JP2002030057A - 新規ルテニウム錯体 - Google Patents

新規ルテニウム錯体

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JP2002030057A
JP2002030057A JP2000209490A JP2000209490A JP2002030057A JP 2002030057 A JP2002030057 A JP 2002030057A JP 2000209490 A JP2000209490 A JP 2000209490A JP 2000209490 A JP2000209490 A JP 2000209490A JP 2002030057 A JP2002030057 A JP 2002030057A
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aromatic
carbon atoms
reaction
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JP2000209490A
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English (en)
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Hitoshi Fujimura
整 藤村
Kikuo Ataka
喜久雄 安宅
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、一般式(2)で示されるシッフ塩基
を配位子に持つ新規なルテニウム錯体を合成・単離する
とともに、得られた錯体の触媒能を見出すことである。 【化1】 【解決手段】一般式(1)で示される新規なルテニウム
錯体の合成・単離を行うとともに、この錯体が、シクロ
ドデカトリエン等の環状ポリエンの部分水添触媒とし
て、従来のルテニウム錯体触媒系では不可欠であった添
加物を全く用いることなく、さらに、従来知られている
触媒系より高い反応活性を示すことを見いだした。 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シッフ塩基を配位
子に持つ一般式(1)で表される新規なルテニウム錯体
に関する。得られた新規なルテニウム錯体は、シクロド
デカトリエンの部分水添で得られるシクロドデセンの製
造触媒として、有用であり、シクロドデセンは、ドデカ
ン二酸、ラウロラクタム等のC−12化学品の中間原料
として有用な化合物である。
【化2】
【0002】
【従来の技術】ルテニウムヒドリド錯体は、各種オレフ
ィン類の水素化、異性化等の反応触媒となることが知ら
れている。一方、一般式(1)で示される錯体の特徴的
な配位子である一般式(2)で示されるシッフ塩基は、
Organometallics 17巻、3460(1998)に示さ
れるようにルテニウム2価カルベン錯体に導入され、錯
体の反応性の制御が試みられている。
【化3】 しかしながら、現在まで数多くのルテニウムヒドリド錯
体が合成されているにもかかわらず(たとえばComprehe
nsive Organometallic Chemistry II, vol.7,291-440参
照)、一般式(1)で示されるルテニウム錯体に関する
報告例はなされていない。また、その触媒能に関する検
証も全く未知の状態である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、一般式
(2)で示されるシッフ塩基を配位子に持つ新規なルテ
ニウム錯体を合成・単離するとともに、得られた錯体の
触媒能を見出すことである。
【0004】
【発明を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、一般式(1)で示される新規なルテニウム錯体
の合成・単離を行うとともに、本発明の新規ルテニウム
錯体が、シクロドデカトリエン等の環状ポリエンの部分
水添触媒として、従来のルテニウム錯体触媒系では不可
欠であった添加物を全く用いることなく、さらに、従来
知られている触媒系より高い反応活性を示すことを見い
だした。
【化4】
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】本発明の新規ルテニウム錯体は、一般式
(1)で示される化合物である。
【化5】 (式中、R1,R2,R3は炭素数1〜10のアルキル
基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、または炭素数6
〜12のアリール基を表し、それぞれ同一であっても異
なっていても良い。R4は炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜20のア
ラルキル基を表す。R5は水素原子及び炭素数1〜20
のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7
〜20のアラルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基
を表す。R4,R5は結合して環を形成しても良い。
6,R7,R8,R9は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アル
コキシ基、アリールオキシ基、ニトロ基、シアノ基また
はジアルキルアミノ基を表しそれぞれ同一であっても異
なっていてもよく、また、隣接した2つの基が結合して
環を形成していても良い。)
【0007】一般式(1)で示される新規錯体の合成方
法の一例としては、以下の通りである。テトラヒドロフ
ラン(THF)溶媒中で、水素化ナトリウムにより一般
式(2)で示されるシッフ塩基配位子のナトリウム塩を
生成させた後、この溶液に、市販の三塩化ルテニウム水
和物から一工程、高収率で得られるRuHCl(CO)(PPh3)3
体(J. Am. Chem. Soc., 1961, 83, 1262)もしくはRuH
Cl(CO)(PCy3)2錯体(J.Mol. Cat. A, 1997, 126, 11
5.)を加え、トランスメタル化反応をすることによって
容易に得られる。得られた錯体は、固体の状態では空気
中でも安定である。
【0008】一般式(2)で示されるシッフ塩基配位子
の合成は、対応するアミンとサリチルアルデヒドをアル
コール溶媒中で加熱、もしくは室温下で反応させ、冷却
して析出するシッフ塩基配位子化合物を濾別することに
より非常に容易に得ることができる。
【化6】
【0009】ここで、一般式(1)及び一般式(2)式
中のR1、R2及びR3は、炭素数1〜10のアルキル
基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、または炭素数6
〜12のアリール基を表し、それぞれ同一であっても異
なっていても良い。
【0010】R1、R2及びR3の炭素数1〜10のアル
キル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピ
ル基及びその異性体、ブチル基及びその異性体、ペンチ
ル基及びその異性体、ヘキシル基及びその異性体、ヘプ
チル基及びその異性体、オクチル基及びその異性体、ノ
ニル基及びその異性体、デシル基及びその異性体等が挙
げられる。
【0011】R1、R2及びR3の炭素数5〜8のシクロ
アルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等
が挙げられる。
【0012】R1、R2及びR3の炭素数6〜12のアリ
ール基としては、例えば、フェニル基、トリル基及びそ
の異性体、キシリル基及びその異性体、ナフチル基及び
その異性体、ジメチルナフチル基及びその異性体等が挙
げられる。
【0013】また、R4は、炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜1
8のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基を表
す。
【0014】R5は、水素原子、炭素数1〜20のアル
キル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜20
のアラルキル基及び炭素数1〜10のアルコキシ基のい
ずれかを表す。さらにR4,R5は結合して環を形成して
も良い。
【0015】R4及びR5の炭素数1〜20のアルキル基
としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基及
びその異性体、ブチル基及びその異性体、ペンチル基及
びその異性体、ヘキシル基及びその異性体、ヘプチル基
及びその異性体、オクチル基及びその異性体、ノニル基
及びその異性体、デシル基及びその異性体等が挙げられ
る。
【0016】R4の炭素数3〜12のシクロアルキル基
としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペン
チル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロ
オクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、アダマ
ンチル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基等が
挙げられる。
【0017】R4及びR5の炭素数6〜18のアリール基
としては、例えば、フェニル基、トリル基及びその異性
体、キシリル基及びその異性体、ナフチル基及びその異
性体、ジメチルナフチル基及びその異性体等が挙げられ
る。
【0018】R4及びR5の炭素数7〜20のアラルキル
基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェ
ニルプロピル基、フェニルブチル基、ナフチルメチル
基、ナフチルエチル基、ナフチルプロピル基、ナフチル
メチル基、ジフェニルメチル基等が挙げられる。
【0019】R5の炭素数1〜10のアルコキシ基とし
ては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基
及びその異性体、ブトキシ基及びその異性体、ペンタノ
キシ基及びその異性体、ヘキサノキシ基及びその異性
体、ヘプタノキシ基及びその異性体、オクタノキシ基及
びその異性体、ノナノキシ基及びその異性体、デカノキ
シ基及びその異性体等があげられる。
【0020】さらに、一般式(1)式中のR6、R7、R
8及びR9は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
ルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、ニトロ基、シアノ基またはジア
ルキルアミノ基を表し、それぞれ同一であっても異なっ
ていてもよく、また隣接した2つの基が結合して環を形
成していても良い。
【0021】R6、R7、R8及びR9のハロゲン原子とし
ては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が
挙げられる。
【0022】R6、R7、R8及びR9のアルキル基として
は、炭素数1〜20、好ましくは1〜12のアルキル基
であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基及び
その異性体、ブチル基及びその異性体、ペンチル基及び
その異性体、ヘキシル基及びその異性体、ヘプチル基及
びその異性体、オクチル基及びその異性体、ノニル基及
びその異性体、デシル基及びその異性体、ウンデシル基
及びその異性体、ドデシル基及びその異性体等が挙げら
れる。
【0023】R6、R7、R8及びR9のシクロアルキル基
としては、炭素数3〜12であり、例えば、シクロプロ
ピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘ
キシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シク
ロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シ
クロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基
等が挙げられる。
【0024】R6、R7、R8及びR9のアルケニル基とし
ては、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜12のア
ルケニル基であり、例えば、ビニル基、プロペニル基及
びその異性体、ブテニル基及びその異性体、ペンテニル
基及びその異性体、ヘキセニル基及びその異性体、ヘプ
テニル基及びその異性体、オクテニル基及びその異性
体、ノネニル基及びその異性体、デセニル基及びその異
性体、ウンデセニル基及びその異性体、ドデセニル基及
びその異性体等が挙げられる。
【0025】R6、R7、R8及びR9のアリール基として
は、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12のアリ
ール基であり、例えば、フェニル基、トリル基及びその
異性体、キシリル基及びその異性体、ナフチル基及びそ
の異性体、ジメチルナフチル基及びその異性体等が挙げ
られる。
【0026】R6、R7、R8及びR9のアラルキル基とし
ては、炭素数7〜14のアラルキル基が好ましく、例え
ば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、
フェニルブチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル
基、ナフチルプロピル基、ナフチルブチル基、ジフェニ
ルメチル基等が挙げられる。
【0027】R6、R7、R8及びR9のアルコキシ基とし
ては、炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく、メト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びその異性体、ブ
トキシ基及びその異性体、ペンタノキシ基及びその異性
体、ヘキサノキシ基及びその異性体、ヘプタノキシ基及
びその異性体、オクタノキシ基及びその異性体、ノナノ
キシ基及びその異性体、デカノキシ基及びその異性体等
が挙げられる。
【0028】R6、R7、R8及びR9のアリールオキシ基
としては、炭素数6〜14のアリールオキシ基が好まし
く、フェノキシ基、トリロキシ基及びその異性体、キシ
リロキシ基及びその異性体、ナフトキシ基及びその異性
体、ジメチルナフトキシ基及びその異性体等が挙げられ
る。
【0029】R6、R7、R8及びR9のジアルキルアミノ
基としては、炭素数2〜10のジアルキルアミノ基が好
ましく、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロ
ピルアミノ基及びその異性体等が挙げられる。
【0030】前記のR4、R5、R6、R7、R8、及びR9
で示される置換基は、その炭素原子に結合している水素
原子が、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル
基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、アラルキル基、ニトロ基、シアノ基又はジ
アルキルアミノ基等で更に置換されていても良い。
【0031】また、その他に、前記のR4、R5、R6
7、R8、及びR9で示される置換基は、その炭素原子
に結合している水素原子が、トリフルオロメチル基、ト
リクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフ
ルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等の炭素数1
〜6のハロアルキル基、メチルチオ基、エチルチオ基、
プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキ
シルチオ基、フェニルチオ基等の炭素数1〜6のアルキ
ル又はアリールチオ基;メトキシカルボニル基、エトキ
シカルボニル基、プロポキシカルボニル基等の炭素数2
〜10のアルコキシカルボニル基;トリメチルシロキシ
基、トリエチルシロキシ基、トリイソプロピルシロキシ
基、トリブチルシロキシ基、メチルジイソプロピルシロ
キシ基、t-ブチルジメチルシロキシ基、メチルジt-ブチ
ルシロキシ基、トリベンジルシロキシ基、トリ-p-キシ
リルシロキシ基、t-ブチルジフェニルシロキシ基、トリ
フェニルメチルジメチルシロキシ基等の炭素数3〜24
のシロキシ基;水酸基等で置換されていても良い。
【0032】なお、本発明の新規なルテニウム錯体の構
造決定は以下のようにして行った。まず、錯体のIR測定
により、トランスメタル化後もCOは残留していることを
確認した。1H NMR測定により、ルテニウムヒドリドに対
してシスの位置に二分子のホスフィンが配位しているこ
とを確認した。さらに、シッフ塩基の窒素配位子のトラ
ンス位にヒドリドが存在していることも確認された。続
いて、31P NMR測定により、ホスフィン同士は互いにト
ランス位であることが確認された。以上の分析結果及び
単離された錯体の元素分析から、満足すべき新規ルテニ
ウム錯体の構造を一般式(1)に示されるルテニウム錯
体と決定した。一般式(1)で示される新規ルテニウム
錯体の具体例を下式に示す。
【化7】
【0033】本発明の一般式(1)に示される新規ルテ
ニウム錯体はオレフィン類の水素添加反応において、触
媒として作用する。例えば、1,5,9−シクロドデカ
トリエン等の環状ポリエンの部分水添触媒として、従来
触媒系では不可欠であった添加物を全く用いることな
く、さらに従来知られている触媒系より高い反応活性を
示す。この反応において1,5,9―シクロドデカトリ
エンの部分水添で得られるシクロドデセンは、ドデカン
二酸およびラウロラクタム等のC−12化学品の中間原
料として有用な化合物である。
【0034】
【実施例】以下に実施例、及び比較例を挙げて、本発明
を具体的に説明する。
【0035】実施例1[錯体1aの合成] (一般的製法)シュレンクフラスコ(25 ml)にNaH(24 m
g, 60 wt% in oil, 0.6 mmol)を秤取し、乾燥THFにて
洗浄後デカンテーション操作を行う(0.5 ml x 3)。続い
てTHF(3ml)を加えて攪拌し、錯体1aに対応するシッフ塩
基配位子 (98.6 mg,0.5 mmol)を室温、アルゴン気流下
少量ずつ加える(壁面に付着したシッフ塩基配位子はTH
F(2 ml)にて洗い流す)。この際水素ガスの発生が見ら
れる。室温で30分攪拌を行う。この時点で反応混合物
は黄色の上澄みと未反応のNaH粉(余剰分)となる。こ
の反応混合物をRuHCl(CO)(PPh3)3 (476 mg, 0.5 mmol)
を秤取し、THF(6ml)を加えて懸濁させ、氷浴で0℃に冷
却した別のシュレンクフラスコ(25 ml)にカンニュラフ
ィルター(ガラス繊維濾紙)を用いてNaHを濾過しつつ
滴下する。滴下終了後、氷浴を除き反応混合物を室温ま
で昇温する。室温で4時間攪拌を行う。この時点で反応
混合物は緑黄褐色〜褐色(錯体の種類による)の上澄み
と少量の不溶物となる。反応混合物をカンニュラフィル
ター(ガラス繊維濾紙)を用い、不溶物を濾過して別の
シュレンクフラスコ(50 ml)に移し、濾過残滓はTHF(2m
l)で洗浄し同様の操作で先のシュレンクフラスコ(50 m
l)に移す。濾過後の錯体THF溶液を減圧下、溶液量が約
2ml程度になるまで濃縮し、ここにヘキサン(25 ml)
を加えて黄色錯体を析出させる。壁面に付着した錯体は
超音波洗浄器にて落とす。析出した錯体をアルゴン気流
下で濾別し、更にヘキサンで洗浄する(15ml x 2)。
錯体1a, 収量 330 mg , (78 %)。1H NMR (C6D6) d 7.82
-7.87 (m,12H, Aromatic), 7.58-7.56 (m, 1H, Aromati
c), 7.39 (d, J = 2.9, 1H, N=CH), 7.02-6.90 (m, 21
H, Aromatic), 6.84-6.79 (m, 1H, Aromatic), 6.49-6.
39(m, 3H, Aromatic), 6.19 (dd, J = 6.4, 6.4, 1H, A
romatic), -10.37 (td, J P-H = 21.0, JH-H = 2.9, 1
H, Ru-H); 31P NMR (C6D6) d 42.94; IR (KBr) 1913(n
CO) cm-1; Anal. Calcd for C50H41NO2P2Ru: C, 70.58;
H, 4.86; N, 1.65. Found: C, 71.04; H, 4.98; N, 1.
51.
【0036】実施例2[錯体1bの合成] 錯体1bに対応するシッフ塩基配位子(140 mg,0.5 mmo
l)を用いる他は実施例1と同様に反応操作を行い、ル
テニウム錯体 1b (370 mg , 79 %)を黄色固体として得
た。1H NMR (C6D6) d 8.03 (d, J = 9.3, 1H, Aromati
c), 7.66-7.54 (m,8H, Aromatic), 7.39-7.36 (m, 5H,
Aromatic, N=CH), 7.20-6.88 (m, 23H, Aromatic), 6.5
2 (dd, J = 7.3, 7.3, 1H, Aromatic), 3.74 (sept, J
= 6.9, 1H,CH(CH3)2), 3.22 (sept, J = 6.9, 1H, CH(C
H3)2), 1.39 (d, J = 6.9, 3H, CH(CH3)(CH3)), 1.20
(d, J = 6.9, 3H, CH(CH3)(CH3)), 1.04 (d, J = 6.9,
3H,CH(CH3)(CH3)), 0.80 (d, J = 6.9, 3H, CH(CH3)(CH
3)), -14.5~-15.5 (br, 1H,Ru-H); 31P NMR (C6D6) d 5
5.13; IR (KBr) 1996.6 (nRu-H), 1922(nCO) cm-1;Ana
l. Calcd for C56H53NO2P2Ru: C, 71.93; H, 5.71; N,
1.50. Found: C, 71.44; H, 5.51; N, 1.40.
【0037】実施例3[錯体1cの合成] 錯体1cに対応するシッフ塩基配位子(108 mg,0.5 mmo
l)を用いる他は実施例1と同様に反応操作を行い、ル
テニウム錯体 1c (356 mg , 82 %)を黄色固体として得
た。1H NMR (C6D6) d 7.83-7.78 (m, 12H, Aromatic),
7.58-7.54 (m, 1H, Aromatic), 7.45 (d, J = 2.9, 1H,
N=CH), 7.02-6.90 (m, 18H, Aromatic),6.83-6.79 (m,
1H, Aromatic), 6.65-6.58 (m, 2H, Aromatic), 6.50-
6.46 (m,1H, Aromatic), 6.39-6.32 (m, 2H, Aromati
c), 6.11 (dd, J = 6.9, 6.9, 1H,Aromatic), -10.58
(td, JP-H = 21.0, JH-H = 2.9, 1H, Ru-H); 31P NMR
(C6D6) d 42.41; IR (KBr) 1923(nCO) cm-1; Anal. Cal
cd for C50H40FNO2P2Ru: C, 69.12; H, 4.64; N, 1.61.
