い極性溶
剤を接触せしめて付着させて後に、乾燥して繊維構造を
固定してセルロース繊維を得る方法である。
【0009】凝固、再生後洗浄を経た未だ一度も乾燥を
されていないセルロース繊維に、洗浄液よりも沸点の高
い極性溶剤を接触、付与して所定量付着させた後、通常
の乾燥工程を通すことで、得られるセルロース繊維の直
接染料、反応染料の吸尽性が顕著に増加する。ここで、
洗浄液よりも沸点の高い極性溶剤の付与量は、セルロー
ス繊維の質量に対して少なくとも5wt%であり、その
上限は約40wt%である。セルロース繊維への接触、
付与は、洗浄工程を経て乾燥工程に向けて走行するセル
ロース繊維に、洗浄液よりも沸点の高い極性溶剤を水な
どの希釈液で希釈した溶液を用いて浸漬法、ロールタッ
チ法、スプー法などにより行うのが工業生産上好便であ
る。この場合、洗浄液よりも沸点の高い極性溶剤の付着
量は、例えば、希釈溶液における洗浄液よりも沸点の高
い極性溶剤の濃度と希釈溶液の搾液量(ピックアップ)
を調整することによって所定値に調整される。そして、
洗浄液よりも沸点の高い極性溶剤が所定量の付着された
セルロース繊維は、湿式紡糸法に付随して常用されてい
る乾燥手段を用いて、乾燥される。
【0010】なお、本発明の人造セルロース繊維の製造
において、繊維への柔軟剤、平滑剤などの仕上げ剤は、
洗浄液よりも沸点の高い極性溶剤と同時にもしくは乾燥
後に別工程で付与される。本発明で用いられる洗浄液よ
りも高い沸点をもつ極性溶剤は、セルロースと水素結合
形成可能な極性をもつことと、洗浄液と効果的に置換す
るために洗浄液との親和性も必要である。洗浄液よりも
高い沸点をもつ極性溶剤は、単体で液体である必要はな
く、適当な濃度の洗浄液、あるいはその他の液体の溶液
にできればよい。一方、洗浄液よりも低い沸点をもつ極
性物質は、乾燥中に揮発してセルロース間の水素結合形
成を許してしまい、効果が低くなってしまうので、使用
することはできない。これらの条件を満たす極性溶剤と
してはポリエチレングリコール(分子量200〜20,
000)、ポリプロピレングリコール(分子量425〜
4,000)、エチレングリコール、グリセリン、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アルギン酸
およびその塩、などがあげられるが、染色前の精練によ
りこれらは繊維から除去されて排水されるので有害性が
低いものが望ましく、ポリエチレングリコールやポリプ
ロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン
などが望ましい。
【0011】一般に、人造セルロース繊維は、非晶分率
が高く、非晶相の密度が低い微細構造をもつ繊維ほど染
着座席が多くて染色性に優れる。しかし、前記したセル
ロース繊維の微細構造の内容は、人造セルロース繊維が
製造される湿式紡糸の内容とその製造条件によって概ね
決まってしまう。本発明は、湿式紡糸法による人造セル
ロース繊維製造における乾燥工程前後で起こる非晶相の
密度の増大を、前述の独特の方法により抑制することに
よって、繊維の染料の染着座席がおしなべて高くする繊
維微細構造をもつセルロース繊維に改質するものであ
る。
【0012】本発明によるセルロース繊維の染色性の改
質作用を、キュプラレーヨンの製造方法例で説明する
と、乾燥工程前に高沸点極性溶剤を付着させられたキュ
プラレーヨン繊維は、乾燥の過程で起こる繊維の結晶化
度、見かけの微結晶サイズ、結晶配向度について従来法
による繊維との違いはないものの、乾燥後の繊維には、
特徴的に力学的損失正接(tanδ)温度分散のピーク
温度の低温側シフトが観測され、高沸点極性溶剤の添加
のなしに乾燥した既知の繊維に比べて、非晶相における
密度の増加が小さく、セルロ−ス間での水素結合形成が
抑制されていることが示唆された。このようにして、本
発明の方法によるキュプラレーヨン繊維は、乾燥によっ
