JP2002030354A - 廃棄物溶融方法及び廃棄物溶融装置 - Google Patents
廃棄物溶融方法及び廃棄物溶融装置Info
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- JP2002030354A JP2002030354A JP2000212592A JP2000212592A JP2002030354A JP 2002030354 A JP2002030354 A JP 2002030354A JP 2000212592 A JP2000212592 A JP 2000212592A JP 2000212592 A JP2000212592 A JP 2000212592A JP 2002030354 A JP2002030354 A JP 2002030354A
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- General Induction Heating (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 放射性廃棄物等の有害物質を誘導加熱炉内で
溶融する際にも有害物質等による汚染範囲を最小限に抑
え、溶融中あるいは溶融完了後のフォーミングや、スラ
グ固化時のスラグ層中の空洞を発生させずに廃棄物の減
容率を高める廃棄物溶融方法及び廃棄物溶融装置を提供
する。 【解決手段】 廃棄物を黒鉛含有坩堝１に収容し、前記
黒鉛含有坩堝１の外周に配設された誘導コイル４，５に
よって前記廃棄物を誘導加熱してスラグ層２と金属層３
に分離溶融する廃棄物溶融方法であって、前記黒鉛含有
坩堝１内の上部に位置するスラグ層２が、前記黒鉛含有
坩堝１内の下部に位置する金属層３よりも高温になるよ
うに前記誘導コイル４，５の出力を制御して誘導加熱を
行い、前記スラグ層２の表面張力が小さくなるようにし
て溶融する。
溶融する際にも有害物質等による汚染範囲を最小限に抑
え、溶融中あるいは溶融完了後のフォーミングや、スラ
グ固化時のスラグ層中の空洞を発生させずに廃棄物の減
容率を高める廃棄物溶融方法及び廃棄物溶融装置を提供
する。 【解決手段】 廃棄物を黒鉛含有坩堝１に収容し、前記
黒鉛含有坩堝１の外周に配設された誘導コイル４，５に
よって前記廃棄物を誘導加熱してスラグ層２と金属層３
に分離溶融する廃棄物溶融方法であって、前記黒鉛含有
坩堝１内の上部に位置するスラグ層２が、前記黒鉛含有
坩堝１内の下部に位置する金属層３よりも高温になるよ
うに前記誘導コイル４，５の出力を制御して誘導加熱を
行い、前記スラグ層２の表面張力が小さくなるようにし
て溶融する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の無機物、金
属、並びに有機物を含む一般の廃棄物、下水汚泥、都市
ゴミ及びこれらの焼却灰、さらに低レベルの原子力放射
性廃棄物等を溶融、固化し減容安定化するための廃棄物
溶融方法及び廃棄物溶融装置に関し、特に、溶融中に発
生し、フォーミングの原因となるガスを抜きながら溶融
する廃棄物溶融方法及び廃棄物溶融装置に関する。
属、並びに有機物を含む一般の廃棄物、下水汚泥、都市
ゴミ及びこれらの焼却灰、さらに低レベルの原子力放射
性廃棄物等を溶融、固化し減容安定化するための廃棄物
溶融方法及び廃棄物溶融装置に関し、特に、溶融中に発
生し、フォーミングの原因となるガスを抜きながら溶融
する廃棄物溶融方法及び廃棄物溶融装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、廃棄物の溶融処理設備で溶湯を金
属層とスラグ層に二層分離した状態で固化させる場合、
溶湯中のＣＯガス等のガスの発生対策が十分なされてい
なかったのが現状である。これらＣＯガスは、廃棄物の
溶融で可燃分を同時に処理する場合に、フリーの炭素分
が残留していたり、また溶融中に黒鉛含有坩堝からフリ
ーの炭素分が溶出している場合があり、そこへ酸素放出
廃棄物（断熱材、保温材、錆びた鉄等）が投入されると
フリーの炭素と酸素が発生し、ＣＯガスが発生し、溶融
中あるいは溶融完了後に溶湯がバブリングを起こすフォ