Found: C, 69.30; H, 4.65; N, 1.54.
【0038】実施例4[錯体1dの合成] 錯体1dに対応するシッフ塩基配位子(133 mg,0.5 mmo
l)を用いる他は実施例1と同様に反応操作を行い、ル
テニウム錯体 1d (390 mg , 84 %)を黄色固体として得
た。1H NMR (C6D6) d 7.74-7.60 (m, 12H, Aromatic),
7.68 (d, J = 2.4, 1H, N=CH), 7.59-7.55 (m, 1H, Aro
matic), 7.44-7.40 (m, 1H, Aromatic), 7.04-6.83 (m,
20H, Aromatic), 6.69 (dd, J = 7.3, 7.3, 1H, Aroma
tic), 6.48(dd, J = 7.8, 1.5, 1H, Aromatic), 6.33
(d, J = 8.8, 1H, Aromatic), 6.14-6.10 (m, 1H, Arom
atic), -11.19 (td, JP-H = 22.0, JH-H = 2.4, 1H, Ru
-H);31P NMR (C6D6) d 48.41(br), 40.2(br); IR (KBr)
1986(nRu-H), 1914(nCO)cm -1; Anal. Calcd for C51H
40F3NO2P2Ru: C, 66.66; H, 4.39; N, 1.52. Found:C,
66.97; H, 4.41; N, 1.45.
【0039】実施例5[錯体1eの合成] 錯体1eに対応するシッフ塩基配位子(126 mg,0.5 mmo
l)を用いる他は実施例1と同様に反応操作を行い、ル
テニウム錯体 1e (402 mg , 89 %)を黄色固体として得
た。1H NMR (C6D6) d 7.82-7.77 (m, 12H, Aromatic),
7.59-6.78 (m, 20H, Aromatic, N=CH), 6.31-5.92 (m,
5H, Aromatic), -10.75 (td, JP-H = 21.5, JH-H = 2.
9, 1H, Ru-H); 31P NMR (C6D6) d 42.7; IR (KBr) 1981
(nRu-H), 1920(nCO) cm-1; Anal. Calcd for C50H38F3N
O2P2Ru: C, 66.37; H, 4.23; N, 1.55. Found: C, 66.7
8; H, 4.34; N, 1.45.
【0040】実施例6[錯体1fの合成] 錯体1fに対応するシッフ塩基配位子(108 mg,0.5 mmo
l)を用いる他は実施例1と同様に反応操作を行い、ル
テニウム錯体 1f (390 mg , 90 %)を橙黄色固体として
得た。 1H NMR (C6D6) d 7.85-7.79 (m, 12H, Aromati
c), 7.59-7.40 (m,2H, Aromatic), 7.38 (s, 1H, N=C
H), 7.04-6.46 (m, 22H, Aromatic), 6.16-5.82 (m, 2
H, Aromatic), -14.58 (t, JP-H = 18.0, 1H, Ru-H);
31P NMR (C6D6) d 40.4; IR (KBr) 2006(nRu-H), 1920
(nCO)cm-1; Anal. Calcd for C50H40FNO 2P2Ru: C, 69.1
2; H, 4.64; N, 1.61. Found: C, 69.39; H, 4.57; N,
1.49.
【0041】実施例7[錯体1gの合成] 錯体1gに対応するシッフ塩基配位子(135 mg,0.5 mmo
l)を用いる他は実施例1と同様に反応操作を行い、ル
テニウム錯体 1g (392 mg , 85 %)を淡黄色固体として
得た。 1H NMR (C6D6) d 7.83-7.79 (m, 12H, Aromati
c), 7.59-7.26 (m,2H, Aromatic, N=CH), 7.04-6.95(m,
18H, Aromatic), 6.60-5.74 (m, 3H, Aromatic), -10.
65 (td, JP-H = 21.5, JH-H = 2.9, 1H, Ru-H); 31P NM
R (C6D6) d42.1; IR (KBr) 1993(nRu-H), 1922(nCO)cm
-1; Anal. Calcd for C50H37F4NO2P 2Ru: C, 65.07; H,
4.04; N, 1.52. Found: C, 65.45; H, 4.09; N, 1.46.
【0042】実施例8[錯体1hの合成] 錯体1hに対応するシッフ塩基配位子(121 mg,0.5 mmo
l)を用いる他は実施例1と同様に反応操作を行い、ル
テニウム錯体 1h (376 mg , 84 %)を黄色固体として得
た。 1H NMR (C6D6) d 7.72 (dd, J = 9.8, 2.9, 1H, A
romatic), 7.64-7.54 (m, 12H Aromatic), 7.52 (d, J
= 2.9, 1H, N=CH), 7.04-6.88 (m, 22H, Aromatic), 6.
42-6.40 (m, 2H, Aromatic), 6.04 (d, J = 9.3, 1H, A
romatic),-10.48 (td, JP-H = 20.5, JH-H = 2.9, 1H,
Ru-H); 31P NMR (C6D6) d 42.6;IR (KBr) 1962(nRu-H),
1936(nCO)cm-1; Anal. Calcd for C50H40N2O4P2Ru・1.