て洗浄液を失った後でもセルロース間に新たな水素結合
形成が生じない、密度の低い非晶相をもつ繊維微細構造
が形成され、染着座席の増加が達成される。
【0013】人造セルロース繊維中、キュプラレーヨン
は本来染料吸尽率が最も高い繊維であり、染料の吸尽率
はビスコースレーヨン(レギュラー、高強力、ポリノジ
ック等)、リヨセルの順に低くなることが知られてい
る。本発明による人造セルロース繊維の紡糸工程での洗
浄液よりも高い沸点をもつ極性溶剤の付与量の染料吸尽
率に対する影響は、後述の実施例で例示されるように、
再生繊維の種類によっても異なるが、染料吸尽率の高い
キュプラレーヨンよりも本来ビスコースレーヨンなどの
染料吸尽率の低い繊維の方がより染料吸尽率を高くする
る効果が大きい。一方、同種の人造セルロース繊維の間
では、洗浄液よりも高い沸点を持つ極性溶剤の付与量の
増加につれて、染料吸尽率の直線的な増加が認められ
る。実施例で例示されるように、Sirius Sup
ra Blue G200(CI Direct Bl
ue 78)を用いる濃色染色(染料濃度5%omf、
浴比1:100)の場合に、染められた色が肉眼で検知
できる色濃度の差を生む染料吸尽率の差は2%で、キュ
プラレーヨン、ビスコースレーヨン共に繊維の質量に対
して少なくとも5wt%のPEGが乾燥前に付与されて
いることによって得られる(図1、図2参照)。
【0014】本発明の湿式紡糸法による人造セルロース
繊維の製造において、溶媒を洗い流し、乾燥する前の繊
維に洗浄液よりも高い沸点を持つ極性溶剤を対セルロー
ス質量比で5wt%以上付与することによって。セルロ
ース繊維そのもののもつ染着座席を増加させて、染色に
おける染料吸尽率を増加させるので、濃色染色において
も染色物の染色堅牢度が低下させることがない。
【0015】また、本発明において繊維に付与される洗
浄液よりも高い沸点を持つ極性溶剤は、乾燥時に必須で
あるが、ひとたび繊維が乾燥され、構造が固定されると
特に必要がなく、染色に先立つ精練工程で洗い流されて
も染色性の改善効果が失われることはない。本発明によ
って製造される人造セルロース繊維は、セルロース繊維
の汎用染色法、染色条件をそのまま適用して、ル−スス
トック、糸形態、織物、編地、不織布などの布帛形態、
ピース形態で染色することができる。本発明によって製
造される人造セルロース繊維は、合成繊維、天然繊維と
の混紡、交織、交編品の形態でも染色することもでき
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例によりさら
に詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定される
ものではない。なお、実施例および比較例で示されるし
た測定結果は下記の測定方法により得られたものであ
る。 (1)染料吸尽率(平衡染着量):試料繊維を熱水で十
分に洗浄した。Sirius Supra Blue
G200(ヘキストインダストリー(株)製:CI D
irect Blue 78)100mg/l、塩化ナ
トリウム500mg/lからなる染液250mlを恒温
槽で80℃に保ち、絶乾重量5gの試料を投入し、1時
間撹拌した。1時間後に染液を抜き取り、630nmの
吸光度を測定した(吸光度A)。同様の染液を試料なし
で1時間80℃で撹拌し、同様に630nmの吸光度を
測定した(吸光度B)。繊維が吸尽した割合は次式によ
り算出した。
【0017】 染料吸尽率 ={(B−A)/B }×100(%) (2)染色色差(ΔY):32Gの一口編み地にした試
料を定法に従い精練し、直接染料SiriusSupr
a Blue G200 5%omf、浴比1:100
で、80℃、60分間定法にしたがって染色し、ソーピ
ング(浴比1:100、80℃、10分)の後、湯洗し
た。スガ試験機製カラーコンピューターSM−5−IS
−2B型を用い、染色した試験編地について明るさを示