ーミング現象が発生する。このような場合、スラグ及び
金属が受容器外に流出する場合がある。特に、放射性廃
棄物処理の場合は、周囲の機器を広範囲に汚染すること
になる。さらに、スラグが固化した際にスラグ中に空洞
が発生し、減容率が悪くなるという問題もある。
属層とスラグ層に二層分離した状態で固化させる場合、
溶湯中のＣＯガス等のガスの発生対策が十分なされてい
なかったのが現状である。これらＣＯガスは、廃棄物の
溶融で可燃分を同時に処理する場合に、フリーの炭素分
が残留していたり、また溶融中に黒鉛含有坩堝からフリ
ーの炭素分が溶出している場合があり、そこへ酸素放出
廃棄物（断熱材、保温材、錆びた鉄等）が投入されると
フリーの炭素と酸素が発生し、ＣＯガスが発生し、溶融
中あるいは溶融完了後に溶湯がバブリングを起こすフォ
ーミング現象が発生する。このような場合、スラグ及び
金属が受容器外に流出する場合がある。特に、放射性廃
棄物処理の場合は、周囲の機器を広範囲に汚染すること
になる。さらに、スラグが固化した際にスラグ中に空洞
が発生し、減容率が悪くなるという問題もある。
【０００３】特開平１１−２７１４９５号公報では、誘
導加熱炉上部に可燃性ガス使用のバーナーを設け、バー
ナーによる加熱で、溶融した廃棄物内の未燃の炭素分を
除去する方法及び装置について開示がなされている。こ
の方法では、完全には未燃の炭素分を除去することが困
難であった。そのため、例えば、坩堝下部に位置する金
属層中の未燃の炭素分が、金属層中に含まれる酸素分と
反応してＣＯガス等が生成される。このＣＯガスは、上
部のスラグ層の表面張力が小さければ外部に放出される
ものである。坩堝上部のスラグ層をバーナーで加熱する
と、バーナーの火炎によって、スラグ層が加熱されてス
ラグ層の粘度が低下し、表面張力もある程度小さくなる
が、バーナーの火炎温度では、このスラグ層の下部にあ
る金属層中のガスがスラグ層を抜けて外部に放出される
までに表面張力が小さくはならない。そのため、金属層
中のＣＯガスは上部のスラグ層に遮られて外部に放出さ
れず、金属層中に取り残された状態となり、溶融中ある
いは溶融完了後にフォーミングを発生することがあっ
た。また、可燃性ガスを使用するため、ランニングコス
トがかかる原因ともなる。
導加熱炉上部に可燃性ガス使用のバーナーを設け、バー
ナーによる加熱で、溶融した廃棄物内の未燃の炭素分を
除去する方法及び装置について開示がなされている。こ
の方法では、完全には未燃の炭素分を除去することが困
難であった。そのため、例えば、坩堝下部に位置する金
属層中の未燃の炭素分が、金属層中に含まれる酸素分と
反応してＣＯガス等が生成される。このＣＯガスは、上
部のスラグ層の表面張力が小さければ外部に放出される
ものである。坩堝上部のスラグ層をバーナーで加熱する
と、バーナーの火炎によって、スラグ層が加熱されてス
ラグ層の粘度が低下し、表面張力もある程度小さくなる
が、バーナーの火炎温度では、このスラグ層の下部にあ
る金属層中のガスがスラグ層を抜けて外部に放出される
までに表面張力が小さくはならない。そのため、金属層
中のＣＯガスは上部のスラグ層に遮られて外部に放出さ
れず、金属層中に取り残された状態となり、溶融中ある
いは溶融完了後にフォーミングを発生することがあっ
た。また、可燃性ガスを使用するため、ランニングコス
トがかかる原因ともなる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、前
記問題点に鑑み成されたものであり、放射性廃棄物等の
有害物質を誘導加熱炉内で溶融する際にも有害物質等に
よる汚染範囲を最小限に抑え、溶融中あるいは溶融完了
後のフォーミングや、スラグ固化時のスラグ層中の空洞
を発生させずに廃棄物の減容率を高める廃棄物溶融方法
及び廃棄物溶融装置を提供することを目的とする。
記問題点に鑑み成されたものであり、放射性廃棄物等の
有害物質を誘導加熱炉内で溶融する際にも有害物質等に
よる汚染範囲を最小限に抑え、溶融中あるいは溶融完了
後のフォーミングや、スラグ固化時のスラグ層中の空洞
を発生させずに廃棄物の減容率を高める廃棄物溶融方法
及び廃棄物溶融装置を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明の請求項１は、廃棄物を黒鉛含有坩堝に収容