0thf: C, 67.00; H, 5.00; N, 2.89. Found: C, 67.00;
H, 5.03; N, 2.63.
【0043】実施例9[錯体1iの合成] 錯体1iに対応するシッフ塩基配位子(144 mg,0.5 mmo
l)を用いる他は実施例1と同様に反応操作を行い、ル
テニウム錯体 1i (428 mg , 91 %)を橙色固体として得
た。 1H NMR (C6D6) d 8.64 (d, J = 2.9, 1H, Aromati
c), 7.73-7.54 (m, 12H, Aromatic), 7.26 (d, 1H, J =
2.9, N=CH), 7.11-6.76 (m, 23H, Aromatic), 6.62
(d, J = 7.8, 1H, Aromatic), -15.22 (t, JP-H = 17.
1, 1H, Ru-H);31P NMR (C6D6) d 41.4; IR (KBr) 2064
(nRu-H), 1924(nCO)cm-1; Anal. Calcdfor C50H39N3O6P
2Ru: C, 63.83; H, 4.18; N, 4.47. Found: C, 63.92;
H, 4.32; N, 4.14.
【0044】実施例10[錯体1jの合成] 錯体1jに対応するシッフ塩基配位子(114 mg,0.5 mmo
l)を用いる他は実施例1と同様に反応操作を行い、ル
テニウム錯体 1j (250 mg , 57 %)を褐色固体として得
た。 1H NMR (C6D6) d 7.83-7.72 (m, 13H, Aromatic),
7.59-7.56 (m, 1H, Aromatic), 7.54-7.31 (m, 3H, Ar
omatic, N=CH), 7.02-6.91 (m, 18H, Aromatic), 6.65-
6.62 (m, 1H, Aromatic), 6.42-6.33 (m, 2H, Aromati
c), 5.97 (d, J = 3.4, 1H, Aromatic), 3.34 (s, 3H,
OMe), -10.35 (td, JP-H = 20.5, JH -H = 2.9, 1H, Ru-
H); 31P NMR (C6D6) d 42.6; IR (KBr) 1921(nCO)cm-1;
Anal. Calcd for C51H43NO3P2Ru: C, 69.54; H, 4.92;
N, 1.59. Found: C, 69.51;H, 5.26; N, 1.45.
【0045】実施例11[錯体1kの合成] 錯体1kに対応するシッフ塩基配位子(144 mg,0.5 mmo
l)を用いる他は実施例1と同様に反応操作を行い、ル
テニウム錯体 1j (400 mg , 85 %)を橙色固体として得
た。 1H NMR (C6D6) d 7.78-7.73 (m, 12H, Aromatic),
7.59-7.40 (m, 1H, N=CH), 7.04-6.91(m, 18H, Aromat
ic), 6.81-6.77 (m, 1H, Aromatic), 6.26-6.23 (m, 2
H, Aromatic), 6.08-6.04 (m, 1H, Aromatic), -10.94
(td, JP-H =21.5, JH-H = 2.9, 1H, Ru-H); 31P NMR (C
6D6) d 43.5; IR (KBr) 1974(nRu-H), 1919(nCO)cm-1;
Anal. Calcd for C50H37F4NO2P2Ru・0.7 hexane: C, 6
5.05;H, 4.57; N, 1.40. Found: C, 64.47; H, 4.57;
N, 1.38.
【0046】実施例12[錯体1lの合成] 錯体1lに対応するシッフ塩基配位子(144 mg,0.5 mmo
l)を用いる他は実施例1と同様に反応操作を行い、ル
テニウム錯体 1l (380 mg , 81 %)を橙色固体として得
た。 1H NMR (C6D6) d 7.94-7.89 (m, 6H, Aromatic),
7.68-7.63 (m, 6H, Aromatic), 7.44 (br, 1H, N=CH),
7.07-6.91(m, 19H, Aromatic), 6.83-6.76(m, 2H, Arom
atic), 6.54-6.47 (m, 2H, Aromatic), 6.28 (dd, J =
7.8, 2.0,1H, Aromatic), 6.10-6.06 (m, 1H, Aromat
ic), -11.38 (td, JP-H = 23, JH -H = 2.4, 1H, Ru-H);
31P NMR (C6D6) d 50.4 (d, JP-P(trans) = 333), 33.
4(d, JP-P(trans) = 333); IR (KBr) 1998(nRu-H), 191
3(nCO)cm-1; Anal. Calcdfor C51H39F4NO2P2Ru・0.5 he
xane: C, 66.18; H, 4.73; N, 1.43. Found: C,65.70;
H, 4.74; N, 1.43.