すY値を取り、PEG未付与キュプラのY値からの差Δ
Y値で染色色差を表した。ΔY値が大きいほどPEG未
付与に比べて濃染化していることを示す。
【0018】
【実施例】(実施例1)湿式流下緊張紡糸法により凝固
再生、水洗された乾燥前のキュプラレーヨン糸(84d
tex/45f)に、ポリエチレングリコール(分子量
400:三洋化成製、商品名;マクロゴール400)
(以下、PEGと略記)50wt%、脂肪族エステルを
主体とする柔軟油剤(松本油脂製薬、商品名;AB−3
5)2.5wt%、水47.5wt%からなるPEG水
溶液をロールタッチ方式により付与するに際して、PE
G水溶液タンク内のPEG消費量を測定することによ
り、対セルロース10wt%付与した。この時、キュプ
ラレーヨン繊維にPEGはそれぞれ対セルロース5wt
%付与されたことになる。PEG付着繊維を乾燥してキ
ュプラレーヨン繊維を得た。得られたキュプラレーヨン
繊維の染料吸尽率とΔY値を測定した。結果を表1に示
す。 (実施例2)実施例1における操作と同じ操作で、キュ
プラレーヨン糸にPEG水溶液を対セルロース20wt
%付与した。キュプラレーヨン繊維には、PEGが対セ
ルロース10wt%付与された。PEG付着繊維を乾燥
してキュプラレーヨン繊維を得た。得られたキュプラレ
ーヨン繊維の染料吸尽率とキュプラレーヨン繊維の染料
吸尽率とΔY値を定した。結果を表1に示す。 (実施例3)実施例1おける操作と同じ操作で、PEG
水溶液を対セルロース30wt%付与した。この時、キ
ュプラレーヨン繊維にPEGが対セルロース15wt%
付与された。PEG付着繊維を乾燥してキュプラレーヨ
ン繊維を得た。得られたキュプラレーヨン繊維の染料吸
尽率とΔY値を測定した。結果を表1に示す。 (実施例4)実施例1における操作と同じ操作で、PE
G水溶液を対セルロース40wt%付与した。この時、
キュプラレーヨン繊維にPEGが対セルロース20wt
%付与された。PEG付着繊維を乾燥してキュプラレー
ヨン繊維を得た。得られたキュプラレーヨン繊維の染料
吸尽率とΔY値を測定した。結果を表1に示す。 (実施例5)実施例1における操作と同じ操作で、PE
G水溶液を対セルロース60wt%付与した。この時、
キュプラレーヨン繊維にPEGは対セルロース30wt
%付与された。PEG付着繊維を乾燥してキュプラレー
ヨン繊維を得た。得られたキュプラレーヨン繊維の染料
吸尽率とΔY値を測定した。結果を表1に示す。 (実施例6)ビスコース法の常用紡糸により製造され、
水洗されて脱水されたビスコースレーヨンケーク(13
3dtex/50f)を過剰な10wt%PEG水溶液
に5分間浸漬し、ついで遠心脱水した。得られたレーヨ
ンケークの糸の絶乾質量W1を測定し、ついで十分に水
洗した後に再測定した絶乾質量W2を求めた。W1とW
2から次式によりPEG付与量を求めた結果、付着量は
8wt%であった。
【0019】 (PEG付着量)={(W1―W2)/W2}×100 (%) 遠心脱水ケークを105℃で乾燥し、乾燥レーヨンケー
クを得た。得られたビスコースレーヨン繊維の染料吸尽
率とΔY値を測定した。結果を表1に示す。 (実施例7)実施例6において、ビスコースレーヨンケ
ークを20%PEG水溶液に浸漬処理し、遠心脱水し
た。ビスコースレーヨン繊維へのPEGの付着量は、1
3wt%であった。得られたビスコースレーヨン繊維の
染料吸尽率とΔY値を測定した。結果を表1に示す。 (実施例8)実施例6において、ビスコースレーヨンケ
ークを40%PEG水溶液で処理した。ビスコースレー
ヨン繊維におけるPEGの付着量は24wt%であっ
た。得られたビスコースレーヨン繊維の染料吸尽率とΔ
Y値を測定した。結果を表1に示す。 (実施例9)実施例6において、ビスコースレーヨンケ
ークを60%PEG水溶液で処理した。ビスコースレー
ヨン繊維へのPEGの付着量は、28wt%であった。
得られたビスコースレーヨン繊維の染料吸尽率とΔY値