し、前記黒鉛含有坩堝の外周に配設された誘導コイルに
よって前記廃棄物を誘導加熱してスラグ層と金属層に分
離溶融する廃棄物溶融方法であって、前記黒鉛含有坩堝
内の上部に位置するスラグ層が、前記黒鉛含有坩堝内の
下部に位置する金属層よりも高温になるように前記誘導
コイルの出力を制御して誘導加熱を行い、前記スラグ層
の表面張力が小さくなるようにして溶融する廃棄物溶融
方法である。スラグ層の表面張力が小さくなるようにし
て溶融することが可能であるため、溶融中にフォーミン
グに起因するガスの発生が起こっても、発生したガスが
溶融中にスラグ層を通過して抜けていくためフォーミン
グの抑制ができる。
の本発明の請求項１は、廃棄物を黒鉛含有坩堝に収容
し、前記黒鉛含有坩堝の外周に配設された誘導コイルに
よって前記廃棄物を誘導加熱してスラグ層と金属層に分
離溶融する廃棄物溶融方法であって、前記黒鉛含有坩堝
内の上部に位置するスラグ層が、前記黒鉛含有坩堝内の
下部に位置する金属層よりも高温になるように前記誘導
コイルの出力を制御して誘導加熱を行い、前記スラグ層
の表面張力が小さくなるようにして溶融する廃棄物溶融
方法である。スラグ層の表面張力が小さくなるようにし
て溶融することが可能であるため、溶融中にフォーミン
グに起因するガスの発生が起こっても、発生したガスが
溶融中にスラグ層を通過して抜けていくためフォーミン
グの抑制ができる。
【０００６】また、請求項２は、廃棄物を収容する黒鉛
含有坩堝と、前記廃棄物を誘導加熱してスラグ層と金属
層に分離溶融する誘導コイルとを備えてなる廃棄物溶融
装置であって、前記誘導コイルが、前記黒鉛含有坩堝の
上部を加熱する上部誘導コイルと、前記黒鉛含有坩堝の
下部を加熱する下部誘導コイルとからなり、前記上部誘
導コイルが前記下部誘導コイルよりも高出力となるよう
に構成されてなる廃棄物溶融装置である。誘導コイルが
上部誘導コイルと下部誘導コイルとで構成され、上部誘
導コイルが下部誘導コイルよりも高出力となるように配
設されているため、上部のスラグ層の温度を高く保持す
るように誘導コイルの出力制御をすることが容易に行
え、スラグ層の表面張力を小さくすることを容易に行え
る。
含有坩堝と、前記廃棄物を誘導加熱してスラグ層と金属
層に分離溶融する誘導コイルとを備えてなる廃棄物溶融
装置であって、前記誘導コイルが、前記黒鉛含有坩堝の
上部を加熱する上部誘導コイルと、前記黒鉛含有坩堝の
下部を加熱する下部誘導コイルとからなり、前記上部誘
導コイルが前記下部誘導コイルよりも高出力となるよう
に構成されてなる廃棄物溶融装置である。誘導コイルが
上部誘導コイルと下部誘導コイルとで構成され、上部誘
導コイルが下部誘導コイルよりも高出力となるように配
設されているため、上部のスラグ層の温度を高く保持す
るように誘導コイルの出力制御をすることが容易に行
え、スラグ層の表面張力を小さくすることを容易に行え
る。
【０００７】また、請求項３は、前記黒鉛含有坩堝を上
下方向に昇降可能な昇降手段を有している請求項２に記
載の廃棄物溶融装置である。黒鉛含有坩堝を上下に昇降
させることで、黒鉛含有坩堝の上部の温度を下部の温度
よりも高温に維持することを容易に行える。
下方向に昇降可能な昇降手段を有している請求項２に記
載の廃棄物溶融装置である。黒鉛含有坩堝を上下に昇降
させることで、黒鉛含有坩堝の上部の温度を下部の温度
よりも高温に維持することを容易に行える。
【０００８】以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形
態例を具体的に説明する。図１は、本実施形態例に係る
廃棄物溶融装置の要部断面概略図である。図において、
本実施形態例に係る廃棄物溶融装置は、放射性廃棄物等
の廃棄物を収容する黒鉛含有坩堝１と、この黒鉛含有坩
堝１を載置し、炉体６内で上下に昇降可能とする昇降手
段となる坩堝台８と、炉体６の外周に配設され、黒鉛含
有坩堝１内部の廃棄物を誘導加熱する上部誘導コイル４
と、下部誘導コイル５との２系統の誘導コイルとで構成
されている。
態例を具体的に説明する。図１は、本実施形態例に係る
廃棄物溶融装置の要部断面概略図である。図において、