【0047】実施例13[錯体1mの合成] シュレンクフラスコ(25 ml)にNaH(24 mg, 60 wt% in o
il, 0.6 mmol)を秤取し、乾燥THFにて洗浄後デカンテ
ーション操作を行う(0.5 ml x 3)。続いてTHF(3 ml)を
加えて攪拌し、錯体1mに対応するシッフ塩基配位子(11
3 mg,0.5 mmol)を室温、アルゴン気流下少量ずつ加え
る(壁面に付着したシッフ塩基配位子はTHF(2 ml)にて
洗い流す)。この際水素ガスの発生が見られる。室温で
30分攪拌を行う。この時点で反応混合物は無色の上澄
みと未反応のNaH粉(余剰分)となる。この反応混合物
をRuHCl(CO)(PPh3)3 (476 mg, 0.5 mmol) を秤取し、TH
F(6ml)を加えて懸濁させ、氷浴で0℃に冷却した別のシ
ュレンクフラスコ(25 ml)にカンニュラフィルター(ガ
ラス繊維濾紙)を用いてNaHを濾過しつつ滴下する。滴
下終了後、氷浴を除き反応混合物を室温まで昇温する。
室温で2〜4時間攪拌を行う。この時点で反応混合物は
緑黄褐色〜褐色(錯体の種類による)の上澄みと少量の
不溶物(生成するNaCl及び未反応の原料錯体(反応が良
好に進行していればこれはほとんどない))となる。反
応混合物をカンニュラフィルター(ガラス繊維濾紙)を
用い、不溶物を濾過して別のシュレンクフラスコ(50 m
l)に移し、濾過残滓はTHF(2 ml)で洗浄し同様の操作で
先のシュレンクフラスコ(50 ml)に移す。濾過後の錯体T
HF溶液を減圧下、溶液量が約2ml程度になるまで濃縮
し、ここにヘキサン(25 ml)を加えた後、反応混合物を
0℃に冷却し、錯体錯体を析出させる。壁面に付着した
錯体は超音波洗浄器にて落とした後再度冷却し、析出し
た黄色錯体をアルゴン気流下で濾別、更に冷ヘキサンで
洗浄する(15 ml x 2)。得られた錯体は減圧下室温で
5時間以上乾燥し溶媒を除去する。錯体1m収量325 mg
(74 %). 1H NMR (C6D6) d 7.89-7.85 (m, 6H, Aromati
c), 7.68 (d, J =2.9, 1H, N=CH ), 7.62-7.56 (m, 6H,
Aromatic), 7.40 (m, 4H, Aromatic), 7.06-6.93(m, 1
8H, Aromatic), 6.80 (m, 1H, Aromatic), 6.49-6.47
(m, 1H, Aromatic), 6.27 (d, J = 7.3, 1H, Aromati
c), 6.21 (m, 1H, Aromatic), 5.32 (q, J = 6.6, 1H,
NCH(Me)Ph), 1.04 (d, J = 6.6, 3H, NCH(Me)Ph), -10.
55 (td, JP-H = 24.2, JH-H = 2.9, 1H, Ru-H); 31P NM
R (C6D6) d 45.9 (d, JP-P(tra ns) = 337), 37.9 (d, J
P-P(trans) = 337); IR (KBr) 1960(nRu-H), 1909(nCO)
cm-1; Anal. Calcd for C52H45NO2P2Ru・0.3 hexane:
C, 71.45; H, 5.52; N, 1.54. Found: C, 71.62; H, 5.
53; N, 1.43.
【0048】実施例14[錯体1nの合成] 錯体1nに対応するシッフ塩基配位子(135 mg,0.5 mmo
l)を用いる他は実施例13と同様に反応操作を行い、
ルテニウム錯体 1l (390 mg , 84 %)を黄色固体として
得た。 1H NMR (C6D6) d 7.77-7.69 (m, 6H, Aromati
c), 7.61 (d, J = 2.8, 1H, N=CH ), 7.59-7.58 (m, 2
H, Aromatic), 7.32-7.28 (m, 6H, Aromatic), 7.04-6.
85 (m, 23H, Aromatic), 5.93 (d, J = 9.4, 1H, Aroma
tic), 5.30 (q, J = 6.6, 1H, NCH(Me)Ph), 0.87 (d, J
= 6.6, 3H, NCH(Me)Ph), -10.61 (ddd, JP-H = 21.5,
20.9, JH-H = 2.8, 1H, Ru-H); 31P NMR (C6D6) d 45.7
(d, JP -P(trans) = 317), 36.9 (d, JP-P(trans) = 31
7); IR (KBr) 1907(nCO)cm-1; Anal. Calcd for C52H44
N2O4P2Ru: C, 67.60; H, 4.80; N, 3.03. Found: C, 6
7.56; H, 4.79; N, 3.05.
【0049】実施例15[錯体1oの合成] 錯体1oに対応するシッフ塩基配位子(128 mg,0.5 mmo
l)を用い、再結晶操作の冷却温度を−78℃で行う他
は、実施例13と同様に反応操作を行い、ルテニウム錯
体 1o (420 mg , 92 %)を黄色固体として得た。 1H NM
R (C6D6) d 7.92-7.87 (m, 6H, Aromatic), 7.75 (m, 1
H, Aromatic), 7.67 (d, J = 3.3, 1H, N=CH ), 7.64-
7.59 (m, 6H, Aromatic), 7.40 (m, 1H, Aromatic), 7.
07-6.98(m,21H, Aromatic), 6.57 (d, J = 3.3, 1H, Ar
omatic), 6.20 (d, J = 8.8, 1H, Aromatic), 6.09 (d,
J = 3.3, 1H, Aromatic), 5.35 (q, J = 6.6, 1H, NCH
(Me)Ph), 3.31 (s, 3H, OMe), 1.06 (d, J = 6.6, 3H,
NCH(Me)Ph), -10.61 (ddd, J P-H = 21.5, 20.9, JH-H =
3.3, 1H, Ru-H); 31P NMR (C6D6) d 45.6 (d, JP-P(
trans) = 337), 37.6 (d, JP-P(trans) = 337); IR (KB
r) 1961(nRu-H), 1909(n CO)cm-1; Anal. Calcd for C53
H47NO3P2Ru・0.25 hexane: C, 70.35; H, 5.47;N, 1.5
1. Found: C, 70.71; H, 5.45; N, 1.51.
【0050】実施例16[錯体1pの合成] 錯体1pに対応するシッフ塩基配位子(120 mg,0.5 mmo
l)を用いる他は実施例13と同様に反応操作を行い、
ルテニウム錯体 1p (393 mg , 88 %)を黄白色固体とし
て得た。 1H NMR (C6D6) d 7.86-7.81 (m, 12H, Aromat
ic), 7.58-7.55 (m, 1H, Aromatic), 7.48 (d, J = 2.