を測定した。結果を表1に示す。 (比較例1)市販の通常のキュプラレーヨン糸(ベンベ
ルグ、旭化成工業(株)製造、84dtex)を対照繊
維とした。このキュプラレーヨン繊維には高級脂肪族エ
ステルを主体とする柔軟剤のみが付与されており、PE
Gは付着していない。このキュプラレーヨン繊維の染料
吸尽率とY値を測定した。結果を表1に実施例と対照し
て示す。 (比較例2)通常のビスコースレーヨン糸(旭化成レー
ヨン、133dtex/50f、旭化成工業(株)製
造、135dtex)対照繊維とした。このビスコース
レーヨン繊維には、鉱物油及び高級脂肪族エステルから
なる油剤のみが付与されておりPEGの付着はない。こ
のビスコースレーヨン繊維の染料吸尽率とY値を測定し
た。結果を表1に実施例と対照して示す。
【0020】
【表1】
【0021】表1、図1および図2において明らかなよ
うに、PEGを付与した一連のキュプラレーヨン繊維
(実施例1〜5)は、PEGの付与に伴い、比較例1の
繊維と比べて染料吸尽率ならびに染色色差が向上し、同
一染色条件でもより濃染化した。表1、図1および図2
で明らかなように、PEGを付与した一連のビスコース
レーヨン繊維(実施例6〜9)は、比較例2と比べて明
らかに染料吸尽率ならびに染色色差が増加した。そし
て、PEGの濃染化効果は、ビスコースレーヨン繊維に
おいて、キュプラレーヨン繊維よりも顕著である。
【0022】
【発明の効果】本発明の湿式紡糸法による人造セルロー
ス繊維は、従来の市販人造セルロ−ス繊維に比べて、同
じ条件で染色した場合、通常よりも濃色に染めることが
できる。本発明の人造セルロース繊維の製造方法は、濃
色染色性が著しく改良されたビスコースレーヨン繊維の
提供を可能する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例におけるポリエチチレングリコール(P
EG)付着キュプラレーヨンおよびビスコースレーヨン
における染料吸尽率のPEG付与量依存性を示すグラフ
である。
【図2】実施例におけるポリエチレングリコール(PE
G)付着キュプラレーヨンおよびビスコースレーヨンに
おける染色色差のPEG付与量依存性を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H057 AA02 CA37 CB27 CC01 DA01 DA24 4L035 BB03 BB59 CC20 EE20 4L038 AA04 AB09 BA33 BB10 DA20

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿式紡糸法により人造セルロース繊維を
    製造するに際して、紡糸原液を凝固浴中に吐出し、形成
    されたセルロース繊維を洗浄後、未乾燥状態の繊維に、
    洗浄液よりも沸点の高い極性溶剤をセルロースの質量に
    対して5wt%以上付与して乾燥することを特徴とする
    セルロース繊維の製造方法の製造方法。
  2. 【請求項2】 極性溶剤がポリエチレングリコールやポ
    リプロピレングリコールなどのグリコール類である請求
    項第1項記載の人造セルロース繊維の製造方法。
JP2000211627A 2000-07-12 2000-07-12 人造セルロース繊維の製造方法 Pending JP2002030528A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103014892A (zh) * 2012-12-26 2013-04-03 东华大学 一种醋酸纤维的制备方法
JP2015502460A (ja) * 2011-11-08 2015-01-22 レンツィング アクチェンゲゼルシャフト 疎水性および高柔軟性を有するセルロース系繊維ならびにその製造方法

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