本実施形態例に係る廃棄物溶融装置は、放射性廃棄物等
の廃棄物を収容する黒鉛含有坩堝１と、この黒鉛含有坩
堝１を載置し、炉体６内で上下に昇降可能とする昇降手
段となる坩堝台８と、炉体６の外周に配設され、黒鉛含
有坩堝１内部の廃棄物を誘導加熱する上部誘導コイル４
と、下部誘導コイル５との２系統の誘導コイルとで構成
されている。
【０００９】上部誘導コイル４と、下部誘導コイル５
は、それぞれ出力を制御できる制御装置（図示省略）を
有しており、それぞれ別個に出力制御ができる。これに
よって、上部誘導コイル４側の出力を高く設定し、黒鉛
坩堝１内の上部に位置するスラグ層２が高温になるよう
に加熱することが可能となり、スラグ層２の表面張力を
小さくすることが可能となる。
は、それぞれ出力を制御できる制御装置（図示省略）を
有しており、それぞれ別個に出力制御ができる。これに
よって、上部誘導コイル４側の出力を高く設定し、黒鉛
坩堝１内の上部に位置するスラグ層２が高温になるよう
に加熱することが可能となり、スラグ層２の表面張力を
小さくすることが可能となる。
【００１０】また、黒鉛含有坩堝１を載置し、黒鉛含有
坩堝１を炉体６内で、上下に昇降する坩堝台８は、炉体
６内を昇降可能であれば、油圧や、ネジによるものな
ど、その方法は特に限定されるものではない。この坩堝
台８を炉体６内を移動させて、黒鉛含有坩堝１内の温度
が適切な温度分布となるように昇降させる。これによっ
て、スラグ層２の表面張力を、金属層３からのガス７が
通過でき、外部に放出される程度の小ささに保持するこ
とが可能となる。
坩堝１を炉体６内で、上下に昇降する坩堝台８は、炉体
６内を昇降可能であれば、油圧や、ネジによるものな
ど、その方法は特に限定されるものではない。この坩堝
台８を炉体６内を移動させて、黒鉛含有坩堝１内の温度
が適切な温度分布となるように昇降させる。これによっ
て、スラグ層２の表面張力を、金属層３からのガス７が
通過でき、外部に放出される程度の小ささに保持するこ
とが可能となる。
【００１１】次に、以上のように構成される廃棄物溶融
装置を使用しての廃棄物溶融方法について説明する。先
ず、黒鉛含有坩堝１内に処理対象物であるコンクリート
や焼却灰等の非金属廃棄物と金属類の廃棄物を図示しな
い投入口から投入する。このように、廃棄物を投入する
際は、特に金属類、非金属類等を分別して投入する必要
は特にない。
装置を使用しての廃棄物溶融方法について説明する。先
ず、黒鉛含有坩堝１内に処理対象物であるコンクリート
や焼却灰等の非金属廃棄物と金属類の廃棄物を図示しな
い投入口から投入する。このように、廃棄物を投入する
際は、特に金属類、非金属類等を分別して投入する必要
は特にない。
【００１２】次に、誘導コイル４，５により加熱を開始
する。加熱されるに従い、黒鉛含有坩堝１内の廃棄物
は、スラグ層２と金属層３に分離して溶融されていく。
この時、黒鉛含有坩堝１内のスラグ層２の表面張力を小
さくするように、スラグ層２と接する黒鉛含有坩堝１の
部分が高温となるように、上部誘導コイル４の出力を高
めに設定する。これによって、スラグ層２が高温に保持
され、表面張力が小さくなる。このため、金属層３中に
含まれる未燃の炭素分が、金属層３中に含まれる酸素分
と反応して生成されるＣＯガス７が、スラグ層２に遮ら
れることなく、スラグ層２を通過して黒鉛含有坩堝１外
へ放出され、廃棄物の溶湯内にＣＯガス等が残存するこ
とがなくなる。この結果、溶融中あるいは溶融完了後に
発生するＣＯガスによるフォーミングの発生を抑制でき
るとともに、スラグ層２が固化したときに、スラグ層２
内に空孔が生成されず、廃棄物の減容率を向上させるこ
とができる。
する。加熱されるに従い、黒鉛含有坩堝１内の廃棄物
は、スラグ層２と金属層３に分離して溶融されていく。
この時、黒鉛含有坩堝１内のスラグ層２の表面張力を小
さくするように、スラグ層２と接する黒鉛含有坩堝１の
部分が高温となるように、上部誘導コイル４の出力を高
めに設定する。これによって、スラグ層２が高温に保持
され、表面張力が小さくなる。このため、金属層３中に
含まれる未燃の炭素分が、金属層３中に含まれる酸素分
と反応して生成されるＣＯガス７が、スラグ層２に遮ら