2, 1H, N=CH ), 7.45-7.40 (m, 1H, Aromatic), 7.11-
6.89 (m, 21H, Aromatic), 6.71-6.67 (m, 1H, Aromati
c), 6.35 (dd, J = 7.7, 1.7, 1H, Aromatic), 6.11 (d
d, J = 7.4, 7.4, 1H, Aromatic), 6.03 (d, J = 8.8,
1H, Aromatic), 1.56 (s, 6H, NCMe2Ph), -11.54 (td,
JP-H =23.7, JH-H = 2.2, 1H, Ru-H); 31P NMR (C6D6)
d 41.6; IR (KBr) 1988(nRu- H), 1908(nCO)cm-1; Ana
l. Calcd for C53H47NO2P2Ru: C, 71.29; H, 5.31; N,
1.57. Found: C, 71.08; H, 5.43; N, 1.49.
【0051】実施例17[錯体1qの合成] 錯体1qに対応するシッフ塩基配位子(128 mg,0.5 mmo
l)を用い再結晶操作の冷却温度を−78℃で行う他
は、実施例13と同様に反応操作を行い、ルテニウム錯
体 1q (394 mg , 87 %)を黄白色固体として得た。 1H
NMR (C6D6) d 7.89-7.84 (m, 12H, Aromatic), 7.75-7.
72 (m, 1H, Aromatic), 7.57-7.54 (m, 1H,Aromatic),
7.40 (br, 1H, N=CH ), 7.07-6.74 (m, 18H, Aromati
c), 6.36-6.33(m, 1H, Aromatic), 6.09 (d, J = 8.3,
1H, Aromatic), 1.90 (m, 3H, Adamantyl), 1.58-1.57
(m, 6H, Adamantyl), 1.52-1.45 (m, 6H, Adamantyl),
-11.35(td, JP-H = 23.1, JH-H = 2.2, 1H, Ru-H); 31
P NMR (C6D6) d 42.2; IR (KBr) 1975(nRu-H), 1904(n
CO)cm-1; Anal. Calcd for C54H51NO2P2Ru・0.2 hexan
e: C, 71.58; H, 5.85; N, 1.51. Found: C, 71.12; H,
5.71; N, 1.39.
【0052】実施例18[錯体1rの合成] シュレンクフラスコ(25 ml)にNaH(44 mg, 60 wt% in o
il, 1.1 mmol)を秤取し、乾燥THFにて洗浄後デカンテ
ーション操作を行う(1.0 ml x 3)。続いてTHF(3 ml)を
加えて攪拌し、錯体1rに対応するシッフ塩基配位子(197
mg, 1.1 mmol)を室温、アルゴン気流下少量ずつ加える
(壁面に付着したシッフ塩基配位子はTHF(2ml)にて洗い
流す)。この際水素ガスの発生が見られる。室温で30
分攪拌を行う。この時点で反応混合物は黄色の上澄みと
未反応のNaH粉(余剰分)となる。この反応混合物をRuH
Cl(CO)(PCy3)2 (726 mg, 1.0 mmol) を秤取し、THF(9 m
l)を加えて懸濁させ、氷浴で0℃に冷却した別のシュレ
ンクフラスコ(25 ml)にカンニュラフィルター(ガラス
繊維濾紙)を用いてNaHを濾過しつつ滴下する。滴下終
了後、氷浴を除き反応混合物を室温まで昇温する。室温
で3時間攪拌を行う。この時点で反応混合物は黄褐色の
上澄みと少量の不溶物となる。反応混合物をカンニュラ
フィルター(ガラス繊維濾紙)を用い、不溶物を濾過し
て別のシュレンクフラスコ(50 ml)に移し、濾過残滓はT
HF(2 ml)で洗浄し同様の操作で先のシュレンクフラスコ
(50 ml)に移す。濾過後の錯体THF溶液を減圧下、溶液量
が約2ml程度になるまで濃縮し、ここにヘキサン(25
ml)を加えた後、反応混合物を0℃に冷却し、オレンジ
色の錯体1rを析出させる。壁面に付着した錯体は超音波
洗浄器にて落とした後再度冷却し、析出した錯体をアル
ゴン気流下で濾別、更に冷ヘキサンで洗浄する(15 ml
x 2)。得られた錯体は減圧下室温で5時間以上乾燥し
溶媒を除去する。収量650 mg (73 %)。 1H NMR (C6D6)
d 8.07 (d, J = 2.5, 1H, N=CH), 7.66-7.64 (m, 2H, A
romatic), 7.30-7.26 (m, 2H, Aromatic),7.20-7.16
(m, 1H, Aromatic), 7.04 (dd, J = 7.3, 7.3, 1H, Aro
matic), 6.95 (dd, J = 7.8, 1.5, 1H, Aromatic), 6.8
4 (d, J = 8.3, 1H, Aromatic), 6.41 (dd, J = 6.9,
6.9, 1H, Aromatic), 2.20-1.96 (m, 18H, Cyclohexy
l), 1.73-1.64 (m, 30H, Cyclohexyl), 1.26-1.09 (m,
18H, Cyclohexyl), -12.70 (td,JP-H = 22.5, JH-H =
2.5, 1H, Ru-H); 31P NMR (C6D6) d 41.65; IR (KBr) 2
928, 2849, 2065 (nRu-H), 1895(nCO), 1606, 1447, 75
1 cm-1; Anal. Calcd forC50H77NO2P2Ru: C, 67.69; H,
8.75; N, 1.58. Found: C, 66.57; H, 9.01; N,1.59.