れることなく、スラグ層２を通過して黒鉛含有坩堝１外
へ放出され、廃棄物の溶湯内にＣＯガス等が残存するこ
とがなくなる。この結果、溶融中あるいは溶融完了後に
発生するＣＯガスによるフォーミングの発生を抑制でき
るとともに、スラグ層２が固化したときに、スラグ層２
内に空孔が生成されず、廃棄物の減容率を向上させるこ
とができる。
【００１３】また、誘導コイル４，５によって加熱の際
に、廃棄物の投入量等に合わせて坩堝台８を上下に昇降
させて、黒鉛含有坩堝１内の温度分布が適正な温度分布
となるように調整する。これによって、前述した上部誘
導コイル４の出力を制御する方法と併せて効率良く、廃
棄物内のガス７を放出することが可能となる。
に、廃棄物の投入量等に合わせて坩堝台８を上下に昇降
させて、黒鉛含有坩堝１内の温度分布が適正な温度分布
となるように調整する。これによって、前述した上部誘
導コイル４の出力を制御する方法と併せて効率良く、廃
棄物内のガス７を放出することが可能となる。
【００１４】なお、本実施形態では、黒鉛含有坩堝１を
加熱する誘導コイルを、それぞれ別個に制御できる上部
誘導コイル４と下部誘導コイル５の２系統の誘導コイル
を使用した場合について説明したが、本発明に係る廃棄
物溶融装置は、図２に示すように、黒鉛含有坩堝１の上
部部分の誘導コイルを下部部分よりも密に巻き回して配
設しても、前述と同様に、黒鉛含有坩堝１の上部のスラ
グ層２を高温に保持することが可能となる。
加熱する誘導コイルを、それぞれ別個に制御できる上部
誘導コイル４と下部誘導コイル５の２系統の誘導コイル
を使用した場合について説明したが、本発明に係る廃棄
物溶融装置は、図２に示すように、黒鉛含有坩堝１の上
部部分の誘導コイルを下部部分よりも密に巻き回して配
設しても、前述と同様に、黒鉛含有坩堝１の上部のスラ
グ層２を高温に保持することが可能となる。
【００１５】以上のように、廃棄物を収容する黒鉛含有
坩堝１の上部に位置するスラグ層２を高温に保持するよ
うに加熱して、上部のスラグ層２の表面張力を金属層３
からのガスが放出される程度に小さくすることで、溶融
中等に生成される金属層３中のＣＯガスを放出すること
が可能となり、廃棄物溶湯内のＣＯガスの残存を防止で
き、溶融中あるいは溶融完了後のフォーミングが抑制で
き、固化後のスラグ層２内の空孔の発生が防止でき、減
容率の向上が可能となる。
坩堝１の上部に位置するスラグ層２を高温に保持するよ
うに加熱して、上部のスラグ層２の表面張力を金属層３
からのガスが放出される程度に小さくすることで、溶融
中等に生成される金属層３中のＣＯガスを放出すること
が可能となり、廃棄物溶湯内のＣＯガスの残存を防止で
き、溶融中あるいは溶融完了後のフォーミングが抑制で
き、固化後のスラグ層２内の空孔の発生が防止でき、減
容率の向上が可能となる。
【００１６】
【発明の効果】請求項１の発明によると、スラグ層の表
面張力が小さくなるようにして溶融することが可能であ
るため、溶融中にフォーミングに起因するガスの発生が
起こっても、溶融中にスラグ層を通過してガスが抜けて
いくためフォーミングの抑制ができる。この結果、黒鉛
含有坩堝から溶融中あるいは溶融完了後に溶湯を流出さ
せることもなく、また、スラグが固化した際にもスラグ
中に空洞が発生し減容率が低下することもなくなる。
面張力が小さくなるようにして溶融することが可能であ
るため、溶融中にフォーミングに起因するガスの発生が
起こっても、溶融中にスラグ層を通過してガスが抜けて
いくためフォーミングの抑制ができる。この結果、黒鉛
含有坩堝から溶融中あるいは溶融完了後に溶湯を流出さ
せることもなく、また、スラグが固化した際にもスラグ
中に空洞が発生し減容率が低下することもなくなる。
【００１７】請求項２の発明によると、誘導コイルが上
部誘導コイルと下部誘導コイルとで構成され、上部誘導
コイルが下部誘導コイルよりも高出力となるように配設
されているため、上部のスラグ層の温度を高く保持する
ように制御することが容易に行え、スラグ層の表面張力
を小さくすることを容易に行える。この結果、可燃性ガ
スバーナ等の別設備によってスラグ層を加熱する必要も
無くなり、コストの大幅低減が可能となる。
部誘導コイルと下部誘導コイルとで構成され、上部誘導
コイルが下部誘導コイルよりも高出力となるように配設
されているため、上部のスラグ層の温度を高く保持する
ように制御することが容易に行え、スラグ層の表面張力
を小さくすることを容易に行える。この結果、可燃性ガ
スバーナ等の別設備によってスラグ層を加熱する必要も
無くなり、コストの大幅低減が可能となる。
【００１８】請求項３の発明によると、黒鉛含有坩堝を
上下に昇降させることで、黒鉛含有坩堝の上部の温度を
下部の温度よりも高温に維持することを容易に行える。
この結果、誘導コイルによる温度制御と合わせ、効率良
くスラグ層の温度を高温に保持することが可能となる。
上下に昇降させることで、黒鉛含有坩堝の上部の温度を
下部の温度よりも高温に維持することを容易に行える。
この結果、誘導コイルによる温度制御と合わせ、効率良
くスラグ層の温度を高温に保持することが可能となる。
【図１】本発明に係る廃棄物溶融装置の一実施形態例を
示す要部断面概略図である。
示す要部断面概略図である。
【図２】本発明に係る廃棄物溶融装置の他の実施形態例
を示す要部断面概略図である。
を示す要部断面概略図である。
【符号の説明】 １ 黒鉛含有坩堝 ２ スラグ層 ３ 金属層 ４ 上部誘導コイル ５ 下部誘導コイル ６ 炉体 ７ ガス ８ 坩堝台（昇降手段）
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｆ２３Ｇ 5/00 １１５ Ｆ２７Ｂ 14/14 Ｆ２７Ｂ 14/06 Ｇ２１Ｆ 9/30 ５５１Ｊ 14/14 Ｈ０５Ｂ 6/24 Ｇ２１Ｆ 9/30 ５５１ 6/44 Ｈ０５Ｂ 6/24 Ｂ０９Ｂ 3/00 ＺＡＢ 6/44 ３０３Ｋ Ｆターム(参考） 3K059 AA08 AB16 CD72 3K061 AA24 AB03 AC01 AC02 AC09 AC20 BA02 BA05 BA06 CA15 DB03 DB14 4D004 AA02 AA36 AA46 CA29 CB33 DA02 DA20 4K001 BA22 DA01 GA17 4K046 AA01 CD02 CD12
Claims (3)
- 【請求項１】 廃棄物を黒鉛含有坩堝に収容し、前記黒
鉛含有坩堝の外周に配設された誘導コイルによって前記
廃棄物を誘導加熱してスラグ層と金属層に分離溶融する
廃棄物溶融方法であって、 前記黒鉛含有坩堝内の上部に位置するスラグ層が、前記
黒鉛含有坩堝内の下部に位置する金属層よりも高温にな
るように前記誘導コイルの出力を制御して誘導加熱を行
い、前記スラグ層の表面張力が小さくなるようにして溶
融する廃棄物溶融方法。 - 【請求項２】 廃棄物を収容する黒鉛含有坩堝と、前記
廃棄物を誘導加熱してスラグ層と金属層に分離溶融する
誘導コイルとを備えてなる廃棄物溶融装置であって、 前記誘導コイルが、前記黒鉛含有坩堝の上部を加熱する
上部誘導コイルと、前記黒鉛含有坩堝の下部を加熱する
下部誘導コイルとからなり、前記上部誘導コイルが前記
下部誘導コイルよりも高出力となるように構成されてな
る廃棄物溶融装置。 - 【請求項３】 前記黒鉛含有坩堝を上下方向に昇降可能
な昇降手段を有している請求項２に記載の廃棄物溶融装
置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000212592A JP2002030354A (ja) | 2000-07-13 | 2000-07-13 | 廃棄物溶融方法及び廃棄物溶融装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000212592A JP2002030354A (ja) | 2000-07-13 | 2000-07-13 | 廃棄物溶融方法及び廃棄物溶融装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002030354A true JP2002030354A (ja) | 2002-01-31 |
Family
ID=18708496