【0053】参考例1 1,5,9−シクロドデカトリエン(CDT)の部分水
添反応によるシクロドデセン(CDEN)合成(新規錯
体触媒系) 窒素ボックス中でシュレンクフラスコ (25 ml)に新規ル
テニウム錯体1d (29mg,0.031 mmol)を秤取する。シュ
レンクフラスコを取り出し、アルゴン気流下で酢酸エチ
ル (5 ml) を加える。触媒溶液をシリンジにてアルゴン
気流下、オートクレーブ (50 ml;高真空下でアルゴン
置換を3回行ったもの)に移し、続いてCDT(560ml,
3.1 mmol)を加える。オートクレーブを水素ラインに接
続し、水素を5kgf/cm2まで導入する。この際水素ライン
の圧力パージ(20kgf/cm2 x 5回)、続いてオートクレー
ブの圧力パージ(20kgf/cm2 x 3回)を行う。オートクレ
ーブを水素ラインから外し、140℃のオイルバスに投
入し、攪拌を開始する。5時間反応の後オイルバスを除
去し、オートクレーブを水浴で室温まで速やかに冷却す
る。反応溶液を取り出しガスクロマトグラフィーによ
り、反応生成物の分析を行ったところ、CDTの転化率
は99%以上であり、目的物であるCDENの収率は9
9.1%、その他シクロドデカジエン(CDDEN)の
収率は0.6%、シクロドデカン(CDAN)の収率は
0.3%であった。
【0054】[GC条件] 分析方法 :面積百分率法 GC装置 :日立 G−3000 カラム :CHROMPACK製キャピラリーカラム CP-WA
X52CB (50m x 0.32mm) 注入口温度 :270℃ 検出器温度 :270℃ カラム温度 :105℃/25分→30℃/分→24
0℃/15分 主な分析対象物であるCDT、CDEN及び CDDENのそれぞれ
のFIDに対する相対感度にはほとんど違いがないため面
積百分率法にて定量を行った。
【0055】比較例1 1,5,9−シクロドデカトリエン(CDT)の部分水
添反応によるシクロドデセン(CDEN)合成(既知
法) オートクレーブ (50 ml)にRuCl2(CO)2(PPh3)2 (23mg,
0.031 mmol)、添加物としてNa2CO3(1.7 mg, 0.016 mmo
l)、トリフェニルホスフィン(81mg, 0.31 mmol)を秤取
する。オートクレーブを高真空下でアルゴン置換を3回
行った後、アルゴン気流下でエタノール(5 ml) を加え
る。続いてCDT(560ml, 3.1 mmol)を加える。オート
クレーブを水素ラインに接続し、水素を5kgf/cm2まで導
入する。この際水素ラインの圧力パージ(20kgf/cm2 x 5
回)、続いてオートクレーブの圧力パージ(20kgf/cm2 x
3回)を行う。オートクレーブを水素ラインから外し、1
40℃のオイルバスに投入し、攪拌を開始する。5時間
反応の後オイルバスを除去し、オートクレーブを水浴で
室温まで速やかに冷却する。反応溶液を取り出しガスク
ロマトグラフィーにより、反応生成物の分析を行ったと
ころ、CDTの転化率は99%以上であり、目的物CD
ENの収率は98.1%、その他シクロドデカジエン
(CDDEN)の収率は1.9%、シクロドデカン(C
DAN)の収率はトレース量であった。
【0056】参考例2 1,5,9−シクロドデカトリエン(CDT)の部分水
添反応によるシクロドデセン(CDEN)合成(新規錯
体触媒系) 反応時間を2時間とする他は参考例1と同様に反応行っ
た。反応後、反応溶液を取り出しガスクロマトグラフィ
ーにより、反応生成物の分析を行ったところ、CDTの
転化率は99%以上であり、目的物CDENの収率は9
1.1%、その他シクロドデカジエン(CDDEN)の
収率は8.9%、シクロドデカン(CDAN)の収率は
トレース量であった。
【0057】比較例2 1,5,9−シクロドデカトリエン(CDT)の部分水
添反応によるシクロドデセン(CDEN)合成(既知
法) 反応時間を2時間とする他は比較例2と同様に反応行っ
た。反応後、反応溶液を取り出しガスクロマトグラフィ
ーにより、反応生成物の分析を行ったところ、、CDT
転化率95%、目的物CDEN選択率41.1%、その
他シクロドデカジエン(CDDEN)選択率58.9
%、シクロドデカン(CDAN)選択率トレース量であ
った。
【0058】比較例3 1,5,9−シクロドデカトリエン(CDT)の部分水
添反応によるシクロドデセン(CDEN)合成(既知
法) 反応溶媒を酢酸エチルとする他は比較2と同様に反応行
った。反応後、反応溶液を取り出しガスクロマトグラフ
ィーにより、反応生成物の分析を行ったところ、CDT
転化率99以上であり、目的物CDENの収率18.5
%、その他シクロドデカジエン(CDDEN)の収率8
1.5%、シクロドデカン(CDAN)収率はトレース
量であった
【0059】参考例1、2及び比較例1〜3の反応条件
及び反応結果をまとめて表1に示した。
【表1】
【0060】
【発明の効果】シッフ塩基を配位子に持つ新規なルテニ
ウム錯体を合成・単離するとともに、新規ルテニウム錯
体が、シクロドデカトリエン等の環状ポリエンの部分水
添触媒として、従来のルテニウム錯体触媒系では不可欠
であった添加物を全く用いることなく、さらに、従来知
られている触媒系より高い反応活性を示すことを見いだ
した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07F 15/00 C07F 15/00 A Fターム(参考) 4G069 AA02 AA06 AA08 BA27A BA27B BE26A BE26B BE42A BE42B CB02 DA02 FA01 4H006 AA02 AC11 BA23 BA46 BA48 BE20 4H039 CA29 CB10 4H050 AB40 AD17 BB25 WB11 WB13 WB14

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)に示される新規ルテニウム錯
    体。 【化1】 (式中、R1,R2,R3は炭素数1〜10のアルキル
    基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、または炭素数6
    〜12のアリール基を表し、それぞれ同一であっても異
    なっていても良い。R4は炭素数1〜20のアルキル
    基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜20のア
    ラルキル基を表す。R5は水素原子及び炭素数1〜20
    のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7
    〜20のアラルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基
    を表す。R4,R5は結合して環を形成しても良い。
    6,R7,R8,R9は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
    ル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アル
    コキシ基、アリールオキシ基、ニトロ基、シアノ基また
    はジアルキルアミノ基を表しそれぞれ同一であっても異
    なっていてもよく、また、隣接した2つの基が結合して
    環を形成していても良い。)
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100617990B1 (ko) 2004-07-30 2006-09-01 한국화학연구원 다핵으로 연결된 전이금속 화합물 및 이를 이용한 개환복분해 중합체의 제조방법
WO2014198022A1 (en) * 2013-06-09 2014-12-18 Lanxess Deutschland Gmbh Ruthenium- or osmium-based complex catalysts
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