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000212592A Pending JP2002030354A (ja) | 2000-07-13 | 2000-07-13 | 廃棄物溶融方法及び廃棄物溶融装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002030354A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007155380A (ja) * | 2005-12-01 | 2007-06-21 | Global Nuclear Fuel-Japan Co Ltd | 原子燃料ウランスクラップ回収装置 |
| KR101189671B1 (ko) | 2012-05-03 | 2012-10-10 | 한전원자력연료 주식회사 | 방사성 금속 폐기물의 용융제염을 위한 용융장치 |
| CN109946199A (zh) * | 2019-03-18 | 2019-06-28 | 河钢股份有限公司承德分公司 | 一种检测含铁物料出水率的装置及方法 |
| CN110523748A (zh) * | 2019-08-25 | 2019-12-03 | 福州清河源环保科技有限公司 | 一种混合垃圾湿法分拣处理装置 |
| JP2022546458A (ja) * | 2019-08-30 | 2022-11-04 | ダイソン・テクノロジー・リミテッド | マルチゾーンるつぼ装置 |
| RU2793102C1 (ru) * | 2022-06-20 | 2023-03-29 | Российская Федерация, от имени которой выступает Государственная корпорация по атомной энергии "Росатом" | Источник пара для плазменного разделения веществ |
-
2000
- 2000-07-13 JP JP2000212592A patent/JP2002030354A/ja active Pending
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007155380A (ja) * | 2005-12-01 | 2007-06-21 | Global Nuclear Fuel-Japan Co Ltd | 原子燃料ウランスクラップ回収装置 |
| JP4512029B2 (ja) * | 2005-12-01 | 2010-07-28 | 株式会社グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン | 原子燃料ウランスクラップ回収装置 |
| KR101189671B1 (ko) | 2012-05-03 | 2012-10-10 | 한전원자력연료 주식회사 | 방사성 금속 폐기물의 용융제염을 위한 용융장치 |
| CN109946199A (zh) * | 2019-03-18 | 2019-06-28 | 河钢股份有限公司承德分公司 | 一种检测含铁物料出水率的装置及方法 |
| CN110523748A (zh) * | 2019-08-25 | 2019-12-03 | 福州清河源环保科技有限公司 | 一种混合垃圾湿法分拣处理装置 |
| CN110523748B (zh) * | 2019-08-25 | 2021-04-06 | 福州清河源环保科技有限公司 | 一种混合垃圾湿法分拣处理装置 |
| JP2022546458A (ja) * | 2019-08-30 | 2022-11-04 | ダイソン・テクノロジー・リミテッド | マルチゾーンるつぼ装置 |
| RU2793102C1 (ru) * | 2022-06-20 | 2023-03-29 | Российская Федерация, от имени которой выступает Государственная корпорация по атомной энергии "Росатом" | Источник пара для плазменного разделения веществ |
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